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小説(転載)  『いますから』

近親相姦小説
12 /02 2018
『いますから』

 日曜日の夕刻。早めに開けてもらった割烹料理店の広間で、佳の親族会が行われて
いた。従姉の結婚式後の流れで、久々に揃った親戚一同がにぎやかに騒いでいる。
ちょうどセットの料理もメインはほとんど出終わった頃合で、人も席を離れ誰がどこ
やらのごちゃごちゃの状態だ。
「まあ、これで子供達も半分はかたづいたわね」
 そう笑って夏子伯母がビールをぐびりと呑んだ。母の長姉でにぎやかで世話好きの
女性である。ついでに酒が大好きだ。佳はすぐにも空いたグラスに瓶から注いでさし
あげた。
「ところで佳ちゃんは幾つになったの?」
 そら来た! という“顔”はしないように気を付けながら佳はにこやかに微笑んで
みせる。
「今年で二十四ですね」
「ほう、あんたもそろそろいい年齢ねえ」
 伯母の目がきらりと光る。佳としては笑うしかないほどに予想通りの展開だ。
「で、職場とかで誰かいい人はいるの?」
「いませんよ。まだ」
「あら勿体無い。子供達の中じゃ、佳ちゃんが一番二枚目なのに」
 あはははと佳は軽く笑った。
「冗談じゃないわよ。まだなんて油断しているとあっという間よ。そりゃあ最近の適
齢期は上がっているけど、あんなのただの平均だからね。いい人がいたら年齢も何も
関係無く全力で捕まえなきゃ」
「そういうつもりでいます」
「じゃあ、なんでまだ一人なのよ」
 夏子伯母得意のがぶりよりであった。とにかく縁談のようなめでたい話が好きな人
で、いとこ達はみんなこれをやられている。「いないんならあたしにまかせなさい
!」とか言って相手を探してきて縁談を取りまとめたのも一度や二度ではない。本人
としては生きがいなのだろうが、一人じゃない――などという佳の事情が通じないの
は困ったものである。
「あらどうしたのよ。また姉さんの見合い斡旋?」
 救いの神は酔っ払って現れた。二番目の伯母冬美である。気さくで開けっぴろげな
女性で佳は好きだった。何より肩のこらないのがいい。
「斡旋なんで引っかかる言い方ね。あたしは佳ちゃんの心配をしているのよ」
「なーーに言ってんのよ。まだ佳ちゃんは若いじゃないの。これから手当たり次第に
女遊びの勉強をしてからの話よ。結婚なんてまだまだ早い早い」
 二度の離婚歴のある冬美伯母が言うと妙に説得力のある意見である。夏子伯母はも
う一度グラスのビールをぐびりと大きく飲んでから反論した。
「そう言っているうちに三十過ぎちゃった子供もいるじゃないの! 売れ残ったり、
売れ残りが嫌でババ引いたりしちゃあ可哀相でしょうに!」
 冬美伯母が手にしていたグラスを静かに卓上に置いた。
「それ、あたしへの嫌味?」
「あら、そう聞こえた? でも、それって一度目の話? それとも二度目?」
「姉さん!」
 突如として険悪な空気である。仲が悪いわけではないのだが、二人共酒が入るとと
にかく激しいのだ。姉妹良く似ているとは言える。
「ま、ま、ま、ま、まーーっ! 伯母様方。落ちついて下さい。僕の話でしょう! 
僕ならいいんです!」
 佳が似合わない大声を出して二人を左手で分け、右手で急いでビールを二つのグラ
スに注ぐ。
「何がいいのよ!?」
「そうよ、佳ちゃん。することしっかりやっているって言うの?!」
 可愛いことに素直にビールを注がれながらも二人の伯母は詰問した。しかし、二人
の予想は外れ佳はさらりと忘れていたことを言ったのである。
「僕には母がいますから」
 周囲にやや沈黙が流れた。それから思い出した様に二人の伯母はちょっと向こうで
姪っ子達に囲まれて飲んでいる自分達の妹の方を見た。
「母って春佳のことを気に――いや心配しているの?」
 夏子伯母がちょっと心配そうに問う。佳は大きくうなずいた。
「ええ。母がいますからね。結婚なんてとてもとても」
 甥っ子のおだやかな微笑に二人の伯母は顔を見合わせる。ある意味で納得したよう
だ。いや、納得せざるをえない事情があったのである。
 末の妹の春佳はかなり不幸な結婚をし、一人息子の佳が産まれてすぐに夫の責任で
離婚している。それからはずっと母一人子一人で佳史をここまで育ててきたのだ。確
かに普通の家庭よりは母子の絆の重みが違うのであろう。
「えーーと」
 自分達がした重っ苦しい想像に抗う様に夏子伯母は努めて明るい声を出した。
「お嫁さんに春佳が気がねするってこと?」
 佳はおだやかに微笑んだだけである。それが伯母達には言い難いことを暗示してい
る様に見えた。
「そりゃあ、あなた達は仲の良い母子だけど、そこまで気にしなくていいんじゃない
