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小説(転載) 『待ってたの』

近親相姦小説
06 /23 2018
掲載サイトは消滅。
『待ってたの』

 美奈の家族はいつもシンプルである。多少の増減はあったが、印象としては生まれ
た時から最低限の数しかいない。
 でも美奈にはそれで十分であった。


 子供の頃の美奈は母の美代子と二人きりであった。
 もちろん美奈にも父親はいた。顔も名前も知っている。しかし、父親と言う実感を
感じた事はない。なぜなら母の美代子は実業家であった父の愛人だったのである。
 料理研究家として実力のあった美代子が、何故、報いられることのない愛人などに
なったのかは美奈には判らない。“父親”のはずの男は社会的には地位があったとし
ても、二人の女――愛人と私生児――に責任もとれないような情けない俗物であった
し、実の娘が尊敬出来るようなそぶりを見せたことは一度としてなかったのだ。
 ただ、母は取るべき物はちゃんと取っていたらしく、その後も二人は経済的にはさ
して苦労はなかった。美奈が中学生の時に美代子は新設の料理学校への投資と言う大
博打を打ちはしたが、幸いにも成功し、逆に老衰死までは絶対に困らない程度の資産
を作る事は出来た。
 そう言う頼もしい母のもとで美奈はすくすくと成長したのである。学校の成績も良
く、大学も第一志望になんなく合格する事が出来た。父親がいない事でいやな目に
会ったこともあるが、まあ幸福な少女時代であったろう。
 ただし、その反動は大学生時代に来た。
 父親がいなかったせい――とは思いたくもないが、美奈は親ほど年齢の離れたゼミ
の助教授と不倫関係になってしまったのである。もちろん、相手には妻子がいたし、
また、世間体と社会的地位をかけてまで真実を貫くような性根の座った男ではなかっ
た。
「馬鹿って遺伝するものなのね」
 不倫の挙句に妊娠し、それを口実に捨てられた娘に、母の美代子はしみじみとため
息をついたものである。美奈は何も言い返せなった。
 それでも美奈は妊娠した子供はちゃんと出産した。不倫相手の都合で自分の子供の
命を左右されたくないと言う意地もあったし、また美代子が中絶に強力に反対したか
らでもあった。
「その子はあんたの子供じゃないの。それに最後にあてになるのは――信じられ、愛
せるのは、結局、血のつながった家族だけよ。あんたがすぐに自殺する予定でもない
のなら、これから生きていくためにもその子を産みなさい」


 勇が経済的に親孝行なのは母親と同じ誕生日だと言う事である。
「かんぱーーい!」
「…乾杯」
 新宿のとあるレストランの個室で今日三十四歳になった美奈と十四歳になった勇は
祝杯をあげた。ちなみに未成年の息子はトマトジュースである。
「ああ。勇も今日で十四歳になったのよねえ。母一人子一人だったけど苦労して育て
たかいがあったわ。うんうん。ママ偉い!」
 美奈がわざとらしく涙を拭くふりをする。もちろん一人息子の勇には異論があっ
た。
「ママは勉強と仕事をしてただけじゃん。育児も家事も美代子さんがやってたはずだ
けど」
 事実である。大学をなんとか卒業した美奈であったが、不倫の子連れではまともな
就職も出来ず、結局、法学部卒をいかすべく司法試験に挑戦した。二十六歳の時に合
格したのは見事だったが、その間も、またそれ以降も一人息子の勇の面倒を見ていた
のは祖母である美代子であった。
「でも美代子さんだって途中からミクロネシアに引きこもったじゃないの!それから
はママ一人勇一人で頑張ってきたんだから!」
 一応、事実である。ちょうど勇が十歳の誕生日に祖母の美代子は何を思ったか、故
郷のはずもないミクロネシアの何とかと言う島に隠棲すると宣言し、そのまま本当に
移住してしまったのであった。
 その島は事実上、美代子の親友の持ち物で、美代子はその親友――元々は老舗旅館
の女将とか言う実業家――が経営しているホテルの支配人をやっているらしいのだ
が、詳しい事は二人も知らない。一応、今年の夏休みには会いに行く事になってはい
るのだが……
「でも朝・夕と、場合によってはお弁当までつくっているのは僕なんだけど」
 これも事実であった。美代子がいなくなってからの食事の世話は勇の分担になって
いる。
「……だって、あたしがご飯作ったら、勇、怒るじゃない!」
「うん。材料に申し訳ないくらいにまずいから」
 一般に、親が家事に堪能だと子供はそれに頼りきってしまい、自分は家事が苦手に
なると言う。美代子と美奈がその典型例であった。また、逆に親が家事を苦手とする
と、子は生きていく必要性の為に上手くなるとも言うが――その実証例が美奈と勇で
ある。
 ちなみにそれ以外の家事については、家の掃除は分担制だし、最近は洗濯も勇がほ
とんどやっているし、買い物だけは週末に二人で行くが、お金の計算をしているのは
勇だし―――
「いーじゃないのよ!ママだって、ママだっていろいろと大変なんだからあっ!」
 子供の様に駄々をこねる美奈であった。勇が黙ってこめかみを押さえる。まるで躾
に悩む若い父親のようだ。二人はこの光景が示すとおり、確かに実の母子なのだが、
精神的な関係はほぼ逆転していた。世間での二人の姿を知っている他人には想像を絶
する光景であろう。特に美奈のほうが。
 何せ、美奈は背の半ばまでのストレートヘアに一切の無駄のない長身と言うモデル
のようなスタイルの持ち主である。美貌の方ももちろん大したもので、ややつりあ
がった目に仕事用の伊達眼鏡をかけ、血で染めたような紅い唇で冷たく論理的にしか
喋らないその姿は、“オフィスの女王様”とあだ名されるほどであった。
 仕事の上でも東京池袋の著名な弁護士事務所に所属し、今では離婚や遺産問題等の
家庭問題専門の弁護士としてちょっとは名が売れてきている。特に――自分が不幸
だったせいでもないだろうが――クライアントへの理解とその信用を得る誠実さ、そ
れに論敵への容赦のない鋭い舌鋒で知られていた。
 しかし、この才色兼備の美女も、私生活においてだけはこのありさまである。家事
も下手だし、ひたすら子供っぽくわがままであった。息子の勇が祖母似のしっかり者
でなかったら、この家族は大都会の真ん中で栄養失調か原始人並の不健康な生活を余
儀なくされたのに間違いなかったであろう。


 毎年、誕生日だけに来るレストランではあるが、味は例年どおりに満足のいくもの
であった。さすがに祖母美代子の弟子である真由美さんが経営しているだけのことは
ある。
 もっとも勇は味より母の飲酒のピッチの方が心配であったが。
「ほら、もういい加減にしなよ。ママ。いくら明日は祝日だからって」
「うるさいわねぇ。まだ半分じゃない!」
「半分たって、そのワインは二本目でしょうが!」
 息子の心配を無視して美奈は水を飲むようにグラスをあける。
「いいの!今日はママが勇と初めて出会っためでたい記念日なんだから!ここで二色
そろえるのが日本の美しい伝統じゃないの」
「紅白饅頭と赤と白のワインを一緒にするんじゃない!」
 息子の真摯な心配はわがままママには通じなかった――いつもの事ではある。
「それよりさ!聞いてよ。あの由佳なんだけどさ。今日、ついに現場を押さえたの
よ。うふふふーふーふふー!」
 由佳と言うのは美奈の大学の先輩の事である。
 産まれた時から美貌で知られた美奈は大学在学中にも文句なしでミスキャンパスに
なっているが、由佳はその一期前のミスキャンだったそうだ。由佳本人はミスキャン
になったその年に事情があって中退したので、学生時代の美奈とは面識はない。
 しかし、ミスキャンコンテストの記録によると、その年の圧勝だった奈美よりもさ
らに何割か投票数の多いぶっちぎりの完勝だったそうで、母校では今でも伝説となっ
ている女性である。
 根が子供の美奈はその事をしつこく気にしていたのだが、運命は奇遇であった。就
職した弁護士事務所の入っているビルの下の階のブディックのオーナーが何とその由
佳だったのだ。
 美奈は直接由佳に会ってその事を告げ、後輩としての仁義を切った。伝説の存在で
あった由佳は意外なほどいい人で、ミスキャンの後輩とのめぐり合いを素直に喜び、
結果、二人は友人になったはずなのだが、まあ、女の意地と言うのはそれでも消滅な
どしないものなのであって―――
「結婚もせず、働いてばかりのくせにいつも満ち足りていた風なのが不思議だったけ
ど今日こそは判ったわ。やっぱり、由佳はレズだったのよ!」
 きっと由佳さんがママより胸があんなに大きくなければこうまでこだわらなかった
だろうな――勇は心の中だけでそう呟いた。
「と言うのもママがね。今日、勇の作ってくれたお弁当を食べにサンシャイン広場に
行こうとした途中でばったり会っちゃたのよ。由佳が愛人の女と仲良く歩いているの
を!
 本人は妹だの何とかだとか言っていたけど、そんなはずはないわ。その女は由佳よ
り一回りは若い二十歳すぎだったし、二人の言動を見ると何とはなく由佳に嫉妬のむ
らむらが感じられるのよ。あれは絶対、若い愛人だわ。きっと由佳と誰かを二股かけ
て両天秤しているのね。ママが見た時は痴話げんかの最中だったのよ!
 考えてみれば前々からあやしかったの、あの由佳は!店の店員も女ばっかしだし、
息子とか言って店のイメージキャラに使っている子もいかにも宝塚っぽいし――」
「早く食べないと冷めるよ。ローストしたのは、その温度が判るまでに食べないと
作った人と材料に失礼だって、おばあちゃんがいつも言っていたでしょう」
 いつもの事であるから勇は気にしない。そもそも美奈と由佳は基本的に仲が良いの
である。たまに飲みに行く事すらあるほどだ。ようするにじゃれているのであって、
まともに聞く必要は他人にはない。
「判ってるわよ。ほんと口うるさいんだから!最近、ママに対して生意気だぞ。こら
!」
「ママは僕が産まれた時からいい加減だけどね」
 何のかんのと騒ぎながら、仲良くディナーを終え、さらに追加したバースディケー
キまで平らげて、二人はようやく手と口を休めた。ちなみにワインはついに二本目が
空になっている。
「うーーうう。美味しかったけど食べ過ぎた…」
 お腹の苦しさにやや後悔して勇がうめく。もともとそんなに大食漢なわけではな
い。
 顔は母親似の勇は背はまだ美奈にはかなわない上にほっそりとしていて、一見して
女の子のようであった。顔立ちも明らかな女顔だったので、私服で電車に乗っていて
痴漢されることも何度かあったくらいだ。
 本人としてはこの外見をかなり気にしている。しかし、母親の美奈はとても気に
入っているらしく、運動したり日焼けしたりするのを嫌がっており、その話になると
駄々をこねてわざと家事を増やしたり、無理に二人でどこかへ遊びに連れ出したりす
るのであった。
「何よ,軟弱ねえ。ママなんか、ほら!こんなに元気!」
「元気じゃないの。それは酔っているだけなの!」 
 ハイになった母を抱えるようにして連れ出し、清算をすまして二人は外に出た。
 そのままJRに乗ろうとしたのだが、美奈が“やだ!”と言う。しかたなくタクシー
を拾おうとすると――
「それも、や!」
「や!じゃないの!じゃ、どうすんだよ、こんなところで!」
「ママ、少し歩きたいの!」
 

