小説(転載) 天狗村肉盛りパーティ 1/7
官能小説
この作品の掲載サイトは消滅、現在FC2ブログに管理人からの委託という形でアップされているが、オリジナルの7章で転載しておく。挿絵も紹介しておきたい作品だ。
その1
あれは夏の終わりが近い、村をあげて祭りの用意をしている時だったと思います。あの時ぼくは、小学二年生でした。
秋に近いといっても、夏の暑さはいっこうに衰えてくれません。あの楽しい夏休みが終わって二学期が始まっても、ぼくは心を、山や野や小川のせせらぎの中に置いてきたままでした。
学校から家へ帰るあぜ道を歩いていると、高台にある神社の境内から祭囃子の太鼓の練習する音が、のんびりしたテンポでドンドコ聞こえてきます。ぼくはそ の音を聞きながら毎日野原を駆けまわり、原っぱの中に身を横たえ、ムッとするほどの草いきれの匂いをかぎながら、目に染みるような青い空やモクモクと沸き 上がる雄大な入道雲をジッと見つめたりしてすごしていたのです。
ずっと耳を澄ましていると草や木がかすかにざわめいてぼくに語りかけ、風がやさしく頬を撫でてくれました。はるか遠くの頭上で、かすかにジェット機の音がすることもありました。
暖かい空気に優しく包まれ、自然の幽玄さみたいなものを感じながらぼくはよくウトウトとまどろみ、陽が沈んでから慌てて真っ暗な夜道を家に向かって駆けていくという事もたびたびありました。
そんな時は黒々とした林の中から、何かとんでもない妖怪が飛び出してきてぼくを脅かすような気がして、怖くなって家の明かりが見えると必ずぼくは泣き出 したものです。そうすると、決まって家の前で母が待っていてくれ、泣きながら走ってくるぼくを優しく迎えてくれるのです。
ぼくは夢中で母にしがみつき、泣きながら遅くなってごめんなさい、と謝ったものです。でも母はにこにこしながら、はいはい、今度は暗くなる前に帰ってくるのよ、わかったわね、と優しくぼくを抱きしめてくれました。
今から思えば、いつまでたっても帰ってこないぼくを母はうんと叱ってやろうと思っていたのでしょう。でも、ぼくの泣き顔を見るとつい怒れなくなってしまったようです。
ぼくは母の胸にしがみついて激しく泣きました。でも、やわらかくてふくよかな母に抱かれ、甘い香りに包まれていると、さっきまでの夜道を駆けていた心細さや寂しさは消えて、何だか心地よい陶酔感のようなものを味わうのです。
ぼくは母の乳房に服の上から顔を押しつけます。ふっくらとして弾力のある乳房が、ぼくの頬に熱く感じられます。
「まあ信ちゃん、どうしたの? 甘えちゃって」
と母は笑いますが、やさしくぼくの顔を撫でてくれました。
その時のぼくは本当に幸せでした。
赤ちゃんの時、ぼくは母の胸に抱かれ、やすらかに眠ることができました。母の乳房にも、自由に触ったり吸ったりできたのです。
でも大きくなると、それは自然にできなくなりました。
ぼくはそれが寂しかったのです。
遠い夜空には、数えきれないほどの大粒の星々がキラキラと輝いていました。
その時、母は32歳。成熟して脂の乗り切っている時でした。
その1
あれは夏の終わりが近い、村をあげて祭りの用意をしている時だったと思います。あの時ぼくは、小学二年生でした。
秋に近いといっても、夏の暑さはいっこうに衰えてくれません。あの楽しい夏休みが終わって二学期が始まっても、ぼくは心を、山や野や小川のせせらぎの中に置いてきたままでした。
学校から家へ帰るあぜ道を歩いていると、高台にある神社の境内から祭囃子の太鼓の練習する音が、のんびりしたテンポでドンドコ聞こえてきます。ぼくはそ の音を聞きながら毎日野原を駆けまわり、原っぱの中に身を横たえ、ムッとするほどの草いきれの匂いをかぎながら、目に染みるような青い空やモクモクと沸き 上がる雄大な入道雲をジッと見つめたりしてすごしていたのです。
ずっと耳を澄ましていると草や木がかすかにざわめいてぼくに語りかけ、風がやさしく頬を撫でてくれました。はるか遠くの頭上で、かすかにジェット機の音がすることもありました。
暖かい空気に優しく包まれ、自然の幽玄さみたいなものを感じながらぼくはよくウトウトとまどろみ、陽が沈んでから慌てて真っ暗な夜道を家に向かって駆けていくという事もたびたびありました。
そんな時は黒々とした林の中から、何かとんでもない妖怪が飛び出してきてぼくを脅かすような気がして、怖くなって家の明かりが見えると必ずぼくは泣き出 したものです。そうすると、決まって家の前で母が待っていてくれ、泣きながら走ってくるぼくを優しく迎えてくれるのです。
ぼくは夢中で母にしがみつき、泣きながら遅くなってごめんなさい、と謝ったものです。でも母はにこにこしながら、はいはい、今度は暗くなる前に帰ってくるのよ、わかったわね、と優しくぼくを抱きしめてくれました。
今から思えば、いつまでたっても帰ってこないぼくを母はうんと叱ってやろうと思っていたのでしょう。でも、ぼくの泣き顔を見るとつい怒れなくなってしまったようです。
ぼくは母の胸にしがみついて激しく泣きました。でも、やわらかくてふくよかな母に抱かれ、甘い香りに包まれていると、さっきまでの夜道を駆けていた心細さや寂しさは消えて、何だか心地よい陶酔感のようなものを味わうのです。
ぼくは母の乳房に服の上から顔を押しつけます。ふっくらとして弾力のある乳房が、ぼくの頬に熱く感じられます。
「まあ信ちゃん、どうしたの? 甘えちゃって」
と母は笑いますが、やさしくぼくの顔を撫でてくれました。
その時のぼくは本当に幸せでした。
赤ちゃんの時、ぼくは母の胸に抱かれ、やすらかに眠ることができました。母の乳房にも、自由に触ったり吸ったりできたのです。
でも大きくなると、それは自然にできなくなりました。
ぼくはそれが寂しかったのです。
遠い夜空には、数えきれないほどの大粒の星々がキラキラと輝いていました。
その時、母は32歳。成熟して脂の乗り切っている時でした。
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