思い出 父のタンス2
ひとりごと父のタンスに保管されていた雑誌で近親相姦ものがあったのを覚えている。そのジャンルは読み物が中心の本で、差し込まれている写真はモノクロ。読み物は母と息子がメインで父と娘のものは少なかったと思う。ただこれは表紙のイメージなのでもしかしたら叔父と姪、叔母と甥、祖母や祖父と孫というパターンもあったのかもしれない。子どもがタンスにそういう本があることを知っていたのだから当然母も認識していたはずだ。おそらく父は母も読むことを想定して、いやもしかしたら母のために本を買っていたのかもしれない。情報が少ない時代にエロ本が夫婦の仲を取り持っていたといえるだろう。父が母親に近親相姦の願望を持っていたとしてもそのはけ口を解消することはできなかった。なぜなら父が子供の頃に亡くなってしまったからだ。父の願望は母と私に向けられていたとしたらどうだろうか。そんなことが起こると思っていただろうか。いや起こらなくてもよかったのかもしれない。父としては読み物の中の世界が、目の前にいる妻が息子と肉体関係を結ぶことを想像することが大事だったのかもしれない。そしてその妻を抱くことで近親相姦の感情を昇華していたとしてもおかしくない。今でいいう寝取られあるいはNTRは親子姦で成立するのかはわからないが、父はそういう感情を秘めた行動をしていたのかもしれない。妻が浮気をする。その相手が息子なのだ。知らない相手なら殴ることもできるかもしれないが、どうすることもできない葛藤を父は母の子宮めがけて放出していたとしたら、母も別の意味で父に愛されていたということになる。
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