 結局、夜八時すぎの新宿の盛り場を北に向かって二人で歩く事になった。
 二人の住むマンションは板橋にあるから方角は間違いない。しかし距離は軽く十キ
ロ以上なので適当なところでタクシーを捜さなければならないだろう。
「まったく!こんなところを二人で歩くなんて――補導されたらどうするんだ」
 勇の心配は冗談ではない。去年も夜の渋谷を二人で歩いていて勇が実際に補導され
かかった事がある。あの時は美奈が母だと言っても、あまりに若すぎ、また艶っぽ
かった為に補導した警官がなかなか信じてくれず、逆に淫行罪の容疑までかけられて
しまった。
 最後には伝家の宝刀として弁護士バッチを出したのだが、模造品に違いないと断言
される始末であった。やはり、黒のレザースーツと網タイツでばっちり決め、足元は
9センチのピンヒールと言う格好がまずかったのだろう。
「SM嬢って決めつけられていたもんなあ。あの時は。今日は普通のスーツだけど、
ちょっと脚を出しすぎだし……」
 そう呟いて悩む息子に支えられ美奈は上機嫌で歩いていた。はしゃぎすぎて酔いが
まわったらしく――そもそも飲みすぎなのだが――、一人では真っ直ぐ進まないのだ。
年齢のわりにも華奢な勇には大変な重労働であった。
「重い……」
 それでも我慢していた勇であったが、さすがに自分よりまだ大きい母の身体を支え
るのはきつかった。繁華街では緊張もあってまだ無理もきいたが、それを過ぎてしま
うと気力も続かない。じきに勇は音を上げた。
「…………あーーーあ……」
 音を上げたとは言っても、そのままどうにかなるわけではない。不幸な事に繁華街
から抜けてしまったのでタクシーもすぐには見つからないのだ。
「……どうしよう―――お?」
 まさに天の助けであった。二人の位置からほんの百メートル先に小さな公園があっ
たのだ。しかも、勇の位置からもすいたベンチがあるのが見える。
 勇は何とか残る力を振り絞って酩酊状態の母をそこに連れていった。公園内には幾
つもの人影もあったが、気にも出来ず、とにかく入っていく。ここで何とか母の酔い
をさましてから自宅へ帰るつもりであった――この時は確かに。
「はあーーーやでやで」
 人に見られると恥ずかしい母の酔態なので出来るだけ道路から離れたベンチに母の
身体を抱えていって座らせる。その左隣に腰掛けた時にはため息と同時にしたたるほ
どの汗が顔中にあふれてきた。
 その隣で美奈は幸せそうに目を閉じ、頭を息子の肩にかけている。寝てはいない様
だがーーー
「もう、あんまり迷惑を―――え……」
 そう良いながら首を向け,至近距離で美奈の顔を見た勇に、母の髪の甘い匂いと肌
の熱さが急に感じられた。薄く開いた真っ赤な唇が舌でも届きそうなところにあり、
そこから綺麗な真っ白い歯と鮮やかな舌が見える。それが息子には何故かとても素敵
な光景であった。ここに触れられたらどんなに―――
「……違う違う!」
 思わず脳裏に浮かんだ不思議な願望を勇は大急ぎで頭を振って打ち消した。いけな
いいけない。今、自分は何をとんでもないことを思ったのであろうか。
 産まれて初めて感じる母への恥ずかしさと困惑に勇は無理に顔を母からそらせた。
それでも母の香りと熱さは勇の意識からは消えない。心臓の鼓動が急に速くなってい
くのが自分でも判り、さらに動揺が大きくなる。一体、今日の自分はどうしたと言う
のだろう。二人きりなんていつもの事なのに・・母の息からのワインの芳香に酔いで
もしたのだろうか?
 しかし、今日はそれだけではないようであった。そむけた目が別の光景を捉えたの
だ。
「あ………」
 一瞬、傍らの母のことも忘れ、勇はその光景に見入ってしまった。
 光景そのものは世間一般にありふれたものであった。向こうのベンチにカップルと
おぼしき男女がいるのである。はずれとは言え夜の新宿なのだから別に珍しいもので
はない。せいぜい異常な事といえば女のブラウスが開かれて二つの乳房が露出し、し
かも座った男に跨って乱暴に腰を振っているというだけであろう。あとは激しい動き
にめくれたスカートの裾からは女がその下に何もつけていないのが確認できたくらい
であった。
「………あれって……」
 馬鹿のように口を開け、勇は何事か呟いた。もちろんあれはSEXなのだが、実はAV
も見た事がなく、学校の性教育しか知識のなかった勇には刺激が強すぎる光景であっ
た。生で見るのも、もちろん産まれて初めてである。
 呆然とする十四歳には目もくれず、向こうのカップルは自分の快感に熱中してい
た。特に女がすごく、壊れるんじゃないかと思うほどの乱暴な動きに本当の獣のよう
な咽び声を上げている。この様子だと例え観客がいることに気づいてもやめたりはし
なかったであろう。
 そうやって見ているうちに女の動きがさらに加速し、声のボリュームも上がった。
下に座っている男も歯を食いしばるような表情になる。そして―――
「なーーーに見てんのよ!」
 地獄から響くような怖い声は耳元でした。恥ずかしさとやましさによる驚きで心臓
が止まりそうになった勇が全力で振りかえったその先に怒りに燃える母の紅潮した顔
があった。
「マ、ママ……」
「何見てんのよって聞いてるでしょう!まったく、いやらしい!」
 いつのまにか――あるいは最初から――意識を取り戻していた美奈は眼元を極限ま
で吊り上げ、息子を全力でにらみつけた。もともときつめの美人でしかも背が高い女
王様風であるから、これはかなり怖い。
「い、い、いや、あの、違うんだよ――そ、そ、その……」
「何が違うのよ!この変態息子!こんな公園のベンチで二人きりなんていいな――な
んて思っていたら――何よ、あんなのを見て!」
 美奈が怒りを込めてうなる。一瞬、異常な台詞もあったが、動転した勇は気がつか
ない。
 母の主張の異常に息子が気がついたのはその次であった。
「そんなにHなのが見たいのならママのを見なさい!」
 突如、美奈が自分のスーツの前を外し、真っ赤なブラに包まれた形の良い乳房を出
したのである。勇の動転は数倍化した。
「マ、ママ!」
 勇の視界に母の胸がさらけ出されている。ブラジャー越しにもそのサイズと形の美
しさがわかるほどに見事な代物であった。勇もさすがに十四歳であるからその手の本
はこっそり見た事は何度かあったが、それらの中でも最高点の乳房だと頭の中の誰か
が言った。
「ちょ、ちょっと、やめてよ!見えちゃうよ!」
 しかし、目は美しさと魅力に虜になってはいてもそれ以外はそうもいかない。勇の
手が慌てて母の胸を隠そうとする。この瞬間、母の胸を他人に見られたくないと思っ
たのは、母の体面を気にしたのではなく、明らかに嫉妬のせいであったと気づくのは
翌日の事である。
「そうね。勇以外に見られるのも、もったいないしね」
 言われた美奈は意外におとなしく胸元をしまった。それが慌てる息子の真意を判っ
た上での優越感によるものだとは頭がほとんど真っ白の勇にはわからない。だから次
の母の行動も完全に予想外であった。
「じゃ、こっちなら外からは見えないわよ」
 そう言って勇の右手を取る。息子に触れた指も手のひらもかなり熱い――そして有
無を言わさず強い力でそれをスカートの中に引っ張り入れたのだ。
「!!!!!!」
 あまりの異常事態に勇は必死で抗おうとしたが、母の力は完全に息子の抵抗に勝
り、すんなりと短目のスカートを割ってしまう。むろんその手を引き抜く事も出来な
い。実の母のスカートの中に手を入れている――と言う信じられない事実に声も出な
い勇の指先に、すぐにも柔らかく小さな布切れと熱い肌に触れた感触がはっきりと伝
わった。
「はい、これがママのパンティ。色はブラと同じ赤でそろえているの。デザインは
ちょっとTバックぎみのいやらしい奴よ。勇もきっと気に入ると思うわ」
「……………」
 もう何が何だか判らない勇は声も出ない。顔中真っ赤になって口と目を極限まで開
いているだけである。そんな息子の慌てぶりを見て美奈はにんまりと笑う――それは
息子が見てぞっとしたほどの妖しい微笑であった。
 そして美奈の腕はまだ止まらなかった。ゆっくりではあるが、そのままパンティの
裾に息子の指を引き寄せ―――その中に入れたのである。ざわりとした刺激と湿った
感触が勇の指先から心臓に直撃した。
「!!!!!!!」
 そこが何なのかはさすがに晩熟の息子でも判った。もちろん勇は女のこんな大事な
所を触るのは産まれて初めてである。しかも――実の母のものを――
 その初体験からの衝撃もすごかったが、それ以上に普通の性教育以上を受けた事が
ない勇の常識では、“母が相手”と言うのは耐えられないまでの事実であった。勇の
舌はわななくだけで音を出せず、視界は上下左右に回転している。もう完全にパニッ
ク状態であった。
「そして――このパンティの下がママの女の子の部分なの……デリケートなところだ
から優しく…してね…」
 しかしパニックになりながらも“優しく――”の母の一言で、右手に入った力だけ
は緩めたのだから、人の良い息子である。全身の動きを止めたのは、それによって人
目を引いてこんなシーンを他人に見られたら母がどう非難されるか――と言う恐れの
せいであった。
 そんな息子の驚愕と気配りを見て美奈はさらに深く微笑んだ。きっとろくでもない
解釈をしたに違いない。一番美人で二番目に意地悪な魔女のような妖しく楽しそうな
微笑がその証拠であろう。
「――この下が……ママのは柔らかいでしょう。これでもちゃんと下の御手入れはか
かしていないんだからぁ……」
 もう抵抗も出来なくなった勇の指は暖かい叢のようなものをかきわけるようにして
下がっていく。言われたとおり柔らかい絹糸のような感触である。手入れしていると
言うからにはきっと形も良く整えられているのであろう。
「そして……その先にあるのがママの一番大事なところ……」
 叢を通過した勇の指が何か熱く濡れたものに触れる。小さな肉に触れたような感触
と舌を鳴らしたような湿った音――そして母の小さなうめき声が同時に重なった。
「ひうっ!」
 うめくと同時に美奈は顔を半分ほどのけぞらせた。初めて指先以外の状況に気づい
た勇が見ると、母の頬は息子と同じくらい紅潮し、目はそれ以上に潤んでいる。
「マ――ママ……」
「そ…そう――優しく触って…濡れているのが判るでしょう……ひっ!……」
 勇の指先は熱い肉片に触れている。それは美奈の手の誘導によって微妙にいかがわ
しく動いた。そして、指が肉に触る強さが変るたびに母は震え、やるせない喘ぎをも
らした。
「い…いさ…むの指って―――柔らかくていいわ…うっ!」
 母に導かれるままに勇の人差し指は熱い肉と液の中に入った。その指先から、熱く
ぬめった――そして弾力のある感触が伝わるたびに美奈が悩ましい声を上げる。勇の
ほうはそのありうべからざる感触だけでもう一杯であった。いや、息子の指で母が自
慰にふけっていると思っただけで―――
「う…ううっ…あ、あーーーん…あ…ら?」
 実の息子の指で母の肉壺をこすり上げる背徳的な現実からの快楽に美奈は没頭して
しまった。目が潤み、背骨までも痺れあがる。美奈にとっても刺激的すぎる愛撫なの
だ。もうこれだけでいきそうだ。何せ、産んだ時から――
 しかし、その最中に、ふと勇の異常に気づいてしまった。息子が自分の股間を微妙
にもてあましている事に。
「ふ…ふふ…勇も感じているのね」
 勇のはいているのは普通の綿パンでそれほどゆったりしているわけではない。その
前の部分を勇の左手が押さえていた。顔を見ればいかにも苦しそうである。それが何
を意味するかはすぐに美奈にはわかった。
「ちょっとママに見せなさい!」
 美奈は自慰に使っている息子の右手を掴む手を右手に替え、開いた左手を息子の腰
に伸ばした。やすやすと払いのけた勇の左手の下に熱く硬い大きな感触がある。美奈
の唇の両端がこれ以上ないくらいに釣りあがった。
「なーーに?これ?勇ったら実の母親のいけないところを触って興奮しているの?い
やらしいのね!」
 言いながら器用に左手だけでチャックを下げ、パンツの下の物を取り出す。すぐに
もピンク色をした熱い――そして意外に逞しい息子の肉棒が弾けるようにその全身を
あらわにした。
「いーーつも真面目な顔をして大人ぶっているくせに――これって何?ママのを感じ
て興奮しているの?ほんっと、はしたないないわね!」
 息子の指で自慰をし、しかもばんばんに感じまくっている母の事は棚に上げきり、
美奈はそう勇の耳元に囁いた。ワインの芳香混じりの吐息が勇の耳から周囲の肌にい
やらしくふきつけられる。それに対し勇は抵抗も出来ない。すべてが母の言うとおり
だからだ。それどころか、母の左手にぐいっと握られた肉棒はそれだけで痺れるよう
な快感が走り、弾けてしまいそうだった。
 興奮と混乱と欲情でパニック状態の息子を美奈は実に幸せそうに見て、またにんま
りとする。獲物を手中にした猫のようだ。その間も勇の右手を動かしての自慰は続け
ているが、幾分動きを遅くしている。まるでセーブしているかのようであった。
「ふふふふふ…これ、しごきたかったんでしょう?」
 美奈は勇の耳元で囁いた。母が息子に言うにしてはいやらしすぎるその台詞に勇は
一瞬、首を横に振ろうかとしたが、かちんかちんの肉棒を、欲情している実の母に握
られていると言う事実を思いだし、硬直してしまう。それを美奈は自分勝手に解釈し
た。
「ママの前でしごくのは恥ずかしかったの?ふふふ…じゃあ、ママがしてあげるわ…
勇のオナニー…」
 そう言って母は息子の肉棒をゆっくりしごき始めたのである。
「!……ママ……」
 どんな夜の夢でも見た事のない淫靡な光景に勇はうめきのような声しか出なかっ
た。言葉も文章にならないし、そもそも何と言うつもりなのかもわからない。肉棒か
らの初めて味わうような快感に腰の辺りが引きつりそうにすらなった。
「――嬉しいわ…勇ったらママに感じて、こーーんなになってくれているのね…こん
なに逞しく…元気に…もう…たまんない――」
 息子の肉棒をしごき始めると同時に美奈は自分の自慰も加速した。股間でのねとつ
く音が大きく、口からのあえぎも更に大きくなる。それを指先に感じ、耳元に吹きつ
けられる勇の方こそたまったものではなかった。そしてついに――
「あ――!」
 ずんっ!と脳髄まで走る快感と同時に勇は爆発した。それは一瞬、目の前が真っ白
になったほどのすごさであった。その振動が握った左手から美奈の心臓まで直撃する。
そして息子をいかせたという感動によってか、美奈の肉壺にも瞬間的な大波がくる。
「あああーーっん!」
 勇から発射された男のミルクがアスファルトに湿った音を立てて叩きつけられるよ
り、半瞬はやく、美奈は絶頂に達した。
 

