親子の時間1
妄想洋子と申します。60歳、息子の悟と二人暮らしをしております。悟は36歳、独身の会社員です。私達は世間様には親子として、二人だけのときは夫婦として暮らしております。そんな私達のことをお話させていただきます。
昨年主人を亡くして独り身になりました。当時悟は仕事の都合で家をでてアパート暮らしをしておりました。月に1回程度、月命日に合わせて帰ってきてくれる優しい子です。その頃は私もパートの仕事をしており気ぜわしく生活をしており悟の気持ちに気がつくこともなく過ごしていました。いえ、今思えば本当は気が付かないふりをしていたのかもしれません。悟は日曜日の昼頃やって来て夕方には帰っていきました。いつも私の大好きな芋ようかんをお土産に持ってきてくれ、3時に二人でお茶を飲みながら息子の手土産をいただくのでした。一口大に切った芋ようかんを口に入れると悟の視線が私の口元にあることに気が付きました。
「なにか付いてる?」
「いや、母さんはいつも美味しそうに食べるね。」
「母さんの大好物だもの。」
「喜んでもらって嬉しいよ。」
悟の私への思いに気が付かないまま半年が過ぎようとしていました。
昨年主人を亡くして独り身になりました。当時悟は仕事の都合で家をでてアパート暮らしをしておりました。月に1回程度、月命日に合わせて帰ってきてくれる優しい子です。その頃は私もパートの仕事をしており気ぜわしく生活をしており悟の気持ちに気がつくこともなく過ごしていました。いえ、今思えば本当は気が付かないふりをしていたのかもしれません。悟は日曜日の昼頃やって来て夕方には帰っていきました。いつも私の大好きな芋ようかんをお土産に持ってきてくれ、3時に二人でお茶を飲みながら息子の手土産をいただくのでした。一口大に切った芋ようかんを口に入れると悟の視線が私の口元にあることに気が付きました。
「なにか付いてる?」
「いや、母さんはいつも美味しそうに食べるね。」
「母さんの大好物だもの。」
「喜んでもらって嬉しいよ。」
悟の私への思いに気が付かないまま半年が過ぎようとしていました。
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