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小説(転載) 『弱者の妖光』 第二部 1/8

官能小説
05 /19 2019
『弱者の妖光』 第二部 (1)

-熟女の放尿と快楽-



 七瀬が予期していた事が現実となった。
警備姿の太田が、目の前の椅子に座ったのである。

「ひぃ!! …み、み、見ないで…ぇ…」

 拘束された七瀬の身体が硬直して震え出した。すると、体内の汗が再び熱く
噴出して七瀬の肌を濡らしていく。
今にもお漏らしをして、失神してしまいそうな快感が七瀬を苦しめた。
だが、太田は驚く気配も見せず、ただ椅子に座っているだけであった。

 山田は、七瀬を恐怖のどん底へ陥れて、羞恥心を弄ぶ企みを考えていた。
暗闇の応接室は、太田の視線には真っ暗にしか映らないのも計算のうち、それ
を知らない七瀬は、恐ろしさと恥かしさで気が狂いそうになっているだろう。

 例え太田の仕草を見て、自分の哀れな姿に気付かれていない、と、気付いた
所で何も変りはしない。太田の目の前で、脚を大きく開き、傷口の痛みに耐え
ると同時に、歯磨き粉の疼きに迷わされる姿を曝け出しているのだから。

 時折、太田と目が合う。その度に心臓を突刺す恐怖と、羞恥が七瀬を襲う。
太田から七瀬の存在は見えていなくとも、七瀬には太田の姿が嫌でも目に映り
見られている…そんな錯覚が脳を錯乱させる。だが、それはM女としてこれ以
上もない悦びなのだ。既に七瀬はその粋を超えているのである。

「ああっ!」

 思わず快楽の溜息を、洩らしてしまった七瀬。その声は太田に聞き取れる程
の大きさではなかったが、山田には微かに聞こえていたのだ。

「守衛さん、今何か聞こえませんでしたか?」

 山田は、辺りを見回して太田に尋ねた。

「ん? …いいえ、私には何も聞こえませんでしたが…」
「そうですか? 誰かの声が僕には聞こえたのですが…そこの応接室から聞こ
えたような…」
「応接室? ああ、ここですか」

 山田と太田は、暗闇が映る応接室の扉を眺めた。

 嫌でも二人の視線が突き刺さる七瀬。

「あぁ…お願いだから、これ以上苦しめないで…もう、限界…限界なのよ」

 そこには、毎日規律正しい仕事をこなしている七瀬課長の姿は無く、口を大
きく開けて呼吸を乱し、狂乱寸前のM女七瀬の姿があった。

「多分、応接室から聞こえたと思うのだけど…」

 山田が、扉に手を掛ける姿が七瀬の目に映っている。

「い、嫌よ! あ、あ、開けるなんて、ぜ、ぜ、絶対有り得ないわ!」

 緊張からなのか、恐怖からなのかそれとも興奮からなのか、七瀬は歯をかち
かちと震わせ、止まる事の無い身体の身震いを続けたのである。

 山田は、ゆっくりと扉のノブに手を添え、それを右に回した。
カチャッ… 扉が開いた音が響いた瞬間、山田は悪魔の微笑を浮かべ、七瀬は
M女の悦びに苦しんだ。
山田が扉を開くと、事務所内の明りが扉の隙間から差し込んできた。闇の中に
灯されるその光が次第に広がると、七瀬の美肉を照らす寸前まで忍び寄ってき
ているのだ。

「ま、まさか本当に、本当に、私のこの格好を守衛さんに見せる気なの?…で
も今の彼なら…あぁ…やりかねないわ。もし、もし見られたら…ああっ、おか
しいわ…見られるのが嫌なのに、想像すると身体が熱くて弾けてしまいそう…
ああっ! 身体が痺れる…い、いやん、おしっこが、おしっこがっ!」

 見られてしまう興奮から、七瀬の身体に絶頂寸前の波が押し寄せてくるので
あった。




 扉のノブを握る山田の手が、興奮で震えていた。

「これ以上、この扉を開けたとき…事務所の照明を裸体に受ける課長の神経は
崩壊するであろう。くっくっ、最高の気分を味わせる瞬間だ…」

 そう思う山田は、手に力をこめて一息つくと、扉を更に開いていく。すると
事務所の照明に照らされて七瀬の裸体が暗闇の中から姿を表してきた。その肌
は眩しい程輝き、更に山田を興奮の渦へと招き入れるのであった。

 山田の目の前に、目を丸くし、下唇を噛締めて驚愕している七瀬の顔が露に
なった。まさか本当に扉を開けられるとは想像もしていなかったのだろう。だ
が、紛れもなく七瀬の裸の姿は照明によって照らされているのであった。その
現実を受け入れた瞬間、七瀬は無意識に羞恥の悦びを発散させたのである。

 興奮に耐えられなかった七瀬の割目から、我慢していた尿が勢いよく噴出さ
せてしまったのである。
驚いたのは山田の方だ。自分の身体を壁にすれば、太田の視界を遮れるだろう
それだけで、七瀬の興奮を覆い立たせるには充分であると考えていたのだが、
何と、七瀬の興奮は予想以上であり、放尿は予期せぬハプニングであった。

「ぼ、僕の勘違いでした!」

 山田は、扉を思い切り閉めると、驚きを隠せない表情で太田に言った。

「山田さん…でも、何か音がしてませんか… ほら、中から…」
「い、いいえ、何も… あっ! きっと、ぼ、僕の腕時計のアラームが鳴って
いるんだ、そうそう、僕の時計だ」
「時計の音? ですかね… おや? 音が止みましたね。ああ、やはり時計の
音でしたか、失礼しました」
「ははっ…そう、時計の音ですよ…ははっ…」

 おかしな人だ…きっと太田は、山田の行動を見てそう思ったに違いない。
たかが応接室の中を覗いただけで、顔を引きつかせ大量の汗を流して動揺する
事もなかろう、と。

「さて…私は、仕事に戻ります。コーヒー美味しかったですよ、では…」

 そう言葉を残して、太田は部屋を出た。そして頭を傾げながらふと思い出し
た。

「そう言えば…七瀬課長さんは、まだ退出されていなかったようだが…応接室
に? まさかな…」

 太田は、歩む足を止めて振り返った。
視線の先には何時もの見回りの風景が映るだけで、何の変化もない廊下を暫く
眺めていた。そして、次の見回りを続ける為に再び歩き出しのである。
山田の慌てぶり、応接室の不思議な音そして七瀬課長の不在を気に掛けていた
が見回りの仕事を続けるうちに、それらは太田の記憶から消えていくのであっ
た。


(2)へつづく・・・

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。