小説(転載) 『弱者の妖光』 第三部 12/12
官能小説
『弱者の妖光』 第三部 (12)
三
熟女の美肉を曝した瑠美子のその姿を山田は、ただ呆然として見とれていた。
「おおっ… 何て美しい格好なんだ。 フラミンゴ…そうだ、まるでフラミン
ゴが片足で立ち尽くしているみたいだよ、それに…裾を捲られて真っ赤に染め
上げた下半身、胸まで持ち上げた片足のせいでぱっくり割れて見える瑠美子の
あそこと、全てが絶妙なバランスで調和され何て卑猥なんだ…」
山田は、瑠美子を責めた今までの中で一番綺麗だと感心していた。その視線
を避けようと瑠美子は身体を捩るが、如何せん片足で支える身体は拘束された
状態で横へ前へとグラつくだけなのだ。
暫くして瑠美子は、山田と智代がこれからどんな痴態を繰り返させるのか二
人が準備する機材を見て驚愕した。目の前に固定されたビデオカメラ、智代が
手にする太くて大きな張型、更にSM道具らしきものを次から次へとバックか
ら取り出す山田達の異常な光景に目が眩むのである。
瑠美子が「誰にも話さないわ」と懇願するが、それを智代が信用するわけが
無い。嫌、信用したとしても智代が今のこの状況をやめるはずが無いだろう。
「さあ、準備が出来たわ。奥様、思う存分乱れて構いませんのよ、それが本当
の奥様なのですから、くすっ、それをしっかり記録させてもらうわ」
智代はそう言うと、レンズの視線を瑠美子から一旦外しもう一度瑠美子へ向
けたのである。 ほら、視点は貴女にしっかり向けられているのよ…
まるでそう伝えているようであった。
レンズに映る瑠美子が恥かしさの余り顔を伏せている。その瑠美子に智代は
習字の筆を手にすると、両方の乳房を撫で始めた。 柔らかい毛先が瑠美子の
さくらんぼの上を滑らかに滑っていく。 気持ちよくて官能的な刺激を感じず
にはいられない瑠美子。その証は開かされた割目が物語っていた。いつしかそ
の周囲を汗で輝かせ、幾つかの雫を降り注いでいる姿を曝しているからだ。
瑠美子の瞳から流れるのは悲しい涙なのか、それとも感じずにはいられず思わ
ず流した涙なのかそれは瑠美子本人にしかわからない。
時間が経つに連れ瑠美子の身体にはローターとバイブが装着されていった。
瑠美子の膣には極太のバイブ、アナルにはアナル専用のバイブが落ちないよう
に紐で括られている。そして、陰核に当たる様にローターを取付、更に両方の
乳房にもローターが密着されているのだ。しかしこれで終わらせないのが智代
なのである。
「まだまだ感じる箇所はあるものよ」
そう言って智代は、瑠美子の両方の耳たぶにもローターを取り付けたのであ
る。
「い、嫌よお! …許して、許して頂戴!! 山田さん! た、助けて!」
電源を入れられていない器具を身体に着けた瑠美子が助けを求める。しかし
助けを呼ぶ相手の山田は既に下半身を膨らませて今か今かと電源を入れられる
のを心待ちしているのだ。
「奥様、貴女の心の奥に潜んでいる本当の留美子奥様を目覚めさせてあげます
わよ」
半目で薄気味悪く微笑む智代。その表情に瑠美子は、氷のような汗を背中に
感じたに違いない。
そしてついに、瑠美子の身体に電流が走るのである。耳のローターが低音の
振動を繰り返し、更に乳房と陰核のローターも小刻みに蠢いているのだ。
「…ぐっ………ぃ…あぁ………うぅぅ…はぁん………っ! …い、嫌ぁぁぁ」
擽られる刺激に徐々に瑠美子の身体が波を打ち始めた。それを愉しむ智代は
バイブのスイッチに手を掛けた。 目と目が合う智代と瑠美子、智代は含み笑
いを見せると瑠美子は顔を引きつらせ驚愕した。
レンズの中の留美子が女の悦びを身体全体で表現させている。痴態…貴婦人
瑠美子には似使わない言葉であるが、哀しい事に今の瑠美子はその言葉が似合っ
ているのだ。
責める智代と喘ぐ瑠美子。二人の絶妙な関係に山田の入る隙間はなかった。
四
毎週水曜日、唯一楽しい時間を過ごしていた瑠美子とのプレイ。だが、その
時間を山田は、智代に横取りされてしまったのである。何時の間にか瑠美子を
智代の元へ届けるのが山田の仕事になっていたのだ。
「あぐっ! …うぅ、ううんっ! はあぁ、と、智代さん! お願い、もっと
もっと突いて頂戴! 瑠美子を、瑠美子を気が狂う程犯して頂戴!!」
目の前でペニスバンドを付けた智代に四つん這いの格好をさせられた瑠美子
が後から責められているのだ。瑠美子はいつしか智代の奴隷として従うように
なっていた。それが面白くないのは山田である。
「畜生!! 智代のクソ女! 瑠美子は俺のモノだったんだぞ、それを何だよ
