小説(転載) 天狗村奇談 教室のお稲荷さん その3
近親相姦小説
掲載サイト「母と少年 禁断の部屋」は消滅。
終業式の長い一日は、それで終わりではなかった。
帰り道、ぼくと母が雑木林を横切っているときだった。木の陰に隠れていた者が数人、バラバラと飛び出してきて手を広げ、ゆくてを遮ったのだ。ぼくのクラスの男子が五人。あの健ちゃんもいた。そして、なぜか健ちゃんのお兄さんもいた。
お兄さんは尋常高等学校の一年生だが、乱暴者で評判がよくなかった。しかし権堂さんの息子なので、村人の中で表だって注意できる大人はいなかった。おそらく勉強が嫌いなお兄さんは、学校を早引けしてこのあたりをブラブラしていたのだろう。たまたま出会った弟に話しを聞いて、一緒に隠れていたのに違いない。
全員が、嫌らしい笑いを浮かべて母を見ている。
母は怯えて後ずさった。ぼくも怖くて足が震えてしまった。
「兄ちゃん、この人だよ、何でもさせてくれるおばさんて」
健ちゃんが得意げに母を指さすと、お兄さんは陰険な顔を下品にほころばせた。
「あのさ、おばさん、俺、女がおしっこするところを見たいんだ。見せてくれるだろう」
そして、一転して凄んだ顔になり、お兄さんは母の腕を掴んだ。
「あっ、何を・・・」
「いいから来いよ」
お兄さんは、母を引きずるようにして雑木林の中に入っていった。健ちゃん達も嬉しそうについていく。ぼくも後を追うしかなかった。
雑木林には小道が通っていて、行き止まりには古い社が建っている。何でも江戸時代からのものがそのまま残っているそうで、赤い格子戸の奥には二体のお稲荷さんが奉ってあった。
木彫りの、まるで生きているようにちょこんと鎮座している狐の像は、表面の漆もところどころ剥げかかって、奉られてからの長い年月を静かに物語っていた。そして、ここは、ときおり村の老人達が連れ立ってお参りにくるくらいで、普段はめったに人のくるところではなかった。少し不気味で、寂しいところなのだ。
お兄さん達は、母を社のところまで連れていった。
「さあ、おばさん、おしっこして見せてくれよ」
「い、いやよ、そんなこと・・・」
みんなに取り囲まれた母が震えた声で拒否すると、お兄さんはニヤッ、と笑ってからぼくの方を見た。
「ふうん、じゃあ正一がどうなってもいいのかい?」
「なんですって!」
母は目を見開き、お兄さんとぼくを交互に見つめた。健ちゃん達が今度はぼくを取り巻いてきた。
「兄ちゃん、殴っちゃっていいの?」
指をポキポキ鳴らしながら健ちゃんが言った。
「ああ、半殺しにしてやんな」
ぼくは後ずさった。恐怖がこみ上げ、恥ずかしいことに足が震えている。と、
「やめて、正一に手を出さないで・・・」
母が声を上げた。ハッとして母を見ると、母は諦めたように言った。
「・・・わ、わかったわ、して見せるから正一に乱暴はしないで・・・」
その、母の苦渋の滲んだ声を聞きながら、ぼくは、非力な自分がくやしくて堪らなかった。もっと大きかったら、もっと強かったら、お兄さん達をやっつけることができただろうに・・・。
「ああ。見せてくれれば正一になんか手を出さないよ」
お兄さんはそう言ってニヤリと笑った。
「じゃあ、さっそくおしっこをして見せてよ、おばさん」
「・・・わ、わかったわ・・・そ、その前に正一・・・お母さんは大丈夫だから向こうに行っていてちょうだい」
と、母は悲痛な目をぼくに向けた。しかしお兄さんは、顔は笑っているのに凄みのある目で母を睨み、
「いいじゃねえか、正一にも見せてやろうぜ」
母は、諦めたように小さな喘ぎ声を漏らした。
「さあ、早く見せてくれよ」
