小説(転載) In bath room -望と佐織-
官能小説
最後まで読んで怒らないように。
佐織は震える手でマンションのインターホンを押した。
しばらくすると、ドアが開き、中から彼がいつもの憂いを秘めた表情で表れた。
佐織は優しくて、よく気がきくおとなしい眼鏡の小学5年生の女の子。
クラスの女の子と比べると、物静かで少し大人びた印象があり、
時折見せるその笑顔は、見ている人間にやすらぎを与えた。
そんな彼女にも胸に秘めた男性がいた。
毎朝通学に使う電車の中で、いつも同じ車両に乗る眼鏡の高校生の男性がいつも気になっていた。
彼とはいつも乗る駅も降りる駅も一緒である。
そんなある日、ホームに茶色い財布が落ちているのを見つけた。
(だれのだろう?)
まじめな佐織はその財布を駅員に届けようと思い、財布を拾い上げて中を見てみた。
(え……)
佐織は中身を見て凍り付いた。
憧れの彼の写真が学生証に貼ってあったのだ。
(秋月 望……。望さんっていうんだ)
その日は雨だった。
しかし、佐織は望の財布を駅員に届けようとせず、雨の中をずぶぬれになって彼の住所を頼りに、
彼の家を探し歩いた。
そのうちに、クリーム色の14階建てのマンションを見つけた。
『セゾン滝沢』
間違いない、彼のマンションだ。
「……なに?」
シャツにジーパン、こぎれいな姿の望が佐織に問いかけた。
「あ、あの、財布を拾ったので……。」
佐織は頭が真っ白になって何を言っているのかも分からなかった。
「……入れよ。シャワー貸してやるよ。」
ずぶぬれの佐織を見て望はそう言ったのだろう。
すでに彼は部屋の奥の方に入って行っていた。
「失礼します。」
おそるおそる佐織が玄関に入ると、きちんと片づいたマンションの1室がそこにあった。
「こっちだ。」
望が親指で浴室を指すと、佐織はそちらに歩きだした。
体中濡れているため、歩くたびに床が濡れてしまう。
佐織は罪悪感を感じながらも、つま先立ちで浴室に向かった。
望が浴室を離れると、すっかり濡れて肌に張り付いてしまっている服を一枚一枚脱いだ。
佐織は私立の小学校に通っているので、茶色のかわいいワンピースの制服を着ていた。
靴下を脱いで、ワンピースも脱いだ。
まだ未発達な胸はブラジャーをつけることをためらい、シャツですませていた。
さすがに下着姿になると、望の存在が気になる。
彼は台所の方で電子レンジを触っているようだ。
おそるおそるシャツを脱ぎ、ショーツを脱いで、それを洗濯機に放り込んで、
あわててバスタオルで体を隠した。
浴室を開けると、きれいなユニットバスで佐織は悪い気はしなかった。
(望さんってきれい好きなんだ。)
佐織はそんなことを考えながら、シャワーのコックを開いた。
「あち。」
先にお湯の方を開いたので、少し熱いお湯が出てきた。
水の量を調節して、丁度いい湯加減になったので、足の方から順番に体にお湯をかけた。
(きもちいい……)
シャワーの湯加減にうっとりしていると、ふと、浴室に人が近づく気配を感じた。
(!)
