小説(転載) 不感症中島女史の調教。
官能小説
不感症中島女史の調教。其の一
~マドンナ~
「やあ久し振り」「元気にしてたあ」
「白髪が増えたじゃないか」高校の同窓会は楽しい。
久し振りに出会う同級生の職業や家庭環境
その他に意外性があるからだ。
落ちぶれていたり、金持ちになっていたり、
兎に角社会生活における落差が一挙に
見られるいわば時の断層なのだ。
紆余曲折を経た人生経歴で、目下の所市立大で
しがない講師をしている私はまあまあ普通である。
やっぱり同窓会の花形は、(Ⅰ)社会的に地位がある会社や団体に勤務していた者か、
(Ⅱ)自営業で金回りが良い者か、それとも(Ⅲ)芸能人などで世間に顔の売れている
者のいずれか、またはそれらを二つ以上兼ね備えている者である。
只全員が還暦を済ませて多くの職場の第一線から定年退職で身を引いた為、
(Ⅱ)のグループが元気を取り戻してきた事はいうまでも無い。
恩師を交えて午後五時から始まった二十数名による高校の同窓会は二時間ほどで
一先ず終った。なんの会合でもそうだが瓢箪の真ん中の括れみたいに一旦締めた後の
フリーの会合の方が案外に盛り上がるものである。あとは幾つかの仲良しグループに
分裂して一次会の会場だった料亭の玄関を和装の仲居さん達に見送られながら
ほろ酔い気分で表に出る。
私は緒方をリーダーとする五人組の中に身を投ずる。
私と緒方とは共に夜の悪の道の方にも共通項があるものの、
また真面目な中島春乃とも、学問という分野での共通項があり、
正反対とも思われる者が同居している不思議なグループなのだ。
「二次会は以降は俺に任せろ。馬車道に良い店を知っているから」
高校時代は柔道部で主将を務めた緒方が胸を張って言う。
彼は親の後を継いで建設会社のオーナー社長をしていて、
最近は中国の上海地区の建設ブームに参入して、
この建設不況の中でもしぶとく生き残っている頑張り家である。
男子三人女子二人の仲良し五人組は緒方と言う強いスポンサーを擁して、
七色のネオンが瞬く夜の盛り場に繰り出した。
「ここから近いのか」
「うん、歩いても行けるが、なんだったらタクシーでもいいぞ。
俺はタクシーのチケット持ってるんだ」
**
「チケットが使えるタクシー会社名は」
緒方が名前を言ったが、余り見掛けないタクシー会社名だった。
各地から桜の開花がニュース番組で報じられる頃に成ると、
生温かい強い風が赤地に白抜きで焼肉食べ放題と大書き韓国風焼肉屋の旗指物を
パタパタとなびかせ、街の若葉が芽吹きはじめた並木の舗道を颯爽と闊歩する
若い女性のプリーツスカートを、大きく捲り上げる悪戯をして通り過ぎる。
そしてその風はついに我らのグループにも吹いて来た。
「キャーッ。何よこの風!」
真利子のスカートがあたかもかの有名なマリリン・モンローの《七年目の浮気》の
ワンシーンの様に大きく捲れ上がった。
白いレースのロングガードルが私と緒方と竹田の三人の男性の目を刺激する。
「あんた達、見たわね」
「敬老会の、真利子お祖母ちゃんの股座見たって、どうってことないよ」
「俺が金払うから、タクシーで行こう」と緒方は言ったが。
「緒方くん。タクシーなんて勿体無いわ。歩いて行きましょうよ」
「そうだそうだ。俺達の年代は健康のために一日一万歩は歩かなくてはいけないんだ」
竹田が言う。学生時代には学級委員していた秀才は紡績会社の部長を定年退職して
今では庭に窯を築き陶器の趣味にのめりこんでいる。
高校時代からの永遠の我らのマドンナであり大学教授という雲の上の職業についた
出世頭の中島春乃の鶴の一声に従い皆は歩き出す。
中島春乃彼女はグループの中で唯一の独身である。
ブルーグレーのチェックのツーピースを着た春乃はスタイルも良く十歳は若く見える。
高校時代には生徒会会長をした事もある秀才で、大学生や教師から交際申し込みが
殺到したが、彼女は勉強一筋で目もくれなかった。
日本の一流大学を卒業しただけではあきたらず、外国の大学で専門的な研究まで
してきた極め付きの秀才である。
やがて五人は緒方がお勧めの中国飲茶専門店の《四馬路》の畳敷きの部屋の
円形テーブルの回りに陣取った。
喫茶店といえば洋風か和風が殆どだか、中国風喫茶も面白い。
「同級生で春乃は大学教授で那須は大学講師とは、如何してこんな差が出たのかねぇ」
竹田が私と春乃を等分に眺めながらニヤニヤ笑う。
やがて中国茶と点心として熱々の中華饅頭が運ばれてきた。
「でも俺の方が春乃よりもいろんな人生経験を積んでいるからな」
負けず嫌いな私は竹田に言い返す。
「那須の人生経験と言うのはセックス経験だけじゃないか。それを引いたら何が残る」
竹田がせせら笑うように言う。
**
「でもなぁ竹田よ。俺の体験から言うと、人生経験とは表側から見た成功者だけの
経験だけではなく、セックスも含めてあらゆる人生の裏表に通じる深い経験だと思うよ。
俺が中国進出し成功したのは、若い頃のヤクザ体験が中国の黒社会へのコネに
つながったんだ。無駄になる体験なんてないぞ」
緒方の重みのある言葉に、春乃も中華饅頭を割りながら頷いている。
「私は那須くんに比較すれば無いも同然だけど、セックスの経験が全く無い訳じゃないのよ。
私の数少ない経験からなんだけど、セックスで語られる話は全て男側からの発言で、
女はセックスなんて無くたって生きていけるし、
ビデオとか雑誌でワイワイ騒ぎ立てるアクメって言うのは嘘だと思うわ。
みんな女性が演技して居るのに男が騙されているだけじゃないのかしら」
春乃の女性アクメ演技論いも、確かに幾らかの真実はあるものの、肝心の春乃自身が
真実のアクメをまだ体験したことがないのではあるまいか。
「春乃自身は如何なんだい。男に絶頂を味わわせて貰った事あるのかい」
私は春乃の下半身をじろりと睨んだ。ちょうどその時に緒方も同じ思いだったのか、
私と視線が合った。以心伝心だった。
この上品ぶった春乃のスカートを脱がせて、堅くそそり立ったものをぶちこんでやったら
如何だろうと私は思ったが、緒方も同じ思いなのかもしれなかった。
「私は不感症なのかしら、ぜんぜん気持ちよく成らないの。
男だけが私の腹の上で汗びっしょりになって腰を使っているのなんてナンセンスよ」
春乃の年齢になって誰も処女だとは思わないが、真面目な人だし、
男性経験はたしかに乏しいであろうことは否めなかった。
「春乃ちゃん。そりゃあ、相手の男がたまたま下手だったのよ。
上手な男にセックスしてもらったら、そりゃあもう失神するほど気持いいわよ」
「そうかしら。私は女遊びが達者で評判の教授と二度寝た事があるのよ。
でも三十分もピストン運動していたけど、ちっとも良くなかったわ。
私はどんな男としても感じない体質だと思うわ」
「春乃ちゃん、そんなことないって、男ってとってもいいものよ」
「おっそうだ。春乃、那須に一度抱いて貰ったらどうだい。
善は急げですぐ近くにあるホテル・ビクトリアに行って不感症かどうか試してみたら。
あそこなら俺の名前でツケがきくぞ」
緒方が春乃と真利子の論争に割って入るように新しい提案をした。
「あっそりゃぁいい。もしかしたら春乃ちゃんの不感症が治るかもしれない」
「那須に嵌めてもらって、それでもよがらないなら、ほんとうの不感症だよ」
真利子と竹田が賛同した。
私も当事者ながら、高校時代からの憧れのマドンナであった、中島春乃、
いや、今では英米文学教授に出世した春乃の、年齢の割りに若さを失わない、
まだ張りのある肉体を抱けるのならと反対はしなかった。
~マドンナ~
「やあ久し振り」「元気にしてたあ」
「白髪が増えたじゃないか」高校の同窓会は楽しい。
久し振りに出会う同級生の職業や家庭環境
その他に意外性があるからだ。
落ちぶれていたり、金持ちになっていたり、
兎に角社会生活における落差が一挙に
見られるいわば時の断層なのだ。
紆余曲折を経た人生経歴で、目下の所市立大で
しがない講師をしている私はまあまあ普通である。
やっぱり同窓会の花形は、(Ⅰ)社会的に地位がある会社や団体に勤務していた者か、
(Ⅱ)自営業で金回りが良い者か、それとも(Ⅲ)芸能人などで世間に顔の売れている
者のいずれか、またはそれらを二つ以上兼ね備えている者である。
只全員が還暦を済ませて多くの職場の第一線から定年退職で身を引いた為、
(Ⅱ)のグループが元気を取り戻してきた事はいうまでも無い。
恩師を交えて午後五時から始まった二十数名による高校の同窓会は二時間ほどで
一先ず終った。なんの会合でもそうだが瓢箪の真ん中の括れみたいに一旦締めた後の
フリーの会合の方が案外に盛り上がるものである。あとは幾つかの仲良しグループに
分裂して一次会の会場だった料亭の玄関を和装の仲居さん達に見送られながら
ほろ酔い気分で表に出る。
私は緒方をリーダーとする五人組の中に身を投ずる。
私と緒方とは共に夜の悪の道の方にも共通項があるものの、
また真面目な中島春乃とも、学問という分野での共通項があり、
正反対とも思われる者が同居している不思議なグループなのだ。
「二次会は以降は俺に任せろ。馬車道に良い店を知っているから」
高校時代は柔道部で主将を務めた緒方が胸を張って言う。
彼は親の後を継いで建設会社のオーナー社長をしていて、
最近は中国の上海地区の建設ブームに参入して、
この建設不況の中でもしぶとく生き残っている頑張り家である。
男子三人女子二人の仲良し五人組は緒方と言う強いスポンサーを擁して、
七色のネオンが瞬く夜の盛り場に繰り出した。
「ここから近いのか」
「うん、歩いても行けるが、なんだったらタクシーでもいいぞ。
俺はタクシーのチケット持ってるんだ」
**
「チケットが使えるタクシー会社名は」
緒方が名前を言ったが、余り見掛けないタクシー会社名だった。
各地から桜の開花がニュース番組で報じられる頃に成ると、
生温かい強い風が赤地に白抜きで焼肉食べ放題と大書き韓国風焼肉屋の旗指物を
パタパタとなびかせ、街の若葉が芽吹きはじめた並木の舗道を颯爽と闊歩する
若い女性のプリーツスカートを、大きく捲り上げる悪戯をして通り過ぎる。
そしてその風はついに我らのグループにも吹いて来た。
「キャーッ。何よこの風!」
真利子のスカートがあたかもかの有名なマリリン・モンローの《七年目の浮気》の
ワンシーンの様に大きく捲れ上がった。
白いレースのロングガードルが私と緒方と竹田の三人の男性の目を刺激する。
「あんた達、見たわね」
「敬老会の、真利子お祖母ちゃんの股座見たって、どうってことないよ」
「俺が金払うから、タクシーで行こう」と緒方は言ったが。
「緒方くん。タクシーなんて勿体無いわ。歩いて行きましょうよ」
「そうだそうだ。俺達の年代は健康のために一日一万歩は歩かなくてはいけないんだ」
竹田が言う。学生時代には学級委員していた秀才は紡績会社の部長を定年退職して
今では庭に窯を築き陶器の趣味にのめりこんでいる。
高校時代からの永遠の我らのマドンナであり大学教授という雲の上の職業についた
出世頭の中島春乃の鶴の一声に従い皆は歩き出す。
中島春乃彼女はグループの中で唯一の独身である。
ブルーグレーのチェックのツーピースを着た春乃はスタイルも良く十歳は若く見える。
高校時代には生徒会会長をした事もある秀才で、大学生や教師から交際申し込みが
殺到したが、彼女は勉強一筋で目もくれなかった。
日本の一流大学を卒業しただけではあきたらず、外国の大学で専門的な研究まで
してきた極め付きの秀才である。
やがて五人は緒方がお勧めの中国飲茶専門店の《四馬路》の畳敷きの部屋の
円形テーブルの回りに陣取った。
喫茶店といえば洋風か和風が殆どだか、中国風喫茶も面白い。
「同級生で春乃は大学教授で那須は大学講師とは、如何してこんな差が出たのかねぇ」
竹田が私と春乃を等分に眺めながらニヤニヤ笑う。
やがて中国茶と点心として熱々の中華饅頭が運ばれてきた。
「でも俺の方が春乃よりもいろんな人生経験を積んでいるからな」
負けず嫌いな私は竹田に言い返す。
「那須の人生経験と言うのはセックス経験だけじゃないか。それを引いたら何が残る」
竹田がせせら笑うように言う。
**
「でもなぁ竹田よ。俺の体験から言うと、人生経験とは表側から見た成功者だけの
経験だけではなく、セックスも含めてあらゆる人生の裏表に通じる深い経験だと思うよ。
俺が中国進出し成功したのは、若い頃のヤクザ体験が中国の黒社会へのコネに
つながったんだ。無駄になる体験なんてないぞ」
緒方の重みのある言葉に、春乃も中華饅頭を割りながら頷いている。
「私は那須くんに比較すれば無いも同然だけど、セックスの経験が全く無い訳じゃないのよ。
私の数少ない経験からなんだけど、セックスで語られる話は全て男側からの発言で、
女はセックスなんて無くたって生きていけるし、
ビデオとか雑誌でワイワイ騒ぎ立てるアクメって言うのは嘘だと思うわ。
みんな女性が演技して居るのに男が騙されているだけじゃないのかしら」
春乃の女性アクメ演技論いも、確かに幾らかの真実はあるものの、肝心の春乃自身が
真実のアクメをまだ体験したことがないのではあるまいか。
「春乃自身は如何なんだい。男に絶頂を味わわせて貰った事あるのかい」
私は春乃の下半身をじろりと睨んだ。ちょうどその時に緒方も同じ思いだったのか、
私と視線が合った。以心伝心だった。
この上品ぶった春乃のスカートを脱がせて、堅くそそり立ったものをぶちこんでやったら
如何だろうと私は思ったが、緒方も同じ思いなのかもしれなかった。
「私は不感症なのかしら、ぜんぜん気持ちよく成らないの。
男だけが私の腹の上で汗びっしょりになって腰を使っているのなんてナンセンスよ」
春乃の年齢になって誰も処女だとは思わないが、真面目な人だし、
男性経験はたしかに乏しいであろうことは否めなかった。
「春乃ちゃん。そりゃあ、相手の男がたまたま下手だったのよ。
上手な男にセックスしてもらったら、そりゃあもう失神するほど気持いいわよ」
「そうかしら。私は女遊びが達者で評判の教授と二度寝た事があるのよ。
でも三十分もピストン運動していたけど、ちっとも良くなかったわ。
私はどんな男としても感じない体質だと思うわ」
「春乃ちゃん、そんなことないって、男ってとってもいいものよ」
「おっそうだ。春乃、那須に一度抱いて貰ったらどうだい。
善は急げですぐ近くにあるホテル・ビクトリアに行って不感症かどうか試してみたら。
あそこなら俺の名前でツケがきくぞ」
緒方が春乃と真利子の論争に割って入るように新しい提案をした。
「あっそりゃぁいい。もしかしたら春乃ちゃんの不感症が治るかもしれない」
「那須に嵌めてもらって、それでもよがらないなら、ほんとうの不感症だよ」
真利子と竹田が賛同した。
私も当事者ながら、高校時代からの憧れのマドンナであった、中島春乃、
いや、今では英米文学教授に出世した春乃の、年齢の割りに若さを失わない、
まだ張りのある肉体を抱けるのならと反対はしなかった。
不感症中島女史の調教。其のニ
~マドンナ~
「やだァ、私が那須くんとセックスするの?」
春乃はテレた表情で、上体をくねらせている。
大学ではきっと謹厳な表情で学生達に
比較文学論の講義をしているであろう
大学教授の春乃が、同窓会仲間のリラックスした
雰囲気につられて少女時代のあどけない春乃に戻っていた。
春乃もセックスの相手を選ぶ権利はあるものの、セックスが巧いかどうかは
寝て見ないと分からない。どうやらセックスの達人と仲間内で定評のある私に
抱かれて見たい気持ちが沸いて来たらしい。
「なあ、おい那須のほうは異存ないだろう」
緒方が昔の番長時代の癖で仕切りだす。
「俺は春乃さんさが良ければ、スタンバイできてるよ」
「じゃあ、今すぐ実行だ。ほら、タクシー券やるよ。
ホテル代は俺の名前を言えばタダに成るからな。
春乃も裸になって那須にペニスを挿入して貰うまでは協力しなきゃ駄目だぞ。
那須が懸命に体位を変え色々な性の技術を施すのを拒否しないで
柔順に応じてやってくれ。その結果、春乃が那須のテクニックにも拘わらず
アクメに到達しなかったか、したかを、二時間後に俺達に報告してくれ。
俺達はバーのバッカスに移動しているからな」
「それからこれで賭けをしようじゃないか。春乃の不感症が勝つと思う者は一万円出せ。
那須が春乃をイカすと思う者は二万円出せ。それから当事者の春乃と那須も出せ。
俺は賭けにはさんかしないが、特別に賞金として四万円だすよ」
緒方はそう言って掛け金を集めた。
春乃と真利子はそれぞれ一万円ずつ春乃の勝ちに賭けた。私と竹田は私の勝ちに賭けて
二万円ずつ賭け金を払った。
集まった資金十万円は緒方が預かった。春乃と真利子が勝った場合は
各人に五万円ずつの配当金となり、私と竹田が勝った場合はその逆である。
さあ面白くなった。
今まではセックスの上手な男にかかったらイカせられてしまうと言っていた真利子も、
一万円の投資で五万円を当てようと、俄かに変節して女性の味方、春乃の勝ちに賭けた。
