小説(転載) 相姦の螺[らせん]旋 -兄と妹の倒錯地獄-Episode11
近親相姦小説
ユウキが、遠くなっていく。
放課後。ただただ静かな、ながいながいろう下の向こうへ、ユウキが立ち去っていく。
学生服が、黒い点に近づくほど、不快なだけの緊張感が、増殖していく。
化学実験のための、丈の長い、白衣。
汗で、もう、じっとり。
「ふぅーーーー・・・」
ろう下のはてで、ユウキが、左手をあげた。
左手をあげたら、私も、このろう下のはてから、歩きださなくちゃいけない。
「・・・やだなぁ・・・」
床を見つめて、思わずこぼした。歩きだせない。
両ヒザが細かく、ふるえつづける。ベタベタの手のひらを、大きなポケットの中でにぎり
しめたり、開いたり、意味もなくくりかえす。
”学校では十分場数ふんでるだろうが・・・”
そんなこと、言われたって・・・
”お前等、命令を、待ってるんだろ?・・・”
奥歯は、奥歯に、前歯は下くちびるに、くやしい気持ちをたたきつける。
”もっと、もっと、ヤラしい命令、されたいんだろ?・・・”
ぎゅっ、と、まぶたを閉じる。
”その度に、うずいて、うずいて、しょうがないんだろう?・・・”
「・・・・あ・・・」
まぶたを開いた先で、ユウキがもういちど手をあげる。
わかってる、わかってるよ。
あとで、チェックされるんだもんね。これ、しなくちゃ、次は何させられるか、わかんない
ものね・・・
「ふぅーーーー・・・っ」
ひだり足。
「んンっ・・・」
・・・うわ、強烈・・・
その瞬間、子虫がわいたように、全身で汗の点々、にじみでる。
右足。
「ふううっ・・・ぐっ、ふーーーー・・・」
ひだり。右。ひだり、右、ひだり、右。ひだり右、ひだり右、ひだり・・・
ちゃんと、歩けない。
一秒でもはやく、ユウキのいる場所まで行きたい。
でも、足をほんの数センチ前に出すだけで、気が遠くなりそう。そのまま前のめりに
くずれちゃいそう。
例えて言うなら、おもちゃのロボット。見た目とかは考えてられない。たおれてしまわ
ないように、少しだけ足を開いて、べたっべたって、どうにかステップをつなげてる。
ながいながいろう下、ついに、私も、歩きだして、しまった・・・
まわりはあいかわらず、静か。静か。
会議室。資料室。どんなに歩いてもいっこうに縮まない道のりには、教室とか、部活を
やってるような部屋は、ない。
何度も何度も、何度もうしろをふりかえる。部屋の中をのぞきこんでみる。どんなこと
をしたって、体の内側にへばりついた不安、落とせっこない。でも、確認をせずには、
いられない。
だれも、いない。来る気配すらない。来たらこまる。だって・・・
「・・・・・・・・・」
半分手前くらいで、ついに、とうとう、さらにユウキの左手が、あげられた。
立ち止まる。まるで、ろう下じゅう鳴りひびいてるみたい。心臓の音が、左右のコマク
を力いっぱいノックする。
ここでユウキが手をあげたなら、やらなくちゃいけない。しなくちゃ、これよりもっと
ひどいこと、強制される。こんなこと、したくない。でもしなくちゃだめ。ごまかしたと
しても、あとで先生にはバレてしまう。私ができなきゃ、ユウキにまで、メーワクかけて
しまう。だから、だから、だから、今なら、今だったら、だれもいない。今しかない。今
しかない。今しかない。今しかない・・・
ズームを最大にしたレンズの中のユキが、まだぜんぜん小さくしか映らない時点から、
僕は、呼吸が、荒くなってしまっている。
白衣姿のユキが一歩、また一歩僕の方へ近づくたびに、青ざめた顔で、ふりむいたり、
辺りをみまわしたりするたびに、右手が、かじかんだようにカクカクしてしまっている。
ユキに実験服を貸したのは、中野先生。僕にカメラ役をするように言ったのも、先生。
場所も、合図の一つ一つも、その合図を出すタイミングも全部、中野先生が僕たちにこと
細かく指示したもの。自分は直接、手は出さない。
そしていま、ユキはぎこちない足どりでろう下を歩き、僕はふるえる手でそれを記録し
つづけている。
僕は、いったいなにやってんだ・・・
このことを聞かされたとき、ユキは泣きそうになっていた。それだけはやめてほしいっ
て、何度も先生に頼みこんでたユキの顔が、頭をかすめた。
ユキがいやがってること、よりによって僕がしなくちゃいけない。
なんでこんなこと、してるんだ・・・
自己嫌悪が、体中の細胞をおそう。胃袋が、見えない巨大な手でにぎりつぶされる。
それなのに・・・
「はーっ・・・はーっ・・・はーっ・・・」
カメラが、このビデオカメラが、いけないんだ・・・
いま見ているのは、現実の世界。
でも、カメラのレンズをすりぬけてきた現実の世界は、そのリアルさが極端にはげ落ち
ているように、僕の目には映った。
フレームによって、日常生活から切りはなされた風景の中に、閉じこめられた女の子。
あまりにも、無防備な女の子。ひどくおびえきってる女の子。見えない恐怖にカラダを
ふるわせている、女の子。目をうるませてる女の子。痛々しいほど弱々しい、女の子。
そんな、女の子って・・・
「ボッ・・・キ、しちゃう・・・」
ファインダーごしにのぞくその表情に、ゾクゾクしている。これから起こることを思い
描いて、先端をひくひく、トランクスにこすり合わせてる。
はげしく反応してしまってる、自分がいる。全身汗ばんでる、自分がいる。
”会議室あたりまで来たら、もう一度手を上げるんだ。そうしたらユキは・・・”
ご、くっ・・・
期待してる。僕は、期待してしまっている・・・
