小説(転載) 相姦の螺[らせん]旋 -兄と妹の倒錯地獄-Episode3
近親相姦小説
たまに、ユウキと登校することがある。
いつもなら、わざと登校時間をずらすために私が早起きするんだけど、今日は目覚まし
のセットを忘れてしまっていた。
ふだんは家でも学校でも、私とユウキの間には一定の距離がある。べつに仲が悪い
わけじゃない。どうせいやでも毎日顔を合わせることになるから、それは自然のなりゆき
なんだけど。
そんなわけで学校に着くまでの時間、ほとんど会話がない。
ならんで歩いていくふたり。どちらがどちらにってわけじゃなく、歩調を合わせて、ただ
前を向いて。
気まずくはない。
いごごちがいいわけでもない。
そんなヘンな空気、どことなく気にはなる。でもまさか、「昨日はドキドキしたね」と
か、話したりするわけにもいかないし。
もどかしさを持てあましてるうちに、遠くに駅が見えてきた。
学校まではふたりとも電車を利用する。ホントならもう少しすいてるところに乗ること
ができるのに、ユウキがいつも乗るのは、頭に”超”がつくほどの、満員電車。
やだなぁ、制服がシワになっちゃうんだよなぁ。
それに、この電車って・・・
めいる気持ちをおさえて、ふたりはプラットホームへ、足を進める。
ユウキ、よくこんな電車に毎日乗るよね・・・
呼吸すらまともにできないくらいのこんざつ。肩やひじがぶつかってくるのは当たり前
だし、体重かけて足をふまれたって、だれも知らん顔。ほとんど表情も変えないユウキを
ソンケイしてしまうくらい。
きのうアイロンかけたんだけどなぁ・・・
どうしようもない。だれのせいでもない。そう思ってたえるしかない。学校のそばの駅
に着くまでの二十五分間を。
ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴト・・・
あっ・・・
ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ・・・
・・・あー、あたっちゃったかぁ・・・
プリーツのスカートに、だれかの手が触れる感触。
まずは手の甲の方を、つけたり、はなしたり。女の子の反応を見るための、ジョートー
手段。慎重に、ぐうぜんを演技してるみたいだけど、
たぶん、この人、チカン。直感でわかる。
「・・・」
このあとの展開は、全部わかってる。大きな声を出してこなければ、次は手のひら。
さらに、うまくいけばスカートの中に入りこんできて、下着ごしにオシリ、触ってくる。私、
全部わかってる。
「・・・」
全部わかってるのは、声を、あげられないから。
いつか、こんな満員電車の中で、チカンの手をつかんで大声を上げていた人がいた。
「この人チカンです」って。わたしにはちょっとできない。声をあげた瞬間、すべての乗客
の目線がそこに向けられる。自分が悪いことされているのに、あんなプレッシャーを受け
なくちゃいけないなんて・・・チカンもイヤだけど、私はいつもじっとこらえる方を選ぶ。
うわー・・・
チカンは、ガマンを決めた私を見て自信をつけたみたいだった。おどおどしていた手が
うら返される。
手のひらをいっぱいに使って、オシリのまるみを確認している。まるで吸盤みたいに、
ぴったり密着している。上から下、下から上とじっくりなでさすってくる。
背すじに打ちよせる、ゾクゾク。それは、気持ち悪いものにあったときに感じる寒気。
見ず知らずの男の手が、恋人でもなんでもない女の子のオシリをなでている。胸がムカ
ムカする。
でも、今はその手の攻撃をゆるすしか、ない。
やっ、ワレメにまで・・・
チカンは、じょじょに大胆さを増してくる。指が、お肉のあわせ目にもぐりこんできた。
もぞっ・・・
やめて、やめて、指、動かさないで・・・
オシリとオシリの間にうずもれた指が、うねうねうごめく。それはまるで毛虫か、イモ
ムシ。とにかくキモチワルイ虫のイメージ。だけど、そこはとってもビンカンな皮ふが集
まってる部分。どうしても、腰が、ヒクヒクしてしまう。
オシリで、チカンの指、キュっ・・・としめつけてしまう。
いやっ、その指、ぬいてっ・・・
でも、オシリには力が入りっぱなし。いっぱい人がいる中だからよけいに舞い上がって
る、そのことも手伝ってるみたい。チカンの指は、そこからぬけ出せなくなったのをいい
ことに、内側を強くマッサージしてくる。
うぅ、ハズカシイよう・・・
だって、指がターゲットにしてるのは、明らかに・・・アノぶぶん、私のカラダの中で、
いちばん、キタナイぶぶん・・・
そんなトコさわって、なにが楽しいの・・・?
火が出るみたい、まさにこのこと。からだ中の血が顔に集まってきてる。おでこから汗
の玉がつたってくる。もうのどがカラカラ。ただくちびるをかみしめて、どうすることも
できない自分をくやしがるだけ。
せめて、せめて目の前のユウキに気づかれないように、私は下を向いていた。
「・・・ふぅ・・・」
ふいに、オシリへの攻撃が、止まる。
よかった・・・
ほんとに、そう思った。長いためいき。全身にはりついていた緊張から、解放される。
でも・・・きっと終わりじゃない。いつもの駅に着くまでには、まだ、時間、残ってる。
・・・やっぱり・・・
少しして、下の方から、ふとももが外の空気にさらされていく感覚。スカートが、持ち
上げられはじめてる。
止めて、もうそこで、止めて・・・
ちょっとづつ、じわじわと。あまりにも長く時間をかけられて、かなり上の方までめく
られてるんじゃないかって、錯覚してしまうほど。
こんな、ぱんつ、見えちゃうよお・・・
気がつけば、もものつけねあたりまで、すっかりめくりあげられてしまっていた。チカン
のものらしいズボンが、じかに肌で感じられるくらい。
「くっ・・・」
のどの奥が、かすかになってしまう。
チカンの手が、むきだしのふとももの内側をさすってる。
右、左。強引に手のひらをわりこませて、かわりばんこに素肌の質感を味わっていた。
ねっとりとした手の動き。そこはふだん、自分でもさわらないようなところ。そんなところ
を、赤の他人に触らせてしまってる。
ひざから、力が吸い取られるみたい。かかとがこわれてしまったようにバランスを失い
はじめてる。ふるるっふるるって、下半身がふるえてしまう。そして・・・
ああ、ついに・・・
やっぱり、思った通り。手がゆっくりと、上のほうへ登ってくる。あきれるほどに予想して
いた通りの動き。きっとこのあとは、じっくりと、ねちっこく、私のオシリを触ってくる・・・
・・・えっ・・・?
予想外のコース。手のひらが、らせんを描いてふとももの外側へ・・・
えっ、やだっ、うそっ・・・
チカンが体を密着させる。手のひらはふとももの前の方にまわりこむ。じりっじりっ、
はい上がってくる・・・
そんな・・・
その手が行き着いたのは、おなかの下。
指先が、パンティーの上からおへその下の盛り上がったところをなでてきた。下着の手
ざわりを観察するみたいに、ゆっくりと、円を描いている。
そんな、アソコに触ろうとしてる・・・?
