小説(転載) 天狗村奇談 教室のお稲荷さん その1
近親相姦小説
掲載サイト「母と少年 禁断の部屋」は消滅。
頭上には、相変わらず清々しい青空が広がっていた。
ぼくと母は、学校に向かって急いでいた。
道の両側には遠くまで水田が広がっていて、青々と育った苗が風にそよいでいる。
山々からは相変わらず、鶯の染み渡るような鳴き声が聞こえていた。
母は一言も口をきかなかった。肩を落とし、やっとのことで歩いているようだった。ぼくはなにか言葉をかけようと何度も口を開きかけたが、とうとう何も言うことができなかった。
雑木林を横切り、ようやく小学校についたぼく達は、しんと静まり返った校庭を通って校舎に向かった。結局、始業時間には間に合わなかったのだ。
一学年にせいぜい十人前後しかいない小学校の校舎は、見るからに小さな、古い木造建てである。ぼくと母が教室に入ると、担任の町田先生も、同級生達も、教室の後で見学しているお母さん達も、皆いっせいにきつい視線を向けてきた。
母が、遅くなって申し訳ありません、というふうに頭を下げたが、町田先生はいきなりぼく達を怒鳴りつけた。
「何をしていたんだ、もう授業は始まってるぞ!」
その声を聞いてぼくはギョッ、としてしまった。あの、加藤巡査の怒鳴り方とそっくりだったのだ。
ぼくは、恐る恐る町田先生の顔を見上げた。五十がらみで、いつも優しい町田先生の目がきゅーっ、と吊り上がっている。加藤巡査とまったく同じ目だった。しかも、あの獣臭い匂いまでが、かすかに教室の中に漂っていたのだ。
(ああ、まただ・・・)
ぼくは、母の身に再び何か起こるような気がして、背筋に冷たいものが走った。
町田先生は、怒った顔でぼくと母を睨みつけていたが、
「まあいい。とにかく席につきなさい・・・さあ、授業を続けるぞ」
そう言って、気を取り直したように生徒達を見まわした。
ぼくは母と離れ、教室の中程にある自分の机まで歩いて席についた。可哀想に母は、他のお母さん達の冷たい視線を浴びながら、申し訳なさそうに列の端にくわわった。
ぼくが席につくのを待っていた町田先生が、授業を再開した。
当時の小学校の机は、木材だけでできた二人掛けの机だった。ごろんとして、重くて、掃除のときなど移動するのが大変な机だった。その机にぼくが一緒に座っているのは、権堂さんの息子だった。健ちゃんという子で特に仲が悪いわけでもなかったが、このときばかりは睨みつけてやりたい心境だった。
ともかくぼくはランドセルから筆記類を取り出し、教科書を開いた。今日、授業参観のために一時間だけおこなわれるのは、理科の授業だった。内容は人体の構造について・・・。ぼくの不安は、ますます大きくなっていった。
しばらくの間、町田先生は生徒達に質問したり、黒板に文字を書いたりしながら、教科書に沿って授業を続けていた。だが、途中で教科書を教卓の上に置くと、
「ところで君達、哺乳類と昆虫の構造の違いについてはわかったが、肝心な人間の、男と女の違いについてはわかるかな・・・」
突然そう言って生徒達を見回した。
「佐藤君、答えてごらん」
「ええと・・・男は強いけど、女は弱い・・・」
「そんなことじゃない。体の違いだ。村田君」
「うーん・・・男にはオチンチンがあるけど、女にはない」
「そう、それだ」
町田先生の目がギラッ、と光った。
「男にはオチンチンがついているが、女にはない。しかし、そこがどうなっているか、知っている男子はいるか?」
教室の中がシーンとなった。
「では、オチンチンがどのように変化するか、知っている女子はいるか?」
みんな、呆気にとられて町田先生を見上げている。町田先生はもう一度生徒達を見回した。何だか吸い込まれそうな目の色をしていた。
「では、女のあそこがどうなっているか、それと、実はオチンチンはおしっ こをするだけのものではないということを先生が教えてあげよう」
町田先生はニタッと笑った。誰も、何も言わなかった。
「吉川君のお母さん、前に出てきて下さい」
その言葉に、教室は少しざわめいた。振り返ると、母が目を見開き、呆然とした顔で町田先生を見つめていた。
最初、唐突に授業の内容が変わったことに戸惑っていた生徒達の顔には、好奇の色が浮かんでいた。しかも、後ろのお母さん達までが同じ表情を浮かべて「早く出て行きなさいよ」というように、母に冷たい視線を浴びせているのである。