正反対の気持ちが、メリメリと音を立てて、僕の精神をまっぷたつに引きさく。
やっぱり、こんなこと、するべきじゃない。
ユキが、ユキがあんな異常なことしちゃってる。
だいいちだれか来たら、シャレにならない。
ここは学校だ。学校の中で、ユキが、あんなことを・・・
先生たちや親に、怒られてすむようなことじゃない。
妹のユキが、クラスメートのユキが、執行部のユキが、14歳のユキが・・・
なにより、ユキ本人があれだけいやがってたんだ。
この学校にたくさんいる男子の中で、あんなユキの姿を監視しているのは、僕だけだ。
きょうだいとして、僕は止めなくちゃいけないんじゃないのか。
コーフン、してしまう。この状況の中にいるだけで、出しちゃいそう・・・
ユキが、会議室まで、さしかかった。
ここで、僕が、左手を上げれば・・・
だけど、僕が、左手を上げたりしたら・・・
でも、僕が、左手を上げなければ・・・
「ふーっ、ふーっ、ふーっ・・・あっ・・・」
気がつくと、ユキの両手が、白衣のえりを、にぎりしめている。
「・・・ユキ・・・ユキッ・・・」
知らない間に、僕の左手は、上がっていた。
「・・・ユキ・・・ユキ、ユキ、はやく・・・はやくほら、はやく・・・」
白衣の、真ん中が、
「ほら、手を止めないで、ユキ、ほら、ほら、」
ゆっくりと、
「そう、そうだよ、もう少し、もう少し、もう少し・・・」
開かれた。
「はーっはーっ、っああ、ああ、ユキ、そんな、ユキ・・・」
白衣の下は、はだか。
白衣の白にほんの少し赤を落としたような、素肌。むきだしの素肌に、まるみをおびた
影をつくる、ふたつのふくらみ。ふくらみのまんなかに、あざやかな桃色の、乳首。
さこつ。わきの下。おへそ。ふともも。ひざこぞう。
学校のろう下のど真ん中で、何度も、何人もの生徒が行き来したこのろう下で、いつ、
だれが来てもおかしくない状況で、
変態的な裸体が、画面をいっぱいにぬりつぶした。
「ああ、ユキ、ユキのそのカッコ、たまんないよ、僕たまんないよう・・・」
ユキが、白衣の前を広げたまま、歩きだした。それが、中野先生の指示だからだ。
「ユキ、カオ、まっ赤だね。ハズカシイんだね。だって、すごく、ハズカシそうな表情、
してるから。ああ、全身がみるみる赤くそまってく。白衣と、シューズと、くつ下、それ
以外は全部、まるみえだよ?おっぱい、外の空気に触れてるんだよ?乳首、コチコチに
ボッキしてるところまでまるわかりなんだよ?・・・」
ユキが、立ち止まる。
「歩きにくい?歩きにくいの、ユキ?」
肩で息をしながら、モゾモゾとひざをこすりあわせる。ふとももとふとももが密着して、
ワレメの線と、その周りの肉影のグラデーションが、僕のボッキをさらに悪化させる・・・
「そうだよね。アソコに、おっきいバイブ、つっこんで歩いてるんだもんね・・・」
・・・ユキのコカンには、水にひたしたかの様にすけすけの下着が、かぶせられている。
ワレメの中から、黒いコードが、生えている。細いコードは下着をくぐって、ふともも
の内側にガムテープで止められている。
「歩きにくいよね。そのスケスケパンティーで落っこちないようにしてあるんだもんね。
足を前に出すたび、中でぐりゅって、なってるんだよね。ワレメのお肉がよじれちゃって
るんだよね。感じてる?そんなに乳首、コリコリさせちゃって、ユキ感じてるの?学校の
ろう下で、そんな変質者みたいなカッコで、感じちゃってるの?あっ、あぁ、そんな目で
こっち、見ちゃだめだよ。その表情見てるだけで、それだけで僕、イっちゃうよ。ユキ、
スイッチ、入れてほしいの?オンにしてほしい?いいよ?入れるよ?今オンにしてあげる
よ?そのワレメの奥の深いところのハマリこんだモノ、僕が動かしてあげる。ユキのその
ビンカンなヒダヒダを、僕がぶるぶるぶるぶるって、してあげるから・・・」
ポケットに入れておいた、リモコン。
先生が描いた脚本どうり、「オン」のライトがきちんと画面のすみに映るようにして。
「いくよ?いくよ、ユキ?スイッチ、入れちゃうよ?・・・ほら・・・」
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴーーーー・・・
「あうっ!・・・っ、っ、っ・・・くぅ、ん・・・」
お兄ちゃん、ホントにスイッチ、入れちゃった・・・
とつぜん、私のカラダの中で、異物が振動を始める、感覚。
かみの毛の先まで、足のツメの先まで、ぞわっ、とアツクなる。筋肉をささえる骨が、
一瞬でその力を失っていく。もう歩けない。たおれそう。こんなにガクガクにゆさぶられ
て、床にたおれそう・・・!
お兄ちゃんがオンにしたバイブ、キモチイイ。マンコの中がぐちょぐちょぶりゅぶりゅ
されちゃうの。グランドでクラブしてる子の声が聞こえる。そばの国道を行きかうクルマ
の音が聞こえる。私ってば、キモチイイ。カラダじゅうが学校の空気にさらされてる。
ホコリがふれただけで、ビリっビリ。クラスの女子、この学校の女子、ううん、この世の
どんな女の人もしたりしないカッコウで私、お兄ちゃんにリモコンバイブでもてあそばれ
てる。お兄ちゃんにイヤラシイ私、じーっと見られてる。すべてビデオに残されていく。
マンコがトロっ・・・て溶け落ちそう。のーみそ、熱っぽい。もう、イキそう。お兄ちゃん
見て、もっといっぱい見て、私のヘンタイなとこ、たくさん見て、私、イキそう、そんな
に見られたら、このまま私、イっちゃうよお・・・っ!
”生徒の呼び出しをしますーーーー”
びくんっ!!
