小説(転載) 縁結びのお守り
官能小説
HDDを整理してして発見、保存(ダウンロード)したままになっていた。読みやすい短編の作品だ。
「あのう、これ一つお願いします・・・」
「えっ、あっ、すいません・・・」
天気のいい土曜日、退屈な午後の一刻。うとうとしてたところに突然声をかけられた葉琉奈は、欠伸をかみころしながら、慌てて受け答えた。
「はい、縁結びのお守りですね。五百円になります・・・って、あれ、岡村くんじゃない?」
「も、もしかして、丞静院さん。どうしたの、巫女さんの格好なんかして・・・」
声をかけてきた相手が同じ中学の同級生である岡村隆史なのに気づき、葉琉奈はちょっとびっくりしてしまった。
でも、それは相手の男の子も同じらしい。まさかこんなところで、といった感じの驚いた表情がおかしくて、葉琉奈はくすっと吹き出してしまう。
「ふふふ、驚いたの。ここは、おじいちゃんの神社なのよ。それで、二、三日ほど留守する間の番を頼まれてたの。まあ、岡村くんが来るとは思わなかったけどね。」
「で、でも、まさか、丞静院さんがこんなところにいるなんて・・・あ、でも、名字とか確かにそれっぽいなって気もするか・・・って、何を言っているだろ・・・」
「しどろもどろの受け答えしちゃって、一体どうしたの? そうか、このお守りね。」
葉琉奈はそう言って、ちょっといたづらっぽく笑いかけた。
その言葉に、隆史はあわてて言い訳を始める。
「あ、そ、それは・・・そう、そうだ! 姉貴に頼まれちゃって・・・」
「何がそうだ、よ。そんなのまるっきり嘘ってわかるわよ・・・ま、せっかく来てくれたんだし、奥でお茶でも飲んでいかない?」
「でも、ここはどうするの?」
「大丈夫、ちょっとの時間なら人も来ないだろうし。それより、ささ、はやくはやく!」
「でも、岡村くんが縁結びのお守りなんてねえ・・・」
神社の建物のちょっと奥、ちょうど巫女さんの休憩部屋みたいなところに通された岡村くんは少し緊張してるみたい。そんな感想を抱きながら、葉琉奈は入れたばかりの緑茶をすすめて、早速切り出した。
「悪いことじゃ全然無いけどね。でも、ちょっと意外だったかな。だって、すっごくもてるじゃない、岡村くんって。」
生徒会副会長にしてバスケ部の部長、成績も優秀でルックスもまあまあ。同級生の女子のなかでも人気の高い岡村くんが、わざわざ女の子の事で神頼みなんてちょっと信じられなかったのだ。
「だから、それは・・・そうだよ、俺のだよ。でも、そんなにもてるわけじゃないさ。」
葉琉奈の言葉に、隆史は観念したようにぷいと横を向いてしまう。いつもとは感じの違うそんな隆史の態度に、葉琉奈はかすかに笑みをこぼす。
「ふーん、そんなことはないと思うけど。だけど、誰なのかな、岡村くんにそんなふうに想われてる人って。」
「・・・いいだろ、誰だって・・・それよりこのことは・・・」
「わかってるって。別に誰にも言ったりはしないわよ。」
そう言ってにっこり笑う葉琉奈の姿に、隆史はひそかに溜息をついていた。
* * *
「あーあ、まったく脈なしかな・・・」
神社からの帰り道、隆史はそんなことをぼやきながら歩いていた。
「それにしてもあの神社の巫女を、よりによって彼女がやってるとはなあ。全く誰だよ、あそこのお守りが恋愛にばっちり効くって言ったのは・・・」
そう、隆史の想い人というのは、葉琉奈その人だったのだ。初めて彼女を見た時に受けた、物静かで触れば壊れそうな印象が忘れられなかったのだ。
(あれは確か五年前だったかなあ)
隆史がいつものように友人の家に遊びに行った時、そこで出会った少女・・・それが友人のいとこである葉琉奈だった。庭の池のほとりで小鳥達とたわむれる姿、そしてこちらに向けてくれた涼しげな微笑み。そのたった一度の出会いが隆史の初恋だった。
(そして中学に入学した時、彼女と再会できたんだよな・・・もっとも相手は全然覚えてなかったみたいだけど。それに一年の時はクラスも違ったせいで、いまいち親しくなれなかったし。二年になってようやく同じクラスになれたんだけど、まだまだ友達の段階だからなあ・・・)
そんなときにたまたま聞きつけたのが、あの縁結びのお守りの噂だったのだ。部活の女子マネージャーたちがかしましく話してたのを聞き、こっそり買いに来たつもりだったのだが・・・
(あー、これじゃあ、まるっきり逆効果だよ。それに、彼女あんまり気にした感じも見せなかったし・・・これで、少し気にした様子でもあれば期待が持てたんだけど。どちらかというと、いつもよりかえって元気よすぎる感じだったよなあ・・・)
「・・・あれは・・・」
そんなことを考えながら歩いていた隆史の目にふと止まったのが、脇の店のショーウィンドウに飾られた一枚の手鏡、手の中にすっぽりと入ってしまうほどの小さな鏡だった。
「・・・ふーん、こんなところにアンティークショップなんてあったかなあ・・・まあ、いいや」
興味を引かれた隆史は、薄暗い店内の中に入っていった。二十坪ほどの店内には様々な国のものと思われる骨董品や貴重品が並べられ、この空間だけが現世から遊離してるかのような印象を受ける。
「何をお探しでしょうか?」
この不思議な雰囲気からそのまま浮き出したような女性・・・どうやらこの店のオーナーなのかな・・・がそう声をかけてきた。少し茶色がかったつやのある髪、ともすれば冷ややかな印象さえ受けそうなほど整った顔立ちに隆史は少し圧倒されるものを感じた。
「・・・あ、いや・・・あの鏡なんですけど。」
「あの品物ですか・・・あれは・・・」
隆史の言葉に、その女性はちょっと首をかしげる。
「何か問題でもあるんですか?」
「いえ、そんなわけではありません・・・この鏡は持ち主の願いをかなえると言い伝えられてるものなんです・・・」
「本当ですか? なんだか信じられないけど。」
疑わしそうな隆史の問いに、女性はゆっくりと首を横に振って答える。
「わかりません、私はこれに願いを託したことはございませんので・・・」
「まあ、いいか。それでは、これ頂きます。」
鏡に不可思議な魅力を感じた隆史は、店主の言葉を途中で遮って、買ってしまうことにした。鏡を購入して店を出ていく隆史と、それを見送る女性。
「・・・ただ、持ち主の想いと少しずれた形で願いはかなえられるそうです・・・」
彼女は、隆史の後ろ姿に向けてそうつぶやいていた。
* * *
「まあ、こんなもので願いがかなえば世話はないけどな・・・」
その日の夜、自室で買ったばかりの手鏡をもてあそびながら、隆史はそうつぶやいていた。
「あーあ、せめて、こっちの気持ちに少しぐらいは気づいてくれたらなあ。」
鏡にうつる自分の顔を眺めながら、先ほどの葉琉奈との会話を思い出す隆史。その瞳には、自分の想いを全く知りもしない葉琉奈と、想いを伝えることのできない自分自身への歯がゆさが浮かんでいる。
(自分の気持ちが伝わるだけでいい? そんなことはないだろう・・・)
瞬間、隆史の頭の中にそんな台詞が響く。その言葉にはっとした隆史は、鏡に写った自分の表情が微妙に変化しているのに気づく。そう、まるで自分のはずなのに自分でないような・・・
「そんなことはない! 俺は・・・」
(俺は、彼女が欲しい・・・そうだろう?)