? 嫁姑関係なんてどこの家庭でもあることよ。春佳なら上手くやるわよ。去年買っ
た板橋のマンションは広いんでしょう? 二世代同居してもいいじゃない」
「何言ってのよ。姉さん。二世代同居なんて無理よ」
 しかし、基本的におちょこちょいの冬美伯母がいらぬ茶々を思わずいれてしまう。
やはり酔っているようだ。
「息子が望んでも嫁が聞かないわよ。『あなたと二人きりの新婚を楽しみたいわ』と
か寝倒して囁けば男なんて必殺なんだから」
「余計なことを言わないの!」
「余計なことじゃないわよ! 男なんて所詮下半身よ! 姦れる女の言うことしか聞
かないの! 母の存在なんて、姦りマンくそ女一人にも勝てないんだからね!」
「――――それってあんたの家庭の特殊事情じゃないの?」
「あーーっ! またあたしの人生の悪口を言った!」
 また暴れそうになる伯母達を佳は今度は両手で引き剥がした。
「とにかく!」
 それでもまだ牙をむきあう伯母達に佳は宣言する。
「僕には母がいます。今は結婚なんて考えられません!」
 それは落ちついた声と堂々とした態度であった。夏子伯母は『不憫だねえ。今まで
不幸だった春佳の事をそんなに大事にしているのかい』と納得し、冬美伯母は『若い
女とのSEXより実母への気配りを優先するとは孝子の鑑。あたしもこう言う息子を一
人くらい持ちたかったわ』と慨嘆する。回りで聞き耳を立てている親戚達も概ねどち
らかの感想だった。そうでなくても佳の不幸な実母への献身的親孝行ぶりは知られて
いたのである。
 だから、本当の意味は実は目元が笑っている佳と向こうで背を向けているもう一人
にしかわかっていなかった。


「ちょっと飲みすぎちゃった」
 九時頃に自宅である板橋のマンションに帰ってきた春佳は玄関でそう呟いた。久々
の宴席である。気持ち良い酒であった。適度な浮遊感で身体が心地よく揺れている。
「ママ」
 そんな母の身体を息子が後ろから支える。抱きつく様に―――いや、抱き締めて。
「ありがと。佳ちゃん」
 春佳はほほんと笑った。春佳をママと呼ぶのは二人だけの時のルールである。第三
者がいれば決してこうは呼ばない。呼ぶのは今の様に自宅やお風呂やベットルームの
ような――
「今日の結婚式、ママが一番綺麗だったよ」
 息子は後ろから母の耳元でそう囁いた。吐息と体温が感じられるくらいの距離で。
「あら、なーーに言ってんのよ。佳ちゃん。そんなお世辞――」
 そう言いながら振り向こうとした母の顔に息子の顔が重なった。紅い唇に細めの唇
が触れ、捉え、男からの舌が女の肉に突き刺さる。
「う……」
 予想外だったらしい息子の口の愛撫に母はびくんと背筋を揺らせたが、そのまま抵
抗はせずに唇を大きめに開いて侵入したものを受け入れる。息子の舌はちょっと乱暴
に母の口を思いっきり――犯した。
「もう……」
 しばらくの口淫の愛撫の後にようやく開放された春佳が甘い声をもらした。自らも
かなり応えて蠢かせていた舌で紅くぬめる唇をもう一度舐める。
「何よ。突然。ママ、まだ靴も脱いでいないのよ」
 頬を上気させているくせにお母さんぶったその言い方に息子は笑った。
「ママ。さっき聞いていたでしょう?」
「え? 何のことかしら?」
 口調だけは整えてある。息子にとってはとても可愛いい仕草であった。
「伯母さん達が僕の結婚を迫った時」
「あら、そんな事があったの」
 白々しい口調で春佳はハイヒールを脱いで部屋へ上がった。ほとんどぴったり息子
がついてくる。
「ママがいますって言ったの聞こえただろ?」
「さあ、わからなかったわ」
 春佳がホホと笑った。そんな母に息子はにやりと笑い――背後からその母の胸をわ
しづかみにつかんだ。
「キャアッ!」
「聞こえてここらへんを勃起させたんじゃないの?」
 母のCカップを大きく揉みしごきながら人差し指を乳首に当てる。服の上からもこ
りこり感が伝わった。母の口から甘い吐息が漏れる。
「ねえ、どう?」
「……聞こえたわよ」
「嬉しかった?」
 ちょっと間を置いてから春佳は小さくうなずいた。息子はにっこり微笑み、母の身
体をもう一度抱き締める。すでに布越しにも熱さが伝わってくるほどの母の女体で
あった。
「ねえ、こ、ここで――するの? あがってお風呂に……からにしない?」
 息子に抱き締められながら春佳が囁く。困惑しているような声だ。ほら、よそ行き
の服だし、朝早くからの結婚式で汗もかいているし――
「そうだね。身体を洗ってからにしようか」
 息子があっさり母の身体を離した。「え?」と思わずもらしたのはその母である。
そしてちょっと信じられない顔になった母をそこに放っといて息子はさっさとバス
ルームへ向かう。向かっている!
