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小説(転載) 熱帯夜の同窓会

官能小説
04 /12 2015
中学のクラス会に参加したのは、その夜が初めてだった。
 それでも十年ぶりに会う顔のほとんどをひと目で見分けることができた。

「真理子、ずいぶん久しぶりねえ」
「チヨちゃん?」
「そう、当ったりー」
「変わってないもん、すぐわかったわ」
「そういう真理子だって、全然変わってない」

 女子も男子もそれぞれ十人ぐらいきている。クラスの半分がそろったことに
なる。
 残念なことに今日は担任だった先生が急用で来られなくなったらしい。
 私は初めて参加したけれど、今日きているみんなは年に一度はこうして集ま
っている。
 みんな地元で就職して結婚した人たちばかりだ。
 私だって例外ではないのだけど……。

「真理ちゃん、久しぶりだね」
「えっ……?」

 背が高くて体格のいい男性に声をかけられた。
 相手は私のことをわかっているみたいなのに、私のほうはいくら考えてもそ
れが誰なのかわからない。

「俺、そんなに変わったかなあ」

 日焼けした顔に白い歯を見せて、照れたように微笑んだ顔はとても魅力的だ
けど、やっぱり誰なのかわからなかった。

「俺、二ノ宮なんだけど、ほんとにわかんないの?」
「ええ!? ウソでしょう」

 二ノ宮君っていったらクラスで一番小さくて、目がクリッとしてかわいい顔
をしていて、クラスの女子にペットのようにかわいがられてた男の子のはず。
 それなのに目の前に立っているのは、私よりずっと背が高くて筋肉質のがっ
ちりした体格の男性だ。
 気がつくと私は、じーっと二ノ宮君の顔をみつめていた。

 二次会のカラオケが終わって、みんなで駅に向かって歩いているときに、私
と二ノ宮君は誰にも見つからないように二人だけでその場を離れた。

「学校、行ってみようよ」
「ええっ? こんな夜中に行っても中に入れないでしょう」
「大丈夫、秘密の入口があるんだ」

 子供に戻ったように、はしゃぎながら手をつないで歩いた。
 私はわりと真面目な生徒だったから、壊れかけたフェンスの隙間から校庭に
忍び込むなんてこと、昔だって今だって本当ならしないはずなのに。
 今夜の私は普通じゃない。
 その理由は、いつも締めつけられているタガが外れているから。

 地元に住んでいるのにクラス会に一度も出たことがなかったのは、夫がひど
いヤキモチ妬きのせいだった。
 その夫は、ひと月前から海外勤務をしている。
 私たち夫婦には子供がいないから、一緒に行くのが当然だと思われていたけ
れど、私は体調が悪いというのを理由に夫について行くのをこばんだ。

「こっち、こっち、ほら、真理ちゃんもおいでよ」
「ここって、プールじゃないの」
「そうだよ、泳ごうぜ」
「冗談でしょう?」

 プールサイドに服を脱ぎ捨てて、二ノ宮君がプールに飛び込んだ。
 水しぶきが、顔にかかる。
 真夏の熱帯夜に、プールの水はほどよく冷たかった。
 見事なクロールで二十五メートルを泳ぎきった彼が、私に向かって手を振る。
 私は、自分を縛りつけているすべてのものを脱ぎ捨てて、彼に向かって力一
杯泳いでいった。

 水の中で抱きしめられて、まだ息の整わない口にキスをされる。
 ゆらゆらと揺れるプールの水に、身体が漂い出てしまいそうになるのを、彼
の逞しい身体に引き留められる。
 水の上で重なった唇と、水の下で重なりあったふたりの裸の身体がしだいに
熱を持ちはじめるのを意識する。

 今夜の私はいつもと違う。
 だけど、これが本当の私なのかもしれない。

 プールサイドのコンクリートの上には、とてもじゃないけど横になる気にな
れない。
 裸のまま手をつないだ私たちは、母校の中庭で芝生の上に横たわった。

「真理ちゃん……」
「ねえ、二ノ宮君、今更くだらないことは言わないでよね」
「くだらないことって、どんなことだよ」
「たとえば、昔から私のことを好きだったとか」
「そのとおりだって言ったらどうする?」
「やめてよ、そんなことを言うんだったら、もう帰るから」

