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小説(転載) ライバルには負けられない

官能小説
05 /17 2018
HDDを整理してして発見、保存(ダウンロード)したままになっていた。短編で読みやすく、さわやかな作品だ。

 「一番  今川 孝彦 372
  二番  新井 由理 368
  三番  ・・・・  ・・・」

 「ま、また……負けた……」
 とある有名塾の廊下の掲示板。はりだされた実力テストの順位を見て、由理はがっくりと肩を落としてつぶやいていた。呆然と口を開けて張り紙を見つめる彼女の姿に、声をかけようとした友人たちもさっと引いてしまう。

 (あんなに勉強したのに。これで三回連続で、こいつに私が負けてるじゃない!)

 「ほら、由理、もう講義がはじまっちゃうわよ。さあ、早く行かなくちゃ」
 頬をぷぅと膨らませて、自分の一つ上に鎮座する名前をにらみつける由理。放っておけばずっとこの場に立ち尽くしてるんじゃないかという彼女の様子に、一人がたまらず声をかける。

 「あ、清香。う、うんっ、わかってるけど……」
 声をかけられた由理は振り返って、目の前の友人に視線を向ける。しかし、由理の様子は明らかに後ろの掲示板を気にしているのが見え見えだ。
 「それにしても、今川くんって頭いいのね……最近、ずっと一番を取ってるんじゃないの……って、あ、ごめん」
 由理から後ろの掲示板に視線を移した清香が、そう口にしてしまう。彼女のそんな言葉に、由理は敏感に反応する。普段にこにこ笑っているときには垂れ目がちの目なのに、今はちょっとつり上げたような厳しい視線に、清香は慌てて口をつぐむ。

 「……どうせ、私が負け続けてるってことでしょ……でも、そういえば清香って、この今川って奴のこと知ってるの?」
 「そんな言い方して……ほら私、北小だから、今川くんと同じ小学校なの。由理は確か……」
 「そ、西小。それに、塾に来てる日も違うみたいだから会ったことないの」
 「ふーん……あ、由理ったら気にしてるでしょ?」
 ちょっといたづらっぽく問いかける清香。その言葉に、由理はぷるぷると首を振って答える。
 「そ、そんなことないよ! まったく、すぐそんなこと言うんだから。ほらほら、もう急がなくっちゃ」
 慌てて教室に向かう由理の後ろ姿を見つめながら、清香は、わかってないなあというふうに首を振っていた。

* * *


 「やっぱり、もっと勉強しなくちゃ。でも、こいつのせいで、清香にまであんなこと言われて……」
 その日の夜。自室の勉強机に座っていた由理は、いまいましいテストの順位表を目の前に頬杖をついていた。自分の名の上のもう一つの名前、今川孝彦の文字の上を指でぐりぐりとなぞる。

 「でも、もう一年か……そう考えれば、こいつとも腐れ縁かもね」
 由理が孝彦と出会ったのは、ちょうど一年前、小学五年生の夏の頃だった。といっても、それは塾のテストの順位表でのこと。まだ順位が二十番かそこらを行ったり来たりしてた頃、いつも自分のすぐ上か下にいる男の子の名前を見つけたのだ。
 (それが、今川孝彦……ほんとに、テストのたびに私と同じような順位にいるんだから、なんだかライバルみたいに思っちゃったのかな)

 この子にだけは負けたくない。そんな一心で勉強に励むようになったせいか、由理の成績は確実に上昇していった……のだが。
 (ったく、あいつの順位も一緒に上がってくるんだもん。結局、今ではテストのたびに私とあいつの一騎打ちみたいな感じになっちゃったし)
 それも、最近ではちょっと由理の方が分が悪い。今回の試験こそはとがんばったつもりだったんだけど、結果はやっぱりダメ……

 「はあぁ、一生懸命やったはずだったのに……でも、今川くんって、ほんとはどんな男の子なんだろぅ……」
 「こてっ」という感じに机に額をつけた由理が、ぽつりとつぶやいた。一年近く意識してきた存在、それなのに名前以外は何も知らない。そのことが、逆に彼の事をますます気にかける原因になってしまう。

