小説(転載) 義妹 1/8
官能小説
義妹 Part1~触れ合い~
陽介の母が、新しい父と再婚したのは、陽介が5歳のときだった。義父の家に引っ越した日、陽介は義父の後ろに隠れて自分を恥ずかしそうに見ている沙弥香に初めて会った。
陽介より2歳年下の沙弥香は、素直な性格で、新しい家族にすぐになついた。沙弥香の実の母は、ずいぶんときれいな人だったらしく、父親とあまり似ていない沙弥香は、美少女で、陽介は友達にうらやましがられた。
陽介も、沙弥香が自分の妹であることを自慢に思っていたが、陽介が中学生になると、血がつながっていないという現実が、陽介を苦しめ始めていた。
陽介と沙弥香は、実の兄妹のように仲が良く、両親はそんな2人を見て嬉しそうだった。しかし、本当の兄妹であれば、陽介と沙弥香の仲の良さは異常だったのだ。
両親は、思春期を迎えても特に変化を見せない陽介の様子を妙だとは思わなかった。まもなく高校生となる陽介と中2となる沙弥香は、未だにひとつの子供部屋で寝起きをともにしている。もちろん、どちらかが言いだせば、両親はひとつずつ部屋を与えるつもりであったらしいが、陽介も沙弥香もそれを言いだすことはなかったのである。
無事、第一志望の高校に合格し、中学の卒業式を終えた陽介は沙弥香よりも一足早く春休みに入っていた。
「陽くん、数学教えて。」
沙弥香は、2段ベッドの上段でマンガを読んでいる陽介を呼ぶ。
「ちょっと待って。もう少しで終わるから。」
陽介はそう答えると、次のページをめくった。
「読んじゃったら教えてね。」
ノートに目を移した沙弥香は、ふと思い出したかのように顔を上げた。
「ねぇ、陽くん。おかずにするってどういう意味?」
「は?」
「沙弥香をおかずにしてるらしいって、男子が言ってたの。」
沙弥香の突然の問いに、陽介は沙弥香の顔を見つめた。
「…って、誰の?」
「えっ?」
「誰のオカズになってるって…?」
陽介は冷静を装って、沙弥香に聞き返す。
「誰かは知らないけど、陽くんの同級生らしいよ。沙弥香はその人知らないのに、どういうこと?」
「沙弥香は知らなくてもいいんだ。」
「えっ?どうして。」
「どうしても!!」
沙弥香は少し不機嫌な顔になった。
「なんで?沙弥香に言えないようなことなの?じゃあ…じゃあ…、あんまりいい意味じゃないんだね。」
沙弥香はなんとなくその言葉の意味を感じ取ったようだ。
「う……ん。」
陽介が答えると、沙弥香は泣きそうな顔になって、陽介を見上げる。陽介は、沙弥香のこの表情に弱い。
「エッチな…こと…なんだ。」
陽介はつぶやいた。沙弥香の目がその続きをうながす。
「沙弥香の…エッチな姿を…想像して……。」
陽介はそれ以上のことを言えない。教えなくてもいいことまで、話してしまうからだ。
「陽くんも、誰かをおかずにしたことあるの?」
「え?」
陽介は、顔が熱くなるのがわかった。多分真っ赤になっているのだろう。
「エッチなこと…陽くんも考えるの?」
どうして女の子というのは、答えにくいことをズバズバと質問してくるのだろう。陽介は黙ったままベッドから飛び降りると、部屋を出ていこうとした。
「待って、陽くん。沙弥香、何かいけないこと聞いた?」
沙弥香は慌ててイスから立ちあがり、陽介の腕をつかむ。
「陽くん、最近どんどん変わっちゃって…。沙弥香の知ってる陽くんじゃないみたい。だから…、沙弥香は陽くんのこと、いろいろ知りたかったの……。陽くんが何を考えてるのか、沙弥香は分かんないんだもん。怒らないで。」
「怒ってるわけじゃないよ。…ちょっと困ってるだけ。とにかく、あんまりいい意味じゃないから、他のヤツに、どういうこと?とかって聞くなよ。」
陽介の言葉に沙弥香はうなずいた。
(くそっ…、誰だよ。沙弥香をオナニーのネタなんかにしてるヤツ。)