「どうしたんだよ。お風呂が先なんだろ?」
 むこうで振り向いた息子のからかうような声に我に返り、何故か頬を染めながら春
佳は急いで上着に手をかけた。


 息子はぽんぽんと服を脱ぐと――脱ぎ散らかすと!――そのまま母を連れもせずバ
スルームに入った。それから普通通り湯船にお湯を張っているらしい。その大きな水
流の音を聞きながら春佳は息子の服をかたずけ――その間中首をひねる。
(珍しいわね。産まれて初めてかもしれないけど疲れているかしら? あの無節操万
年発情期息子が……)
「もうそろそろ湯もたまるよ。どうしたの?」
「あ、はいはい」
 バスルームから無邪気に息子に呼ばれた春佳は慌てて残る自分の服を脱ぎ始めた。
こういう場合いつもなら楽しむ様に母の服を脱がせてくれる息子なのに――とも思い
ながら。
「お待たせ――キャアッ!」
“母として”とは言わないが、一応、タオルで前を隠しながらバスルームに入った春
佳は刺激的な――いや実は見慣れた、いやそれでも十二分に煽情的なものを見て可愛
い悲鳴を上げた。待っていた息子の腰のあたりの――もちろん突き上げる様に勃ちあ
がった大きな肉棒である。
(あ、良かった。いつも通りに元気みたい……)
 思わずそう思ってしまったが、ここで安心してよいものであろうか――母として。
「ママから先に洗ってあげる」
「え? ええ? いいわよう――」
「もう準備してるんだから、さあ!」
 このマンションのバスルームはかなり広い。浴槽も洗い場も大人の母子二人が一緒
にゆっくりできるほどだ。まあ、それがこのマンションを購入した理由の一つなのだ
が。
「座ってよ」
 息子が”どこで購入したのか聞くのも恥かしい”大きなバスマットに座らさられた
春佳の柔らかな女体を息子は前後左右から丁寧にボディシャンプーとスポンジ、タオ
ルで洗っていった。まるで赤ん坊の肌を洗うかのような優しい手つきである。まさに
極上だ。
(うーーーん)
 何か深い愛情を感じるようなそれに女らしい喜びに浸りながら――しかし、春佳は
違和感もはっきりと感じていた。
(おかしい。佳ちゃんがこんなに良い子のわけがない。洗ってくれると言うのはたい
てい口実で、いつもなら実の母のあたしの恥かしいところとか感じるところにいやら
しい悪戯を――あん!)
 ちょうどそこで息子の指が乳首の先端をこりっとつまみ、その刺激が電気のように
春佳の背中を跳ねさせる。『あら、いつもの通りじゃない』とちょっと安心すると同
時に母に愛撫する息子に安心する自分にちょっと以上に反省する春佳であった。
 母の熟れた身体と綺麗な髪を洗い、シャワーで流し終えた息子は今度は自分の番だ
とばかりに春佳の前に胡座をかく。その股間には目のやり場に困るほど大きくなった
息子の肉棒がいつものように母に向かって吼えている。身体を洗えと言うのだが、ど
うしようか。息子がやったようにクールにすべきか。命じられない限り春佳からの積
極的な愛撫はしない家庭なのに……
(どうしよう?)
 結局、春佳は出来るだけ真面目に息子の身体を洗った。股間の辺りでは大分緊張し
たが、まあ、手だけで(口もCカップも使わず)事務的に(汚れはしっかり取れる
“だけ”の程度に)洗い終える。
「一緒につかろうよ」
 シャワーで泡を流し終えてから息子が言い、春佳は頬を染めながら従った。
「熱くない? ママ」
「う…大丈夫」
 二人向き合って湯につかる。余裕がありながら、適度に母子の身体がからみあう絶
好(なんの?)の広さの湯舟だ。普通のマンションには本当に珍しい。それこそラブ
ホか“例”の温泉旅館か、“あの”南の島のホテルにしかないような嬉しいバスルー
ムである。
(そう言えばここでもたいていは――)
 と、恥かしいことを思い出した春佳の唇に、急に息子がキスをした。不意を突かれ
てそのまま受け入れてしまう。息子の舌がすぐにも赤い唇を割り、母の甘い舌を大き
く舐る。今度は春佳も強く応えて(じらされた分?)息子の舌にからませ、その口に
愛撫のおかえしまでしてしまう。
 その母子の熱いキスはどちらもが時間を忘れるくらいに続いた。
「ふうーー」
 ようやく息子の舌から開放された春佳は、湯船の中でそのままへたるように裸身を
倒し息子のしっかりした胸に預けた。その母の全裸ををゆっくりと息子が受けとめ
る。
「どうしたのよ? 急に大人になって」
 甘えるような母の声に息子はすまし顔で応えた。
「おとな?」
「前だったら玄関でもすぐママを押し倒して、“姦って”いたじゃない……」
 春佳本人は否定するだろうが、ちょっとだけ恨み節も入っている。“それを”期
待していたの? と言われたらきっと恥かしがっただろう。
「それも嫌いじゃないけどね」
「――ね?」
「今日は嬉しいことを幾つか思い出したので、ちょっと正式にしてみたかったのさ」
「は?」
 春佳には息子が嬉しそうに言っている意味がわからなかった。
「正式って?」
「僕達二人にとってだよ」
 そう言うといきなり息子は母の身体に手を回し、ひょいと抱き上げたのである。全
裸でお姫サマの様に抱かれた春佳が悲鳴を上げる。
「ちょ、ちょっと、佳ちゃん!」
「大丈夫。バスタオルは朝出る前にベットのところに用意しといたから」
 そのままの形で息子は母とバスルームから出た。春佳の腰の辺りには息子の勃起し
た肉棒が母の裸体を持ち上げんばかりに突きつけられているのだから、息子の意図は
――いや欲情は明らかで――
 でも…それならこのじらしは何故なのだろう?