 二人が意識を失っていたのはそれほど長い時間ではない。先に我に返ったのは勇で
あった。
「………!」
 ふと気づいてみれば、自分の肉棒はむき出しにされて母に握られ、自分の右手はま
だ母の肉壺に咥えられたままである。動転しないはずがない。
 たった今、実の母子でやった、あってはならない痴態を思い出してしまった勇はま
たもや赤面し、硬直しそうになったが、向こうで人の気配があった事がかろうじて理
性を取り戻させた。
 なにがどんなであろうともこんな光景を他人に見せるわけにはいかない。僕はとも
かく、ママは――誰であろうと許せる事ではない!
 勇は自分と美奈の服を直し、その肩を急いでかついだ。義務感と他のなんとかのお
かげで疲れたはずの身体から信じられない力が出て、そのまま一気に路上まで走る。
そして運良くやってきたタクシーを捕まえて、母と自分の身体を押し込む事に成功し
たのである。その間、とうの美奈は満足しきったようにすやすやと眠ったままだっ
た。
「運転手さん。とりあえず板橋のほうまで!」
 二人が住むマンションは池袋の先の板橋にある。築三年で4LDKと言う立派なもの
だ。美奈が美代子の援助を得て買ったものだが、実はかなりのお買い得物件であっ
た。
 と言うのも、マンションのオーナーである玲子と言う女性が、自分が母子家庭であ
る事から、片親だけだとか、親がいないとか言う境遇の人に同情的で、そう言う事情
があれば、こっそり売値を割引していたのだ。
 美奈はこの話を、以前、亡夫の遺産相続問題で相談に来ていた恵美子と言う女性の
保護者代わりの兄から聞き、すぐに応募したのである。その紹介してくれた兄という
のが建設会社の若社長で、そのマンションを建てた当人だったから話しは早く、見
事、母子の自宅確保と相成ったのであった。
 その二人だけの住処に何とか着いたのは十時前であった。タクシーの釣りをもらう
余裕すらなく、勇は美奈を担ぐ様にしてエレベーターに向かう。急いでいるのはまだ
深夜と言う時間でもなく人気がある可能性もあるからである。今はとにかく人の目に
触れるのがひたすらなまでに嫌であった。
 それでも何とかエレベーターの所までは誰にも会う事はなかった。そのまま一階で
待っていたエレベーターに乗り、最上階である八階のボタンを押す。扉が締まってか
ら初めて勇はため息をついた。
「はーーーーー」
 とりあえず安堵する息子の肩を貸してもらいながら、当の美奈はまだ気持ちよさそ
うに眠っている。それだけ見るとまるでさっきの淫劇が嘘の様だ。息子の鼻先で寝息
を立てているのはいつものわがままで可愛い母親に間違いないはずであった。
 しかし、先ほどの二人の事は事実なのである。その証拠に勇の指には母の中のぬく
もりと、そこからしたたった粘りの強い愛液がしっかりと残っている。
「嘘……みたいだった……」
 勇は一人だけで呟き、自分の右手の指を見つめた。そこについた愛液はまだ乾いて
はいない。母のもののはずの光沢がはっきりと見える。
 つい先ほどこの指で母の秘肉をまさぐり、なぶり、いかせてしまったのだ。今、思
い出せば嘘の様だが確かに起こった現実であった。あの時の母の声も熱さも香りも
――絶頂に達した衝撃も勇の全身ではっきりと憶えている。そしてその母がしごいて
くれた幼い自分の肉棒の感触と射精感も――
「…………」
 あれほど淫らだった母の身体を抱え、それに反応した息子である自分の身体の感触
を思い出すうちに、勇はまたもや変な感じになってきた。自分の指先から目が離せな
いばかりか、その内にそれを舐めてみたい衝動がじんわりと沸いてきたのである。
「………」
 二人しかいないのに勇は緊張して唾を飲み込んだ。母は勇の肩で寝ている。今なら
何をしても見ている者はいない――そう唱える様に思いなおす。
 そして――勇の指がその口に―――

