小説(転載) 遠くにありて
近親相姦小説
遠くにありて
「なーに? 純(ジュン)?」
夕食どき。高校二年生の少女・亜裕美(アユミ)は、食卓をはさんだ向いに座っていた弟の視線に気づいて顔をあげ、首をキョトンと傾けた。
「なんかマズいオカズがあった?」
両親が、急用で泊まりがけの外出をしているため、食事は亜裕美が作ったのだ。
「い、いや。うまいよ」
「そお?」
「うん。この肉ジャガなんか、味がしみてて、なかなか」
「どーぉも」
ワザとていねいに頭を下げる姉に、中学二年生の純はニガ笑いした。
彼が亜裕美を見つめていたのは、決してオカズに文句があるからではなかった。
『お前の姉さんって、すっげー美人だよなー!』
昼間かわした、友人達との会話が、ふと純の頭によぎった。
『ほんとか、おい?』
『ああ。前にこいつン家遊びに行った時に見たんだ。なんていうか、柔らかい美人ってゆーのか? 美人なんだけどツンツンしてないし、かわいーんだ!』
『なんだよ、純。よくも隠してたな』
純は再び姉を、今度はチラッと見ながら、その時の返事を思いだしていた。
『わざわざ言うことじゃねーだろー? それに、そんなに美人かねー』
「ふー、ごちそーさまっと」
亜裕美が箸を置く音で、純は現実に戻った。
「ん? なに純、まだ食べてんの? めずらしいね」
いつも私より十分は早く食べ終わるクセに、とつぶやきながら、亜裕美は食器を流し台に置いた。
「まあいーか。食べ終わったら、食器を流しに置いといてよ」
「んー」
「じゃー、私おフロに入るから」
「! ……」
純は、思わず赤面してしまった。友人の発言が、彼をヘンに意識させていたのだ。
「……なあ、姉ちゃん」
「え?」
またもキョトンとした顔で振り向いた姉は、確かに美人だった。
友人が形容するように、清潔そうで、柔らかそうな。
「姉ちゃんって、モテるか?」
「はあ?!」
何を突然、と顔に描き出しながら、亜裕美はやがて余裕っぽい笑みを浮かべた。
「かもね。純よりはマシな程度かなー」
「あーそーですかーだ」
ふくれ面の純を後に、亜裕美はリビングを出ていった。
深夜。
姉の後に風呂に入ってから今まで、純の体は甘酸っぱくシビれたままだった。
裸の姉がいた空間、裸の姉が座った風呂いす、裸の姉が入浴した湯舟……。
一瞬でも油断すると、そんな気持ちが込み上げ、慌てて首を振ってまぎらわす。
こうして自分の部屋で、机に向かってラジオを聞いていても、彼は心は全然落ち着いていなかった。
(姉ちゃん、か……)
『じゅんー?』
ノックと同時の亜裕美の声に、純は危なくいすから落ちるところだった。
「あ、な、なに?!」
「入るよー」
入ってきた姉は、赤が基本色のゆったりした、前ボタン式のパジャマ姿だった。
「!」
普段から見慣れているはずの姿。それが今夜は、ヤケにかわいいと感じてしまう。
思わず凝視しそうになる視線を無理矢理はずして、純は言った。
「なんだよ?」
「んー、別に、なんだけどさ……」
亜裕美は純のベッドに腰掛けた。ベッドのきしむ音が、純にも聞こえた。
「……ねえ。純って、彼女いないの?」
「ぶ! な、なんだよー」
「あんたから聞いてきたことじゃない、先に」
「う……。い、いねーよ」
バツの悪そうな弟の顔に、亜裕美はふわっと微笑んだ。
「まあ、まだ中学生だしね。焦ることないんじゃない?」
「別に焦ってねーって」
「ははっ。ごめんごめん」
亜裕美はスッと立ち、部屋のドアを開けた。そして、ポツリとだけ残して去った。
「私もいないよ、彼」
亜裕美がふいに入ってきたように、純が姉の部屋に入ったのは、それから間もなくだった。しかし、姉のようにノックはしなかった。