(今日になって突然に万年発情期野獣じゃなくなったなんて――)
 ある意味ひどい息子だったようである。


 大きなダブルベットの寝室に春佳をお姫様みたいに運んだ佳は、母をバスタオルで
綺麗に拭き上げてから優しくベットに降ろした。
「ど、どうしたのよ? 急に丁寧になって……」
 日常とは違う扱いによく事態がわからず、ちょっと動転している母の裸体に息子が
そのままかぶさる。優しい動きだった。
「だからさっきの宴会でうれしいことを思い出したの」
 丁寧に、しかししっかりと息子が母を抱き締める。二つの裸体が同じ温度でからみ
あう。
「うれしいこと?」
「まずは僕達がもう十年たったってこと」
(……)
 言われて春佳も気がついた。
(――そうか。もう十年にもなるのね)
 少しだけ納得する。
「十四才になる前だったでしょ? 僕がママとこうなったのは」
 息子が囁く。春佳は恥ずかしそうに微笑んだ。そうだった。あの時だったのだ。母
子家庭としてずっと二人きりですごしてきた仲の良い母と子が、あいまいながらも
“男”と“女”になったのは――
「僕、今でも夢に見るよ」
「え、そう?」
「ママが未成年の、しかも実の息子を無理矢理犯したあの夜のことを」
 両者の間にしばし沈黙があった。平和的なものではない。暴言に反証を整えるだけ
の時間だ。
 そしてにわかに母は息子の頭に空手チョップをかました。
「違うでしょ!」
  春佳は真剣に叫んでいる。
「犯したのはあなたじゃない! 風呂上がりで無防備なとこにお酒飲ませて油断させ
て――ママ、どれだけ恥かしかったか……」
「ぶーー。それは違う。思春期の中学生の前で不用意に肌を見せたり抱きついたりし
て誘っていたのはママ。僕はそれに健康的に反応しただけ」
「な、な、何が健康的よ!」
「健康な男として当然の反応。ママだって自分の裸に勃起してもらえたら嬉しいで
しょう?」
「嬉しいとは言わない!」
 これでも――母なのだから。
「でも、あの時、すごくママ燃えたじゃない」
 う――と詰まる春佳である。それを言われると辛い。あの時はそうだったのだ。
『母子相姦』という普通の家庭ではあってはならない異常事態というのに、母の春佳
はほとんど抵抗できなかった。それどころか『愛している』と囁く息子に自分から足
を開きすらしたのである――
「で、でも―――」
「でも?」
「あの時は恥かしかったのよ……」
 ちょっと声が小さくなった母に息子はにっこり笑った。笑いながら手を母の裸体に
動かす。湯上りの肌の上気した熱さとしっとりとした感触が心地よい。
「僕は嬉しかったよ」
 指先で右の乳首を軽くつまむ。あん――と母の口から可愛い声が漏れた。
「そしてあの時からずっとママとSEX出来るようになったんだ。今思い出しても夢み
たいなことだよ。ママが僕の為にずっと“女”になってくれたなんて」
 息子の甘い囁きに春佳は口を閉じた。恥かしいから返事はしてやんない。乳首から
乳房全体へ広がりつつある息子の愛撫に歯を食いしばっているからだけではない。
「ねえ、ママ。もうママとのSEXって一万回くらいしたかなあ?」
 無邪気な息子の質問に春佳はちょっとだけ笑った。一万回と言う数字がおかしかっ
たのだ。日常的にはあまりにも多すぎる。いくら十年たったとは言え、あれから毎日
のように――
 ちょっと待ってよ。十年と言う事は三百六十五日の十倍ということで――
「痛いっ!」
 今度は結構力を込めた母の空手チョップであった。
「なにするんだよ!」
「うるさい! 洒落になってないでしょう! 毎日毎日ママを犯して――しかも一回
では絶対に終わらず、休みの日なんかは服も着せてもらえず――ヒッ!」
 息子の中指が急に母の秘肉を襲ったのである。先の方がするりと入る。ねっとりと
した愛液が息子の指にかき回される恥かしい音が春佳の耳にも聞こえた。
「この…ひ、卑怯者…身体に訴えるなんて――」
「恥かしい話をするとすぐ濡れるのはいつも通りだね」
 息子が母の耳元でくすくす笑った。
「もう十分欲しいんじゃない?」
「う……」
「じゃあ、一万と一回目ということで」
 息子の指が抜かれた。微妙にだが母の腰がそれを追ってしまい、春佳はその自分の
はしたなさに首筋まで真っ赤になる。
 息子が母の身体にもう一度覆い被さった。腰が添えるようにあてられる。その中心
の肉棒はもう内側から張り裂けそうなるほどに固く熱い。
「入って良い?」
「も、もう……じらさないで…」
