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小説(転載)  心変り

官能小説
01 /02 2019
少し手が込んでしまって読みにくくなっていると感じてしまった。それが狙いなのかもしれないが。

心変り


今日
(±0Day/s)

 
 目を覚ます。
 カーテンから射し込んでくる光が部屋の暗闇を切り裂き、彼らを追い払おうとしている。
 可奈はゆっくりと体を起こした。十分に手入れをされた髪と、まだあどけなさを残した、美少女ではないが十分整った顔に手をやって軽く整える。薄い、体にかけていた布がずり落ちで、白い裸身が暗闇の中でほのかに輝いた。
 ジャラ、と金属同士が触れ合う音がする。
 鎖。
 可奈が唯一身に纏ったもの。
 可奈の黒い首輪に付けられた鎖が彼女の体と同じように、しかしもっと強く輝いていた。
 それは、可奈がある人物の所有物である証。
 初め、この首輪と鎖がもたらした物は、これから起こる事への不安と、打ち砕かれた過去への悲しみと、主人となった人物への恐怖であった。その時の可奈はただ泣くだけだった。
 だが、今の可奈にはこの鎖が彼女にもたらす物が必要だった。主人の手の中にいる安らぎ、誰かの所有物である喜び、愛される幸せ。
 自分は変えられてしまったのだと、可奈は思う。狂わされたのかも知れない。
 しかし、それによって得た、変わった、そして狂った幸せは、深く、可奈の心を浸していた。
 一日が、始まる。
 可奈は胸を躍らせて身支度を始めた。
 

二十日前
(-20Day/s)

 
 ここに閉じこめられて、何日が経ったのだろうか?
 カーテンの隙間から射し込まれた光がだんだん強くなってきているのを虚ろな瞳で見ながら、可奈は考えた。
 三日が過ぎた当たりから数えるのをやめた。いや、数えられなくなった。毎日毎晩与えられる陵辱は、今まで平穏に過ごしてきた可奈にとって耐えられるものではなかった。苦痛と快楽で意識が闇の中へ沈み、気が付くと日は高く上がり、そしてまた陵辱が始まるのだ。それが何度も何度も続き、とうとう彼女は昨日、疲れた体と心に無理矢理刷り込まれる苦楽に屈服してしまった。
 自ら懇願してしまったのだ。気持ちよくして欲しいと。あの男に。お願いしますと。自分をここへ監禁している男に。
 気持ちよかった。
 今まで与えられたどの快楽よりも気持ちが良かったのだ。
 可奈は膝を抱いて泣いた。
 

時間軸不明
(±0Day/s)

 
「私は、今でもあなたを恨んでます」
「…」
「でも…」
 
「…続けろ、可奈」
 
「…はい…。
 でも、私は…。私は、あなたを愛しています。」
 

十二日後
(+12Day/s)

 
 暗い部屋の中では、荒い息の音が音の全てだった。
 可奈は、自分の乱れたその音を聞いていた。
 
 また一つ、変えられてしまった。
 
 可奈はぼんやりとそう思う。変わり続け、変わることに馴れてしまった。そして、いつしか可奈はあの男に変えられることを望むようになっていた。
 今日、愛されたところを撫でる。自然と微笑んでしまう。理性では、非道いことをされていると認識しているのに、心と体は喜んでいた。
 苦しかった。
 でも、気持ち良かった。
 すでに苦しみすら快楽に感じるよう、変えられた心身は先ほどの行為を思い出し、歓喜に震える。
 たまらず、撫で回していた指をまだ塞がらない菊座に埋めた。
 可奈は自分が喘いでいることにも気付かずにいた。
 

八日前
(-8Day/s)

 
 可奈は寝ころんだ状態で突かれていた。すでに腰の所で引っかかっているに過ぎない淡い青のワンピースがその動きに合わせて揺れていた。
 上を見ると、星空が見えた。もうろうとした意識が覚醒し、ここが外であることを思い出させる。
 可奈は恥ずかしさのあまり目をつぶる。しかし、それは、今受けている刺激を増す働きしかしなかった。ひんやりとした外の風、木と土、男と女の匂い、交わりの激しい音。背筋を次々と登ってくる、快感。
 自然と声が出る。止められない。男にしがみつき、恥ずかしさに耐えるが、それもわずかな間だった。
 
 イった瞬間、月が見えた。
 

四日後
(+4Day/s)

