小説(転載) 『過ち…それから』 第二部 1/7(欠落あり)
官能小説
【1】
高田と出会った帰り道。
タクシーの中で僕の気分はちょっと複雑だった・・・。
ワインを飲み過ぎたからじゃなく、瑞貴と高田の過去が気になったからだ。
食事が終わるまでの間、僕はそれとなく瑞貴に高田との昔の仲を聞いてみた。
だが瑞貴は曖昧に答えるだけで、僕の納得するセリフは最後まで瑞貴の口から
発せられなかった。
僕の心の中に一抹の寂しさが広がり、その寂しさが麻耶に会いたがっていた。
妻の過去が気になる僕の心が、無償に麻耶を欲していた。
家に戻ると、妻は上機嫌のままシャワーを浴びた。
浴室からお湯の流れる音を確認すると、僕は麻耶にメールを打った。
会いたい・・・・麻耶・・・抱きたい・・・・
自然と僕の指から打ち込まれるメール。
麻耶からの返信はすぐに有った。
どうしたの?・・・何かあったの? ・・・心配
麻耶の心配で曇る顔を想像しながら、またメールを送る。
大丈夫・・・でも凄く会いたい・・・会えない?
今から?・・・いいけど・・瑞貴は? 平気なの
そうだね・・・無理かな・・明日は?
会えるわ・・・必ず会える・・・私も抱いて欲しい
僕は明日の約束を麻耶と交わし、そのままソファーの背もたれに身体を預けた。
目を瞑り、麻耶の裸を想像する。
自然と股間が熱を帯びる・・・。
(麻耶・・・好きだよ・・・)
そのセリフを頭の中で何度も繰り返す。
そうして僕は眠りに落ちた。
翌朝、僕はソファーで目覚めた。
時計を見ると遅刻ギリギリだった。
妻を呼ぶが返事はなかった。
おかしいな?・・・
そう思ったが時間の経過には勝てず、急いで支度をし出社した。
その晩、僕は麻耶の身体を隅々まで貪った。
何回やわらかな胸を揉んでも、何度も麻耶の愛液を啜りとっても僕は満足しな
かった。
一度も挿入せずに、麻耶を愛撫だけで何回も絶頂に導いた。
麻耶もそんな僕に何も聞かずに付き合ってくれた。
「愛してる・・・・」
囁く僕に、
「私も・・・・もっと好きにしていいのよ・・・」
そう優しく応える麻耶。
僕のペニスから流れ出る透明な汁が麻耶の内腿をベトベトにした。
その汁が麻耶の体温で完全に乾く頃、僕は暖かな内部へと強く深くペニスを沈
めた。
お預けを長いこと食らっていた犬のように、麻耶は全身で喜びを表現した。
僕は一心不乱に麻耶の奥を突き続け、そして果てる・・・。
果てた後も腰の動きを止めず、半立ちのペニスを中で動かし続ける。
そうして堅くなった肉茎で再度果てるまで暴れる。
麻耶は狂い喘ぎ、僕は腹の底から唸り声を挙げて爆発した・・・。
「何かあったの? ・・・」
ベットに仰向けで横たわる僕の胸元を優しく撫でながら麻耶は言った。
「何でもないよ、なにも無い・・」
「本当? ちょっと変よ、あなた」
最近、麻耶は僕のことを「あなた」と呼ぶ。
その心地よい響きに僕の胸が締め付けられた。
「余計な心配させてゴメン。昨日はちょっと酔ってたから変だったのかもしれ
ない」
「そう・・・それなら良いけど」
「ごめんよ・・・・」
僕は囁きながら、麻耶の乳房に舌を這わせた・・・。
「お待たせ」
濃紺の高級スーツを着こなす高田が、喫茶店の椅子に一人座る瑞貴に声を掛け
た。
「ごめんなさい、忙しいのに呼んだりして・・・」