「ねえ、春乃ちゃん、イカなかったら五万円貰えるのよ。気持ちよくならないように頑張ってね」
真利子が春乃の手を取って、変な激励をした。
竹田はむろん私のセックス技術に全幅の信頼を置いているからじたばたしない。
仕掛け人の緒方は、私にタクシー券を二枚渡してくれた。
「じゃあ那須くん、セックス・ゼミの教室に行きましょうか」
私は春乃に積極的に手を握られた。タクシーを止めた。
「ホテル・ビクトリアまで・・・」
私は平然と運転手に告げた。若い運転手はニヤリと笑った。
どう見ても夫婦とは見えないらしかった。きっと不倫の老人カップルと見たらしかった。
春乃は顔をぽっと赤くして窓に背を向けていた。
セックスの前戯はホテルに行く途中のタクシーの中から始まると言うのが私の持論である。
私の手は春乃の肉体の襲撃に勇んで旅立った。春乃は私との間に白いバッグを
置いていたが、それはフランスのマジノ要塞ほどの防衛力も持たなかった。
私は堂々と背中に手を回して、春乃の耳元に低い声でささやいた。
「春乃さん、僕は貴女とこう言う関係になるのを高校時代から夢見ていました」
「那須くん、何言ってるのよ。これはゼミナールよ。
そんなプライベートの感情はタブーだわ。賭けにはきっと勝ちますからね」
春乃はまだ理性に溢れた言動をした。もしホテルが遠い場所にあり、タクシーに三十分以上
乗っていられたならば、私の過去の経験から、車の中でメロメロに出来る女という感触を得た。
耳を攻められると弱い女かも知れないと思った。体の反応がくすぐったそうだったからである
私が春乃の耳元に囁いたのは、話の内容もさる事ながら、
女性の性感帯が耳の周辺にある事が多いので、それを探る意味もあった。
でも車中でもそれ以上のことをする時間的余裕はなかった。
タクシーはあっけないほど近くにあるホテル・ビクトリアに着いてしまった。
ホテルの部屋に入ると春乃は入口近い場所にある丸テーブルの前の椅子に座った。
場馴れしていないせいか、室内をきょろきょろ見回している姿は、大学教授というより
処女の女子大生がだまされてラブホテルに連れ込まれてオロオロするさまによく似ていた。
やはり男遊びを余りした経験のない女大学教授としては、
このような変ったゼミナールの教室は、平常心を失わせるものに違いなかった。
「春乃さんどうだい、熱いコーヒーでも飲むかい。砂糖にミルクはどうする」
「砂糖を少しとミルクもお願いね」
ラブホテルのベテランである私は、勝手知ったる態度で自動販売機で
紙コップにコーヒーを入れた。本来は春乃の仕事である。
高校時代からずっと同級生という関係で付き合ってきた春乃に、
いくら酒の上の余興とはいえ、男と女として性の交わりをする為に、
ラブホテルの一室に向かい合っているのは、大変勇気がいった。
「最初に言っておくけど、これはあくまでゲームなのよ。
私が那須くんを好きに成ったから承諾したのではないのよ」
春乃は飲み終わった空のコーヒーカップを鉢植えのヤシの後ろに隠して、
退屈を紛らわすように、スカートの皺を伸ばしたり、ブラウスのフリルに触り、
足を組んでは解き髪を撫でたりと落ち着かない様子だ。
なんのかんのと春乃は強がりを言っていても男女の情事には慣れていない女性である。
「今から水泳の特別ゼミを開始しますから春乃さんは衣服を脱いでください」
私は春乃を落ち着かせるようにわざとおどけて言った。
「はーい。那須先生、今日は何泳ぎを教えて下さるのですか」
春乃は悪乗りして、学生のような口調で答えた。
「春乃さんは水の上に仰向けに成って浮かんで貰えばよいのです。
後は私がぐっと嵌めてあげますから」
夢幻の世界から露骨なセックスのイメージに引き戻されて春乃は戸惑っている。
相手を心理的に動揺させることもテクニックである。
「春乃さん、こんな所にゴミを隠しちゃダメじゃないですか。
あそこにダストボックスがあるのが気付きませんでしたか」
私は春乃がヤシの鉢植えの陰にこっそり隠した紙コップを拾いあげた。
端に赤い唇の形に口紅の跡が残っていた。
「ごめんなさい。どこに捨てて良いか判らなかったもので・・・」
「ダメですよ。大学教授をしているようなインテリ女性が
ラブホテルに来たとたん、マナーの悪いおばちゃんに成っては」
私の叱責は案外に効いたらしかった。男女の間の力関係はこのような日常生活の
微妙な局面での主導権争いの積み重ねである。
「春乃、蛇口を捻って浴槽にお湯を張ったら服を脱いで風呂に入る準備をしろ。
時間制限があるから俺も一緒に入るよ。いいだろう」
「はい」
私は春乃の名前を呼ぶ時に意図的に呼び捨てにした。たいていの事には鼻っ柱が強い
春乃がとても柔順に浴室に行って所定の作業をしてきた。そして洋服を脱ぎ始めた。
贅沢にストレッチレースを使ったランジェリー姿の春乃はとても美しかった。
やはり彼女は同級生の中では、ピカイチのマドンナである
不感症中島女史の調教。其の三
~浴槽の中~
その誰もが憧れるマドンナの春乃を性的に
自由に出来るのである。私は浴槽に湯が溜まる間、
トランクス一枚と言うラフな姿で椅子に座り、
ゆっくりと煙草をふかしていた。
春乃と言う女性をどうやって料理するかの手順を
あれこれ考えているのだった。
春乃も自ら不感症と豪語しているくらいだから、
嘗めて掛かると危ないようである。
私はやや離れた位置で色っぽい斜め座りしている春乃を見ながら、
もうペニスを勃起させかけていた。今まで春乃とセックスをした男達が皆失敗したのは、
多分闇雲に挿入をあせったせいではないかと結論づけた。
挿入したペニスによるピストン運動だけではあんまり女性はイカないものである。
浴槽に溜まる湯の量は蛇口から落下する水音の変化でわかる。
「春乃、もういいんじゃないのかい。浴槽、見てこいよ」
「はい」
浴室に姿を消した春乃は直ぐに引き返してきた。名前呼び捨ての効果は現れた。
「もう入れます。那須くんからどうぞ」
私はトランクを脱いで、半立ちに成ったペニスを隠しもせずに、
春乃の前を通過した。春乃の方が慌てて視線を逸らせた。
これも巧まざる心理作戦である。
「春乃も直ぐ来いよ」
裸体になった春乃は、私にやや遅れてタオルで前を隠して
恐る恐る浴室の洗い場に入って来た。
白く艶々としたタイルが鏡と成って、春乃の白い肉体とタオルで隠したと思い込んでいる
黒い陰毛を映し出している。
やはり大勢の若者の視線に晒される職業の女性だけあって引き締まった肉体をしている。
若い大学生の頃はその知的容貌とあいまって凄い美人だったに違いない。
みんなにチャホヤされる美人と言うものは案外セックスのテクニックはお粗末な者が多い。
男の方が勝手にイッてしまって、貴女は名器だなんておだてるものだから、
益々図に乗ることが多い。
従って自分が美人ではない事を自覚していて、それを補う為に性の技巧を懸命に
勉強している女性の方が、男として遊ぶにはよっぽど楽しいものだ。
「男の人と一緒にお風呂に入るのは初めてよ」
春乃は恥ずかしそうに股間を洗うと浴槽に入ってきた。
春乃の肉体の体積分の湯が、ざばァ浴槽の縁からナイヤガラの滝の様にこぼれる。
湯気がもうもうと立ち込める。
「春乃、こっちに来るんだ」
私は命令した。何しろ今夜の二人のセックスゲームの進行上、
私が何をしょうと春乃は拒絶できないのである。
「はい」たしかに春乃は柔順だった。
私の命令にはすべて「はい」という短い返事と共に素直に従うのだった。
私は湯気が立ちこめる浴槽の湯の中で春乃の肉体を両手で抱き締めて
あちこち触りながら性感帯の探索をおこなった。
耳からうなじ、そして脇腹と鼠頚部と背中に、それがあるらしい事が判った。
全てはベッドの中での愛撫の為の布石である。
一度洗い場に上がり石鹸をつけて、お互いの肉体を洗いっこした。
一方が幼児の様にじっと立っているのを、前から後ろからくまなく洗ってやるのである。
「那須くん、やめて、くすぐったいわ」
春乃の肉体の前面の乳房や腰や陰部に石鹸の泡を付けてズルズルにしてしまった時に、
初めて洩らした微かな抵抗の言葉であった。
「春乃、それはないだろう。『はい』の言葉は如何したんだい」
「はい」
春乃は恨めしそうに私を見下ろした。
私は石鹸の泡を一杯含ませたタオルで春乃の弱点を徹底的に探っていた。
そして陰部を撫でる時に、わざとクリトリスを触れてみた。
春乃の体が強くピクンと反応した。でもそこは一度だけであとは春乃がまた触って欲しい
素振りを示したけれどわざと触らずに洗い終わった。
最後の仕上げに湯を掛けてやると、生気に満ちた春乃の肌を湯玉と成って弾く。
今度は私が洗ってもらう番だった。私は春乃が体の前を洗う際に、わざとペニスを堅く立てて、
春乃の反応を見た。春乃は俯いたまま、手の感覚だけで体を洗っていた。
「春乃、ちゃんと俺のペニスを正視しなきゃ駄目じゃないか」
物心ついてから男性と一緒に風呂に入るのも初体験なら、その男性が洗い場で
ペニスを勃起させているのを間近に見ながら洗うのも初体験に違いなかった。
「那須くん、ごめんなさい。見れないわ」
「しょうがないな。ベッドでは嫌でも見てもらうよ」
私は無理強いはしなかった。
春乃はまるで少女の様にはにかみながらも、石鹸の付いた指を太腿の内側へ滑り込ませて、
股間の屹立したペニスを両手で優しく包んで原始人が火を起こすように揉むのだった。
はにかんでいる割に指の方は男の欲望をアップする方向へと活躍する達者ぶりでだった。
なんのかんの言っても齢六十二歳になるまでには、ペッティングを楽しみあう男友達が
居たのかもしれないな、と見直したのだった。
再び二人は浴槽で温もり、体を拭いてベッドに上がった。
さあ愈々である。
ベッドメーキングで、皺一つなくぴんと張られたシーッをぐちゃぐちゃにするために、
男女が審判のいないレスリングを開始するのである。
春乃はすぐに私がベニスを挿入するものと思ってか、仰向けに寝て足をたて気味にして
膝を開いた。湯に濡れて恥丘に張り付いた陰毛、
そしてピンク色の肉の割れ目からも湯気が立ち昇っている。
「まだ早い。春乃、起きてごらん」
私は春乃の上体に手を掛けて強引に起こしてしまった。
「ううん、もう・・・那須くんって乱暴なんだから」
私は春乃を抱き締めると髪を撫でながら顔を近づけた。かねて調べておいた耳のふちを
指でやさしく撫でた。そして髪の生え際を四本の指で何度も撫で下ろした。
「ああっ、気持いいわぁ」春乃はうっとりとした表情で目を閉じた。
私は指を耳の穴に挿入すると同時にうなじを舌で愛撫した。
私は次に乳房を中心とした胸を愛撫し始めた。
手の平全体を使い、ゆっくり内から外へ円を描くようにマッサージした。
春乃は快感の呻きを洩らし乳首がツンと立ってきた。
多分春乃が今まで体験した男性とは全く異なった指や舌による女体の攻めは
予想外だったに違いなかった。春乃としては、ペニスの挿入によるピストン運動を
予想していただけにペースを乱されたようだった。
「ああん、早く入れてよ」
早くもペニスの挿入を渇望する春乃の膣に直ちに挿入してやることなく、
性器から遠く離れた他の性感帯を攻めつつ接近し、指技で半狂乱の状態に
性感を高めてじらしてやってこそ床上手の男になれるのである。
私はいつしか掌の一番柔らかい肉丘を春乃の恥丘に宛がい、
細かく振動させてやった。こいつはとても効いた。
不感症中島女史の調教。其の四
~堪忍して~
「ねえねえ、那須くん、どうして入れてくれないの」
「じゃあ、入れるよ」
「わぁ、嬉しい」
春乃はシーツの上に仰向けに成って股を開いた。
でも入って来たのは、私のペニスではなく右手の指だった。
しかしその指はペニス以上に大活躍する黄金の指だった。
左手は春乃の頭を抱きつつも、右手の親指は女性の快楽の震源地である
クリトリスを微妙なタッチで押さえ、人差し指と中指は膣の中に入れて
L字型に曲げてGスポットを刺激し、小指はアヌスを攻める三ヶ所攻めをするのである。
「ああっ那須くん、あなた一体指何本あるの」
「俺はタコじゃないよ。指は五本だよ」
「うそ、あっちこっち触りまくってるじゃないの」
「大学教授ともあろう春乃が、何を血迷っているんだ。指は八本はないよ」
私はどうやら賭けに勝ちかけているなと確信した。
私はこのまま指だけ使っても春乃をアクメに追い上げる自信があった。
私は更に春乃のクリトリスを舌で嘗めて、口一杯に溜め込んだ唾液を小陰唇の
内側に垂らし込んでジュルジュル音高く啜ってみせた。
「わぁね春乃はすごくお汁を出したじゃないか。気持が良くなってきた証拠だね」
春乃は、まんまと私のトリックにひっかかった。
「コンドームは如何する。俺は持ってきていないよ」
「馬鹿ねぇ、私ぐらいの女性はメンスなんてもうないのよ。いるわけないでしょう」
私はわざとからかったのに、本気で春乃は怒ってる。だが私のペニスも私を裏切って
ギンギンに立ち上がり、これ以上挿入をじらせると爆発しそうである。
「どうだい。これがほしいだろう」
私は堅く膨張しまるで腹につきそうなくらいに高角度に直立したペニスを
春乃の右手に握らせた。春乃が手を離すとペニスは反動をつけられたので私の腹を打った。
「まあ、那須くんってずいぶん強いのね。ねぇ、早くこの堅いのを入れて頂戴」
春乃は再び私のペニスを掴んだ。
「どこに入れるんだい。誰のどこに何を入れるのか正確に指示しないと、
このコンビューターは馬鹿だから作動しないんだ」
「早くペニスを入れて頂戴」
「エラーメッセージ。誰のペニスなのかが不明です。
また誰の何処にいれるのか挿入先も不明です」
「ああん。那須くんの意地悪。那須くんのペニスを私のアソコに入れてください」
「エラーメッセージ。私と言う代名詞は理解できません。
またアソコも同様です。肉体のどの部位かが不明です」
「那須くん、あんまり苛めないで。
那須くんのペニスを、中島春乃のオマンコに挿入してください」
「了解しました」
私は春乃を馬鹿みたいな言葉遊びでじらしにじらした挙げ句にやっと春乃の体の上に
覆い被さるようにしてぐいとペニスを挿入した。
今までに多くの女性をアクメの絶頂に追い上げた自慢の赤銅色したペニスである。
「ああっ、那須くん、嬉しいっ」
春乃は女として性の深淵にペニスを突き立てられたことへの喜びの声をあげた。
あとは私がピストン運動するのを受け止めるだけだと思ったに違いなかった。
だが其処にも又私のじらしがあった。私はペニスを挿入したものの、全然腰を使わなかった。
「ねぇ、那須くん如何したの?腰を使ってくれないの」
「そうだよ。動きたければ春乃のほうで動いてごらん。僕が下に成ってあげるから」
「私、女性上位はまだした事ないのよ」
「いいから、いいから、僕が教えてあげるから」
私は横にごろりと半回転して春乃を上にした。春乃はもう賭けのとは念頭に無いらしいかった。
「巧い巧い、さすがは大学教授だ。飲み込みが早いよ。
自分の気持ちがいい場所を擦るように腰を動かせばいいんだよ」
只もう快感の上昇をひたすら求めて、肉体の奥から沸き起こるエロスの衝動に
突き動かされて無意識に腰をゆすっていた。
「巧い、巧い、春乃はセックスの天才だよ。こんなに腰遣いのうまい女性は、初めてだよ」
自尊心の強い女性には、お世辞もセックスのよりよいスパイスになるのだ。
ベッドがみしっみしっと軋む。女性も本気でセックスにのめり込むと恐ろしい力で
腰を動かすものである。春乃の息遣いはもう蒸気機関が破裂する直前みたいだった。
「ああ、堪忍して、もう駄目よ。堪忍して頂戴、堪忍して」
女性上位のセックスだから、止めようと思えば自分から止めればよいのであるが、
アクメの最終局面を待ち望む自分自身の性衝動が腰の動きを継続させているのであった。
「ああ、もう駄目、死にそうよ。ゆるして、堪忍して。ああっダメ」
ついに私の腹の上で絶頂を感じて後ろにひっくり返ってしまった。
十分後、我に返って春乃は、まるで人が変ったみたいな笑顔を見せて、
「ああっ私、那須くんが大好きよ。賭けは私の完敗ね。
今夜だけでなく、是からも時々はセックスのお付き合いしてくださいな」
通常は愛が発展して性愛に発展するものだが、性愛から愛が生まれる事も偶には有るのだ。
二人は身じまいをすると、ラブホテルを後にしてタクシーで仲間が待っている
バーのバッカスに向かった。
タクシーの中での私と春乃はもう夫婦みたいなぴったりした意思の疎通が感じられた。
私の性愛の技術はとうとう春乃に愛の感情を芽生えさせたもののようであった。
五年前に妻を亡くし自由人を自認する私には有難迷惑であるが、同級生の事でも有り、
春乃の行為を無下に拒絶するような事はしなかった。
春乃の私に対する態度はまるで永年連れ添った妻みたいにかいがいしかった。
やはり充実したセックスは青菜にかけられた塩が水分を奪い取って、
しんなりさせるのと同じ様に、突っ張っていた春乃を柔順にしてしまったのだった。
雑居ビルの地下にあるバッカスは西部劇の酒場みたいにスイングドアに成っていた。
