小説(転載) 弱者の妖光 3/6(未完)
官能小説
第2話
-熟女を陥れる野望-
一
何者かが、弱者の心に宿し、時折悪魔の囁きを投掛けていた。
二度と犯さないと誓った罪は、その囁きによりもろくも崩壊されていくのであ
る。
職場での山田次郎の視線は、美人上司で有名な七瀬課長の後姿を毎日追って
いた。
「課長…俺はあんたの私生活を全て知っているんだぜ。帰宅したら下着姿で食
事、風呂上りは全裸でTV観賞…何よりもあくどいのは、家族と暮らしている
というのが、まったくの嘘であること…」
今回で止めよう…そう自分に言い聞かせては、七瀬の帰宅前に、あの暗闇の
クロゼットに忍び込み、七瀬の生活を覗いている山田であった。
その時の彼は、まるで悪魔が取り付いたように別人格に変っていた。
他人の家に、許可無く上がりこんでいるのを悪いとわかっている。だが、見つ
かりそうでみつからない、このスリルは何ものにも替えがたいのである。
「ねえねえ…課長を見る山田の目付き、気味悪くない?」
「あら? 今、気が付いたの。以前から気味悪かったわよ。くすっ」
「違うのよ。最近、特に…ひやー課長、狙われてるんじゃないの?」
と、彼女らの会話は、最近この話しで賑わっている。
全部、聞こえているよ…自分でもわかっている。だが、七瀬の大きな尻が目
の前で動くたびに、裸のことが甦って山田の口元は緩むのである。
しかし、彼女らの噂が課長の耳に入ったら大変なことになる。
そう思うと、気の弱い山田は不安にかられた。そして一つの決心をして終わり
にしようと考えた。
それは、七瀬の自慰行為を見る事で、自分に取り付いている悪魔を葬りさせよ
うという計画である。
浸入する事数回。一度も七瀬の淫らな行いを目にしたことがないのである。
「いくら待っても、始めないんだよな…そんな卑猥な行いは嫌いなのかな?
後、何日待てばいいのだろ………いや、待って無理なら、やらせればいい…そ
うだよ!! やりたくなるように、設定してあげればいいんだ! よし!!」
「いやだー!! 見て見て、山田、ニヤついてるわよ!!」
女性の悲鳴などよそに、密かに計画を練る山田であった。
──数日後
山田は、七瀬より早めに退出した。
向かう先は七瀬の自宅である。鞄の中には若者が使用する袋が閉まってあり、
そして、その袋を七瀬の家のポストに放り込むと、七瀬の寝室に上がり込み、
クロゼットに身を隠すのであった。
待つこと数十分。
暗闇の寝室部屋に明りが灯された。
「帰って来たぞ…さて、計画通り上手くいくかな…」
心臓の音が激しくなり、生唾を何度も飲み込む山田。
七瀬の姿が、クロゼットの前にあらわれると、手には山田がポストに入れて
いた袋を持っていた。
彼女はその袋を不思議そうに外見を見渡し、封を開いた。
袋の中を覗いた後、手を差し伸べて中の品物を取り出す七瀬。
手紙一枚とCDを三本手にしている。そして、手にしているCDケースを見る
と、驚いて机の上に放り投げたのだった。
ニ
机の上に散らばったCD。それは山田が準備したものである。
二本は女優と男優の絡みのシーン、そして一本はSMものである。SMのCD
は山田が、間違って購入してしまい処分に困っていたのを入れたのだ。
「だ、誰よ、こんな物を間違って置いていくなんて…」
迷惑そうな顔で、手紙を開く七瀬。何処となく頬が染まっていた。
「えぇと…俺俺…って、あんた誰よ? まったくとんでもない間違いだわ…」
七瀬は口を膨らませて、山田が作成した手紙を読み始めた。
その手紙の内容とは。
『俺俺、元気している? 久し振りに、お前の家を訪ねてみたけど留守だった
ので、記念品を置いていきます。 実は今から、突然ヨーロッパに旅立つ事に
