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小説(転載) 不安

官能小説
08 /29 2019
不安


「ねぇ・・・不安て何でできてると思う?」
ユミの部屋で二人で過ごす日曜日の午後、彼女は突然そんなことを言い出した。
まるで俺の心を試すように、窓の外をじっと見ながら・・・

俺はドキリとした。
最近のユミの様子はどこか物憂げで、俺を不安にさせるものだった。
もともとか細い神経でできてるユミのことだから、また何か抱え込んでいるのではないかと・・・
過去、俺はユミがおかしなことや思いつめたことを言うたびに、対処に苦労してきた。
そんな面倒な女なのに離れられないというのは、彼女にやはりある種の男を・・・そう俺みたいな男を惹きつける翳りがあるからなのだろう。
どんなに振りまわされても、俺はユミと別れたいとは思ったことがなかった。

とりあえず俺は曖昧に笑った・・・そんなことでは彼女は許しはしないと知っていたが・・・
「カズはそうやって、またごまかそうとしてる」
相変わらず彼女は俺の方を見もしないで、ポツリと呟く。
窓の外には陰気な雲が広がり、今にも雨が降り出しそうだ。

「正直に言うよ・・・わからないよ」
俺は一つため息をつくと、今度は無表情に返事をした。
ユミを何かで納得させようとする態度は、ユミが最も嫌うものなのだ。

思った通り、俺の答にユミは満足そうだった。
満面の笑顔で俺の方を振り返ると、猫のように4つの肢を使って俺に擦り寄ってきた。
「不安って・・・何でできてるんだろう・・・」
もう一度そう言うとユミは、座っている俺のパジャマのズボンから、無理やり情けなく縮こまっているペニスを取り出し、舌を這わせ始めた。

「うっ・・・ユミ・・・」
ユミの行動は予想はしていたが、すぐさま俺の脳は落ち着きを無くし、下半身に血液をどんどん送り始めた。
呼吸を荒げる俺を、ユミは楽しそうに上目遣いで見ている。
「カズ・・・なんでカズのおちんちんは、どんな時でも私が舐めると大きくなっちゃうの?」
楽しそうに悪戯っぽくそう囁くユミ・・・これ以上はないくらい俺を興奮させる。

ぴちゃ・・ぴちゃ・・・
ユミが俺のものを舐める音が静かな薄暗い部屋に響く。
そして荒い俺の息遣いも・・・

ユミは決して俺のものを口には含まない。
何故だかわからないが決して・・・。
その代わり、丹念に俺の感じる部分を時には強く、時には優しく舌を這わせ、舌で突ついてくる。
そうして、先端から溢れ出す透明な雫を、甘い果物の果汁を少しづつ楽しむように、そっとすする。

「ユミ・・・ん・・ユミが・・欲しい」
俺は荒い息の下からユミに懇願する・・・ユミの、ざくろが開くように割れた赤い部分に俺を入れさせてくれと・・・。
「欲しいの?」
ユミは俺の雫で口のまわりをベトベトにしながら、からかうように、楽しそうにそう聞く。
「ん・・・入れたい・・・ユミ・・入れさせて・・」
俺が情けなく、荒い息遣いの下からそう言うと、やっとユミは自分のパジャマを脱ぎ俺に抱きつくと、はちきれそうな俺のものをそっと入り口に導き、一気に腰を沈めた。

「はぅ・・ん・・」
ユミの白いのどがのけぞり、俺の目の前にさらされる。
痛々しいほど白い肌・・・でもそこには頑強な意思が隠されている。

ユミはすぐさま腰を動かし始めた。
俺が感じるように・・・
正直言って、セックスで本当にユミが感じているのかは俺にはわからない。
自分でも情けないと思うが、俺はいつもユミに翻弄されている。
「ねっ・・こうすると気持ちいい?」
「はぁ・・・いいよ・・・ユミ・・・気持ちいい・・ん・・ユミは?・・どう?」
そう言いながら、俺は腰を浮かせ、下からおもいきりユミを突き上げた。
「あぁぁん・・・はぁ・・・だめぇ・・」
深くユミの内部に俺のものが食い込んでいる・・・そして、愛しい女の喘ぎ声が・・・。

俺はさらに突き上げる・・・ユミを感じさせたくて。
でも、ユミは負けじと腰を上下左右に振りたてる。
「はぁ・・止めろ・・・ユミ・・・そんなにしたら・・・」
「いいよ・・んはぁ・・いって・・今日は・・このまま出して・・・私の中に・・・いっぱい・・・カズの・・いっぱい・・・」
ユミは呪文のように囁き続ける。

「ユミ・・ユミ・・・ん!!!」
俺はあっけなくユミの中ではじけた。
俺の放ったものがユミの体内から下へと流れようとしているのを感じる。
身体はいったのに、心はつながっていなかったような余韻・・・

悟られないように、俺の胸にしがみついて呼吸を整えているユミの様子をうかがうと、なんだか哀しそうな表情をしている。
空ろな目には何も映っていない。

ふいに俺は、ユミのさっきの言葉を思い出した。
「不安て、何でできてると思う?」
ユミの不安の正体は・・・
俺は、壊れやすいガラス細工を抱きしめるように、そっと、しかしある意思を持ってユミをじっと抱きしめた。



あとがき

自分の感情をうまくコントロールできない女の不安は何でできてると思いますか?
皆さんに、時に行動と裏腹な心が女の行動の裏には隠されていることが読みとっていただけたら、と思います。

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。