「ちょ、ちょっと! ノックくらいしなさいよ!」
ベッドで仰向けになって漫画を読んでいた亜裕美は、ガバッと起き上がった。
白熱球の電気スタンドがついていただけだったので、亜裕美からは純の表情、その血走った目が、逆光で見えなかった。
「……どうしたの? 純」
呼吸も荒く、純は言った。
「もう、もう俺……」
そして彼は、ズカズカと部屋を横断し、ベッド上の姉に突進した。
「な……、わっ!」
力一杯抱きしめられた亜裕美は、それでもそこまでは、姉弟のじゃれ合い程度に思ったのか、大きな抵抗はしなかった。
一方の純は、それを承諾ととらえてしまった。
純の左手が、迷わず亜裕美の右のふくらみをつかんだ。
「きゃ! ちょ、ちょっと!」
遅すぎる抵抗が、彼をさらに駆り立てた。
胸の柔らかさを堪能しながら亜裕美の背後に回り込み、その首筋をなめた。
「んっ! こ…こら! だめ、だってば!」
「姉ちゃん……!」
純の唇が、亜裕美の耳や首の付け根をむさぼる。そのたびに姉の体がビクンッと反応し、彼はさらにその反応を求めた。
左手は、亜裕美のふくらみをつかんだまま離れていない。いくら姉が抵抗しようと、二、三の年齢差の男女なら、やはり男の力のほうが強いのだ。
ついには両のふくらみを捕まえ、上下に動かすように揉みほぐした。
「やあっ! やあぁ! やめ、てっ!」
姉がイヤがればイヤがるほど、純の性欲が膨らんでいった。
もっとイヤがるところを。
もっと体がビクンとなるところを。
純は、もがくことに夢中で、無防備になっている亜裕美の股間に右手を伸ばした。
「ふあ! そ、そこは……!」
パジャマのズボン越しに、指先でグイグイとこねると、望み通り、姉の体が、まるで電気でも流されたように反り返った。
「あぅん! だめぇ! やあぁ!」
純はひたすら首筋をなめ、右乳房を揉み、そこをこねる動作を続けた。
「や……、はぁ……、ん……、だ、だめぇ……」
姉の抵抗が、にわかに弱くなった。抑える手からも、力が抜けていく。
すかさず、純は亜裕美をベッドに押し倒し、その顔に自分の顔を近付けた。
鼻と鼻が接触した。
「やめ……な、さい……」
「姉ちゃん、処女なのか?」
亜裕美はギュッと目を閉じて、横を向いた。
「……そうよぉ……。だからもうやめてよぉ……」
純は、姉の顔をグイッと自分に向け、唇をねじ込むようなキスをした。
「む、むんんーっ!」
亜裕美は純の肩に手をかけて押したが、意味のない抵抗にすぎなかった。
そして彼女は、フッと両手の力を抜いて、広げるようにパタッと倒した。
純が唇を離すと、亜裕美のその表情には、観念の色が浮かんでいた。
そんな彼女をいじめるように、純はまたいきなり、彼女の秘部をまさぐった。
「ううぅっ!」
ギュッと閉じている亜裕美の足のすきまに、純の右手が無理矢理入り込む。
未体験の感触に、ひざをよじって、両手でシーツをつかんで、亜裕美は耐えた。
「……?」
無抵抗の姉が不思議になり、純は手を止めた。もう二人とも、肩で息をしている。
亜裕美は、真っ赤になった顔を横に向けている。涙が、うっすらとにじんでいた。
その表情を見ながら、純は姉がはいているパジャマのズボンに手をかけた。
そして、スルッと降ろした。
白に近いピンクの生地に、片側にだけ赤く小さなリボンのイラストがプリントされたパンティと、透きとおるような白い肌の太ももが、そこに現れた。
ひざまで降ろされた赤いパジャマとの対照が、たまらなくイヤらしかった。
しかし姉は、まったく抵抗しなかった。細かく震えるだけだった。
「い、いいのかよ?」
いまさらながらの罪悪感から、純はそう聞いた。
答える亜裕美は、目を閉じ、横を向いたままだった。
