小説(転載) 熟母の嗚咽 1/17
近親相姦小説
この小説も10年前に保存したもの。
僕はとある大学に通う2年生だ。
家の近所には誰もが知っている有名大学があるというのに、
僕はわざわざ電車で2時間もかけて誰も知らない3流大学に通っている。
父は祖父から受け継いだ土木会社を営んでいる、いわば2代目だ。
父と母は見合い結婚。
結婚後、すぐに子供が生まれた。
それが兄だ。そしてその2年後に僕。
兄は1流大学、そして僕は3流だ。
2003年、夏。
僕の部屋は3階にある。
1階が会社の事務所になっており、2階、3階が住居だ。
僕の部屋の窓からは青々と茂った街路樹が見下ろせる。
大学も夏休みに入ったというのに、これといって予定も無い僕は毎日のように部屋に閉じこもっていた。
家を出ることといったら、近所の自動販売機にタバコを買いに行く時くらい。
肌寒いほどにエアコンの効いた8畳ほどのスペースの中でゲームをしたりビデオを見たりとダラダラと毎日を過ごしていた。
二十歳前後の学生の夏休みといったら友人達と海へいったりキャンプをしたりとあるだろうが、
僕にはあいにくそんな友人も予定もなかった。
僕はまさに引きこもり、そのものだった。
両親は僕達の教育の為にいくらを費やしたのだろう。
時々そんなことを思う。
結果、兄は期待に答えた。
僕はというと自他共に認める不本意な結果だ。
「今さら学歴社会だなんて・・・」
そう言い訳することはできても目の前にいる兄は毎日が充実しているように見えて仕方がなかった。
父はそんな僕を責め立てる言葉をいくつも持っている人だ。
最近では家の中で顔を合わせても、めったに口をきくこともない。
一方、母はとても穏やかで優しい性格の人だった。
皮肉な事に、僕は母に優しくされればされるほど、とてもみじめな気分になった。
自分の腑甲斐無さをイヤでも実感させられてしまう。
いっそのこと、母も父と同じように僕を蔑んだ目で見てくれればいいのに・・・
優しい母が憎かった。そしてうとましかった。
負けしか知らない僕の心はどうしようもなく歪んでしまっていたのだ。
母は週に4日ほど近所の運送会社で事務のパートをしている。
家で事業を営んでいるのだから、そこで事務の手伝いでもするほうがよっぽど気が楽だと思うのだが、
母は5人ほどの従業員達に気を使わすのはイヤだと言ってきかなかった。
母がパートから戻ってくるのは決まって5時30分だった。
そしてその時間になると、必ず僕の部屋に立寄り、今晩の夕食は何がいいかと聞いてくる。
「うるせえなっ、何でもいいよっ」
僕はまるで早く部屋から出て行けと言わんばかりの表情でそう答える。
母は近所のスーパーに行ってくると言い残し部屋から出ていく。
いつものやりとりだ。
部屋の窓を開けると赤い自転車に股がる母の姿が見えた。
僕はとある大学に通う2年生だ。
家の近所には誰もが知っている有名大学があるというのに、
僕はわざわざ電車で2時間もかけて誰も知らない3流大学に通っている。
父は祖父から受け継いだ土木会社を営んでいる、いわば2代目だ。
父と母は見合い結婚。
結婚後、すぐに子供が生まれた。
それが兄だ。そしてその2年後に僕。
兄は1流大学、そして僕は3流だ。
2003年、夏。
僕の部屋は3階にある。
1階が会社の事務所になっており、2階、3階が住居だ。
僕の部屋の窓からは青々と茂った街路樹が見下ろせる。
大学も夏休みに入ったというのに、これといって予定も無い僕は毎日のように部屋に閉じこもっていた。
家を出ることといったら、近所の自動販売機にタバコを買いに行く時くらい。
肌寒いほどにエアコンの効いた8畳ほどのスペースの中でゲームをしたりビデオを見たりとダラダラと毎日を過ごしていた。
二十歳前後の学生の夏休みといったら友人達と海へいったりキャンプをしたりとあるだろうが、
僕にはあいにくそんな友人も予定もなかった。
僕はまさに引きこもり、そのものだった。
両親は僕達の教育の為にいくらを費やしたのだろう。
時々そんなことを思う。
結果、兄は期待に答えた。
僕はというと自他共に認める不本意な結果だ。
「今さら学歴社会だなんて・・・」
そう言い訳することはできても目の前にいる兄は毎日が充実しているように見えて仕方がなかった。
父はそんな僕を責め立てる言葉をいくつも持っている人だ。
最近では家の中で顔を合わせても、めったに口をきくこともない。
一方、母はとても穏やかで優しい性格の人だった。
皮肉な事に、僕は母に優しくされればされるほど、とてもみじめな気分になった。
自分の腑甲斐無さをイヤでも実感させられてしまう。
いっそのこと、母も父と同じように僕を蔑んだ目で見てくれればいいのに・・・
優しい母が憎かった。そしてうとましかった。
負けしか知らない僕の心はどうしようもなく歪んでしまっていたのだ。
母は週に4日ほど近所の運送会社で事務のパートをしている。
家で事業を営んでいるのだから、そこで事務の手伝いでもするほうがよっぽど気が楽だと思うのだが、
母は5人ほどの従業員達に気を使わすのはイヤだと言ってきかなかった。
母がパートから戻ってくるのは決まって5時30分だった。
そしてその時間になると、必ず僕の部屋に立寄り、今晩の夕食は何がいいかと聞いてくる。
「うるせえなっ、何でもいいよっ」
僕はまるで早く部屋から出て行けと言わんばかりの表情でそう答える。
母は近所のスーパーに行ってくると言い残し部屋から出ていく。
いつものやりとりだ。
部屋の窓を開けると赤い自転車に股がる母の姿が見えた。
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