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小説(転載) 不感症中島女史の調教。

官能小説
08 /26 2017
不感症中島女史の調教。其の一
~マドンナ~

「やあ久し振り」「元気にしてたあ」
「白髪が増えたじゃないか」高校の同窓会は楽しい。
久し振りに出会う同級生の職業や家庭環境
その他に意外性があるからだ。
落ちぶれていたり、金持ちになっていたり、
兎に角社会生活における落差が一挙に
見られるいわば時の断層なのだ。
紆余曲折を経た人生経歴で、目下の所市立大で
しがない講師をしている私はまあまあ普通である。

やっぱり同窓会の花形は、(Ⅰ)社会的に地位がある会社や団体に勤務していた者か、
(Ⅱ)自営業で金回りが良い者か、それとも(Ⅲ)芸能人などで世間に顔の売れている
者のいずれか、またはそれらを二つ以上兼ね備えている者である。
只全員が還暦を済ませて多くの職場の第一線から定年退職で身を引いた為、
(Ⅱ)のグループが元気を取り戻してきた事はいうまでも無い。

恩師を交えて午後五時から始まった二十数名による高校の同窓会は二時間ほどで
一先ず終った。なんの会合でもそうだが瓢箪の真ん中の括れみたいに一旦締めた後の
フリーの会合の方が案外に盛り上がるものである。あとは幾つかの仲良しグループに
分裂して一次会の会場だった料亭の玄関を和装の仲居さん達に見送られながら
ほろ酔い気分で表に出る。

私は緒方をリーダーとする五人組の中に身を投ずる。
私と緒方とは共に夜の悪の道の方にも共通項があるものの、
また真面目な中島春乃とも、学問という分野での共通項があり、
正反対とも思われる者が同居している不思議なグループなのだ。

「二次会は以降は俺に任せろ。馬車道に良い店を知っているから」
高校時代は柔道部で主将を務めた緒方が胸を張って言う。
彼は親の後を継いで建設会社のオーナー社長をしていて、
最近は中国の上海地区の建設ブームに参入して、
この建設不況の中でもしぶとく生き残っている頑張り家である。

男子三人女子二人の仲良し五人組は緒方と言う強いスポンサーを擁して、
七色のネオンが瞬く夜の盛り場に繰り出した。
「ここから近いのか」
「うん、歩いても行けるが、なんだったらタクシーでもいいぞ。
 俺はタクシーのチケット持ってるんだ」

**
「チケットが使えるタクシー会社名は」
緒方が名前を言ったが、余り見掛けないタクシー会社名だった。

各地から桜の開花がニュース番組で報じられる頃に成ると、
生温かい強い風が赤地に白抜きで焼肉食べ放題と大書き韓国風焼肉屋の旗指物を
パタパタとなびかせ、街の若葉が芽吹きはじめた並木の舗道を颯爽と闊歩する
若い女性のプリーツスカートを、大きく捲り上げる悪戯をして通り過ぎる。
そしてその風はついに我らのグループにも吹いて来た。

「キャーッ。何よこの風!」
真利子のスカートがあたかもかの有名なマリリン・モンローの《七年目の浮気》の
ワンシーンの様に大きく捲れ上がった。
白いレースのロングガードルが私と緒方と竹田の三人の男性の目を刺激する。

「あんた達、見たわね」
「敬老会の、真利子お祖母ちゃんの股座見たって、どうってことないよ」

「俺が金払うから、タクシーで行こう」と緒方は言ったが。
「緒方くん。タクシーなんて勿体無いわ。歩いて行きましょうよ」
「そうだそうだ。俺達の年代は健康のために一日一万歩は歩かなくてはいけないんだ」
竹田が言う。学生時代には学級委員していた秀才は紡績会社の部長を定年退職して
今では庭に窯を築き陶器の趣味にのめりこんでいる。

高校時代からの永遠の我らのマドンナであり大学教授という雲の上の職業についた
出世頭の中島春乃の鶴の一声に従い皆は歩き出す。

中島春乃彼女はグループの中で唯一の独身である。
ブルーグレーのチェックのツーピースを着た春乃はスタイルも良く十歳は若く見える。
高校時代には生徒会会長をした事もある秀才で、大学生や教師から交際申し込みが
殺到したが、彼女は勉強一筋で目もくれなかった。
日本の一流大学を卒業しただけではあきたらず、外国の大学で専門的な研究まで
してきた極め付きの秀才である。