2階の子供部屋から1階のリビングに降りた陽介は、無性に腹が立ち、ソファの背をけっとばした。沙弥香の友達には多少の知識がある子もいるようで、まだエッチなことに興味がない沙弥香にいろいろと吹き込んでくることも、陽介にとっては嫌だった。
(沙弥香が俺を男だと意識し始めたら、同じ部屋にはいられないだろうな…。)
陽介は、自分の変化を両親にも隠してきた。少年から青年へと変わる様々な変化を両親に知られるわけにはいかなかったのだ。もし、知られてしまったら、同じ部屋にはいられなくなるからである。
(まだ大丈夫…。まだ…沙弥香はガキなんだから…。)
陽介は、冷蔵庫から缶ジュースを2本取り出すと、2階へと上がっていった。
「ほら、ジュース。数学、教えてやるから、分からないとこ見せろよ。」
「うん。ありがとう。」
陽介がイスに座ると、沙弥香は自分のイスを陽介の机のそばに移動し、宿題を差し出した。
「まだ、宿題があるんだな。もうすぐ終了式だろ?」
「うん。1年生のまとめなの。沙弥香、方程式の応用問題が苦手だから…。」
沙弥香の宿題は、もうほとんど終わっており、方程式の文章問題だけが、残っている。
「なんだ、濃度の問題はこの前も教えただろ?忘れたの?」
「だって…まだ分かんないんだもん。…ごめんね。」
沙弥香は唇を少し突きだして、しょんぼりしている。
「いいよ。何度でも教えてやるから。」
陽介は、ぶつぶつと問題を読み上げると、メモ用紙に図をかき、沙弥香に説明し始めた。
「…それで、食塩水xグラムに溶けている食塩の量が…」
陽介はそこまで言うと、いきなり黙り込んでしまった。
「陽くん?」
陽介の手が止まったのに気づいた沙弥香が陽介の顔を不思議そうに見上げている。
「陽くん。どうしたの?」
「沙弥香、そんなに近づくな。」
陽介は顔を赤くして沙弥香から目を反らしている。陽介の手元をのぞき込む沙弥香の胸元から、小さな丸いふくらみとピンク色のブラジャーのレースがちらりと見えていたのだ。
「どうして?陽くん…。」
陽介の言葉の意味が分からない沙弥香は、少し泣きそうな顔をして陽介に問いかける。
「だから…その…見えてるって。」
「えっ…?…きゃぁっ。」
沙弥香は陽介の目線の先に気が付くと、悲鳴をあげて胸元を押さえた。
「み…見た?」
「見たって言うか…見えた…。」
沙弥香の顔がみるみるうちに赤く染まる。
(何だよ…、ついこの前まで何にもなかったのに…。)
沙弥香の乳房がふくらみ始めていることを知り、陽介は動揺していた。まだ子供だと思っていた沙弥香が、知らないうちに女として成長し始めていたのだ。
「陽くん…。」
しばらくして、沙弥香が口を開いた。
「陽くん…好きな子…いる?」
「なんだよ。突然。」
「沙弥香は…陽くんのこと…好きなの。でも…お兄ちゃんだから…だめなんでしょ?」
沙弥香は、頬を赤く染めて涙目になっている。
「そう…だな。」
「でも…血がつながってないもん。好きになるのはいけないことじゃないでしょ?」
「………。」
陽介と沙弥香の間に重い沈黙の時間が流れる。
「沙弥香さ、俺の気持ち聞いてどうするの?…俺が…沙弥香のこと好きだって言ったら、何?付き合うの?俺たち。」
陽介の言葉に怒りが混じっている。陽介は、複雑な気持ちだったのだ。沙弥香の告白は、陽介にとって嬉しいことに違いなかったが、同時に、2人が普通 の関係ではないことも確かである。
「どうしてそんなふうに言うの?沙弥香は…付き合いたいとか、そういうこと言ってるんじゃないよ。普通 のカップルみたいにはなれないこと、沙弥香だって知ってるもん。でも沙弥香は……陽くんが高校生になったら、彼女とかできちゃうの嫌だから…だから陽くんに言いたかったの。…沙弥香のこと好きじゃないなら、沙弥香はあきらめる。陽くんに彼女ができること、覚悟しておきたいの。」
沙弥香の目から大粒の涙がこぼれた。
「沙弥香…。」
陽介の鼓動が激しくなる。ぽろぽろと涙をこぼす沙弥香を見つめるうちに、陽介の目は、沙弥香の柔らかそうな唇に釘付けになっていた。
(どうする…?)
