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小説(転載) こちら気功治療院 1/2

官能小説
04 /08 2015
私は新規に自ら開設した気功治療院の診察台に寝ころんで回想をしている。
 開院して5日目になるがいまだ一人も客はなくあくびが出るほど暇である。
(これから先どうなるんだろうか、まだ5日だから仕方ないか・・)
 院長は私、他に助手も事務員もいない。
 私はまだ38歳だというのに長引く不況から15年あまり勤めた会社をリス
トラされ、これからどうしたらいいのかさんざ迷い悩んだ。
 幸いにして、独り者で家族の生活などの心配する必要もないことから、いち
ばちでわずかな退職金と貯金をはたき、東横線沿線の学芸大駅に近い古い貸店
舗を改装し、気功治療院を開院したのだ。
 私にはこれと言って持っている資格や技術はないが、唯一他の誰も持ってい
ない、生まれながらの親からもらったマジックハンドがある。
 これに気づいたのは大学生になり、人並みにSEXが出来る彼女が出来たか
らだ。
 彼女は私の手による愛撫に大きな声を出して反応した。
 女性経験のない私は当初「裏ビデオと同じで女は皆、SEXの時は声を出し
てよがるもの」と気にもしなかったが、その後風俗の子も合コンでのお持ち帰
りした女の子も異常なまでに反応をした。
「あなたの手って、身体にさわってもいないのに、近づいてくるだけでしびれ
たような感じで気持ちがよくなるの・・さわられるとさらに刺激が強くなり、
熱くなって、おかしくなるほど気持ちが良いいの・・あなたの体の中に電気で
も流れてるの?」
 そう言われてみれば、忘れていたが、子供の頃、両親や祖母の肩を揉むと、
「和ちゃん、今日は上手ね、しびれるような感じでとても気持ちが良いよ」
などとよく言われた。
 TVの超能力の番組を見ながらスプーンを曲げたら、私だけがいとも簡単に
曲げるので家族から不思議がられたこともあり、思い当たる節はある。
 その後、SEXの愛撫だけではなく、職場の同僚を肩もみなどで試してみた
が、相手に感じるときと感じないときがある。
 それから試しまくり、彼女を愛しく思い愛撫するときのように心を込めて肩
もみなどをするとしびれるような感覚から肩こりが和らいで気持ちが良くなっ
ていくらしいことや、治れ・・気持ちよくなれと念じるとさらに強く相手に感
じることが分かった。
 でも、この能力はリストラされるまでのサラリーマン生活にはまったく無用
なものだった。
 開業するのには難問があった。
 免許である。
 しかし、今更、気功の学校で免許?を取る時間も暇も金銭的余裕もない。
(そうだ、もぐりで開院しよう。道具は私の手と簡単な診察台だけですむ。や
ばくなったら夜逃げして・・またどこかでやればいい・・生きてる限り私には
マジックハンドがある。)
 大々的な宣伝は出来ないからHPを開設した。
・自信と信頼、中山気功治療院
・頭痛、肩こり、腰痛、神経痛の緩和治療
・完全予約制、1時間:5000~10000円
・症状が改善されない場合は治療費を返還。
・ 東横線学芸大駅、徒歩15分
・ 送迎無料
・予約お問い合わせ
 TEL 03-000-0000 又はメール
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 時計は午後1時半を回った。今日もまだ一人の客も電話もない。
 突然、沈黙していた電話が鳴った。
「中山気功治療院です。」
「予約したいのですが?」
「どうなされました?」
「肩こりがひどくて頭が割れそうに痛いんです。」
「それは大変ですね。」
「今からでも来院できますか?」
「えっ、予約なしでも良いのですか?」
 私はとっさに嘘をつく(初めてのお客を逃がしてなるものか)
「今日は午後から休診でしたが、お客様の様態をお聞きし、治療は早いほうが
良いと思いまして、お近くでしたら送迎しますが?」
「渋谷です。」
「それなら学芸大駅まで電車で来てください。駅までお迎えに行きます。」
「タクシーで行きたいのですが、治療院はどこにあるのですか?」