「・・・誰だ、お前は! さんざん勝手なことを!」
(俺は、お前自身・・・お前の中に眠る本当のお前さ。お前は、彼女を自分のものにしたがってる。彼女と一つになりたい、彼女をめちゃめちゃにしたい・・・)
「そんなことは・・・」
ない、と言うつもりだった隆史の脳裏に、今日の神社でのシーンが浮かび上がる。自分にお茶を入れてくれた時、ちょっと前かがみになった葉琉奈の胸元・・・巫女装束からのぞく白い胸の谷間が。
「そう、俺は葉琉奈が欲しい・・・それが俺の願い・・・」
心ここにあらずといった感じでつぶやく隆史。自分の意識とは違う別の存在が表にでてくるような感覚、そして、鏡に写った隆史は微かな笑いを浮かべていた・・・
* * *
「あーあ・・・こんなお日様ぽかぽかの気持ちいい日に何やってるんだろぅ・・・」
日曜日の午後、神社の留守番で暇を持て余した葉琉奈は、お守り売場の机につっぷしたまま、そうつぶやいていた。
「デートとかしてる友達もいるんだろうに。まあ、そもそも相手がいないって話もあるけど・・・」
そんな葉琉奈の脳裏に、昨日の隆史の姿が思い出される。「そんなにもてるわけじゃない」と言った時の彼の瞳の真剣さが・・・
「岡村くん・・・やっぱり好きな人いるんだろうな。なんだかちょっとショック受けちゃった・・・」
どちらかというとおとなしい彼女にとって、いとこの友人でもある隆史は数少ない男の子の友達だった。その隆史に好きな人がいる・・・彼が遠くに行ってしまったようで少し寂しかったのだ。
「・・・別に何か期待してたわけでもないけど・・・はあぁ」
無理にはしゃいでみせた昨日の自分が恨めしい。落ち込む心で溜息をついた葉琉奈は、不意に机に影がさしたことに・・・誰か近づいてきたのに気づき、はっと顔を上げる。
「何かご用でしょうか・・・あ、岡村くん。今日はどうしたの?」
「うん・・・あっ、いや、ちょっと話があって・・・」
(あれ? ちょっといつもより元気ないみたい・・・どうしたんだろう?)
目の前に立つ隆史の様子に少し疑問を感じた葉琉奈は、軽く首をかしげる。しかし、すぐに気をとりなおして立ち上がった。
「・・・話、私に? まあ、ここじゃあなんだし、奥の部屋でお茶でも飲みながら話しましょ。」
「じゃあ、そのあたりに座って待っててね、私は、何かお茶菓子でも取ってくるから・・・えっ!」
隆史を部屋に案内した葉琉奈は、お茶の用意でも、と台所の方に向かおうとする。その彼女が、急にびっくりした声をだして振り返った・・・突然、後ろから腕をぐっと引っ張られたからだ。
「えっ。な、何、どうしたの?」
「どうもしてないよ・・・これが話の内容ってこと・・・」
そう言ったかと思うと、隆史の唇がさっと葉琉奈の唇を奪う。
(えっ!・・・えー・・・お、岡村くんとキスしちゃったよー)
あまりといえば、あまりに突然の出来事に混乱した葉琉奈の頬が、見る見るうちに朱に染まっていく。それでも必死に抗議の声を上げようとするが、唇を塞がれてるために全然声が出せないのがもどかしい。
(で、でも、避けられなかった。逃れようと思えば逃れられたはずなのに・・・私、岡村くんのことが好きだったのかな。あーん、わかんないよう・・・)
頭の中が完全にこんがらがってしまい、葉琉奈は体中の力が抜けたようにぺたんとしゃがみ込んでしまった。
そんな葉琉奈の桜色の唇をようやく解放した隆史は、そのまま肩をつかんで畳敷きの床に葉琉奈の体を押し倒す。
「君が・・・君の全てが欲しいんだ・・・」
「ちょ、ちょっと待ってよ。そんなこと急に言われても・・・きゃんっ」
覆い被さるようにしてくる隆史の体を細い両腕で必死に押し返そうとしながら、葉琉奈は制止の言葉をかける。
そんな様子を全く意に介さず、隆史の手が葉琉奈の薄い胸をさわさわとまさぐる。
(あーん、岡村くんがこんなことするなんて・・・でも、なんだか変な気分・・・って、だめ、だめ)
初めて男の手で揉みあげられる胸からは、切ない感覚(かいかん)があふれ出す。押し流されそうになった葉琉奈は、ぷるぷると首を横に振って、そんな思いを吹き飛ばそうとする。
彼女の思いを知ってか知らずか、隆史の手の動きはさらに激しさを増す。乳首をコリコリとつまみ上げると、白い薄地の布越しにもはっきりわかるほど尖り始める。
「・・・あん、だ、だめっ・・・あーん」
隆史は、勃起したピンク色の乳首を口に含み軽く噛む。その刺激に、葉琉奈はたまらず甲高い声をあげた。体中を走る熱い想いに、隆史の体を押し戻そうとする葉琉奈の両腕から力が抜けていくのがわかる。
(だ、だめよ、こんなことしちゃだめなんだから・・・でも、なぜか体中に力が入らない・・・ど、どうして・・・)
抵抗できない葉琉奈の様子に促されるように、隆史の手がするりと葉琉奈の袴の裾の下に入りこんだ。初めて太股に感じる男の手の感触に、葉琉奈はぴくっと身を震わせる。そのまま隆史の指はパンティの下にもぐり込み、ついに少女の秘所に到達する。
乙女にとって最も恥ずかしい部分を男の子の触られている・・・そんな状況に葉琉奈は羞恥に頬を赤らめながら唇を強く噛みしめた。柔らかな媚肉を丹念に撫でまわす隆史の手の動きに合わせるように、葉琉奈の体がぴくぴくと痙攣する。
(あんっ・・・こ、こんなことって・・・でも体がだんだん熱くなってきちゃう)
まだ包皮に包まれたクリトリスをくりくりとつまむような指の動きに、葉琉奈の割れ目の中心からは、とろとろと透明な愛蜜が漏れ出した。くちゅくちゅとアソコからもれる淫音に、葉琉奈は耳たぶまで真っ赤に染めながら、切ない悲鳴を洩らす。
「きゃふっ・・・あんっ・・・もう・・・あうっ・・・」
さらにエスカレートする隆史の指の動き・・・興奮にぷっくりと膨らみはじめた柔らかな処女肉を人差し指と薬指で押し開き、中指でスリットの中心を擦り上げる。むき出しにされたヴァギナの入り口を、愛液で濡れたくった指がなぶるように揉みしだく。熱く火照る秘所から体中に広がる快感に、葉琉奈は海老反るように体をくねらせる。
「あん・・・それはだめっ!・・・あうぅ・・・」
突然、葉琉奈は甲高い悲鳴をあげたかと思うと、切ない溜息を洩らしはじめた。隆史の指が、とうとうまだ男を知らない膣口の中に侵入しはじめたのだ。ずぶずぶという音を立ててゆっくりともぐり込んでくる指、生まれてはじめて胎内で感じる指の感覚に、葉琉奈は身悶えしながら、喘ぎ声をあげる。
「くっ・・・いやっ・・・あん・・・あうっ!」
堅く尖り始めたクリトリスを揉むように親指の腹で刺激する。瑞々しい柔肉は充血して赤く腫れ上がり、クレバスの中心からは透明な淫蜜が次から次にあふれ出す。自分の恥ずかしい部分を好き放題になぶる動きに、たまらず葉琉奈は隆史の手を抑えようとする。
そんな葉琉奈の思いを見透かしたように、隆史はもう一方の手をするりと葉琉奈の胸元に滑り込ませた。まんまとブラジャーの下のもぐり込んだ指が、葉琉奈の成長途上の柔胸を痛いほど揉みしだく。直に乳房に触れる男の手の感触に翻弄される葉琉奈・・・股間にもぐり込んだ腕を押さえる彼女の力が緩んだ隙に、隆史は未成熟な膣の奥までずぶりと指を差し入れた。
「ねえ・・・も、もうこんなことやめようっ・・・お願い・・・あんっ」
指が完全に沈みきった瞬間、葉琉奈の半開きの瞳から一筋の涙が流れ落ちる。その光る滴を見た隆史の体がぴくりと震えるのに、葉琉奈は気づいた。
(ち、違う・・・これは、岡村くんじゃない!)