「早く出てきなさい!」
「・・・・」
またも怒鳴りつけられた母は、諦めたように前に出てきた。
町田先生の横に立つと、先生は、母を上から下まで舐めるように見詰め回してから、
「今から吉川君のお母さんにあそこを見せてもらうから、みんなよく観察するように」
母の顔がさーっ、と青ざめ、教室には一瞬どよめきが起こった。
「町田先生、そんなこと、できるわけがありません・・・」
母は掠れた声で抗議したが、
「大事な終業式と授業参観に遅れてきて、何を言っているんですか。子供達の勉強のためです、黙って教材になりなさい」
母は、静まり返った教室の中で呆然と立ちつくし、助けを求めるようにお母さん達を見まわしたが、誰もなにも言ってくれなかった。それどころか、中には薄笑いを浮かべているお母さんまでいた。母は堪らずに俯いてしまった。
「それではまず、パンティを脱ぎなさい」
町田先生は、小刻みに体を震わせ始めた母に命令するように言った。
母は弾かれたように顔を上げ、不安と恐れの入り交じった表情でもう一度生徒達やお母さん達を見回した。しかし、結果は同じだった。誰一人止めようとする者はなかった。
ぼくと目が合うと、母は一瞬ヒクッと体を震わせた。ぼくも固唾を飲んで母を見つめていた。
とうとう母は、意を決したようにスカートをめくり上げ、パンティに両手をかけた。
もう、逃れようがないと諦めたのだろう。母はたぐり下ろすようにパンティを脱いでいった。
あちこちでため息が漏れている。母はスカート越しに太腿やすねを晒しながら、引き下ろしたパンティを足首から抜き取った。恥ずかしいことにそんな母の姿を、ぼくは他の子供達と一緒に見つめているしかなかった。
「それは私が持っていてあげましょう。さあ、スカートを上までまくって見せなさい」
容赦なく町田先生が命令した。
母はもう言いなりだった。驚いたことに町田先生は、パンティを受け取ると裏返し、母のあそこに当たっていた部分に鼻を押しつけたのだ。クンクンと匂いをかぎながら、母には顎をしゃくって見せ、早くスカートをまくるようにうながした。
母はスカートの裾を握って腰の上までまくり上げた。白くなめらかな下腹部と淡い陰毛が露出した瞬間、教室にはまたも声にならないどよめきが起こった。驚きと興奮で教室の温度が一気に上昇したかのようだった。
子ども達もお母さん達も、食い入るように母の下半身を見つめていた。母は恥ずかしさに震え、苦悶の表情で立ちつくしている。スカートの裾を握っている手がブルブルと震えていた。
しかし、そんな母がかわいそうで堪らないくせに、ぼくも皆と同じように見つめていた。見てはいけないと思い、目を閉じようとしたが、どうしても閉じることはできなかった。それというのも、母の下半身があまりにも魅惑的だったからだ。
きゅっ、とくびれたウエスト。そのウエストから急激に盛り上がっている腰のあたりは見るからにむちむちとして艶めかしかった。それにミルクを刷り込んだように白い肌と、黒々とした陰毛の対比には、見ている者を妙に恥ずかしくするくせに見ずにはいられない生々しさがあった。
しばらくの間、教室中の目が母の下半身に釘付けになっていたが、やがて町田先生の言葉に全員がはっ、としたように我にかえった。
「君達、ちょっと席を立ちなさい」
町田先生は一番前の席に座っている二人に言った。二人が席を立って机から離れると、町田先生はその机をズルズルと引きずって教壇の方に移動させた。
「みんな、前の方に出てきなさい。お母さん方は、そのまま後ろで見ているように」
それから、今度は母に向かって、
「さあ、この机の上に座りなさい」
と命令した。
ぞろぞろと集まった生徒達にまわりを取り囲まれ、母はうろたえている。
生徒達の顔は異様ににほころんでいた。全員が嫌らしい興味でいっぱいなのだ。
母は、机の上に乗るしかなかった。そうしなければいけない雰囲気が、教室中を包み込んでいた。
母は机の端に両手をかけ、よじ登るように机の上に上がった。二人掛けの頑丈な机は、母が乗ってもびくともしなかった。
「さあ、膝を立てて、子供達の方に向かって座りなさい」