体でぐいと押して、威勢良く私が店内に入る。私は晴れ晴れとした顔だ。
ちょつと遅れて春乃がトロリとした眠そうな顔で入る。
壁には西部劇映画のレトロポスターが貼られている。奥のテーブルから緒方が、
「よう、こっちだ。こっちだ」
と元気な声をかけた。賭けの結果は私と春乃の態度を見れば一目瞭然であった。
「春乃ちゃん、やっぱり那須さんにイカせられたのね。あーあ。五万円はパァだわ」
真利子ががっかりした表情とともに、私に憧れみたいな視線を送っているのに気付いた。
真利子は私と寝たいのだなと思った。
「やったぁ、俺は五万円だぁ」
竹田は私に握手を求めてきた。
「よし、配当金は那須と竹田にそれぞれ五万円だ」
緒方は、五枚ずつの札束を渡した。真利子は春乃に私がどんなセックステクを用いたかを
聞き出そうとしていた。だが春乃はうるさそうに生返事をして答えをはぐらかしていた。
「じゃあ、もう夜も遅い事だし、水割り一杯ずつ飲んで、解散しようか」
緒方が提案した。むろん店の支払いは全部緒方持ちである。
マスターが水割りを五杯作っている。
不感症中島女史の調教。其の五
~戦い済んで~
「どうだい。春乃の不感症は那須がきっちり
治して呉れたんだろう」緒方は無遠慮に言う。
「那須くんは、本当にお上手だわ。
指で触るだけで、もうすっかり私の不感症を
治して呉れたんだもの」
春乃は心身ともに文字通り完全に私に
征服されているようだった。
春乃の男性不信体験に新しい風穴を空けた男が私であった。
むろん春乃の下半身にも私のペニスで
大きな風穴が空いていた。
「まあ、春乃ちゃんは那須さんの指技でもイカせられたのね。だらしないわね」
真利子の嘲る様な言葉に春乃はいささか気分を害したようだった。
「私がだらしないのではなくて、那須さんが、お上手過ぎただけなのよ。
真利子だって那須さんにかかったらもう指だけでアヘアヘになっちゃうわよ」
「私はいつでもOKよ。那須さんが体の都合がつくなら・・・」
「おいおい、真利子は重役夫人だろう。
そんな浮気みたいなことして家庭争議を起こしては駄目だぞ」
「いいわよ。うちの主人は愛人の家から会社に通勤して、
私の処には月に三、四日しか帰ってこないんだもの。那須さんと浮気して何が悪いのよ」
真理子は口を尖らせる。
其処へ店の女の子の由佳ちゃんが水割りを運んできた。
成人式を終えたばかりの由佳は私達の話しに興味を持ったらしい。
「ねぇねぇ、この那須さんってそんなにセックスがお上手なの。
紳士みたいなお方なのに信じられないわ。私も一度お相手していただきたいわァ」
蛾が燃える火に引き付けられるように、女性は悪い噂の男に、
近づくと危ないと分かっていても接触したがるものだ。
「おいおい、由佳みたいな小便臭い子供は那須は相手にしないよ」
緒方がそう言って由佳のスカートをまくりあげた。
黒のヒップブラと尻の割れ目が目に飛び込む。
「ほれ見ろ、黒の提灯ブルマーを穿いてるじゃねえか。那須が相手するわけねえよ」
「これはブルマーじゃないわよ。最先端のランジェリーなのよ」
由佳は今度は自分でスカートを捲くって見せた。黒い下着の真ん中に円い穴が
空いていて尻の割れ目が見える不思議なランジェリーだった。
「私、由佳です。よろしくね」
由佳は女持ちの名刺を呉れた。私も名刺をだした。彼女は私の耳元に、
裏側に自分の下宿の電話番号が書いている旨を伝えた。
青インクで数字が手書きされていて、そばに可愛い丸文字で、
『男と女の事を色々教えてね。月曜が公休よ』
と添え書きされている。退屈した時にこんな若い子と遊ぶのも
悪くないなと思いつつ由佳の名刺を財布にしまった。
皆は水割りを飲んだ。真利子がいつのまにか私の横に席を占めていて、
帰りに私の家に寄ってよ、と小さな声で囁いた。
「旦那がいきなり帰って来たりしないのか」
「いいのいいの、主人は帰る前には必ず電話して帰って来るから大丈夫なの」
真利子はすました顔で答える。
バッカスで散会した一時間後には、
私は沢真利子の豪邸のチェスト付きのダブルベッドの中にいた。
「今夜は私の家に泊まっていってね」
真利子は、セックスに飢えていたらしく、寝室へ私を引っ張ってゆく。
私の前で洋服を脱いで色っぽい赤のネグリジェに着替えた。
「今夜、私を抱いてね」
真利子の赤い唇が背広を脱ぎ、ネクタイを緩めている私に迫ってきた。
「今夜は駄目だよ。真利子には男性の体調を思いやるデリカシーはないのかね。
セックスってものはね、ペニスを差し込むだけじゃないんだよ。
どうして旦那が真利子から離れていったか考えてみた事があるのかい」
「そうねぇ、主人とは五十三歳頃までは普通の通りに夫婦生活があったわ。
それが夫が出世して秘所を持てる重役になってから、
段々とセックスが少なくなっていったのよ。
秘書が愛人だったの。その若い秘書が夜の生活も私から奪っちゃったのよ。
やっぱり男は若い女性がすきなのね」
「旦那が家に寄り付かないのは年齢だけのせいでもないと思うよ。
真利子のセックスが下手だからなんじゃないのかい」
私の意見はどうやら核心を衝いたらしく、真利子は涙をポロポロこぼして泣き始めた。
白いシーッの上に涙がシミを作った。
「じゃあ、どうやれば巧くなるのよ。那須さん、教えてよ」
「その前に真利子が旦那とどんなセックスしているのかを、
俺を旦那に見立ててやってみせてごらん。
旦那はセックスする時はどんな体位でがお好みなのかい」
「主人は家に帰ってくるとベッドの上に仰向けに寝ちゃってなんにもしてくれないんです。
私は勝手に上に乗ってするだけなの」
「じゃあ、今夜は俺も疲れイいるから、このまま休ませてもらうよ。
明日の昼間に、俺を旦那と想定して普段通りにセックスやってみてごらん」
「じゃあ、今夜はこのまま清い関係で寝るのね」
「そうだよ」
「じゃあ、手だけ握り合って眠らせてね」
私と真利子は子供の様に手を握り合って眠った。
翌朝は真利子がキッチンで朝食を作る音で目が覚めた。
一晩十分に睡眠を取ったので私の股間は朝立ちでピンピンに屹立していた。
私はトランクスとシャツを着ながら、今からどうしようかと頭を巡らせていた。
しばらく逡巡したが、ドアを開けてダイニングに入った。
「おはよう・・」私は真利子の背後から声をかけた。
「あら、おはよう・・・」
すでに白いブラウスとベージュのスカートに着替え、
淡いピンクのエプロン姿で洗い物をしていた真利子が、気持ち私の方へ顔を向け応えた。
私はキッチンを通りすぎるとそのまま浴室に入り、
熱いシャワーで目を覚ますと体を念入りに洗った。
体を清め終わると、Tシャツとトランクスだけの格好で脱衣所を出た。
脱衣所の出入り口は、ちょうどキッチンで洗い物をしている真利子の真後ろに位置する。
私は真利子にゆっくり近づくと、背後から無言で真利子の胸に手を廻した。
「あぁんっ!・・・」真利子が小さく驚きの声を上げた。
ブラウスの生地越しに左右の乳房をゆっくりと揉みしだく。
「ちょ、ちょっとぉ・・・、那須くん・・・今はダメょ・・・。」
私はかまわず真利子の胸を揉みながら、首筋に唇を這わせた。
うなじにチュッ、チュッ、とくちびるをあてツツーッと舌を滑らせる。
「ダメッ・・ダ、ダメッ・・・御飯食べてからゆっくり遣って・・・」
真利子は小声で抗って見せては居るが、されるがままで決して私を振り解こうとはしなかった。
真利子が待望していたセックスは居間で行う事に成った。
「主人は秘書とつきあうようになって、寝室以外の場所での変態セックスを
好むようになったらしいのよ。居間でテレビを見ている時に、『おい上に乗れよ』でしょう」
と朝食の時に味噌汁を啜りながら、真利子が私に語った言葉が決め手となった。
淡いグリーンのふかふかの絨毯が広々とした部屋に敷きつめられ、
高価そうなイタリア名画が額におさまって壁を飾り、
ゆったりとしたソファは金糸入りの青い錦織のカバーがかけてある。
私は完全な裸体となってフカフカの絨毯の上に仰向けに寝た。
ペニスはなまこの様にまだぐったりとしている。
真利子のペニスを立てる技術を探るために意図的に倒しているのである。
不感症中島女史の調教。其の六
~鶏のとさか~
「おい、上に乗れよ」
私はAV俳優の心境で真利子の旦那と同じセリフを言った。
「ああん。あなたったら偶に帰ってきたらうるさいわね。
いきなりそんな事言って。女性にはそれなりの準備がいるのよ」
エプロン姿の真利子もいつもの旦那に接する時の心境で妻の役柄を演じていた。
「何言ってるんだ。うちの秘書なんか、俺が姦りたいと言えば、
どんな場所でもショーツを脱いで嵌めさせてくれるぞ」
「秘書はそれがお仕事だから、割り切って出来るのよ」
「お前、なに言ってるんだ。秘書は会社における俺の仕事の大事なアシスタントなんだ。
その仕事をこなした上に俺の肉体的な欲求にも応じてくれるんだ。
お前なんかよりもよっぽど優秀な女性なんだ」
私は喋りながら、ドラマの中の人物になりきる俳優の楽しさを味わった。
スッポンポンの裸体の真利子は、
豪華な上飾りがついた薄い緑のベルベットのカーテンを開いた。
朝の陽光が窓ガラスからさっと射し込んできた。熟女の匂いを振りまきながら真利子は
私に近づいてきた。モーニングセックスをするのは久し振りである。
「あらあら。まだ勃っても居ないじゃない。
姦りたいのだったらチンポぐらい自分で勃てて準備しておくもんよ」
真利子はかさかさの指で、汚いものでも摘むような手付きで私の柔らかい
ペニスを掴むと機械的かつ義務的に上下させた。あまり気持良くなかった。
私の採点では、真利子は女性としてのベッドマナーは落第点であった。
炊事、洗濯、掃除、育児その他の家事がどんなに上手にこなしても、
夫との性生活が義務となり技術向上の積極的な意欲がなければ
結婚生活はやがて巧くいかなくなるものである。
よほどの遊び人でない限り、最初からセックスが巧い男女などいるもんじゃない。
皆それなりに勉強し実技で努力しているのだ。
やがてペニスは真利子の拙劣な指による刺激でもおずおずと勃起してしまった。
悲しい男の性(さが)である。
化粧の匂いがある真利子は左手で股間のまるで鶏のとさかみたいなやや黒ずんだ
小陰唇を開いた。内側の肉のサーモンピンクの割れ目から透明な液体が滲み出て来た。
真利子は割れ目を左右に押し広げながら、右手で私の直立したペニスを掴んだ。
そしてズブズブと腰を沈めてきて跪く姿勢をとった。
「じゃあ、私、動くわよ」
真利子は私の胸の上に乳房を押し付けるようにして顔を近づけてきた。
そして、私のペニスを深く呑み込んだ真利子の腰は静かに上下運動を開始していた。
愛人に主人を奪われて妻とは名ばかりで、久しい事ペニスの抜き差しから、
遠ざかっていた真利子は、この時とばかりに男性を貪るのだった。
愛してもいない同級生の女性とこのような形で肉体を接触しあう体験は異常であった。
下から真利子のスベスベした餅肌の背中に回した私の手はとても心地よかった。
私の手は次第に下方へ移動して腰のくびれを撫でさすり、
ヒップの膨らみに続く曲線が私の情欲の炎を燃え立たせた。
私の視線は真利子の赤い唇に移った。半ば開きかけた真利子の口は魅惑的だった。
私は本能的に柔らかな真利子の唇を求めた。
唇が触れた瞬間、真利子は、私の唇を激しく噛んだ。血の味がした。
陶酔のキスが、真利子の野生を取り戻させているのかも知れなかった。
熱い息が官能を駆り立て、力強い舌の愛撫は、いつしか真利子に夫との
セックスをしているものと錯覚させてしまっていた。
蒸気機関車の動き始めの様に、最初は重々しく緩やかだった真利子の腰遣いが、
次第にスピードを増し、ダイナミックな動きの腰遣いに変貌しかけていた。
上になってしきりに腰を遣っている真利子の皮膚から流れる汗が、
彼女の胸の二つのピラミッドの先端の乳首から私の胸に滴り落ちた。
汗が二人を一つに溶融した。
真利子の喉の奥から切なげな溜め息が漏れて来る様になった。
私はそろそろ真利子を仕留めてやろうと真利子のリズムに合わせて
下から腰を遣い始めた。これはとても効いた。快感が二倍に増幅されるのである。
男から長らく遠ざかっていた真利子がこの快感をどうして我慢できよう。
真利子はヨガリ声を上げるのを遠慮しているらしかったが、肉体の筋肉の震えは、
もうどうしょうもない高い場所まで快感を押し上げられている事を示していた。
真利子の指が筋肉を波打つ二つの腕に確り食い込んだ。真利子はアクメを迎え、
私の横に滑り落ちた。あとは性交の快い疲れが二人を包み込んだ。
強風がキャンパスの周囲に植えられた桜の若葉に容赦なく吹き付けている。
もう春なのにまた冬が舞い戻って来たかのように空気は冷たく、
バー・バッカスの由佳は、風に乱れた茶髪を指でしきりに撫でつけようとしていた。
海老茶色のブラウスにグレーのラップスカートという清楚なスタイルの由佳は、
どう見たって女子大生としか見えない。
「まさか、大学にまで押しかけて来るとは思わなかったよ」
私が同僚の教授とカフェテリアで歓談して別れて教員室に戻る途中で、
由佳に出会ったのである。そう言えば今日はバー・バッカスの定休日の月曜であった。
「ねぇ、今日は私と遊んでよ」
「しっ!声がでかい」夜の歓楽街の会話ではないのだ。神聖な学問の殿堂である。
天気がよければ心が和む広々としたキャンパスの緑の芝生も天候が悪いと寒々と見える。
「由佳に一つ忠告しておくけど、愛しても居ないのに、
女性の方から男に抱いて欲しいと言うのは、どう言う心理かね」
「男なら誰でもと言う訳ではないのよ。那須さんに対するセックスへの好奇心かしら」
「女性は欲望から求めた男がセックスが巧い場合、
性の技巧を男の愛情と勘違いして結局、男にのめり込んでしまう場合があるからね」
「そうなればなったで、私は後悔しないわ」
「そうかい。そこまで覚悟しているなら抱いてあげよう」
季節外れの冷たい風に当たったので、由佳の頬は赤く髪も乱れている。
しかしそれがかえって由佳を魅力的にしていた。綺麗な眉の下にある黒い瞳が
私に訴え掛けるようにキラキラと光るのを見た。私は由佳の真剣な眼差しを
見詰めているうちに抱きたいと言う衝動が下半身の奥深くから沸き起こってきた。
幸いにも今日の予定の講義はもう済ませている。
「どこかに飲みに、街へ出るかい」
「ううん、それより、早く抱いてほしいの」
「よしわかった。じゃあ今から君の家に行こうか」
私は由佳に言った。
「いいわ。そのつもりで来たんだもの」
他人の目には、ゼミの担当教授と学生のように見えただろう。
それから二十分後、私と由佳は六階建てビルの最上階にある由佳が一人で
借りているアパートにいた。玄関のドアを開けると、消臭剤のラベンダーの香りがした。
キッチンはさすがに女の子の独り暮らしらしく、ステンレスの流し台はピカピカに輝き、
白い冷蔵庫には花模様のシールが貼られていた。そして畳の部屋も綺麗に整頓され
和箪笥の上にはUFOキャッチャーで獲得したらしいアニメ人形が数体お座りしていた。
ピカチュウもあった。私は眺望が素晴らしい居間に通された。
不感症中島女史の調教。其の七
~指ピストン~
「このお部屋は景色が素敵でしょう。今日は風が冷たいから戸を閉めていますけど、
とょっと開けてみましょうか」
由佳はベランダに面したアルミサッシの引き違い戸を横に開いた。
新鮮な大気が部屋にどっと流れこんだ。
遠くに見える丹沢の青い肌がぼんやりと霞、近景の丘陵の樹木の緑の色が、
今にも降り出しそうな水分をはらんだ、どんよりとした空の下で鮮明に見えた。
「お茶で宜しいですか」
由佳は私が白髪頭なのでそれなりに気を遣って居るらしかった。
きっと若い男であれば、コーヒーとか紅茶とかにメニューが変化するのに違いなかった。
「お茶でいいよ」
小さな折り畳みテーブルの上に茶托に載せて緑茶がだされた。
「由佳は、もう何人もの男性経験があるんだろう」
「ううん。三人ほどね」
「今も付き合っている彼氏が居るのかい」
「去年の夏に知り合って秋に別れて以来誰も居ないわ」
「どうして別れたのかい?」
「セックスがとっても下手なんだもの」
「元彼は若いんだろう。誰だって最初から上手な男なんていないよ」
「だって挿入して一分も持たないで射精するのよ」
「そりゃあ由佳があんまり魅力的過ぎるからじゃないのかい」
「那須さんってお上手ね。本気にするわよ」
「コンドーム使うほうが良いんだろう」
「ええ、用意してあるわ」
由佳は箪笥の引き出しから銀色をしたコンドームの箱を取り出した。
そして、部屋の隅でブラウスを脱ぎスカートを取り去り、
ショーツ一枚になって浴室に姿を消した。
やがてシャワーを使う音がし始めた。
私は由佳が女の身嗜みとして体を洗っているのだなと察した。
「那須さん、私、準備OKよ」
浴室から出て来た由佳はバスタオルを纏っていた。何とも魅惑的な姿であった。
「おいおい、もう始めるのかい」