とつぜん、”麻酔”を切りさいた、校内放送の大音量。
「・・・は、あぁぁっ・・・」
その瞬間、私のアソコは、こわれた。
「・・・オシッコ、でちゃうっ・・・」
じわっ・・・
あわてて足を閉じたときには、ておくれだった。
「はわわっ・・・」
足を閉じたら、ぐりゅぐりゅって、バイブがもっと奥にもぐって、もっともっと、バルブが
ゆるんだ。
ほんの少しの時間、パンティーに、ぬるいのが広がったと思ったら、もういきおいは、
止まらない。
「ああ、ああ、とまんない、とまんないぃぃ・・・」
おもらし、中学生。
目が、さめた。
トイレじゃない場所で、立ったまま、オシッコをたれ流す、フクカイチョウ。
ジソンシンとか、友達との関係とか、14年間つみ上げたものが、ボロボロに腐れ落ち
ていく・・・
「あ、お、お兄ちゃん、見な、いで、あっち向いて、お兄ちゃん見ないでぇ・・・」
見られて、しまった。
他人に見られてしまった。よりによって、お兄ちゃんに・・・ビデオまで・・・
幼稚園に入ってからは、一度も経験なかったはずの、私のおもらし。
パンツ、はいたまんま、おっぱいとか、はだかんぼうのまんま、マタの間の穴の中に、
リモコンのオモチャ、ぶるぶるオモチャ、入れて遊んでたまんま、双子のお兄ちゃんの
見てる前で、おもらし。
「はぁぁっ、いやっ、私、こんなちがう、こんな、見ちゃ、やだ、見ちゃ、やぁぁ・・・」
五さいの私があらわれて、私を、笑った気が、した。八さいの私が現れて、私を、笑った
気が、した。十歳の私があらわれて、私を、笑った気が、した。
人間として、なくしちゃいけないもの、排水口に吸いこまれていくようで、どんどん、
体の外に、こぼれていくようで、すごく、こわくて、のどをついて出てきた声は、ゼリー
のように不安定で。
「やだ、やだ、やだぁぁ・・・」
ぴちょんっ、ぴちょんっ、ぴちょんっ、ぴちょんっ、ぴちょんっ、ぴちょんっ、
なまぬるさが、ふとももとふとももの間を、いきおいよく流れていく。ひざこぞうから
直接床にしたたり落ちていく。両ヒザにも流れはできていく。まっ白だったくつ下が、じわ
じわ黄色にそまっていく。シューズの中が、水びたしになって、ぐっしょりと温められてい
く。足もとで、さざ波をたてながら信じられないスピードで大きくなってく黄ばんだプール
が、私の鼻に、あのツンとしたニオイをとどける。
「おもらし、私おもらし、学校でおもらし、しちゃってるぅぅ・・・」
お兄ちゃんが、あわててゾーキンみたいなのを持って、かけよって来てくれた、ような
気がした、けど、はっきりとは、わからない。
恥ずかしさと、情けなさ、くるったように、マンコ汁とオシッコをミックスしつづける
バイブの機械音が、その前に私から、両脚の力と、意識を、うばい去っていったから・・・
屋上。
学校の屋上が、こんな風だったんだって、今日初めて知った。
”廊下での露出プレイが終わったら、お前等は屋上に行ってろ。ドアは合い鍵で俺が開け
ておくから・・・”
入学式の日、校舎内を案内されたときに、以前ここで飛び降り自殺があった、そのため
屋上は立入禁止にしてある、そう聞かされていた。
だから、こっちからカギをかけてしまえば、だれにも気づかれない。
空は、まだ明るい。雲ひとつない、気持ちのいい青空。
すぐ下のグラウンドから、陸上部、サッカー部、生徒の話し声、笑い声、聞こえてくる。
僕も、クラブ、行きたいなあ・・・
ガ、シャ、
「う」
せなかに、さびついたフェンス。
かたむきかけた太陽をおおいかくして、目の前にユキが立ちはだかる。
カメラは今、ユキの右手の中ににある。
「・・・ほら・・・ユウキ・・・」
すぐ下のグラウンドから、陸上部、サッカー部、生徒の話し声、笑い声、聞こえてくる。
だれにも、気づかれない・・・?
”外で、お前の熱烈オナニーを撮影するんだ・・・”
いくら人のいるはずのない屋上でも、こんなフェンスぎわじゃ、だれにも気づかれない
わけ、ない。
”チンポだけじゃなく、お前のだーい好きなシリの穴も、ちゃんとイジくるんだぞ・・・”
きちんとビデオに映るように、下半身はハダカにしなくちゃいけない。
”ユキだけ曝しものってのは、不公平、だよな?・・・”
ユキは今、はだしだ。
実験服だけをはおったままの姿だ。
汚れてしまったあの下着と、バイブレーターは、もう外してしまっている。
初めて、初めて全身の素肌で、屋根の外の空気の冷たさを感じた、感じさせられた表情
は、おし殺してるのか、それともマヒしてしまったのか、そこからはなんの表情も見つけ
られないくらい、機械的、だった。
だから、今ごろになって心の中を、罪悪感がうめつくした。
”ユキも無言で言ってるぜ。道連れがいなきゃいやだってな・・・”
カチャ、カチャ・・・
僕だけが、わがままを言うわけには、いかない。
ジーーーー・・・ バサッ・・・
「あ・・・」
トランクスごと、両脚からぬき取ったとき、風がふきつけた。先端いちめんが、すごく
スースーした。もうすでに、じんじんしてカラダからつき出していたアソコが、やさしく
冷やされていくみたいだった。
・・・僕、もうこんなに、じんじん、してしまってるんだ・・・
ユキの目が、ファインダーにあてられた。
もう、今の気持ちとか、今の状況とか、かみくだいてる時間は、なかった。
その場にしゃがみこむしかなかった。
つき出した血と肉のかたまりを、にぎりしめるしか、なかった。
しゅ、
「く」
しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ・・・
「・・・あぁ・・・」
指先を軽くすべらせただけで、どくんどくんって、大きな反動が返ってきた。
・・・本当は、トランクスの肌ざわりだけじゃ、ものたりなかった。
手が使えないのが、もどかしくて、もどかしくて、しかたなかった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・ああっ・・・」
青空の下で、シコシコ。
とっても、キモチヨカッタ。
シコシコすれば、シコシコするほど、シコシコをはやくすれば、シコシコをはやくする
ほど、キモチヨカッタ。
じっくりと、時間をかけて感覚が高まってきてたから、よけいにキモチイイ。しゃがみ