疑問はすぐに、確信に変えられる。
白いコットンに浮かび上がった一本のスジ。イヤらしい指に、見つけられてしまった・・・
「はっ・・・あ」
だめ、声、もれちゃう・・・
かるくツメをたてながら、二本の指が、たえまなく、下から上へ、速いスピードで。
触られてる・・・アソコに、触られてる・・・
「いっ・・・やっ・・・」
ワレメの方から感じるかすかなピリピリ。それまでの悪寒とは明らかにちがう種類のゾク
ゾクで、全身がつつみこまれてく。
なんで、なんで、こんなヤラしいチカンなんて、聞いたことない・・・
生地ごと食いこませて、指がアソコにおしつけられてしまう。ネンマクが、ぱんつでコスら
れる。ちょっとずつ、横ゆれの振動、大きくさせながら。
キモチ、イイ・・・?
頭のどこかで、そんなコトバが浮かんでは消える。
そんなこと、ない。
チカンにアソコをいじられて、キモチイイなんて、ありっこない・・・
でも、指がたどったみぞのあたりが、ジワっと、しめってきてるみたい。汗じゃない。生理
の可能性もない。希望的な予測はすべて打ち消される。ただ絶望的なだけの消去法。
私の奥の方から、ヌルヌルしたもの、わいてきてる・・・?
「んっ・・・んっ・・・」
気をぬくと、かたく閉ざしてたはずのくちびるが、開いてしまう。ユウキとしてるとき
みたいな、べつの私があげるような声、もれだしてしまう。
ぶるっ、ぶるるっ・・・
指が、食いこみを深くえぐってくると、私の中のエッチセンサーが体をゆさぶる。そんな
しぐさすら、チカンをヨロコばせるだけなのに。
あっ、やめて、おねがい・・・
布切れごしのイタズラにあきた手が、上の方から中へ、侵入しようとしてる。
私、直接触られたら、ガマンできない。おっきな声、出ちゃう・・・
とっさに、あいてる方の手でチカンの手をつかむ。
スカートの中の、最後の抵抗。これ以上好きにされたら、私がスケベな女だって、ばれ
ちゃう。ここにいる全員に、知られてしまう。そうなってしまったら、もう、生きていけない。
男の手は強引にもぐりこもうとしてくる。もともと力の差はハッキリしていた。でも、ここ
で終わりにしなきゃ、ユウキとさんざんやりまくってきたこの体は、きっと言うことを聞いて
くれない。
いや・・・いや・・・
チカンの手首をにぎりしめた手が、汗ばんでだんだんすべってきた。アソコに触られるの
は、もう時間の問題。それでも、ツメを食いこませて何とかその手をひきはがそうとする。
どうして、こうなるの・・・?
涙が、あふれてきた。
でも、それはなんの解決にもならない。泣いたくらいで、やめてくれるわけない。腕が
しびれてきた。チカンの手はもう、半分なかに入っちゃってる。ふくらみの上で、うぶ毛
をこちょこちょくすぐってる。私が「コドモ」だってこと、からかってるみたいに。
そして、最終目標に向かってじりっじりっと、けんめいに進もうとしている。
えっ・・・!?
とつぜん、横から私の手がつかまれる。
その手が、いっきにうしろにもっていかれる。そして、チカンの手を上からかぶせられ、
棒のようなものをにぎらされる。
えっ・・・?えっ・・・?
熱くて、カタいそれは、私の手の中で、びくんびくんって、脈打ってる。
これって・・・オチンチン・・・
私がコンランしてるスキに、私のワレメが、チカンのものに・・・
くちゅっ・・・
「うくっ・・・!」
指が、私の中に入りこんでくる、カンショク。
やだ、はいってる・・・指が、ぬるっ・・・て、はいってる・・・
一本だけじゃゆるしてくれない。二本、三本、早いタイミングで、私のヌルヌルプール
の中に飛びこんでくる。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ・・・
「あ、あ、あ、あ・・・」
指が、あばれまわってる。こんなにおおぜいの人がいる中で、私、ぐちゃぐちゃにかき
まわされてる・・・三本とも、私のマンマン液のせいでものすごく動きがスムーズになって
る。おさえきれない感情が、アソコをはげしくつき上げる。もしかしたら、まわりの人に声
が聞こえてるかもしれない。それが自分でわからないくらい、ブレーキがこわれはじめて
る。
カバンを持ってる手を強くにぎりしめて、地獄のようなゴーモンにたえる。こうなって
しまうと、カバンはただの手じょう。反撃に使わなくちゃいけない”もう片方の手”を、
しばりつけてしまってる。
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ・・・
指のつけねまで、ハマってる。三本がひとつになって、泡立て器みたいに、まぜられて
る。かと思えば、ひとつひとつがランダムに、ぐりゅっぐりゅって、泳ぎまわってる。
キモチ・・・よくない・・・こんなの、キモチヨクなんか、ない・・・
ココロのガードまで、はぎ取られそう。こんな男の人のすることなんて、ゆるしちゃいけ
ないのに、ちゃんと、わかってるのに・・・
やめて、ぬいて、ゆび、ぬいて・・・
ぬぽっ・・・
いきなり指が引きぬかれる。
でもそれは、まんなかの指だけ。たぶん、きっと、クリットをいたぶるために・・・
だめ、そこはほんと、だめ・・・
コリッ・・・
「ぐっ・・・!」
すでにコチコチにボッキしてしまった、肉のつぶ。ようしゃ無く、ツメの先でクリクリ
されてしまう。ヌルヌルを使って、上手に上手にキモチヨクされてしまう。
「やっ・・・はっ・・・?」
手の中で、なにか動いてる。
いつの間にか私、ひとりでチカンのオチンチンをにぎりしめてた。片方の手が、カバンを
ぎゅっとにぎりしめるのと同じように。
クリット、クリクリっ、てされると、その指の動きに合わせてボッキをにぎる手に、キュっ
キュっ、力をこめてしまう。力がこもるたび、はりつめた肉のダンリョクが、クッ、クッ、と
手をおし返す。
それに・・・
「うっ、うっ・・・」
せなかから聞こえる、低い声。すべてが同じリズムをきざむ。
手のひらの感触で、カタチが頭の中に鮮明に浮かんでくる。イメージできてしまう、
そんな自分が情けなかった。
あごがカクカクになってる。口の中で歯と歯がぶつかり合う。よだれがたれて、制服を
よごしてしまう。もうひとりじゃ立っていられない。半分チカンにからだをあずける格好に
なっちゃってる。チカンの胸の中でひくん、ひくんってケーレンしてしまう。首すじに、なま
ぐさい息、ふりかけられる。
にちゃ、にちゃ、にちゃ、にちゃ、
「んっ・・・あぁっ・・・」
アタマ、ぼぉ・・・っとしてきた。もう、なにも、考えられない。このままじゃ、意識、失って
しまうかも。
アソコ、いい・・・マンコ、いい・・・
かたくなに、チカンのオチンチン、にぎりしめながら、熱っぽい意識で思うこと。
もう否定しない、否定できない、カイカン。でもたしかに感じている、たくさんの目に
監視されてる中で、ウットリとしてしまう、恐怖。
・・・ユウキ・・・たすけて・・・
いちばん気づいてほしくないのは、ユウキだった、はずだった。この他人ばかりの集団
の中で、おたがいを知ってる唯一の存在。
だけど、今はなにかにすがりつきたい。きっとユウキが、味方になってくれる、どうにか
してくれる、なぜだかそんな気でいた。
・・・ユウキ・・・ユウキ・・・
少しだけ残された理性の中で、すがるような視線を、目の前のユウキに送ってみる。
・・・え・・・ユウキ・・・?