「そうよ。早く那須さんのセックスを体験したいんだもの。早速お願いするわ」
私がキャンパスで考えた手順は、まず食事に誘ってそれから酒場で少しアルコールを飲んで、
それからと考えていたけれど、由佳はそういう夾雑物はすべて排して、直接的な性行為を
私に求めたのである。女性にそうはっきりと割り切られると、かえって男としてはやりやすい。
私も黙って背広を脱ぎネクタイをはずした。
「那須さん、私の体を見て見て」由佳は、バスタオルをぱっと開いた。
どうやら着痩するタイプらしく裸体は意外にグラマーだった。
裸体になった由佳は左手で陰部を押さえながら玄関に鍵を掛けに行った。
それから狭いアパートのほんの僅かばかりの畳面を埋めるように敷布団を広げ、
糊がバリッと効いた清潔なシーツを上に敷いた。
私と由佳は敷布団の上に向かい合って座った。
由佳の乳房は豊かでウエストはくびれ、安産型の骨盤が大きく張り出している。
足首から太股にかけての成熟した女の色香を感じさせる眺めは私の男としての
欲望をムラムラとそそった。そして足の付け根の黒い陰毛に探索の足を伸ばしたいと
私のペニスは硬直し始めた。
「試運転、そろそろいいかい」
「いいわよ」
敷布団の上に横座りしている由佳の肩に左手を廻して逃げられない様に上体を確保した。
それから由佳の胸の大振りな白桃を思わせる乳房に右手を這わして静かに揉み始めた。
由佳の肌は眩しいほど白くスベスベしていた。布団の上で男のなすが侭に成る覚悟を
決めている女性を目前にしてはペニスはもう熱気を持って膨張し堅くなっている。
由佳はそれを握り締めた。
「ずいぶん堅いのね。素敵だわ」
「もうすぐ、由佳の体の奥深く突き刺さるのだよ」
「なんだか、怖いわ」
私は掌で由佳の由佳の乳房を愛撫した。下から上へ、内側から外側へ円を描くように
愛撫を続けていると乳首がゆっくりと頭を持ち上げてきた。私は乳首を舌で愛撫した。
やがて、右手は上半身から下半身に移動した。右手で膝頭の裏側を掴み、
ゆっくりと太股の内側を撫であげた。幾多の未亡人をよがらせてきた手練の指技である。
二十歳そこそこの小娘には熟女さえよがらせる私の技巧を老巧に受け流す術も知らず、
また快感を耐える抵抗力も養われていない。
「ああっ、こんなの初めてだわ」
早くも由佳は小さな喘ぎ声を上げ始めた。まだ指も挿入しない内から感じて居るのである。
「由佳、気持ちいいかい」由佳は余りの快感に言葉も出ないのか、黙って頷くだけであった。
私の指は由佳の湿ったと言うより、早くもズルズルの沼地と化した肉の割れ目に侵入した。
「ううっ」由佳は体を震わせ、私の肩を掴んだ。力を込めた由佳の指先の爪が白くなった。
私は得意の指ピストンで由佳を攻める。もともと淫汁でズルズルだった局所は
ピチャッピチャッと猫が水を飲むような音を立て始めた。
シーツの上に淫水が糸を引いて落ちた。
「由佳はすごくお汁を出してるよ」
「恥ずかしいわ。私こんなになったの是が初めてよ」
由佳は男にタップリ前戯をしてもらった経験がないらしい。
「ああっ、もうダメだわ。早く本物を入れてよ」
由佳は部屋に立ち込める牡の匂いで、もう理性を失いかけている。
でも妊娠につながる行為には本能的な防御本能が働くのだろう。
私の動作から挿入の気配を察して、
「ごめんなさい。これつけてね」
由佳は小袋から取り出したコンドームを私に見せた。
「俺はナマの方がいいんだ。つけて欲しいなら自分でつけろよ」
「えーっ、私がつけるのォ」
「そうだ。もともとこれは女の仕事だぞ。
男に任せたらずぼらだから直ぐに妊娠させられてしまうぞ」
由佳は赤くなりながら、直立したペニスをつかんで、
ぎごちない手つきでコンドームを装着した。
「じゃ、始めるよ。ほんとにいいんだね。後悔しないんだね」
私は由佳の体を二つに折り曲げる形にして、
まだあまり使用していないピンク色の女性性器を最大限に露出した。
「やだあ、こんな姿勢は恥ずかしいわあ」
由佳は、おしめ替えをする大きな赤ちゃんのような姿勢で布団の上に股を開き、
私は折り重なってぐいと貫いた。
「あっ、入った」
長い前戯でじらされたあげく、やっと待望の男性自身を挿入して貰った喜びに
由佳は私の下から微笑んだ。私の大腰、小腰を使い分けるテクニックに、
由佳は翻弄されながらも、健気にも私の動きに合わせて体の中の熱い塊を
吐き出して楽になろうと稚拙な動作で腰を突き出していた。
その激しい情熱は由佳がきっと今まで一度も体験した事の無いものに違いなかった。
二人の体の動きが熱を帯びるとともに、喘ぎ声がつぎつぎと変わり、新たな快楽の
世界が万華鏡のように展開していった。そして最後の尺玉の連発花火が盛大に
打ち上げられて、由佳はのけぞり仮死状態に陥った。花火師の私も暫しダウンした。
三十分後、服を着た私と由佳はインスタントラーメンを仲良く啜っていた。
「良かったわ。やっぱり那須さんは噂通りだったわ。ずいぶん堅くって長いんですもの」
やはり肉体的接触を交わした後の男女と言うものは随分露骨な会話をするものである。
私は由佳という年若い女性がベテランの私とセックスした事によって、
なにやら一皮剥けて大人に成ったと感じた。
不感症中島女史の調教。其の八
~根元まで~
来る日も来る日も鉛色のどんよりした空からは限りなく銀色の雨が降り続く
梅雨の季節となった。川は赤土色の流れに変り、舗道の微かなへこみにも
雨水が溜まって街路樹や空の雲を映していた。
近所のスーパーからカビキラーなる薬品を買ってきた一人暮らしの私が
汚くなった浴室を掃除をしていると、突然電話が掛かってきた。
相手は中島大学教授、いや高校時代の同級生の春乃である。
「どうしたんだい。この梅雨でアソコにカビでも生えたのかい」
「まあ、那須くん、お見通しね、ほんとうにこの雨じゃあアソコにカビが生えるわ。
実は貴方にそのカビ取りをしてもらいたいのよ」
「今からかい」
「そうよ。私の家は知ってるでしょう」
「俺は今カビキラーで浴室の掃除をしていたところなんだ。
それを片付けたら直ぐ行くから、そっちで風呂を沸かしておいて呉れないか」
「オーケー、待ってるわ、夕食は私の家で食べてね。そのあとアレお願いね」
とてもこれが大学教授の言葉とは思えないが、プライベートではこれが真実なのである。
私は手早く浴室掃除を終えると、電動バイブをポケットに忍ばせてタクシーに乗った。
春乃は同窓会の夜に緒方の賭けに乗って私からアクメを体験させられて、
そのアクメの味が忘れられなくなったのだなとほくそえんだ。
ピュアなインテリ女性ほど悪への抵抗力に乏しく、肉体の官能を巧みに刺激されると、
本能を理性で制御できずにセックス面で堕落させられ易いものである。
青葉区にある春乃の自宅は、雨に濡れた若葉の輝きに囲まれていた。
私はタクシーを降りて、洋傘を開いた。雨粒は傘を重くした。
木造瓦葺き二階建ての玄関に立った。中島春乃の表札があった。
門から玄関へ続く通路の右手に有るつつじの季節はもう終っていた。
「ごめんください」
「は~い只今」
古風な日本建築風の玄関の引き戸を開けると、白い障子の奥から声がした。
障子の内側で微かな音がした。衣擦れの音のような気がした。障子が開かれた。
「那須くん、やっぱり来てくれたのね」
なんとねずみ色の木綿縞の袷に朱色の帯を締めた春乃が現れた。
大学教授という職業柄、いつも洋服の姿ばかり見ている私は、
春乃の着物姿にとても新鮮なものを感じた。
「わぁねまるで別人みたいに綺麗だよ」
「あら、そうお、嬉しいわ」
何のかんの言っても春乃も女性である。これからセックスによって
自分の肉体にめくるめく快楽を与えて呉れる男性の御到来である。
春乃が私とのセックスを渇望している事が服装からも読み取れた。
水滴の垂れる洋傘を傘立てに置いて、私は靴を脱いだ。
バブル期に建てられた金持の別荘を春乃が買い取ったものだけに、
家は一人住まいには広すぎるくらいで、内部はしんと静まりかえっていた。
春乃が私を抱き締めた。高校時代から男性の上にマドンナとして君臨して、
男にちゃほゃされて、社会人となっても男性に負けずに大学教授にまで栄進している
春乃の意外な行動は私を驚かせた。
「那須くんに抱かれてから、私、人生観が変ったわ。
女性には男性によってあんな快楽が与えられるのね。
私は今まで肩肘張ったいやな女性としての人生を送っていたのだわ」
春乃の目はまるで偶にやって来る旦那を妾宅に迎えた二号さんのそれと同じであった。
それにしても私の股間にぶら下っている僅か16センチほどの肉棒が、
大学教授という現代で最も知的な職業婦人の人生観を変えるなどという
素晴らしい魔力を持っていたなど思ってもいない事であった。
「おいおい、いきなり如何したんだい。風呂を沸かして呉れているんだろう」
「あっそうそう見てくるわね。じゃあこの応接室に入っててね」
春乃は私を抱き締めている手をゆるめて次の間に姿を消した。
住宅展示場のモデルハウスのような和洋折衷方式の家屋で、玄関を入ると左手には
天井の高い洋風の応接室があった。大理石の暖炉があり絨毯のややくすんだ青色に
調和した二人掛けの重厚なソファが二組、テーブルを挟んで向かい合って置かれていた。
窓の外には梅雨に濡れそぼる和式庭園の植え込みの緑の樹木が見えた。
「お待ちどぉ」
着物姿の春乃が熱いコーヒーを二個のマグカップに入れて運んで来た。
そして慣れない着物の合わせ目を気にしながらソファに座った。
そのさまが何時もスカート姿ばかり見慣れている私にはとても新鮮に感じられた。
「この家は随分金の掛かった造りだね」
「そうよ。元はお妾さんが住んでいた家だから寝室がちょつと変っているのよ」
「どう変っているんだい」
「それは後でのお楽しみ。それよりお風呂に入りましょうよ」
春乃は私の背中に腕を回した。
私と入浴するのが始めてだったら春乃は決してこんな言葉は発しなかっただろう。
でもホテル・ビクトリアでの体験は二人の精神的距離を短縮させていたから、
春乃の方から積極的に風呂へ誘うという大胆な行動にでられるのであった。
脱衣室で着物脱いで長襦袢姿になった春乃に私は女性としての色気を感じた。
さらに白ネルの腰巻の下はもう白い裸体に成っていてデルタ地帯の黒い陰毛が見えた。
感受性の強い私のペニスはもう半立ちに成っていた。
私は春乃に水中セックスのゼミナールをしようと考えた。
無論私が指導教授でゼミを受ける生徒は春乃である。
何時も教える立場だから逆に教えられる立場に身を置くことは有益な事に違いなかった。
「まあ、那須くんは、随分お元気なのね」
「春乃のお色気のせいだよ」
「こんなお婆ちゃんの裸で勃て呉れるのは那須くんだけよ。嬉しいわ」
浴槽に二人で入っても、春乃はもう恥ずかしがる事はなかった。
暖かい湯の中で向かいあって浸っている還暦過ぎの男女の姿は、
他人から見れば仲睦まじい夫婦の入浴風景に思われるだろう。
でも湯の中に隠された私のペニスは、もう堅く勃起していて、
そこで交わされているのはいささか危ない会話だった。
不感症中島女史の調教。其の九
~根元まで~
「春乃」
「何よ」
「風呂の中で嵌めてやろうか」
「え、え、えっ、今なんて言ったの」
「風呂の中でのセックスだよ。言い換えれば水中オマンコの特別ゼミナールだよ」
「まあ・・・」
かなり男女間のことには免疫が出来ているはずの春乃も、思いもかけない私の提案に
仰天したらしかった。
「こっちにおいでよ」
畏れ多くも賢くも、大学教授の春乃にこんな事言い寄った男は
今までに一人も居なかったであろう。
「ヤダァ」
春乃はまるで少女のようにはにかんで顔を赤くした。私は春乃の腕を手繰り寄せて
わたしの膝の上に抱き上げた。抵抗はしなかった。性愛の快楽の極限を味わわせてくれた
私の誘いを春乃は断りきれなかった。
いやたとえ理性としては風呂の中でこんなはしたない事をと思ったにせよ、
肉体に私が刻印した快楽の記憶は春乃をグニャグニャの骨抜きにしてしまっていた。
「股をひろげるんだ。ゼミなんだから指導教授の言う通りにするんだ」
「はい」
私は指先で春乃の秘所をまさぐり、直立したペニスでぐいと刺し抜いた。
大学教授もこうなれば只の女である。ましてや、春乃は高校時代の同級生である。
みんなからソフトに扱われ尊敬されることに慣れ過ぎた知性的な女性、
マドンナ的な女性ほど男性のワイルドな行為に痺れるのである。
「ああっ、那須くん乱暴よ」
春乃は眉をしかめた。でも私は強引に春乃の腰を下に押し下げるとともに、
自分の腰をぐいと突き上げた。どうやらペニスの先端は子宮孔を衝いていた。
「根元まで嵌まったよ」
「ああっ、こんな凄い事、私はじめてよ」
「浴槽の縁に両手をついて、浮力を利用して腰を動かしてごらん」
春乃は緩やかに腰を使いだした。浴槽の湯が不自然な海底地震で津波を起こして、
浴槽の縁をしばしば乗り越えて間歇的に洗い場に零れ落ちた。
女性というものは、異常なセックスを体験させてくれた男はいつまでも覚えているものである。
「こんな風でいいのかしら」
春乃は顔を後ろにねじ曲げて私の承認を仰いだ。
「いいよ。とっても上手だよ。合格点あげるよ」
春乃は浴槽の中という初めての体験に、上気した顔で腰をゆっくり上下させる。
「そうそうその調子、その調子」
女性は男性に褒められる事で新しいセックス技術を覚え、かつ上達していくものである。
「那須くん、お世辞でなくて正直に言って。私の性技は何点ぐらいかしら」
性的な男性遍歴をあまりしたことのない女性というものは、
女性全体の中で己のセックス技量がどのへんに位置するのかは重大関心事である。
でも事の性質上、他の女性の性行為を現実に見ることはまずないし、
男性にも聞きづらいものである。
「そうだなあ。ほんとにお世辞抜きでいいの」
「那須くん、遠慮せずに言って」
「じゃあ怒らないかい」
「ええ、怒らないから言って」
「六十点だね。Vゾーンの毛の処理を全然してないね。
君の長い毛が巻きこみそうで邪魔なんだ」
「ごめんなさいね。気がつかなかったわ」
春乃は素直に謝った。
「それから・・・」
「それから何かしら、いけないことがあったら直すから言ってね」
「それから、腰の動かし方がペニスを途中で折り曲げるみたいで、ほんとは痛いんだ。
それにあまり大きく動くとはずれるよ。
湯の中ではずれると、入れ直しがむずかしいんだなあ。それに締め付けもたりないね」
忌憚なく言えば、ほんとう六十点にもならないのである。それはそうだろう。
男と遊び慣れた未亡人やソープランドの女性と、世間慣れしていない独身女性の
大学教授では、天地雲泥の開きがあるといものだ。
「やっぱりそうなのね」
春乃は少しシュンとなって腰の動かし方が緩慢になった。
「なあに水中オマンコは難しい技だからね。あまり気にする事ないよ」
これはあくまでも奇抜さを狙うお遊びであってフィニッシュまで持っていける性技ではない。
やがてペニスを抜去して二人は風呂から上がった。
春乃は脱衣室の大きな鏡の前で年齢の割りにスタイルのよい白い肉体を
大胆にも写している。前の黒い草むらを隠しもせずに手を上げて髪の乱れを直している。
「那須くん、同窓会の夜と今日と、二回抱いてくれたけど、私の体はどう?」
「きれいな体だね」
「いいえ、そんな表面的なことでなくて・・・ああじれったいわ。ペニスを挿入しての評価よ」
私は押し黙った。名器だなんてお世辞にもいえなかった。
でも粗マンだとも言えないではないか。
「まだ一回や二回じゃわからないよ。それに春乃はまだ訓練されていない
素材なんだから良し悪し言うのは失礼に当たるよ」
「私は、もうおばあちゃんよ」
男性との性生活が殆ど無かっただけに、お色気は足りないものの
年齢からくる体の線の崩れが無いのはさすがであった。
「じゃあ、先に寝室に行ってねよ」
「ええ、ちょつと待っててね。私も準備してすぐ行くわ」
女性は男性と違って何かと準備があるだろうと、私は春乃を残して脱衣室を出た。
私は寝室に入って驚いた。なんと壁が四面とも鏡張りである。おまけに天井も鏡である。
その中央にチェスト付きのロウタイプのダブルベッドが置かれている。
私はある秘密の準備がある。実は春乃を悶絶させるための
秘密兵器を持参しているのである。それは「ハイパワーローター」と「キムタクくん」の
二本の電動バイブであった。私はベッドの枕元の棚にそれらを置いた。
お堅い上流社会の女性を手っ取り早くセックス好きの淫らな女性に調教するための
必殺の小道具である。
マシンのあくなき連続刺激は不感症と自ら言う春乃をギブアップさせるはずである。
そこへ遅れて白地にピンクの花柄のプリントのロングガウンに黒帯を締めた春乃が
入ってきた。うっすらと寝化粧をしているらしく、とても綺麗だ。
「ほら私が言った通りでしょう。鏡張りなんてその昔のお妾さんの旦那の趣味かしら」
「なんだかガマの油の向上にでてくる蛙みたいだなあ」
「那須くん。たらり、たらーりと二人で脂汗をながしましょうね」
私はガウン姿の春乃をベッドの上で抱きしめた。