なって片づけをしてたらこのCDの処分に困ってしまってさ。処分を頼みます。
ヨーロッパだから連絡もとれないし、しません。帰ってくるのは10年後だか
らその時まで会えません。多分、一生会えないでしょう。だから、このCD見
て下さい。お願いします。絶対見て下さい。 太郎』
「……下手くそな文章…」
確かに…だが、CDの処分を七瀬に託す内容になるようにと、必死に考えた
山田の浅はかな知恵であった。
「困るわ。こんな間違いをされては…」
陰謀計画は一瞬で消え去った。七瀬はCDと手紙を袋に詰め直すと、それを
手にして部屋から出て行ったのである。
「あぁ…くそっ、失敗か…喜んでくれると思ったのにな」
肩を落す山田。暫くすると七瀬が部屋へ帰って来た。 なんと、手には袋を
しっかり持っていたのである。
「や、や、やったー!!袋を持ち帰ってきてるぞ。よしよし、オナニーをする
確率は充分にあるぞ。課長の、乱れる姿が見れるかもしれない」
山田は、準備している愛用のテッシュを取り出した。彼の下半身は既に、覆
う物は剥ぎ取られ、剥き出しの状態である。
「よく考えたら…これをポストに入れなおしておいても、誰も取りにこないの
よね。太郎くんも外国に行っちゃったし…私が、処分…したら、いいって事?」
「うんうん、課長、やっと気付きましたね。貴女が処分する事になっているの
ですよ。その前に、映像を見て下さいね、そして…くっ、早く見てくれないか
な。楽しみだ」
慣れ親しんだ暗闇の一室。息を殺して潜む気弱な獣は、念願である、その時が
訪れるのをただ、待ち望んでいた。
七瀬はノートパソコンを開き、準備をしている。自分の意志ではなく、弱者山
田の企みによって、動かされているとも知らないで…
三
七瀬が、CDをセットしている様子を覗き込む山田。
アダルトCDを見ようとしている、彼女の行動だけでも、興奮を隠せない。
だが、意外だったのは、最初にSMの映像を見始めたことであった。
「あ、あれ? 課長って、そんな趣味があったのかな」
SMの趣向がある者には、肉付きのよい七瀬を縛るのに魅力を感じるであろ
う。だが、縛る事に興味のない山田は、到底理解しがたい行為なのである。
今は、まだ…
机の上のPCに流れる映像を、椅子に腰掛けて眺める七瀬。その画面には綺
麗な顔をした30歳前後の女性が、ロープで縛られた身体を吊られ、鞭で胸や
腹部を叩かれたり、ベッドに固定され、蝋燭を垂らされて身体を真っ赤に染め
ているのである。
食い入るように目を輝かせて、時々生唾を飲み込んでいる七瀬の異様で色っ
ぽい横顔に、引き込まれそうな感触を何処となく感じる山田であった。そして
職場での力強い七瀬と違い、今にも崩れそうで気弱い目の前の熟女を、映像と
同じ赤い紐で拘束するのも良いのでは、と、興奮するのであった。
──数十分が過ぎた。
念願である、七瀬が乱れるその時が、近づきつつあることを背筋に走る震え
で感じる山田である。
「ん? 課長の様子がおかしいぞ…始まるのか?」
七瀬の口から漏れる熱い吐息、揺れる身体、足を組む回数が増え、太腿を擦
りつけ何かを我慢している姿が愛しく感じるのである。
「さあ、課長。遠慮しないで、全てを曝け出すんだ、そして俺の前で喘いでい
る姿を見せるんだ…さあ、さあ…」
まるで山田の催眠術に掛かったように、七瀬の手が胸へ動いた。そして両手
で、己の突き出した胸を鷲掴みにして揉み始めたのである。
ゆっくりと、服の上から両手の指が、圧縮運動を繰り返しているのだ。
それは、山田の野望が叶った瞬間であり、そして、七瀬が山田の企みにおち
た瞬間であった。
「や、や、やったぞ!! ついにあの課長がオナニーを始めたぞ! 信じられ
ない、俺の目の前でやり始めるなんて…ああ、俺のペニスも爆発寸前だ、やば
