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小説(転載) 『いとこ同士』 1/2

官能小説
08 /08 2018
『いとこ同士』 (1)

1.プロローグ


「じゃあ、いってらっしゃい。3日間留守にするけど祐人の事よろしくね。」
「ああ、ママも気をつけていってくるんだよ。」
34歳になる良太は妻の真子の話も半分にネクタイの角度に気をとられている。

結婚して9年目。
両親のいない良太ではあったが祖母の家で妻と2人の男の子に恵まれ、幸せな
日々を送っていた。
真子はゴールデンウイークを利用し、自分の両親と3日間の温泉旅行を計画し
ていたが、良太は仕事柄、連休中も仕事となっていて一緒には行ける訳もなか
った。
8歳になる祐人も母親ばなれが出てきたか、友達との約束を優先して温泉には
ついていかないと言っていた。

「そういえば、お婆ちゃんが今日、麻美ちゃんが遊びに来るって言っていたわ
よ。」
「麻美って、あの麻美?」
「うん、久しぶりよね。」
「そうだな。じゃあ、行って来る。」

そう言って良太は仕事への足を急がせた。

(前に見たのはいつだっけかな・・・)

良太のいとこにあたる麻美は10歳ほど年下で、東京の大学に進んだ後、栄養
士になりたいと向こうで勉強をし、今年の4月に戻ってきたらしい。
最後に会ってから6年になるだろうか。
大学に進む前に会ったのが最後だったかもしれない。
高校時代の麻美はどちらかというとぽっちゃりした感じでお世辞にもモテそう
な女の子ではなかったが、彼女の持ち前の明るさと人懐っこい性格が良太は嫌
いではなかった。


2.再会


夕方、仕事を終えた良太は麻美の事も忘れ長男の待つ自宅のドアを開けた。
きっと祐人も一人で寂しかっただろう・・・。

「ただいま~。祐人、今帰ったぞ~!」
「あ、パパ~!お帰り~!」

長男の声が聞こえ、パタパタと忙しそうな足音をたて玄関へと飛び出してきた。
祐人の足音に混じって今日は聞きなれない足音がもう一つあった。

「おかえり。お邪魔してました。」

(えっ・・・・)

良太は目を疑った。
おぼろげに残る顔の輪郭や身長はいとこの麻美のものではあったが他は6年前
とまったく違っていた。
デニムの黒いミニスカートから伸びる長い足にはニーソックス。
上は長袖のTシャツ。
太っていた頃は体のラインがでる服など着ていた事もなかったからである。
セミロングだった髪も伸び、背中の中ほどで綺麗に揃えられていた。

「麻・・美?」
「そうよ。お久しぶりだね。良ちゃん。ご飯出来てるからみんなで食べよ!
 あと、お婆ちゃんが今日泊まってけって言うからお世話になりま~す!」
「あ、ああ。そうか」

麻美にうながされ良太は家族達と麻美の作った夕食を食べていた。
麻美の外見は変わったものの話し方や性格は昔と変わらず明るさがあった。
それにしても6年でこうも変われるのだろうか・・・。
上手にダイエットした様でスタイルは男の目を引くものがある。
そして、何よりも昔から豊満だった胸やお尻だけはそのままに贅肉だけを落と
した感じがしていた。

夕食を終わらせると良太と祐人は風呂に入った。
祐人も麻美に遊んでもらって疲れたのだろう。
いつもは寝つくまでにしばらくかかるのだが今日はあっさりと眠りについてし
まった。

(まだ20:30か・・・寝るにはまだ早いな・・・)

良太はリビングに下りるとテレビを見ながらビールの栓を抜いた。
大瓶の半分を飲み終える頃に、不意にリビングのドアが開いた。

「良ちゃん。ごめ~ん。お婆ちゃん、寝ちゃったみたいだからこっちでドライ
ヤーかけていいかな?」

風呂上りの麻美が申し訳なさそうに中を覗き込む。

「ああ、いいよ。起こしても悪いからな。」
「ありがとう。邪魔になるから奥の部屋でかけるね。」

そう言うと、麻美は隣の部屋で洗ったばかりの髪を乾かし始めた。
開け放たれたままのドアの向こうからは、妻にはない長い髪からの甘い香りが
ドライヤーの乾いた空気に乗ってリビングに漂っていた。


(2)へつづく・・・

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。