次の瞬間にはもう浴室のドアは開かれ、望が入ってきた。
「きゃ……!」
声にならない声を上げて、佐織は自分の大事な部分を手で隠した。
そして、シャワーを望に向けることによって、少なからず抵抗した。
それを無視して、びしょぬれになりながらも望は強引に佐織を壁ぎわに押しつけた。
「な、な、な、………!」
佐織は何がなんだか分からなかった。
ただ、恥ずかしいと恐いという感情のみが働いていた。
「……俺のこと、好きなんだろう?」
望が佐織の両腕を片腕で引っ張り上げながら、顔を近づけながら言った。
望の眼鏡が曇る。
「……やっ!」
必死で抵抗する佐織だが、男の腕力にはかなわない。
「……俺、眼鏡の娘って好きなんだ。」
そういうと、もう片方の手で、さっき洗濯機のところに置いておいた佐織の眼鏡をかけさせられた。
すぐに、風呂の湯気で眼鏡が曇る。
「……電車でいつも俺のことを見ているの、知ってたよ。」
両腕を身動きできないほど拘束されているのにもかかわらず、それほどの苦痛を佐織は感じなかった。
そういうなり、いきなり望は佐織に唇を重ねてきた。
「んんん……!!」
強引ではあったものの、どこかしら優しさのあるキスだったので、佐織はそれほど抵抗しなかった。
佐織にとってそれはファーストキスだった。
望は佐織の両腕を解放した。
佐織はその場に崩れ、放心していた。
じゃあ、じゃあ、とシャワーの流れる音が浴室に響いていた。
望はシャワーのコックを閉めると、ボディソープとスポンジをとりだした。
「……体、洗ってやるよ。」
ふいに、望の声に反応したかのように、佐織は大切なところを隠した。
「……俺のこと、好きなんだろ?」
曇った眼鏡を拭きながら、再び彼が聞いた。
佐織は「はい、そうです。」と言わんばかりに、真っ赤になった。
黙ったまま、望はスポンジにボディソープをつけて、泡立て始めた。
望は服を着たままで、先ほどの佐織のシャワー攻撃にあっているのでびしょぬれである。
その先を悟った佐織は、
「い、い、いいです。じ、自分で洗えますから。」
と必死に抵抗するが、望の憂いを秘めた笑顔には勝てなかった。
「いたっ!」
佐織が実を縮める。
「いたいです。……もっと優しくして下さい。」
曇った眼鏡を拭きながら、佐織が言った。
「……駄目だよ。ちゃんと洗わないと……。」
望は手を動かすのをやめない。
「そ、そこは、だめです。」
必死に懇願する佐織を尻目に、望は続けた。
「いた、いたい!」
望は眼鏡をかけ直すと、よりいっそう手の動きを激しくした。
「あ、ああ、いた、いたーい。」
佐織は精いっぱいの声を上げて果てた。
「……やっぱり背中はちゃんとあらわなきゃね。」
「はい。」
望が佐織をきれいにシャワーで洗い流して上げた。
「……台所に、ミルク暖めてあるから。」
「ありがとうございます。」
そういうと、バスタオル片手に、眼鏡をかけなおし、佐織は浴室をあとにした。
おわり
佐織は震える手でマンションのインターホンを押した。
しばらくすると、ドアが開き、中から彼がいつもの憂いを秘めた表情で表れた。
佐織は優しくて、よく気がきくおとなしい眼鏡の小学5年生の女の子。
クラスの女の子と比べると、物静かで少し大人びた印象があり、
時折見せるその笑顔は、見ている人間にやすらぎを与えた。
そんな彼女にも胸に秘めた男性がいた。
毎朝通学に使う電車の中で、いつも同じ車両に乗る眼鏡の高校生の男性がいつも気になっていた。
彼とはいつも乗る駅も降りる駅も一緒である。
そんなある日、ホームに茶色い財布が落ちているのを見つけた。
(だれのだろう?)
まじめな佐織はその財布を駅員に届けようと思い、財布を拾い上げて中を見てみた。
(え……)
佐織は中身を見て凍り付いた。
憧れの彼の写真が学生証に貼ってあったのだ。
(秋月 望……。望さんっていうんだ)
その日は雨だった。
しかし、佐織は望の財布を駅員に届けようとせず、雨の中をずぶぬれになって彼の住所を頼りに、
彼の家を探し歩いた。
そのうちに、クリーム色の14階建てのマンションを見つけた。
『セゾン滝沢』
間違いない、彼のマンションだ。
「……なに?」
シャツにジーパン、こぎれいな姿の望が佐織に問いかけた。
「あ、あの、財布を拾ったので……。」
佐織は頭が真っ白になって何を言っているのかも分からなかった。
「……入れよ。シャワー貸してやるよ。」
ずぶぬれの佐織を見て望はそう言ったのだろう。
すでに彼は部屋の奥の方に入って行っていた。
「失礼します。」
おそるおそる佐織が玄関に入ると、きちんと片づいたマンションの1室がそこにあった。
「こっちだ。」
望が親指で浴室を指すと、佐織はそちらに歩きだした。
体中濡れているため、歩くたびに床が濡れてしまう。
佐織は罪悪感を感じながらも、つま先立ちで浴室に向かった。
望が浴室を離れると、すっかり濡れて肌に張り付いてしまっている服を一枚一枚脱いだ。
佐織は私立の小学校に通っているので、茶色のかわいいワンピースの制服を着ていた。
靴下を脱いで、ワンピースも脱いだ。
まだ未発達な胸はブラジャーをつけることをためらい、シャツですませていた。
さすがに下着姿になると、望の存在が気になる。
彼は台所の方で電子レンジを触っているようだ。
おそるおそるシャツを脱ぎ、ショーツを脱いで、それを洗濯機に放り込んで、
あわててバスタオルで体を隠した。
浴室を開けると、きれいなユニットバスで佐織は悪い気はしなかった。
(望さんってきれい好きなんだ。)
佐織はそんなことを考えながら、シャワーのコックを開いた。
「あち。」
先にお湯の方を開いたので、少し熱いお湯が出てきた。
水の量を調節して、丁度いい湯加減になったので、足の方から順番に体にお湯をかけた。
(きもちいい……)
シャワーの湯加減にうっとりしていると、ふと、浴室に人が近づく気配を感じた。
(!)