ながらつまさき立って、だからバランスが取りにくいんじゃなくて、シコシコがキモチヨ
すぎてしまって、かくんっ、かくんっ、カラダがゆれた。腰が、前にうしろに、スライドした。
「うう、あ、は、は、」
もっとキモチヨク、なりたくて。このシコシコを、もっとスゴイものにしたくって。
急いで、おしりとおしりの間、まさぐった。
中指が、ツマミを、とらえる。
ぐ・・・ぽ・・・
「あっ・・・!」
一瞬、シコシコの手が、止まった。
おしりからアタマへ、雷が落ちる。
「かっ・・・はッ・・・!」
ツマミ、ゆっくり引っぱると、ずるずるっと、おしりの穴の奥で、たくさんの”まる”が、
うごめくカンショク。
く・・・ぷ・・・くぷ、くぷ、くぷ、
今度は、おしかえす。脳が命令をする前に、引っぱるのとおしこむのを、僕の指がくり
かえした。もともと僕のオシリはローションでヒタヒタだった。だから、穴へのぬきさし
が加速するには、時間はかからなかった。
くぷくぷくぷっ、くぷくぷくぷくぷっ、
「ひっ、ひ、ひいっ、ひ、ひふぁぁっ・・・」
鼻で呼吸を荒くしながら、のどからはふぬけた情けない声しか出てこない。
アナルボール、って、いうらしい。
何日か前、僕ひとりが呼び出された進路指導室で、先生から手わたされたもの。大きい
銀色の玉が一列につながった、”じゅず”がとちゅうで切れた形をした、オモチャ。
おしり”専用”の、オモチャ・・・
”机の上にしゃがむんだ。ほら、ケツをこっちに向けるんだ。ふふ、なんだ、もうこんな
に開いちまってんのか。スケベなケツだな。今ローションで滑りをよくしてやるからな。
ほー・・・ら。もう指二本でも余裕になったな。こら、動くんじゃねえよ。ちゃんと穴の奥
深くまで塗り込めてやるから。・・・よし、それじゃあ入れるぞ?力を抜け。・・・おーおー
お前なんて声出してんだ?ん?ほら、もう全部入っちまった。あーんなに長かったもんが
ユウキのケツの中に消えちまったよ。これが一番デカいサイズだってのによ・・・へへへ、
チンポが破裂寸前だな。よしよし、俺がシゴいてやるよ。くくっ、そそるカオしてくれん
じゃねえか。そこらの女よりもよっぽどスケベったらしい表情だ。恥じらいながらも欲情
と激しい性感に身をまかせるてとこか?くくくっ。よしイキそうになったら言えよ。ちゃんと
”先生イキます”ってな。そしたらこいつを一気で引っこ抜いてやる。ユウキ、こいつは強烈
だぞぉ?イク瞬間にボールの一個一個がケツの中でズルズルズルズルーってなって
な・・・おいおい、もうか?ソーローだな。ふふふっ、イクか?イクか?よーし、今抜いて
やるぞぉっ!・・・”
恥ずかしくて、男どうしでふたりっきり、せまい部屋にとじこもってる感覚が、たまら
なくイヤで、得体の知れない物体で、体の中をかきまわされるのが、こわくて。
それでも、悲鳴のような声をあげて、イって、しまった。
セーエキが、飛び出す瞬間の、あのコトバにできない最高のカイカンの中で、僕のカラダ
のいちばんデリケートな部分を、ヨウシャなく、くすぐられて、思わずカオにまで、ふき
あげてしまった。初めて、自分自身に、”ガンシャ”、されてしまった。自分の意志とは
関係なく、あんなに大きな声が出てしまうのは、きっといままで、なかった。
アナルボール、とりこになってしまった。
家で、ひとり、練習してしまった。ハダカで、浴室の中で、くりかえし、くりかえし。
エコーの効いたあの空間の中で、何回も悲鳴をあげて、たくさんのセーエキ、ふんしゃ、
させてしまった。
「ふう、ふう、はあ、はあ、」
ユキも、しゃがみこむ。
屋上でひとりの男子が、オナニーするのにアナルボールを使ってるところを、きちんと
ビデオにおさめるために。
「あ、ああ、ああぁぁ・・・」
ふとももとふとももの間で、ユキのワレメが、こっちに向かって、口を開けている。
十分か、二十分前。
あのまっ赤なテロテロの中に、バイブレーターがうまっていた。いつもより大きめの、
リモコン式の。そのリモコンを、僕がオンにした、オンにしてしまったから、テロテロと
テロテロのすき間で、バイブがビリビリあばれだして、
ユキは、おしっこ、してしまった。
僕の見てる前で、その肉の合わせ目の奥から、おしっこが、ふきだした。とどまること
を知らず、ユキの足を、学校のろう下を、いっぱいヨゴしてしまった。
「はあ、ふぁぁ、ユキの、ユキのマンコ・・・」
レンズが僕を凝視している。
だらしなく、ヨダレがたれ落ちる。
でも、ぬぐうことは、できない。
いま僕の両手は、ユキのオマンコを”オカズ”にして、チンチンとおしりの穴をキモチヨク
するのに、夢中になっているから。
「キモチイイ、チンチンキモチイイ。シコシコ、シコシコキモチイイ、シコシコぉ・・・」
”まる”一個分のわずかな往復に合わせて、チンチンをシコシコすると、オシリの内壁
が、ぎゅんってちぢまって、ひとつひとつがもっと、肉ヒダにガッチリと、ひっかかる。
チンチンをシコシコしながら、”まる”の往復をくりかえすと、内臓から全身へ、強烈
な感覚がかけずりまわる。あらゆる筋肉から皮ふをひきはがし、そのすきまに突風を送り
こむ、皮ふがビリビリふるえあがる、そんな感覚が。
もうずっと、続けていたい。ずうっとこのまま、マンコ見ながら、チンチンシゴいて、
おしりをひっカキまわしていたい・・・
「・・・ねえユウキ、キモチイイ?」
「う、うん」
「オシリまでイジくりまわしちゃって。そんなに”シコシコ”、キモチイイ?」
「うん、うん、」
「ろう下でビデオまわしてたときも、そんなふうにボッキしてたの?」
「う、・・・え・・・?」
「すっごくイヤで、すっごく不安で・・・そんな私を見てて、ボッキしてたの?」
「あ、あの・・・ぐ・・・」
「私がユウキの合図で、ハダカになったときも、そんなふうにボッキ、してたの?」
「あ、う・・・その・・・う・・・ん・・・」
「あそこでスイッチ入れたときも?」
「ゆ、ユキ・・・」
「私が、バイブでワレメをイジメられてたときも?私が、私が・・・おもらし、しちゃった
ときも?ねえ、私がおもらししてるとこ、ビデオにとっててヨロコんでたの?笑ってたの?」
「それは、それは・・・」
「私のすべてを、自分の手の中でコントロールしている気分にでも、なってたんでしょ?