机にしゃがみ込んだ母は真っ赤な顔でスカートをめくり上げながら両膝を立て、唇を振るわせながら両足をM字形に広げていった。
「さあ君達、よく観察してごらん」
男子も女子も興味津々の顔で顔を近づけていく。十数人の熱い視線が、束になって母のそこに突き刺さっているようだった。
母の股間で、陰毛に装飾された肉のひだがぱっくりと口を開けている。内側の赤黒い粘膜までが、ぬめぬめと輝きながら剥き出しになっていた。
生々しさが湯気のように立ち昇っている。どう見ても嫌らしい形と色だった。
「すげえ、毛が生えてる」
「おまえのもこんなのか」
「あたし、自分のなんか見たことないもん」
皆が、口々に驚きの声を漏らしている。
「女の子にはみんな、吉川君のお母さんと同じものがついているんだよ。後ろのお母さん方にもね」
町田先生の言葉に、皆いっせいに後ろを振り返った。ぼくはお母さん達が怒り出すかと思ったのだが、怒るどころか、皆、口元に卑猥な笑みさえ浮かべていた。
「ところで、この部分のことを何と呼ぶのか、君達は知っているかい」
「えーっ」
生徒達は一斉に恥ずかしそうな、そのくせ嬉しそうな表情になった。皆が思い浮かべたのは、きっと、村の男達が影でつかう卑猥な言葉に違いなかった。ぼくでもその言葉は知っている。でも、恥ずかしくてとても口に出せるような言葉ではなかった。
「吉川君のお母さん、あんたのそこを四文字で何と呼ぶかこの子達に教えてやりなさい」「よ、四文字・・・」
母の頬がさらに赤くなった。
「これも授業のうちです。言いなさい」
母はさらに眉根を寄せ、唇を震わせていた。
「さっ、言いなさい」
母は観念したように口を開いた。
「こ、これは・・・これは・・・」
しかし、恥ずかしくて、どうしてもその先は言えないようだ。
「何をぐずぐずしているんだ、早く言いなさい!」
またしても怒鳴りつけられ、母はビクッと体を震わせた。
「こ、これは・・・お、お・・・おま×こ・・・です・・・」
何度もつっかえながら、ついに母はその言葉を言ってしまった。それは、聞く側の羞恥心を掻きむしるような、何とも妖しい声だった。
「正ちゃんのお母さん、あんな恥ずかしい言葉を言ったよ」
「い、いやらしいー」
口々に言いながら、皆、嬉しそうな顔をしている。
「まあ、子供の前であんなことを言うなんて」
「恥知らずな」
「少しおかしいんじゃないの、変態だわ」
後ろのお母さん達が、ひそひそと話している。ぼくは無性に腹が立った。自分達だって面白がって聞いていたくせに、母を変態扱いしたことが許せなかった。しかし町田先生は、
「もう一度、つっかえずに言いなさい」
と、さらに同じ言葉を言わせようとするのだった。ほっ、としかけた母の顔がまたもきゅーっ、と歪み上がった。二度、三度と深呼吸した母が、堪らない表情で口を開けた。
「・・・おま×こ・・・」
何度聞いても羞恥心を掻きむしられる。母の体から、嫌らしさと艶めかしさがない交ぜになって立ち昇ってくるようだった。
「お母さん、あんたの息子の正一は、どこから産まれたんだね」
「・・・・しょ、正一は・・・お母さんの・・・おま×こから産まれました・・・」
「どんなふうに」
「おま×こから・・・絞り出されるように・・・」
言い終えたとき、母はそのまま失神してしまいそうなほどの悶えぶりだったが、ぼくにとっても最後の言葉はショックだった。なぜならぼくは、いままで自分は、母のお腹が割れて産まれたと信じていたからだ。あんな赤くてうねうねしたところから絞り出されてきたなんて、とても信じられなかった。
「それでは、正一の絞り出された穴を広げて見せてみなさい」
母は震える両手を股間に持っていった。そして、ぱっくりと開いている肉ひだを、自分の指でさらに広げていった。すると内部の皺が左右に引かれて伸び上がり、中心部がメリッと裂けるように穴が開いた。
「よく見てごらん、君達はみんなこの穴から産まれて来たんだよ」
町田先生の説明に、誰かが不思議そうな声を上げた。
「でも先生、こんな小さい穴から出られるんですか」
「だから正一のお母さんは、絞り出されて・・・て、言っていたろう。産まれるときはこの穴が大きく広がるんだよ」
「ふーん」
「さあ皆、誰からでもいいから順番に指を入れて確かめてごらん」
もう、ぼくの心臓は凍りつきそうだった。