お兄さんにせかされた母は一瞬困ったようにぼくを見たが、すぐにキュッと唇を噛むとスカートの中に両手を差し込み、スルスルとパンティを引き下ろしていった。
白いパンティを両足から引き抜くと、少し震え出した手でスカートを腰の上までまくり上げ、母はその場にゆっくりとしゃがみ込んでいった。
母の白いお尻が丸みを強調するようにぐっ、と突き出され、健ちゃん達がおおーっ、と歓声を上げた。母は真っ赤になって悶えている。
お兄さんを真ん中にして全員が母の正面に屈み込んだ。ぼくも健ちゃんに腕を捕まれ、一番後ろに屈ませられた。
母の黒い陰毛ごしに、ぱっくりと割れた肉のひだが晒け出ていた。しかも内部の真っ赤な粘膜は町田先生の精子でヌルヌルしていた。
「うう・・・」
と、母の喉から羞恥の呻き声が漏れた。
「すっ、すげえなおま×こってこうなっているのか・・・」
吸い寄せられるようにお兄さんは手を伸ばした。ぱっくり割れた肉ひだにお兄さんの人差し指が差し込まれた。
「くう・・・」
母は呻き上げ、太股の付け根をキュー、と硬直させた。
「うひっ、なんかいい感じだぜ」
と嬉しそうに言いながら、お兄さんは何度も指を出し入れしていたが、しばらくして引き抜き、
「ようし、おしっこしてみろよ、さあっ」
と、母に迫った。
「は、はい・・・」
母はすーっ、と目を細めた。よほど恥ずかしいらしくますます顔が赤らんでいる。
「ど、どこからでるのかな」
「しっ、黙ってろ」
皆が目を皿のように見開いている。
くやしいことにぼくも同じだった。母を助けられない自分が情けなくて堪らないくせに、誰かが呟いたようにいったいどこからおしっこが出てくるのか、どんなふうに噴き出してくるのか、好奇心が興奮さえともなって込み上げてきたのだ。
息を飲んで見つめていると、肉穴の少し上の小さなすぼまりがピチッ、と開いた。開いたかと思うと、シャー、と音をたてて透明な液体が噴き出し始めた。
「おおっ」
と皆が歓声の声を上げていた。
「あああ・・・」
母は首を振りながらあえぎ声を上げている。
シャー、シャー・・・・
と、せまい尿道口がめいっぱい開ききり、膀胱いっぱいに溜まっていたらしいおしっこが、何とも恥ずかしい大きな音をたてながら、あとからあとから飛沫をあげて噴き出してくる。その音がよほど恥ずかしいらしく、母は首筋まで真っ赤に染めていた。
「すげえ!」
「女って、すげえ音をたてておしっこするんだな!」
お兄さんや健ちゃん達が、興奮に満ちた嬉しそうな声で声を上げている。
母は悲鳴を上げそうな顔で悶え続けている。
しかし、健ちゃん達同様にぼくも目を離せなかった。
(お母さん、ごめんなさい・・・)
心で謝りながらも、ぼくも見続けた。そしてぼくは、母がこんなすさまじい音をたてておしっこをすることに少し衝撃を受けた。この大袈裟な音と大量に噴き出すおしっこの量が、清楚な母のイメージとはあまりにも不釣り合いだったからだ。
いったん噴き出し始めたおしっこは、なかなか終わらなかった。汗に濡れた額に苦悶のたて皺を刻み、唇をワナワナと震わせながら恥ずかしさに耐え続ける母。ぼくは、そんな母の姿を興奮と罪悪感とともに見続けた。
やがて、やっとのことで大袈裟な音がやんだ。
母はほーっ、と安堵のため息をもらし太腿の付け根をブルッ、と震わせた。地面に溜まったおしっこからは湯気が立ち登っている。母の股間はぐしょぐしょに濡れそぼり、白い内腿にも、しずくがしたたっていた。
「いやあ、すごかったなあ」
「こんなに出るなんて、ぼく驚いちゃった」
「本当だよな」
などと口々に言いながら、お兄さん達はなおも見続けている。と、そのときぼくは、何かの気配を感じて空を見上げ、あっ、と叫びそうになった。交番で見た白い球体が一つ、小学校の方からこっちに向かって飛んでくるのが見えたのだ。