隆史の瞳に翳る苦悩の思いを見た瞬間、葉琉奈は反射的にそう感じとった。巫女としての直感が、隆史の中にひそむ別の存在への警鐘を鳴らす。
「お・・・岡村くんっ・・・も、もう、やめてっ・・・きゃふっ・・・」
(だ、だめだっ!・・・こんなこと、だめなんだ!)
喘ぎ喘ぎながら必死に制止の言葉をかける葉琉奈の耳に、そんな隆史の声が聞こえたような気がした。その瞬間、少女の華奢な体を押さえつけていた力がふっとゆるむ。
(隆史くんの声・・・今だわ!)
体中を駆け巡る快感に力のはいらない両腕、まるで自分のものじゃないみたいな両腕に必死に力を込めて、隆史の体を振り払う葉琉奈。ようやく解放され荒い息をつく彼女の目に、突き飛ばされた拍子に隆史の胸元からこぼれ落ちたもの・・・小さな手鏡だ・・・がうつる。
(あのまがまがしい気配!・・・これだわ、このせいで隆史くんは!)
転がる物体にせいいっぱい腕を伸ばす。タッチの差で鏡を手にした葉琉奈は、おもいっきりの力をこめて壁に向かって叩きつけた・・・
* * *
ぱりんっ!
静かな室内に乾いた音が響く。その音で自分を取り戻した隆史は、朦朧とした頭であたりを見まわす。
「た、隆史くん・・・?」
ぺたんとしゃがみ込んでいた葉琉奈が、心配そうな瞳で問いかける。目があった瞬間、隆史の脳裏につい今しがたまでの出来事が思い出された。
「ごめん! 俺、なんてことしてしまったんだ・・・」
顔を伏せて、血がにじむほど唇をかみしめる隆史。自分はこんなことを望んでいたのか・・・そんな激しい自己嫌悪に襲われる。
「う、ううん、いいの。それより、隆史くんが無事でよかった・・・」
葉琉奈はあふれでる涙を指でぬぐいながら、そう隆史を慰めた。
はだけた斎衣からのぞく胸元、乱れた袴の裾からは細いすべすべした太股が露になっている・・・やっと顔をあげた隆史の目に飛び込んできたのは、そんな葉琉奈の姿態だった。そして、下半身を覆う袴の中心、ちょうど葉琉奈の股間に当たる部分がじっとりと湿っているのに気づき、隆史は顔を赤らめる。
「・・・あっ!・・・い、嫌・・・見ないで・・・」
隆史の視線でようやく自分の様子に気づいた葉琉奈が悲鳴をあげた。見られているのを隠すように、慌てて股間を手で押さえる・・・皮肉にも、その動作がアソコに溜まっていた愛液をぷしゅっと押し出す役割を果たす。衣を、そして太股を蜜がじっとりと濡らしていく。そんなあまりの羞恥に、葉琉奈は首筋まで真っ赤に染めてうつむいてしまう。
葉琉奈の言葉にあわてて背を向けた隆史が、ぽつりとつぶやいた。
「・・・ごめん・・・君にそんな思いをさせるつもりじゃなかったのに・・・」
「ちがうの! 隆史くんは悪くない・・・悪いのは私なの。様子がおかしいこと、もっと早くに気づけたはずだったのに。本当に隆史・・・ううん、岡村くんが私のことを求めてるんじゃないかって思っちゃったのかな。そんなことあるはずないのに。」
「は、葉琉奈ちゃん・・・」
「岡村くんの気持ち、勘違いしちゃって。馬鹿ね、私ったら。こんないやらしい姿まで見られて・・・もう、ほんとに自分で自分が嫌になるわ・・・」
「ち、違う! 違うんだ・・・本当に、俺は君を・・・」
うつむいたままぽつりとつぶやく葉琉奈の言葉に、隆史は弾かれるように彼女の側に近寄った。がしっと両肩をつかまれた葉琉奈がゆっくりと顔を上げる。上気して赤く染まった頬、涙に濡れる瞳を間近に見て、隆史は思わず言葉を途中で切って、葉琉奈の唇にキスする。
「お、岡村くん・・・慰めてるつもりなら・・・」
「前から、ずっと前から君のことが好きだったんだ・・・だから、だからそんなこと言わないで。」
葉琉奈の柔らかな体をぎゅっと抱きしめる隆史。その腕の中で、葉琉奈は自分の体から自然と力が抜けていくのを感じた・・・
* * *
「だめ・・・よ・・・隆史くん・・・わたし・・・」
ようやく隆史の腕の中から解放された葉琉奈は、さっと背を向けるように後ろを向いてしまう。
「俺は本気なんだ。それとも、葉琉奈ちゃんにはもう誰か好きな人が?」
「ううん・・・でも、こんな恥ずかしい格好まで見せてるのに・・・こうして隆史くんの前にいるだけで情けない・・・」
「そんなことないよ。今の葉琉奈ちゃん、とっても魅力的だよ・・・首筋だってこんなにすべすべしていて・・・」
隆史は耳元にささやいて、葉琉奈の白いうなじに舌をはわせる。先ほどまでの行為で敏感になっていた葉琉奈は、そんな軽い刺激にも甘い吐息をもらす。
「あ、あん・・・そ、そんなこと・・・あうっ!」
「葉琉奈ちゃん、嫌なの?・・・それなら止めるけど。」
(隆史君って、こんなにまで真剣なんだ。私は・・・)
自分を真っ直ぐに見つめる隆史の瞳、そして体全体を支配する熱情に、葉琉奈はゆっくり首を横に振る。彼女の同意に勇気づけられた隆史の左手が、少女の胸元に滑りこむ。堅くしこった乳首をいじり回す指の動きに、葉琉奈の口からかすかな喘ぎ声がもれる。
そんな葉琉奈の体が、突然ぴくんっと弓ぞるように反り返った。隆史の右手がするりと内股の間に入り込み、愛液にししどに濡れた割れ目に侵入してきたのだ。胸とアソコの二段攻撃に、葉琉奈は肩まで伸ばした長い髪をばさばさと左右に振り乱して悶える。
「もう、服脱がしちゃうね。」
隆史はそうささやいたかと思うと、さっと葉琉奈の衣と袴をはぎ取ってしまう。ブラジャーとパンティだけの姿を見られている、そんな恥ずかしさで葉琉奈の頬がみるみる真っ赤に染まっていく。彼女のそういう反応を楽しむように、後ろから少女の体を抱え込んだ隆史の両腕が、まだふくらみきれない胸に指をはわせる。
体をまさぐる指は、だんだん下半身へと降りていく。ぴくぴくと震えるお腹を滑りおりた指先が、薄く産毛の生えたデルタゾーン、そしてピンクに色づいた秘所に到達した。尖りかけの肉芽を薄い包皮から剥きだし、くりくりとつまみ上げる。女の子にとって最も感じやすい性感体から発する快感・・・それに耐えられなくなった葉琉奈は、前のめりに倒れ込んで荒い息をつく。
「・・・はぁ、はぁ・・・あ・・・こ、こんな格好、恥ずかしいぃ・・・」
四つん這いになった格好で喘ぎ声をもらす葉琉奈を背後から見つめる隆史・・・興奮に桜色に色づいた背中には、葉琉奈がいつも自慢していた長く細い絹のような黒髪が汗で張りついている。そんななまめかしいコントラストにも、隆史の心は高ぶっていく。
(と、とうとう・・・これが葉琉奈ちゃんのアソコ・・・)