 息子の腰がぐい! と突き出され、その肉棒が母を真っ直ぐに貫いた。母という熱
湯に息子と言う灼熱を突き刺した音を、春佳は自分の嬌声と共に聞いた。


 最初の時は童貞だったはずの息子だが、今は実母の女体を知りつくす一匹の悪魔で
ある。若さは激しさと卑猥に、熱愛は執拗と淫靡に成長していた。そして今夜も春佳
の裸体をもってそれを証明されるのだ。
「い、いい!」
 息子の腰のねっとりとした動きに春佳は悲鳴を上げ、両手でしがみつく。母の肉襞
を息子の肉棒が丁寧にえぐる感触が背骨に響くほどにいやらしい。もうすぐにもいっ
てしまいそうだった。
「ぐちゃぐちゃだね。ママのここ」
 息子が耳元に口を寄せて囁く。両腕は逃げられないように母の女体をしっかりと抱
き締めている。だから息子の腰の動きを春佳の秘肉は飲みこまなくてはならない。初
めての時よりさらに逞しく成長した息子の肉棒を根本まで刺しこまれ子宮の奥まで犯
されているのだ。
「それにこりこりもしている。まるで離さないって感じで――気持ち良いよ」
 今夜はすぐ暴れたりはしない気らしい。春佳は熱い思いでぞっとした。こう言う時
の息子は母の女体をまずは丁寧にそして執拗に苛むのである。それこそ、快感で意識
を失うまで――そしてそれで終わりでは無いのだ。
「け、佳ちゃん――」
 火種から大火におこすような息子の濃厚な愛撫に抗い、春佳は辛うじて喘ぎ以外の
声を出した。
「どうしたの? ママ」
「あ、あの……あんっ!」
 こうして喋っている間にも息子の肉棒は止まらない。
「いつも通りに感じて絶頂ってよ」
「そ、そんな…こんな…すぐに――」
「伊達に一万回も姦ってないよ。ママの身体はぜ~んぶ知っているんだから」
 勝ち誇った牡の声であった。口惜しい。牝はともかく母としては。だが、熟れきっ
た秘肉を執拗にえぐる快感に母の威厳も牝の狂乱と化すしかない。
「あ、あ、あ、あ――いいっ! そんな、そ、そ、そこまで――!」
「じゃ、ここはどうかな?」
 息子の歯が乳首を噛む――と同時に指がクリトリスをつまんだ。それぞれ同じ位に
微妙な淫らさで。弱点はわかっているのだ。春佳の悲鳴がさらに上がる。
「いやあ…だめえ…感じすぎちゃうぅ――そんなに一杯…」
「じゃ、腰だけにしようか」
 ぐいん! と擬音つきで息子の腰が突き上げられ、春佳は背中まで突きぬけるその
感触に頭まで痺れる快感を受けてついに声をからす。『いや! 死んじゃう!』とい
う台詞は喘ぎにしかならなかったが、死ぬかと思ったのは本当だ。
「何回絶頂ってもいいんだよ。ママ」
 耳に口を押しつけて息子が優しく囁いた。そうしながらも腰の動きは狂暴で息子の
肉棒は凶器のように母の身体をえぐっていく。春佳は脳裏が真っ白にまでいく快感
に、さらに立て続けに絶えなければならなかった。
「あ、あ、あ、あ、あああぁ―――っ!」


 息子は“今日の”一度目が終わった放心状態の母の裸体に優しく両手をからませ
た。そのまま醒めるまで頬をよせるように抱き締める。母にはわからないだろう。
“最初の”あの日の“最初の”一回目の時と同じ光景であることを。
 あの時、まだ母より小さかった息子の身体が今ではその母をおおわんばかりに成長
している。二人のこの十年と言う時間は、保護する者を保護される者へ、愛する者を
愛される者へと変えたのだ。成長と言う流れによって。
「あ…」
 ようやく醒めた春佳は息子の手の中でしばらく浸るようにまだぼんやりしていた
が、やがて、身体を下へずらした。息子も抵抗はしない。残っているのだ。この二人
にとっての――母のお勤めが。
「綺麗にしてあげる…」
 春佳は横たわっているままの息子の上にかぶさり、その肉棒に触れた。優しく、手
と――舌で。
「あんまりやりすぎないでね。ママのフェラ最高だもん。出すぎちゃ困る」
 からかう息子の声が恥かしい。でも、習慣なのだ。一回目の後に、母の秘肉をかき
混ぜた息子の肉棒を母が舐めあげてあげるのが。
(もう――)
 淫らな行為だと言うのは春佳もわかっている。平日のどんな時に思い出しても赤面
してしまうくらいだ。ましてこの二人きりの世界においては“してあげる”と決めた
だけで股間がひたるほどの愛液が秘肉の狭間から洩れてしまう。これをやると肉棒も
すぐにも元気になるのだから息子もわかってはくれているのだろ。
(あ――もう、ちょっと大きい――)
 息子に見せられたいけないビデオの母親役の女優のようにまずは舌で息子の肉棒を
端から端まで舐める。先端から棒までがすでにしっとりとしているのはさっき存分に