 「全く、清香があんなこと言うからよけい気になっちゃうじゃない。でも、実際なんにも知らないんだよね……背高いのかな、それとも私ぐらい小さかったり……かっこいいのかなあ、まあそんなに期待はできないかも……」
 彼のことを考えてあれこれと想像しているうちに、由理は自分の胸がだんだんドキドキしてくるのがわかった。

 「……あっ、だ、だめ……また、こんなこと……」
 そのうちに、由理の口から洩れる声が艶っぽいものに変わりはじめる。今まで所在なげにしていた手が、自然と自分の胸に伸びていく。パジャマの下にもぐりこんだ指が、下着越しに柔らかな乳房を揉みあげる。
 (あんっ……た、孝彦くんっの指が……わたしの胸を……)
 彼の手が自分の胸に触れている。そんな想像が、由理の心をきゅんっと高鳴らせた。

 わざと痛いくらいに強く、小さな乳房を鷲掴みにする。そのままぶるぶると手を振動させると、くすぐったいような、そして何とも言えない気持ちよさが胸の奥からわき上がってくる。
 「だ、だめ……もっと、やさしく……あうっ」
 熱い吐息まじりの言葉をつぶやきながら、由理の指が下着のフロントホックに触れる。薄いAカップのブラをちょっと乱暴にはぎ取り、剥きだしにされた小さな乳輪に指を這わせる。まだ陥没したような先端部分を指でコリコリと刺激すると、まるで芽が出てくるようにピンク色の乳首が尖り始める。
 「あんっ、そ、そこがいいよぅ……」
 ぴょこんという感じに飛び出てきた自分のニプルを指でつまみ、くりくりといじくる。自らの指が導き出す快感に翻弄されるように、由理は体をぶるぶると震わせた。

 自分を慰める少女の手の動きはさらにエスカレートする。未成熟な、しかし少女らしい柔らかな乳房を激しく揉みしだく。その頂点、サクランボみたいに可愛らしい乳首をぎゅっと痛いほど強くつねる。体中に広がる切なさに耐えるように、由理は首を左右に打ち振って悶えた。その拍子に、後ろに結んだポニーテールの髪がほどけて、ばさっと広がってしまう。
 「……きゃふっ……そ、そんなとこ……でも、気持ちいいのぉ」
 由理の指は、とうとう下腹部、そして乙女のもっとも恥ずかしい部分に伸びていく。下着の中にもぐりこんだ細い指が、少女の可憐な花びらに触れて湿った音を立てる。一本の線のような幼いスリットを軽く押し広げ、割れ目の真ん中を擦りあげる。そんな指の動きに、先ほどまでのイタズラですっかり濡れ始めたアソコからは、透明な蜜がますますあふれ出してくる。

 「いやっ……やめないでっ……あんっ……」
 まだ見ぬ孝彦の姿を思い浮かべながら、由理は自分自身を弄くる手をさらに激しく動かす。乙女の最も敏感な場所を探り当てた指が、真珠色の豆粒をつつむ包皮をつるりと剥いてしまう。あらわになったクリトリスを人差し指と親指で挟むように刺激する、その途端に、由理の体中を電流のような熱い快感が駆け巡る。たまらず彼女の体は激しく痙攣し、危うく椅子から滑り落ちそうなほど悶え喘ぐ。

 ぐしゅっ、ぐしゅっ……
 自らの秘肉が響かせる淫らな音に、由理は白い肌をピンク色に染めてしまう。それでも快感を求める指の動きは止まらない。幼い膣の入り口を指の腹の部分で優しく揉みしだき、そのままずぶずぶと胎内に侵入させる。第一関節までの軽い挿入。それでも幼い膣壁に感じる異物の感触に、由理の体奥は「じゅんっ」ととろけそうになる。

 「だめ、こんなんじゃ全然足りないよぅ……もっと、もっと激しくっ……」
 更なる快感を求めて机の上を探る由理の左手。指の先が、いつも勉強に使っているお気に入りのボールペンに触れる。
 「こ、これっ……あんっ……すごくいいよう……」
 ペンを手に取った由理は、下着を引き下ろした自分の秘所に先端部分をあてがう。右手の指でちょっと割れ目を左右に開き、ペンを持った左手にだんだん力をこめる。湿った音をたてながら、ボールペンが由理の内部へと徐々にもぐり込んでいく。
 まだ軽い自慰ぐらいの経験しかない未成熟な性器にとって、細いペン筒は快感をもたらすのにちょうどいい大きさだった。ヴァギナの内部に触る冷たいステンレスの感覚が、かえって由理の体の中を熱く燃え上がらせる。