おもしろいように私が、ヘンタイで、インランな女子になってくから、すごくコーフン、
してたんでしょ?」
「そんな・・・」
「ねえ答えてよ。あんなサイテーの、幼稚園児以下の私を見てて、そのチンチン、ボッキ
させてたの?ねえユウキ・・・?」
放課後。ただただ静かな、ながいながいろう下の向こうへ、ユウキが立ち去っていく。
学生服が、黒い点に近づくほど、不快なだけの緊張感が、増殖していく。
化学実験のための、丈の長い、白衣。
汗で、もう、じっとり。
「ふぅーーーー・・・」
ろう下のはてで、ユウキが、左手をあげた。
左手をあげたら、私も、このろう下のはてから、歩きださなくちゃいけない。
「・・・やだなぁ・・・」
床を見つめて、思わずこぼした。歩きだせない。
両ヒザが細かく、ふるえつづける。ベタベタの手のひらを、大きなポケットの中でにぎり
しめたり、開いたり、意味もなくくりかえす。
”学校では十分場数ふんでるだろうが・・・”
そんなこと、言われたって・・・
”お前等、命令を、待ってるんだろ?・・・”
奥歯は、奥歯に、前歯は下くちびるに、くやしい気持ちをたたきつける。
”もっと、もっと、ヤラしい命令、されたいんだろ?・・・”
ぎゅっ、と、まぶたを閉じる。
”その度に、うずいて、うずいて、しょうがないんだろう?・・・”
「・・・・あ・・・」
まぶたを開いた先で、ユウキがもういちど手をあげる。
わかってる、わかってるよ。
あとで、チェックされるんだもんね。これ、しなくちゃ、次は何させられるか、わかんない
ものね・・・
「ふぅーーーー・・・っ」
ひだり足。
「んンっ・・・」
・・・うわ、強烈・・・
その瞬間、子虫がわいたように、全身で汗の点々、にじみでる。
右足。
「ふううっ・・・ぐっ、ふーーーー・・・」
ひだり。右。ひだり、右、ひだり、右。ひだり右、ひだり右、ひだり・・・
ちゃんと、歩けない。
一秒でもはやく、ユウキのいる場所まで行きたい。
でも、足をほんの数センチ前に出すだけで、気が遠くなりそう。そのまま前のめりに
くずれちゃいそう。
例えて言うなら、おもちゃのロボット。見た目とかは考えてられない。たおれてしまわ
ないように、少しだけ足を開いて、べたっべたって、どうにかステップをつなげてる。
ながいながいろう下、ついに、私も、歩きだして、しまった・・・
まわりはあいかわらず、静か。静か。
会議室。資料室。どんなに歩いてもいっこうに縮まない道のりには、教室とか、部活を
やってるような部屋は、ない。
何度も何度も、何度もうしろをふりかえる。部屋の中をのぞきこんでみる。どんなこと
をしたって、体の内側にへばりついた不安、落とせっこない。でも、確認をせずには、
いられない。
だれも、いない。来る気配すらない。来たらこまる。だって・・・
「・・・・・・・・・」
半分手前くらいで、ついに、とうとう、さらにユウキの左手が、あげられた。
立ち止まる。まるで、ろう下じゅう鳴りひびいてるみたい。心臓の音が、左右のコマク
を力いっぱいノックする。
ここでユウキが手をあげたなら、やらなくちゃいけない。しなくちゃ、これよりもっと
ひどいこと、強制される。こんなこと、したくない。でもしなくちゃだめ。ごまかしたと
しても、あとで先生にはバレてしまう。私ができなきゃ、ユウキにまで、メーワクかけて
しまう。だから、だから、だから、今なら、今だったら、だれもいない。今しかない。今
しかない。今しかない。今しかない・・・
ズームを最大にしたレンズの中のユキが、まだぜんぜん小さくしか映らない時点から、
僕は、呼吸が、荒くなってしまっている。
白衣姿のユキが一歩、また一歩僕の方へ近づくたびに、青ざめた顔で、ふりむいたり、
辺りをみまわしたりするたびに、右手が、かじかんだようにカクカクしてしまっている。
ユキに実験服を貸したのは、中野先生。僕にカメラ役をするように言ったのも、先生。
場所も、合図の一つ一つも、その合図を出すタイミングも全部、中野先生が僕たちにこと
細かく指示したもの。自分は直接、手は出さない。
そしていま、ユキはぎこちない足どりでろう下を歩き、僕はふるえる手でそれを記録し
つづけている。
僕は、いったいなにやってんだ・・・
このことを聞かされたとき、ユキは泣きそうになっていた。それだけはやめてほしいっ
て、何度も先生に頼みこんでたユキの顔が、頭をかすめた。
ユキがいやがってること、よりによって僕がしなくちゃいけない。
なんでこんなこと、してるんだ・・・
自己嫌悪が、体中の細胞をおそう。胃袋が、見えない巨大な手でにぎりつぶされる。
それなのに・・・
「はーっ・・・はーっ・・・はーっ・・・」
カメラが、このビデオカメラが、いけないんだ・・・
いま見ているのは、現実の世界。
でも、カメラのレンズをすりぬけてきた現実の世界は、そのリアルさが極端にはげ落ち
ているように、僕の目には映った。
フレームによって、日常生活から切りはなされた風景の中に、閉じこめられた女の子。
あまりにも、無防備な女の子。ひどくおびえきってる女の子。見えない恐怖にカラダを
ふるわせている、女の子。目をうるませてる女の子。痛々しいほど弱々しい、女の子。
そんな、女の子って・・・
「ボッ・・・キ、しちゃう・・・」
ファインダーごしにのぞくその表情に、ゾクゾクしている。これから起こることを思い
描いて、先端をひくひく、トランクスにこすり合わせてる。
はげしく反応してしまってる、自分がいる。全身汗ばんでる、自分がいる。
”会議室あたりまで来たら、もう一度手を上げるんだ。そうしたらユキは・・・”