 ピーーーン!

 エレベーターが最上階につき、無粋な電子音が狭い空間に響いた。ドアが低い音を
立て出ろと言わんばかりに開く。勇は我に返った。慌てて母の身体をかかえなおし
て、急いでエレベーターから降りる。
「キャッ!」
 出た途端に鋭い悲鳴が響き、勇を母の身体ごと飛びあがらせた。今日何度めかの止
まらんばかりの心臓の動揺を感じながら、見れば右手に人影がある。二人――誰かい
た。
「なんだ。勇じゃないか」
 それは一歳上の功司だった。さほど大きくはないが抜群に喧嘩が強い上級生だ。近
所のよしみもあってか、主夫としては優秀でもまだまだひ弱な勇を学校の内外でも何
かとかばってくれる有難い先輩である。その後ろにいた清楚な美人は、その母でこの
マンションのオーナーでもある玲子であった。
「どうしたんだ?こんな時間に?あ…美奈おばさん――どうかしたのか?」
 功司は心配そうにそう言った。いつも面倒を見てもらっている勇としては恐縮する
しかない。まさか、こうなってしまった経緯を説明するわけにも行かないだろう。恥
ずかしさと困惑を誤魔化すかのように勇は急いで頭を下げる。
 だから玲子が必死でむき出しになった胸元を直している事は,功司が巧妙に間に
入った事もあって気づかなかった。
「大丈夫です!ちょっとママは飲みすぎたけで――大丈夫なんです!」
 勇は説明した――つもりであったが緊張と興奮で絶叫にしか聞こえない。その音量
に功司もちょっと驚いてしまう。
「いや……大丈夫は良いんだけど…何か大変そうじゃん。手を貸そうか?」
 功司がそう言ったのは完全に善意によるものである。母の玲子より一回りは大きい
美奈を功司より一回り小さい勇が顔を半分青くするぐらいに必死でかかえているの
だ。心配して当然であろう。
「いや、いいです!」
 しかし功司の好意は判りながらも、勇は反射的に拒絶した。瞬間的に脳裏に爆発し
た感情が何なのかは判らないまでも、とにかく、母の身体をどんな誰かであろうと触
られるのがたまらなく嫌だったのである。
「あ……そう……」
 あまりの拒絶に鼻白む功司にはそれ以上かまえもせず、とにかく勇は母を抱え自分
達の家へ向かった。二人の家は804号室であるから、一番端の功司の部屋からはほん
のニ十メートル弱である。この気合ならば数十秒だろう。
「あ?」
 しかし、世の中は甘くなかった。勇の進路を段ボール箱の壁が塞いでいたのであ
る。
「だから言わんこっちゃない」
 後ろで功司が言った。段ボール箱は803号室のドアの前に山積みされている。この
部屋は童話作家の香織さんのとこで、無責任な出版社から送り付けられてきた資料な
どがよく放置されているのだ。しかし、よりにもよって今夜に!
 段ボール箱自体は何段も積まれているわけではない。せいぜい二段だ。普通ならま
たげばすむであろう。しかし、今の勇は美奈を抱えている。このままこすのは不可能
であった。
「う―――――ん……」
 足で箱をどかす努力はしてみたが、重すぎて無理だった。やはり何かの資料等の紙
なのだろう。両手が使えるのならともかく、母に肩を貸したこの姿勢ではまず駄目
だ。美奈をどこかに置けば何とかなるかもしれないが、適当な場所がない。もちろん
そこらへんの地べたに母を置くなどと言うのは論外である。
「ほら、どけ。相変わらず非力だなあ。お前」
 ぶつぶつ言いながら功司がやってきてくれた。勇の足では微動だにしなかった重い
箱を、まるで空でもあるかのようにぽんぽんと片付ける。すぐにも勇と美奈が通れる
だけのスペースが開いた。
「…すいません。ありがとうございました」
「いいって事よ。それより、お前の家も母子家庭だろう。そう言う家は息子がひ弱
じゃやってけないぞ。もっと身体を鍛えないと」
「はあ……」
「第一、ママが満足しないぞ。そんなんじゃあ――おばさんってのは限界がないんだ
から」
 功司はそう言い残してさわやかに帰ってしまった。勇としてはその好意に頭を下げ
るしかない。だからその台詞の真の意味も、余計なことを言ったとして母の玲子に向
こうで口元をつねり上げられている功司の姿にも気づかなかった。