暗い表情のまま瑞貴は高田に頭を下げた。
「いいさ、役職に就いてから時間だけはタップリあってね」
日本では見掛けない外国製のタバコに火を付けた高田が微笑む。
「悩み相談か?」
「う~ん、そんな所かしら」
「それとも、この前久し振りに再会して、昔を想い出したか?」
黒く日焼けした精悍なマスクの高田が囁いた。
「そんな訳じゃないわ・・・変なこと言わないで」
「そうか、残念だな・・俺は想い出したぞ、お前の色んなこと」
半分ほどになったタバコを灰皿に押し付け、高田が意味深な笑みを瑞貴に向け
た。
「やめてよ! 昔は昔よ。今は私だってちゃんと家庭を持ってるのよ」
瑞貴は切れ長の目をキツク高田に向けた。
「そう剥きになるなよ、変わってないな瑞貴は・・」
優しく微笑みかける高田の表情に、瑞貴の瞳が潤む。
「おいおい、何があったんだ!? 俺が乗れる相談なのか?」
「分からないわ、でも・・アナタしか浮かばなかったのよ・・・」
鎮痛な表情の瑞貴を暫く見詰めた高田は、
「出よう」
そう言うと瑞貴の肩を優しく抱きながら、店を出て大通りへと歩いて行った。
そしてタクシーを捕まえると、都心の高級ホテルを告げる。
「ちょっと、何処に行く気なの?」
「心配するな、夜景でも眺めながら一杯やろう。その方が瑞貴も話し易いだろ」
「・・・・」
ネオンに輝く通りを、タクシーは目的地に向かって静かに走行していった。
ホテルのエントランスに到着した二人は、エレベーターへ乗り込んだ。
最上階のラウンジまで、ゆっくりと上昇して行く。
他には誰も居なかった・・・・。
静かな空間が二人を包んだ。
「昔はこうして二人で過ごしたな、瑞貴」
「えっ?」
高田の言葉に反応する様に顔を上げた瑞貴。
その顎を優しく掴んだ高田の指に、一瞬、身体が固まる瑞貴。
素早く近付いてくる高田の瞳に自分の顔が写り込む。
(ああ・・私、冴えない顔してる・・・)
そう思ったとき、高田の唇が自分の唇に重なった・・・。
(ダメよ! イケナイ・・・)
微かな理性が浮かびはしたが、強く唇を吸われたとき、瑞貴の思考は停止した。
(あの人がイケナイのよ・・・・麻耶となんか・・・)
(2)へつづく・・・
高田と出会った帰り道。
タクシーの中で僕の気分はちょっと複雑だった・・・。
ワインを飲み過ぎたからじゃなく、瑞貴と高田の過去が気になったからだ。
食事が終わるまでの間、僕はそれとなく瑞貴に高田との昔の仲を聞いてみた。
だが瑞貴は曖昧に答えるだけで、僕の納得するセリフは最後まで瑞貴の口から
発せられなかった。
僕の心の中に一抹の寂しさが広がり、その寂しさが麻耶に会いたがっていた。
妻の過去が気になる僕の心が、無償に麻耶を欲していた。
家に戻ると、妻は上機嫌のままシャワーを浴びた。
浴室からお湯の流れる音を確認すると、僕は麻耶にメールを打った。
会いたい・・・・麻耶・・・抱きたい・・・・
自然と僕の指から打ち込まれるメール。
麻耶からの返信はすぐに有った。
どうしたの?・・・何かあったの? ・・・心配
麻耶の心配で曇る顔を想像しながら、またメールを送る。
大丈夫・・・でも凄く会いたい・・・会えない?
今から?・・・いいけど・・瑞貴は? 平気なの
そうだね・・・無理かな・・明日は?
