小説(転載) L÷7=母1
近親相姦小説掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。読み返してみてもタイトルの意味がわからない。
あの日確かに母は僕の布団に入り込み、僕の背中で
「黙ってお母さんを抱いて・・・」
とつぶやいた。 僕の背中にしがみつく母に僕は凍りついたままだった。 今思うと母は泣いていたのかもしれない。 ただ、僕は長い沈黙の中で母の乳房の柔らかさを背中で感じ続けていた。 両親の寝室では父も寝ているはずである。
「父となにかあったのだろうか?」
「母にからかわれているのだろうか?」
様々な思いが頭をよぎった。 いずれにしても息子の体を求めてくることは尋常なできごとではない。 しかし、僕の凍りついた心は母の温もりで溶け始めていた。 母はそのことに気がついていたのだろうか?
母はよく
「家政婦のまま一生を終えたくない。」
と言っていた。 僕には母の言う「家政婦」という言葉がよくわからなかった。 家で料理を作るのも、洗濯をするのも、掃除をするのも母の仕事である。 僕は漠然とそれが当然だと思っていた。 家事を面倒だと言うような母ではない。 母にとっては「家政婦」=「家事をする人」ではないのだろうか? それなら母は「家政婦」のどこに不満を感じていたのだろうか? 堅実な人生を歩んできた母だと思っていたのは僕の勘違いなのだろうか? 僕は人生に不満を感じる母の気持ちがわからない。
母は僕の耳元に舌を這わせると
「男の汗の匂いって興奮する。」
とささやいた。 その言葉は僕の鼓膜に優しく触れると、脳の中を激しく刺激した。 僕は女の汗の匂いなんかで興奮したりしない。 むしろシャンプーの残り香や香水のような甘い香りに興奮を覚える。 僕は母の髪に手を伸ばすと香りを確かめた。 やはり僕が興奮する香りはこの香りだと思った。
「僕はお母さんの髪の匂いに興奮するよ。」
思わず母の誘いを受け入れるきっかけを作ってしまった。 決して母の体を奪うつもりではなかったが、母のペースに乗せられてしまっていた。 僕はその危険な香りに背筋が凍りつく思いだった。 そのときは母はどんな気持ちで僕にすがりついていたのだろうか?
母がかき氷を食べるとき、
「このっ、このっ。」
とつぶやきながら、スプーンをザクザクと氷に突き刺しては溶かしながら食べていた。 夏の暑さにイライラしているのか、氷のトゲに反抗しているのか、僕は不思議な気持ちで母を見つめていた。 そして溶けた氷とともに角のとれた氷を口に運ぶ母のしぐさに安堵感を覚えた。 僕は氷が口の中で溶ける感触が好きだった。 母のような食べ方をしたことはない。 小さな頃、1度だけ母のマネをしたことはあるが、それ以来したことがない。 ザクザクと音が聞こえてくるほど激しくスプーンを氷に突き刺す母の気持ちはわからない。
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