 「あうっ……も、もっと、由理をめちゃめちゃにしてっ……きゃふっ」
 自らの幼い秘肉をえぐり取るように、由理は握りしめたペンを激しくスライドさせる。膣内を痛いほどかき回される快感に、彼女は大きな瞳からぽろぽろと涙を流しながら熱い吐息をもらす。
 「……あんっ……孝彦くんっ……い、いっちゃう……」
 ひときわ奥にペンを突きいれる。子宮の入り口にまでモノが当たるのを感じた瞬間、由理は背筋までぴんっと緊張させて、絶頂に達していた。
 弓そるように跳ね上がった少女の腰が、ぺたんと椅子の上に戻る。細い肩ではあはあと苦しい息をつきながら、火照った体をしずめようとする由理。その目は、机の上のカレンダーに止まっていた。
 「はあっ……ま、また、こんなこと……でも、あと一週間で夏休み、そうすれば……」

* * *


 そして夏休み。今日から塾の夏期講習、由理が待ちに待ったものがこれだった。由理が登録したのは、有名中学進学のための特別進学コース……塾の中でもトップクラスの人のための講義で、もちろん、今川孝彦も参加するはず……。普通の学期中の塾では、来ている曜日の違いですれ違っている由理にとって、今回の特別コースはまさにチャンスだったのだ。

 (今日で、ついに孝彦くんに会える……って、私、何考えてるんだろう。勉強、勉強のために来てるんだから。で、でも、やっぱり気になっちゃうの……)
 教室の扉の前で、開けようか開けるまいか逡巡する由理。そんな彼女の肩を、後ろからやってきた清香がぽんっと叩く。

 「おはよう、由理。どうしたの、中に入らないで、ぼーとして」
 「えっ……なんでもないよ。ただ、ちょっと昨日の夜、考え事をしてて睡眠不足なだけ」
 眠気で少し潤んだ瞳をごしごし擦りながら、由理はがらっという音とともに扉を開けた。なにげないふりをしながら、彼女の視線は教室の中を探るように移る。そんな由輪の様子に、清香はくすくすと笑いながらある方向を指さした。
 「ほら、今川くんなら、あそこに座って話してるわよ」
 「もう! そんなこと、今、関係ないじゃない……」

 口ではそう言いながらも、由理の目は指し示された方向に向けられる。教室のちょうど真ん中ほど、椅子に腰掛けて友達と話をしている男の子に……。
 (あ、ちょっといいかも……)
 そんな由理の表情を横目で見ながら、清香がさらに続ける。
 「ね、結構、格好いい男の子でしょ。由理、気に入った?」
 「べ、別に……さ、席について予習でもしようっと」

 清香の言葉に不自然なほど無関心を装いながら、由理は教室の中に入っていく。つかつかと中央の前よりの席……ちょうど孝彦たちの前方あたりに着席して、鞄をごそごそと開きテキストを取り出す。
 (うーん、何、話してるんだろ……ちょっと、気になるかな……)
 隣に座っておもしろそうにこっちを見ている清香の様子を気にする由理。しかし、目だけは手にしたテキストの文字を追いながらも、耳は後ろから聞こえる孝彦たちのおしゃべりに引きつけられてしまう。

 (……全く、何を話しているのかと思えば、昨日の夜のテレビの話とか……ふんっ……つまんないっ)
 普通ならなんでもないと思える彼らの会話。しかし、昨晩、孝彦のこと、今日会えることを考えて眠れなかった由理にしてみれば、彼が、けろっとしてそんな話をしていることさえ腹立たしいのだ。

 (あっ、あんな事まで話してる……やだ、やだ、もうがまんできないっ!)
 彼らの話は、講義に来ている女の子たちの品定めに移る。あの子がいい、この子はかわいいなあ……そんな男の子たちの話声。本人たちはこそこそ話しているつもりかもしれないが、聞き耳を立てている由理にははっきり届いてしまう。
 とうとう孝彦たちの話の矛先が自分たちに向かう。その瞬間、由理は、机をばんっと叩きつけて立ち上がっていた。