陽介は、こくっと唾を飲み込んだ。
ピロロロ…ピロロロ…
2人の沈黙を壊すかのように、電話がなった。陽介は立ち上がり、電話の子機を手に取る。
「はい、あっ………うん……うん…わかった。…うん。」
ピッ
陽介が電話を切り、沙弥香の方を振り向くと、沙弥香は自分のベッドに潜り込んでいた。
「沙弥香。お母さんたち、今日遅くなるってさ。…俺、ちょっと出かけてくる。」
陽介はそう言って、部屋を出ていった。
陽介の母が、新しい父と再婚したのは、陽介が5歳のときだった。義父の家に引っ越した日、陽介は義父の後ろに隠れて自分を恥ずかしそうに見ている沙弥香に初めて会った。
陽介より2歳年下の沙弥香は、素直な性格で、新しい家族にすぐになついた。沙弥香の実の母は、ずいぶんときれいな人だったらしく、父親とあまり似ていない沙弥香は、美少女で、陽介は友達にうらやましがられた。
陽介も、沙弥香が自分の妹であることを自慢に思っていたが、陽介が中学生になると、血がつながっていないという現実が、陽介を苦しめ始めていた。
陽介と沙弥香は、実の兄妹のように仲が良く、両親はそんな2人を見て嬉しそうだった。しかし、本当の兄妹であれば、陽介と沙弥香の仲の良さは異常だったのだ。
両親は、思春期を迎えても特に変化を見せない陽介の様子を妙だとは思わなかった。まもなく高校生となる陽介と中2となる沙弥香は、未だにひとつの子供部屋で寝起きをともにしている。もちろん、どちらかが言いだせば、両親はひとつずつ部屋を与えるつもりであったらしいが、陽介も沙弥香もそれを言いだすことはなかったのである。
無事、第一志望の高校に合格し、中学の卒業式を終えた陽介は沙弥香よりも一足早く春休みに入っていた。
「陽くん、数学教えて。」
沙弥香は、2段ベッドの上段でマンガを読んでいる陽介を呼ぶ。
「ちょっと待って。もう少しで終わるから。」
陽介はそう答えると、次のページをめくった。
「読んじゃったら教えてね。」
ノートに目を移した沙弥香は、ふと思い出したかのように顔を上げた。
「ねぇ、陽くん。おかずにするってどういう意味?」
「は?」
「沙弥香をおかずにしてるらしいって、男子が言ってたの。」
沙弥香の突然の問いに、陽介は沙弥香の顔を見つめた。
「…って、誰の?」
「えっ?」
「誰のオカズになってるって…?」
陽介は冷静を装って、沙弥香に聞き返す。
「誰かは知らないけど、陽くんの同級生らしいよ。沙弥香はその人知らないのに、どういうこと?」
「沙弥香は知らなくてもいいんだ。」
「えっ?どうして。」
「どうしても!!」
沙弥香は少し不機嫌な顔になった。
「なんで?沙弥香に言えないようなことなの?じゃあ…じゃあ…、あんまりいい意味じゃないんだね。」
沙弥香はなんとなくその言葉の意味を感じ取ったようだ。
「う……ん。」
陽介が答えると、沙弥香は泣きそうな顔になって、陽介を見上げる。陽介は、沙弥香のこの表情に弱い。
「エッチな…こと…なんだ。」
陽介はつぶやいた。沙弥香の目がその続きをうながす。
「沙弥香の…エッチな姿を…想像して……。」
陽介はそれ以上のことを言えない。教えなくてもいいことまで、話してしまうからだ。
「陽くんも、誰かをおかずにしたことあるの?」
「え?」
陽介は、顔が熱くなるのがわかった。多分真っ赤になっているのだろう。
「エッチなこと…陽くんも考えるの?」
どうして女の子というのは、答えにくいことをズバズバと質問してくるのだろう。陽介は黙ったままベッドから飛び降りると、部屋を出ていこうとした。
「待って、陽くん。沙弥香、何かいけないこと聞いた?」
沙弥香は慌ててイスから立ちあがり、陽介の腕をつかむ。
「陽くん、最近どんどん変わっちゃって…。沙弥香の知ってる陽くんじゃないみたい。だから…、沙弥香は陽くんのこと、いろいろ知りたかったの……。陽くんが何を考えてるのか、沙弥香は分かんないんだもん。怒らないで。」
「怒ってるわけじゃないよ。…ちょっと困ってるだけ。とにかく、あんまりいい意味じゃないから、他のヤツに、どういうこと?とかって聞くなよ。」
陽介の言葉に沙弥香はうなずいた。
(くそっ…、誰だよ。沙弥香をオナニーのネタなんかにしてるヤツ。)
2階の子供部屋から1階のリビングに降りた陽介は、無性に腹が立ち、ソファの背をけっとばした。沙弥香の友達には多少の知識がある子もいるようで、まだエッチなことに興味がない沙弥香にいろいろと吹き込んでくることも、陽介にとっては嫌だった。