とってもいい匂いがした。きっと香水を付けているのに違いないと私は思った。
私は春乃の黒帯を解いた。ガウンの内側は、白い裸体そのものだった。
甘い香りが一段と強くなった。
「春乃。とっても素敵な香りだね」
「ありがとう。お婆ちゃんだから那須くんに嫌われないようにと思って
香水つけてきたのよ」春乃はそう言ってデルタ地帯を指さした。
Vゾーンのむだ毛の処理も綺麗になされている。
浴室での私の指摘に応えて急いで陰毛の手入れをしてきたらしい。
「春乃、きょうは特別に君一人の為にバイブゼミナールを受講させてあげよう」
「ええっ、あのアダルトショツプにあるイヤらしいのでしょう」
春乃の目は妖しく光っている。
「おいおい大学教授ともあろう人が、そんな偏見を持ってはいけないよ。
バイブをじっくり見たことあるのかい」
「ないわ。ただ忘年会の帰りに女友達とともに盛り場で入った。
アダルトショツプのショーウインドーでちらっとね」
「じゃあ、じっくり見せてあげよう」
「えーつ。バイブを持って来たの」
「そうだよ」
私は卵型のバイブであるハイパワーローターを手に取った。
不感症中島女史の調教。その十
~何か変よ~
「あらこれがバイブなの。ずいぶん可愛いのね」
私は早速電池ボックスのスイッチを入れて、春乃の胸に4.5ボルトの
ハイパワーローターの強力な振動をあてた。
「わぁ、気持ちいいわぁ。マッサージされてるみたい」
最初は乳房のあたりに始まり、だんだん下におりて脇腹そして太腿の内側と
移動していった。春乃はバイブ処女だ。怖さを知らない。最初のうちはニコニコと
震動に身を任せていた春乃がだんだんと表情が変わってきた。
「ああっ。何か変よ。変よ」
「どうやら感じ始めてきたようだね」
私は更にバイブを持ち替えて、二つ目のバイブ「キムタクくん」を手に取った。
「那須くん、それそれそれよ。イヤらしいバイブ」
「これがとても気持ちいいんだよ。春乃はきっと男性のペニスそっくりの
スタイルのバイブのこと言ってるのだろう」
その形状は、あの人気グループの木村拓哉こと「キムタク」とは似ても似つかないが、
その人物が腰に抱いている小熊の舌がスイッチを入れると細かく震動して
女性の淫核を直撃するのである。
「でもアメリカの電動バイブは、棒口紅を大きくしたちっともいやらしくない形をしていて、
疲れた体の部分をマッサージするためのものだよ。 ところが日本では
普通のマッサージ用とセックス用と細分化して発展してしまったんだ」
「ああ、那須くん、デパートなどで実演販売しているマッサージチェアでしょう。
じゃあ日本ではセックス専門に発達し過ぎたのね」
「うんそうだよ。日本の電動バイブの性能は世界一なんだ。ほらこの本体が膣に入り
二股に分かれた、もう一方の小熊の舌がクリトリスを刺激するんだよ」
私は春乃の股間の割れ目にバイブとキムタクくんの
二股の小熊を宛がって震動させた。
このバイブによるクリトリス攻めは忽ち凄い効果を発揮した。五分も宛がっていると、
春乃は目を白黒させて腰を悶えさせ口からは喘ぎ声が漏れ始めた。
私は春乃の小陰唇に指をあてて湿り具合を確かめた。もう十分だった。
私はバイブの長いほうの本体の先端を唾液で湿らせて膣口に押し当て
二、三度ピストン運動しながらも次第に深く静かに没入させていった。
そして電池ボックスのスイッチをいれた。
私は右手で春乃の膣内部と淫核を攻めるとバイブのキムタクくんを操作しながら、
左手ではハイパーローターで胸その他の春乃が感じ易いと思われる部分を
満遍なく愛撫した。
あまりの恐ろしいまでの深い快感に誘うバイブ「キムタクくん」を春乃は引き抜こうと
手を伸ばしてきたが、私の手の強い意志を感じさせる力に抵抗されて、
後はバイブという非情なマシンが煽り立てていく女としての熱い性の欲望を
なだめるすべを知らなかった。
「どうだい。バイブってすごいだろう」
春乃はもう私の質問にまともに答える事が出来ないほど、
快感に打ちのめされていた。バイブ「キムタクくん」の本体が春乃の膣の奥深くを
震動しつつえぐるようにうねると、白い肉体が段々バラ色に染まりだした。
そして二股になった小さい方の子熊の舌の細かい震動が、春乃の鋭敏な肉芽を
遠慮なく刺激して小豆粒ぐらいのそれを膨張させて水にふやけた大豆粒ほどの
肉欲の塊、快楽の発信地に変質させていく。
「ああっ、こんなの初めてよ。もう死にそう」
江戸時代の昔から張形その他の性具は数多くあったが、
人間の肉体では出せない高速度かつ微妙な震動を電気エネルギーで生み出す
電動バイブの発明は、人類が生み出した画期的な小道具であった。
「春乃、どうだい、バイブの味は」
「那須くん、バイブってこんなに凄いなんてこの年になるまで知らなかったわ」
バイブといえば、どうしても日陰の存在で紳士、淑女の口にしたり手にすべき
物ではないとされていた。特にまともな女性は拘わり合うべきではないとされてきた。
でもバイブレーションを使った旅館や銭湯のマッサージチェアは、
何の違和感もなしに利用するのにい、女性性器に挿入するペニスタイプの
バイブには抵抗感が強いものである。
「うっうっ、もう我慢できないわ。いきそうよ」
私はそろそろバイブ刺激を止めて、最後は私のペニスで春乃にとどめを刺す時が
来たと感じた。私は二つのバイブを春乃の身体から離してスイッチをオフにした。
「那須くん、愈々あなたのを入れてくれるのね」
春乃は仰向けに成ったベッドの上で両手を広げた。私の体は温かい春乃の体に重なり、
さっきまでバイブが占めていた空間には私のペニスが代わって占めていた。
「那須くん、とってもすてきよ」
すでに春乃の興奮は八合目まで上り詰めていたから、私の挿入によるあたかも
相撲におけるがぶり寄りにも似た腰遣いはあっという間に頂上へと押し上げた。
「ああん、そんなに激しくしないでよ」
春乃はともすれば我を忘れそうになるのを堪えて、必死に平衡を保とうとしていた。
だが間断ない私のペニスのピストンは次々と新しい快感の波と成って
春乃の岸に押し寄せて、岸を崩しにかかっていた。
「那須くん、わたし、もうだめ。いっちゃう、いっちゃう」
どうやら春乃は落城寸前である。
「ようし、たっぷり生出ししてやるからな」
「いいわよ。一杯生出ししてちょうだい」
二人の動きが早まった。私の腰がグイグイとダイナミックに動くたびに、春乃の恥骨にぶっかる。
春乃の肉体の内部がドックンドックンと収縮運動を繰り返し波打ちはじめた。
私の体の下で腰にジンジンくる快感を堪えきれず、頭を左右に振り連結した腰を
中心にのたうっている春乃の顔の表情は知識、教養をかなぐり捨て性の営みに
没頭する女の素顔であった。
「ふーん、だめーっ。いくいくーっ」
ペニスの裏筋がドキンドキンと脈動し、ついに私は爆発した。
栗の花に似た匂いが部屋一杯に立ち込めた。
春乃の白い肉体がブリッジを作った。私は春乃を強く抱きしめた。
春乃も私の背中に爪を立てた。
頭が良く順風満帆で大学教授にまでなった春乃が、放蕩無頼の遊び人の私によって
柔順な女に調教されたのであった。
十分後、春乃は精液に汚れた私のペニスを濡れたタオルでかいがいしく清拭していた。
「とってもよかったわ。那須くん、今後もこんな機会を作ってくれないかしら」
「いいよ。春乃が希望するならね」
「嬉しい・・・」
バイブを併用した特別ゼミナールは大成功を収めたのである。
END
~マドンナ~
「やだァ、私が那須くんとセックスするの?」
春乃はテレた表情で、上体をくねらせている。
大学ではきっと謹厳な表情で学生達に
比較文学論の講義をしているであろう
大学教授の春乃が、同窓会仲間のリラックスした
雰囲気につられて少女時代のあどけない春乃に戻っていた。
春乃もセックスの相手を選ぶ権利はあるものの、セックスが巧いかどうかは
寝て見ないと分からない。どうやらセックスの達人と仲間内で定評のある私に
抱かれて見たい気持ちが沸いて来たらしい。
「なあ、おい那須のほうは異存ないだろう」
緒方が昔の番長時代の癖で仕切りだす。
「俺は春乃さんさが良ければ、スタンバイできてるよ」
「じゃあ、今すぐ実行だ。ほら、タクシー券やるよ。
ホテル代は俺の名前を言えばタダに成るからな。
春乃も裸になって那須にペニスを挿入して貰うまでは協力しなきゃ駄目だぞ。
那須が懸命に体位を変え色々な性の技術を施すのを拒否しないで
柔順に応じてやってくれ。その結果、春乃が那須のテクニックにも拘わらず
アクメに到達しなかったか、したかを、二時間後に俺達に報告してくれ。
俺達はバーのバッカスに移動しているからな」
「それからこれで賭けをしようじゃないか。春乃の不感症が勝つと思う者は一万円出せ。
那須が春乃をイカすと思う者は二万円出せ。それから当事者の春乃と那須も出せ。
俺は賭けにはさんかしないが、特別に賞金として四万円だすよ」
緒方はそう言って掛け金を集めた。
春乃と真利子はそれぞれ一万円ずつ春乃の勝ちに賭けた。私と竹田は私の勝ちに賭けて
二万円ずつ賭け金を払った。
集まった資金十万円は緒方が預かった。春乃と真利子が勝った場合は
各人に五万円ずつの配当金となり、私と竹田が勝った場合はその逆である。
さあ面白くなった。
今まではセックスの上手な男にかかったらイカせられてしまうと言っていた真利子も、
一万円の投資で五万円を当てようと、俄かに変節して女性の味方、春乃の勝ちに賭けた。
「ねえ、春乃ちゃん、イカなかったら五万円貰えるのよ。気持ちよくならないように頑張ってね」
真利子が春乃の手を取って、変な激励をした。
竹田はむろん私のセックス技術に全幅の信頼を置いているからじたばたしない。
仕掛け人の緒方は、私にタクシー券を二枚渡してくれた。
「じゃあ那須くん、セックス・ゼミの教室に行きましょうか」
私は春乃に積極的に手を握られた。タクシーを止めた。
「ホテル・ビクトリアまで・・・」
私は平然と運転手に告げた。若い運転手はニヤリと笑った。
どう見ても夫婦とは見えないらしかった。きっと不倫の老人カップルと見たらしかった。
春乃は顔をぽっと赤くして窓に背を向けていた。
セックスの前戯はホテルに行く途中のタクシーの中から始まると言うのが私の持論である。
私の手は春乃の肉体の襲撃に勇んで旅立った。春乃は私との間に白いバッグを
置いていたが、それはフランスのマジノ要塞ほどの防衛力も持たなかった。
私は堂々と背中に手を回して、春乃の耳元に低い声でささやいた。
「春乃さん、僕は貴女とこう言う関係になるのを高校時代から夢見ていました」
「那須くん、何言ってるのよ。これはゼミナールよ。
そんなプライベートの感情はタブーだわ。賭けにはきっと勝ちますからね」
春乃はまだ理性に溢れた言動をした。もしホテルが遠い場所にあり、タクシーに三十分以上
乗っていられたならば、私の過去の経験から、車の中でメロメロに出来る女という感触を得た。
耳を攻められると弱い女かも知れないと思った。体の反応がくすぐったそうだったからである
私が春乃の耳元に囁いたのは、話の内容もさる事ながら、
女性の性感帯が耳の周辺にある事が多いので、それを探る意味もあった。
でも車中でもそれ以上のことをする時間的余裕はなかった。
タクシーはあっけないほど近くにあるホテル・ビクトリアに着いてしまった。
ホテルの部屋に入ると春乃は入口近い場所にある丸テーブルの前の椅子に座った。
場馴れしていないせいか、室内をきょろきょろ見回している姿は、大学教授というより
処女の女子大生がだまされてラブホテルに連れ込まれてオロオロするさまによく似ていた。
やはり男遊びを余りした経験のない女大学教授としては、
このような変ったゼミナールの教室は、平常心を失わせるものに違いなかった。
「春乃さんどうだい、熱いコーヒーでも飲むかい。砂糖にミルクはどうする」
「砂糖を少しとミルクもお願いね」
ラブホテルのベテランである私は、勝手知ったる態度で自動販売機で
紙コップにコーヒーを入れた。本来は春乃の仕事である。
高校時代からずっと同級生という関係で付き合ってきた春乃に、
いくら酒の上の余興とはいえ、男と女として性の交わりをする為に、
ラブホテルの一室に向かい合っているのは、大変勇気がいった。
「最初に言っておくけど、これはあくまでゲームなのよ。
私が那須くんを好きに成ったから承諾したのではないのよ」
春乃は飲み終わった空のコーヒーカップを鉢植えのヤシの後ろに隠して、
退屈を紛らわすように、スカートの皺を伸ばしたり、ブラウスのフリルに触り、
足を組んでは解き髪を撫でたりと落ち着かない様子だ。
なんのかんのと春乃は強がりを言っていても男女の情事には慣れていない女性である。
「今から水泳の特別ゼミを開始しますから春乃さんは衣服を脱いでください」
私は春乃を落ち着かせるようにわざとおどけて言った。
「はーい。那須先生、今日は何泳ぎを教えて下さるのですか」
春乃は悪乗りして、学生のような口調で答えた。
「春乃さんは水の上に仰向けに成って浮かんで貰えばよいのです。
後は私がぐっと嵌めてあげますから」
夢幻の世界から露骨なセックスのイメージに引き戻されて春乃は戸惑っている。
相手を心理的に動揺させることもテクニックである。
「春乃さん、こんな所にゴミを隠しちゃダメじゃないですか。
あそこにダストボックスがあるのが気付きませんでしたか」
私は春乃がヤシの鉢植えの陰にこっそり隠した紙コップを拾いあげた。
端に赤い唇の形に口紅の跡が残っていた。
「ごめんなさい。どこに捨てて良いか判らなかったもので・・・」
「ダメですよ。大学教授をしているようなインテリ女性が
ラブホテルに来たとたん、マナーの悪いおばちゃんに成っては」
私の叱責は案外に効いたらしかった。男女の間の力関係はこのような日常生活の
微妙な局面での主導権争いの積み重ねである。
「春乃、蛇口を捻って浴槽にお湯を張ったら服を脱いで風呂に入る準備をしろ。
時間制限があるから俺も一緒に入るよ。いいだろう」
「はい」
私は春乃の名前を呼ぶ時に意図的に呼び捨てにした。たいていの事には鼻っ柱が強い
春乃がとても柔順に浴室に行って所定の作業をしてきた。そして洋服を脱ぎ始めた。
贅沢にストレッチレースを使ったランジェリー姿の春乃はとても美しかった。
やはり彼女は同級生の中では、ピカイチのマドンナである
不感症中島女史の調教。其の三
~浴槽の中~
その誰もが憧れるマドンナの春乃を性的に
自由に出来るのである。私は浴槽に湯が溜まる間、
トランクス一枚と言うラフな姿で椅子に座り、
ゆっくりと煙草をふかしていた。
春乃と言う女性をどうやって料理するかの手順を
あれこれ考えているのだった。
春乃も自ら不感症と豪語しているくらいだから、
嘗めて掛かると危ないようである。
私はやや離れた位置で色っぽい斜め座りしている春乃を見ながら、
もうペニスを勃起させかけていた。今まで春乃とセックスをした男達が皆失敗したのは、
多分闇雲に挿入をあせったせいではないかと結論づけた。
挿入したペニスによるピストン運動だけではあんまり女性はイカないものである。
浴槽に溜まる湯の量は蛇口から落下する水音の変化でわかる。
「春乃、もういいんじゃないのかい。浴槽、見てこいよ」
「はい」
浴室に姿を消した春乃は直ぐに引き返してきた。名前呼び捨ての効果は現れた。
「もう入れます。那須くんからどうぞ」
私はトランクを脱いで、半立ちに成ったペニスを隠しもせずに、
春乃の前を通過した。春乃の方が慌てて視線を逸らせた。
これも巧まざる心理作戦である。
「春乃も直ぐ来いよ」
裸体になった春乃は、私にやや遅れてタオルで前を隠して
恐る恐る浴室の洗い場に入って来た。
白く艶々としたタイルが鏡と成って、春乃の白い肉体とタオルで隠したと思い込んでいる
黒い陰毛を映し出している。
やはり大勢の若者の視線に晒される職業の女性だけあって引き締まった肉体をしている。
若い大学生の頃はその知的容貌とあいまって凄い美人だったに違いない。
みんなにチャホヤされる美人と言うものは案外セックスのテクニックはお粗末な者が多い。
男の方が勝手にイッてしまって、貴女は名器だなんておだてるものだから、
益々図に乗ることが多い。
従って自分が美人ではない事を自覚していて、それを補う為に性の技巧を懸命に
勉強している女性の方が、男として遊ぶにはよっぽど楽しいものだ。
「男の人と一緒にお風呂に入るのは初めてよ」
春乃は恥ずかしそうに股間を洗うと浴槽に入ってきた。
春乃の肉体の体積分の湯が、ざばァ浴槽の縁からナイヤガラの滝の様にこぼれる。
湯気がもうもうと立ち込める。
「春乃、こっちに来るんだ」
私は命令した。何しろ今夜の二人のセックスゲームの進行上、
私が何をしょうと春乃は拒絶できないのである。
「はい」たしかに春乃は柔順だった。
私の命令にはすべて「はい」という短い返事と共に素直に従うのだった。
私は湯気が立ちこめる浴槽の湯の中で春乃の肉体を両手で抱き締めて