たまらなくなった隆史は、もう愛蜜でぐっしょり濡れたパンティに手をかけると、一気に引き下ろした。その瞬間、隆史の目の前に、外気に触れてぴくぴく蠢く葉琉奈のアソコがさらけだされる。興奮に左右に広がり始めた大陰唇の間から覗く処女穴・・・止めどなく流れ出す愛蜜の泉に、隆史はたまらず飲み干すように吸い付いていく。
「はんっ・・・な、なんか入ってくるの・・・」
隆史の舌が胎内に侵入してくるのを感じとった葉琉奈は、お尻を左右に振って身悶える。柔らかな舌の感触は、まだ異物に慣れていない未成熟な膣壁を優しく刺激し、少女の体に未知の快感を引き出していく。
(あんっ・・・こんなとこ舐められてるのに・・・で、でも、気持ちいいようっ)
更なる快感を求めて、葉琉奈の腰がアソコを強く押しつけるように自然と動く。そんな彼女の淫らな動作に、隆史の行為はますますエスカレートする。舌を引き抜いた隆史の目が、スリットの上の小さなすぼまりに引きつけられた。ぴくぴく収縮している菫色のアヌスを、じっとりと愛液で濡れた指先で揉みほぐす。今まで体験したことのない感覚・・・嫌悪感とそしてムズ痒いような快感に混乱した葉琉奈の下半身が小さく痙攣してるのがわかる。
「そ、そんなとこ・・・汚いよっ・・・だめっ・・・あん!」
「ううん、全然汚くなんかない・・・それに、葉琉奈ちゃんだってこんなに欲しがってるよ」
隆史の指が、とうとう葉琉奈の腸内にずぶずぶと侵入してくる。菊の花びらにも似た肛門が指を食べてしまったような眺めに刺激され、隆史は奥まで挿入した指をぐりぐりかきまわす。排泄器官を縫われる、そんな予想もしなかった出来事に、葉琉奈の口から苦しげな吐息がもれる。
(くふっ・・・こんな恥ずかしいところで感じちゃうなんて・・・私、どうかしちゃってる・・・で、でも、がまんできないようぅ)
アヌスを弄ばれて感じている・・・そんな淫らな姿は見られたくない。そう思った葉琉奈は、血が滲むほど唇を噛みしめて、もれそうな喘ぎ声を必死にこらえる。
でも、それは無駄な努力だった。アヌスをほじくりまわす指に加えて、濡れそぼったヴァギナにも指が侵入してきたのだ。ぐしゅぐしゅという音を立てて、隆史の指が葉琉奈の大事な部分を犯していく。肛門と膣口・・・二つのヴァージンホールを同時に奥まで抉られる感触は、あっさりと葉琉奈の理性を吹き飛ばした。
「きゃふっ・・・それっ・・・と、とっても気持ちいいよう・・・ああぁんっ!」
ひときわ甲高い声が室内に響いたかと思うと、跳ね上がった葉琉奈の体がぐったりと床に崩れ落ちてしまう。顔をつっぷしたまま肩で息をしている少女。そう、神に仕える巫女の淫らな姿態に、隆史の心臓の鼓動が一段と跳ね上がる。
(そうだ、葉琉奈ちゃんって巫女なんだ。だけど、もう止められないよっ)
神聖なはずの存在を、清らかな神社の中で汚す・・・そんな罪の思いさえ、今の隆史にはアクセルにしかならない。
「ねえ・・・いいかな?」
(・・・とうとう、この時なんだわ・・・でも、後悔はしない・・・)
ささやくような言葉に隆史の本意を感じとった葉琉奈は、苦しげな瞳を向けてうなずいた。隆史の両手が、葉琉奈のきゅっと締まったお尻をつかんで高く持ち上げる。隆史の目が、湯気がたちそうなほど濡れそぼったクレバス、そしてその中心、待ちわびるようにぴくぴく蠢いている膣口に引きつけられる。
くちゅっという湿った音とともに、乙女の部分に自分の肉棒を押しつける。きれいなサーモンピンクの柔肉が包み込むように、隆史の亀頭を飲み込んでいく。
(あ・・・入ってくる、入ってくるよ・・・)
隆史自身を胎内に感じたのと同時に、ぴきっという響きと激痛が葉琉奈の体を駆け巡った。純潔のあかし、処女膜が引き裂かれた時の想像以上の衝撃に、半開きになった葉琉奈の口からはか細い声がもれる。
「あふっ・・・あああぁ・・・」
苦痛に必死に耐えている葉琉奈の瞳から、再びきらめく涙が流れ落ちた。そんな彼女の様子を気遣ってか、隆史はいたわるようにゆっくりと自分のモノを出し入れする。
ぐしゅ・・・ぐしゅ・・・
稚拙な、しかし優しさのこもった隆史の動きが、傷ついた葉琉奈の膣壁に徐々に快感をもたらしていく。アソコから浸透してくる熱い奔流に、悲痛だった葉琉奈の声がだんだんとつやっぽいものに変化していく。
「あん・・・いいようっ・・・なんで、こんな・・・でも・・・い、いっちゃう!」
「お、俺も、一緒に・・・・」
ひときわ高い喘ぎ声ともに、葉琉奈は体全体をぴくぴく痙攣させて悶える。その瞬間、彼女のアソコがぎゅっと締めつける感触に、隆史も自分の全てを彼女の中にそそぎ込んでいた・・・
* * *
騒がしい月曜日の教室。週末の出来事を伝え合うクラスメートを横目で見ながら、葉琉奈は、昨日のことに思いをはせていた。
隆史の正気を奪っていた鏡の破片・・・帰宅した祖父に見せた時の驚きの顔が思い出される。祖父の話によれば、どうやら古代に作られた呪いの鏡らしい。持ち主の中にひそむ欲望を増大させ、何が何でも自分の願いを実現させようとする・・・そんな呪力が込められていたそうだ。
(なんで隆史くんがあんなものを・・・でも、呪いの鏡が縁結びしたってわけね。なんだか複雑な気分かも。)
隆史との行為を思い出した葉琉奈が、少し恥ずかしげに苦笑いを浮かべる。そんな彼女に、隣でかしましくおしゃべりしていた友人達が声をかけてくる。
「ねえ、ねえ。葉琉奈のところの神社のお守りって、本当ににばっちりの効き目なの? 最近ちょっと噂聞いたんだけど。」
(そうだ! そういえば隆史くんもあのお守りを買っていったんだ・・・)
友人の言葉に、葉琉奈はくすくす笑いをもらしながら答えていた。
「ふふふ。それはもう、ばっちりの効き目なんだから・・・私が保証するわよ!」
(おわり)
「あのう、これ一つお願いします・・・」
「えっ、あっ、すいません・・・」
天気のいい土曜日、退屈な午後の一刻。うとうとしてたところに突然声をかけられた葉琉奈は、欠伸をかみころしながら、慌てて受け答えた。
「はい、縁結びのお守りですね。五百円になります・・・って、あれ、岡村くんじゃない?」
「も、もしかして、丞静院さん。どうしたの、巫女さんの格好なんかして・・・」
声をかけてきた相手が同じ中学の同級生である岡村隆史なのに気づき、葉琉奈はちょっとびっくりしてしまった。
