小説(転載) 続おまたせしました3
近親相姦小説掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。
母は気持ちよさそうに赤ワインを飲んでいる。 僕も母からプレゼントを渡される恐怖から解放されて、食事を楽しむことができた。
「ほら、グラスが空いたらワインを入れて。」
母が小声で催促する。 僕はワインボトルを右手でつかむと、母のグラスにワインを注ごうとした。
「ちゃんと左手も添えて。」
また母が小声で指導する。 僕は左手を添えてワインを注いだ。
「ああ、入れすぎ、入れすぎ。 ワインはね、グラスの1番膨らんだところまででいいのよ。」
母はいろいろと細かいことを知っているようだった。 それとも僕が無知だっただけなのだろうか。 母が経験豊富なのは年をとっているからだけではないのだろう。 おそらく本当に普通の女性よりも多くの経験を積んできているのだ。 それだけモテたということなのだと思った。 50歳を過ぎた今でも母は美しい。 母の青春時代をともに過ごしたかった。 そしたら僕が父の代わりになっていたかもしれない。 できることなら僕だって母と結婚したい。 したいに決まっている。 それにしても母はおいしそうにワインを飲んでいる。 家ではお酒を飲む母を見たことがない。 父は焼酎と日本酒を飲む。 母がそれを隣で見ていても、一緒に飲むことはなかった。 やはり父の前では遠慮しているのだろうか。 父の母に対する接し方はまるで家政婦のような扱いだ。 父が家事を手伝うところは想像がつかない。 父と母のあいだに共同作業という言葉はない。 完全分業制だった。
「ねぇ、何回エッチしたか覚えてる?」
母が突然とんでもないことを口にした。 公共の場で言うことではない。 誰かに聞かれたらどうするつもりなのだろうか?
「酔ってるの?」
僕は母が羽目を外しているのではないかと心配になった。
「お母さんがこれくらいで酔うわけないじゃない。 ねえ、何回?」
僕は目だけであたりを見回した。 そして静かに答えた。
「4回・・・」
僕はそう答えてから再びあたりを見回した。
「数えてたの?」
母は僕が正解して嬉しそうである。
「数えてなくてもわかる回数だよ。」
確かに僕は数えていたわけではない。 母とエッチができるための条件は 「僕が早く帰宅すること」と「父が遅く帰宅すること」の2つが揃うことである。 僕の残業が多いことと、父の人づきあいが悪いことは、この条件にとって最悪だった。 それが故に、僕と母がエッチをする機会は極端に少なくなる。 当然、数えていなくてもわかる回数に落ち着いた。
「じゃあね、じゃあね、デートしたのは何回?」
いきなりクイズ大会が始まったかのようだった。
「5回・・・かな?」
これに関しては僕の記憶も定かではなかった。
「残念でした。ハズレ~。正解は6回です。今日で7回目。」
母はすごく嬉しそうである。 母の笑顔を見ると不思議と安心する。 母は家ではあまり笑わない。
「どうして数えてないの?」
母には不満があるようだが、笑顔は絶やさなかった。
「ふつう数えてなんかないでしょ。 ・・・数えてて欲しかった?」
僕は慣れない手つきで名前も知らない魚をフォークで口に運ぶ。
「う~ん・・・数えてて欲しかったって言うよりも、 数えているのが当然だと思ってたわ。だって、そうでしょ。 ずっとお母さんとデートしたかったんでしょ。どうして何回したとか気にならないの?」
母には不思議なようだったが、僕には母の考えがわからない。 回数よりも1回1回の内容の方が重要だと思っていた。
「じゃあ、お父さんと何回デートしたか覚えてるのかよ。」
僕は逆に同じような質問をしてみた。 母は少しむせると慌ててナプキンで口を拭いた。
「お父さんの話なんかしないでよ。 せっかくのおいしい料理なのに。」
母はやはり父のことを愛していないのだろうか。
「お父さんと何回エッチしたんだよ。」
僕はヤケになっていた。 答えが知りたかったわけではない。 母の問いに答えられなかったのが悔しかっただけである。
「お父さん、もう勃たないのよ。何年もしてないわ。 どう?満足した?」
母は顔を近づけると小声でささやいた。 母は僕が父に焼きもちを妬いていると勘違いしたのだろうか。 僕は夫婦の秘密を聞いてしまった気がして恐縮した。
「お父さんのこと愛してないの?」
母は困ったような顔をした。
「愛はどうなのかしらね? でも、もちろん感謝はしているわよ。」
母なりの言い訳なのだろうか。 それとも本心なのだろうか。 微妙にお茶を濁す答えの返し方が大人の対応だと思った。
「お父さんがいなかったら、 デートもエッチももっとできるのにね。」
僕は決して父のことを疎ましく思っているわけではない。 ただ、母と2人きりの時間が欲しいだけである。
「お父さんのこと悪く言わないで。 私たちが生活できているのはお父さんのおかげなのよ。 あなたの収入だけでお母さんを養ってくれるの?」
これが母の言う「感謝」なのだろうか?
「そんなことわかってるよ。 わかってるけどさぁ・・・お母さんは今の生活で満足なの?」
僕はなんとなく悔しかった。 やはり父に嫉妬していたのだろうか。 僕にはよくわからない。
「息子にこんなに愛されたらお母さんは満足よ。 なんなの?もっとエッチがしたいの?」
母はつぶらな瞳で僕を見つめている。 僕は母と見つめあうのが恥ずかしくなって視線を落とした。
「そんなんじゃないよ。 そんなんじゃないけど・・・お父さんには勝てないんだなぁって思うと悔しくてさ。」
母はしばらく黙っていた。 僕も沈黙の中で料理を味わった。
「らしくないのね。お父さんはライバルじゃないのよ。 家族なんだから争わなくてもいいのよ。」
母は達観したようなことを言う。 まるで自分に言い聞かせるようにつぶやいていた。 僕も母の考えが間違えているとは思わなかった。
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