あちこち触りながら性感帯の探索をおこなった。
耳からうなじ、そして脇腹と鼠頚部と背中に、それがあるらしい事が判った。
全てはベッドの中での愛撫の為の布石である。
一度洗い場に上がり石鹸をつけて、お互いの肉体を洗いっこした。
一方が幼児の様にじっと立っているのを、前から後ろからくまなく洗ってやるのである。
「那須くん、やめて、くすぐったいわ」
春乃の肉体の前面の乳房や腰や陰部に石鹸の泡を付けてズルズルにしてしまった時に、
初めて洩らした微かな抵抗の言葉であった。
「春乃、それはないだろう。『はい』の言葉は如何したんだい」
「はい」
春乃は恨めしそうに私を見下ろした。
私は石鹸の泡を一杯含ませたタオルで春乃の弱点を徹底的に探っていた。
そして陰部を撫でる時に、わざとクリトリスを触れてみた。
春乃の体が強くピクンと反応した。でもそこは一度だけであとは春乃がまた触って欲しい
素振りを示したけれどわざと触らずに洗い終わった。
最後の仕上げに湯を掛けてやると、生気に満ちた春乃の肌を湯玉と成って弾く。
今度は私が洗ってもらう番だった。私は春乃が体の前を洗う際に、わざとペニスを堅く立てて、
春乃の反応を見た。春乃は俯いたまま、手の感覚だけで体を洗っていた。
「春乃、ちゃんと俺のペニスを正視しなきゃ駄目じゃないか」
物心ついてから男性と一緒に風呂に入るのも初体験なら、その男性が洗い場で
ペニスを勃起させているのを間近に見ながら洗うのも初体験に違いなかった。
「那須くん、ごめんなさい。見れないわ」
「しょうがないな。ベッドでは嫌でも見てもらうよ」
私は無理強いはしなかった。
春乃はまるで少女の様にはにかみながらも、石鹸の付いた指を太腿の内側へ滑り込ませて、
股間の屹立したペニスを両手で優しく包んで原始人が火を起こすように揉むのだった。
はにかんでいる割に指の方は男の欲望をアップする方向へと活躍する達者ぶりでだった。
なんのかんの言っても齢六十二歳になるまでには、ペッティングを楽しみあう男友達が
居たのかもしれないな、と見直したのだった。
再び二人は浴槽で温もり、体を拭いてベッドに上がった。
さあ愈々である。
ベッドメーキングで、皺一つなくぴんと張られたシーッをぐちゃぐちゃにするために、
男女が審判のいないレスリングを開始するのである。
春乃はすぐに私がベニスを挿入するものと思ってか、仰向けに寝て足をたて気味にして
膝を開いた。湯に濡れて恥丘に張り付いた陰毛、
そしてピンク色の肉の割れ目からも湯気が立ち昇っている。
「まだ早い。春乃、起きてごらん」
私は春乃の上体に手を掛けて強引に起こしてしまった。
「ううん、もう・・・那須くんって乱暴なんだから」
私は春乃を抱き締めると髪を撫でながら顔を近づけた。かねて調べておいた耳のふちを
指でやさしく撫でた。そして髪の生え際を四本の指で何度も撫で下ろした。
「ああっ、気持いいわぁ」春乃はうっとりとした表情で目を閉じた。
私は指を耳の穴に挿入すると同時にうなじを舌で愛撫した。
私は次に乳房を中心とした胸を愛撫し始めた。
手の平全体を使い、ゆっくり内から外へ円を描くようにマッサージした。
春乃は快感の呻きを洩らし乳首がツンと立ってきた。
多分春乃が今まで体験した男性とは全く異なった指や舌による女体の攻めは
予想外だったに違いなかった。春乃としては、ペニスの挿入によるピストン運動を
予想していただけにペースを乱されたようだった。
「ああん、早く入れてよ」
早くもペニスの挿入を渇望する春乃の膣に直ちに挿入してやることなく、
性器から遠く離れた他の性感帯を攻めつつ接近し、指技で半狂乱の状態に
性感を高めてじらしてやってこそ床上手の男になれるのである。
私はいつしか掌の一番柔らかい肉丘を春乃の恥丘に宛がい、
細かく振動させてやった。こいつはとても効いた。
不感症中島女史の調教。其の四
~堪忍して~
「ねえねえ、那須くん、どうして入れてくれないの」
「じゃあ、入れるよ」
「わぁ、嬉しい」
春乃はシーツの上に仰向けに成って股を開いた。
でも入って来たのは、私のペニスではなく右手の指だった。
しかしその指はペニス以上に大活躍する黄金の指だった。
左手は春乃の頭を抱きつつも、右手の親指は女性の快楽の震源地である
クリトリスを微妙なタッチで押さえ、人差し指と中指は膣の中に入れて
L字型に曲げてGスポットを刺激し、小指はアヌスを攻める三ヶ所攻めをするのである。
「ああっ那須くん、あなた一体指何本あるの」
「俺はタコじゃないよ。指は五本だよ」
「うそ、あっちこっち触りまくってるじゃないの」
「大学教授ともあろう春乃が、何を血迷っているんだ。指は八本はないよ」
私はどうやら賭けに勝ちかけているなと確信した。
私はこのまま指だけ使っても春乃をアクメに追い上げる自信があった。
私は更に春乃のクリトリスを舌で嘗めて、口一杯に溜め込んだ唾液を小陰唇の
内側に垂らし込んでジュルジュル音高く啜ってみせた。
「わぁね春乃はすごくお汁を出したじゃないか。気持が良くなってきた証拠だね」
春乃は、まんまと私のトリックにひっかかった。
「コンドームは如何する。俺は持ってきていないよ」
「馬鹿ねぇ、私ぐらいの女性はメンスなんてもうないのよ。いるわけないでしょう」
私はわざとからかったのに、本気で春乃は怒ってる。だが私のペニスも私を裏切って
ギンギンに立ち上がり、これ以上挿入をじらせると爆発しそうである。
「どうだい。これがほしいだろう」
私は堅く膨張しまるで腹につきそうなくらいに高角度に直立したペニスを
春乃の右手に握らせた。春乃が手を離すとペニスは反動をつけられたので私の腹を打った。
「まあ、那須くんってずいぶん強いのね。ねぇ、早くこの堅いのを入れて頂戴」
春乃は再び私のペニスを掴んだ。
「どこに入れるんだい。誰のどこに何を入れるのか正確に指示しないと、
このコンビューターは馬鹿だから作動しないんだ」
「早くペニスを入れて頂戴」
「エラーメッセージ。誰のペニスなのかが不明です。
また誰の何処にいれるのか挿入先も不明です」
「ああん。那須くんの意地悪。那須くんのペニスを私のアソコに入れてください」
「エラーメッセージ。私と言う代名詞は理解できません。
またアソコも同様です。肉体のどの部位かが不明です」
「那須くん、あんまり苛めないで。
那須くんのペニスを、中島春乃のオマンコに挿入してください」
「了解しました」
私は春乃を馬鹿みたいな言葉遊びでじらしにじらした挙げ句にやっと春乃の体の上に
覆い被さるようにしてぐいとペニスを挿入した。
今までに多くの女性をアクメの絶頂に追い上げた自慢の赤銅色したペニスである。
「ああっ、那須くん、嬉しいっ」
春乃は女として性の深淵にペニスを突き立てられたことへの喜びの声をあげた。
あとは私がピストン運動するのを受け止めるだけだと思ったに違いなかった。
だが其処にも又私のじらしがあった。私はペニスを挿入したものの、全然腰を使わなかった。
「ねぇ、那須くん如何したの?腰を使ってくれないの」
「そうだよ。動きたければ春乃のほうで動いてごらん。僕が下に成ってあげるから」
「私、女性上位はまだした事ないのよ」
「いいから、いいから、僕が教えてあげるから」
私は横にごろりと半回転して春乃を上にした。春乃はもう賭けのとは念頭に無いらしいかった。
「巧い巧い、さすがは大学教授だ。飲み込みが早いよ。
自分の気持ちがいい場所を擦るように腰を動かせばいいんだよ」
只もう快感の上昇をひたすら求めて、肉体の奥から沸き起こるエロスの衝動に
突き動かされて無意識に腰をゆすっていた。
「巧い、巧い、春乃はセックスの天才だよ。こんなに腰遣いのうまい女性は、初めてだよ」
自尊心の強い女性には、お世辞もセックスのよりよいスパイスになるのだ。
ベッドがみしっみしっと軋む。女性も本気でセックスにのめり込むと恐ろしい力で
腰を動かすものである。春乃の息遣いはもう蒸気機関が破裂する直前みたいだった。
「ああ、堪忍して、もう駄目よ。堪忍して頂戴、堪忍して」
女性上位のセックスだから、止めようと思えば自分から止めればよいのであるが、
アクメの最終局面を待ち望む自分自身の性衝動が腰の動きを継続させているのであった。
「ああ、もう駄目、死にそうよ。ゆるして、堪忍して。ああっダメ」
ついに私の腹の上で絶頂を感じて後ろにひっくり返ってしまった。
十分後、我に返って春乃は、まるで人が変ったみたいな笑顔を見せて、
「ああっ私、那須くんが大好きよ。賭けは私の完敗ね。
今夜だけでなく、是からも時々はセックスのお付き合いしてくださいな」
通常は愛が発展して性愛に発展するものだが、性愛から愛が生まれる事も偶には有るのだ。
二人は身じまいをすると、ラブホテルを後にしてタクシーで仲間が待っている
バーのバッカスに向かった。
タクシーの中での私と春乃はもう夫婦みたいなぴったりした意思の疎通が感じられた。
私の性愛の技術はとうとう春乃に愛の感情を芽生えさせたもののようであった。
五年前に妻を亡くし自由人を自認する私には有難迷惑であるが、同級生の事でも有り、
春乃の行為を無下に拒絶するような事はしなかった。
春乃の私に対する態度はまるで永年連れ添った妻みたいにかいがいしかった。
やはり充実したセックスは青菜にかけられた塩が水分を奪い取って、
しんなりさせるのと同じ様に、突っ張っていた春乃を柔順にしてしまったのだった。
雑居ビルの地下にあるバッカスは西部劇の酒場みたいにスイングドアに成っていた。
体でぐいと押して、威勢良く私が店内に入る。私は晴れ晴れとした顔だ。
ちょつと遅れて春乃がトロリとした眠そうな顔で入る。
壁には西部劇映画のレトロポスターが貼られている。奥のテーブルから緒方が、
「よう、こっちだ。こっちだ」
と元気な声をかけた。賭けの結果は私と春乃の態度を見れば一目瞭然であった。
「春乃ちゃん、やっぱり那須さんにイカせられたのね。あーあ。五万円はパァだわ」
真利子ががっかりした表情とともに、私に憧れみたいな視線を送っているのに気付いた。
真利子は私と寝たいのだなと思った。
「やったぁ、俺は五万円だぁ」
竹田は私に握手を求めてきた。
「よし、配当金は那須と竹田にそれぞれ五万円だ」
緒方は、五枚ずつの札束を渡した。真利子は春乃に私がどんなセックステクを用いたかを
聞き出そうとしていた。だが春乃はうるさそうに生返事をして答えをはぐらかしていた。
「じゃあ、もう夜も遅い事だし、水割り一杯ずつ飲んで、解散しようか」
緒方が提案した。むろん店の支払いは全部緒方持ちである。
マスターが水割りを五杯作っている。
不感症中島女史の調教。其の五
~戦い済んで~
「どうだい。春乃の不感症は那須がきっちり
治して呉れたんだろう」緒方は無遠慮に言う。
「那須くんは、本当にお上手だわ。
指で触るだけで、もうすっかり私の不感症を
治して呉れたんだもの」
春乃は心身ともに文字通り完全に私に
征服されているようだった。
春乃の男性不信体験に新しい風穴を空けた男が私であった。
むろん春乃の下半身にも私のペニスで
大きな風穴が空いていた。
「まあ、春乃ちゃんは那須さんの指技でもイカせられたのね。だらしないわね」
真利子の嘲る様な言葉に春乃はいささか気分を害したようだった。
「私がだらしないのではなくて、那須さんが、お上手過ぎただけなのよ。
真利子だって那須さんにかかったらもう指だけでアヘアヘになっちゃうわよ」
「私はいつでもOKよ。那須さんが体の都合がつくなら・・・」
「おいおい、真利子は重役夫人だろう。
そんな浮気みたいなことして家庭争議を起こしては駄目だぞ」
「いいわよ。うちの主人は愛人の家から会社に通勤して、
私の処には月に三、四日しか帰ってこないんだもの。那須さんと浮気して何が悪いのよ」
真理子は口を尖らせる。
其処へ店の女の子の由佳ちゃんが水割りを運んできた。
成人式を終えたばかりの由佳は私達の話しに興味を持ったらしい。
「ねぇねぇ、この那須さんってそんなにセックスがお上手なの。
紳士みたいなお方なのに信じられないわ。私も一度お相手していただきたいわァ」
蛾が燃える火に引き付けられるように、女性は悪い噂の男に、
近づくと危ないと分かっていても接触したがるものだ。
「おいおい、由佳みたいな小便臭い子供は那須は相手にしないよ」
緒方がそう言って由佳のスカートをまくりあげた。
黒のヒップブラと尻の割れ目が目に飛び込む。
「ほれ見ろ、黒の提灯ブルマーを穿いてるじゃねえか。那須が相手するわけねえよ」
「これはブルマーじゃないわよ。最先端のランジェリーなのよ」
由佳は今度は自分でスカートを捲くって見せた。黒い下着の真ん中に円い穴が
空いていて尻の割れ目が見える不思議なランジェリーだった。
「私、由佳です。よろしくね」
由佳は女持ちの名刺を呉れた。私も名刺をだした。彼女は私の耳元に、
裏側に自分の下宿の電話番号が書いている旨を伝えた。
青インクで数字が手書きされていて、そばに可愛い丸文字で、
『男と女の事を色々教えてね。月曜が公休よ』
と添え書きされている。退屈した時にこんな若い子と遊ぶのも
悪くないなと思いつつ由佳の名刺を財布にしまった。
皆は水割りを飲んだ。真利子がいつのまにか私の横に席を占めていて、
帰りに私の家に寄ってよ、と小さな声で囁いた。
「旦那がいきなり帰って来たりしないのか」
「いいのいいの、主人は帰る前には必ず電話して帰って来るから大丈夫なの」
真利子はすました顔で答える。
バッカスで散会した一時間後には、
私は沢真利子の豪邸のチェスト付きのダブルベッドの中にいた。
「今夜は私の家に泊まっていってね」
真利子は、セックスに飢えていたらしく、寝室へ私を引っ張ってゆく。
私の前で洋服を脱いで色っぽい赤のネグリジェに着替えた。
「今夜、私を抱いてね」
真利子の赤い唇が背広を脱ぎ、ネクタイを緩めている私に迫ってきた。
「今夜は駄目だよ。真利子には男性の体調を思いやるデリカシーはないのかね。
セックスってものはね、ペニスを差し込むだけじゃないんだよ。
どうして旦那が真利子から離れていったか考えてみた事があるのかい」
「そうねぇ、主人とは五十三歳頃までは普通の通りに夫婦生活があったわ。
それが夫が出世して秘所を持てる重役になってから、
段々とセックスが少なくなっていったのよ。
秘書が愛人だったの。その若い秘書が夜の生活も私から奪っちゃったのよ。
やっぱり男は若い女性がすきなのね」
「旦那が家に寄り付かないのは年齢だけのせいでもないと思うよ。
真利子のセックスが下手だからなんじゃないのかい」
私の意見はどうやら核心を衝いたらしく、真利子は涙をポロポロこぼして泣き始めた。
白いシーッの上に涙がシミを作った。
「じゃあ、どうやれば巧くなるのよ。那須さん、教えてよ」
「その前に真利子が旦那とどんなセックスしているのかを、
俺を旦那に見立ててやってみせてごらん。
旦那はセックスする時はどんな体位でがお好みなのかい」
「主人は家に帰ってくるとベッドの上に仰向けに寝ちゃってなんにもしてくれないんです。
私は勝手に上に乗ってするだけなの」
「じゃあ、今夜は俺も疲れイいるから、このまま休ませてもらうよ。
明日の昼間に、俺を旦那と想定して普段通りにセックスやってみてごらん」
「じゃあ、今夜はこのまま清い関係で寝るのね」
「そうだよ」
「じゃあ、手だけ握り合って眠らせてね」
私と真利子は子供の様に手を握り合って眠った。
翌朝は真利子がキッチンで朝食を作る音で目が覚めた。
一晩十分に睡眠を取ったので私の股間は朝立ちでピンピンに屹立していた。
私はトランクスとシャツを着ながら、今からどうしようかと頭を巡らせていた。
しばらく逡巡したが、ドアを開けてダイニングに入った。
「おはよう・・」私は真利子の背後から声をかけた。
「あら、おはよう・・・」
すでに白いブラウスとベージュのスカートに着替え、
淡いピンクのエプロン姿で洗い物をしていた真利子が、気持ち私の方へ顔を向け応えた。
私はキッチンを通りすぎるとそのまま浴室に入り、
熱いシャワーで目を覚ますと体を念入りに洗った。
体を清め終わると、Tシャツとトランクスだけの格好で脱衣所を出た。
脱衣所の出入り口は、ちょうどキッチンで洗い物をしている真利子の真後ろに位置する。
私は真利子にゆっくり近づくと、背後から無言で真利子の胸に手を廻した。
「あぁんっ!・・・」真利子が小さく驚きの声を上げた。
ブラウスの生地越しに左右の乳房をゆっくりと揉みしだく。
「ちょ、ちょっとぉ・・・、那須くん・・・今はダメょ・・・。」
私はかまわず真利子の胸を揉みながら、首筋に唇を這わせた。
うなじにチュッ、チュッ、とくちびるをあてツツーッと舌を滑らせる。
「ダメッ・・ダ、ダメッ・・・御飯食べてからゆっくり遣って・・・」
真利子は小声で抗って見せては居るが、されるがままで決して私を振り解こうとはしなかった。
真利子が待望していたセックスは居間で行う事に成った。
「主人は秘書とつきあうようになって、寝室以外の場所での変態セックスを