でも、それは相手の男の子も同じらしい。まさかこんなところで、といった感じの驚いた表情がおかしくて、葉琉奈はくすっと吹き出してしまう。
「ふふふ、驚いたの。ここは、おじいちゃんの神社なのよ。それで、二、三日ほど留守する間の番を頼まれてたの。まあ、岡村くんが来るとは思わなかったけどね。」
「で、でも、まさか、丞静院さんがこんなところにいるなんて・・・あ、でも、名字とか確かにそれっぽいなって気もするか・・・って、何を言っているだろ・・・」
「しどろもどろの受け答えしちゃって、一体どうしたの? そうか、このお守りね。」
葉琉奈はそう言って、ちょっといたづらっぽく笑いかけた。
その言葉に、隆史はあわてて言い訳を始める。
「あ、そ、それは・・・そう、そうだ! 姉貴に頼まれちゃって・・・」
「何がそうだ、よ。そんなのまるっきり嘘ってわかるわよ・・・ま、せっかく来てくれたんだし、奥でお茶でも飲んでいかない?」
「でも、ここはどうするの?」
「大丈夫、ちょっとの時間なら人も来ないだろうし。それより、ささ、はやくはやく!」
「でも、岡村くんが縁結びのお守りなんてねえ・・・」
神社の建物のちょっと奥、ちょうど巫女さんの休憩部屋みたいなところに通された岡村くんは少し緊張してるみたい。そんな感想を抱きながら、葉琉奈は入れたばかりの緑茶をすすめて、早速切り出した。
「悪いことじゃ全然無いけどね。でも、ちょっと意外だったかな。だって、すっごくもてるじゃない、岡村くんって。」
生徒会副会長にしてバスケ部の部長、成績も優秀でルックスもまあまあ。同級生の女子のなかでも人気の高い岡村くんが、わざわざ女の子の事で神頼みなんてちょっと信じられなかったのだ。
「だから、それは・・・そうだよ、俺のだよ。でも、そんなにもてるわけじゃないさ。」
葉琉奈の言葉に、隆史は観念したようにぷいと横を向いてしまう。いつもとは感じの違うそんな隆史の態度に、葉琉奈はかすかに笑みをこぼす。
「ふーん、そんなことはないと思うけど。だけど、誰なのかな、岡村くんにそんなふうに想われてる人って。」
「・・・いいだろ、誰だって・・・それよりこのことは・・・」
「わかってるって。別に誰にも言ったりはしないわよ。」
そう言ってにっこり笑う葉琉奈の姿に、隆史はひそかに溜息をついていた。
* * *
「あーあ、まったく脈なしかな・・・」
神社からの帰り道、隆史はそんなことをぼやきながら歩いていた。
「それにしてもあの神社の巫女を、よりによって彼女がやってるとはなあ。全く誰だよ、あそこのお守りが恋愛にばっちり効くって言ったのは・・・」
そう、隆史の想い人というのは、葉琉奈その人だったのだ。初めて彼女を見た時に受けた、物静かで触れば壊れそうな印象が忘れられなかったのだ。
(あれは確か五年前だったかなあ)
隆史がいつものように友人の家に遊びに行った時、そこで出会った少女・・・それが友人のいとこである葉琉奈だった。庭の池のほとりで小鳥達とたわむれる姿、そしてこちらに向けてくれた涼しげな微笑み。そのたった一度の出会いが隆史の初恋だった。
(そして中学に入学した時、彼女と再会できたんだよな・・・もっとも相手は全然覚えてなかったみたいだけど。それに一年の時はクラスも違ったせいで、いまいち親しくなれなかったし。二年になってようやく同じクラスになれたんだけど、まだまだ友達の段階だからなあ・・・)
そんなときにたまたま聞きつけたのが、あの縁結びのお守りの噂だったのだ。部活の女子マネージャーたちがかしましく話してたのを聞き、こっそり買いに来たつもりだったのだが・・・
(あー、これじゃあ、まるっきり逆効果だよ。それに、彼女あんまり気にした感じも見せなかったし・・・これで、少し気にした様子でもあれば期待が持てたんだけど。どちらかというと、いつもよりかえって元気よすぎる感じだったよなあ・・・)
「・・・あれは・・・」
そんなことを考えながら歩いていた隆史の目にふと止まったのが、脇の店のショーウィンドウに飾られた一枚の手鏡、手の中にすっぽりと入ってしまうほどの小さな鏡だった。
「・・・ふーん、こんなところにアンティークショップなんてあったかなあ・・・まあ、いいや」
興味を引かれた隆史は、薄暗い店内の中に入っていった。二十坪ほどの店内には様々な国のものと思われる骨董品や貴重品が並べられ、この空間だけが現世から遊離してるかのような印象を受ける。
「何をお探しでしょうか?」
この不思議な雰囲気からそのまま浮き出したような女性・・・どうやらこの店のオーナーなのかな・・・がそう声をかけてきた。少し茶色がかったつやのある髪、ともすれば冷ややかな印象さえ受けそうなほど整った顔立ちに隆史は少し圧倒されるものを感じた。
「・・・あ、いや・・・あの鏡なんですけど。」
「あの品物ですか・・・あれは・・・」
隆史の言葉に、その女性はちょっと首をかしげる。
「何か問題でもあるんですか?」
「いえ、そんなわけではありません・・・この鏡は持ち主の願いをかなえると言い伝えられてるものなんです・・・」
「本当ですか? なんだか信じられないけど。」
疑わしそうな隆史の問いに、女性はゆっくりと首を横に振って答える。
「わかりません、私はこれに願いを託したことはございませんので・・・」
「まあ、いいか。それでは、これ頂きます。」
鏡に不可思議な魅力を感じた隆史は、店主の言葉を途中で遮って、買ってしまうことにした。鏡を購入して店を出ていく隆史と、それを見送る女性。
「・・・ただ、持ち主の想いと少しずれた形で願いはかなえられるそうです・・・」
彼女は、隆史の後ろ姿に向けてそうつぶやいていた。
* * *
「まあ、こんなもので願いがかなえば世話はないけどな・・・」
その日の夜、自室で買ったばかりの手鏡をもてあそびながら、隆史はそうつぶやいていた。
「あーあ、せめて、こっちの気持ちに少しぐらいは気づいてくれたらなあ。」
鏡にうつる自分の顔を眺めながら、先ほどの葉琉奈との会話を思い出す隆史。その瞳には、自分の想いを全く知りもしない葉琉奈と、想いを伝えることのできない自分自身への歯がゆさが浮かんでいる。
(自分の気持ちが伝わるだけでいい? そんなことはないだろう・・・)
瞬間、隆史の頭の中にそんな台詞が響く。その言葉にはっとした隆史は、鏡に写った自分の表情が微妙に変化しているのに気づく。そう、まるで自分のはずなのに自分でないような・・・
「そんなことはない! 俺は・・・」
(俺は、彼女が欲しい・・・そうだろう?)