ご、くっ・・・
期待してる。僕は、期待してしまっている・・・
正反対の気持ちが、メリメリと音を立てて、僕の精神をまっぷたつに引きさく。
やっぱり、こんなこと、するべきじゃない。
ユキが、ユキがあんな異常なことしちゃってる。
だいいちだれか来たら、シャレにならない。
ここは学校だ。学校の中で、ユキが、あんなことを・・・
先生たちや親に、怒られてすむようなことじゃない。
妹のユキが、クラスメートのユキが、執行部のユキが、14歳のユキが・・・
なにより、ユキ本人があれだけいやがってたんだ。
この学校にたくさんいる男子の中で、あんなユキの姿を監視しているのは、僕だけだ。
きょうだいとして、僕は止めなくちゃいけないんじゃないのか。
コーフン、してしまう。この状況の中にいるだけで、出しちゃいそう・・・
ユキが、会議室まで、さしかかった。
ここで、僕が、左手を上げれば・・・
だけど、僕が、左手を上げたりしたら・・・
でも、僕が、左手を上げなければ・・・
「ふーっ、ふーっ、ふーっ・・・あっ・・・」
気がつくと、ユキの両手が、白衣のえりを、にぎりしめている。
「・・・ユキ・・・ユキッ・・・」
知らない間に、僕の左手は、上がっていた。
「・・・ユキ・・・ユキ、ユキ、はやく・・・はやくほら、はやく・・・」
白衣の、真ん中が、
「ほら、手を止めないで、ユキ、ほら、ほら、」
ゆっくりと、
「そう、そうだよ、もう少し、もう少し、もう少し・・・」
開かれた。
「はーっはーっ、っああ、ああ、ユキ、そんな、ユキ・・・」
白衣の下は、はだか。
白衣の白にほんの少し赤を落としたような、素肌。むきだしの素肌に、まるみをおびた
影をつくる、ふたつのふくらみ。ふくらみのまんなかに、あざやかな桃色の、乳首。
さこつ。わきの下。おへそ。ふともも。ひざこぞう。
学校のろう下のど真ん中で、何度も、何人もの生徒が行き来したこのろう下で、いつ、
だれが来てもおかしくない状況で、
変態的な裸体が、画面をいっぱいにぬりつぶした。
「ああ、ユキ、ユキのそのカッコ、たまんないよ、僕たまんないよう・・・」
ユキが、白衣の前を広げたまま、歩きだした。それが、中野先生の指示だからだ。
「ユキ、カオ、まっ赤だね。ハズカシイんだね。だって、すごく、ハズカシそうな表情、
してるから。ああ、全身がみるみる赤くそまってく。白衣と、シューズと、くつ下、それ
以外は全部、まるみえだよ?おっぱい、外の空気に触れてるんだよ?乳首、コチコチに
ボッキしてるところまでまるわかりなんだよ?・・・」
ユキが、立ち止まる。
「歩きにくい?歩きにくいの、ユキ?」
肩で息をしながら、モゾモゾとひざをこすりあわせる。ふとももとふとももが密着して、
ワレメの線と、その周りの肉影のグラデーションが、僕のボッキをさらに悪化させる・・・
「そうだよね。アソコに、おっきいバイブ、つっこんで歩いてるんだもんね・・・」
・・・ユキのコカンには、水にひたしたかの様にすけすけの下着が、かぶせられている。
ワレメの中から、黒いコードが、生えている。細いコードは下着をくぐって、ふともも
の内側にガムテープで止められている。
「歩きにくいよね。そのスケスケパンティーで落っこちないようにしてあるんだもんね。
足を前に出すたび、中でぐりゅって、なってるんだよね。ワレメのお肉がよじれちゃって
るんだよね。感じてる?そんなに乳首、コリコリさせちゃって、ユキ感じてるの?学校の
ろう下で、そんな変質者みたいなカッコで、感じちゃってるの?あっ、あぁ、そんな目で
こっち、見ちゃだめだよ。その表情見てるだけで、それだけで僕、イっちゃうよ。ユキ、
スイッチ、入れてほしいの?オンにしてほしい?いいよ?入れるよ?今オンにしてあげる
よ?そのワレメの奥の深いところのハマリこんだモノ、僕が動かしてあげる。ユキのその
ビンカンなヒダヒダを、僕がぶるぶるぶるぶるって、してあげるから・・・」
ポケットに入れておいた、リモコン。
先生が描いた脚本どうり、「オン」のライトがきちんと画面のすみに映るようにして。
「いくよ?いくよ、ユキ?スイッチ、入れちゃうよ?・・・ほら・・・」
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴーーーー・・・
「あうっ!・・・っ、っ、っ・・・くぅ、ん・・・」
お兄ちゃん、ホントにスイッチ、入れちゃった・・・
とつぜん、私のカラダの中で、異物が振動を始める、感覚。
かみの毛の先まで、足のツメの先まで、ぞわっ、とアツクなる。筋肉をささえる骨が、
一瞬でその力を失っていく。もう歩けない。たおれそう。こんなにガクガクにゆさぶられ
て、床にたおれそう・・・!
お兄ちゃんがオンにしたバイブ、キモチイイ。マンコの中がぐちょぐちょぶりゅぶりゅ
されちゃうの。グランドでクラブしてる子の声が聞こえる。そばの国道を行きかうクルマ
の音が聞こえる。私ってば、キモチイイ。カラダじゅうが学校の空気にさらされてる。
ホコリがふれただけで、ビリっビリ。クラスの女子、この学校の女子、ううん、この世の
どんな女の人もしたりしないカッコウで私、お兄ちゃんにリモコンバイブでもてあそばれ
てる。お兄ちゃんにイヤラシイ私、じーっと見られてる。すべてビデオに残されていく。
マンコがトロっ・・・て溶け落ちそう。のーみそ、熱っぽい。もう、イキそう。お兄ちゃん
見て、もっといっぱい見て、私のヘンタイなとこ、たくさん見て、私、イキそう、そんな
に見られたら、このまま私、イっちゃうよお・・・っ!
”生徒の呼び出しをしますーーーー”
びくんっ!!