好むようになったらしいのよ。居間でテレビを見ている時に、『おい上に乗れよ』でしょう」
と朝食の時に味噌汁を啜りながら、真利子が私に語った言葉が決め手となった。
淡いグリーンのふかふかの絨毯が広々とした部屋に敷きつめられ、
高価そうなイタリア名画が額におさまって壁を飾り、
ゆったりとしたソファは金糸入りの青い錦織のカバーがかけてある。
私は完全な裸体となってフカフカの絨毯の上に仰向けに寝た。
ペニスはなまこの様にまだぐったりとしている。
真利子のペニスを立てる技術を探るために意図的に倒しているのである。
不感症中島女史の調教。其の六
~鶏のとさか~
「おい、上に乗れよ」
私はAV俳優の心境で真利子の旦那と同じセリフを言った。
「ああん。あなたったら偶に帰ってきたらうるさいわね。
いきなりそんな事言って。女性にはそれなりの準備がいるのよ」
エプロン姿の真利子もいつもの旦那に接する時の心境で妻の役柄を演じていた。
「何言ってるんだ。うちの秘書なんか、俺が姦りたいと言えば、
どんな場所でもショーツを脱いで嵌めさせてくれるぞ」
「秘書はそれがお仕事だから、割り切って出来るのよ」
「お前、なに言ってるんだ。秘書は会社における俺の仕事の大事なアシスタントなんだ。
その仕事をこなした上に俺の肉体的な欲求にも応じてくれるんだ。
お前なんかよりもよっぽど優秀な女性なんだ」
私は喋りながら、ドラマの中の人物になりきる俳優の楽しさを味わった。
スッポンポンの裸体の真利子は、
豪華な上飾りがついた薄い緑のベルベットのカーテンを開いた。
朝の陽光が窓ガラスからさっと射し込んできた。熟女の匂いを振りまきながら真利子は
私に近づいてきた。モーニングセックスをするのは久し振りである。
「あらあら。まだ勃っても居ないじゃない。
姦りたいのだったらチンポぐらい自分で勃てて準備しておくもんよ」
真利子はかさかさの指で、汚いものでも摘むような手付きで私の柔らかい
ペニスを掴むと機械的かつ義務的に上下させた。あまり気持良くなかった。
私の採点では、真利子は女性としてのベッドマナーは落第点であった。
炊事、洗濯、掃除、育児その他の家事がどんなに上手にこなしても、
夫との性生活が義務となり技術向上の積極的な意欲がなければ
結婚生活はやがて巧くいかなくなるものである。
よほどの遊び人でない限り、最初からセックスが巧い男女などいるもんじゃない。
皆それなりに勉強し実技で努力しているのだ。
やがてペニスは真利子の拙劣な指による刺激でもおずおずと勃起してしまった。
悲しい男の性(さが)である。
化粧の匂いがある真利子は左手で股間のまるで鶏のとさかみたいなやや黒ずんだ
小陰唇を開いた。内側の肉のサーモンピンクの割れ目から透明な液体が滲み出て来た。
真利子は割れ目を左右に押し広げながら、右手で私の直立したペニスを掴んだ。
そしてズブズブと腰を沈めてきて跪く姿勢をとった。
「じゃあ、私、動くわよ」
真利子は私の胸の上に乳房を押し付けるようにして顔を近づけてきた。
そして、私のペニスを深く呑み込んだ真利子の腰は静かに上下運動を開始していた。
愛人に主人を奪われて妻とは名ばかりで、久しい事ペニスの抜き差しから、
遠ざかっていた真利子は、この時とばかりに男性を貪るのだった。
愛してもいない同級生の女性とこのような形で肉体を接触しあう体験は異常であった。
下から真利子のスベスベした餅肌の背中に回した私の手はとても心地よかった。
私の手は次第に下方へ移動して腰のくびれを撫でさすり、
ヒップの膨らみに続く曲線が私の情欲の炎を燃え立たせた。
私の視線は真利子の赤い唇に移った。半ば開きかけた真利子の口は魅惑的だった。
私は本能的に柔らかな真利子の唇を求めた。
唇が触れた瞬間、真利子は、私の唇を激しく噛んだ。血の味がした。
陶酔のキスが、真利子の野生を取り戻させているのかも知れなかった。
熱い息が官能を駆り立て、力強い舌の愛撫は、いつしか真利子に夫との
セックスをしているものと錯覚させてしまっていた。
蒸気機関車の動き始めの様に、最初は重々しく緩やかだった真利子の腰遣いが、
次第にスピードを増し、ダイナミックな動きの腰遣いに変貌しかけていた。
上になってしきりに腰を遣っている真利子の皮膚から流れる汗が、
彼女の胸の二つのピラミッドの先端の乳首から私の胸に滴り落ちた。
汗が二人を一つに溶融した。
真利子の喉の奥から切なげな溜め息が漏れて来る様になった。
私はそろそろ真利子を仕留めてやろうと真利子のリズムに合わせて
下から腰を遣い始めた。これはとても効いた。快感が二倍に増幅されるのである。
男から長らく遠ざかっていた真利子がこの快感をどうして我慢できよう。
真利子はヨガリ声を上げるのを遠慮しているらしかったが、肉体の筋肉の震えは、
もうどうしょうもない高い場所まで快感を押し上げられている事を示していた。
真利子の指が筋肉を波打つ二つの腕に確り食い込んだ。真利子はアクメを迎え、
私の横に滑り落ちた。あとは性交の快い疲れが二人を包み込んだ。
強風がキャンパスの周囲に植えられた桜の若葉に容赦なく吹き付けている。
もう春なのにまた冬が舞い戻って来たかのように空気は冷たく、
バー・バッカスの由佳は、風に乱れた茶髪を指でしきりに撫でつけようとしていた。
海老茶色のブラウスにグレーのラップスカートという清楚なスタイルの由佳は、
どう見たって女子大生としか見えない。
「まさか、大学にまで押しかけて来るとは思わなかったよ」
私が同僚の教授とカフェテリアで歓談して別れて教員室に戻る途中で、
由佳に出会ったのである。そう言えば今日はバー・バッカスの定休日の月曜であった。
「ねぇ、今日は私と遊んでよ」
「しっ!声がでかい」夜の歓楽街の会話ではないのだ。神聖な学問の殿堂である。
天気がよければ心が和む広々としたキャンパスの緑の芝生も天候が悪いと寒々と見える。
「由佳に一つ忠告しておくけど、愛しても居ないのに、
女性の方から男に抱いて欲しいと言うのは、どう言う心理かね」
「男なら誰でもと言う訳ではないのよ。那須さんに対するセックスへの好奇心かしら」
「女性は欲望から求めた男がセックスが巧い場合、
性の技巧を男の愛情と勘違いして結局、男にのめり込んでしまう場合があるからね」
「そうなればなったで、私は後悔しないわ」
「そうかい。そこまで覚悟しているなら抱いてあげよう」
季節外れの冷たい風に当たったので、由佳の頬は赤く髪も乱れている。
しかしそれがかえって由佳を魅力的にしていた。綺麗な眉の下にある黒い瞳が
私に訴え掛けるようにキラキラと光るのを見た。私は由佳の真剣な眼差しを
見詰めているうちに抱きたいと言う衝動が下半身の奥深くから沸き起こってきた。
幸いにも今日の予定の講義はもう済ませている。
「どこかに飲みに、街へ出るかい」
「ううん、それより、早く抱いてほしいの」
「よしわかった。じゃあ今から君の家に行こうか」
私は由佳に言った。
「いいわ。そのつもりで来たんだもの」
他人の目には、ゼミの担当教授と学生のように見えただろう。
それから二十分後、私と由佳は六階建てビルの最上階にある由佳が一人で
借りているアパートにいた。玄関のドアを開けると、消臭剤のラベンダーの香りがした。
キッチンはさすがに女の子の独り暮らしらしく、ステンレスの流し台はピカピカに輝き、
白い冷蔵庫には花模様のシールが貼られていた。そして畳の部屋も綺麗に整頓され
和箪笥の上にはUFOキャッチャーで獲得したらしいアニメ人形が数体お座りしていた。
ピカチュウもあった。私は眺望が素晴らしい居間に通された。
不感症中島女史の調教。其の七
~指ピストン~
「このお部屋は景色が素敵でしょう。今日は風が冷たいから戸を閉めていますけど、
とょっと開けてみましょうか」
由佳はベランダに面したアルミサッシの引き違い戸を横に開いた。
新鮮な大気が部屋にどっと流れこんだ。
遠くに見える丹沢の青い肌がぼんやりと霞、近景の丘陵の樹木の緑の色が、
今にも降り出しそうな水分をはらんだ、どんよりとした空の下で鮮明に見えた。
「お茶で宜しいですか」
由佳は私が白髪頭なのでそれなりに気を遣って居るらしかった。
きっと若い男であれば、コーヒーとか紅茶とかにメニューが変化するのに違いなかった。
「お茶でいいよ」
小さな折り畳みテーブルの上に茶托に載せて緑茶がだされた。
「由佳は、もう何人もの男性経験があるんだろう」
「ううん。三人ほどね」
「今も付き合っている彼氏が居るのかい」
「去年の夏に知り合って秋に別れて以来誰も居ないわ」
「どうして別れたのかい?」
「セックスがとっても下手なんだもの」
「元彼は若いんだろう。誰だって最初から上手な男なんていないよ」
「だって挿入して一分も持たないで射精するのよ」
「そりゃあ由佳があんまり魅力的過ぎるからじゃないのかい」
「那須さんってお上手ね。本気にするわよ」
「コンドーム使うほうが良いんだろう」
「ええ、用意してあるわ」
由佳は箪笥の引き出しから銀色をしたコンドームの箱を取り出した。
そして、部屋の隅でブラウスを脱ぎスカートを取り去り、
ショーツ一枚になって浴室に姿を消した。
やがてシャワーを使う音がし始めた。
私は由佳が女の身嗜みとして体を洗っているのだなと察した。
「那須さん、私、準備OKよ」
浴室から出て来た由佳はバスタオルを纏っていた。何とも魅惑的な姿であった。
「おいおい、もう始めるのかい」
「そうよ。早く那須さんのセックスを体験したいんだもの。早速お願いするわ」
私がキャンパスで考えた手順は、まず食事に誘ってそれから酒場で少しアルコールを飲んで、
それからと考えていたけれど、由佳はそういう夾雑物はすべて排して、直接的な性行為を
私に求めたのである。女性にそうはっきりと割り切られると、かえって男としてはやりやすい。
私も黙って背広を脱ぎネクタイをはずした。
「那須さん、私の体を見て見て」由佳は、バスタオルをぱっと開いた。
どうやら着痩するタイプらしく裸体は意外にグラマーだった。
裸体になった由佳は左手で陰部を押さえながら玄関に鍵を掛けに行った。
それから狭いアパートのほんの僅かばかりの畳面を埋めるように敷布団を広げ、
糊がバリッと効いた清潔なシーツを上に敷いた。
私と由佳は敷布団の上に向かい合って座った。
由佳の乳房は豊かでウエストはくびれ、安産型の骨盤が大きく張り出している。
足首から太股にかけての成熟した女の色香を感じさせる眺めは私の男としての
欲望をムラムラとそそった。そして足の付け根の黒い陰毛に探索の足を伸ばしたいと
私のペニスは硬直し始めた。
「試運転、そろそろいいかい」
「いいわよ」
敷布団の上に横座りしている由佳の肩に左手を廻して逃げられない様に上体を確保した。
それから由佳の胸の大振りな白桃を思わせる乳房に右手を這わして静かに揉み始めた。
由佳の肌は眩しいほど白くスベスベしていた。布団の上で男のなすが侭に成る覚悟を
決めている女性を目前にしてはペニスはもう熱気を持って膨張し堅くなっている。
由佳はそれを握り締めた。
「ずいぶん堅いのね。素敵だわ」
「もうすぐ、由佳の体の奥深く突き刺さるのだよ」
「なんだか、怖いわ」
私は掌で由佳の由佳の乳房を愛撫した。下から上へ、内側から外側へ円を描くように
愛撫を続けていると乳首がゆっくりと頭を持ち上げてきた。私は乳首を舌で愛撫した。
やがて、右手は上半身から下半身に移動した。右手で膝頭の裏側を掴み、
ゆっくりと太股の内側を撫であげた。幾多の未亡人をよがらせてきた手練の指技である。
二十歳そこそこの小娘には熟女さえよがらせる私の技巧を老巧に受け流す術も知らず、
また快感を耐える抵抗力も養われていない。
「ああっ、こんなの初めてだわ」
早くも由佳は小さな喘ぎ声を上げ始めた。まだ指も挿入しない内から感じて居るのである。
「由佳、気持ちいいかい」由佳は余りの快感に言葉も出ないのか、黙って頷くだけであった。
私の指は由佳の湿ったと言うより、早くもズルズルの沼地と化した肉の割れ目に侵入した。
「ううっ」由佳は体を震わせ、私の肩を掴んだ。力を込めた由佳の指先の爪が白くなった。
私は得意の指ピストンで由佳を攻める。もともと淫汁でズルズルだった局所は
ピチャッピチャッと猫が水を飲むような音を立て始めた。
シーツの上に淫水が糸を引いて落ちた。
「由佳はすごくお汁を出してるよ」
「恥ずかしいわ。私こんなになったの是が初めてよ」
由佳は男にタップリ前戯をしてもらった経験がないらしい。
「ああっ、もうダメだわ。早く本物を入れてよ」
由佳は部屋に立ち込める牡の匂いで、もう理性を失いかけている。
でも妊娠につながる行為には本能的な防御本能が働くのだろう。
私の動作から挿入の気配を察して、
「ごめんなさい。これつけてね」
由佳は小袋から取り出したコンドームを私に見せた。
「俺はナマの方がいいんだ。つけて欲しいなら自分でつけろよ」
「えーっ、私がつけるのォ」
「そうだ。もともとこれは女の仕事だぞ。
男に任せたらずぼらだから直ぐに妊娠させられてしまうぞ」
由佳は赤くなりながら、直立したペニスをつかんで、
ぎごちない手つきでコンドームを装着した。
「じゃ、始めるよ。ほんとにいいんだね。後悔しないんだね」
私は由佳の体を二つに折り曲げる形にして、
まだあまり使用していないピンク色の女性性器を最大限に露出した。
「やだあ、こんな姿勢は恥ずかしいわあ」
由佳は、おしめ替えをする大きな赤ちゃんのような姿勢で布団の上に股を開き、
私は折り重なってぐいと貫いた。
「あっ、入った」
長い前戯でじらされたあげく、やっと待望の男性自身を挿入して貰った喜びに
由佳は私の下から微笑んだ。私の大腰、小腰を使い分けるテクニックに、
由佳は翻弄されながらも、健気にも私の動きに合わせて体の中の熱い塊を
吐き出して楽になろうと稚拙な動作で腰を突き出していた。
その激しい情熱は由佳がきっと今まで一度も体験した事の無いものに違いなかった。
二人の体の動きが熱を帯びるとともに、喘ぎ声がつぎつぎと変わり、新たな快楽の
世界が万華鏡のように展開していった。そして最後の尺玉の連発花火が盛大に
打ち上げられて、由佳はのけぞり仮死状態に陥った。花火師の私も暫しダウンした。
三十分後、服を着た私と由佳はインスタントラーメンを仲良く啜っていた。
「良かったわ。やっぱり那須さんは噂通りだったわ。ずいぶん堅くって長いんですもの」
やはり肉体的接触を交わした後の男女と言うものは随分露骨な会話をするものである。
私は由佳という年若い女性がベテランの私とセックスした事によって、
なにやら一皮剥けて大人に成ったと感じた。
不感症中島女史の調教。其の八
~根元まで~
来る日も来る日も鉛色のどんよりした空からは限りなく銀色の雨が降り続く
梅雨の季節となった。川は赤土色の流れに変り、舗道の微かなへこみにも
雨水が溜まって街路樹や空の雲を映していた。
近所のスーパーからカビキラーなる薬品を買ってきた一人暮らしの私が
汚くなった浴室を掃除をしていると、突然電話が掛かってきた。
相手は中島大学教授、いや高校時代の同級生の春乃である。
「どうしたんだい。この梅雨でアソコにカビでも生えたのかい」
「まあ、那須くん、お見通しね、ほんとうにこの雨じゃあアソコにカビが生えるわ。
実は貴方にそのカビ取りをしてもらいたいのよ」
「今からかい」
「そうよ。私の家は知ってるでしょう」
「俺は今カビキラーで浴室の掃除をしていたところなんだ。
それを片付けたら直ぐ行くから、そっちで風呂を沸かしておいて呉れないか」
「オーケー、待ってるわ、夕食は私の家で食べてね。そのあとアレお願いね」
とてもこれが大学教授の言葉とは思えないが、プライベートではこれが真実なのである。
私は手早く浴室掃除を終えると、電動バイブをポケットに忍ばせてタクシーに乗った。
春乃は同窓会の夜に緒方の賭けに乗って私からアクメを体験させられて、
そのアクメの味が忘れられなくなったのだなとほくそえんだ。
ピュアなインテリ女性ほど悪への抵抗力に乏しく、肉体の官能を巧みに刺激されると、
本能を理性で制御できずにセックス面で堕落させられ易いものである。
青葉区にある春乃の自宅は、雨に濡れた若葉の輝きに囲まれていた。
私はタクシーを降りて、洋傘を開いた。雨粒は傘を重くした。
木造瓦葺き二階建ての玄関に立った。中島春乃の表札があった。
門から玄関へ続く通路の右手に有るつつじの季節はもう終っていた。
「ごめんください」
「は~い只今」
古風な日本建築風の玄関の引き戸を開けると、白い障子の奥から声がした。
障子の内側で微かな音がした。衣擦れの音のような気がした。障子が開かれた。
「那須くん、やっぱり来てくれたのね」
なんとねずみ色の木綿縞の袷に朱色の帯を締めた春乃が現れた。
大学教授という職業柄、いつも洋服の姿ばかり見ている私は、
春乃の着物姿にとても新鮮なものを感じた。
「わぁねまるで別人みたいに綺麗だよ」
「あら、そうお、嬉しいわ」
何のかんの言っても春乃も女性である。これからセックスによって