「・・・誰だ、お前は! さんざん勝手なことを!」
(俺は、お前自身・・・お前の中に眠る本当のお前さ。お前は、彼女を自分のものにしたがってる。彼女と一つになりたい、彼女をめちゃめちゃにしたい・・・)
「そんなことは・・・」
ない、と言うつもりだった隆史の脳裏に、今日の神社でのシーンが浮かび上がる。自分にお茶を入れてくれた時、ちょっと前かがみになった葉琉奈の胸元・・・巫女装束からのぞく白い胸の谷間が。
「そう、俺は葉琉奈が欲しい・・・それが俺の願い・・・」
心ここにあらずといった感じでつぶやく隆史。自分の意識とは違う別の存在が表にでてくるような感覚、そして、鏡に写った隆史は微かな笑いを浮かべていた・・・
* * *
「あーあ・・・こんなお日様ぽかぽかの気持ちいい日に何やってるんだろぅ・・・」
日曜日の午後、神社の留守番で暇を持て余した葉琉奈は、お守り売場の机につっぷしたまま、そうつぶやいていた。
「デートとかしてる友達もいるんだろうに。まあ、そもそも相手がいないって話もあるけど・・・」
そんな葉琉奈の脳裏に、昨日の隆史の姿が思い出される。「そんなにもてるわけじゃない」と言った時の彼の瞳の真剣さが・・・
「岡村くん・・・やっぱり好きな人いるんだろうな。なんだかちょっとショック受けちゃった・・・」
どちらかというとおとなしい彼女にとって、いとこの友人でもある隆史は数少ない男の子の友達だった。その隆史に好きな人がいる・・・彼が遠くに行ってしまったようで少し寂しかったのだ。
「・・・別に何か期待してたわけでもないけど・・・はあぁ」
無理にはしゃいでみせた昨日の自分が恨めしい。落ち込む心で溜息をついた葉琉奈は、不意に机に影がさしたことに・・・誰か近づいてきたのに気づき、はっと顔を上げる。
「何かご用でしょうか・・・あ、岡村くん。今日はどうしたの?」
「うん・・・あっ、いや、ちょっと話があって・・・」
(あれ? ちょっといつもより元気ないみたい・・・どうしたんだろう?)
目の前に立つ隆史の様子に少し疑問を感じた葉琉奈は、軽く首をかしげる。しかし、すぐに気をとりなおして立ち上がった。
「・・・話、私に? まあ、ここじゃあなんだし、奥の部屋でお茶でも飲みながら話しましょ。」
「じゃあ、そのあたりに座って待っててね、私は、何かお茶菓子でも取ってくるから・・・えっ!」
隆史を部屋に案内した葉琉奈は、お茶の用意でも、と台所の方に向かおうとする。その彼女が、急にびっくりした声をだして振り返った・・・突然、後ろから腕をぐっと引っ張られたからだ。
「えっ。な、何、どうしたの?」
「どうもしてないよ・・・これが話の内容ってこと・・・」
そう言ったかと思うと、隆史の唇がさっと葉琉奈の唇を奪う。
(えっ!・・・えー・・・お、岡村くんとキスしちゃったよー)
あまりといえば、あまりに突然の出来事に混乱した葉琉奈の頬が、見る見るうちに朱に染まっていく。それでも必死に抗議の声を上げようとするが、唇を塞がれてるために全然声が出せないのがもどかしい。
(で、でも、避けられなかった。逃れようと思えば逃れられたはずなのに・・・私、岡村くんのことが好きだったのかな。あーん、わかんないよう・・・)
頭の中が完全にこんがらがってしまい、葉琉奈は体中の力が抜けたようにぺたんとしゃがみ込んでしまった。
そんな葉琉奈の桜色の唇をようやく解放した隆史は、そのまま肩をつかんで畳敷きの床に葉琉奈の体を押し倒す。
「君が・・・君の全てが欲しいんだ・・・」
「ちょ、ちょっと待ってよ。そんなこと急に言われても・・・きゃんっ」
覆い被さるようにしてくる隆史の体を細い両腕で必死に押し返そうとしながら、葉琉奈は制止の言葉をかける。
そんな様子を全く意に介さず、隆史の手が葉琉奈の薄い胸をさわさわとまさぐる。
(あーん、岡村くんがこんなことするなんて・・・でも、なんだか変な気分・・・って、だめ、だめ)
初めて男の手で揉みあげられる胸からは、切ない感覚(かいかん)があふれ出す。押し流されそうになった葉琉奈は、ぷるぷると首を横に振って、そんな思いを吹き飛ばそうとする。
彼女の思いを知ってか知らずか、隆史の手の動きはさらに激しさを増す。乳首をコリコリとつまみ上げると、白い薄地の布越しにもはっきりわかるほど尖り始める。
「・・・あん、だ、だめっ・・・あーん」
隆史は、勃起したピンク色の乳首を口に含み軽く噛む。その刺激に、葉琉奈はたまらず甲高い声をあげた。体中を走る熱い想いに、隆史の体を押し戻そうとする葉琉奈の両腕から力が抜けていくのがわかる。
(だ、だめよ、こんなことしちゃだめなんだから・・・でも、なぜか体中に力が入らない・・・ど、どうして・・・)
抵抗できない葉琉奈の様子に促されるように、隆史の手がするりと葉琉奈の袴の裾の下に入りこんだ。初めて太股に感じる男の手の感触に、葉琉奈はぴくっと身を震わせる。そのまま隆史の指はパンティの下にもぐり込み、ついに少女の秘所に到達する。
乙女にとって最も恥ずかしい部分を男の子の触られている・・・そんな状況に葉琉奈は羞恥に頬を赤らめながら唇を強く噛みしめた。柔らかな媚肉を丹念に撫でまわす隆史の手の動きに合わせるように、葉琉奈の体がぴくぴくと痙攣する。
(あんっ・・・こ、こんなことって・・・でも体がだんだん熱くなってきちゃう)
まだ包皮に包まれたクリトリスをくりくりとつまむような指の動きに、葉琉奈の割れ目の中心からは、とろとろと透明な愛蜜が漏れ出した。くちゅくちゅとアソコからもれる淫音に、葉琉奈は耳たぶまで真っ赤に染めながら、切ない悲鳴を洩らす。
「きゃふっ・・・あんっ・・・もう・・・あうっ・・・」
さらにエスカレートする隆史の指の動き・・・興奮にぷっくりと膨らみはじめた柔らかな処女肉を人差し指と薬指で押し開き、中指でスリットの中心を擦り上げる。むき出しにされたヴァギナの入り口を、愛液で濡れたくった指がなぶるように揉みしだく。熱く火照る秘所から体中に広がる快感に、葉琉奈は海老反るように体をくねらせる。
「あん・・・それはだめっ!・・・あうぅ・・・」
突然、葉琉奈は甲高い悲鳴をあげたかと思うと、切ない溜息を洩らしはじめた。隆史の指が、とうとうまだ男を知らない膣口の中に侵入しはじめたのだ。ずぶずぶという音を立ててゆっくりともぐり込んでくる指、生まれてはじめて胎内で感じる指の感覚に、葉琉奈は身悶えしながら、喘ぎ声をあげる。
「くっ・・・いやっ・・・あん・・・あうっ!」
堅く尖り始めたクリトリスを揉むように親指の腹で刺激する。瑞々しい柔肉は充血して赤く腫れ上がり、クレバスの中心からは透明な淫蜜が次から次にあふれ出す。自分の恥ずかしい部分を好き放題になぶる動きに、たまらず葉琉奈は隆史の手を抑えようとする。
そんな葉琉奈の思いを見透かしたように、隆史はもう一方の手をするりと葉琉奈の胸元に滑り込ませた。まんまとブラジャーの下のもぐり込んだ指が、葉琉奈の成長途上の柔胸を痛いほど揉みしだく。直に乳房に触れる男の手の感触に翻弄される葉琉奈・・・股間にもぐり込んだ腕を押さえる彼女の力が緩んだ隙に、隆史は未成熟な膣の奥までずぶりと指を差し入れた。
「ねえ・・・も、もうこんなことやめようっ・・・お願い・・・あんっ」
指が完全に沈みきった瞬間、葉琉奈の半開きの瞳から一筋の涙が流れ落ちる。その光る滴を見た隆史の体がぴくりと震えるのに、葉琉奈は気づいた。
(ち、違う・・・これは、岡村くんじゃない!)
