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小説(転載) 四枚の扉 4/10

官能小説
04 /26 2015



 一足先に昨日東京へ戻った純子は、都内某デパートで慌ただしく働いていた。

 高校を卒業してから今年で9年。このデパートの紳士服売り場で今は勤務して
いる。
 二年付き合った男が札幌に転勤になり、月に一度、純子は男に会う為に札幌ま
で行っていた。
 その男が、数ヶ月前から会う度に様子がおかしくなり、今回問いただしたとこ
ろ、札幌に新しい女が出来た事を白状したのだった・・・。
 
 元来真面目な性格の純子は、その事実に打ちのめされ、涙したが、まさか自分
がその晩に、初めて会った男と関係を持つとは、状況を加味したとしても想像し
がたい事だった。
 だが純子は、初めて自分に硬く覆い被さっていた真面目と言う殻を破った事実
に、内心嬉しく思っていた。
 陳列してある商品を整えながら、純子は勇次の事を考えた・・・。
 札幌の夜に熱く燃えた自分・・。
 純子は勇次と相性が合うと感じていた。
 (あの人の事、余り聞く事が出来なかったけど、既婚者かしら?・・)
 勇次との出会いを大事なものと感じていた純子は、再度勇次と会って確かめて
みたいと思った。
 (お昼休みにでも電話してみよう・・・)
 1時間後に迫った昼休みを心待ちにする純子の顔が微笑んだ。

 プルルルルル・・・・・。
 勇次の携帯の呼び出し音が、純子の耳に聞こえる。
 「はい・・」
 数日前に聞いた勇次の声が届いた。
 「あの・・・純子です」
 「ああ・・・ どうも・・」
 少し素っ気無い勇次の声に、純子は不安になった・・・。
 「電話、大丈夫ですか?」
 「平気だよ・・ どうしたの?」
 「今日の夜・・お暇ですか?」
 純子は不安感からくるのか、か細い声で勇次に問い掛けた。
 「うーん・・・ まだ分からないな」
 余り乗り気では無い勇次の答えが、純子の不安をより狩り立てた・・・。
 「そうですか・・・ じゃあ、夕方また電話してもイイですか?」
 「そうだね、そうしてくれる・・」
 純子は電話を切った。
 (あの人・・ 私のこと、どう思っているんだろう・・・・)
 純子は目頭が少し熱くなるのを感じた。
 (どうしたんだろう・・私・・ もう、あの人のこと・・・好きになった
の?・・・)
 自分への問い掛けに、自分でもハッキリと答えを出せない。
 (とにかく、もう一度会ってみよう・・)
 夕方、再度電話をする事を決め、純子は売り場へ戻った。

 携帯電話を見詰めながら、勇次は考え込んでいた・・・。
 自分からは純子には電話をするつもりは無かった。
 札幌から帰ったのち、勇次は静絵の顔を暫くマトモに見る事が出来なかっ
た・・。
 不貞を働いた夫を、妻は見抜くのだろうか・・・。
 初めての浮気に勇次は、不安で一杯だった。
 だが静絵は、出張前と何も変わらず、相変わらず甲斐甲斐しく勇次と祐輔に接
してくれる。
 勇次は少し安心し、二度と不安をもたらす行為を慎もうと、心に誓ったのだ。

 そんな折の純子からの電話であった・・・。
 会ってはイケナイと強く思いながらも、何故か気持ちが激しく動く・・。
 勇次は、もう一度会って、直接「もう会わない」と純子に伝えようと決心し
た。

 夕方の純子からの電話を受けた勇次は、7時に新宿で会う約束をした。
 気のせいなのか、電話先の純子の声が弾んでいる様に思えた。

 純子の心は弾んでいた。
 昼間の電話では、もう会えないのかも・・・とさえ思えた勇次の態度が、夕方
の電話では、少し違っていた。
 何より、今夜会える事の嬉しさが、純子の心に喜びの気持ちを沸き上がらせて
いた。

 「あああ・・・ イイイイイイ・・・・!」
 新宿のシティーホテルの一室で、純子は歓喜の声を挙げていた。
 下から突上げる勇次の腰は、純子の花芯の最も奥を貫き、圧迫していた。
 「おく・・・ 奥! あたる・・・のおぉ・・!」
 自分の乳房を両手でガッチリと揉み、背中を反らして純子は悶えた。
 高みへと突き進む純子の肉壁が、怪しく蠢き、勇次を刺激する・・。
 「ああ! これだ!」
 勇次は札幌で味わった、この甘美な感覚に、身体中が痺れるのを感じた。
 ヌメヌメと纏わり付く肉のヒダ・・・・。
 己の先端をクイクイと締め付ける子宮口。
 純子の名器に、勇次は爆発寸前だった。
 そんな勇次にタイミングを合わせる様に、純子の嬌声が高らかに部屋に響い
た!
 「イ! イクゥゥ!!」
 「うおおおうぅぅ!!!」
 ガクリと勇次の胸へ倒れ込む純子。
 その中心では、勇次の肉茎が激しく痙攣し、放出を続けている。
 ドク・・・ドクリ・・・・。
 全ての精を吐き出した勇次の塊は、尚も怪しく動く肉ヒダに包まれ、微かに震
えていた。

 「勇次さん・・結婚してるの?」
 純子はミネラルウォーターを勇次に手渡して聞いた。
 「ああ・・してるよ」
 勇次は渡されたミネラルウォーターで喉を潤すと、答えた。
 「そうだったんだ・・」
 純子の目が、悲しさを帯びた・・。
 「駄目かな・・?」
 勇次が問い掛ける。
 「ちょっと残念だけど・・イイわ」
 純子は勇次に微笑み掛け、答えた。
 「良かった・・嬉しいよ!」
 勇次は本心でそう思った。
 昼間は二度と会うまい・・と、心に誓った勇次であったが、
 再度純子を抱き、その素晴らしさを堪能してしまった今では、静絵への裏切り
を懺悔するよりも、純子との関係を上手くやって行こうとさえ、考え直すところ
まで来ていた・・。
 「純子、おいで・・」
 ベッドサイドで座っていた純子の手を、勇次は引いた。
 「もうなの?!」
 「ああ、純子の裸を見てたら、もうこんなだよ・・」
 勇次は下半身に掛けてあったシーツを取り払った。
 下からは、すでに完全な状態になった塊が、純子を手招きしていた。
 「凄いわ! アナタって・・・」
 そう言うと純子は、ビンビンに張り詰めた塊を、ジュブリっ!と、咥え込ん
だ・・。
 「ああ・・ いいよ、純子」
 勇次は股間に顔を埋め、その口技で甘美な刺激を与え続ける純子を見下ろしな
がら思った。
 (ちょっと、手放せないな・・純子は・・)
 顔を激しく上下させ、舌で勇次の肉茎を舐め込んでいる純子も思った。
 (結婚しててもいいわ・・ この人、凄くイイ!)
 その決断が、今後お互いを深く追い込む事になろうとは、知らずに・・・・。


(5)へつづく・・・

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。