暴れまわった母の中でしみついた春佳自身の愛液だ。それに今度は唾液がねっとりと
まざる。息子の肉棒は女のようにたっぷりと濡れた。
(じゃあ――)
 最後に一度、肉棒の先端の拳みたいな塊にキスして――から口に含んだ。それから
両手で肉棒を支えながらゆっくりと飲み込んでいく。簡単ではない。すぐ大きくなる
し、そうするとちょっと口元が狂うとそれこそ窒息してしまいそうになる。“初め
て”してあげた時よりも、息子は何回りも成長しているのだ。
 それでも春佳は一心に息子の肉棒を口で受け止める。母としての愛情をたっぷり込
めて。
(――成長期が終わって本っ当に良かった)
 ようやく息子の肉棒が口一杯になった。母の口が咥えたというそれだけでもうがち
がちなのだ。そのまま微妙に舌と頭を動かし、さらに吸う。母の口内の肉と涎とが立
てるびちゃびちゃした音がたまらなくいやらしい。息子の肉棒を吸う母という自分が
淫らだ。しかも悦んで――
(あ…あたしも…これだけで絶頂っちゃうかも――)
 いつもの口淫の際、69の体勢にしないのはこの上、息子の愛撫を母のいやらしい秘
肉に受けたりしたらもう歯止めがきかなくなるからだ。冗談ごとではない。絶頂った
ショックで、つい、歯に力など入ったりしたら――
(安全の為のルールよね。これも)
「ママ。もう、出そう」
 淫らで馬鹿なことをつい思い浮かべた母の耳に息子の嬉しそうな声が聞こえた。
フェラする口と手はそのままで見上げると半身を起した息子の顔が上機嫌に笑ってい
る。可愛いこの子のこの笑顔が見たくてこれほど一生懸命に口淫してるのだと春佳は
思った。
「いい?」
 春佳はいいわよという意味を込めてこくりとうなずく。それからすぐだった。
「あ――」
(あ――)
 春佳の口の中で息子が爆発した。今日二回目のはずだとは信じられない量の息子の
ミルクが母の口一杯に満ちる。春佳はむせないよう注意しながらそれを全て飲みこん
だ。
 いつものように。


 母の口淫で息子が絶頂った後はしばらくおだやかな時間である。挿入はしない。
SEXは続いている。
「ママのお口最高!」
「…わざわざ言わないでよ。恥かしい」
 裸体の母と子は肌をすり込むように抱きあう。その間、どちらかの手は互いの肌を
優しくまさぐっている。そこにある愛する者を何度でも確認するかのように。
「ねえ」
「ん? なあに」
 挿入はなくてもこの身体と心が密着した時間からは魂まで溶け合うほどの一体感が
感じられる。春佳が大好きな時間だ。
「今度は僕がしていい?」
「……」
 余韻をまだ楽しみたい春佳は否定を無言で伝えた――つもりだったが甘かった。息
子はするりと母の手から抜け出し、母の下半身に殺到したのである。
「あ、こら!」
 春佳は急いで身を捻ろうとしたがもう遅い。母の両腿は息子に両肩に抱えるように
がっちりとロックされ、その間にある母の秘肉は愛液付きで息子の鼻の直前にさらけ
出されている。ある意味、今日一番恥かしいポーズだった。
「いやっ! やめて!」
「大丈夫だよ」
「は、恥ずかしいのよ! やめなさい! 佳ちゃん!」
 息子を淫らに愛撫する母も恥かしいが、息子に淫らに愛撫される母はもっと恥かし
い。あまりの快感に、母のくせに思わず腰を振ったりしてしまうのだからなおさら
に。
「まずは舐めてみて」
 べちゃりという粘着質の音と同時に春佳の秘肉の一番恥かしい部分に柔らかくしな
やかな息子の舌が降ろされる。『ひい!』という悲鳴はこらえきれなかった。
「いつもの味だね」
 生意気なことを言う息子に春佳は何も出来ない。せいぜい母の股間に埋めた息子の
頭を何とか押しのけようとするくらいで、それだって力が入らない。クリトリスから
秘肉の肉襞の奥まで執拗に舐め上げる息子の淫技のせいで。
「ひ…あ、ああ…そんな…いやっ…そこまで…佳ちゃん…やめ…」
 終わりの無いような舌の愛撫だった。子供が玩具で遊ぶように熱中し、かつ延々と
続く。それを受ける春佳の女の体にはたまらない。火が煽られるように身体の奥底か
らの真っ白な快感が全身を確実に犯して行く。
 いつしか息子の頭を押しのけようとする両腕が逆に押しつける形に力が変わった。
母の恥じらいや矜持などもうどこにもない。息子の愛撫に発情期の獣になった牝でし
かなかった。そして爆発はほぼ寸前だった。
 そこで不意に息子の頭が上がった。
「え? やん…」
 思わずもらした、実に母のものではあってはならない声を恥じ入る間もなく、その