満員電車。
もう、いいかげん慣れてしまった。その二十五分間、なんにも考えずにやり過ごすこと
にしている。
ただ、ユキにとってはひどく苦痛かもしれない。苦しい、熱い、痛い、クサい・・・なに
ひとつましなところが見当たらない空間。きっとユキには、この二十五分が何時間にも
感じられるんだろう。
とにかく、だまってガマンするしかない。僕は、だれとも視線のぶつからない方向を見
つけて、窓の外をながめてることにした。
いつもの朝の、いつもの電車の、いつものこと・・・
ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴト・・・
あれ・・・?
ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ・・・
違和、感。
”いつも”の中には一度もなかった、なにか。とにかくひどい混雑で、それがどこから
感じてるのかさえ、わからない。肩・・・じゃない。背中・・・でもない・・・
まさか・・・
おしり・・・だ・・・おしりをなでる手が、ある。
正確には、指先がおしりのまんなかを、なぞっている。
偶然かもしれない。そう思っても不自然ではないほど、その手はついたり離れたりして
いる。
もし、痴漢、だったら・・・
テレビとかでたまに聞くことがある。男が、痴漢にあうって。そんなこと自分に起こる
わけない、もちろんそう思っていた。でもまさか・・・
不安は、的中してしまった。
ハッと気がつくと、その手が僕のおしりをグイグイもんでいる。
痴漢・・・僕が、痴漢に・・・
”痴女”って言うのが正しいんだろうか。とにかく無遠慮に、手は僕のおしりをつかん
で離さない。
どうしよう、どうしよう・・・
まさか声をあげるわけにもいかない。でも、もしもおしりだけじゃすまなかったら・・・
「ひあっ・・・」
ふいに、その指をみぞの中にうめこまれてしまう。指で触っちゃいけないところに、
触れてくる。反射的に声がはじき出される。
となりのサラリーマンに変な目で見られてしまう。被害者は僕なのになんでこんな思い
をしなきゃ・・・
ぐりっ・・・ぐりっ・・・
「ぷっ・・・くっ・・」
たとえば、アリの巣穴をほりかえすような、そんな感じ。そこの筋肉をほぐすように
して、指が振動を加えてくる。自然とおしりに力が入ってしまう。ぎゅっ・・・と、その指
をはさみこんでしまう。
そんな・・・やめて・・・ください・・・
なおも攻撃は続けられる。学生ズボンまで”その中”に食いこんでしまいそうなほど、
強引におしこんでくる。
ぴくっ、ぴくぴくっ、
また、違和感。
だけど今度は、体の内側から。
はっきり、自分でわかる。でも信じられない、認めたくない、いま現れるべき反応なんか
じゃない、なんで、なんで・・・
アソコが、熱くなりはじめる・・・?
指の動きにおし出されるように、するどいショックが走って、前にはね上がってしまう。
速くなりはじめた心臓のリズムに合わせて、のたうちだしてる。
だって、そんなところを触られて、そんなきたないところを触られて、体が反応してしまう
なんて、ヘンタイじゃないのに・・・
「ふ・・・うぅ」
やっと、長い長い指責め、終わる。自然とため息が口をついて出る。いろんな意味で、
安心のためいき。
「・・・!」
うそっ・・・!
でも、それは終わりじゃなかった。
じりっ、じりっと、手がおしりから腰骨の方へ移動しはじめる。
まって、まって、そっちは・・・
ふと、視線を落とした先に、手が見えた。
「あ」
・・・それは、まぎれもなく、”痴漢”の手・・・
ゴツゴツしていて、指や、手の甲に、黒い毛を生やした、男の手。
そ、そんな・・・
驚く僕をよそに、背後から現れた手が、学生ズボンの前をさすりはじめる。
ひくっ、ひくんっ、
うそ、うそだ・・・
微妙にうごめく五本の指に誘われるように、アソコが身じろぎをはじめる。
こしゅこしゅこしゅこしゅこしゅ・・・
手が、せわしなく動く。上、下、上、下・・・列車とレールの音よりも、手がズボンを
こする音のほうが、やたら耳に入ってくる。
股間が、フワフワする。たちまち、ズボンの中が、ボッキでいっぱいになってしまう。
いやだ、いやだ、いやだ、いやだ・・・!
どこかで、女の人にされるなら、いいかな・・・って思っていた。津波のようにわいてくる、
恥ずかしさと自己嫌悪。
現状は、そんななまぬるいものじゃなくて、そんな中で僕の体が示した反応はもっと、
異常、だった。
よりによって、満員電車の中で、よりによって、男の人にコスられて、感じてしまうなんて、
僕はいったい・・・
ジ・・・
親指と人さし指が、ファスナーにかかる。
いやだっ・・・!
すかさず、僕はその手首をつかんだ。この手を中に入れてしまったら、僕は満員電車の
中で・・・
必死だった。近くの人にひじが当たったりするけど、そんなの気にしてられない。この
手をここからどかさないと・・・最悪の映像しか浮かんでこない。冷たい汗が、気持ち悪く
シャツをしめらせていく。
痴漢の手は、思った以上に力が強い。そういえば腕がかなりがっしりしている。でも、
あきらめるわけにはいかない。あきらめちゃだめだ・・・
腕の筋肉がガクガクいってきた。自分の抵抗に底が見えかくれする。でも僕にはこれが
最後なんだ。気持ちだけで限界以上の握力をしぼりだす。
えっ・・・
その次の瞬間、反対側からもう一本の手が現れた。
「あっ・・・」
はげしく抵抗していた僕の腕が、ガっとつかまれて、あっという間に後ろにもっていか
れる。そしてメタメタする、こわばったもの、僕の手の中に、おしこめられる。
・・・もしかして、これって・・・
ジ----・・・
あ、そんな・・・
気がつくと、ファスナーがゆっくりと下ろされていく。
・・・最初から、勝ち目なんて無かった。二対一。僕の片手には、カバンがぶら下がって
いたんだから。
敗北感で、のどの奥が苦しい。両目がじわっと、あつい。
やめて、おねがい・・・します・・・
追いつめられた僕に見せつけてるように、少しずつ、少しずつ、ズボンの前が開かれて
いく。クツジョク・・・そうとしか言いようがない気分。
ニオイが、もれちゃう・・・
こんなにたくさんの人に囲まれてるにもかかわらず、みるみる大きくなってしまったアソ
コのニオイが。うろたえてる頭に浮かぶ、見当ちがいな不安。
ジッ
ついに、ファスナー、全開。そして、手がズボンをかき分け、トランクスの中へ。
ぎゅっ
「ひあ」
ぶるんっ
ボッキが、取り出されてしまう。
場ちがいすぎて、自分のことじゃ、ないみたいだった。今にもはち切れそうになった、
まっ赤なそれが、浅黒い手の中にしっかりと、にぎられていた。
ぐっ、ぐっ、ぐっ、ぐっ、
「う、う、う、う・・・」
太い指に力をこめられると、透き通ったヌルヌルをにじみ出してしまう。あっという間
に、糸を引いて床にしたたるほど、あふれ返ってしまう。
ちゅるっちゅるっ
「くっ・・・!」
ヌルヌルの存在、気付かれてしまった。指先ですくい取って、先っぽにぬらぬらとぬり
こめてきた。ウラスジにツメを立てる。アタマを指の腹でマッサージする。ワレメのあたりに
振動を加える。すべての動作が、潤滑油のせいですごいスピード。
「ひはっ・・・っ・・・はっ・・・」
確実に、あの瞬間に、近づいている。
せなかが、ふるえる。呼吸が、とぎれる。とめどなく腰にショックが走る。何度も、何度
も、バクハツしそうになるのを、奥歯をかみしめてこらえる。
だって、目の前には、ユキが、いる。
いま、僕が、イって、しまったら・・・
悪い憶測だけが唯一、理性をつなぎ止めている。でも、事態はますます絶望的になって
いく。
ごしゅごしゅごしゅごしゅ・・・!