「や、やっと帰ってきた……」
 鍵を左手だけで開け、ようやく部屋に入った勇は外に聞こえるほどの大きなため息
をついた。外での肉体的精神的疲労にすぐにでも玄関に寝転びたいくらいである。し
かし、夜はまだまだ終わらない。まだ、する事があるのだ。
「…そろそろ――重い……」
 勇は最後の力を振り絞って母の身体を寝室に入れ、出来るだけゆっくりとベットに
横たわらせた。それがなんとか終わった時にはその場にへたり込んでしまったくらい
である。
「終わった……」
 勉強部屋を兼ねているせいもあって美奈は十二畳もある一番大きな部屋を私室にし
ていた。法律書や試験で使ったレジメ集を並べた一面の壁一杯の本棚とどの角度でも
ぐっすり眠れるほどの広さのダブルベットがやたら印象的な部屋である。
 母をそのベットに乗せた後、床にへたったままで何とか息を整えようとこころみ
る。ようやく呼吸音が抑えられるようになるまでかなりの時間が必要だった。それで
も何とか落ち着き、座りなおすことが出来た。その目の前にちょうどベットの上の母
の身体がある。
「………」
 母の身体を見ているうちにまた先ほどの事を思い出してしまう勇である。まさに夢
のような事だった。熱さや柔らかさやぬめり、そして快感が今でもはっきりと思い出
せはするが、それが実の母との事だと言う事実だけで現実味がおぼろげになってしま
う。確かに事実だったはずなのに……
 いや、そもそも母はあの事を憶えているのだろうか?かなり酔ってはいたが、その
せいの痴態だったのだろうか。また明日はどのようにしてこの母の顔を見ればいいの
だろう?
 ――そういろいろと考えているうちに勇の身体に変化が現れた。とても恥ずかしい
事なのだがまたもや股間がむっくりと起き上がってきたのである。母との痴態を思い
出したからか、それとも無防備で魅力的な母の寝姿を目の前にしたせいであろうか
―――
 とにかくこれを何とかしなくてはならない。肉棒はすでにかなりかちんかちんで
ほっとけばいずれおさまるようなレベルではなかった。と言ってここではまずいだろ
う。母の寝姿を見ての自慰などあまりにもいやらしすぎる。
 勇は美奈を起こさない様にそっと立ちあがった。とにかく自分の部屋にもどるつも
りだ。そこならこっそり出来る。しかし、そうして背を向けた瞬間――
「……く、苦しい……」
 美奈のうめき声がした。勇はぎょっ!と立ち止まる。振りかえるとベットで首元と
腰を押さえてうごめいている母の姿があった。
「ど、どうしたの?ママ!」
 急いで枕元に勇は飛びつく。見れば母の頬は紅潮し、ねぼけたままの手で服をひっ
ぱっていた。
「――胸とお腹がきついの……服を脱がせて……」
 うめくように美奈はそう言った。目はつぶっているし、その緩慢な動きからも眠気
かアルコールの余韻で朦朧としているのは判る。しかしその仕草は本当に苦しそうに
見えたのだ。
「う………」
 勇は数瞬だけ本気で悩んだ。何せさっきの事がある。何であれ母の身体に触るのは
まずい事のような気がするのだ。あの時、美奈は酔っていたかもしれないが、実の母
に欲情して勃起し、ついには射精までいった勇は素面だったのだから。こう言う状況
で、またそんな事をしでかさないと断言できるだろうか?
「苦しい……い、息が……」
 しかし、優しい息子には母の苦痛を放っておく事などできはしない。途切れ途切れ
に続く母のうめきに、ついに震える手で母の服を脱がせにかかった。
「え……っと……」
 もちろん女の服を脱がせるのは初めてであったが、洗濯係だから構造くらいは知っ
ている。勇は出来るだけゆっくりと美奈を起こさないよう――ここで目を覚ましたら
どんな大騒ぎになるか――上着、スカート、シャツと脱がしていった。季節柄か美奈
は結構薄着であって、それだけ脱がしただけでもすぐ下着姿になってしまう。
「――きれい……」
 息子の手によってブラジャーとパンティだけになった美奈のセミヌードを見て勇は
思わず小さな声をあげた。まったく無駄のない長身に鮮やかなまでの白い肌。胸と腰
もしっかり出ていて全体的なバランスは申し分ない。そして何よりもわずかにそれを
覆う下着のいやらしさが息子の目を釘付けにする。
(Tバックぎみのいやらしいの――なんて言っていたけど…)
 パンティは色は赤でほとんど限界までしか隠していないようなきわどい物であっ
た。洗濯係の勇も見た事はないから秘蔵のものなのであろう。それと同色のブラ
ジャーも派手なフリルつきのいやらしい奴である。こっちはさっき公園で見たのだ
が、改めて部屋の照明の下で見ると白い母の肌との対比が絶妙で、見ているだけでど
こかがすごくなりそうであった。それでなくても脱がす時に手に触れた母の身体の熱
さが骨まで伝わり、勇のあちこちをたまらなくさせていると言うのに――
「む…胸が……」
 そんな息子に身体をさらしていた母がうめいた。
「あ…どうしたの?苦しい?」
 思わず母のセミヌードに見とれていた勇は急いで美奈の口元に耳を持っていった。
身体を曲げると腰の辺りの硬くなっている塊がひねられて痛かったのだが、母への心
配のほうがその痛みと恥ずかしさに勝った。
「…苦しい…ブラも外して……」
「え?―――えーーーっ!」
 母が苦しそうなのも忘れて勇は悲鳴めいた大声を上げた。誰が見ているわけでもな
いのに、必死で首を横に振る。母のブラを息子が外すなど――それだけでもすごい事
なのに、その上、さっきの今である。あの母と子ではあってはならない事をした直後
に、母の下着まで脱がすなどとは―――今でも勇の下半身はいけない反応でカチカチ
になっていると言うのに!
「お願い…外して…きついの…」
 しかし、その常識的な決意も母のすがるような声の前にははなはだもろいもので
あった。この面倒見と人の良さが勇の弱いところである。勇は数秒間だけ本気で悩ん
だ末に、一大決心をして手を母の胸に伸ばした。
 美奈のブラジャーはフロントホックだったから外すのは簡単だ。前の部分を押すだ
けで良い。すぐにも小さい音がしてブラが外れる。そっと布切れを指で掴んで両脇に
押しやると、その下からお椀のような形とサイズの綺麗なふくらみが現れた。
「…………」
 勇がこうやって母の乳房をはっきりと見るのは何年ぶりだろうか。祖母の美代子が
いる頃にはまだ一緒に入浴していたが、それでも小学校高学年あたりでもう直視する
のが恥ずかしくまともに見てなかったような記憶がある。
 久しぶりに見る母の乳房は柔らかく滑らかで、暖かそうであった。このサイズが大
きいのかどうかは、まだまだ勇には判断がつかないが、形はとても美しく見える。二
つの乳首はやや濃い肌色で結構先端が尖っているようだった。それが硬くなっている
事だとはまだ勇には判らない。
「ママって……こんな風にも――綺麗だったんだ…」
 半分くらい呆然として勇は呟いた。もちろん母が美人である事は産まれた時から
知っていたが、胸をあらわにして横たわる母の身体に感じた美しさは今まで知ってい
たものとは違う。淫靡とも妖しいとも表現すべきであろうか。いずれにせよそれは息
子が母に感じるには背徳的すぎる感動だったのかもしれなかった。
(でも・・)
 そうして母の身体を眺めているうちに、ふと勇の中に今まで意識してなかった願望
が産まれた。
(触ってみたい・・ちょっとだけでいいから―――――いや子供の頃のように……)
 ごくりと唾を飲み込む音がやけに大きく響いた。今、自分が何を考えているのかが
判りながらも、その事に胸の鼓動が高まる。それは母に持ってはいけない感情への罪
悪感のせいであり、また目の前の一番愛おしい女の身体への欲情のせいでもあった。
「……」
 勇の頭の中で何かと何かがぐるぐる回っていた。どちらにすべきか、どうしたいの
か、が自分でも自分に説明できないほどの混乱状態である。母の乳房が息子にさらけ
出されなければこうはならなかったかもしれない。きっとこんなに刺激的なものを見
て錯乱しているからに違いない――と判っていてもそれ以上の衝動を押さえる事は出
来なそうである。
 ついに勇は決心した。こっそりと――母が起きない程度にあの柔らかく暖かそうな
ふくらみに触れようとしたのである。いけない事だけど、ばれさえしなければ・・
 後ろめたさと緊張に縛られた手と指がまだるっこしいくらいゆっくりと動き出し
た。
(そ……っと…そ――っと…)
 十数秒かかって勇の指が母の肌に触れた。熱さと柔らかさがじんわりと伝わる。場
所はちょうど左乳首の下くらいだ。そのまま指をなぞっていく。やがて右の手のひら
が母の乳房を下から包むようになった。熱さと柔らかさが手のひら一杯に広がる。
「わあ……」
 思わず小さな声が出てしまった。女の乳房を女と意識して触ったのは初めてだが、
こんなに気持ちの良いものだとは知らなかった。今まで触った何よりも柔らかく、肌
に吸いつくような感触は何とも離れがたいものである。
「…………」
 勇にはそれを揉むような余裕はない。ただじっと手のひらに感じているだけであ
る。それだけでも―――母の乳房にこっそりと触れていると言うだけでも十分に胸が
高まり、全身が熱くなっている。あまりの興奮にめまいまでしそうであった。
「う……ちょっと痛い……」
 しかし、母に触れた感動とは別に息子の男の部分が勝手に反応した。光景の美しさ
と今の行為の淫らさに勇の股間は異性を意識してもりあがったのだ。その中の肉棒が
熱くなりすぎもう震え出しそうである。このままでは触らずともいってしまいそう
だった。
「………」
 仕方なかった。ここは諦めて自分の部屋に帰るしかないだろう。でないとこの場で
出てしまいそうだ。それはさっき母の手で射精させられたのと同じ位恥ずかしい事に
思えた。
 そう考えた勇は手を引こうとした。しかし、その時、ほんのわずかに悪戯めいた誘
惑を思いついてしまったのである。
(でも、ちょっとだけ…赤ちゃんの時のように……)
 美奈の綺麗な乳房に赤ん坊の頃を思い出したのか、それとも自分では判らない男と
しての欲情のせいか――とにかく勇は最後に母の乳房を――軽くで良いから口にして
みたくなったのである。一応、周囲をうかがうが、もちろん妨害するものなどない。
そして少しの間だけ悩み――ついに決心した。
「………」
 勇は息を整え、口を母の胸に寄せた。ベットの端から美奈の身体が離れているため
にそのままでは届かない。やむなくそっとベットに乗り、母の体に触れないように上
にかぶさる。
「ママ………」
 上から見下ろす母の寝顔はとても美しかった。こうして見るといつものわがままマ
マが女神のように見え、勇の胸が弾けそうなくらいに高まる。実の母をこんな風に好
きだと感じたのは産まれて初めてだったかもしれない。
 そのままずっと母の寝顔を見ていたくもあったが、相変わらず股間の肉棒は獣のよ
うに自己主張している。ゆっくりする余裕はない。勇はやや急いで口を寄せ――つい
に舌の先端が母の乳首に触れた。
(あ…こりこりしている)
 母の肌の良い匂いが口の中に広がり、舌の先から熱めで意外に固い感触が刺激的に
伝わる。もう少し頬張ろうかと口を大きく開き―――その瞬間!