「……愛してないなら……」
「!?」
純は一気に混乱した。乱暴を認められたこと、認めた理由が愛のないこと。
混乱が、白い肌の魔力を強め、純の心を抑えていた何かを弾き飛ばした。
再び亜裕美の唇を、さらに胸の谷間を、純はメチャクチャにむさぼった。
「ん、んんっ!」
今度は左手が、パンティ越しにその部分をいじり始めた。なぞるように、左右に広げるように。
「ああっ! はぅ、くぅん!」
亜裕美の肩にアゴをのせていた純の耳に、姉の生々しい声が吐息まじりにかかる。
中指と人差し指で強引に押し込むと、やがてパンティのそこが湿りはじめた。
まだ脱がせていないパジャマの上着のすそから手を入れて、右の乳房を揉んだ。
「ふうぅ……っ!」
左手の湿り気、右手のすべるような柔らかさに、純は恍惚となった。
ガバッと亜裕美の下半身に行き、パンティをつかんで、脱ぎかけだったパジャマのズボンもろとも、一気に奪った。
「やぁぁ……」
突然さらされた恥ずかしさに、亜裕美はまたひざをよじった。
純は無情にも、その両ひざの裏を持って、左右に大きく開いた。愛撫によってかすかに開き、自らの湿り気で光るそれが、容赦なく弟に見られている。
「やだぁ……、やだよぅ……」
幼い子がイヤイヤをするように、亜裕美は顔を手でかくして、首を振った。
「姉ちゃんの……」
純は犬のように舌を出し、亜裕美の足と足の間に顔をうずめた。
「はぁあっ! やぁぁ……ぁ」
そして犬が餌をむさぼるように、純は音をたてて姉のそれをなめ回した。イヤらしい音が響き、亜裕美のそこと耳を同時に責めたてた。
「だめぇぇ……。あ、ああ! んんっ!」
独特の匂いと石けんの匂いが混じって、それは不思議な味だった。
両頬には、汗に濡れたふとももの、しっとりした感触が貼り付いている。
顔全体を動かすようにして、純はそれらを心から楽しみ、求め続けた。
「あん! あ、あ、あ!」
ふり乱れた髪が亜裕美の顔にかかり、そのすきまから桃色の頬が見えていた。
「ああぁ……、あ、あぁん!」
亜裕美の腰が、まるで自ら弟にそこを差しだすかのように、軽く浮いた。
純は、ふいに口を離し、淫らに濡れたそこを見た。小刻みにけいれんしていた。
「あぁ……、はぁ……、……きゃ!」
ビクッとする亜裕美の両ひざを閉じ、その裏を片腕で抑えながら、足を彼女の胸元に倒すと、オシメをとりかえる時のような格好になった。
そこも、そこからこぼれた露で光る別の恥ずかしい部分も、丸見えになった。
純の狙いは、その別のほう、だった。
「じゅ、純まさか……、ちょっと」
戸惑う姉を無視して、純は人差し指でそこに触れた。新鮮な感触だった。
「いやあ! だめだめ! そ、そこは、そこはぁ!」
亜裕美は哀願した。が、それは純をより興奮させる声にすぎなかった。
それでも彼女は、手や足を激しく動かして抵抗したため、さすがに純も片手では抑えきれなくなった。両手で抑えては何も出来ない。
「くそ!」
純は、亜裕美のパジャマの上着をすそからめくって、途中まで脱がせた。
乳房から上がパジャマで覆われ、結果、彼女の両腕の自由を奪うことになった。
「や! ちょ、やだ! やだあぁ!」
さらに暴れる足が、右足は純の左足で、右足は純の右脇の下で、完全に抑えられた。
もう、亜裕美がいくら抵抗しようともビクともせず、そこが無防備のままだった。
「あぁ……、ゆるして、純、ねえぇぇ」
パジャマにふさがれてこもる声に構わず、純は姉のイヤがった場所を責めた。
「んんー! だめぇっ! やぁぁ!」
親指をグリグリ押しつけたり、人差し指と中指で広げたり、やり放題だ。
その度に亜裕美が、せつなく、哀しく、それでいて艶のある声で鳴いた。