すごいスピードだった。しかし、お兄さん達は母の股間に夢中でまったく気がつかない。
球体はぼく達の頭上までくるといったん空高く昇っていき、今度は青空を引き裂くような威勢で落ちてきた。
(ああっ、ぶつかる・・・)
ぼくは思わず飛び跳ねそうになった。しかし、球体が目指していたのはぼくではなく社だった。球体は、途中でふわりとスピードを緩めてから壁を突き抜け、社の中に消えていった。一瞬、社の中がぱっ、と青白く光ったように見えた。
(遅かったじゃないか。やりすぎてボロを出さなかったろうな)
あの奇妙な声が、またも頭の中で聞こえてきた。
(ああ、そんなヘマはしねえよ。しかしいい女だった。久しぶりに人間の女を堪能したぜ)
(そのうちまた、出かけようじゃないか・・・ふ、ふふっ・・・)
(ああ、今度はどの女にしようかな、うふっ、ふふ・・・)
それっきりその声は聞こえなくなり、代わりに聞こえてきたお兄さん達の声でぼくは我に返った。
「おばさん、ありがとうよ。さあっ、いくぜ」
「うんっ」
お兄さん達は走り去って行った。
後に残された母が、立ち上がってパンティを引き上げている。母の顔はいまだに真っ赤に染まっていて、いまにも泣き出しそうな目をしていた。
「お母さん・・・ぼく、誰にも言わないから・・・」
ぼくが喉を詰まらせながら、やっとのことで母に声をかけると、母はこくり、とうなずいた。でも、何とも気まずい空気がぼくと母の間に流れている。
母と歩き始めたぼくは、ふと後ろを振り返った。
すると、社の格子戸越しに、二体の狐がぼくに向かってにやっ、と笑ったように見えた。
ぼくは慌てて前に向き直り、もう二度と振り返るまいと思った。
雑木林が、かすかに風に揺れている。
頭上には、どこまでも青い空が広がっていた。
終業式の長い一日は、それで終わりではなかった。
帰り道、ぼくと母が雑木林を横切っているときだった。木の陰に隠れていた者が数人、バラバラと飛び出してきて手を広げ、ゆくてを遮ったのだ。ぼくのクラスの男子が五人。あの健ちゃんもいた。そして、なぜか健ちゃんのお兄さんもいた。
お兄さんは尋常高等学校の一年生だが、乱暴者で評判がよくなかった。しかし権堂さんの息子なので、村人の中で表だって注意できる大人はいなかった。おそらく勉強が嫌いなお兄さんは、学校を早引けしてこのあたりをブラブラしていたのだろう。たまたま出会った弟に話しを聞いて、一緒に隠れていたのに違いない。
全員が、嫌らしい笑いを浮かべて母を見ている。
母は怯えて後ずさった。ぼくも怖くて足が震えてしまった。
「兄ちゃん、この人だよ、何でもさせてくれるおばさんて」
健ちゃんが得意げに母を指さすと、お兄さんは陰険な顔を下品にほころばせた。
「あのさ、おばさん、俺、女がおしっこするところを見たいんだ。見せてくれるだろう」
そして、一転して凄んだ顔になり、お兄さんは母の腕を掴んだ。
「あっ、何を・・・」
「いいから来いよ」
お兄さんは、母を引きずるようにして雑木林の中に入っていった。健ちゃん達も嬉しそうについていく。ぼくも後を追うしかなかった。
雑木林には小道が通っていて、行き止まりには古い社が建っている。何でも江戸時代からのものがそのまま残っているそうで、赤い格子戸の奥には二体のお稲荷さんが奉ってあった。
木彫りの、まるで生きているようにちょこんと鎮座している狐の像は、表面の漆もところどころ剥げかかって、奉られてからの長い年月を静かに物語っていた。そして、ここは、ときおり村の老人達が連れ立ってお参りにくるくらいで、普段はめったに人のくるところではなかった。少し不気味で、寂しいところなのだ。