「・・・っ!・・・っ!うあっ・・・!」
親指と人さし指で、わっかを作って、シゴきあげられる。僕が見てるすぐそこで。
びくっ!びくっ!
シコシコにされていた。快感を与えてくれる人にだけしっぽをふる、僕のオチンチン。
脳の必死の制止には、耳もかしてくれない。
だめ・・・だ、ユキにかけちゃ、だめ・・・
ピク、ピクンッ・・・
「あっ・・・」
手の中で、うごめき。
ふと気がつくと、僕は自分から、痴漢のモノにつかまっていた。
まるで、それにすがりつくように。つり革とか、ドアの近くにあるパイプとカンちがいし
てるみたいに。手が汗ばむくらい、力をこめて。力をこめていると、手のひらのなかで、
感じられる、微動。それに・・・
「お、お、おぉ・・・」
微動とシンクロした、低い声。手のひらはどろどろしたものですっかりよごされてしまっ
てる。いつの間にか僕は”被害者”から”仲間”にされていた。すべてが、このヘンタイ
の思い通りだった。
視界がぼやけてきた。脳ミソがくだけちりそう。くやしくて、悲しくて、どこかに消えて
しまいたくなる。
ごしゅごしゅごしゅごしゅしゅごしゅごしゅごしゅごしゅ・・・
「く、う、う、あ、あぁ・・・ん・・・」
・・・もう、ユキには気づかれてしまってるはず。
明らかに取りみだしてる自分。声まで出したりなんかして、自分をおさえきれなくなって
る自分。
こんな僕の姿、どう思ってるんだろう。どんな顔、してるんだろう。
もちろんこんなところ、見られたくない。それがクラスメートで、自分のきょうだいでもある
人なら、なおさら。それでも、アタマの中を支配しはじめた感覚。うしろめたいことをして
いるときに感じる、人の目を気にするあの感覚。
どうしても、気になる。
ユキ・・・
僕は、おそるおそる、顔を上げてみる。
・・・あ・・・ユキ・・・?
声が、聞こえる。
ついきのう聞いたような、声。こんなところじゃ耳にしないはずの、声。
目の前のユウキ、耳までまっ赤にしてる。はきだされるそよ風のような息が、私ののど
もとをくすぐる。うつろな目が、下の方、キョロキョロしてる。
え・・・ユウキ・・・?
ユウキが気にしてる方向へ、視線を、下ろしてみる、と、そこに、あるのは・・・
・・・オチン・・・チン・・・?
しかも、すごい速さでコスってる。テロテロに光ってるワレメが、こっちに向けられて
る・・・
うそ、ユウキ、こんなところで・・・?
やっぱり、気づかれていたんだ。イヤらしい指の好きにされて、キモチヨクなっちゃった
私に。こんなにたくさんの人がいる中なのに、声すらおさえられなかったから。
でも、ユウキがガマンできないで、こんなにダイタンになることなんて、あるのかな・・・
あ・・・ちがう・・・
これ、ユウキの手じゃない。少し日に焼けた感じの、ゴツゴツした手。ユウキの手は、
もっと青白い女の子みたいな手だから、ユウキじゃない。ということは----
ユウキもだれかに触られてるんだ・・・
よく見れば、ユウキも私と同じかっこう。チカンにアソコをもてあそばれて、どうする
こともできずにカバンをにぎりしめていて、その、せなかのうしろでは・・・
・・・!
ユウキと、目が、あってしまった。
ぐちゅぐちゅぐちゅんっ・・・
「あ、あっあ・・・」
目があったまま、液をまぜまぜされてしまった。
その瞬間、私をつつみこんだ、なんて言うか、えっちな姿を見られる、カイカン・・・?
うっすら、なみだを浮かべたふたつのひとみ、じっ・・・と、こっち、見つめてる。細く開いた
くちびるから、声にならない声、もれてくる。
ハズカシイ・・・
さっきまでとはちがう、ハズカシさが、こみ上げてくる。ユウキに見られてる。名前も顔
も知らない男の人に、好きなようにカキまぜられて、ヨロコんでる私を。
でも、これって、なんだろう。頭の中に生まれはじめた感情。同情?・・・安心感?・・・
すぐそこにいるのは双子のお兄ちゃん・・・であってそうじゃない、あえて言うなら、私
自身を見てる見たいな。
着ている制服と、体の一部分だけがちがう、ほかはなんにもちがわない、自分。チカン
の人形にされてしまった自分自身を、もうひとりの自分を、ながめてる、そんな感覚。
自分の中で、なにか糸のようなものが、切れる音がした、気が、した。
私、ヒドイこと、されてる。私、かわいそう・・・
「ん、んんう・・・」
「く、ふ・・・くぅ・・・」
数回のアイコンタクト。
「んんん・・・」
あとは、なんにも考えずに、磁石みたいに、ふたりのくちびるが、近づいていく・・・
くちゅっ・・・
「んむぅ・・・」
くちゅっ・・・くちゅっ・・・
まわりの目なんて、カンケーない。こんなにカワイソウな、私たち。こうしていないと自分
が自分でなくなりそう。
「ん・・・ん・・・んぅ・・・」
甘えるように、ユウキが舌をからめてくる。なぐさめてあげるみたいに、ユウキの舌を
くすぐってあげる。それが、ココロのキズをいやすクスリになる気がして、おたがいのつば、
こくんっ、こくんっ・・・飲みほしていく。
カラダはこんなに、キモチイイ。なのに、自分の意志でユウキと触れているのは、くち
びるだけ。よく考えたら私、他人にキモチヨクさせられるのって、初めて。ユウキはなん
にもしてないのに、キスだけはしてるのに、アソコがひくひく感じてるなんて、なれない
感覚。
お兄・・・ちゃん・・・
お兄ちゃんのオチンチンが、私のおなかのあたり、当たってる。チカンの手の中で、
もがいてるの、わかる。クリットをイジりまわしてる指は、いっこうにその攻撃の手を
ゆるめようとはしてくれない。それどころか、マンコにはまった二本、さっきから閉じたり、
ひろげたり、好き放題に遊んでる・・・
キモチ、イイ。私ってば、キモチイイ・・・
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ・・・
ごしゅごしゅごしゅっ
お兄ちゃん、私、イっちゃう・・・いっしょに・・・イこ?・・・ふたりで、いっしょに・・・
「ん、んんんんんぅぅ・・・!」
いつもなら、わざと登校時間をずらすために私が早起きするんだけど、今日は目覚まし
のセットを忘れてしまっていた。
ふだんは家でも学校でも、私とユウキの間には一定の距離がある。べつに仲が悪い
わけじゃない。どうせいやでも毎日顔を合わせることになるから、それは自然のなりゆき
なんだけど。
そんなわけで学校に着くまでの時間、ほとんど会話がない。