と、姉の声が、急に切羽詰まったものになった。
「あ、ああ! は、はなして純! も、も……」
が、純は姉をいじくることをやめない。
人差し指で、前のそこの突起をめくりあげた。
「あうっ! う、も、もれちゃうぅ! お願いぃ!」
亜裕美は、上半身を必死でゆらした。ふくらみが波をうった。
純は、ピクピクと動くそこの壁を、なぞるようにもてあそんで、言った。
「ここからか?! ここからだろ! だせよ、だしちゃえよ!」
「そ、そんなっ、ああ! いや、いや、いやぁぁっ!」
人差し指が、前と後ろの間の肌を、はうようにこすった。
その動きと同調して、亜裕美の体がビクビクーッと震えた。
さらに右へ左へと後ろのそこをいじると、姉の悲鳴が大きくなった。
「あああっ! ああっ! あ、あ、ああーん!」
「ほら、ほら、ほら!」
「ひぅ! いや! いやぁ!」
あまりのもがきに、パジャマのボタンが外れ、亜裕美の両手が自由になった。
が、純を抑えようとした時、彼は後ろのそこに、人差し指を深く押し込んだ。
「ほらぁ!」
「っ!!」
その、ひどすぎる衝撃と感触に、彼女の全身はつっぱり、反り上がった。
そして。
「あああぁぁぁ……」
亜裕美から、音をたてて、きらめくものがこぼれだした。
熱い液体は、ゆるやかなカーブを描いて、抑え込んでいた純にかかった。
それは、完全に出つくすまで、出している彼女自身にも、どうにもならなかった。
「見ないでぇぇ……」
亜裕美には、そう哀願するしか手がなかった。
もちろん純は、最後の一滴まで見逃さなかった。
それどころか、出し終わったそこに舌をねじ込み、まんべんなくなめた。
もう亜裕美には、抵抗する力が残っていなかった。
ただ純がやめてくれることを、涙を流して待つだけだった。
やがて純はなめるのをやめ、ティッシュでそこをていねいにふいてあげた。
それから姉を抱え上げ、濡れた布団をよけてから、もう一度姉を寝かせてあげた。
パンティをはかせ、パジャマのズボンをはかせ、はだけた前を抑えてあげた。
「…………」
後は黙り込むだけだった純に、亜裕美は、納まりきってない息の中で言った。
「も一度聞くけど、私を、姉を愛したわけじゃないんでしょ?」
「え……、あ、愛、は……」
「女を知りたくなっただけでしょ?」
「…………うん」
事実を言えば、姉の様な美人のを、であったが。
「そうだと、思う……」
「ん。だったら……」
亜裕美は、ちょっとモジモジしながら続けた。
「たまには……、いいんじゃない?」
「ね、姉ちゃん?!」
「最後までしなければ、実害? そーゆーのがないし、さ」
「……ありがとう、姉ちゃん」
「でも」
ベッドから降りて、亜裕美は言った。
「次は、ちゃんとトイレに行かせてよね。後がたいへんだし」
「ご、ごめん」
「じゃ」
「?」
枕を持って部屋を出ていく亜裕美に、純はキョトンとして声をかけた。
「どこ行くの?」
「あんたの部屋で寝るのよ。ここじゃ寝れなくなっちゃったし」
「……俺は?」
「掃除と洗濯。あんたのせいなんだからね」
姉の姿が、ドアの向こうに消えた。
布団と、自分のズボンとシャツについたシミを見つめて、純はつぶやいた。
「どんなに美人でも、しょせん姉は姉、だなぁ」
――美人とは 遠くにありて 想うもの
おしまい
【後書き】
と、これで読み切りにするつもりだったんですよ。最初は(^^;)。
まさか、この後三作までひっぱり、あまつさえ現在でも影響が残るとは。
裏の代表作、とでも呼びましょうか(^^;)。
どんなもんなんでしょうね? 姉弟とか兄妹とかって。(うちは兄弟だから)
姉のいるやつに読ませたら、鼻で笑われたんですが(;;)。
「なーに? 純(ジュン)?」