「あ、勇がエッチしている!」
 はっきりと美奈の声が響き、勇は心臓が止まるかと思ったくらいに仰天した。反射
的に身を離そうとしたが、それを後頭部に巻きついた奈美の両手ががっちりと止め
る。そしてパニックでどう動いて良いか判らない勇を、美奈はその姿勢のまま胸に押
しつけ、息子の口を母の乳房の肉で一杯にした。
「…う……うぐ…うーーっ!」
「もう!ママ、恥ずかしいわ。実の息子がママの服を脱がせておっぱいを悪戯しよう
とするなんて!」
 母の胸に埋まるように抱きしめられながら、勇は極限まで真っ赤になった。悪戯
――事実そうではないか。現場を押さえられたのだから言い訳のしようもない。母の
抱擁から離れられないのは腕力のせいではなく、罪悪感と挫折感によるものに違いな
かった。
(こんな事をしてしまって――ママに嫌われる!)
 脳裏に絶望に近い思いが駆けめぐる。血の気まで引いてしまいそうであった。もう
今までの母子ではいられないに違いないと思うと、先ほどとは別の意味で目の前まで
暗くなった。しかし――
「ママに触りたいのならちゃんと言いなさい!勇になら許してあげるんだから」
 美奈の声は笑っていた。目だけ上げて何とか見た顔はさっき公園で見たのと同じ位
に淫靡で妖しい――勝ち誇った笑みを浮かべている。今日何度目かの動転状態の勇に
もそれが拒絶ではないことくらいは判った。
「ふふふふ。やあっと本性を出したわね。十四年間待っていたかいがあったわ」
 勇にはまだ理解できない台詞をつぶやくと美奈はその笑みのまま勇の頭を左手で押
しつけ、右手は勇の腰に伸ばす。ベルトとボタンを外す音があっさりと寝室に鳴り響
いた。
「ほら,何してんのよ。ちゃんとママのおっぱいをしゃぶるの!おっぱいを出来るだ
け入れて口で刺激し、舌は乳首のこりこりした所を中心に動かすの。おっぱいのほう
を舐める時は舌のざらざらしたところをいかすようにしてね!」
 母が息子に命じる台詞ではない。しかし、動転しきっている勇はまるで魔法にか
かったかのように言われた通りにした。まるでこれが本能か願望かのように赤ん坊み
たいな音を立てて母の乳房をしゃぶる。昔と違うのはミルクを吸うためでない動きで
あり、母がうめくように女としての歓声を上げた事であろう。
「あ……あ――っん!勇って巧い…ああん…!」
 美奈は思いっきり恥ずかしい声を上げた。今夜起きた限界を超えた刺激に動転のあ
げく夢中で動いている息子より、はるかに冷静に、そしてその分貪欲に息子の愛撫を
堪能していた。勇の動きは愛撫と言うには稚拙で乱暴すぎたが、そんな事より息子に
してもらっていると言う淫らさだけでも美奈には限界ぎりぎりの刺激であった。
「も…もっと…先っぽを舐めて…勇ぅ…こっちも…」
 美奈は息子の舌の愛撫に恥ずかしげもなく悶える。その激しさに引きずられるよう
に勇はより一層舌と口を動かした。その息子の綿パンとその下のパンツを悶えながら
も美奈は遮二無二脱がせた。ぴん!と音を立てて母の痴態に欲情した息子の肉棒が美
奈の腿にあたる。
「勇ったら…男らしいのね。うふ…」
 嬉しそうに美奈はその息子の男の証を右手で握ろうとした。その指先が触れただけ
で声を上げたくなるほどの熱さが伝わる。美奈はもう一度にんまりと笑った。しかし
――
「だ、駄目…触っちゃあ!出ちゃう!」
 悲鳴を上げたと同時に勇の下半身に快感が走った。大好きな母の乳房を愛撫しなが
ら硬直した肉棒を母に愛撫されると言う事実に息子の男の部分が耐えられなかったの
だ。びりびりと痺れるような快感が―――
「駄目っぇ!もったいない!」
 美奈は部屋中に響く大声で叫び、身体を跳ね上げた。その勢いで上にいた勇がひっ
くり返る。鈍い音がしてどちらかが痛かったのかもしれないが、それには一切構わ
ず、美奈は息子の股間に顔を必死でよせた。目標はもちろん母の刺激に欲情しきった
肉棒である。美奈の口は息子の肉棒を飲み込まんばかりに開き、唇が熱い強張りに一
瞬触れた。
「あ―――!」
 その瞬間、勇は爆発した。さっきの公園以上の量の男のミルクが盛大に発射され
る。その全部が寸前にあった母の口の中とその美しい顔に飛び散った。その粘着質の
音は勇にも聞こえた。
「ま…ママ…」
「もう!もったいないわね!もうちょっと我慢しなさいよ!」
 実の母の顔に射精してしまった勇はさすがにあまりの事に血の気が引きかけたが、
美奈の反応は意外――と言うか変らなかった。ベットの上に座り込みちょっと怖い表
情で勇をにらむと――顔についたミルクを指でなぞって舐めだしたのである。さっき
口の中に入った分も含めて全部飲んでしまう気のようであった。
「ママ…そんな…汚いよ。それ」
「汚くなんかないわよ。勇の中で作ったものじゃない。ママ、全部飲んであげるわ」
 全て舐め終わった美奈はにっこりと笑って言い、また勇の股間に手を伸ばした。つ
い数十秒前に中のものを全部吐き出したはずのそれは母の両手が触れた瞬間に――恥
ずかしいくらいはっきりと硬さを取り戻す。
「いいわあ。さすが勇!ママの子ね。公園の時もすごかったけど、今日の二度目を出
してまだこうなんだからママ嬉しくなっちゃう」
「公園…って、ママ、気づいていたの!僕、てっきり酔っていると思って――」
「酔ってはいたけど意識はちゃんとしてたわよ。勇はママの手で射精して、ママは勇
の指でいっちゃったなんてすごい事、一生忘れないわ」
 今更ながらであったが勇は唖然とした。ではあれは――!
「でも、じゃあ何故あんなことを?いや、こんな――」
「何言ってんの!勇が産まれた時からママの物にしてやろうとずーーーーっと狙って
たんだから」
 美奈は力を込めて主張した。
「だって、ママは勇が一番愛していたんだもの。本当はもうちょっと大きくなるまで
待つつもりだったけど、今夜は勇が自分からママをあんな公園に連れ込んだりしたも
んだから・・とっても期待して寝たふりをしていたのに――あれは何よ、この浮気者
!ママの前であんなよその女のSEXに見いったりなんかしてさ!」
「いや、あれは……」
 もちろんあの時の勇にそんな下心があったはずもないが、美奈は言い訳など聞かな
かった。それどころではないのだ。片手で勇のもう硬直した肉棒を掴みながら勇の顔
に唇を寄せる。真っ赤な唇が音を立てて勇の唇を奪った。
「……………」
 生まれて初めてのキスに陶然となった勇に寄り添うようにして美奈は身体を倒す。
そのまま巧妙に息子の下に入ると、まだキスのまま素早く紅いパンティを脱いだ。勇
が見たらその股間の部分がべっとりと湿っていることに気づいたであろう。
 キスが外れ、母の裸体におおいかぶさった息子の耳元へ甘い声が囁いた。
「さあ、いらっしゃい。ママの中へ…」
 どんなに晩熟な勇であってもそれが何を意味するかは判る。まして母が両腿を開
き、息子の肉棒を片手で掴んでその間の秘密の滴りの中心に誘っているのだから。し
かし―――
「どうしたの?あんまり――ママをじらせないでよ…もうたまんないんだから…」
「で、でも…これって…近親相姦なんでしょ…僕達、実の親子なんだし――」
 本人には真面目な疑問であった。背徳とされる行為はもちろん、実はそれをした
がっている自分を感じて、勇は全身に震えが起きるほどに葛藤している。そんな息子
を見て美奈は笑った。苦笑いでも愛想笑いでもない本当の笑顔だった。
「馬鹿ね。勇ったら。これはSEXよ。そしてSEXはどう言う相手とするものか判る?」
「…………」
「本当に愛している人とだけするものなの。だから援助交際とかは駄目だけど、ママ
と勇ならいいの。だって、ママは勇が大好きなんですもの。それで十分なの。勇はど
うなの?」
 息が頬にかかる近さでそう言う母の笑顔を勇は崇拝したくなるほど魅力的に感じ
た。それと同時にずっと前から自分も母とこうなる事を望んでいたかのような奇妙な
感覚が心の中に浮かぶ。
 勇はこっくりとうなずき、美奈はより一層艶やかに微笑んだ。
「じゃあ、おいで。ママの中で――男の子にしてあげる……」
 美奈の握った片手が引かれる。それに従って勇の肉棒が母の肌に触れた。先端に粘
つく液をはっきりと感じ――そしてその先の秘肉の間に飲み込まれるようにして硬い
息子の強張りが差し込まれた。
「ひうっ!」
 入った瞬間、熱さとぬめりと吸い込まれる感覚を味わった勇の下で、美奈も悲鳴の
ような喘ぎを上げた。女の肉襞の中はもうとろとろで、息子の逞しい肉棒を受け入れ
るのには十分なはずだったが、自分が望んだこととは言え、やはり実の息子を女とし
て受け入れると言う背徳的な刺激が全身の感覚を何倍にも敏感にしたらしい。
「―――全部はいっちゃった…た、逞しいのね。勇って…いやあっ…あんまり動かな
いでぇ…ママもういっちゃいそう――」
 言われなくても実の母の肉壺の感触を自分の肉棒にじかに感じる快感と説明できな
い感動に勇は身動きもしていない。ただ噛み締めるように肉棒に神経を集中している
だけである。しかし、その快感と感動は無意識のうちにも肉棒を更に太くさせ、その
刺激が美奈には狂いそうなくらいたまらなかった。
「ねえぇ…動いていいけど…ゆっくりね…ママが壊れないように――」
 やがて息を整えてから美奈は勇の頭を力一杯抱きしめて耳元でそう囁いた。声を落
としているのは肉壺がたまらないからだけではない。実の息子の下にしかれ、その肉
棒に女の奥まで貫かれてしまうと、いつもの強気な自分ではなく、逆に十四歳の息子
にかしづきたいような――或いはその女になったかのような奇妙な倒錯感がじんわり
と心の中に広がっていくのである。さっきまでの自分とは違い、愛撫をねだるのも吐
息が更に熱くなるほどに恥ずかしかった。
「う、うん……」
 母に言われてようやく勇は動かす事に気がついた。“確か前後に出し入れするはず
だが――”と一生懸命考えながらもぎこちなく腰を動かす。それが巧い愛撫のはずも
なかったが、美奈の裸体には十分過ぎるようであった。
「い…いいわあ、い、いさ、勇ぅっ!すごいぃぃぃっ!」
 勇の下で美奈は泣き叫ばんばかりに悶え狂った。ずっと待っていた息子とのSEXだ
が、それがこんなに感じるとは思ってもみなかったのである。
 勇も母の裸体のねとつくような快感にひたすら溺れた。最初は遠慮していたつもり
だったが、すぐにもそれを忘れ、硬直した肉棒が吸い込まれるような淫らな心地よさ
のままに腰を乱暴に動かす。美奈のむせび泣きは更に大きくなった。
「いくぅ!いっちゃう!」
 獣のような息子の責めについに美奈は最初の絶頂に達した。そのショックで腕が締
まり、肉壺も締め上げる。その最後の締めつけか、母の淫らな声かがたまらず勇も爆
発する。先ほど以上のミルクが母の中を一杯にするくらいに打ち込まれた。