お兄さん達は、母を社のところまで連れていった。
「さあ、おばさん、おしっこして見せてくれよ」
「い、いやよ、そんなこと・・・」
みんなに取り囲まれた母が震えた声で拒否すると、お兄さんはニヤッ、と笑ってからぼくの方を見た。
「ふうん、じゃあ正一がどうなってもいいのかい?」
「なんですって!」
母は目を見開き、お兄さんとぼくを交互に見つめた。健ちゃん達が今度はぼくを取り巻いてきた。
「兄ちゃん、殴っちゃっていいの?」
指をポキポキ鳴らしながら健ちゃんが言った。
「ああ、半殺しにしてやんな」
ぼくは後ずさった。恐怖がこみ上げ、恥ずかしいことに足が震えている。と、
「やめて、正一に手を出さないで・・・」
母が声を上げた。ハッとして母を見ると、母は諦めたように言った。
「・・・わ、わかったわ、して見せるから正一に乱暴はしないで・・・」
その、母の苦渋の滲んだ声を聞きながら、ぼくは、非力な自分がくやしくて堪らなかった。もっと大きかったら、もっと強かったら、お兄さん達をやっつけることができただろうに・・・。
「ああ。見せてくれれば正一になんか手を出さないよ」
お兄さんはそう言ってニヤリと笑った。
「じゃあ、さっそくおしっこをして見せてよ、おばさん」
「・・・わ、わかったわ・・・そ、その前に正一・・・お母さんは大丈夫だから向こうに行っていてちょうだい」
と、母は悲痛な目をぼくに向けた。しかしお兄さんは、顔は笑っているのに凄みのある目で母を睨み、
「いいじゃねえか、正一にも見せてやろうぜ」
母は、諦めたように小さな喘ぎ声を漏らした。
「さあ、早く見せてくれよ」
お兄さんにせかされた母は一瞬困ったようにぼくを見たが、すぐにキュッと唇を噛むとスカートの中に両手を差し込み、スルスルとパンティを引き下ろしていった。
白いパンティを両足から引き抜くと、少し震え出した手でスカートを腰の上までまくり上げ、母はその場にゆっくりとしゃがみ込んでいった。
母の白いお尻が丸みを強調するようにぐっ、と突き出され、健ちゃん達がおおーっ、と歓声を上げた。母は真っ赤になって悶えている。
お兄さんを真ん中にして全員が母の正面に屈み込んだ。ぼくも健ちゃんに腕を捕まれ、一番後ろに屈ませられた。
母の黒い陰毛ごしに、ぱっくりと割れた肉のひだが晒け出ていた。しかも内部の真っ赤な粘膜は町田先生の精子でヌルヌルしていた。
「うう・・・」
と、母の喉から羞恥の呻き声が漏れた。
「すっ、すげえなおま×こってこうなっているのか・・・」
吸い寄せられるようにお兄さんは手を伸ばした。ぱっくり割れた肉ひだにお兄さんの人差し指が差し込まれた。
「くう・・・」
母は呻き上げ、太股の付け根をキュー、と硬直させた。
「うひっ、なんかいい感じだぜ」
と嬉しそうに言いながら、お兄さんは何度も指を出し入れしていたが、しばらくして引き抜き、
「ようし、おしっこしてみろよ、さあっ」
と、母に迫った。
「は、はい・・・」
母はすーっ、と目を細めた。よほど恥ずかしいらしくますます顔が赤らんでいる。
「ど、どこからでるのかな」
「しっ、黙ってろ」
皆が目を皿のように見開いている。
くやしいことにぼくも同じだった。母を助けられない自分が情けなくて堪らないくせに、誰かが呟いたようにいったいどこからおしっこが出てくるのか、どんなふうに噴き出してくるのか、好奇心が興奮さえともなって込み上げてきたのだ。
息を飲んで見つめていると、肉穴の少し上の小さなすぼまりがピチッ、と開いた。開いたかと思うと、シャー、と音をたてて透明な液体が噴き出し始めた。
「おおっ」
と皆が歓声の声を上げていた。
「あああ・・・」
母は首を振りながらあえぎ声を上げている。