夕食どき。高校二年生の少女・亜裕美(アユミ)は、食卓をはさんだ向いに座っていた弟の視線に気づいて顔をあげ、首をキョトンと傾けた。
「なんかマズいオカズがあった?」
両親が、急用で泊まりがけの外出をしているため、食事は亜裕美が作ったのだ。
「い、いや。うまいよ」
「そお?」
「うん。この肉ジャガなんか、味がしみてて、なかなか」
「どーぉも」
ワザとていねいに頭を下げる姉に、中学二年生の純はニガ笑いした。
彼が亜裕美を見つめていたのは、決してオカズに文句があるからではなかった。
『お前の姉さんって、すっげー美人だよなー!』
昼間かわした、友人達との会話が、ふと純の頭によぎった。
『ほんとか、おい?』
『ああ。前にこいつン家遊びに行った時に見たんだ。なんていうか、柔らかい美人ってゆーのか? 美人なんだけどツンツンしてないし、かわいーんだ!』
『なんだよ、純。よくも隠してたな』
純は再び姉を、今度はチラッと見ながら、その時の返事を思いだしていた。
『わざわざ言うことじゃねーだろー? それに、そんなに美人かねー』
「ふー、ごちそーさまっと」
亜裕美が箸を置く音で、純は現実に戻った。
「ん? なに純、まだ食べてんの? めずらしいね」
いつも私より十分は早く食べ終わるクセに、とつぶやきながら、亜裕美は食器を流し台に置いた。
「まあいーか。食べ終わったら、食器を流しに置いといてよ」
「んー」
「じゃー、私おフロに入るから」
「! ……」
純は、思わず赤面してしまった。友人の発言が、彼をヘンに意識させていたのだ。
「……なあ、姉ちゃん」
「え?」
またもキョトンとした顔で振り向いた姉は、確かに美人だった。
友人が形容するように、清潔そうで、柔らかそうな。
「姉ちゃんって、モテるか?」
「はあ?!」
何を突然、と顔に描き出しながら、亜裕美はやがて余裕っぽい笑みを浮かべた。
「かもね。純よりはマシな程度かなー」
「あーそーですかーだ」
ふくれ面の純を後に、亜裕美はリビングを出ていった。
深夜。
姉の後に風呂に入ってから今まで、純の体は甘酸っぱくシビれたままだった。
裸の姉がいた空間、裸の姉が座った風呂いす、裸の姉が入浴した湯舟……。
一瞬でも油断すると、そんな気持ちが込み上げ、慌てて首を振ってまぎらわす。
こうして自分の部屋で、机に向かってラジオを聞いていても、彼は心は全然落ち着いていなかった。
(姉ちゃん、か……)
『じゅんー?』
ノックと同時の亜裕美の声に、純は危なくいすから落ちるところだった。
「あ、な、なに?!」
「入るよー」
入ってきた姉は、赤が基本色のゆったりした、前ボタン式のパジャマ姿だった。
「!」
普段から見慣れているはずの姿。それが今夜は、ヤケにかわいいと感じてしまう。
思わず凝視しそうになる視線を無理矢理はずして、純は言った。
「なんだよ?」
「んー、別に、なんだけどさ……」
亜裕美は純のベッドに腰掛けた。ベッドのきしむ音が、純にも聞こえた。
「……ねえ。純って、彼女いないの?」
「ぶ! な、なんだよー」
「あんたから聞いてきたことじゃない、先に」
「う……。い、いねーよ」
バツの悪そうな弟の顔に、亜裕美はふわっと微笑んだ。
「まあ、まだ中学生だしね。焦ることないんじゃない?」
「別に焦ってねーって」
「ははっ。ごめんごめん」
亜裕美はスッと立ち、部屋のドアを開けた。そして、ポツリとだけ残して去った。
「私もいないよ、彼」
亜裕美がふいに入ってきたように、純が姉の部屋に入ったのは、それから間もなくだった。しかし、姉のようにノックはしなかった。
「ちょ、ちょっと! ノックくらいしなさいよ!」
ベッドで仰向けになって漫画を読んでいた亜裕美は、ガバッと起き上がった。