とつぜん、”麻酔”を切りさいた、校内放送の大音量。
「・・・は、あぁぁっ・・・」
その瞬間、私のアソコは、こわれた。
「・・・オシッコ、でちゃうっ・・・」
じわっ・・・
あわてて足を閉じたときには、ておくれだった。
「はわわっ・・・」
足を閉じたら、ぐりゅぐりゅって、バイブがもっと奥にもぐって、もっともっと、バルブが
ゆるんだ。
ほんの少しの時間、パンティーに、ぬるいのが広がったと思ったら、もういきおいは、
止まらない。
「ああ、ああ、とまんない、とまんないぃぃ・・・」
おもらし、中学生。
目が、さめた。
トイレじゃない場所で、立ったまま、オシッコをたれ流す、フクカイチョウ。
ジソンシンとか、友達との関係とか、14年間つみ上げたものが、ボロボロに腐れ落ち
ていく・・・
「あ、お、お兄ちゃん、見な、いで、あっち向いて、お兄ちゃん見ないでぇ・・・」
見られて、しまった。
他人に見られてしまった。よりによって、お兄ちゃんに・・・ビデオまで・・・
幼稚園に入ってからは、一度も経験なかったはずの、私のおもらし。
パンツ、はいたまんま、おっぱいとか、はだかんぼうのまんま、マタの間の穴の中に、
リモコンのオモチャ、ぶるぶるオモチャ、入れて遊んでたまんま、双子のお兄ちゃんの
見てる前で、おもらし。
「はぁぁっ、いやっ、私、こんなちがう、こんな、見ちゃ、やだ、見ちゃ、やぁぁ・・・」
五さいの私があらわれて、私を、笑った気が、した。八さいの私が現れて、私を、笑った
気が、した。十歳の私があらわれて、私を、笑った気が、した。
人間として、なくしちゃいけないもの、排水口に吸いこまれていくようで、どんどん、
体の外に、こぼれていくようで、すごく、こわくて、のどをついて出てきた声は、ゼリー
のように不安定で。
「やだ、やだ、やだぁぁ・・・」
ぴちょんっ、ぴちょんっ、ぴちょんっ、ぴちょんっ、ぴちょんっ、ぴちょんっ、
なまぬるさが、ふとももとふとももの間を、いきおいよく流れていく。ひざこぞうから
直接床にしたたり落ちていく。両ヒザにも流れはできていく。まっ白だったくつ下が、じわ
じわ黄色にそまっていく。シューズの中が、水びたしになって、ぐっしょりと温められてい
く。足もとで、さざ波をたてながら信じられないスピードで大きくなってく黄ばんだプール
が、私の鼻に、あのツンとしたニオイをとどける。
「おもらし、私おもらし、学校でおもらし、しちゃってるぅぅ・・・」
お兄ちゃんが、あわててゾーキンみたいなのを持って、かけよって来てくれた、ような
気がした、けど、はっきりとは、わからない。
恥ずかしさと、情けなさ、くるったように、マンコ汁とオシッコをミックスしつづける
バイブの機械音が、その前に私から、両脚の力と、意識を、うばい去っていったから・・・
屋上。
学校の屋上が、こんな風だったんだって、今日初めて知った。
”廊下での露出プレイが終わったら、お前等は屋上に行ってろ。ドアは合い鍵で俺が開け
ておくから・・・”
入学式の日、校舎内を案内されたときに、以前ここで飛び降り自殺があった、そのため
屋上は立入禁止にしてある、そう聞かされていた。
だから、こっちからカギをかけてしまえば、だれにも気づかれない。
空は、まだ明るい。雲ひとつない、気持ちのいい青空。
すぐ下のグラウンドから、陸上部、サッカー部、生徒の話し声、笑い声、聞こえてくる。
僕も、クラブ、行きたいなあ・・・
ガ、シャ、
「う」
せなかに、さびついたフェンス。
かたむきかけた太陽をおおいかくして、目の前にユキが立ちはだかる。
カメラは今、ユキの右手の中ににある。
「・・・ほら・・・ユウキ・・・」
すぐ下のグラウンドから、陸上部、サッカー部、生徒の話し声、笑い声、聞こえてくる。
だれにも、気づかれない・・・?
”外で、お前の熱烈オナニーを撮影するんだ・・・”
いくら人のいるはずのない屋上でも、こんなフェンスぎわじゃ、だれにも気づかれない
わけ、ない。
”チンポだけじゃなく、お前のだーい好きなシリの穴も、ちゃんとイジくるんだぞ・・・”
きちんとビデオに映るように、下半身はハダカにしなくちゃいけない。
”ユキだけ曝しものってのは、不公平、だよな?・・・”
ユキは今、はだしだ。
実験服だけをはおったままの姿だ。
汚れてしまったあの下着と、バイブレーターは、もう外してしまっている。
初めて、初めて全身の素肌で、屋根の外の空気の冷たさを感じた、感じさせられた表情
は、おし殺してるのか、それともマヒしてしまったのか、そこからはなんの表情も見つけ
られないくらい、機械的、だった。
だから、今ごろになって心の中を、罪悪感がうめつくした。
”ユキも無言で言ってるぜ。道連れがいなきゃいやだってな・・・”
カチャ、カチャ・・・
僕だけが、わがままを言うわけには、いかない。
ジーーーー・・・ バサッ・・・
「あ・・・」
トランクスごと、両脚からぬき取ったとき、風がふきつけた。先端いちめんが、すごく
スースーした。もうすでに、じんじんしてカラダからつき出していたアソコが、やさしく
冷やされていくみたいだった。
・・・僕、もうこんなに、じんじん、してしまってるんだ・・・
ユキの目が、ファインダーにあてられた。
もう、今の気持ちとか、今の状況とか、かみくだいてる時間は、なかった。
その場にしゃがみこむしかなかった。
つき出した血と肉のかたまりを、にぎりしめるしか、なかった。
しゅ、
「く」
しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ・・・
「・・・あぁ・・・」
指先を軽くすべらせただけで、どくんどくんって、大きな反動が返ってきた。
・・・本当は、トランクスの肌ざわりだけじゃ、ものたりなかった。
手が使えないのが、もどかしくて、もどかしくて、しかたなかった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・ああっ・・・」
青空の下で、シコシコ。
とっても、キモチヨカッタ。
シコシコすれば、シコシコするほど、シコシコをはやくすれば、シコシコをはやくする
ほど、キモチヨカッタ。
じっくりと、時間をかけて感覚が高まってきてたから、よけいにキモチイイ。しゃがみ
ながらつまさき立って、だからバランスが取りにくいんじゃなくて、シコシコがキモチヨ
すぎてしまって、かくんっ、かくんっ、カラダがゆれた。腰が、前にうしろに、スライドした。