ならんで歩いていくふたり。どちらがどちらにってわけじゃなく、歩調を合わせて、ただ
前を向いて。
気まずくはない。
いごごちがいいわけでもない。
そんなヘンな空気、どことなく気にはなる。でもまさか、「昨日はドキドキしたね」と
か、話したりするわけにもいかないし。
もどかしさを持てあましてるうちに、遠くに駅が見えてきた。
学校まではふたりとも電車を利用する。ホントならもう少しすいてるところに乗ること
ができるのに、ユウキがいつも乗るのは、頭に”超”がつくほどの、満員電車。
やだなぁ、制服がシワになっちゃうんだよなぁ。
それに、この電車って・・・
めいる気持ちをおさえて、ふたりはプラットホームへ、足を進める。
ユウキ、よくこんな電車に毎日乗るよね・・・
呼吸すらまともにできないくらいのこんざつ。肩やひじがぶつかってくるのは当たり前
だし、体重かけて足をふまれたって、だれも知らん顔。ほとんど表情も変えないユウキを
ソンケイしてしまうくらい。
きのうアイロンかけたんだけどなぁ・・・
どうしようもない。だれのせいでもない。そう思ってたえるしかない。学校のそばの駅
に着くまでの二十五分間を。
ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴト・・・
あっ・・・
ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ・・・
・・・あー、あたっちゃったかぁ・・・
プリーツのスカートに、だれかの手が触れる感触。
まずは手の甲の方を、つけたり、はなしたり。女の子の反応を見るための、ジョートー
手段。慎重に、ぐうぜんを演技してるみたいだけど、
たぶん、この人、チカン。直感でわかる。
「・・・」
このあとの展開は、全部わかってる。大きな声を出してこなければ、次は手のひら。
さらに、うまくいけばスカートの中に入りこんできて、下着ごしにオシリ、触ってくる。私、
全部わかってる。
「・・・」
全部わかってるのは、声を、あげられないから。
いつか、こんな満員電車の中で、チカンの手をつかんで大声を上げていた人がいた。
「この人チカンです」って。わたしにはちょっとできない。声をあげた瞬間、すべての乗客
の目線がそこに向けられる。自分が悪いことされているのに、あんなプレッシャーを受け
なくちゃいけないなんて・・・チカンもイヤだけど、私はいつもじっとこらえる方を選ぶ。
うわー・・・
チカンは、ガマンを決めた私を見て自信をつけたみたいだった。おどおどしていた手が
うら返される。
手のひらをいっぱいに使って、オシリのまるみを確認している。まるで吸盤みたいに、
ぴったり密着している。上から下、下から上とじっくりなでさすってくる。
背すじに打ちよせる、ゾクゾク。それは、気持ち悪いものにあったときに感じる寒気。
見ず知らずの男の手が、恋人でもなんでもない女の子のオシリをなでている。胸がムカ
ムカする。
でも、今はその手の攻撃をゆるすしか、ない。
やっ、ワレメにまで・・・
チカンは、じょじょに大胆さを増してくる。指が、お肉のあわせ目にもぐりこんできた。
もぞっ・・・
やめて、やめて、指、動かさないで・・・
オシリとオシリの間にうずもれた指が、うねうねうごめく。それはまるで毛虫か、イモ
ムシ。とにかくキモチワルイ虫のイメージ。だけど、そこはとってもビンカンな皮ふが集
まってる部分。どうしても、腰が、ヒクヒクしてしまう。
オシリで、チカンの指、キュっ・・・としめつけてしまう。
いやっ、その指、ぬいてっ・・・
でも、オシリには力が入りっぱなし。いっぱい人がいる中だからよけいに舞い上がって
る、そのことも手伝ってるみたい。チカンの指は、そこからぬけ出せなくなったのをいい
ことに、内側を強くマッサージしてくる。
うぅ、ハズカシイよう・・・
だって、指がターゲットにしてるのは、明らかに・・・アノぶぶん、私のカラダの中で、
いちばん、キタナイぶぶん・・・
そんなトコさわって、なにが楽しいの・・・?
火が出るみたい、まさにこのこと。からだ中の血が顔に集まってきてる。おでこから汗
の玉がつたってくる。もうのどがカラカラ。ただくちびるをかみしめて、どうすることも
できない自分をくやしがるだけ。
せめて、せめて目の前のユウキに気づかれないように、私は下を向いていた。
「・・・ふぅ・・・」
ふいに、オシリへの攻撃が、止まる。
よかった・・・
ほんとに、そう思った。長いためいき。全身にはりついていた緊張から、解放される。
でも・・・きっと終わりじゃない。いつもの駅に着くまでには、まだ、時間、残ってる。
・・・やっぱり・・・
少しして、下の方から、ふとももが外の空気にさらされていく感覚。スカートが、持ち
上げられはじめてる。
止めて、もうそこで、止めて・・・
ちょっとづつ、じわじわと。あまりにも長く時間をかけられて、かなり上の方までめく
られてるんじゃないかって、錯覚してしまうほど。
こんな、ぱんつ、見えちゃうよお・・・
気がつけば、もものつけねあたりまで、すっかりめくりあげられてしまっていた。チカン
のものらしいズボンが、じかに肌で感じられるくらい。
「くっ・・・」
のどの奥が、かすかになってしまう。
チカンの手が、むきだしのふとももの内側をさすってる。
右、左。強引に手のひらをわりこませて、かわりばんこに素肌の質感を味わっていた。
ねっとりとした手の動き。そこはふだん、自分でもさわらないようなところ。そんなところ
を、赤の他人に触らせてしまってる。
ひざから、力が吸い取られるみたい。かかとがこわれてしまったようにバランスを失い
はじめてる。ふるるっふるるって、下半身がふるえてしまう。そして・・・
ああ、ついに・・・
やっぱり、思った通り。手がゆっくりと、上のほうへ登ってくる。あきれるほどに予想して
いた通りの動き。きっとこのあとは、じっくりと、ねちっこく、私のオシリを触ってくる・・・
・・・えっ・・・?
予想外のコース。手のひらが、らせんを描いてふとももの外側へ・・・
えっ、やだっ、うそっ・・・
チカンが体を密着させる。手のひらはふとももの前の方にまわりこむ。じりっじりっ、
はい上がってくる・・・
そんな・・・
その手が行き着いたのは、おなかの下。
指先が、パンティーの上からおへその下の盛り上がったところをなでてきた。下着の手
ざわりを観察するみたいに、ゆっくりと、円を描いている。
そんな、アソコに触ろうとしてる・・・?