白熱球の電気スタンドがついていただけだったので、亜裕美からは純の表情、その血走った目が、逆光で見えなかった。
「……どうしたの? 純」
呼吸も荒く、純は言った。
「もう、もう俺……」
そして彼は、ズカズカと部屋を横断し、ベッド上の姉に突進した。
「な……、わっ!」
力一杯抱きしめられた亜裕美は、それでもそこまでは、姉弟のじゃれ合い程度に思ったのか、大きな抵抗はしなかった。
一方の純は、それを承諾ととらえてしまった。
純の左手が、迷わず亜裕美の右のふくらみをつかんだ。
「きゃ! ちょ、ちょっと!」
遅すぎる抵抗が、彼をさらに駆り立てた。
胸の柔らかさを堪能しながら亜裕美の背後に回り込み、その首筋をなめた。
「んっ! こ…こら! だめ、だってば!」
「姉ちゃん……!」
純の唇が、亜裕美の耳や首の付け根をむさぼる。そのたびに姉の体がビクンッと反応し、彼はさらにその反応を求めた。
左手は、亜裕美のふくらみをつかんだまま離れていない。いくら姉が抵抗しようと、二、三の年齢差の男女なら、やはり男の力のほうが強いのだ。
ついには両のふくらみを捕まえ、上下に動かすように揉みほぐした。
「やあっ! やあぁ! やめ、てっ!」
姉がイヤがればイヤがるほど、純の性欲が膨らんでいった。
もっとイヤがるところを。
もっと体がビクンとなるところを。
純は、もがくことに夢中で、無防備になっている亜裕美の股間に右手を伸ばした。
「ふあ! そ、そこは……!」
パジャマのズボン越しに、指先でグイグイとこねると、望み通り、姉の体が、まるで電気でも流されたように反り返った。
「あぅん! だめぇ! やあぁ!」
純はひたすら首筋をなめ、右乳房を揉み、そこをこねる動作を続けた。
「や……、はぁ……、ん……、だ、だめぇ……」
姉の抵抗が、にわかに弱くなった。抑える手からも、力が抜けていく。
すかさず、純は亜裕美をベッドに押し倒し、その顔に自分の顔を近付けた。
鼻と鼻が接触した。
「やめ……な、さい……」
「姉ちゃん、処女なのか?」
亜裕美はギュッと目を閉じて、横を向いた。
「……そうよぉ……。だからもうやめてよぉ……」
純は、姉の顔をグイッと自分に向け、唇をねじ込むようなキスをした。
「む、むんんーっ!」
亜裕美は純の肩に手をかけて押したが、意味のない抵抗にすぎなかった。
そして彼女は、フッと両手の力を抜いて、広げるようにパタッと倒した。
純が唇を離すと、亜裕美のその表情には、観念の色が浮かんでいた。
そんな彼女をいじめるように、純はまたいきなり、彼女の秘部をまさぐった。
「ううぅっ!」
ギュッと閉じている亜裕美の足のすきまに、純の右手が無理矢理入り込む。
未体験の感触に、ひざをよじって、両手でシーツをつかんで、亜裕美は耐えた。
「……?」
無抵抗の姉が不思議になり、純は手を止めた。もう二人とも、肩で息をしている。
亜裕美は、真っ赤になった顔を横に向けている。涙が、うっすらとにじんでいた。
その表情を見ながら、純は姉がはいているパジャマのズボンに手をかけた。
そして、スルッと降ろした。
白に近いピンクの生地に、片側にだけ赤く小さなリボンのイラストがプリントされたパンティと、透きとおるような白い肌の太ももが、そこに現れた。
ひざまで降ろされた赤いパジャマとの対照が、たまらなくイヤらしかった。
しかし姉は、まったく抵抗しなかった。細かく震えるだけだった。
「い、いいのかよ?」
いまさらながらの罪悪感から、純はそう聞いた。
答える亜裕美は、目を閉じ、横を向いたままだった。
「……愛してないなら……」
「!?」
純は一気に混乱した。乱暴を認められたこと、認めた理由が愛のないこと。
