小説(転載) 続おまたせしました4
近親相姦小説掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。
僕と母は結局ワインを2本あけた。 おそらく母が1本半は飲んでいる。 会計のときに金額を見ないようにぶらぶらしていた母はやはり大人なのだと思った。 さりげない気遣いができている。 過去にも僕のような男に誘われたことがあるのだろう。 男慣れしている母も悪くない。 駅から家までの20分ほどの道のりを2人でしゃべりながら歩いた。 母はポケットに突っ込んだ僕の右腕にしがみついている。 家の近所なのに気にならないのだろうか。 僕はおどおどしてしまって母の愛を満喫することができなかった。 いつものデートのときは、遠くの駅で待ち合わせをして、2人が別々に帰る。 父に気づかれることももちろんだが、近所の視線にも恐怖していた。 母がすごく遠い存在に感じられて悲しかった。
「今日は寒いわね・・・」
母が僕に体を寄せる。
「お母さんが普段こんな時間に出歩かないだけだろ。」
僕はいつも通りの寒さだと思っていた。
「バカねぇ・・・そんなんだからモテないのよ。」
なぜこれがモテることと関係があるのかさっぱりわからなかった。 母もそれ以上はなにも教えてくれなかった。 僕にとっては永遠の謎である。
「そういえばさ・・・ この前なんでお父さんの前でバレそうなこと言ったんだよ。」
僕はずっと気になっていた。
「ああ、あれね。隠し事はね隠そうとするとバレるものなの。 正しそうなことを強気で言っていればバレないものなのよ。」
やはり母はなんでも知っているんだなと感心した。 そうこうしているうちに家の前に到着した。
「この扉を開いたら全部現実に戻っちゃうんだな・・・」
しんみりとつぶやいた。 僕は今日のデートが楽しかった。 楽しかっただけに終わってしまうのが悲しかった。 扉の前の門を開いて母を先に通そうとした。 しかし、母は門の前で立ち止まったまま動こうとしなかった。
「もう戻っちゃってもいいの?」
母はすごく寒そうである。 人形のように両腕を伸ばしたまま僕を見上げて立ちすくんでいる。
「ここまで来てなにを言ってるんだよ・・・」
僕は早く母を暖かい家の中に入れてあげたかった。
「お母さんね・・・今日・・・」
母はそれからしばらくなにか悩んでいるようだった。 家に入ったら言えないことでもあるのだろうか。 僕は母を家に中に入れてあげることしか考えていなかった。
「お母さんね・・・今日・・・ サンタさん持ってきてるの・・・」
僕は母の言うことが理解できなかった。 しかし、気がついたときには母の手を握りしめて走り始めていた。
「待って、待って・・・転んじゃう!」
母の叫び声で我に返った。 その瞬間、振り返って転びそうな母を抱きしめて受けとめた。 母は驚いた表情で僕の顔を見上げている。 僕は興奮しながら母の体を強く抱きしめている。 母がそっと瞳を閉じた。 なにもかもが吹っ飛んだ。 寒いことも家の近所の公道であることも忘れてしまっていた。 そして、吸い込まれるように母の唇を奪った。 いや僕が奪ったのではない、母が奪わさせたのだ。 母を強く強く抱きしめた。 強く強く唇を吸った。 母の体は強く抱きしめて振り回す僕の力のなすがままだった。 何分キスをし続けていたのかわからない。 雪が降っていればテレビドラマのワンシーンのようだっただろう。 スローモーションで回り込みの撮影をして欲しかった。 絵になるとはこういうことなのだと自惚れた。
「こんなの初めて・・・」
母の息が荒い。 僕だってこんなことは初めてだ。
「お母さん、愛してる、愛してる。」
僕は母の体が浮くほどの力で母を抱きしめた。 どのようにこの愛情を表現すればいいのかわからなかった。 人間はこれほどまでに興奮することができるのだと感心した。 もう母以外になにもいらないと思った。
「で、これからどうするの?」
母は僕の行動が理解できていなかったようである。 僕は車でラブホテルに向かおうとしていた。 家のガレージには父の車が置いてあるので、僕は近くの駐車場を借りている。 とりあえずその駐車場に向かっているつもりだった。 おそらくそのはずである。
「車でホテルに行こう。」
僕は母に言い切った。 こんなに僕が母を引っ張るのは初めてである。
「ちょっと待って。お父さんに電話しておくわ。」
母はどこまで冷静な判断ができるのだろうか。 母はバッグから携帯をとりだすと父に電話をした。 僕から少し離れて話をしていた。 まだ帰りが遅くなることと、先に寝ておいて欲しいというようなことを言っているようだった。 しかし、よく見ると母にも僕の興奮が伝染しているように見えた。
「これでお父さんは大丈夫よ。」
心なしか声がウキウキしている。 僕は母を駐車場まで連れていくと助手席に乗せた。 そして車を出した。
「この車に乗るのは初めてね。」
そう言われてみれば母を乗せたことはない。 もちろんほかの女性も乗せたことはない。 当然、僕はラブホテルの場所など知らない。 カーナビで調べると、国道にいくつかあることがわかった。 とりあえず国道に向かうことにした。 国道に入ってしばらく行くと1件目があった。 しかし、満車だった。
「今日はどこも混んでるかもしれないわね・・・」
母の不安は的中した。 2件目には空き部屋はあったが高級な部屋だった。 とても僕みたいな下級サラリーマンに手の出る部屋ではなかった。 ホテルで食事をした後にそんなお金が残っているはずもない。 3件目に着いて車を止めても母は黙ったままだった。 振り返ると母は助手席で寝てしまっていた。 確かにいつもの母ならもうすでに寝ている時間である。 しかも、今日は大量にワインを飲んでいる。 寝てしまうのも仕方がないと思った。 残念で仕方がなかったが、母を起こすことよりも、家に戻ることを選んだ。 こんなに安らかな寝顔を見せられたら、起こすことが気の毒に感じられた。 駐車場についてエンジンを切ると母が目を覚ました。
「どうしたの?・・・ごめん・・・寝ちゃった!」
母は電車で寝過ごしてしまった乗客のようにあたりをキョロキョロと見回している。 ホテルの駐車場ではないことは一目瞭然だった。
「もう帰るよ。」
母は申し訳なさそうに車から降りてこない。 僕は母を責めるつもりはまったくなかった。
「ほら帰るよ。今日は疲れたんだよ。また今度にしよ。」
僕は優しく母の手を引いた。 母はしぶしぶ車から降りてきた。 運動会の日に雨が降ってしまった小学生のようだった。
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