疑問はすぐに、確信に変えられる。
白いコットンに浮かび上がった一本のスジ。イヤらしい指に、見つけられてしまった・・・
「はっ・・・あ」
だめ、声、もれちゃう・・・
かるくツメをたてながら、二本の指が、たえまなく、下から上へ、速いスピードで。
触られてる・・・アソコに、触られてる・・・
「いっ・・・やっ・・・」
ワレメの方から感じるかすかなピリピリ。それまでの悪寒とは明らかにちがう種類のゾク
ゾクで、全身がつつみこまれてく。
なんで、なんで、こんなヤラしいチカンなんて、聞いたことない・・・
生地ごと食いこませて、指がアソコにおしつけられてしまう。ネンマクが、ぱんつでコスら
れる。ちょっとずつ、横ゆれの振動、大きくさせながら。
キモチ、イイ・・・?
頭のどこかで、そんなコトバが浮かんでは消える。
そんなこと、ない。
チカンにアソコをいじられて、キモチイイなんて、ありっこない・・・
でも、指がたどったみぞのあたりが、ジワっと、しめってきてるみたい。汗じゃない。生理
の可能性もない。希望的な予測はすべて打ち消される。ただ絶望的なだけの消去法。
私の奥の方から、ヌルヌルしたもの、わいてきてる・・・?
「んっ・・・んっ・・・」
気をぬくと、かたく閉ざしてたはずのくちびるが、開いてしまう。ユウキとしてるとき
みたいな、べつの私があげるような声、もれだしてしまう。
ぶるっ、ぶるるっ・・・
指が、食いこみを深くえぐってくると、私の中のエッチセンサーが体をゆさぶる。そんな
しぐさすら、チカンをヨロコばせるだけなのに。
あっ、やめて、おねがい・・・
布切れごしのイタズラにあきた手が、上の方から中へ、侵入しようとしてる。
私、直接触られたら、ガマンできない。おっきな声、出ちゃう・・・
とっさに、あいてる方の手でチカンの手をつかむ。
スカートの中の、最後の抵抗。これ以上好きにされたら、私がスケベな女だって、ばれ
ちゃう。ここにいる全員に、知られてしまう。そうなってしまったら、もう、生きていけない。
男の手は強引にもぐりこもうとしてくる。もともと力の差はハッキリしていた。でも、ここ
で終わりにしなきゃ、ユウキとさんざんやりまくってきたこの体は、きっと言うことを聞いて
くれない。
いや・・・いや・・・
チカンの手首をにぎりしめた手が、汗ばんでだんだんすべってきた。アソコに触られるの
は、もう時間の問題。それでも、ツメを食いこませて何とかその手をひきはがそうとする。
どうして、こうなるの・・・?
涙が、あふれてきた。
でも、それはなんの解決にもならない。泣いたくらいで、やめてくれるわけない。腕が
しびれてきた。チカンの手はもう、半分なかに入っちゃってる。ふくらみの上で、うぶ毛
をこちょこちょくすぐってる。私が「コドモ」だってこと、からかってるみたいに。
そして、最終目標に向かってじりっじりっと、けんめいに進もうとしている。
えっ・・・!?
とつぜん、横から私の手がつかまれる。
その手が、いっきにうしろにもっていかれる。そして、チカンの手を上からかぶせられ、
棒のようなものをにぎらされる。
えっ・・・?えっ・・・?
熱くて、カタいそれは、私の手の中で、びくんびくんって、脈打ってる。
これって・・・オチンチン・・・
私がコンランしてるスキに、私のワレメが、チカンのものに・・・
くちゅっ・・・
「うくっ・・・!」
指が、私の中に入りこんでくる、カンショク。
やだ、はいってる・・・指が、ぬるっ・・・て、はいってる・・・
一本だけじゃゆるしてくれない。二本、三本、早いタイミングで、私のヌルヌルプール
の中に飛びこんでくる。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ・・・
「あ、あ、あ、あ・・・」
指が、あばれまわってる。こんなにおおぜいの人がいる中で、私、ぐちゃぐちゃにかき
まわされてる・・・三本とも、私のマンマン液のせいでものすごく動きがスムーズになって
る。おさえきれない感情が、アソコをはげしくつき上げる。もしかしたら、まわりの人に声
が聞こえてるかもしれない。それが自分でわからないくらい、ブレーキがこわれはじめて
る。
カバンを持ってる手を強くにぎりしめて、地獄のようなゴーモンにたえる。こうなって
しまうと、カバンはただの手じょう。反撃に使わなくちゃいけない”もう片方の手”を、
しばりつけてしまってる。
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ・・・
指のつけねまで、ハマってる。三本がひとつになって、泡立て器みたいに、まぜられて
る。かと思えば、ひとつひとつがランダムに、ぐりゅっぐりゅって、泳ぎまわってる。
キモチ・・・よくない・・・こんなの、キモチヨクなんか、ない・・・
ココロのガードまで、はぎ取られそう。こんな男の人のすることなんて、ゆるしちゃいけ
ないのに、ちゃんと、わかってるのに・・・
やめて、ぬいて、ゆび、ぬいて・・・
ぬぽっ・・・
いきなり指が引きぬかれる。
でもそれは、まんなかの指だけ。たぶん、きっと、クリットをいたぶるために・・・
だめ、そこはほんと、だめ・・・
コリッ・・・
「ぐっ・・・!」
すでにコチコチにボッキしてしまった、肉のつぶ。ようしゃ無く、ツメの先でクリクリ
されてしまう。ヌルヌルを使って、上手に上手にキモチヨクされてしまう。
「やっ・・・はっ・・・?」
手の中で、なにか動いてる。
いつの間にか私、ひとりでチカンのオチンチンをにぎりしめてた。片方の手が、カバンを
ぎゅっとにぎりしめるのと同じように。
クリット、クリクリっ、てされると、その指の動きに合わせてボッキをにぎる手に、キュっ
キュっ、力をこめてしまう。力がこもるたび、はりつめた肉のダンリョクが、クッ、クッ、と
手をおし返す。
それに・・・
「うっ、うっ・・・」
せなかから聞こえる、低い声。すべてが同じリズムをきざむ。
手のひらの感触で、カタチが頭の中に鮮明に浮かんでくる。イメージできてしまう、
そんな自分が情けなかった。
あごがカクカクになってる。口の中で歯と歯がぶつかり合う。よだれがたれて、制服を
よごしてしまう。もうひとりじゃ立っていられない。半分チカンにからだをあずける格好に
なっちゃってる。チカンの胸の中でひくん、ひくんってケーレンしてしまう。首すじに、なま
ぐさい息、ふりかけられる。
にちゃ、にちゃ、にちゃ、にちゃ、
「んっ・・・あぁっ・・・」
アタマ、ぼぉ・・・っとしてきた。もう、なにも、考えられない。このままじゃ、意識、失って
しまうかも。
アソコ、いい・・・マンコ、いい・・・
かたくなに、チカンのオチンチン、にぎりしめながら、熱っぽい意識で思うこと。
もう否定しない、否定できない、カイカン。でもたしかに感じている、たくさんの目に
監視されてる中で、ウットリとしてしまう、恐怖。
・・・ユウキ・・・たすけて・・・
いちばん気づいてほしくないのは、ユウキだった、はずだった。この他人ばかりの集団
の中で、おたがいを知ってる唯一の存在。
だけど、今はなにかにすがりつきたい。きっとユウキが、味方になってくれる、どうにか
してくれる、なぜだかそんな気でいた。
・・・ユウキ・・・ユウキ・・・
少しだけ残された理性の中で、すがるような視線を、目の前のユウキに送ってみる。
・・・え・・・ユウキ・・・?