混乱が、白い肌の魔力を強め、純の心を抑えていた何かを弾き飛ばした。
再び亜裕美の唇を、さらに胸の谷間を、純はメチャクチャにむさぼった。
「ん、んんっ!」
今度は左手が、パンティ越しにその部分をいじり始めた。なぞるように、左右に広げるように。
「ああっ! はぅ、くぅん!」
亜裕美の肩にアゴをのせていた純の耳に、姉の生々しい声が吐息まじりにかかる。
中指と人差し指で強引に押し込むと、やがてパンティのそこが湿りはじめた。
まだ脱がせていないパジャマの上着のすそから手を入れて、右の乳房を揉んだ。
「ふうぅ……っ!」
左手の湿り気、右手のすべるような柔らかさに、純は恍惚となった。
ガバッと亜裕美の下半身に行き、パンティをつかんで、脱ぎかけだったパジャマのズボンもろとも、一気に奪った。
「やぁぁ……」
突然さらされた恥ずかしさに、亜裕美はまたひざをよじった。
純は無情にも、その両ひざの裏を持って、左右に大きく開いた。愛撫によってかすかに開き、自らの湿り気で光るそれが、容赦なく弟に見られている。
「やだぁ……、やだよぅ……」
幼い子がイヤイヤをするように、亜裕美は顔を手でかくして、首を振った。
「姉ちゃんの……」
純は犬のように舌を出し、亜裕美の足と足の間に顔をうずめた。
「はぁあっ! やぁぁ……ぁ」
そして犬が餌をむさぼるように、純は音をたてて姉のそれをなめ回した。イヤらしい音が響き、亜裕美のそこと耳を同時に責めたてた。
「だめぇぇ……。あ、ああ! んんっ!」
独特の匂いと石けんの匂いが混じって、それは不思議な味だった。
両頬には、汗に濡れたふとももの、しっとりした感触が貼り付いている。
顔全体を動かすようにして、純はそれらを心から楽しみ、求め続けた。
「あん! あ、あ、あ!」
ふり乱れた髪が亜裕美の顔にかかり、そのすきまから桃色の頬が見えていた。
「ああぁ……、あ、あぁん!」
亜裕美の腰が、まるで自ら弟にそこを差しだすかのように、軽く浮いた。
純は、ふいに口を離し、淫らに濡れたそこを見た。小刻みにけいれんしていた。
「あぁ……、はぁ……、……きゃ!」
ビクッとする亜裕美の両ひざを閉じ、その裏を片腕で抑えながら、足を彼女の胸元に倒すと、オシメをとりかえる時のような格好になった。
そこも、そこからこぼれた露で光る別の恥ずかしい部分も、丸見えになった。
純の狙いは、その別のほう、だった。
「じゅ、純まさか……、ちょっと」
戸惑う姉を無視して、純は人差し指でそこに触れた。新鮮な感触だった。
「いやあ! だめだめ! そ、そこは、そこはぁ!」
亜裕美は哀願した。が、それは純をより興奮させる声にすぎなかった。
それでも彼女は、手や足を激しく動かして抵抗したため、さすがに純も片手では抑えきれなくなった。両手で抑えては何も出来ない。
「くそ!」
純は、亜裕美のパジャマの上着をすそからめくって、途中まで脱がせた。
乳房から上がパジャマで覆われ、結果、彼女の両腕の自由を奪うことになった。
「や! ちょ、やだ! やだあぁ!」
さらに暴れる足が、右足は純の左足で、右足は純の右脇の下で、完全に抑えられた。
もう、亜裕美がいくら抵抗しようともビクともせず、そこが無防備のままだった。
「あぁ……、ゆるして、純、ねえぇぇ」
パジャマにふさがれてこもる声に構わず、純は姉のイヤがった場所を責めた。
「んんー! だめぇっ! やぁぁ!」
親指をグリグリ押しつけたり、人差し指と中指で広げたり、やり放題だ。
その度に亜裕美が、せつなく、哀しく、それでいて艶のある声で鳴いた。
と、姉の声が、急に切羽詰まったものになった。
「あ、ああ! は、はなして純! も、も……」