 二ノ宮君は、それ以上なにも言わなかった。
 それは、私が彼の口を、自分の唇で塞いだせいかもしれないけど。

「あぁ……っ……」

 互いに横を向いて抱き合うと、彼の大きくて硬いものがちょうど私の繁みに
あたる。
 くすぐったいような感触が気持ちよくて、私の繁みがしっとり濡れてくる。
 私の唇を舐めていた彼の舌が口の中に入ってくると、待ちきれなくて舌を絡
めてしまう。
 トロリとした粘液が溢れ出した場所は、彼のものを求めていた。

 私が仰向けになり、彼が私の身体に乗ってくる。
 逞しい筋肉の重みが、とても気持ちいい。
 早く、挿入ってきて……。

「真理ちゃんの胸、きれいだ」
 
 お椀型の胸は、不思議と仰向けに寝ても形を保っている。
 その、てっぺんで、ツンと尖った乳首を口に含まれる。

「二ノ宮くん……あっ……んんっ……」

 舌先でころがされて、指の腹で擦られて、充血した乳首を強く吸われる。
 もう、アソコに欲しいのに。

「やっ……もう……ほしい……」
「真理ちゃん?」
「おねがいだから、二ノ宮くんのを、早く、ちょうだい」
「これが、欲しいの?」

 彼が自分の勃起したペニスに手を添えて、私に見せつける。
 焦らさないで、お願いだから。もう、我慢できないわ。
 私は自分で脚を大きく広げて、彼を誘った。

「しょうがないなあ、真理ちゃんは、もう待てないみたいだね」

 余裕のある二ノ宮君をちょっとだけ憎らしく思う。
 暗い真夜中の校庭で月の明かりに照らされた二ノ宮君の顔は、男らしくてゾ
クゾクするほど魅力的に見えた。
 そんな二ノ宮君の、もっとも男らしい部分が私の中に挿入ってくる。
 大きくて硬くて、月の光を浴びて黒光りしているそれが、私のグズグズに濡
れそぼったアソコに吸い込まれていく。
 初めての大きさに知らないうちに身体を引いていた私は、二ノ宮君に腰を押
さえつけられて一気に奥まで挿入される。
 
「ああぁっ……あぁっ……」

 さっきまであんなに焦らしていたのがウソのように、二ノ宮君は強引に挿入
ってきた。
 そして、いきなり激しく抽送を繰り返す。

「あっ……あっ……あっ……」
「まりこ……」

 経験したことのない、ものすごい圧迫感だった。
 それでも、私も充分に感じて濡れているから、だんだん気持ちよくなってく
る。
 どんどん上へ上へと昇りつめていくのがわかる。
 いつもなら、このへんで果ててしまうはずなのに。まるで行き止まりがなく
なってしまったみたいに、どこまででも昇っていけそうだった。

 力強く打ちつけられるたびに、ふたりの陰毛が擦れあった。
 クリトリスにも刺激を受け、同時に最奥にペニスの先端があたり、袋が肌を
打った。
 こんなの初めて。もう、どうにかなってしまいそう。

「あっ……いっ……いい……」
「俺も……すごく、いいよ」

 どこまでも昇っていきそうだった感覚が変化して終わりを迎えそうになる。
 なにもわからなくなって、気を失いそうだった。
 膣が激しく収縮するのを感じる。
 中にいる二ノ宮君をギュウっと締めつけている。

「あっ……もっ……ああっ……っああぁあーーっ!!」
「ま、まり、こーっ!」

 自分の声とは思えないような絶叫を発しながらエクスタシーに達した。
 二ノ宮君の熱い迸りが私の奥に、たっぶり注がれる。
 私たちは、互いの身体に腕を回してしっかり抱きあった。

 こうして初めての、熱帯夜の同窓会は終わりを告げた。


- 完 -

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。