満員電車。
もう、いいかげん慣れてしまった。その二十五分間、なんにも考えずにやり過ごすこと
にしている。
ただ、ユキにとってはひどく苦痛かもしれない。苦しい、熱い、痛い、クサい・・・なに
ひとつましなところが見当たらない空間。きっとユキには、この二十五分が何時間にも
感じられるんだろう。
とにかく、だまってガマンするしかない。僕は、だれとも視線のぶつからない方向を見
つけて、窓の外をながめてることにした。
いつもの朝の、いつもの電車の、いつものこと・・・
ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴト・・・
あれ・・・?
ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ、ゴトッゴトッ・・・
違和、感。
”いつも”の中には一度もなかった、なにか。とにかくひどい混雑で、それがどこから
感じてるのかさえ、わからない。肩・・・じゃない。背中・・・でもない・・・
まさか・・・
おしり・・・だ・・・おしりをなでる手が、ある。
正確には、指先がおしりのまんなかを、なぞっている。
偶然かもしれない。そう思っても不自然ではないほど、その手はついたり離れたりして
いる。
もし、痴漢、だったら・・・
テレビとかでたまに聞くことがある。男が、痴漢にあうって。そんなこと自分に起こる
わけない、もちろんそう思っていた。でもまさか・・・
不安は、的中してしまった。
ハッと気がつくと、その手が僕のおしりをグイグイもんでいる。
痴漢・・・僕が、痴漢に・・・
”痴女”って言うのが正しいんだろうか。とにかく無遠慮に、手は僕のおしりをつかん
で離さない。
どうしよう、どうしよう・・・
まさか声をあげるわけにもいかない。でも、もしもおしりだけじゃすまなかったら・・・
「ひあっ・・・」
ふいに、その指をみぞの中にうめこまれてしまう。指で触っちゃいけないところに、
触れてくる。反射的に声がはじき出される。
となりのサラリーマンに変な目で見られてしまう。被害者は僕なのになんでこんな思い
をしなきゃ・・・
ぐりっ・・・ぐりっ・・・
「ぷっ・・・くっ・・」
たとえば、アリの巣穴をほりかえすような、そんな感じ。そこの筋肉をほぐすように
して、指が振動を加えてくる。自然とおしりに力が入ってしまう。ぎゅっ・・・と、その指
をはさみこんでしまう。
そんな・・・やめて・・・ください・・・
なおも攻撃は続けられる。学生ズボンまで”その中”に食いこんでしまいそうなほど、
強引におしこんでくる。
ぴくっ、ぴくぴくっ、
また、違和感。
だけど今度は、体の内側から。
はっきり、自分でわかる。でも信じられない、認めたくない、いま現れるべき反応なんか
じゃない、なんで、なんで・・・
アソコが、熱くなりはじめる・・・?
指の動きにおし出されるように、するどいショックが走って、前にはね上がってしまう。
速くなりはじめた心臓のリズムに合わせて、のたうちだしてる。
だって、そんなところを触られて、そんなきたないところを触られて、体が反応してしまう
なんて、ヘンタイじゃないのに・・・
「ふ・・・うぅ」
やっと、長い長い指責め、終わる。自然とため息が口をついて出る。いろんな意味で、
安心のためいき。
「・・・!」
うそっ・・・!
でも、それは終わりじゃなかった。
じりっ、じりっと、手がおしりから腰骨の方へ移動しはじめる。
まって、まって、そっちは・・・
ふと、視線を落とした先に、手が見えた。
「あ」
・・・それは、まぎれもなく、”痴漢”の手・・・
ゴツゴツしていて、指や、手の甲に、黒い毛を生やした、男の手。
そ、そんな・・・
驚く僕をよそに、背後から現れた手が、学生ズボンの前をさすりはじめる。
ひくっ、ひくんっ、
うそ、うそだ・・・
微妙にうごめく五本の指に誘われるように、アソコが身じろぎをはじめる。
こしゅこしゅこしゅこしゅこしゅ・・・
手が、せわしなく動く。上、下、上、下・・・列車とレールの音よりも、手がズボンを
こする音のほうが、やたら耳に入ってくる。
股間が、フワフワする。たちまち、ズボンの中が、ボッキでいっぱいになってしまう。
いやだ、いやだ、いやだ、いやだ・・・!
どこかで、女の人にされるなら、いいかな・・・って思っていた。津波のようにわいてくる、
恥ずかしさと自己嫌悪。
現状は、そんななまぬるいものじゃなくて、そんな中で僕の体が示した反応はもっと、
異常、だった。
よりによって、満員電車の中で、よりによって、男の人にコスられて、感じてしまうなんて、
僕はいったい・・・
ジ・・・
親指と人さし指が、ファスナーにかかる。
いやだっ・・・!
すかさず、僕はその手首をつかんだ。この手を中に入れてしまったら、僕は満員電車の
中で・・・
必死だった。近くの人にひじが当たったりするけど、そんなの気にしてられない。この
手をここからどかさないと・・・最悪の映像しか浮かんでこない。冷たい汗が、気持ち悪く
シャツをしめらせていく。
痴漢の手は、思った以上に力が強い。そういえば腕がかなりがっしりしている。でも、
あきらめるわけにはいかない。あきらめちゃだめだ・・・
腕の筋肉がガクガクいってきた。自分の抵抗に底が見えかくれする。でも僕にはこれが
最後なんだ。気持ちだけで限界以上の握力をしぼりだす。
えっ・・・
その次の瞬間、反対側からもう一本の手が現れた。
「あっ・・・」
はげしく抵抗していた僕の腕が、ガっとつかまれて、あっという間に後ろにもっていか
れる。そしてメタメタする、こわばったもの、僕の手の中に、おしこめられる。
・・・もしかして、これって・・・
ジ----・・・
あ、そんな・・・
気がつくと、ファスナーがゆっくりと下ろされていく。
・・・最初から、勝ち目なんて無かった。二対一。僕の片手には、カバンがぶら下がって
いたんだから。
敗北感で、のどの奥が苦しい。両目がじわっと、あつい。
やめて、おねがい・・・します・・・
追いつめられた僕に見せつけてるように、少しずつ、少しずつ、ズボンの前が開かれて
いく。クツジョク・・・そうとしか言いようがない気分。
ニオイが、もれちゃう・・・
こんなにたくさんの人に囲まれてるにもかかわらず、みるみる大きくなってしまったアソ
コのニオイが。うろたえてる頭に浮かぶ、見当ちがいな不安。
ジッ
ついに、ファスナー、全開。そして、手がズボンをかき分け、トランクスの中へ。
ぎゅっ
「ひあ」
ぶるんっ
ボッキが、取り出されてしまう。
場ちがいすぎて、自分のことじゃ、ないみたいだった。今にもはち切れそうになった、
まっ赤なそれが、浅黒い手の中にしっかりと、にぎられていた。
ぐっ、ぐっ、ぐっ、ぐっ、
「う、う、う、う・・・」
太い指に力をこめられると、透き通ったヌルヌルをにじみ出してしまう。あっという間
に、糸を引いて床にしたたるほど、あふれ返ってしまう。
ちゅるっちゅるっ
「くっ・・・!」
ヌルヌルの存在、気付かれてしまった。指先ですくい取って、先っぽにぬらぬらとぬり
こめてきた。ウラスジにツメを立てる。アタマを指の腹でマッサージする。ワレメのあたりに
振動を加える。すべての動作が、潤滑油のせいですごいスピード。
「ひはっ・・・っ・・・はっ・・・」
確実に、あの瞬間に、近づいている。
せなかが、ふるえる。呼吸が、とぎれる。とめどなく腰にショックが走る。何度も、何度
も、バクハツしそうになるのを、奥歯をかみしめてこらえる。
だって、目の前には、ユキが、いる。
いま、僕が、イって、しまったら・・・
悪い憶測だけが唯一、理性をつなぎ止めている。でも、事態はますます絶望的になって
いく。
ごしゅごしゅごしゅごしゅ・・・!