 「……あなたが、今川孝彦ね!」
 由理は、孝彦たちのところに近づくと、びしっと彼を指さして声をかけた。ちょっとつり上がり気味の目でこちらを見つめる少女、そんないきなりの出現に男の子たちはみんなびっくりした顔をしている。
 「まったく、さっきから馬鹿みたいな話ばかりして。恥ずかしいと思わないの!」
 「……な、なんで俺の名前……もしかして、お前、新井由理?」
 指さされた男の子……孝彦は、突然名前を呼ばれたことに驚きながらも、何かに気づいたような表情でそう答える。

 彼が、なぜか自分の名を知っている。いつもなら疑問に思うはずのことなのに、頭に血が上った状態の由理は気づかない。ムッとしたような顔つきで、彼女は孝彦の言葉にうなづいていた。
 「ふーん……お前、もうちょっと算数とか頑張ったほうがいいぜ。暗記科目しかできないっていうのは、自分が理解力がありませんって言ってるようなものだし」

 (なっ……こ、こいつは……)
 孝彦のあまりの言葉に、由理の顔がみるみる赤く染まっていく。暗記力に比べて、考えて解かなければいけない問題を苦手とする由理……自分のそんな弱点を、初対面、しかも一番言われたくなかった相手に指摘されて、彼女のイライラは頂点に達する。
 (こっちは、あんなにドキドキしてたっていうのに……平然としてるだけならまだしも、この言いぐさは何っ!……)

 「あんたこそ、もっと社会科の勉強したほうがいいわよ。きちんと歴史とか地理とか知っていないと、立派な大人にはなれないんだから」
 怒っている表情を必死で押し殺し、由理は、努めて冷静な口振りで辛辣な言葉を投げ返す。
 「よ、よくも言ってくれたな……」
 「ふん、こうなったらね……」
 「勝負だ!」
 「勝負よ!」
 ぴったりとハモる二人の声……離れた所で見守っていた清香は、なんだ息合ってるじゃない、と笑みを洩らしていた。

* * *


 勝負は、次の実力テスト。総合点で上まわったほうが勝ち、敗者は勝者の言うことに一つなんでも従う、というのが二人の決めたルールだった。
 決戦の日まで一週間。由理は、まさに寝る間も惜しんで勉強した。あんなふざけた奴には絶対負けない、その一心で。

 しかし、またも敗北。返ってきた順位表を見た由理は、机につっぷして悔しさにぷるぷる肩を震わせたほど。
 でも、それよりも気になったのが、当の孝彦が塾を休んでいたこと。
 「あいつのことだから、絶対、鼻高々っていう感じでやってくると思ったのに」
 あの初対面の日以来、孝彦とは一言も話していない。今日なら、たとえ負けたにしても話ができる……そんなふうに考えてしまう自分の心を必死で打ち消しながらも、由理は彼がいないことになんだか物足りなさを感じていた。

 (やっぱり、あいつの家に行ってみよう!)
 約束は約束だし、しょうがないよね……我ながら都合のいい考えだという気もするが、ここは素直に自分の心の声に従うことにした。


 塾帰りの昼下がり。由理の足は、清香に住所を聞いた孝彦の家へと向かっていた。なんでこんなことしてるんだろう、そう思わないことはない。でも、彼が休んでいることも気になるし……そんな揺れる心を抱いたまま、彼の家に着いてしまう。
 今川と書かれた表札。その下の呼び鈴を二、三回と押すが、返事がない……由理は、ちょっと首をかしげながら、玄関のドアに手を伸ばす。

 (なんだ、外出してるのかな……あれ、鍵かかってない……)
 ノブを回すとドアはあっさりと開いてしまう。黙って入っちゃ悪いかな、そう思いながらも、由理は家の中に顔を覗かせる。
 おずおずと声をかける由理。二階から声がするのを聞き、少しとまどいながらも階段を上っていく。一つだけ光の洩れる部屋の前に立ち止まった由理は、こんこんとノックして中に入った。