頭上には、相変わらず清々しい青空が広がっていた。
ぼくと母は、学校に向かって急いでいた。
道の両側には遠くまで水田が広がっていて、青々と育った苗が風にそよいでいる。
山々からは相変わらず、鶯の染み渡るような鳴き声が聞こえていた。
母は一言も口をきかなかった。肩を落とし、やっとのことで歩いているようだった。ぼくはなにか言葉をかけようと何度も口を開きかけたが、とうとう何も言うことができなかった。
雑木林を横切り、ようやく小学校についたぼく達は、しんと静まり返った校庭を通って校舎に向かった。結局、始業時間には間に合わなかったのだ。
一学年にせいぜい十人前後しかいない小学校の校舎は、見るからに小さな、古い木造建てである。ぼくと母が教室に入ると、担任の町田先生も、同級生達も、教室の後で見学しているお母さん達も、皆いっせいにきつい視線を向けてきた。
母が、遅くなって申し訳ありません、というふうに頭を下げたが、町田先生はいきなりぼく達を怒鳴りつけた。
「何をしていたんだ、もう授業は始まってるぞ!」
その声を聞いてぼくはギョッ、としてしまった。あの、加藤巡査の怒鳴り方とそっくりだったのだ。
ぼくは、恐る恐る町田先生の顔を見上げた。五十がらみで、いつも優しい町田先生の目がきゅーっ、と吊り上がっている。加藤巡査とまったく同じ目だった。しかも、あの獣臭い匂いまでが、かすかに教室の中に漂っていたのだ。
(ああ、まただ・・・)
ぼくは、母の身に再び何か起こるような気がして、背筋に冷たいものが走った。
町田先生は、怒った顔でぼくと母を睨みつけていたが、
「まあいい。とにかく席につきなさい・・・さあ、授業を続けるぞ」
そう言って、気を取り直したように生徒達を見まわした。
ぼくは母と離れ、教室の中程にある自分の机まで歩いて席についた。可哀想に母は、他のお母さん達の冷たい視線を浴びながら、申し訳なさそうに列の端にくわわった。
ぼくが席につくのを待っていた町田先生が、授業を再開した。
当時の小学校の机は、木材だけでできた二人掛けの机だった。ごろんとして、重くて、掃除のときなど移動するのが大変な机だった。その机にぼくが一緒に座っているのは、権堂さんの息子だった。健ちゃんという子で特に仲が悪いわけでもなかったが、このときばかりは睨みつけてやりたい心境だった。
ともかくぼくはランドセルから筆記類を取り出し、教科書を開いた。今日、授業参観のために一時間だけおこなわれるのは、理科の授業だった。内容は人体の構造について・・・。ぼくの不安は、ますます大きくなっていった。
しばらくの間、町田先生は生徒達に質問したり、黒板に文字を書いたりしながら、教科書に沿って授業を続けていた。だが、途中で教科書を教卓の上に置くと、
「ところで君達、哺乳類と昆虫の構造の違いについてはわかったが、肝心な人間の、男と女の違いについてはわかるかな・・・」
突然そう言って生徒達を見回した。
「佐藤君、答えてごらん」
「ええと・・・男は強いけど、女は弱い・・・」
「そんなことじゃない。体の違いだ。村田君」
「うーん・・・男にはオチンチンがあるけど、女にはない」
「そう、それだ」
町田先生の目がギラッ、と光った。
「男にはオチンチンがついているが、女にはない。しかし、そこがどうなっているか、知っている男子はいるか?」
教室の中がシーンとなった。
「では、オチンチンがどのように変化するか、知っている女子はいるか?」
みんな、呆気にとられて町田先生を見上げている。町田先生はもう一度生徒達を見回した。何だか吸い込まれそうな目の色をしていた。
「では、女のあそこがどうなっているか、それと、実はオチンチンはおしっ こをするだけのものではないということを先生が教えてあげよう」
町田先生はニタッと笑った。誰も、何も言わなかった。
「吉川君のお母さん、前に出てきて下さい」
その言葉に、教室は少しざわめいた。振り返ると、母が目を見開き、呆然とした顔で町田先生を見つめていた。
最初、唐突に授業の内容が変わったことに戸惑っていた生徒達の顔には、好奇の色が浮かんでいた。しかも、後ろのお母さん達までが同じ表情を浮かべて「早く出て行きなさいよ」というように、母に冷たい視線を浴びせているのである。
「早く出てきなさい!」