が、純は姉をいじくることをやめない。
人差し指で、前のそこの突起をめくりあげた。
「あうっ! う、も、もれちゃうぅ! お願いぃ!」
亜裕美は、上半身を必死でゆらした。ふくらみが波をうった。
純は、ピクピクと動くそこの壁を、なぞるようにもてあそんで、言った。
「ここからか?! ここからだろ! だせよ、だしちゃえよ!」
「そ、そんなっ、ああ! いや、いや、いやぁぁっ!」
人差し指が、前と後ろの間の肌を、はうようにこすった。
その動きと同調して、亜裕美の体がビクビクーッと震えた。
さらに右へ左へと後ろのそこをいじると、姉の悲鳴が大きくなった。
「あああっ! ああっ! あ、あ、ああーん!」
「ほら、ほら、ほら!」
「ひぅ! いや! いやぁ!」
あまりのもがきに、パジャマのボタンが外れ、亜裕美の両手が自由になった。
が、純を抑えようとした時、彼は後ろのそこに、人差し指を深く押し込んだ。
「ほらぁ!」
「っ!!」
その、ひどすぎる衝撃と感触に、彼女の全身はつっぱり、反り上がった。
そして。
「あああぁぁぁ……」
亜裕美から、音をたてて、きらめくものがこぼれだした。
熱い液体は、ゆるやかなカーブを描いて、抑え込んでいた純にかかった。
それは、完全に出つくすまで、出している彼女自身にも、どうにもならなかった。
「見ないでぇぇ……」
亜裕美には、そう哀願するしか手がなかった。
もちろん純は、最後の一滴まで見逃さなかった。
それどころか、出し終わったそこに舌をねじ込み、まんべんなくなめた。
もう亜裕美には、抵抗する力が残っていなかった。
ただ純がやめてくれることを、涙を流して待つだけだった。
やがて純はなめるのをやめ、ティッシュでそこをていねいにふいてあげた。
それから姉を抱え上げ、濡れた布団をよけてから、もう一度姉を寝かせてあげた。
パンティをはかせ、パジャマのズボンをはかせ、はだけた前を抑えてあげた。
「…………」
後は黙り込むだけだった純に、亜裕美は、納まりきってない息の中で言った。
「も一度聞くけど、私を、姉を愛したわけじゃないんでしょ?」
「え……、あ、愛、は……」
「女を知りたくなっただけでしょ?」
「…………うん」
事実を言えば、姉の様な美人のを、であったが。
「そうだと、思う……」
「ん。だったら……」
亜裕美は、ちょっとモジモジしながら続けた。
「たまには……、いいんじゃない?」
「ね、姉ちゃん?!」
「最後までしなければ、実害? そーゆーのがないし、さ」
「……ありがとう、姉ちゃん」
「でも」
ベッドから降りて、亜裕美は言った。
「次は、ちゃんとトイレに行かせてよね。後がたいへんだし」
「ご、ごめん」
「じゃ」
「?」
枕を持って部屋を出ていく亜裕美に、純はキョトンとして声をかけた。
「どこ行くの?」
「あんたの部屋で寝るのよ。ここじゃ寝れなくなっちゃったし」
「……俺は?」
「掃除と洗濯。あんたのせいなんだからね」
姉の姿が、ドアの向こうに消えた。
布団と、自分のズボンとシャツについたシミを見つめて、純はつぶやいた。
「どんなに美人でも、しょせん姉は姉、だなぁ」
――美人とは 遠くにありて 想うもの
おしまい
【後書き】
と、これで読み切りにするつもりだったんですよ。最初は(^^;)。
まさか、この後三作までひっぱり、あまつさえ現在でも影響が残るとは。
裏の代表作、とでも呼びましょうか(^^;)。
どんなもんなんでしょうね? 姉弟とか兄妹とかって。(うちは兄弟だから)
姉のいるやつに読ませたら、鼻で笑われたんですが(;;)。
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