会えるわ・・・必ず会える・・・私も抱いて欲しい
僕は明日の約束を麻耶と交わし、そのままソファーの背もたれに身体を預けた。
目を瞑り、麻耶の裸を想像する。
自然と股間が熱を帯びる・・・。
(麻耶・・・好きだよ・・・)
そのセリフを頭の中で何度も繰り返す。
そうして僕は眠りに落ちた。
翌朝、僕はソファーで目覚めた。
時計を見ると遅刻ギリギリだった。
妻を呼ぶが返事はなかった。
おかしいな?・・・
そう思ったが時間の経過には勝てず、急いで支度をし出社した。
その晩、僕は麻耶の身体を隅々まで貪った。
何回やわらかな胸を揉んでも、何度も麻耶の愛液を啜りとっても僕は満足しな
かった。
一度も挿入せずに、麻耶を愛撫だけで何回も絶頂に導いた。
麻耶もそんな僕に何も聞かずに付き合ってくれた。
「愛してる・・・・」
囁く僕に、
「私も・・・・もっと好きにしていいのよ・・・」
そう優しく応える麻耶。
僕のペニスから流れ出る透明な汁が麻耶の内腿をベトベトにした。
その汁が麻耶の体温で完全に乾く頃、僕は暖かな内部へと強く深くペニスを沈
めた。
お預けを長いこと食らっていた犬のように、麻耶は全身で喜びを表現した。
僕は一心不乱に麻耶の奥を突き続け、そして果てる・・・。
果てた後も腰の動きを止めず、半立ちのペニスを中で動かし続ける。
そうして堅くなった肉茎で再度果てるまで暴れる。
麻耶は狂い喘ぎ、僕は腹の底から唸り声を挙げて爆発した・・・。
「何かあったの? ・・・」
ベットに仰向けで横たわる僕の胸元を優しく撫でながら麻耶は言った。
「何でもないよ、なにも無い・・」
「本当? ちょっと変よ、あなた」
最近、麻耶は僕のことを「あなた」と呼ぶ。
その心地よい響きに僕の胸が締め付けられた。
「余計な心配させてゴメン。昨日はちょっと酔ってたから変だったのかもしれ
ない」
「そう・・・それなら良いけど」
「ごめんよ・・・・」
僕は囁きながら、麻耶の乳房に舌を這わせた・・・。
「お待たせ」
濃紺の高級スーツを着こなす高田が、喫茶店の椅子に一人座る瑞貴に声を掛け
た。
「ごめんなさい、忙しいのに呼んだりして・・・」
暗い表情のまま瑞貴は高田に頭を下げた。
「いいさ、役職に就いてから時間だけはタップリあってね」
日本では見掛けない外国製のタバコに火を付けた高田が微笑む。
「悩み相談か?」
「う~ん、そんな所かしら」
「それとも、この前久し振りに再会して、昔を想い出したか?」
黒く日焼けした精悍なマスクの高田が囁いた。
「そんな訳じゃないわ・・・変なこと言わないで」
「そうか、残念だな・・俺は想い出したぞ、お前の色んなこと」
半分ほどになったタバコを灰皿に押し付け、高田が意味深な笑みを瑞貴に向け
た。
「やめてよ! 昔は昔よ。今は私だってちゃんと家庭を持ってるのよ」
瑞貴は切れ長の目をキツク高田に向けた。
「そう剥きになるなよ、変わってないな瑞貴は・・」
優しく微笑みかける高田の表情に、瑞貴の瞳が潤む。
「おいおい、何があったんだ!? 俺が乗れる相談なのか?」
「分からないわ、でも・・アナタしか浮かばなかったのよ・・・」
鎮痛な表情の瑞貴を暫く見詰めた高田は、
「出よう」
そう言うと瑞貴の肩を優しく抱きながら、店を出て大通りへと歩いて行った。
そしてタクシーを捕まえると、都心の高級ホテルを告げる。
「ちょっと、何処に行く気なの?」
「心配するな、夜景でも眺めながら一杯やろう。その方が瑞貴も話し易いだろ」
「・・・・」
ネオンに輝く通りを、タクシーは目的地に向かって静かに走行していった。
ホテルのエントランスに到着した二人は、エレベーターへ乗り込んだ。
最上階のラウンジまで、ゆっくりと上昇して行く。
他には誰も居なかった・・・・。
静かな空間が二人を包んだ。
「昔はこうして二人で過ごしたな、瑞貴」
「えっ?」
高田の言葉に反応する様に顔を上げた瑞貴。
その顎を優しく掴んだ高田の指に、一瞬、身体が固まる瑞貴。
素早く近付いてくる高田の瞳に自分の顔が写り込む。
(ああ・・私、冴えない顔してる・・・)
そう思ったとき、高田の唇が自分の唇に重なった・・・。
(ダメよ! イケナイ・・・)
微かな理性が浮かびはしたが、強く唇を吸われたとき、瑞貴の思考は停止した。
(あの人がイケナイのよ・・・・麻耶となんか・・・)
(2)へつづく・・・
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