自分の肉体にめくるめく快楽を与えて呉れる男性の御到来である。
春乃が私とのセックスを渇望している事が服装からも読み取れた。
水滴の垂れる洋傘を傘立てに置いて、私は靴を脱いだ。
バブル期に建てられた金持の別荘を春乃が買い取ったものだけに、
家は一人住まいには広すぎるくらいで、内部はしんと静まりかえっていた。
春乃が私を抱き締めた。高校時代から男性の上にマドンナとして君臨して、
男にちゃほゃされて、社会人となっても男性に負けずに大学教授にまで栄進している
春乃の意外な行動は私を驚かせた。
「那須くんに抱かれてから、私、人生観が変ったわ。
女性には男性によってあんな快楽が与えられるのね。
私は今まで肩肘張ったいやな女性としての人生を送っていたのだわ」
春乃の目はまるで偶にやって来る旦那を妾宅に迎えた二号さんのそれと同じであった。
それにしても私の股間にぶら下っている僅か16センチほどの肉棒が、
大学教授という現代で最も知的な職業婦人の人生観を変えるなどという
素晴らしい魔力を持っていたなど思ってもいない事であった。
「おいおい、いきなり如何したんだい。風呂を沸かして呉れているんだろう」
「あっそうそう見てくるわね。じゃあこの応接室に入っててね」
春乃は私を抱き締めている手をゆるめて次の間に姿を消した。
住宅展示場のモデルハウスのような和洋折衷方式の家屋で、玄関を入ると左手には
天井の高い洋風の応接室があった。大理石の暖炉があり絨毯のややくすんだ青色に
調和した二人掛けの重厚なソファが二組、テーブルを挟んで向かい合って置かれていた。
窓の外には梅雨に濡れそぼる和式庭園の植え込みの緑の樹木が見えた。
「お待ちどぉ」
着物姿の春乃が熱いコーヒーを二個のマグカップに入れて運んで来た。
そして慣れない着物の合わせ目を気にしながらソファに座った。
そのさまが何時もスカート姿ばかり見慣れている私にはとても新鮮に感じられた。
「この家は随分金の掛かった造りだね」
「そうよ。元はお妾さんが住んでいた家だから寝室がちょつと変っているのよ」
「どう変っているんだい」
「それは後でのお楽しみ。それよりお風呂に入りましょうよ」
春乃は私の背中に腕を回した。
私と入浴するのが始めてだったら春乃は決してこんな言葉は発しなかっただろう。
でもホテル・ビクトリアでの体験は二人の精神的距離を短縮させていたから、
春乃の方から積極的に風呂へ誘うという大胆な行動にでられるのであった。
脱衣室で着物脱いで長襦袢姿になった春乃に私は女性としての色気を感じた。
さらに白ネルの腰巻の下はもう白い裸体に成っていてデルタ地帯の黒い陰毛が見えた。
感受性の強い私のペニスはもう半立ちに成っていた。
私は春乃に水中セックスのゼミナールをしようと考えた。
無論私が指導教授でゼミを受ける生徒は春乃である。
何時も教える立場だから逆に教えられる立場に身を置くことは有益な事に違いなかった。
「まあ、那須くんは、随分お元気なのね」
「春乃のお色気のせいだよ」
「こんなお婆ちゃんの裸で勃て呉れるのは那須くんだけよ。嬉しいわ」
浴槽に二人で入っても、春乃はもう恥ずかしがる事はなかった。
暖かい湯の中で向かいあって浸っている還暦過ぎの男女の姿は、
他人から見れば仲睦まじい夫婦の入浴風景に思われるだろう。
でも湯の中に隠された私のペニスは、もう堅く勃起していて、
そこで交わされているのはいささか危ない会話だった。
不感症中島女史の調教。其の九
~根元まで~
「春乃」
「何よ」
「風呂の中で嵌めてやろうか」
「え、え、えっ、今なんて言ったの」
「風呂の中でのセックスだよ。言い換えれば水中オマンコの特別ゼミナールだよ」
「まあ・・・」
かなり男女間のことには免疫が出来ているはずの春乃も、思いもかけない私の提案に
仰天したらしかった。
「こっちにおいでよ」
畏れ多くも賢くも、大学教授の春乃にこんな事言い寄った男は
今までに一人も居なかったであろう。
「ヤダァ」
春乃はまるで少女のようにはにかんで顔を赤くした。私は春乃の腕を手繰り寄せて
わたしの膝の上に抱き上げた。抵抗はしなかった。性愛の快楽の極限を味わわせてくれた
私の誘いを春乃は断りきれなかった。
いやたとえ理性としては風呂の中でこんなはしたない事をと思ったにせよ、
肉体に私が刻印した快楽の記憶は春乃をグニャグニャの骨抜きにしてしまっていた。
「股をひろげるんだ。ゼミなんだから指導教授の言う通りにするんだ」
「はい」
私は指先で春乃の秘所をまさぐり、直立したペニスでぐいと刺し抜いた。
大学教授もこうなれば只の女である。ましてや、春乃は高校時代の同級生である。
みんなからソフトに扱われ尊敬されることに慣れ過ぎた知性的な女性、
マドンナ的な女性ほど男性のワイルドな行為に痺れるのである。
「ああっ、那須くん乱暴よ」
春乃は眉をしかめた。でも私は強引に春乃の腰を下に押し下げるとともに、
自分の腰をぐいと突き上げた。どうやらペニスの先端は子宮孔を衝いていた。
「根元まで嵌まったよ」
「ああっ、こんな凄い事、私はじめてよ」
「浴槽の縁に両手をついて、浮力を利用して腰を動かしてごらん」
春乃は緩やかに腰を使いだした。浴槽の湯が不自然な海底地震で津波を起こして、
浴槽の縁をしばしば乗り越えて間歇的に洗い場に零れ落ちた。
女性というものは、異常なセックスを体験させてくれた男はいつまでも覚えているものである。
「こんな風でいいのかしら」
春乃は顔を後ろにねじ曲げて私の承認を仰いだ。
「いいよ。とっても上手だよ。合格点あげるよ」
春乃は浴槽の中という初めての体験に、上気した顔で腰をゆっくり上下させる。
「そうそうその調子、その調子」
女性は男性に褒められる事で新しいセックス技術を覚え、かつ上達していくものである。
「那須くん、お世辞でなくて正直に言って。私の性技は何点ぐらいかしら」
性的な男性遍歴をあまりしたことのない女性というものは、
女性全体の中で己のセックス技量がどのへんに位置するのかは重大関心事である。
でも事の性質上、他の女性の性行為を現実に見ることはまずないし、
男性にも聞きづらいものである。
「そうだなあ。ほんとにお世辞抜きでいいの」
「那須くん、遠慮せずに言って」
「じゃあ怒らないかい」
「ええ、怒らないから言って」
「六十点だね。Vゾーンの毛の処理を全然してないね。
君の長い毛が巻きこみそうで邪魔なんだ」
「ごめんなさいね。気がつかなかったわ」
春乃は素直に謝った。
「それから・・・」
「それから何かしら、いけないことがあったら直すから言ってね」
「それから、腰の動かし方がペニスを途中で折り曲げるみたいで、ほんとは痛いんだ。
それにあまり大きく動くとはずれるよ。
湯の中ではずれると、入れ直しがむずかしいんだなあ。それに締め付けもたりないね」
忌憚なく言えば、ほんとう六十点にもならないのである。それはそうだろう。
男と遊び慣れた未亡人やソープランドの女性と、世間慣れしていない独身女性の
大学教授では、天地雲泥の開きがあるといものだ。
「やっぱりそうなのね」
春乃は少しシュンとなって腰の動かし方が緩慢になった。
「なあに水中オマンコは難しい技だからね。あまり気にする事ないよ」
これはあくまでも奇抜さを狙うお遊びであってフィニッシュまで持っていける性技ではない。
やがてペニスを抜去して二人は風呂から上がった。
春乃は脱衣室の大きな鏡の前で年齢の割りにスタイルのよい白い肉体を
大胆にも写している。前の黒い草むらを隠しもせずに手を上げて髪の乱れを直している。
「那須くん、同窓会の夜と今日と、二回抱いてくれたけど、私の体はどう?」
「きれいな体だね」
「いいえ、そんな表面的なことでなくて・・・ああじれったいわ。ペニスを挿入しての評価よ」
私は押し黙った。名器だなんてお世辞にもいえなかった。
でも粗マンだとも言えないではないか。
「まだ一回や二回じゃわからないよ。それに春乃はまだ訓練されていない
素材なんだから良し悪し言うのは失礼に当たるよ」
「私は、もうおばあちゃんよ」
男性との性生活が殆ど無かっただけに、お色気は足りないものの
年齢からくる体の線の崩れが無いのはさすがであった。
「じゃあ、先に寝室に行ってねよ」
「ええ、ちょつと待っててね。私も準備してすぐ行くわ」
女性は男性と違って何かと準備があるだろうと、私は春乃を残して脱衣室を出た。
私は寝室に入って驚いた。なんと壁が四面とも鏡張りである。おまけに天井も鏡である。
その中央にチェスト付きのロウタイプのダブルベッドが置かれている。
私はある秘密の準備がある。実は春乃を悶絶させるための
秘密兵器を持参しているのである。それは「ハイパワーローター」と「キムタクくん」の
二本の電動バイブであった。私はベッドの枕元の棚にそれらを置いた。
お堅い上流社会の女性を手っ取り早くセックス好きの淫らな女性に調教するための
必殺の小道具である。
マシンのあくなき連続刺激は不感症と自ら言う春乃をギブアップさせるはずである。
そこへ遅れて白地にピンクの花柄のプリントのロングガウンに黒帯を締めた春乃が
入ってきた。うっすらと寝化粧をしているらしく、とても綺麗だ。
「ほら私が言った通りでしょう。鏡張りなんてその昔のお妾さんの旦那の趣味かしら」
「なんだかガマの油の向上にでてくる蛙みたいだなあ」
「那須くん。たらり、たらーりと二人で脂汗をながしましょうね」
私はガウン姿の春乃をベッドの上で抱きしめた。
とってもいい匂いがした。きっと香水を付けているのに違いないと私は思った。
私は春乃の黒帯を解いた。ガウンの内側は、白い裸体そのものだった。
甘い香りが一段と強くなった。
「春乃。とっても素敵な香りだね」
「ありがとう。お婆ちゃんだから那須くんに嫌われないようにと思って
香水つけてきたのよ」春乃はそう言ってデルタ地帯を指さした。
Vゾーンのむだ毛の処理も綺麗になされている。
浴室での私の指摘に応えて急いで陰毛の手入れをしてきたらしい。
「春乃、きょうは特別に君一人の為にバイブゼミナールを受講させてあげよう」
「ええっ、あのアダルトショツプにあるイヤらしいのでしょう」
春乃の目は妖しく光っている。
「おいおい大学教授ともあろう人が、そんな偏見を持ってはいけないよ。
バイブをじっくり見たことあるのかい」
「ないわ。ただ忘年会の帰りに女友達とともに盛り場で入った。
アダルトショツプのショーウインドーでちらっとね」
「じゃあ、じっくり見せてあげよう」
「えーつ。バイブを持って来たの」
「そうだよ」
私は卵型のバイブであるハイパワーローターを手に取った。
不感症中島女史の調教。その十
~何か変よ~
「あらこれがバイブなの。ずいぶん可愛いのね」
私は早速電池ボックスのスイッチを入れて、春乃の胸に4.5ボルトの
ハイパワーローターの強力な振動をあてた。
「わぁ、気持ちいいわぁ。マッサージされてるみたい」
最初は乳房のあたりに始まり、だんだん下におりて脇腹そして太腿の内側と
移動していった。春乃はバイブ処女だ。怖さを知らない。最初のうちはニコニコと
震動に身を任せていた春乃がだんだんと表情が変わってきた。
「ああっ。何か変よ。変よ」
「どうやら感じ始めてきたようだね」
私は更にバイブを持ち替えて、二つ目のバイブ「キムタクくん」を手に取った。
「那須くん、それそれそれよ。イヤらしいバイブ」
「これがとても気持ちいいんだよ。春乃はきっと男性のペニスそっくりの
スタイルのバイブのこと言ってるのだろう」
その形状は、あの人気グループの木村拓哉こと「キムタク」とは似ても似つかないが、
その人物が腰に抱いている小熊の舌がスイッチを入れると細かく震動して
女性の淫核を直撃するのである。
「でもアメリカの電動バイブは、棒口紅を大きくしたちっともいやらしくない形をしていて、
疲れた体の部分をマッサージするためのものだよ。 ところが日本では
普通のマッサージ用とセックス用と細分化して発展してしまったんだ」
「ああ、那須くん、デパートなどで実演販売しているマッサージチェアでしょう。
じゃあ日本ではセックス専門に発達し過ぎたのね」
「うんそうだよ。日本の電動バイブの性能は世界一なんだ。ほらこの本体が膣に入り
二股に分かれた、もう一方の小熊の舌がクリトリスを刺激するんだよ」
私は春乃の股間の割れ目にバイブとキムタクくんの
二股の小熊を宛がって震動させた。
このバイブによるクリトリス攻めは忽ち凄い効果を発揮した。五分も宛がっていると、
春乃は目を白黒させて腰を悶えさせ口からは喘ぎ声が漏れ始めた。
私は春乃の小陰唇に指をあてて湿り具合を確かめた。もう十分だった。
私はバイブの長いほうの本体の先端を唾液で湿らせて膣口に押し当て
二、三度ピストン運動しながらも次第に深く静かに没入させていった。
そして電池ボックスのスイッチをいれた。
私は右手で春乃の膣内部と淫核を攻めるとバイブのキムタクくんを操作しながら、
左手ではハイパーローターで胸その他の春乃が感じ易いと思われる部分を
満遍なく愛撫した。
あまりの恐ろしいまでの深い快感に誘うバイブ「キムタクくん」を春乃は引き抜こうと
手を伸ばしてきたが、私の手の強い意志を感じさせる力に抵抗されて、
後はバイブという非情なマシンが煽り立てていく女としての熱い性の欲望を
なだめるすべを知らなかった。
「どうだい。バイブってすごいだろう」
春乃はもう私の質問にまともに答える事が出来ないほど、
快感に打ちのめされていた。バイブ「キムタクくん」の本体が春乃の膣の奥深くを
震動しつつえぐるようにうねると、白い肉体が段々バラ色に染まりだした。
そして二股になった小さい方の子熊の舌の細かい震動が、春乃の鋭敏な肉芽を
遠慮なく刺激して小豆粒ぐらいのそれを膨張させて水にふやけた大豆粒ほどの
肉欲の塊、快楽の発信地に変質させていく。
「ああっ、こんなの初めてよ。もう死にそう」
江戸時代の昔から張形その他の性具は数多くあったが、
人間の肉体では出せない高速度かつ微妙な震動を電気エネルギーで生み出す
電動バイブの発明は、人類が生み出した画期的な小道具であった。
「春乃、どうだい、バイブの味は」
「那須くん、バイブってこんなに凄いなんてこの年になるまで知らなかったわ」
バイブといえば、どうしても日陰の存在で紳士、淑女の口にしたり手にすべき
物ではないとされていた。特にまともな女性は拘わり合うべきではないとされてきた。
でもバイブレーションを使った旅館や銭湯のマッサージチェアは、
何の違和感もなしに利用するのにい、女性性器に挿入するペニスタイプの
バイブには抵抗感が強いものである。
「うっうっ、もう我慢できないわ。いきそうよ」
私はそろそろバイブ刺激を止めて、最後は私のペニスで春乃にとどめを刺す時が
来たと感じた。私は二つのバイブを春乃の身体から離してスイッチをオフにした。
「那須くん、愈々あなたのを入れてくれるのね」
春乃は仰向けに成ったベッドの上で両手を広げた。私の体は温かい春乃の体に重なり、
さっきまでバイブが占めていた空間には私のペニスが代わって占めていた。
「那須くん、とってもすてきよ」
すでに春乃の興奮は八合目まで上り詰めていたから、私の挿入によるあたかも
相撲におけるがぶり寄りにも似た腰遣いはあっという間に頂上へと押し上げた。
「ああん、そんなに激しくしないでよ」
春乃はともすれば我を忘れそうになるのを堪えて、必死に平衡を保とうとしていた。
だが間断ない私のペニスのピストンは次々と新しい快感の波と成って
春乃の岸に押し寄せて、岸を崩しにかかっていた。
「那須くん、わたし、もうだめ。いっちゃう、いっちゃう」
どうやら春乃は落城寸前である。
「ようし、たっぷり生出ししてやるからな」
「いいわよ。一杯生出ししてちょうだい」
二人の動きが早まった。私の腰がグイグイとダイナミックに動くたびに、春乃の恥骨にぶっかる。
春乃の肉体の内部がドックンドックンと収縮運動を繰り返し波打ちはじめた。
私の体の下で腰にジンジンくる快感を堪えきれず、頭を左右に振り連結した腰を
中心にのたうっている春乃の顔の表情は知識、教養をかなぐり捨て性の営みに
没頭する女の素顔であった。
「ふーん、だめーっ。いくいくーっ」
ペニスの裏筋がドキンドキンと脈動し、ついに私は爆発した。
栗の花に似た匂いが部屋一杯に立ち込めた。
春乃の白い肉体がブリッジを作った。私は春乃を強く抱きしめた。
春乃も私の背中に爪を立てた。
頭が良く順風満帆で大学教授にまでなった春乃が、放蕩無頼の遊び人の私によって
柔順な女に調教されたのであった。
十分後、春乃は精液に汚れた私のペニスを濡れたタオルでかいがいしく清拭していた。
「とってもよかったわ。那須くん、今後もこんな機会を作ってくれないかしら」
「いいよ。春乃が希望するならね」
「嬉しい・・・」
バイブを併用した特別ゼミナールは大成功を収めたのである。
END
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