 勇が目覚めた時には時計の短針は八時を指していた。今日は休日であるからこれで
も良いのだが、勇はにわかに起きあがる事はできない。見るまでもないが服は全部脱
がされたままだ。
(――――――――)
 一体、昨夜の自分達はなんだったのだろうか。せっかくの誕生日と言うのに実の母
子で相互オナニーからついにはSEXまでしてしまったのである。勇には今思い出して
も信じられない。この自分があんな事を――許されないはずの最初の一度目の後にも
狂暴な肉棒はおさまらず、ただ美奈に導かれ、また自らの欲望のままに何度も何度も
母の――美しかった裸体を犯したのだ。そう、あんな獣のようなことを…
 頭を抱える勇の横にはその美奈が添うようにして横たわっている。見れば全裸だ。
しかも乳首や首筋など見える部分には息子が昨夜つけたキスマークがいやになるほど
見える。だから夢ではない。昨夜の事は――母の淫らもそれに欲情した自分も全部事
実なのだ。
(――これからどうしよう・・)
 自分がしてしまった罪の重さにおののき、声も出せない息子の視線の先では母がす
うすう可愛い寝息を立てながら眠っていた。こうしていると昨日の淫らさが嘘のよう
だ。この整った口で息子の肉棒を舐め、それに貫かれてあえぎ悶えたのである。その
痴態は今思い出してもいやらしく魅惑的で――とても美しいものであった。
(あ・・また――)
 見ている内にある反応に気がついて勇は慌てた。自分の股間に思わず手をやる。全
く恥ずかしい事にもう勃起しつつあった。間違いない。全裸の母を見、その痴態を思
い出したからだ――それについて深刻に反省していたと言うのに!
 男の生理か自分の背徳的な劣情かにいささか腹を立てながらも、勇は慌てざるを得
なかった。下着もつけていないからもし母が起きてきたら隠す事も出来ない。服を着
るかそれとも何とか小さくするかしかないだろう。とにかくまずはこの母の寝室を出
る事だ。
「う、うーーーーーん」
 可愛い小さな声が傍らでし、勇は飛びあがらんばかりに驚いた。何でもない。美奈
が半分寝返りをうっただけなのだが、息子としてやましすぎる状態の勇の心臓には悪
すぎる。勇は動きかけた身体を真剣に硬直させ、数秒間、母の次の反応を待った。
 しかし、ただの寝返りだったらしい。その次の動きはない。更にしばらく時間を置
いてから勇はその上に念のために耳を寄せて寝息をうかがう。規則正しい呼吸音と母
がいつも使っているシャンプーの良い香りがした。
「うん?シャンプー?」
「ちっ、ばれたか」
 今度こそ勇は心臓が止まると思った。聞き間違えるはずのない美奈の声が確かにそ
う言ったのだ。視線を向ければ下から悪戯っぽく笑って息子を見上げている母の綺麗
な顔がある。
「お、起きてたの!」
「まあったく!寝たふりしていたらママの身体にいけない悪戯するんじゃないかと期
待して待ってたのに。この甲斐性なし息子!」
 美奈はそう言いながら上半身を立てた。昨夜,息子がたっぷりとしゃぶりついた形
の良い乳房も、息子が何度も何度もミルクを注ぎ込んだ股間の茂みも隠そうともしな
い――それはとても綺麗な光景であった。
「ま、ママ・・」
「おはよう。勇」
 舌が震える息子に、先に起きてシャワーまで浴びていたくせに息子の横で寝たふり
をして待っていた母は、息子の劣情がたまらないまでに暖かい笑顔を向け――キスを
した。
「う・・」
 ただのキスではない。舌で口の中を舐め取るかまでに濃厚な愛撫である。まるで昨
夜の続きのようなキスに勇はすぐにもくらくらしたくらいであった。
「――よーーし。お目覚めのキスは合格!」
 たっぷり息子とのキスを堪能した美奈はようやく口を離し、明るく言った。母との
キスに舞い上がり酔ったようになっている勇は何ともいいようがない。それを見た美
奈はにんまり笑うと、次には何と息子の元気な肉棒に唇を寄せたのである。
「こっちのほうはどうかな?ちゃんとママに合格点をもらえるかしら?」
 美奈の手が掴んだ時にはもう息子の肉棒は硬さを完全に取り戻し、それどころかび
くびくと武者震いまでして母を威嚇するかのようであった。そのピンクの先端ににん
まりと笑ったままの母の口が近づき――一口で咥えこむ。舌と口腔が涎で濡れたよう
な音を立てた。
「うふん――」
 美奈は一気に息子の肉棒を吸い込み、口の中に入るだけ入れてその硬さと大きさを
確かめる。肉棒を咥えたままの淫らな顔がにっこり微笑んだ。満足行くものだったら
しい。そして一旦、口を離してから楽しむかのようにじっくりと愛撫にかかった。そ
の舌が先端から根本の双玉までを丹念に全て舐め、次には咥えこんだままで頭を上下
に振りながら、口腔中で締めつけ吸い上げる。
「う・・!」
 そんな母の淫らな愛撫に十四歳の息子のような初心者が耐えられるはずもない。勇
はあっという間に限界に達し、一瞬すらも止める事も出来ずに母の口の中へ射精し
た。何とかそれだけは外そうと腰を引こうとしたが、母は許さない。かえって口中の
吸引力が増す。どくどくと音を立てて出された息子のミルクを美奈は全て飲み込ん
だ。
「あーーー、多かった。それにすごい勢い――よし!こっちも合格よ。さすがママの
勇だわ」
 ようやく息子の股間から顔を上げた美奈は嬉しそうに言った。その間にもすでに右
手は息子の肉棒をしごき始めている。二人の今日はまだまだ始まったばかりのようで
あった。
「ママ・・もうやめようよ。こんなこと・・」
 全裸の母に半分のしかかられ、しかも肉棒を握られていると言う、いやらしような
情けないような格好のままで勇がか細い声で言った。あまりの声の弱さに美奈に伝わ
るのはやや時間がかかる。さらにその意味を理解するのに少々かけてから、美奈は全
身で笑った。
「なに言ってんのよ。馬鹿ね。まだ近親相姦だって気にしてんの?」
 全裸で全裸の息子に触れながらも何の屈託も美奈にはない。そんな母に勇は眩しい
ものと何かの美しさを感じつつも何とか――罪悪感によってか――口を動かした。
「そうだよ。だってママと僕は実の親子なんだし――」
「だから、昨夜も言ったでしょ。SEXは愛がなければ駄目だけど、ありさえすればす
べてOKなんだって」
「でも・・」
「じれったいわね!何が“でも”よ!そんなに言うのならこれを見なさい!」
 言うなり美奈は上半身を起こし後ろ手に両手をつくと、両腿をぱっくりと開けてみ
せた。その間の茂みや秘肉が息子の視線の前に全てあらわになる。母の体温を感じさ
せるような甘い香りが勇の顔に吹きつけた。
「どう?ママの“女の子”の部分?」
「・・」
 あまりの事に勇は息を飲むしかない。“どう?”と言われて何を言えば良いのであ
ろうか。そして勇にとっては初めて見る女の恥ずかしいポーズであったが、目が離せ
ないほど淫らで――魅力的であった。
「濡れているでしょう?」
「――――」
「女は好きな人を欲しくなるとこうなるの。判る?もちろんママの場合は勇の事よ」
 母の言うとおり、その股間の茂みも秘肉も触ればねとつくほどに濡れていた。勇が
見ている間にもそこからしたたるしずくがシーツにしみを作ったくらいに。
「まだわかんないのなら。顔を近づけてよく見なさい」
 後で思い出すたびに不思議だった事に、この時、勇は理性では抵抗はしつつも、母
の命令に身体は従ったと言う事である。それが何かを確認したかったのか、それとも
母の最も恥ずかしい部分を見たかったからだけなのかは判らなかった。
「どう・・濡れているでしょう・・」
 美奈の声が急に小さくなった。頬が赤くなっている。やはり実の息子にあらわな股
間を覗きこまれると言う淫らな行為を母として平気では受け入れられないようであっ
た。
「うん・・」
 勇の目の前で母の股間は濡れそぼっていた。ピンク色の秘肉から本当に愛液が滴り
落ちる。実の息子に欲情してこうなっているのだ。勇にはそれが美しくにしか見えな
い。同時に何かが吹っ切れたような気が確かにした。
「そこが女の一番正直な部分なの。ママがどんなに勇を欲しがっているか判ったで
しょう」
「・・うん――ママ」
「なあに?」
 やや沈黙がある。
「その――触っていい?」
「――――良いわよ。昨日みたいにしても。何だったら舐めたって」
 勇の申し出には美奈もいささか驚いたらしい。まさかこの恥ずかしがっている息子
が触るなんて大胆な事を口にするとは思っていなかったのだ。だから本当に勇が――
母の許した通りにその秘肉に舌を這わせた瞬間には全身が跳ねあがってしまった。
「・・はっ!――う――っ!い、勇、そんな・・とこ・・舐め・・あぁん!」
 いきなり悲鳴を上げ――しかし美奈は自分の股間にむしゃぶりついた息子の頭を抱
きしめるように押さえた。引き離すのではない。押しつけたのである。それほどまで
に息子の母の秘肉への舌の愛撫は淫猥で刺激的だったのだ。
 母が嫌がっているわけではない事は判った勇はそのまま夢中で舌を動かし続けた。
その鼻先に甘い香りがする。母の身体の匂いだけではない。きっとさきほどシャワー
を浴びた時に香水でもつけたのであろう。そのうっとりする香りと、それをつけた母
の目的と期待を想像して、ますます勇は舌を激しく動かした。
「い・・いいわぁ・・勇ったら・・大胆・・すぎ――ママおかしくなっちゃう・・」
 もう、クリトリスも肉襞も何もない。勇は舌が触れた全てを乱暴なまでに舐めてい
く。稚拙な愛撫ではあったが、その分、次が予想出来ないスリリングな刺激に母はむ
せび泣くようにあえいだ。第一、こんなところを舐められるのは初めてなのだ。しか
もそれが実の息子なのだから――
「も、もうだめぇ!限界よ!」
 突然、美奈は跳ね起きた。その勢いで股間の息子まで顔を上げさせられる。次の瞬
間にはまだまだ強い母の力で仰向けに倒された。
「ど、ど、どう・・?」
 何が何だかわからない勇の股間に全裸の母が有無を言わさずまたがった。右手で乱
暴に息子の肉棒を掴み、母の肉襞に導く。息子は自分の涎と母の愛液がたっぷりと肉
棒に滴り落ちたのを感じた。
「さあ、覚悟しなさい。昨日はたっぷり犯されたけど、今朝はそうはいかないわ。あ
やうくまた舌でいかされそうだったけど――今度は、ママが犯してやる」
 よこしまに淫らに悪戯っぽくそう宣言すると、美奈は腰を激しく落とした。息子の
肉棒が食われるかのようにその母の肉壺に飲み込まれる。その先端が肉壺の奥にあた
る感触に母は小さな可愛らしい声を上げたが、何とか耐えて腰を激しく上下に動かし
始めた。
「い、いいぃ!勇のが突き刺さるぅ!」
「ママ・・」
 息子を犯すというより、その肉棒に串刺しにされて泣き叫んでいる美奈を勇はうっ
とりと見上げた。今朝のママも――その喘ぎ泣く姿もとても可愛くいやらしいもので
あった。
「どう?ママのは、ママの中は気持ち良い?」
「―――うん・・」
「ママもよ。もう勇から離れなくなっちゃいそう――」
 美奈が秘肉をえぐられる快感にわなないているように、勇も熱くきつくたっぷり濡
れた秘肉にしごかれ飲み込まれる快感に歯をくいしばっている。
「あ・・いく・・」
「ママもよ。一緒にいって!」
 やがて二人だけのベットルームで全裸の母子は同時に絶頂を迎え爆発した。