シャー、シャー・・・・
と、せまい尿道口がめいっぱい開ききり、膀胱いっぱいに溜まっていたらしいおしっこが、何とも恥ずかしい大きな音をたてながら、あとからあとから飛沫をあげて噴き出してくる。その音がよほど恥ずかしいらしく、母は首筋まで真っ赤に染めていた。
「すげえ!」
「女って、すげえ音をたてておしっこするんだな!」
お兄さんや健ちゃん達が、興奮に満ちた嬉しそうな声で声を上げている。
母は悲鳴を上げそうな顔で悶え続けている。
しかし、健ちゃん達同様にぼくも目を離せなかった。
(お母さん、ごめんなさい・・・)
心で謝りながらも、ぼくも見続けた。そしてぼくは、母がこんなすさまじい音をたてておしっこをすることに少し衝撃を受けた。この大袈裟な音と大量に噴き出すおしっこの量が、清楚な母のイメージとはあまりにも不釣り合いだったからだ。
いったん噴き出し始めたおしっこは、なかなか終わらなかった。汗に濡れた額に苦悶のたて皺を刻み、唇をワナワナと震わせながら恥ずかしさに耐え続ける母。ぼくは、そんな母の姿を興奮と罪悪感とともに見続けた。
やがて、やっとのことで大袈裟な音がやんだ。
母はほーっ、と安堵のため息をもらし太腿の付け根をブルッ、と震わせた。地面に溜まったおしっこからは湯気が立ち登っている。母の股間はぐしょぐしょに濡れそぼり、白い内腿にも、しずくがしたたっていた。
「いやあ、すごかったなあ」
「こんなに出るなんて、ぼく驚いちゃった」
「本当だよな」
などと口々に言いながら、お兄さん達はなおも見続けている。と、そのときぼくは、何かの気配を感じて空を見上げ、あっ、と叫びそうになった。交番で見た白い球体が一つ、小学校の方からこっちに向かって飛んでくるのが見えたのだ。
すごいスピードだった。しかし、お兄さん達は母の股間に夢中でまったく気がつかない。
球体はぼく達の頭上までくるといったん空高く昇っていき、今度は青空を引き裂くような威勢で落ちてきた。
(ああっ、ぶつかる・・・)
ぼくは思わず飛び跳ねそうになった。しかし、球体が目指していたのはぼくではなく社だった。球体は、途中でふわりとスピードを緩めてから壁を突き抜け、社の中に消えていった。一瞬、社の中がぱっ、と青白く光ったように見えた。
(遅かったじゃないか。やりすぎてボロを出さなかったろうな)
あの奇妙な声が、またも頭の中で聞こえてきた。
(ああ、そんなヘマはしねえよ。しかしいい女だった。久しぶりに人間の女を堪能したぜ)
(そのうちまた、出かけようじゃないか・・・ふ、ふふっ・・・)
(ああ、今度はどの女にしようかな、うふっ、ふふ・・・)
それっきりその声は聞こえなくなり、代わりに聞こえてきたお兄さん達の声でぼくは我に返った。
「おばさん、ありがとうよ。さあっ、いくぜ」
「うんっ」
お兄さん達は走り去って行った。
後に残された母が、立ち上がってパンティを引き上げている。母の顔はいまだに真っ赤に染まっていて、いまにも泣き出しそうな目をしていた。
「お母さん・・・ぼく、誰にも言わないから・・・」
ぼくが喉を詰まらせながら、やっとのことで母に声をかけると、母はこくり、とうなずいた。でも、何とも気まずい空気がぼくと母の間に流れている。
母と歩き始めたぼくは、ふと後ろを振り返った。
すると、社の格子戸越しに、二体の狐がぼくに向かってにやっ、と笑ったように見えた。
ぼくは慌てて前に向き直り、もう二度と振り返るまいと思った。
雑木林が、かすかに風に揺れている。
頭上には、どこまでも青い空が広がっていた。
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