次の瞬間にはもう浴室のドアは開かれ、望が入ってきた。
「きゃ……!」
声にならない声を上げて、佐織は自分の大事な部分を手で隠した。
そして、シャワーを望に向けることによって、少なからず抵抗した。
それを無視して、びしょぬれになりながらも望は強引に佐織を壁ぎわに押しつけた。
「な、な、な、………!」
佐織は何がなんだか分からなかった。
ただ、恥ずかしいと恐いという感情のみが働いていた。
「……俺のこと、好きなんだろう?」
望が佐織の両腕を片腕で引っ張り上げながら、顔を近づけながら言った。
望の眼鏡が曇る。
「……やっ!」
必死で抵抗する佐織だが、男の腕力にはかなわない。
「……俺、眼鏡の娘って好きなんだ。」
そういうと、もう片方の手で、さっき洗濯機のところに置いておいた佐織の眼鏡をかけさせられた。
すぐに、風呂の湯気で眼鏡が曇る。
「……電車でいつも俺のことを見ているの、知ってたよ。」
両腕を身動きできないほど拘束されているのにもかかわらず、それほどの苦痛を佐織は感じなかった。
そういうなり、いきなり望は佐織に唇を重ねてきた。
「んんん……!!」
強引ではあったものの、どこかしら優しさのあるキスだったので、佐織はそれほど抵抗しなかった。
佐織にとってそれはファーストキスだった。
望は佐織の両腕を解放した。
佐織はその場に崩れ、放心していた。
じゃあ、じゃあ、とシャワーの流れる音が浴室に響いていた。
望はシャワーのコックを閉めると、ボディソープとスポンジをとりだした。
「……体、洗ってやるよ。」
ふいに、望の声に反応したかのように、佐織は大切なところを隠した。
「……俺のこと、好きなんだろ?」
曇った眼鏡を拭きながら、再び彼が聞いた。
佐織は「はい、そうです。」と言わんばかりに、真っ赤になった。
黙ったまま、望はスポンジにボディソープをつけて、泡立て始めた。
望は服を着たままで、先ほどの佐織のシャワー攻撃にあっているのでびしょぬれである。
その先を悟った佐織は、
「い、い、いいです。じ、自分で洗えますから。」
と必死に抵抗するが、望の憂いを秘めた笑顔には勝てなかった。
「いたっ!」
佐織が実を縮める。
「いたいです。……もっと優しくして下さい。」
曇った眼鏡を拭きながら、佐織が言った。
「……駄目だよ。ちゃんと洗わないと……。」
望は手を動かすのをやめない。
「そ、そこは、だめです。」
必死に懇願する佐織を尻目に、望は続けた。
「いた、いたい!」
望は眼鏡をかけ直すと、よりいっそう手の動きを激しくした。
「あ、ああ、いた、いたーい。」
佐織は精いっぱいの声を上げて果てた。
「……やっぱり背中はちゃんとあらわなきゃね。」
「はい。」
望が佐織をきれいにシャワーで洗い流して上げた。
「……台所に、ミルク暖めてあるから。」
「ありがとうございます。」
そういうと、バスタオル片手に、眼鏡をかけなおし、佐織は浴室をあとにした。
おわり