「・・・・」
またも怒鳴りつけられた母は、諦めたように前に出てきた。
町田先生の横に立つと、先生は、母を上から下まで舐めるように見詰め回してから、
「今から吉川君のお母さんにあそこを見せてもらうから、みんなよく観察するように」
母の顔がさーっ、と青ざめ、教室には一瞬どよめきが起こった。
「町田先生、そんなこと、できるわけがありません・・・」
母は掠れた声で抗議したが、
「大事な終業式と授業参観に遅れてきて、何を言っているんですか。子供達の勉強のためです、黙って教材になりなさい」
母は、静まり返った教室の中で呆然と立ちつくし、助けを求めるようにお母さん達を見まわしたが、誰もなにも言ってくれなかった。それどころか、中には薄笑いを浮かべているお母さんまでいた。母は堪らずに俯いてしまった。
「それではまず、パンティを脱ぎなさい」
町田先生は、小刻みに体を震わせ始めた母に命令するように言った。
母は弾かれたように顔を上げ、不安と恐れの入り交じった表情でもう一度生徒達やお母さん達を見回した。しかし、結果は同じだった。誰一人止めようとする者はなかった。
ぼくと目が合うと、母は一瞬ヒクッと体を震わせた。ぼくも固唾を飲んで母を見つめていた。
とうとう母は、意を決したようにスカートをめくり上げ、パンティに両手をかけた。
もう、逃れようがないと諦めたのだろう。母はたぐり下ろすようにパンティを脱いでいった。
あちこちでため息が漏れている。母はスカート越しに太腿やすねを晒しながら、引き下ろしたパンティを足首から抜き取った。恥ずかしいことにそんな母の姿を、ぼくは他の子供達と一緒に見つめているしかなかった。
「それは私が持っていてあげましょう。さあ、スカートを上までまくって見せなさい」
容赦なく町田先生が命令した。
母はもう言いなりだった。驚いたことに町田先生は、パンティを受け取ると裏返し、母のあそこに当たっていた部分に鼻を押しつけたのだ。クンクンと匂いをかぎながら、母には顎をしゃくって見せ、早くスカートをまくるようにうながした。
母はスカートの裾を握って腰の上までまくり上げた。白くなめらかな下腹部と淡い陰毛が露出した瞬間、教室にはまたも声にならないどよめきが起こった。驚きと興奮で教室の温度が一気に上昇したかのようだった。
子ども達もお母さん達も、食い入るように母の下半身を見つめていた。母は恥ずかしさに震え、苦悶の表情で立ちつくしている。スカートの裾を握っている手がブルブルと震えていた。
しかし、そんな母がかわいそうで堪らないくせに、ぼくも皆と同じように見つめていた。見てはいけないと思い、目を閉じようとしたが、どうしても閉じることはできなかった。それというのも、母の下半身があまりにも魅惑的だったからだ。
きゅっ、とくびれたウエスト。そのウエストから急激に盛り上がっている腰のあたりは見るからにむちむちとして艶めかしかった。それにミルクを刷り込んだように白い肌と、黒々とした陰毛の対比には、見ている者を妙に恥ずかしくするくせに見ずにはいられない生々しさがあった。
しばらくの間、教室中の目が母の下半身に釘付けになっていたが、やがて町田先生の言葉に全員がはっ、としたように我にかえった。
「君達、ちょっと席を立ちなさい」
町田先生は一番前の席に座っている二人に言った。二人が席を立って机から離れると、町田先生はその机をズルズルと引きずって教壇の方に移動させた。
「みんな、前の方に出てきなさい。お母さん方は、そのまま後ろで見ているように」
それから、今度は母に向かって、
「さあ、この机の上に座りなさい」
と命令した。
ぞろぞろと集まった生徒達にまわりを取り囲まれ、母はうろたえている。
生徒達の顔は異様ににほころんでいた。全員が嫌らしい興味でいっぱいなのだ。
母は、机の上に乗るしかなかった。そうしなければいけない雰囲気が、教室中を包み込んでいた。
母は机の端に両手をかけ、よじ登るように机の上に上がった。二人掛けの頑丈な机は、母が乗ってもびくともしなかった。
「さあ、膝を立てて、子供達の方に向かって座りなさい」
机にしゃがみ込んだ母は真っ赤な顔でスカートをめくり上げながら両膝を立て、唇を振るわせながら両足をM字形に広げていった。
「さあ君達、よく観察してごらん」