 「誰?……良文か、郁男か。わざわざ、見舞いに来てくれたのか……あれっ、君は……」
 ベットに寝ていた孝彦は、体を起こして扉のそばに現れた少女を見つめていた。すこし驚いた顔をしている彼に、由理は、はにかんだような笑みを浮かべる。
 「ごめんなさい、急に尋ねてきて。ただ、今日テストの結果が発表されたし……ほら、約束もあったから……それで、私負けてたし……べ、別に心配してたんじゃないのよ」

 しどろもどろの由理。初めて男の子の部屋に入って緊張しているのか、その口振りはいつもの歯切れの良さが見られない。
 一方、さすがに彼女がここに来るとは思ってなかった孝彦もびっくりしたまま、ようやく声を絞り出す。
 「いや、ぜ、全然、大丈夫だよ。今日も、ただちょっと疲れがたまってただけだから。最近、ちょっと無理して……」
 「無理して?」

 由理の言葉に、しまったという感じの顔をする孝彦。由理は、ふと気づいたように部屋の中、机のあたりを見回す。
 (うず高く積まれた問題集……もしかして必死に勉強してたのかな……)
 そんな彼女の瞳が、ふと机の前に貼られた一枚の紙に止まる。二ヶ月ほど前の順位表、孝彦の名の上の自分の名前……赤いペンでマーキングされているのに気づく。
 (これっ……そっかあ……こいつも、私のこと気にかけてたんだ)
 これまで一年間、彼のことを意識してきた自分の想い。それが一方通行のものじゃなかったことを知って、肩からふっと力が抜けたような気がする。ばつの悪いものを見られた、そんな苦笑いをしている孝彦に、彼女は、とびっきりの笑顔を見せていた。

* * *


 ベットのそばに椅子を寄せて腰掛ける由理。横になっている孝彦に向かって、今までと違った穏やかな表情で話しかける。
 「ねえ、それで私は何をすればいいの? その権利はそっちにあるのよ」
 「いいよ、もう。あの時は、つい勢いでああいうことになっちゃったけど」
 「でも、それじゃあ、私の気がすまないの……そうだ、じゃあ、これで」

 そういうと、由理は不意に体をかがめて顔を近づける。触れ合う唇と唇……彼女のいきなりな行動に、孝彦は慌てて体を起こした。
 驚いたような戸惑ったような孝彦の、そんな表情を楽しむように由理が笑いかける。
 「ねっ……気に入ってくれたかな」
 ポニーテールの髪を揺らしながら微笑む少女。このところずっと彼女のことばかり考えていた孝彦は、そんな可愛らしい仕草を見て、おもわず由理の細い体をぎゅっと抱きしめていた。

 「ちょ、ちょっと。ねえ、どうしたの、急に……」
 反射的に、制止の言葉をもらす由理。でも、彼の強い、そして優しい抱擁に、自分の体が自然と力が抜けていくのを感じる。
 「悪い、でも、前言撤回……ずっと、好きだったんだ。だから……」
 「私なら、いいよ……私も、孝彦くんのこと、ずっと……あん、だめ……もっとやさしく……」
 由理の言葉に誘われるように、孝彦の両手が、彼女の胸に伸びた。水色のブラウス越しに触れる、初めての男の子の手の感触。形はまだ小さいけれども、とびっきり柔らかい乳房を両手で覆うように揉みしだかれる。ちょっとばかり力のこもった彼のそんな愛撫に、由理は少し痛がるような顔をしてしまう。

 「ごめん……でも、女の子の胸がこんなに柔らかいなんて知らなかった……ね、服、脱がせてもいいかな」
 孝彦の頼みに、由理はちょっと照れたような顔でうなづく。彼の手が、ぷちぷちとブラウスのボタン、そしてスカートのホックをはずした。するっとスカートが滑り落ち、パンティとブラだけの、下着姿の由理が露になる。彼女の白く輝くような素肌に引き寄せられるように、孝彦は首筋から胸元までキスの雨を降らせる。