隆史の瞳に翳る苦悩の思いを見た瞬間、葉琉奈は反射的にそう感じとった。巫女としての直感が、隆史の中にひそむ別の存在への警鐘を鳴らす。
「お・・・岡村くんっ・・・も、もう、やめてっ・・・きゃふっ・・・」
(だ、だめだっ!・・・こんなこと、だめなんだ!)
喘ぎ喘ぎながら必死に制止の言葉をかける葉琉奈の耳に、そんな隆史の声が聞こえたような気がした。その瞬間、少女の華奢な体を押さえつけていた力がふっとゆるむ。
(隆史くんの声・・・今だわ!)
体中を駆け巡る快感に力のはいらない両腕、まるで自分のものじゃないみたいな両腕に必死に力を込めて、隆史の体を振り払う葉琉奈。ようやく解放され荒い息をつく彼女の目に、突き飛ばされた拍子に隆史の胸元からこぼれ落ちたもの・・・小さな手鏡だ・・・がうつる。
(あのまがまがしい気配!・・・これだわ、このせいで隆史くんは!)
転がる物体にせいいっぱい腕を伸ばす。タッチの差で鏡を手にした葉琉奈は、おもいっきりの力をこめて壁に向かって叩きつけた・・・
* * *
ぱりんっ!
静かな室内に乾いた音が響く。その音で自分を取り戻した隆史は、朦朧とした頭であたりを見まわす。
「た、隆史くん・・・?」
ぺたんとしゃがみ込んでいた葉琉奈が、心配そうな瞳で問いかける。目があった瞬間、隆史の脳裏につい今しがたまでの出来事が思い出された。
「ごめん! 俺、なんてことしてしまったんだ・・・」
顔を伏せて、血がにじむほど唇をかみしめる隆史。自分はこんなことを望んでいたのか・・・そんな激しい自己嫌悪に襲われる。
「う、ううん、いいの。それより、隆史くんが無事でよかった・・・」
葉琉奈はあふれでる涙を指でぬぐいながら、そう隆史を慰めた。
はだけた斎衣からのぞく胸元、乱れた袴の裾からは細いすべすべした太股が露になっている・・・やっと顔をあげた隆史の目に飛び込んできたのは、そんな葉琉奈の姿態だった。そして、下半身を覆う袴の中心、ちょうど葉琉奈の股間に当たる部分がじっとりと湿っているのに気づき、隆史は顔を赤らめる。
「・・・あっ!・・・い、嫌・・・見ないで・・・」
隆史の視線でようやく自分の様子に気づいた葉琉奈が悲鳴をあげた。見られているのを隠すように、慌てて股間を手で押さえる・・・皮肉にも、その動作がアソコに溜まっていた愛液をぷしゅっと押し出す役割を果たす。衣を、そして太股を蜜がじっとりと濡らしていく。そんなあまりの羞恥に、葉琉奈は首筋まで真っ赤に染めてうつむいてしまう。
葉琉奈の言葉にあわてて背を向けた隆史が、ぽつりとつぶやいた。
「・・・ごめん・・・君にそんな思いをさせるつもりじゃなかったのに・・・」
「ちがうの! 隆史くんは悪くない・・・悪いのは私なの。様子がおかしいこと、もっと早くに気づけたはずだったのに。本当に隆史・・・ううん、岡村くんが私のことを求めてるんじゃないかって思っちゃったのかな。そんなことあるはずないのに。」
「は、葉琉奈ちゃん・・・」
「岡村くんの気持ち、勘違いしちゃって。馬鹿ね、私ったら。こんないやらしい姿まで見られて・・・もう、ほんとに自分で自分が嫌になるわ・・・」
「ち、違う! 違うんだ・・・本当に、俺は君を・・・」
うつむいたままぽつりとつぶやく葉琉奈の言葉に、隆史は弾かれるように彼女の側に近寄った。がしっと両肩をつかまれた葉琉奈がゆっくりと顔を上げる。上気して赤く染まった頬、涙に濡れる瞳を間近に見て、隆史は思わず言葉を途中で切って、葉琉奈の唇にキスする。
「お、岡村くん・・・慰めてるつもりなら・・・」
「前から、ずっと前から君のことが好きだったんだ・・・だから、だからそんなこと言わないで。」
葉琉奈の柔らかな体をぎゅっと抱きしめる隆史。その腕の中で、葉琉奈は自分の体から自然と力が抜けていくのを感じた・・・
* * *
「だめ・・・よ・・・隆史くん・・・わたし・・・」
ようやく隆史の腕の中から解放された葉琉奈は、さっと背を向けるように後ろを向いてしまう。
「俺は本気なんだ。それとも、葉琉奈ちゃんにはもう誰か好きな人が?」
「ううん・・・でも、こんな恥ずかしい格好まで見せてるのに・・・こうして隆史くんの前にいるだけで情けない・・・」
「そんなことないよ。今の葉琉奈ちゃん、とっても魅力的だよ・・・首筋だってこんなにすべすべしていて・・・」
隆史は耳元にささやいて、葉琉奈の白いうなじに舌をはわせる。先ほどまでの行為で敏感になっていた葉琉奈は、そんな軽い刺激にも甘い吐息をもらす。
「あ、あん・・・そ、そんなこと・・・あうっ!」
「葉琉奈ちゃん、嫌なの?・・・それなら止めるけど。」
(隆史君って、こんなにまで真剣なんだ。私は・・・)
自分を真っ直ぐに見つめる隆史の瞳、そして体全体を支配する熱情に、葉琉奈はゆっくり首を横に振る。彼女の同意に勇気づけられた隆史の左手が、少女の胸元に滑りこむ。堅くしこった乳首をいじり回す指の動きに、葉琉奈の口からかすかな喘ぎ声がもれる。
そんな葉琉奈の体が、突然ぴくんっと弓ぞるように反り返った。隆史の右手がするりと内股の間に入り込み、愛液にししどに濡れた割れ目に侵入してきたのだ。胸とアソコの二段攻撃に、葉琉奈は肩まで伸ばした長い髪をばさばさと左右に振り乱して悶える。
「もう、服脱がしちゃうね。」
隆史はそうささやいたかと思うと、さっと葉琉奈の衣と袴をはぎ取ってしまう。ブラジャーとパンティだけの姿を見られている、そんな恥ずかしさで葉琉奈の頬がみるみる真っ赤に染まっていく。彼女のそういう反応を楽しむように、後ろから少女の体を抱え込んだ隆史の両腕が、まだふくらみきれない胸に指をはわせる。
体をまさぐる指は、だんだん下半身へと降りていく。ぴくぴくと震えるお腹を滑りおりた指先が、薄く産毛の生えたデルタゾーン、そしてピンクに色づいた秘所に到達した。尖りかけの肉芽を薄い包皮から剥きだし、くりくりとつまみ上げる。女の子にとって最も感じやすい性感体から発する快感・・・それに耐えられなくなった葉琉奈は、前のめりに倒れ込んで荒い息をつく。
「・・・はぁ、はぁ・・・あ・・・こ、こんな格好、恥ずかしいぃ・・・」