 たっぷりと母の胎内にミルクをぶちまけた勇の唇に、存分に息子のミルクを秘肉で
搾り取った美奈の唇が触れた。暖かくおだやかだが、深いキスに二人は熱中する。
「やっとこれで勇の女になれたわ」
 ようやくキスを終えると美奈は猫のように笑い、頬を息子の胸に摺り寄せた。まだ
二人とも全裸だから、勇には母の身体の熱さも裸体の肉感も、もろに肌同士で伝わっ
てしまう。また一部が元気になりそうでとても心配になった。
「本当はね。ずうっと前から勇の恋人になりたかったのよ。勇が男になるのを待って
たの。ママ」
 そう言って笑う美奈は勇には、いつものちょっとわがままで手が焼けて――可愛い
母であった。
「何とかきっかけを掴みたくって洗濯係を勇にしてママの下着まで洗わせたりさせた
のに――何もなかったんだからこの甲斐性なし息子!ママの下着を手にしたらいけな
い悪戯をするのが愛する息子のセオリーってもんじゃないの?」
 どこの世界のセオリーであろうか?
「勇はどう思うの?ママが恋人じゃ、いや?」
「――ううん。うれしいよ」
 とんでもない質問であったが、勇は意外なほどすんなりと答えられた。その事も驚
きだったが、答えた後に暖かい幸福感で身体中が一杯になったのはもっと不思議だっ
た。いつから僕は実の母とこんな関係になることを期待していたのだろう?
「やった!じゃ、今日からママが勇の最愛の恋人ね!」
「・・うん」
「おかえしに勇が十八歳になったら婚約者になってあげる。いいわあ。大学生の婚約
者かあ。若い娘達の前で勇を一人占めするのよね。うーん今からもわくわくしちゃ
う。
 あ、もちろん就職したら結婚もね!式は教会にしようっと」
「・・そんな婚約者っても――そもそも、何故、就職してから結婚なの?」
「だって、給料三ヶ月分の奴が買えないじゃない。それともまさかママが生まれて初
めてのリングをくれないつもり?」
 あまりの女らしい話に、勇は思わず果てそうになったが、寸前で思いとどまる。美
奈の人生には確かに結婚と言える時間も相手もなかった。それはきっと本人のせいで
もあり、恐らくは勇のせいでもある。
だからというわけではないが、その人生に欠けた部分を実の息子の勇が埋める事が
出来るとしたら、それはすばらしい事ではないだろうか――それに、勇にとっても美
奈とこれからずっと生きていくのが最も幸せな事に違いなかったのだし。
「・・でも僕はママと同じ弁護士になりたいんだよ。司法試験って何年も合格するま
でにかかるんでしょう?」
 思わず赤くなりながらも、照れと恥ずかしさで勇は話題をそらそうとした。
「じゃ、その間は愛人で良いわ。うーーん。夢を信じて頑張る息子を昼も夜もしとや
かにささえる女ってのも憧れるわ」
 相変わらずの自分勝手である。第一、この母が“しとやかに”なるわけはない。ど
うせどたばたと――恥ずかしい事を想像してしまった勇は慌てて視線を下に向けた。
そんな息子に母が急に作った声をかける。
「あ、そうそう、一つ言い忘れたけど――」
「なに?」
「勇ってもてるじゃない。女の子から良く電話かかってくるし、ママと街を歩いてい
ても軟派するようなあつかましいのも結構いるし」
「そんな事ないよ・・」
「でも、今日から勇の恋人はママなんだから浮気はやめてね。Hしたくなったらいつ
でもどこでも上でも下でもママがしてあげるから!」
 最後の方はとんでもないが、真摯な訴えであった。勇は思わず、じいんとしてしま
う――しっかりしているようでもまだまだ甘い点だ。
「浮気なんかしないよ。僕はママだけだよ」
「本当?うれしいわ」
 美奈はもう一度勇に抱きついた。勇も母の美しい身体を力強く抱く。裸のままでこ
の母子は一体化するまでに抱きしめあった。
「それでね。勇――」
 なんとも言えない幸福感にひたる息子の耳に母はそっと囁いた。
「もし勇が嘘をついて、浮気なんかしたらママは未亡人になるわ――絶対にね」
 勇は自分の身体から血の気の引く音を確かに聞いた。

 
 この朝、三度目のSEXが終わり、美奈が息子の肉棒を舌で丹念に綺麗にしていた
時、健康的な音がした。思わず、二人は顔を見合わせる。音の発信源は勇の腹だ。考
えてみればもう十時であった。
「判ったわ。そりゃお腹がもすくわよねぇ。ママの中であれほど暴れりゃあ」
 くすくす笑いながら美奈が起き上がり、可愛くウインクをした。それをまぶしく思
いながらも勇は、今、自分は息子の顔をすれば良いのか、男の顔をすれば良いのか
――それとも夫の顔をすれば良いのか迷う。
「じゃ、朝ご飯作るわ。だからエプロンだけは着せて?」
 そう嬉しそうに言って美奈は息子のキスマークと涎で一杯になった見事な裸身のま
ま立ちあがり、軽やかにドアへ向かった。白い大きな尻の下の辺りには昨夜から息子
のミルクをたっぷりそそぎこまれた秘肉があるはずだ。美奈はあの裸にエプロンだけ
着て朝食を作るつもりらしい。その見事なまでのいやらしさと頬が染まるほどの美し
さに、勇は母が食事を作ると言う事実の恐ろしさも忘れて、ほんわかと見とれてし
まった。
「あ、そうそう――」
 ドアのところで急に美奈が引き返した。母の裸の後姿だけで元気にも勃起してし
まった肉棒を、勇は慌てて毛布で隠す。たとえこう言う関係になったとしても、そし
てその事に納得したとしても、やっぱり実の母子の間ではまだまだ羞恥心のほうが先
にたつようであった。
「な、なに・・?ママ・・」
「さっき言ったとおり、今日から勇とあたしは恋人同士なんだけど――」
 やましさと恥ずかしさで真っ赤な息子に母は肉感的な笑みを寄せ、熱く甘い息を吹
きかけた。それだけでも、もう一度押し倒したくなるような衝動を勇は必死でこらえ
る。
「・・判っているよ。もう―――」
「うん。でも寛大なママとしては、恋人同士でもちゃんと愛しあっていれば息子の婚
前交渉は許す主義なの」
「は?」
 意味が判らない勇に美奈は、息子が一生忘れられないような可愛らしく――そして
何よりも淫らな笑顔を見せて囁いた。
「朝ご飯終わったら、またしよーよ。婚前交渉!十四年間待っていた分、勇をママに
食べさせて―――いい?」

――了――

[2000/11/08]

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。