 「あんっ……そんなに強くしたら、跡が残っちゃうよぅ……」
 「今日の記念にもっとつけてあげる。でも、由理ちゃんって、もう、ブラつけてるんだね……」
 (それは、一年前、あなたを意識し始めてから、するようになったの……)
 そんな想いを飲み込んで、由理は赤く頬を染めながら熱い吐息をもらす。孝彦の指がブラのホックをはずした途端、彼女の胸、まだ成長途上だけど弾力のある乳房が、ぷるんっという感じでこぼれる。由理のほっそりとした小柄な体にぴったりのサイズのバストに、孝彦はゆっくりと舌を這わせる。

 「きゃふっ……そこ……あんっ……もっと、もっとして、孝彦くんっ」
 孝彦の舌が、乳房の先端、ヴァージンピンクの小さな乳首に触れた瞬間、由理はたまらず可愛らしい喘ぎ声をもらしていた。彼の口がそのまま尖り始めたニプルを挟み込み、時には吸うように、また時には軽く噛むように刺激する。
 そんな胸の中心からわき上がる快感に、少女の体からかくっと力が抜けてベットの孝彦の体の上に倒れ込んでしまう。

 しなやかな裸体を受け止めた孝彦は、興奮に少し震える手を静かに彼女の下半身に伸ばしていく。すべすべとした素肌を撫でるように刺激しながら、パンティの下にもぐりこんだ指が薄く茂るデルタゾーンに達する。さわさわとした産毛の感触を楽しむようにまさぐり、ついにその下にあるクリトリスに触れる。
 「あっ……だめっ、そんなとこ……でも……あんっ!」
 包皮に包まれた肉の真珠をつまみ出し、トントンと指の腹で弾くように叩く。少女にとってもっとも敏感な所からの刺激は、由理の脊椎を駆け上がり体中にしびれるような快感をもたらす。初めて他人の手でもらたされる快感に、彼女の肉芽はたまらず堅く尖りはじめる。むきだしの秘心を指で強くくりくりとつまむように弄ばれて、由理は体全体をぴくぴくと打ち震わせた。

 (由理ちゃんが、僕の手でこんなに乱れているんだ……)
 「ね、由理ちゃん、もっと、もっと気持ちよくしてあげる」
 頬を、そして体全体を快感に赤く染めながら悶える彼女の姿に、孝彦の胸は激しく高鳴った。
 乙女の最後の砦であるパンティを、孝彦の手がするりとはぎ取ってしまう。恥ずかしい部分をじっと見つめる彼の視線を感じて、由理の秘処からはとろとろと透明な愛液が流れ出す。
 「……だめ、そんなに見ちゃ……由理、恥ずかしいよぅ……きゃふっ」
 指を、湿った割れ目の真ん中に滑らせる。先ほどからの愛撫でびしょびしょに濡れ始めたアソコに触れると、くちゅくちゅという淫らな音が少女の下半身からわき上がる。
 彼の指が興奮に赤く膨らみ始めた大陰唇を押し広げ、可愛らしい膣口を露にしてしまう。冷房のきいた冷たい空気に触れて小さく震えるヴァージンホールの入り口を、孝彦の指がぐちゅぐちゅという音を立てて揉みしだく。そのまま彼の指が胎内に侵入しはじめると、由理は体をぴんっと弓反らせて甘い声をもらす。

 (あうぅ……そ、そんなに激しくされたら、だ、だめ、いっちゃうよぅ……)
 秘孔の中程まで沈めた指をぐしゅぐしゅとかき混ぜていた孝彦は、そのままずぶずぶと少女の奥深くまで犯していく。あふれ出る愛蜜にししどに濡れた指を激しくスライドさせると、敏感な肉壁をかき回される快感に、由理は髪を左右に振りみだして悶える。
 「あ、あんっ……ちょ、ちょっと待って……」
 下半身から体中に浸透していくとろけるような刺激に思わず頂点に昇りつめそうになった由理は、慌てて彼の手をつかんで動きを止めた。

 由理のアソコをいじくるのに夢中だった孝彦は、途中で止められてちょっと不服そうな顔をする。
 「そんな顔しないで……ね、今度は、私が気持ちよくしてあげるから……」
 由理は、少し照れた声で孝彦の耳元にそんな言葉をささやきながら、彼の下腹部に手を伸ばす。ズボンと下着を脱がせると、もう興奮にすっかり硬直した孝彦の肉棒が顔を覗かせる。少女の瞳に初めて写る男の子のモノ……由理は吸い寄せられるように、ぴくぴく震える孝彦自身に手を伸ばす。白く細い指でぎゅっと握りしめるように刺激すると、たまらず孝彦は「うっ」と声をもらす。