いきなり横取りしやがって、しかも、しかもっ!! プレイの準備と後片付け
を俺にさせるなんて、これじゃ俺も智代の召使と一緒じゃないか! 畜生!!」
そう激怒しながらも口答えができない山田は、仕方なく二人が交わるプレイ
を毎回見学するしかなかったのである。
この頃の山田は、課長七瀬を責める事を躊躇っていた。 何故なら、智代に
七瀬との秘密を知られてしまうのを恐れていたからだ。七瀬まで智代に寝取ら
れる恐れがあるから、なるべく手出しを控えていた。しかし…
「クソっ、もう我慢も限界だ。 こうなれば課長の家に忍び込んで、またあの
熟した身体を官能させてもらうしかない! よし膳は急げだ、今から課長の家
に行ってみよう」
瑠美子と智代が去った後、まだ二人の残り香が漂う倉庫で山田は限界の域を
超えてしまったのだ。そして迷う事無く七瀬の自宅へと向かうのであった。
「初心、忘るべからず…」
何を勘違いしてそんなことわざを言葉にしたのかわからないが、山田として
は最初の出だしに戻るのだ、そう言いたかったに違いない。
──七瀬宅 夜八時
以前から何度も忍び込んでいた七瀬の家であるが、久し振りに足を踏み入れ
る屋敷はどことなく初々しく思える。相変わらず施錠されない窓からクロゼッ
トの闇へ姿を隠す山田。
「懐かしい…何もかもが懐かしい」
そう思う山田は、暗闇の中に腰を下し膝を立てると顔を伏せて七瀬の帰りを
待った。
どれくらいの時間が流れただろうか…
闇の中、目を閉じた山田が今までの出来事を回想していた。そしてゆっくり
と目を開らいて闇の中を見回している。虚ろな視線の山田、その先に見えるの
は熟女の香りを漂わせた七瀬の部屋ではない。
「…あ、あれ? 僕は…何処にいるんだ…」
薄汚い部屋、三方を剥き出しの冷たいコンクリートに覆われ、目の前は錆び
た鉄格子で遮断されている。 …そう、山田は牢屋の中で監禁されているのだ。
七瀬の家に忍び込んだ日、偶然にもその姿を隣の住人に見られていた。
無論、七瀬が山田を庇う事はなく不法侵入で逮捕されたのである。
「楽しかった僕の一時が… あううっ、ううう…」
情けない男の泣き声がコンクリートに響いていた。
弱者は、やはり弱者…
- 完 -
三
熟女の美肉を曝した瑠美子のその姿を山田は、ただ呆然として見とれていた。
「おおっ… 何て美しい格好なんだ。 フラミンゴ…そうだ、まるでフラミン
ゴが片足で立ち尽くしているみたいだよ、それに…裾を捲られて真っ赤に染め
上げた下半身、胸まで持ち上げた片足のせいでぱっくり割れて見える瑠美子の
あそこと、全てが絶妙なバランスで調和され何て卑猥なんだ…」
山田は、瑠美子を責めた今までの中で一番綺麗だと感心していた。その視線
を避けようと瑠美子は身体を捩るが、如何せん片足で支える身体は拘束された
状態で横へ前へとグラつくだけなのだ。
暫くして瑠美子は、山田と智代がこれからどんな痴態を繰り返させるのか二
人が準備する機材を見て驚愕した。目の前に固定されたビデオカメラ、智代が
手にする太くて大きな張型、更にSM道具らしきものを次から次へとバックか
ら取り出す山田達の異常な光景に目が眩むのである。
瑠美子が「誰にも話さないわ」と懇願するが、それを智代が信用するわけが
無い。嫌、信用したとしても智代が今のこの状況をやめるはずが無いだろう。
「さあ、準備が出来たわ。奥様、思う存分乱れて構いませんのよ、それが本当
の奥様なのですから、くすっ、それをしっかり記録させてもらうわ」
智代はそう言うと、レンズの視線を瑠美子から一旦外しもう一度瑠美子へ向
けたのである。 ほら、視点は貴女にしっかり向けられているのよ…
まるでそう伝えているようであった。
レンズに映る瑠美子が恥かしさの余り顔を伏せている。その瑠美子に智代は
習字の筆を手にすると、両方の乳房を撫で始めた。 柔らかい毛先が瑠美子の
さくらんぼの上を滑らかに滑っていく。 気持ちよくて官能的な刺激を感じず
にはいられない瑠美子。その証は開かされた割目が物語っていた。いつしかそ
の周囲を汗で輝かせ、幾つかの雫を降り注いでいる姿を曝しているからだ。
瑠美子の瞳から流れるのは悲しい涙なのか、それとも感じずにはいられず思わ
ず流した涙なのかそれは瑠美子本人にしかわからない。
時間が経つに連れ瑠美子の身体にはローターとバイブが装着されていった。
瑠美子の膣には極太のバイブ、アナルにはアナル専用のバイブが落ちないよう
に紐で括られている。そして、陰核に当たる様にローターを取付、更に両方の