(もぐりの開院だから・・どうしようか、声からして30代の落ち着いた奥様
のような感じがする)
「すみませんが、日本気功治療院から独立して開院したばかりなのでお客様サ
ービスのために送迎をしています。渋谷からタクシーだと道が混んでいます。
電車なら当院まで15分ですよ。」
「・・・・・・・・・」
「お苦しみのようですから早いほうが良いかと思います。どなたか付き添いの
方は」
「いいえ、私一人です。」
 私も客に逃げられまいと必死。
「どうしてもとおっしゃるならご自宅までお迎えに上がりますが、もし治療な
さって改善が見られない場合は料金は頂きません。」
「分かりました。どうすればいいのでしょうか?」
「学芸大駅に着きましたら電話してください。5分以内にお迎えに上がります。
車は白いワゴン車です。・・失礼ですがお名前は?」
「松下です。」
「タクシー乗り場の後方に下がってお待ちください、お声を掛けます。」
 30分後再び電話が鳴り迎えに
 年の頃は30前後、女性としては背は高くスレンダーで清楚なセレブな若奥
様風、しかも美人。
(最初のお客様は美人・・・誠意を込めて治療しなければ)
「松下様ですか?」
「はい」
「中山です。どうぞお乗りください」私は白衣姿で声を掛けた。
 車は5分ほど狭い道を走り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「どうぞ」
「ここですか?」
 患者が不思議がるのも無理はない。看板には中山気功治療院とは書いてはあ
るものの小さくて目立たないし自宅兼治療院は長屋風のテナントで元美容院だ
ったものである。
「どうぞ」
 ドアを開ける。
 玄関横に小窓を付けて受付、待合い用に長いすを置き、ドアを開けると10
畳の治療室、隣は見えないが私の生活用の6畳間。
 治療室はクリーム色に統一し中央に中古の治療台、デスクにPC、壁には人
体のつぼの位置を表す絵と寄せ集めの中国の気功師の写真を貼った。
 一応、それらしき雰囲気には改装し、リラックス効果のある中国の香をたい
ている。
「どうぞお座りください。お名前とお歳、ご住所、・・電話番号は?・・すみ
ませんが気功治療には健康保険がききませんがよろしいですか?」
 私はカルテを書く。
 記念すべき私の患者第1号の女性は松下綾、31歳、既婚、子供なし・・
「後ろを向いてください。」
 私は綾の肩に触る。
 一瞬綾はびくっとする。
「どうしました?」
「何か電流が走ったような気がして」
「気功治療は初めてですか?」
「はい」
「痛くはないと思いますが・・痛かったら遠慮なさらず言ってください。」
 私は綾の肩を軽く揉む。
「凝ってますねぇ、これでは頭が痛いはずです。この肩こりと頭痛は全身の疲
れから来ています。とりあえず頭痛を緩和させ、それから本格的な治療をしま
しょう。」
 私は強く念を込め、肩を優しく、1回、2回、3回、5cmほど肩から手を
離して手のひらから気を送る。
「あっ・・」
「痛いですか?」
「いいえ、何か肩がしびれているような」
「良いですか、人間には自分の身体を自分で治す力を誰もが持っているのです。
その力は人によって強弱があります。奥さんも持っているんですよ。一緒に頭
痛が治れと念じて下さい。私の気功と奥さんが強く念じることで効果はいっそ
う高まります。」
 共に10回ほど念を入れる。
「どうですか?」
「先生、もう頭が痛くありません。不思議です。さっきまで割れるほど痛かっ
たのに」
「あなた自身の力もあるんですよ。私はそれを手助けしているだけですよ。」
「本当なのですか?私にも力が・・でも先生の手から電気のようなものが出て
いるような感じで身体が熱くなってくるんです。それがすごく気持ちが良いん
です。」
「それでは治療に入ります。ついたての裏に着替えが用意してあります。」
(着替え?ここで?・・どうしよう先生と二人きり・・)
 綾の不安げな顔。


(2)へつづく・・・

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。