「・・・っ!・・・っ!うあっ・・・!」
親指と人さし指で、わっかを作って、シゴきあげられる。僕が見てるすぐそこで。
びくっ!びくっ!
シコシコにされていた。快感を与えてくれる人にだけしっぽをふる、僕のオチンチン。
脳の必死の制止には、耳もかしてくれない。
だめ・・・だ、ユキにかけちゃ、だめ・・・
ピク、ピクンッ・・・
「あっ・・・」
手の中で、うごめき。
ふと気がつくと、僕は自分から、痴漢のモノにつかまっていた。
まるで、それにすがりつくように。つり革とか、ドアの近くにあるパイプとカンちがいし
てるみたいに。手が汗ばむくらい、力をこめて。力をこめていると、手のひらのなかで、
感じられる、微動。それに・・・
「お、お、おぉ・・・」
微動とシンクロした、低い声。手のひらはどろどろしたものですっかりよごされてしまっ
てる。いつの間にか僕は”被害者”から”仲間”にされていた。すべてが、このヘンタイ
の思い通りだった。
視界がぼやけてきた。脳ミソがくだけちりそう。くやしくて、悲しくて、どこかに消えて
しまいたくなる。
ごしゅごしゅごしゅごしゅしゅごしゅごしゅごしゅごしゅ・・・
「く、う、う、あ、あぁ・・・ん・・・」
・・・もう、ユキには気づかれてしまってるはず。
明らかに取りみだしてる自分。声まで出したりなんかして、自分をおさえきれなくなって
る自分。
こんな僕の姿、どう思ってるんだろう。どんな顔、してるんだろう。
もちろんこんなところ、見られたくない。それがクラスメートで、自分のきょうだいでもある
人なら、なおさら。それでも、アタマの中を支配しはじめた感覚。うしろめたいことをして
いるときに感じる、人の目を気にするあの感覚。
どうしても、気になる。
ユキ・・・
僕は、おそるおそる、顔を上げてみる。
・・・あ・・・ユキ・・・?
声が、聞こえる。
ついきのう聞いたような、声。こんなところじゃ耳にしないはずの、声。
目の前のユウキ、耳までまっ赤にしてる。はきだされるそよ風のような息が、私ののど
もとをくすぐる。うつろな目が、下の方、キョロキョロしてる。
え・・・ユウキ・・・?
ユウキが気にしてる方向へ、視線を、下ろしてみる、と、そこに、あるのは・・・
・・・オチン・・・チン・・・?
しかも、すごい速さでコスってる。テロテロに光ってるワレメが、こっちに向けられて
る・・・
うそ、ユウキ、こんなところで・・・?
やっぱり、気づかれていたんだ。イヤらしい指の好きにされて、キモチヨクなっちゃった
私に。こんなにたくさんの人がいる中なのに、声すらおさえられなかったから。
でも、ユウキがガマンできないで、こんなにダイタンになることなんて、あるのかな・・・
あ・・・ちがう・・・
これ、ユウキの手じゃない。少し日に焼けた感じの、ゴツゴツした手。ユウキの手は、
もっと青白い女の子みたいな手だから、ユウキじゃない。ということは----
ユウキもだれかに触られてるんだ・・・
よく見れば、ユウキも私と同じかっこう。チカンにアソコをもてあそばれて、どうする
こともできずにカバンをにぎりしめていて、その、せなかのうしろでは・・・
・・・!
ユウキと、目が、あってしまった。
ぐちゅぐちゅぐちゅんっ・・・
「あ、あっあ・・・」
目があったまま、液をまぜまぜされてしまった。
その瞬間、私をつつみこんだ、なんて言うか、えっちな姿を見られる、カイカン・・・?
うっすら、なみだを浮かべたふたつのひとみ、じっ・・・と、こっち、見つめてる。細く開いた
くちびるから、声にならない声、もれてくる。
ハズカシイ・・・
さっきまでとはちがう、ハズカシさが、こみ上げてくる。ユウキに見られてる。名前も顔
も知らない男の人に、好きなようにカキまぜられて、ヨロコんでる私を。
でも、これって、なんだろう。頭の中に生まれはじめた感情。同情?・・・安心感?・・・
すぐそこにいるのは双子のお兄ちゃん・・・であってそうじゃない、あえて言うなら、私
自身を見てる見たいな。
着ている制服と、体の一部分だけがちがう、ほかはなんにもちがわない、自分。チカン
の人形にされてしまった自分自身を、もうひとりの自分を、ながめてる、そんな感覚。
自分の中で、なにか糸のようなものが、切れる音がした、気が、した。
私、ヒドイこと、されてる。私、かわいそう・・・
「ん、んんう・・・」
「く、ふ・・・くぅ・・・」
数回のアイコンタクト。
「んんん・・・」
あとは、なんにも考えずに、磁石みたいに、ふたりのくちびるが、近づいていく・・・
くちゅっ・・・
「んむぅ・・・」
くちゅっ・・・くちゅっ・・・
まわりの目なんて、カンケーない。こんなにカワイソウな、私たち。こうしていないと自分
が自分でなくなりそう。
「ん・・・ん・・・んぅ・・・」
甘えるように、ユウキが舌をからめてくる。なぐさめてあげるみたいに、ユウキの舌を
くすぐってあげる。それが、ココロのキズをいやすクスリになる気がして、おたがいのつば、
こくんっ、こくんっ・・・飲みほしていく。
カラダはこんなに、キモチイイ。なのに、自分の意志でユウキと触れているのは、くち
びるだけ。よく考えたら私、他人にキモチヨクさせられるのって、初めて。ユウキはなん
にもしてないのに、キスだけはしてるのに、アソコがひくひく感じてるなんて、なれない
感覚。
お兄・・・ちゃん・・・
お兄ちゃんのオチンチンが、私のおなかのあたり、当たってる。チカンの手の中で、
もがいてるの、わかる。クリットをイジりまわしてる指は、いっこうにその攻撃の手を
ゆるめようとはしてくれない。それどころか、マンコにはまった二本、さっきから閉じたり、
ひろげたり、好き放題に遊んでる・・・
キモチ、イイ。私ってば、キモチイイ・・・
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ・・・
ごしゅごしゅごしゅっ
お兄ちゃん、私、イっちゃう・・・いっしょに・・・イこ?・・・ふたりで、いっしょに・・・
「ん、んんんんんぅぅ・・・!」
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