四つん這いになった格好で喘ぎ声をもらす葉琉奈を背後から見つめる隆史・・・興奮に桜色に色づいた背中には、葉琉奈がいつも自慢していた長く細い絹のような黒髪が汗で張りついている。そんななまめかしいコントラストにも、隆史の心は高ぶっていく。
(と、とうとう・・・これが葉琉奈ちゃんのアソコ・・・)
たまらなくなった隆史は、もう愛蜜でぐっしょり濡れたパンティに手をかけると、一気に引き下ろした。その瞬間、隆史の目の前に、外気に触れてぴくぴく蠢く葉琉奈のアソコがさらけだされる。興奮に左右に広がり始めた大陰唇の間から覗く処女穴・・・止めどなく流れ出す愛蜜の泉に、隆史はたまらず飲み干すように吸い付いていく。
「はんっ・・・な、なんか入ってくるの・・・」
隆史の舌が胎内に侵入してくるのを感じとった葉琉奈は、お尻を左右に振って身悶える。柔らかな舌の感触は、まだ異物に慣れていない未成熟な膣壁を優しく刺激し、少女の体に未知の快感を引き出していく。
(あんっ・・・こんなとこ舐められてるのに・・・で、でも、気持ちいいようっ)
更なる快感を求めて、葉琉奈の腰がアソコを強く押しつけるように自然と動く。そんな彼女の淫らな動作に、隆史の行為はますますエスカレートする。舌を引き抜いた隆史の目が、スリットの上の小さなすぼまりに引きつけられた。ぴくぴく収縮している菫色のアヌスを、じっとりと愛液で濡れた指先で揉みほぐす。今まで体験したことのない感覚・・・嫌悪感とそしてムズ痒いような快感に混乱した葉琉奈の下半身が小さく痙攣してるのがわかる。
「そ、そんなとこ・・・汚いよっ・・・だめっ・・・あん!」
「ううん、全然汚くなんかない・・・それに、葉琉奈ちゃんだってこんなに欲しがってるよ」
隆史の指が、とうとう葉琉奈の腸内にずぶずぶと侵入してくる。菊の花びらにも似た肛門が指を食べてしまったような眺めに刺激され、隆史は奥まで挿入した指をぐりぐりかきまわす。排泄器官を縫われる、そんな予想もしなかった出来事に、葉琉奈の口から苦しげな吐息がもれる。
(くふっ・・・こんな恥ずかしいところで感じちゃうなんて・・・私、どうかしちゃってる・・・で、でも、がまんできないようぅ)
アヌスを弄ばれて感じている・・・そんな淫らな姿は見られたくない。そう思った葉琉奈は、血が滲むほど唇を噛みしめて、もれそうな喘ぎ声を必死にこらえる。
でも、それは無駄な努力だった。アヌスをほじくりまわす指に加えて、濡れそぼったヴァギナにも指が侵入してきたのだ。ぐしゅぐしゅという音を立てて、隆史の指が葉琉奈の大事な部分を犯していく。肛門と膣口・・・二つのヴァージンホールを同時に奥まで抉られる感触は、あっさりと葉琉奈の理性を吹き飛ばした。
「きゃふっ・・・それっ・・・と、とっても気持ちいいよう・・・ああぁんっ!」
ひときわ甲高い声が室内に響いたかと思うと、跳ね上がった葉琉奈の体がぐったりと床に崩れ落ちてしまう。顔をつっぷしたまま肩で息をしている少女。そう、神に仕える巫女の淫らな姿態に、隆史の心臓の鼓動が一段と跳ね上がる。
(そうだ、葉琉奈ちゃんって巫女なんだ。だけど、もう止められないよっ)
神聖なはずの存在を、清らかな神社の中で汚す・・・そんな罪の思いさえ、今の隆史にはアクセルにしかならない。
「ねえ・・・いいかな?」
(・・・とうとう、この時なんだわ・・・でも、後悔はしない・・・)
ささやくような言葉に隆史の本意を感じとった葉琉奈は、苦しげな瞳を向けてうなずいた。隆史の両手が、葉琉奈のきゅっと締まったお尻をつかんで高く持ち上げる。隆史の目が、湯気がたちそうなほど濡れそぼったクレバス、そしてその中心、待ちわびるようにぴくぴく蠢いている膣口に引きつけられる。
くちゅっという湿った音とともに、乙女の部分に自分の肉棒を押しつける。きれいなサーモンピンクの柔肉が包み込むように、隆史の亀頭を飲み込んでいく。
(あ・・・入ってくる、入ってくるよ・・・)
隆史自身を胎内に感じたのと同時に、ぴきっという響きと激痛が葉琉奈の体を駆け巡った。純潔のあかし、処女膜が引き裂かれた時の想像以上の衝撃に、半開きになった葉琉奈の口からはか細い声がもれる。
「あふっ・・・あああぁ・・・」
苦痛に必死に耐えている葉琉奈の瞳から、再びきらめく涙が流れ落ちた。そんな彼女の様子を気遣ってか、隆史はいたわるようにゆっくりと自分のモノを出し入れする。
ぐしゅ・・・ぐしゅ・・・
稚拙な、しかし優しさのこもった隆史の動きが、傷ついた葉琉奈の膣壁に徐々に快感をもたらしていく。アソコから浸透してくる熱い奔流に、悲痛だった葉琉奈の声がだんだんとつやっぽいものに変化していく。
「あん・・・いいようっ・・・なんで、こんな・・・でも・・・い、いっちゃう!」
「お、俺も、一緒に・・・・」
ひときわ高い喘ぎ声ともに、葉琉奈は体全体をぴくぴく痙攣させて悶える。その瞬間、彼女のアソコがぎゅっと締めつける感触に、隆史も自分の全てを彼女の中にそそぎ込んでいた・・・
* * *
騒がしい月曜日の教室。週末の出来事を伝え合うクラスメートを横目で見ながら、葉琉奈は、昨日のことに思いをはせていた。
隆史の正気を奪っていた鏡の破片・・・帰宅した祖父に見せた時の驚きの顔が思い出される。祖父の話によれば、どうやら古代に作られた呪いの鏡らしい。持ち主の中にひそむ欲望を増大させ、何が何でも自分の願いを実現させようとする・・・そんな呪力が込められていたそうだ。
(なんで隆史くんがあんなものを・・・でも、呪いの鏡が縁結びしたってわけね。なんだか複雑な気分かも。)
隆史との行為を思い出した葉琉奈が、少し恥ずかしげに苦笑いを浮かべる。そんな彼女に、隣でかしましくおしゃべりしていた友人達が声をかけてくる。
「ねえ、ねえ。葉琉奈のところの神社のお守りって、本当ににばっちりの効き目なの? 最近ちょっと噂聞いたんだけど。」
(そうだ! そういえば隆史くんもあのお守りを買っていったんだ・・・)
友人の言葉に、葉琉奈はくすくす笑いをもらしながら答えていた。
「ふふふ。それはもう、ばっちりの効き目なんだから・・・私が保証するわよ!」
(おわり)
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