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小説(転載) 母心 10/12(未完)

近親相姦小説
05 /15 2015
母心 10

 

峰子は知っていた。
断言することはできないまでも、以前から薄々ではあるが気が付いていたのである。

由加利と買い物に出掛ける前に、峰子は一通りの家事を済ませてきていた。
休日であろうとなかろうと、峰子の日課に変りがない。
忙しいからといって、家の中での自分の仕事をないがしろにするということは一度たりともなかった。
(しっかりとした母親)と言えば聞こえはいいが、悪く言えば、(完璧主義)
自分の役目というものを、きっちりとこなさなければ自分自身、納得がいかないような融通のきかない所が峰子にはあった。

その日の峰子も変りがなかった。
学校のない日の真一は、いつも昼過ぎに起床する。
その真一の為に食事もテーブルの上に用意してきた。
ざっとではあるが、家の掃除も済ませてきている。
毎朝、そうしているように玄関先にあるプランターに植えられた花々にも水を与えてきた。
もちろん洗濯も・・・。

その洗濯をしている時にふと気が付いたことがある。
峰子は衣服を洗濯機の中に入れる時に、いつもひとつひとつの衣類をバラバラにさせる。
丸まった靴下はしっかりと元の状態に戻し、絡まったシャツの袖やズボンも一枚一枚ほどいた状態にさせてから入れる。
脱水をかけた時に絡まってしまうのは頭では分かっているものの、峰子の性格上、そうせずにはいられない。
いつものように腰をかがめ、床に置かれた脱衣カゴの中身を洗濯機の中に入れようとした時、峰子は不思議に思った。

(・・・あらっ・・・)

脱衣カゴの前で腰をかがめたままの峰子。

(・・・どうして、私の下着が・・・)

前夜、一番最後に入浴したのは真一のはずである。
その真一の着ていた衣服は脱衣カゴの一番底の方にあった。
順番からいえば当然、峰子の衣類の上に真一のものが重ねられているはずである。
しかし峰子の見下ろしている脱衣カゴの中には、前日、自分が身に付けていた黒いパンストと薄紫のショーツが
なぜか一番上に存在していたのだ。

(・・・・・・・・)

峰子は目の前にあるカゴの中から、クチャクチャに縮まった薄紫のショーツをゆっくりと取り出してみた。
洗濯機の前。
峰子は恐る恐るではあるが、その自分の下着を少しだけ開いてチェックしてみた。

・・・変化はない

あるのは気恥ずかしくなるような自分の下着の汚れだけだった。
峰子は釈然としない気持ちのまま、そのショーツを洗濯機の中へポトンと落とした。
そしていつものように脱衣カゴの中身を一枚ずつ取り出しては次々と放り込んでいった。

以前にもこういった事は何度かあった。
洗濯をしようと峰子がそのカゴに手を伸ばした時、なぜかそのカゴの中が何者かの手で荒らされているように感じることが・・・。
その度、峰子の頭に浮かぶのは17歳の息子、真一の顔だった。
もちろんそうという確定などない。
真一が自分の下着をイタズラしている現場を見たわけでもない。

でも・・・

もしそうだとしても峰子にそれを注意することなどできるはずもない。
だいいち、なんて言って真一に注意すればいいのか。
峰子にはその言葉すら浮かばなかった。
その赤い脱衣カゴの中身を荒らされているように感じる事が、峰子が気がついているだけでも週に1、2回はある。
それはこの家の主であった剛志がいなくなってからというもの、以前にも増して頻繁に起こっていたのだ。

峰子はグルグルと渦を巻く洗濯機の中に空ろな眼差しを落としながら、しばらくその場に立ち尽くしていた。

 

「おかあさんっ、まだ選んでるの?」

「えっ・・・」

「こっちに来てよ。このスカートどう思う?」

「あらっ、かわいいわね・・・」

ハンガーに掛かった一枚のスカートを腰にあてるようにしている由加利。
峰子は屈託のない笑顔を見せている由加利のそばへと歩み寄った。

「これ、いいじゃない。とってもかわいいし、由加利に似合ってるわ」

「うん」

満足そうな表情を浮かべている由加利。
その表情を見て、峰子も優しく微笑んだ。

しばらくして、二人はレジの方へと歩いていった。
先ほど見かけた数人の高校生。
峰子は真一と同年代であろう彼らを見て、思った。

(・・・あの子達も、女性の下着とかにイタズラしたいとか思うのかしら・・・)
そんなことを思った。

(・・・きっとそうよ・・・真一だけじゃないはずだわ・・・高校生なんて一番多感な年頃なんだし・・・)

(べつに下着に興味があったって変なことじゃないんだわ・・・変なことじゃ・・・)

峰子はそう自分に言い聞かせていた。

 

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。