 
 湯船に浸かりながら、可奈は自らの体に付けられた幾つもの痣に振れていった。
 もう痛みは引いたが、刻まれたその痕は今だ残っていた。その一つ一つを撫でていく。
 可奈の瞳は何も写してはいなかった。今の彼女が見ているのは記憶にあるあの男との交わりだった。
 彼女はとうとう、苦痛の中にあるものを見付けてしまった。
 先ほどまできつく縛られていた体はまだ火照っている。高揚した心は記憶の中を彷徨う。
 記憶の中で、彼女は抵抗しなかった。縛られるのは嫌だった。苦しいのも嫌だった。しかし、その後、必ず男は可奈を抱くことを知っていたので、可奈は抵抗せず、苦痛を我慢することにした。この時の可奈は、すでに快楽に溺れていた。
 苦痛を一つ一つ我慢する。一つ叩かれるたび、その後に与えられる快楽を想って。
 いつの間にか、可奈の手は自らの秘所に這わされていた。湯船に可奈が求めていることの証が流れ、湯と混じる。
 もっと、欲しい。
 さっきまでさんざん味わい、もう満足したと思っていたのに、自らに刻まれた痣を見ただけで、貪欲に求めてしまう。
 気持ち良くなりたい。
 胸を撫でる男の手を思い出してそれを真似る。
 きもちよくなりたい。
 中指を秘壺の奥深くまで入れる。掻き回す。
 もっと、キモチヨク…。
 もっと、気持ち良くなる方法。可奈はそれを知っていた。可奈は、苦痛の後の快楽がとても気持ち良いことを知っている。
 キモチヨク…。
 だが、ここで自らに苦痛を与えると言うことは、また一つあの男に屈してしまうことだった。
 もっと、モット…。
 激しく、中指を出し入れする。しかし、可奈はそれで逝っても自分が満足できないことに気付くだけだった。
 モット。モット、キモチヨクナリタイ!
 小さな悲鳴がでた。あまりに強い苦痛は体を強張らせ、彼女の意識は白く染め上げた。
 可奈は自分の乳房を握り締めたのだ。
 ゆっくりと痛みが引いていくと、それを埋めるように気持ち良くなっていく。
 痛いほど隆起した乳首を撫でると、それを親指と人差し指できつく挟む。痛みとその後に快楽がやってくる。
 痛い。でも、気持ちイイ…。
 体の中に入れっぱなしの中指は自らに苦痛が与えられるたびに締め付けられる。
 乳首をいじっていた手を下に降ろしていく。なだらかな腹をたどり、茂みをかき分けて肉芽に到達する。
 先ほどから手のひらで転がされていた肉芽はすでに興奮を表していた。それを乳首と同じように挟む。
 指に力を込め、つねる。刺激に馴れ始めたばかりの肉芽は、可奈に痺れるような痛みを伝えた。
 痛い…。
 その痛みはやはり快楽に変わっている。もう一度、繰り返す。
 痛い。気持ちイイ。
 繰り返す。何度も何度も。
 痛い。気持ちイイ。痛い。気持ちイイ。
 その間隔が次第に短くなってくる。秘壺に埋め込まれた指の出し入れを再開する。
 …痛いのが、気持ちいい?
 痛いのは、
 
 …気持ちいい…。
 
 はっきりと自覚した瞬間、可奈は体を震わせて、イった。
 

時間軸不明
(±0Day/s)

 
「でも、私は…。私は、あなたを愛しています」
 
「くっくっく。そうか」
「…笑うんですね、あなたも」
 

一週間後
(+7Day/s)

 
 可奈は、一人の男と対面していた。二人とも下着姿だった。可奈は白いスリーピースの下着姿を恥ずかしげに男の視線から隠そうとしていた。
 何度も彼女を犯し、彼女を変えてきた男。恨んでも、恨みきれないはずの男を可奈は潤んだ瞳で見つめていた。
 男が可奈に命令する。可奈は俯いて躊躇するが、軽く鎖を引かれると、男の前に跪いた。男のただ一つの下着を下げると、露わになったそれを手にして、愛撫し、口付けをする。
 可奈は男に頭を撫でられると嬉しそうに微笑んで、男のモノを口内に迎え入れた。
 

初日
(Absolute 0Day)

 
 可奈は泣いた。
 今時分の身に起こったことが信じられなかった。
 可奈が今まで守っていた純潔は散らされ、そればかりか首には首輪を付けられ、まるで家畜のように鎖で部屋の隅に繋がれてしまった。
 男は一月の間、可奈をここで飼うと告げ、部屋を去った。
 
 可奈はボロボロになった服を抱き締めて泣くことしかできなかった。
 

今日
(+31Day/s)

 
 男が部屋に入ってくると、可奈は嬉しそうな顔をした。事実、嬉しかったのだ。
 彼女は主人から送られた白いボディスーツ姿で三つ指を付いた。
 その体の上に何か布のようなものがかけられる。それは二度、三度か着たことのある淡い青のワンピースだった。前に着たときは『散歩』と称され、夜の公園に連れ出された。
 今は昼だが、服を渡した以上は着るのだろうと、可奈はいそいそと準備を始めた。服を着終わり、そのまま主人の言葉を待つ。
 何をされるかと考えると、可奈の歪んだ心は高鳴った。
 しかし、可奈の主人は首輪を外すと、きびすを返した。
 
 可奈は気が付いた。今日は、あの日から一月目なのだと。
 

三日後
(+3Day/s)

 
「どうした?」
「…」
 意を決して戻った男の家で、出迎えたあの男はそう言った。
 しばらくそのまま時間が過ぎる。
「用がないなら、帰れ」
 その言葉に、可奈は口を開く。
「私は、今でもあなたを恨んでます」
 男は黙って可奈の話に耳を傾けた。
「でも…」
 可奈は口ごもる。
「…続けろ、可奈」
 そう命令され、強制力はもう無いはずなのに、可奈は従った。そうしなければいけないのだと思った。
「…はい…。
 でも、私は…。私は、あなたを愛しています。」
 
「くっくっく。そうか」
 男のその笑い方は今まで可奈が見た笑いが演技であったと確信させた。
「…笑うんですね、あなたも」
 
「それで、お前はどうしたいんだ?」
 
 可奈は今までを思い出す。
 体の奥が熱くなって来るのが分かる。やはり離れることは出来ないのだと可奈は思った。
 
「い、今まで通り、飼って下さい…。
 …ご主人様…。」
 

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。