「うう、あ、は、は、」
もっとキモチヨク、なりたくて。このシコシコを、もっとスゴイものにしたくって。
急いで、おしりとおしりの間、まさぐった。
中指が、ツマミを、とらえる。
ぐ・・・ぽ・・・
「あっ・・・!」
一瞬、シコシコの手が、止まった。
おしりからアタマへ、雷が落ちる。
「かっ・・・はッ・・・!」
ツマミ、ゆっくり引っぱると、ずるずるっと、おしりの穴の奥で、たくさんの”まる”が、
うごめくカンショク。
く・・・ぷ・・・くぷ、くぷ、くぷ、
今度は、おしかえす。脳が命令をする前に、引っぱるのとおしこむのを、僕の指がくり
かえした。もともと僕のオシリはローションでヒタヒタだった。だから、穴へのぬきさし
が加速するには、時間はかからなかった。
くぷくぷくぷっ、くぷくぷくぷくぷっ、
「ひっ、ひ、ひいっ、ひ、ひふぁぁっ・・・」
鼻で呼吸を荒くしながら、のどからはふぬけた情けない声しか出てこない。
アナルボール、って、いうらしい。
何日か前、僕ひとりが呼び出された進路指導室で、先生から手わたされたもの。大きい
銀色の玉が一列につながった、”じゅず”がとちゅうで切れた形をした、オモチャ。
おしり”専用”の、オモチャ・・・
”机の上にしゃがむんだ。ほら、ケツをこっちに向けるんだ。ふふ、なんだ、もうこんな
に開いちまってんのか。スケベなケツだな。今ローションで滑りをよくしてやるからな。
ほー・・・ら。もう指二本でも余裕になったな。こら、動くんじゃねえよ。ちゃんと穴の奥
深くまで塗り込めてやるから。・・・よし、それじゃあ入れるぞ?力を抜け。・・・おーおー
お前なんて声出してんだ?ん?ほら、もう全部入っちまった。あーんなに長かったもんが
ユウキのケツの中に消えちまったよ。これが一番デカいサイズだってのによ・・・へへへ、
チンポが破裂寸前だな。よしよし、俺がシゴいてやるよ。くくっ、そそるカオしてくれん
じゃねえか。そこらの女よりもよっぽどスケベったらしい表情だ。恥じらいながらも欲情
と激しい性感に身をまかせるてとこか?くくくっ。よしイキそうになったら言えよ。ちゃんと
”先生イキます”ってな。そしたらこいつを一気で引っこ抜いてやる。ユウキ、こいつは強烈
だぞぉ?イク瞬間にボールの一個一個がケツの中でズルズルズルズルーってなって
な・・・おいおい、もうか?ソーローだな。ふふふっ、イクか?イクか?よーし、今抜いて
やるぞぉっ!・・・”
恥ずかしくて、男どうしでふたりっきり、せまい部屋にとじこもってる感覚が、たまら
なくイヤで、得体の知れない物体で、体の中をかきまわされるのが、こわくて。
それでも、悲鳴のような声をあげて、イって、しまった。
セーエキが、飛び出す瞬間の、あのコトバにできない最高のカイカンの中で、僕のカラダ
のいちばんデリケートな部分を、ヨウシャなく、くすぐられて、思わずカオにまで、ふき
あげてしまった。初めて、自分自身に、”ガンシャ”、されてしまった。自分の意志とは
関係なく、あんなに大きな声が出てしまうのは、きっといままで、なかった。
アナルボール、とりこになってしまった。
家で、ひとり、練習してしまった。ハダカで、浴室の中で、くりかえし、くりかえし。
エコーの効いたあの空間の中で、何回も悲鳴をあげて、たくさんのセーエキ、ふんしゃ、
させてしまった。
「ふう、ふう、はあ、はあ、」
ユキも、しゃがみこむ。
屋上でひとりの男子が、オナニーするのにアナルボールを使ってるところを、きちんと
ビデオにおさめるために。
「あ、ああ、ああぁぁ・・・」
ふとももとふとももの間で、ユキのワレメが、こっちに向かって、口を開けている。
十分か、二十分前。
あのまっ赤なテロテロの中に、バイブレーターがうまっていた。いつもより大きめの、
リモコン式の。そのリモコンを、僕がオンにした、オンにしてしまったから、テロテロと
テロテロのすき間で、バイブがビリビリあばれだして、
ユキは、おしっこ、してしまった。
僕の見てる前で、その肉の合わせ目の奥から、おしっこが、ふきだした。とどまること
を知らず、ユキの足を、学校のろう下を、いっぱいヨゴしてしまった。
「はあ、ふぁぁ、ユキの、ユキのマンコ・・・」
レンズが僕を凝視している。
だらしなく、ヨダレがたれ落ちる。
でも、ぬぐうことは、できない。
いま僕の両手は、ユキのオマンコを”オカズ”にして、チンチンとおしりの穴をキモチヨク
するのに、夢中になっているから。
「キモチイイ、チンチンキモチイイ。シコシコ、シコシコキモチイイ、シコシコぉ・・・」
”まる”一個分のわずかな往復に合わせて、チンチンをシコシコすると、オシリの内壁
が、ぎゅんってちぢまって、ひとつひとつがもっと、肉ヒダにガッチリと、ひっかかる。
チンチンをシコシコしながら、”まる”の往復をくりかえすと、内臓から全身へ、強烈
な感覚がかけずりまわる。あらゆる筋肉から皮ふをひきはがし、そのすきまに突風を送り
こむ、皮ふがビリビリふるえあがる、そんな感覚が。
もうずっと、続けていたい。ずうっとこのまま、マンコ見ながら、チンチンシゴいて、
おしりをひっカキまわしていたい・・・
「・・・ねえユウキ、キモチイイ?」
「う、うん」
「オシリまでイジくりまわしちゃって。そんなに”シコシコ”、キモチイイ?」
「うん、うん、」
「ろう下でビデオまわしてたときも、そんなふうにボッキしてたの?」
「う、・・・え・・・?」
「すっごくイヤで、すっごく不安で・・・そんな私を見てて、ボッキしてたの?」
「あ、あの・・・ぐ・・・」
「私がユウキの合図で、ハダカになったときも、そんなふうにボッキ、してたの?」
「あ、う・・・その・・・う・・・ん・・・」
「あそこでスイッチ入れたときも?」
「ゆ、ユキ・・・」
「私が、バイブでワレメをイジメられてたときも?私が、私が・・・おもらし、しちゃった
ときも?ねえ、私がおもらししてるとこ、ビデオにとっててヨロコんでたの?笑ってたの?」
「それは、それは・・・」
「私のすべてを、自分の手の中でコントロールしている気分にでも、なってたんでしょ?
おもしろいように私が、ヘンタイで、インランな女子になってくから、すごくコーフン、
してたんでしょ?」
「そんな・・・」
「ねえ答えてよ。あんなサイテーの、幼稚園児以下の私を見てて、そのチンチン、ボッキ
させてたの?ねえユウキ・・・?」
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