乳房にもローターが密着されているのだ。しかしこれで終わらせないのが智代
なのである。
「まだまだ感じる箇所はあるものよ」
そう言って智代は、瑠美子の両方の耳たぶにもローターを取り付けたのであ
る。
「い、嫌よお! …許して、許して頂戴!! 山田さん! た、助けて!」
電源を入れられていない器具を身体に着けた瑠美子が助けを求める。しかし
助けを呼ぶ相手の山田は既に下半身を膨らませて今か今かと電源を入れられる
のを心待ちしているのだ。
「奥様、貴女の心の奥に潜んでいる本当の留美子奥様を目覚めさせてあげます
わよ」
半目で薄気味悪く微笑む智代。その表情に瑠美子は、氷のような汗を背中に
感じたに違いない。
そしてついに、瑠美子の身体に電流が走るのである。耳のローターが低音の
振動を繰り返し、更に乳房と陰核のローターも小刻みに蠢いているのだ。
「…ぐっ………ぃ…あぁ………うぅぅ…はぁん………っ! …い、嫌ぁぁぁ」
擽られる刺激に徐々に瑠美子の身体が波を打ち始めた。それを愉しむ智代は
バイブのスイッチに手を掛けた。 目と目が合う智代と瑠美子、智代は含み笑
いを見せると瑠美子は顔を引きつらせ驚愕した。
レンズの中の留美子が女の悦びを身体全体で表現させている。痴態…貴婦人
瑠美子には似使わない言葉であるが、哀しい事に今の瑠美子はその言葉が似合っ
ているのだ。
責める智代と喘ぐ瑠美子。二人の絶妙な関係に山田の入る隙間はなかった。
四
毎週水曜日、唯一楽しい時間を過ごしていた瑠美子とのプレイ。だが、その
時間を山田は、智代に横取りされてしまったのである。何時の間にか瑠美子を
智代の元へ届けるのが山田の仕事になっていたのだ。
「あぐっ! …うぅ、ううんっ! はあぁ、と、智代さん! お願い、もっと
もっと突いて頂戴! 瑠美子を、瑠美子を気が狂う程犯して頂戴!!」
目の前でペニスバンドを付けた智代に四つん這いの格好をさせられた瑠美子
が後から責められているのだ。瑠美子はいつしか智代の奴隷として従うように
なっていた。それが面白くないのは山田である。
「畜生!! 智代のクソ女! 瑠美子は俺のモノだったんだぞ、それを何だよ
いきなり横取りしやがって、しかも、しかもっ!! プレイの準備と後片付け
を俺にさせるなんて、これじゃ俺も智代の召使と一緒じゃないか! 畜生!!」
そう激怒しながらも口答えができない山田は、仕方なく二人が交わるプレイ
を毎回見学するしかなかったのである。
この頃の山田は、課長七瀬を責める事を躊躇っていた。 何故なら、智代に
七瀬との秘密を知られてしまうのを恐れていたからだ。七瀬まで智代に寝取ら
れる恐れがあるから、なるべく手出しを控えていた。しかし…
「クソっ、もう我慢も限界だ。 こうなれば課長の家に忍び込んで、またあの
熟した身体を官能させてもらうしかない! よし膳は急げだ、今から課長の家
に行ってみよう」
瑠美子と智代が去った後、まだ二人の残り香が漂う倉庫で山田は限界の域を
超えてしまったのだ。そして迷う事無く七瀬の自宅へと向かうのであった。
「初心、忘るべからず…」
何を勘違いしてそんなことわざを言葉にしたのかわからないが、山田として
は最初の出だしに戻るのだ、そう言いたかったに違いない。
──七瀬宅 夜八時
以前から何度も忍び込んでいた七瀬の家であるが、久し振りに足を踏み入れ
る屋敷はどことなく初々しく思える。相変わらず施錠されない窓からクロゼッ
トの闇へ姿を隠す山田。
「懐かしい…何もかもが懐かしい」
そう思う山田は、暗闇の中に腰を下し膝を立てると顔を伏せて七瀬の帰りを
待った。
どれくらいの時間が流れただろうか…
闇の中、目を閉じた山田が今までの出来事を回想していた。そしてゆっくり
と目を開らいて闇の中を見回している。虚ろな視線の山田、その先に見えるの
は熟女の香りを漂わせた七瀬の部屋ではない。
「…あ、あれ? 僕は…何処にいるんだ…」
薄汚い部屋、三方を剥き出しの冷たいコンクリートに覆われ、目の前は錆び
た鉄格子で遮断されている。 …そう、山田は牢屋の中で監禁されているのだ。
七瀬の家に忍び込んだ日、偶然にもその姿を隣の住人に見られていた。
無論、七瀬が山田を庇う事はなく不法侵入で逮捕されたのである。
「楽しかった僕の一時が… あううっ、ううう…」
情けない男の泣き声がコンクリートに響いていた。
弱者は、やはり弱者…
- 完 -
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