夏の思い出 お墓参り
ひとりごと
家からお墓があるお寺まではバスで行くしかなかった。従姉妹の家族は電車とバスを乗り継いでやってくる。父の叔父にあたるその老夫婦も都会からやってきて、お寺の本堂に入り畳に座ると安心したのか舟を漕ぎ始める。いまよりまだ暑さを感じなかったが、お寺は古くて怖かった。トイレも汲み取り式で下から手が出てくるのではないかと思うほど便壷が大きかったと記憶している。今はロウソクも電気式になって風情はなくなったが、ゆらゆらと炎がゆらめきそれがお堂の中に大きく描かれる。ひとりだったら泣き出してしまうかもしれない状況だ。今は改修されて明るくなりすぎた感じだ。
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