(沙弥香が俺を男だと意識し始めたら、同じ部屋にはいられないだろうな…。)
陽介は、自分の変化を両親にも隠してきた。少年から青年へと変わる様々な変化を両親に知られるわけにはいかなかったのだ。もし、知られてしまったら、同じ部屋にはいられなくなるからである。
(まだ大丈夫…。まだ…沙弥香はガキなんだから…。)
陽介は、冷蔵庫から缶ジュースを2本取り出すと、2階へと上がっていった。
「ほら、ジュース。数学、教えてやるから、分からないとこ見せろよ。」
「うん。ありがとう。」
陽介がイスに座ると、沙弥香は自分のイスを陽介の机のそばに移動し、宿題を差し出した。
「まだ、宿題があるんだな。もうすぐ終了式だろ?」
「うん。1年生のまとめなの。沙弥香、方程式の応用問題が苦手だから…。」
沙弥香の宿題は、もうほとんど終わっており、方程式の文章問題だけが、残っている。
「なんだ、濃度の問題はこの前も教えただろ?忘れたの?」
「だって…まだ分かんないんだもん。…ごめんね。」
沙弥香は唇を少し突きだして、しょんぼりしている。
「いいよ。何度でも教えてやるから。」
陽介は、ぶつぶつと問題を読み上げると、メモ用紙に図をかき、沙弥香に説明し始めた。
「…それで、食塩水xグラムに溶けている食塩の量が…」
陽介はそこまで言うと、いきなり黙り込んでしまった。
「陽くん?」
陽介の手が止まったのに気づいた沙弥香が陽介の顔を不思議そうに見上げている。
「陽くん。どうしたの?」
「沙弥香、そんなに近づくな。」
陽介は顔を赤くして沙弥香から目を反らしている。陽介の手元をのぞき込む沙弥香の胸元から、小さな丸いふくらみとピンク色のブラジャーのレースがちらりと見えていたのだ。
「どうして?陽くん…。」
陽介の言葉の意味が分からない沙弥香は、少し泣きそうな顔をして陽介に問いかける。
「だから…その…見えてるって。」
「えっ…?…きゃぁっ。」
沙弥香は陽介の目線の先に気が付くと、悲鳴をあげて胸元を押さえた。
「み…見た?」
「見たって言うか…見えた…。」
沙弥香の顔がみるみるうちに赤く染まる。
(何だよ…、ついこの前まで何にもなかったのに…。)
沙弥香の乳房がふくらみ始めていることを知り、陽介は動揺していた。まだ子供だと思っていた沙弥香が、知らないうちに女として成長し始めていたのだ。
「陽くん…。」
しばらくして、沙弥香が口を開いた。
「陽くん…好きな子…いる?」
「なんだよ。突然。」
「沙弥香は…陽くんのこと…好きなの。でも…お兄ちゃんだから…だめなんでしょ?」
沙弥香は、頬を赤く染めて涙目になっている。
「そう…だな。」
「でも…血がつながってないもん。好きになるのはいけないことじゃないでしょ?」
「………。」
陽介と沙弥香の間に重い沈黙の時間が流れる。
「沙弥香さ、俺の気持ち聞いてどうするの?…俺が…沙弥香のこと好きだって言ったら、何?付き合うの?俺たち。」
陽介の言葉に怒りが混じっている。陽介は、複雑な気持ちだったのだ。沙弥香の告白は、陽介にとって嬉しいことに違いなかったが、同時に、2人が普通 の関係ではないことも確かである。
「どうしてそんなふうに言うの?沙弥香は…付き合いたいとか、そういうこと言ってるんじゃないよ。普通 のカップルみたいにはなれないこと、沙弥香だって知ってるもん。でも沙弥香は……陽くんが高校生になったら、彼女とかできちゃうの嫌だから…だから陽くんに言いたかったの。…沙弥香のこと好きじゃないなら、沙弥香はあきらめる。陽くんに彼女ができること、覚悟しておきたいの。」
沙弥香の目から大粒の涙がこぼれた。
「沙弥香…。」
陽介の鼓動が激しくなる。ぽろぽろと涙をこぼす沙弥香を見つめるうちに、陽介の目は、沙弥香の柔らかそうな唇に釘付けになっていた。
(どうする…?)
陽介は、こくっと唾を飲み込んだ。
ピロロロ…ピロロロ…
2人の沈黙を壊すかのように、電話がなった。陽介は立ち上がり、電話の子機を手に取る。
「はい、あっ………うん……うん…わかった。…うん。」
ピッ
陽介が電話を切り、沙弥香の方を振り向くと、沙弥香は自分のベッドに潜り込んでいた。
「沙弥香。お母さんたち、今日遅くなるってさ。…俺、ちょっと出かけてくる。」
陽介はそう言って、部屋を出ていった。
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