男子も女子も興味津々の顔で顔を近づけていく。十数人の熱い視線が、束になって母のそこに突き刺さっているようだった。
母の股間で、陰毛に装飾された肉のひだがぱっくりと口を開けている。内側の赤黒い粘膜までが、ぬめぬめと輝きながら剥き出しになっていた。
生々しさが湯気のように立ち昇っている。どう見ても嫌らしい形と色だった。
「すげえ、毛が生えてる」
「おまえのもこんなのか」
「あたし、自分のなんか見たことないもん」
皆が、口々に驚きの声を漏らしている。
「女の子にはみんな、吉川君のお母さんと同じものがついているんだよ。後ろのお母さん方にもね」
町田先生の言葉に、皆いっせいに後ろを振り返った。ぼくはお母さん達が怒り出すかと思ったのだが、怒るどころか、皆、口元に卑猥な笑みさえ浮かべていた。
「ところで、この部分のことを何と呼ぶのか、君達は知っているかい」
「えーっ」
生徒達は一斉に恥ずかしそうな、そのくせ嬉しそうな表情になった。皆が思い浮かべたのは、きっと、村の男達が影でつかう卑猥な言葉に違いなかった。ぼくでもその言葉は知っている。でも、恥ずかしくてとても口に出せるような言葉ではなかった。
「吉川君のお母さん、あんたのそこを四文字で何と呼ぶかこの子達に教えてやりなさい」「よ、四文字・・・」
母の頬がさらに赤くなった。
「これも授業のうちです。言いなさい」
母はさらに眉根を寄せ、唇を震わせていた。
「さっ、言いなさい」
母は観念したように口を開いた。
「こ、これは・・・これは・・・」
しかし、恥ずかしくて、どうしてもその先は言えないようだ。
「何をぐずぐずしているんだ、早く言いなさい!」
またしても怒鳴りつけられ、母はビクッと体を震わせた。
「こ、これは・・・お、お・・・おま×こ・・・です・・・」
何度もつっかえながら、ついに母はその言葉を言ってしまった。それは、聞く側の羞恥心を掻きむしるような、何とも妖しい声だった。
「正ちゃんのお母さん、あんな恥ずかしい言葉を言ったよ」
「い、いやらしいー」
口々に言いながら、皆、嬉しそうな顔をしている。
「まあ、子供の前であんなことを言うなんて」
「恥知らずな」
「少しおかしいんじゃないの、変態だわ」
後ろのお母さん達が、ひそひそと話している。ぼくは無性に腹が立った。自分達だって面白がって聞いていたくせに、母を変態扱いしたことが許せなかった。しかし町田先生は、
「もう一度、つっかえずに言いなさい」
と、さらに同じ言葉を言わせようとするのだった。ほっ、としかけた母の顔がまたもきゅーっ、と歪み上がった。二度、三度と深呼吸した母が、堪らない表情で口を開けた。
「・・・おま×こ・・・」
何度聞いても羞恥心を掻きむしられる。母の体から、嫌らしさと艶めかしさがない交ぜになって立ち昇ってくるようだった。
「お母さん、あんたの息子の正一は、どこから産まれたんだね」
「・・・・しょ、正一は・・・お母さんの・・・おま×こから産まれました・・・」
「どんなふうに」
「おま×こから・・・絞り出されるように・・・」
言い終えたとき、母はそのまま失神してしまいそうなほどの悶えぶりだったが、ぼくにとっても最後の言葉はショックだった。なぜならぼくは、いままで自分は、母のお腹が割れて産まれたと信じていたからだ。あんな赤くてうねうねしたところから絞り出されてきたなんて、とても信じられなかった。
「それでは、正一の絞り出された穴を広げて見せてみなさい」
母は震える両手を股間に持っていった。そして、ぱっくりと開いている肉ひだを、自分の指でさらに広げていった。すると内部の皺が左右に引かれて伸び上がり、中心部がメリッと裂けるように穴が開いた。
「よく見てごらん、君達はみんなこの穴から産まれて来たんだよ」
町田先生の説明に、誰かが不思議そうな声を上げた。
「でも先生、こんな小さい穴から出られるんですか」
「だから正一のお母さんは、絞り出されて・・・て、言っていたろう。産まれるときはこの穴が大きく広がるんだよ」
「ふーん」
「さあ皆、誰からでもいいから順番に指を入れて確かめてごらん」
もう、ぼくの心臓は凍りつきそうだった。
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