 (あーんっ……私ったら、なんかすごいことしてるよぅ……でも、そんなに嫌じゃないかも……)
 加えられる快感に先端から少し液を滲ませかけたペニスに、由理は優しくちゅっちゅっとキスする。何回かの口づけ、そして少女の唇がそのまま彼の亀頭をぱくっと頬張る。
 知識としては知ってたフェラチオという言葉……ほんの一年前までは自分がそんなことをするなんて想像もしなかった。しかし今は、想い続けていた相手を気持ちよくしてあげられることに素直な喜びさえ感じる。

 そんなことを考えながら、由理の愛撫はさらにつづく。少し戸惑いながらも、喉の奥いっぱいまで肉茎を飲み込んだり、舌先でちょんちょんとつつくように亀頭の割れ目を刺激したりする。
 もちろん初体験だろう由理のたどたどしい動作……でも、彼女が自分のモノをいじくっているんだ、そのことだけで孝彦の性感はどんどん高まっていく。

 「もう、もう、いいよ……それより……」
 彼女の口の中で危うく暴発しそうになって、孝彦はあわてて肉棒を引き抜く。
 自分の細い肩をつかんでじっと見つめる彼に、由理は恥ずかしげに瞳を伏せながら答えた。
 「うん、そうしたいなら……そのかわり、一応孝彦くんは病人なんだから、わたしにまかせてね」
 由理は、そう言いながら、孝彦が横になっているベットの上にあがる。彼の体をまたぐような格好をした由理は、自分の恥ずかしい部分を下から全部見られることに気づいて、頬を羞恥の色に染めた。

 ゆっくりと腰を下ろしていく彼女の秘所が、くちゅっという音を立てて、孝彦の肉棒の先端に触れる。興奮に赤く充血しきった秘肉が、彼の亀頭を包み込むように飲み込んでいく。オナニーとはまったく質の違う、男の子のモノを胎内に初めて感じて、由理は体を震わせてわき上がる快感に耐える。
 (と、とうとう、孝彦くんと一つになったんだ……)
 膣の半ばまでくわえこんだ瞬間の軽い抵抗感……そして、ぷちっという感じとともに、割れ目から赤い鮮血が細く流れ落ちた。想像を超える破瓜の激痛に、由理は声も出せずに唇を噛みしめる。それでも、由理は最後まで彼を迎え入れるために、腰を下ろしていく。

 「だ、だいじょぶ? もし、痛いのなら……」
 深々と貫かれた由理、その垂れ目がちの瞳にあふれる涙を見て、孝彦は心配そうな顔で問いかける。そんな彼の気持ちを感じて、由理はせいいっぱいの笑みを返す。
 優しく、できるだけゆっくりと挿入運動を繰り返す孝彦。そんな静かな動きでも、二人には十分だった。お互いとの一体感が、二人を急速にゴールへと押し上げていく。

 「た、孝彦くん、私、もう、いっちゃうよ……」
 体を限界まで海老反らせて、甲高い喘ぎ声をあげる由理。その胎内には、溜まりに溜まった彼の精液が注ぎこまれていた。

* * *

 
 快感の余韻に、肩を震わせて息をする由理。赤く腫れ上がったアソコの痛々しさに、孝彦はすまなそうな顔をした。
 「……ごめん……あんな勝負の約束でこんなこと……」
 「ううん、違う。私も、こうしたかったの。だから気にしないで」
 「でも……せめて僕に何かできることがないかな」

 そんな提案をする孝彦に、由理はいいことを思いついた、そんな表情を浮かべる。
 「うーん……じゃあね。私、一番になりたいな」
 「テストで? それは、フェアじゃないよ……」
 怪訝そうな顔の孝彦に、由理はとびっきりの笑顔、そして彼のおでこに軽くキスしながら答えていた。
 「ううん……あなたの一番になりたいの!」

おわり

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。