やがて五人は緒方がお勧めの中国飲茶専門店の《四馬路》の畳敷きの部屋の
円形テーブルの回りに陣取った。
喫茶店といえば洋風か和風が殆どだか、中国風喫茶も面白い。

「同級生で春乃は大学教授で那須は大学講師とは、如何してこんな差が出たのかねぇ」
竹田が私と春乃を等分に眺めながらニヤニヤ笑う。
やがて中国茶と点心として熱々の中華饅頭が運ばれてきた。

「でも俺の方が春乃よりもいろんな人生経験を積んでいるからな」
負けず嫌いな私は竹田に言い返す。
「那須の人生経験と言うのはセックス経験だけじゃないか。それを引いたら何が残る」
竹田がせせら笑うように言う。

**
「でもなぁ竹田よ。俺の体験から言うと、人生経験とは表側から見た成功者だけの
 経験だけではなく、セックスも含めてあらゆる人生の裏表に通じる深い経験だと思うよ。
 俺が中国進出し成功したのは、若い頃のヤクザ体験が中国の黒社会へのコネに
 つながったんだ。無駄になる体験なんてないぞ」
緒方の重みのある言葉に、春乃も中華饅頭を割りながら頷いている。

「私は那須くんに比較すれば無いも同然だけど、セックスの経験が全く無い訳じゃないのよ。
 私の数少ない経験からなんだけど、セックスで語られる話は全て男側からの発言で、
 女はセックスなんて無くたって生きていけるし、
 ビデオとか雑誌でワイワイ騒ぎ立てるアクメって言うのは嘘だと思うわ。
 みんな女性が演技して居るのに男が騙されているだけじゃないのかしら」
春乃の女性アクメ演技論いも、確かに幾らかの真実はあるものの、肝心の春乃自身が
真実のアクメをまだ体験したことがないのではあるまいか。

「春乃自身は如何なんだい。男に絶頂を味わわせて貰った事あるのかい」
私は春乃の下半身をじろりと睨んだ。ちょうどその時に緒方も同じ思いだったのか、
私と視線が合った。以心伝心だった。

この上品ぶった春乃のスカートを脱がせて、堅くそそり立ったものをぶちこんでやったら
如何だろうと私は思ったが、緒方も同じ思いなのかもしれなかった。
「私は不感症なのかしら、ぜんぜん気持ちよく成らないの。
 男だけが私の腹の上で汗びっしょりになって腰を使っているのなんてナンセンスよ」

春乃の年齢になって誰も処女だとは思わないが、真面目な人だし、
男性経験はたしかに乏しいであろうことは否めなかった。

「春乃ちゃん。そりゃあ、相手の男がたまたま下手だったのよ。
 上手な男にセックスしてもらったら、そりゃあもう失神するほど気持いいわよ」
「そうかしら。私は女遊びが達者で評判の教授と二度寝た事があるのよ。
 でも三十分もピストン運動していたけど、ちっとも良くなかったわ。
 私はどんな男としても感じない体質だと思うわ」
「春乃ちゃん、そんなことないって、男ってとってもいいものよ」
「おっそうだ。春乃、那須に一度抱いて貰ったらどうだい。
 善は急げですぐ近くにあるホテル・ビクトリアに行って不感症かどうか試してみたら。
 あそこなら俺の名前でツケがきくぞ」

緒方が春乃と真利子の論争に割って入るように新しい提案をした。
「あっそりゃぁいい。もしかしたら春乃ちゃんの不感症が治るかもしれない」
「那須に嵌めてもらって、それでもよがらないなら、ほんとうの不感症だよ」
真利子と竹田が賛同した。

私も当事者ながら、高校時代からの憧れのマドンナであった、中島春乃、
いや、今では英米文学教授に出世した春乃の、年齢の割りに若さを失わない、
まだ張りのある肉体を抱けるのならと反対はしなかった。

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。