まま息子は母の腰を押して体を裏返させた。ずっと続いていた痺れるほどの秘肉の快
感に抵抗も出来ず、春佳はそのまま四つん這いになる。まるで牝犬のように。
「…まさか――」
「舌でいかせてもいいんだけど」
 やや怯えた顔で首だけで振返る母の腰を背後からがっしりと息子の両手が掴む。
「僕だって、いきたいからね」
 そのまま春佳の秘肉に固い何かがあてがわれた。その固さと熱さと大きさだけで何
かがわかるそれが――
「そんな――この姿勢は恥かしいっていつも言っているのに…」
 母の悲鳴を息子は優しく笑った。
「悦んでいる声にしか聞こえないよ。ママ」
 そのまま息子の腰がぐいと突き出される。ぐりゅん! とねばる音を立てて春佳は
息子の最も熱い一部をまた秘肉に受け入れた。それこそ子宮に届くまでに。
「ああん…」
「いくよ」
 ぐいぐいと息子の腰が母の背中を責め上げる。淫らな舌で十分に虐められた春佳に
耐えられるものではない。痺れあがる快感にすぐにも絶頂ってしまいそうだ。
「も、も、もう…だめぇぇ…」
 すでに春佳は四つん這いですらない。手足すら立たないのだ。息子に貫かれたその
ままにベットにうつ伏せに崩れ落ちる。それでも逃げられしない。その母の身体をさ
らにベットに打ち込むように息子の腰が叩きつけられ、杭のような硬い肉棒が母を何
百回も貫く。
「あ――」
 頭が真っ白になるような絶頂は息子の爆発と同時に来たのだった。


「もう!」
 二回目を終え、また息子の両腕に優しく抱かれながら春佳は猫のような目の息子を
責めた。
「ちょっとは手加減してよ。ママ、幾つになったと思っているの?」
 ちょっと言いたくない話題ではあるのだが、今は仕方ない。初めての時とは違う。
こんな不埒な息子の愛情と劣情のせいで実年齢よりかなり若いと他人も自分も思うの
だが、すでに大台を越えているのも事実だ。朝、腰が立てなくなるのだって最近は珍
しくない。
「駄目だよ。年齢のせいにしちゃあ」
 それなのにこのケダモノ息子はこう言うのだ。
「もっと頑張ってくれないと。僕はずっとやりたい盛りだし、テクニックも今から円
熟味を増すところなんだから」
「ま、ママ、死ぬわよ! これ以上なんて!」
「優しく殺してあげるよ――この十年、毎晩“して”いるみたいに」
 ひええ…と本気の悲鳴が洩れる春佳である。母として息子のこれが冗談ではないこ
とは確信できる。それこそこの十年間がそうだった。そしてたった今も。母の腰の辺
りに、また、そしてもう硬さを取り戻した熱い蝕感が復活している。
(まずい!)
 一万と三回目は目の前だった。
「ちょ、ちょっと待って!」
「ちょっとくらい暴れてもいいよ。犯すみたいで興奮するし」
 それが実の母親に言う台詞か! と怒ったって聞く息子では十年前からない。すで
に指が母の乳首をまさぐっている。
「違うの! 言わなきゃならないことがあるの!」
 ようやく、息子が動きを止めた。何? と言う風に首を捻る。
「犯すほうがいいの?」
「違う!」
 本気の母の空手チョップだった。眉間にそれを受けた息子が悲鳴を上げる。
「暴力反対!」
「暴行反対! ちょっとはママの言う事も聞きなさい!」
「説教なら終わってからしてよ」
「終わんないでしょ! あんたは!」
 母の言う通りである。息子もようやく観念し、指の動きは辞めた。
「今日の宴会の時のことよ」
 でも母を包むように抱き締めているし、何より春佳の腰にあたっている肉棒の硬さ
は本物だ。まだ油断は出来ない。
「何かあったっけ?」
「『母がいますから』って言い過ぎだと思うの」
(嬉しいんだけど)
 その言葉の真の意味がわかる母としては。
「言っちゃまずいのかな?」
「いや、それは、その、悪くは無いんだけど。それであたし達の関係がばれるわけも
ないんだろうけど」
「息子と母が夫婦であることが?」
 春佳の胸がドキン! とする。息子の口調はさりげないが、内容は無視できない。
言ってはならないことをこの息子が肯定的に言うのが春佳の女の部分には堪らなく嬉
しい。
「そ、そ、そうよ。いや、そうじゃなくって。『いますから』ってあんまり言うと佳
ちゃんがマザコンみたいに思われるんじゃないかと」
「いいじゃん。僕はマザコンだよ。ママさえいれば世界中の他の女はいらないんだも
の」
 甘えた声で、でもあっさりとこう言うのだ。春佳は母として困ってしまう。これ
じゃあまた『息子を悦ばしてあげよう』かなどと淫らな“やる気”がわいてくるでは
ないか。
(この“ママ”殺し!)
「それにこれは大好きな台詞なんだ」
「――そうなの?」
「だって昔、ママが散々言っていたのと同じじゃないか」
「……」
 今度は本気で首を捻る春佳であった。思い当たるふしが全く無い。何故、春佳が
『母がいますから』などと言わねばならないのだろうか。
「あ、ひょっとして憶えていないの?」
「うーーん。わかんない」
「言ってたじゃん。ママ。僕が物心ついた頃から」
 息子はくすくすと笑った。
「なんて?」
「『あたしには息子がいますから』ってさ」
 あ――と春佳の口が開いた。
「再婚とか男の話が出る度にさ、ママ、いつもそう言って断っていたじゃん」
 思い出した。確かにそうだった。佳と二人きりになってからずっと、それは確かに
春佳の口癖だった。
「正直、そんな話が出る度に僕としては恐怖だったんだ。僕以外の誰かがママを持っ
て行くんじゃないか、二人だけの幸せな僕達を壊すんじゃないかと。今でも思い出す
と冷や汗がでるくらいにね」
 わあああ――と春佳の口から淡い悲鳴がもれる。
「その時にママがいつも胸を張って、ちゃんと『息子がいますから』って断り続けて
くれたのがどれだけ嬉しかったか――ママにはわからないだろうね」
(そんなことはない――)
 そう言おうとした台詞は春佳の喉から出なかった。声よりももっと奥のほうから盛
りあがった何かによって。だから春佳は右腕を母として左腕を女として息子の身体を
力一杯抱き締める。
「その頃の理想はママをお嫁さんにすることだったんだ。その夢はこうしてかなった
のだから、きっと僕は最高の幸運の持ち主だと思うよ」
(あたしもよ)
 こうして息子と二人きりで生きていけることが春佳の夢だった。それだけでも良
かった。それなのに今は女としても、こんなにも愛されている。これ以上の幸福など
もう想像すらできないだろう。
「だから、何万回でもママを“犯し”たくなるんだよ」
 それはちょっと待て――と思うべき理性は春佳の今の激情でけし飛んでいた。
「いいのよ。何回でも。佳ちゃんの好きなだけママの身体を使って。ママ、佳ちゃん
が悦ぶのなら死ぬまで頑張るから」
 冷静になってみればとんでもないことを、この時の春佳は本気で言った。息子が
にっこりと微笑む。そしてそれ以上は何も言わず、唇を母によせた。春佳は決心した
ように目を薄く閉じる。
 そして柔らかく熱い息子の唇と舌が母の口を存分に犯し、母は心と身体で絶頂く寸
前まで悶えた。
「ねえ…」
 ようやく唇が離れる。その息子の嬉しそうな顔を見つめながら母は甘い声で囁い
た。
「もう一回してもいいのよ」
 その淫らな申し出に息子はにっこり笑ってうなずいた。二人の身体の準備がすでに
出来ていることは二人とも十分知っている。
「今度はママが上になって」
「…うん」
 春佳はゆっくりと息子の身体にまたがった。その中心で直立している肉棒をそっと
掴む。鉄のように硬く火のように熱い。これを今から母の秘肉で楽しませてあげるの
だ。母を想ってこうなっているのだから、母が鎮めるしかないのだから。
「う……」
 よけいな愛撫は無くそのまま春佳は息子の肉棒を自分の秘肉にあてがった。恥ずか
しいことに春佳のほうも愛撫が必要ないくらいに濡れている。それでも息子の肉棒を
母の肉壺が飲みこむのはちょっと手間がかかった。息子のほうが母より大きいからだ。
いつものように。
「あ――」
 ようやく息子の全てを飲み込むことが出来た。一杯の充足感に満足しているのは母
性愛であろう。そろそろと腰が動き出したのは女の劣情だ。“幸せ”のせいか感じる
のもいつもより速くて深い。
「で、でも、一回だけよ――佳ちゃんは明日会社があるんだから……」
 最愛の男に愛され貪られる女になっているくせに、春佳の口から母親らしい気遣い
が洩れた。息子がおかしそうに笑う。
「大丈夫だよ」
「…でも――」
「明日は有休を取ってある」
 春佳が初めて聞く話だった。
「え? なに? 従姉妹の結婚式があるから?」
「従姉妹の結婚式と言う“口実”があるから」
 そう言って息子はぐいと腰を突き上げた。母の子宮まで届く肉棒の硬さに春佳はひ
い! と悲鳴を上げる。
「だからたっぷり時間はあるからね。ま、目標は六時くらいにして今夜も頑張ろう」
 ぐいぐいと下から突き上げる。感じやすくなっている分、春佳には堪らない。上に
はいても主導権などすぐにも消え去りそうだった。
「そ、そんな、朝までなんて」
「いや、明日夕方の六時」
 ほぼ一日ということである。さすがにこの十年間でもそこまで“姦った”ことはな
いが、この息子ならわからない。実際、“近い”経験は何十回もあるのだ。
「ど、どうしてそんなに元気なのよう!」
 全裸の母体が舞うほどに突き上げられながら春佳は悲鳴を上げた。そして自信一杯
の答えが返ってくる。
「そりゃあ、ここに僕の『ママがいますから』」

                              了

[2005/04/12]

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。