い…ここで出しては勿体無い。課長と、課長と一緒に感じるんだ」
右手に握られた男の勲章。例え、気は弱くとも、その勲章は別格である。い
や、彼は今までそれを利用してこなかったのでまだ知らないだけで、そのいち
もつは、後に課長七瀬でさえも、求めてしまう程の魅力あるペニスを装置して
いるのである。
七瀬は、感じる身体を包むように、自分の世界へと没頭している。
だから、山田がいちもつを擦ると同時に、床がぎしぎしと鳴り響く音に、全く
気が付かないのであった。
(4)へつづく・・・
-熟女を陥れる野望-
一
何者かが、弱者の心に宿し、時折悪魔の囁きを投掛けていた。
二度と犯さないと誓った罪は、その囁きによりもろくも崩壊されていくのであ
る。
職場での山田次郎の視線は、美人上司で有名な七瀬課長の後姿を毎日追って
いた。
「課長…俺はあんたの私生活を全て知っているんだぜ。帰宅したら下着姿で食
事、風呂上りは全裸でTV観賞…何よりもあくどいのは、家族と暮らしている
というのが、まったくの嘘であること…」
今回で止めよう…そう自分に言い聞かせては、七瀬の帰宅前に、あの暗闇の
クロゼットに忍び込み、七瀬の生活を覗いている山田であった。
その時の彼は、まるで悪魔が取り付いたように別人格に変っていた。
他人の家に、許可無く上がりこんでいるのを悪いとわかっている。だが、見つ
かりそうでみつからない、このスリルは何ものにも替えがたいのである。
「ねえねえ…課長を見る山田の目付き、気味悪くない?」
「あら? 今、気が付いたの。以前から気味悪かったわよ。くすっ」
「違うのよ。最近、特に…ひやー課長、狙われてるんじゃないの?」
と、彼女らの会話は、最近この話しで賑わっている。
全部、聞こえているよ…自分でもわかっている。だが、七瀬の大きな尻が目
の前で動くたびに、裸のことが甦って山田の口元は緩むのである。
しかし、彼女らの噂が課長の耳に入ったら大変なことになる。
そう思うと、気の弱い山田は不安にかられた。そして一つの決心をして終わり
にしようと考えた。
それは、七瀬の自慰行為を見る事で、自分に取り付いている悪魔を葬りさせよ
うという計画である。
浸入する事数回。一度も七瀬の淫らな行いを目にしたことがないのである。
「いくら待っても、始めないんだよな…そんな卑猥な行いは嫌いなのかな?
後、何日待てばいいのだろ………いや、待って無理なら、やらせればいい…そ
うだよ!! やりたくなるように、設定してあげればいいんだ! よし!!」
「いやだー!! 見て見て、山田、ニヤついてるわよ!!」
女性の悲鳴などよそに、密かに計画を練る山田であった。
──数日後
山田は、七瀬より早めに退出した。
向かう先は七瀬の自宅である。鞄の中には若者が使用する袋が閉まってあり、
そして、その袋を七瀬の家のポストに放り込むと、七瀬の寝室に上がり込み、
クロゼットに身を隠すのであった。
待つこと数十分。
暗闇の寝室部屋に明りが灯された。
「帰って来たぞ…さて、計画通り上手くいくかな…」
心臓の音が激しくなり、生唾を何度も飲み込む山田。
七瀬の姿が、クロゼットの前にあらわれると、手には山田がポストに入れて
いた袋を持っていた。
彼女はその袋を不思議そうに外見を見渡し、封を開いた。
袋の中を覗いた後、手を差し伸べて中の品物を取り出す七瀬。
手紙一枚とCDを三本手にしている。そして、手にしているCDケースを見る
と、驚いて机の上に放り投げたのだった。
ニ
机の上に散らばったCD。それは山田が準備したものである。
二本は女優と男優の絡みのシーン、そして一本はSMものである。SMのCD
は山田が、間違って購入してしまい処分に困っていたのを入れたのだ。
「だ、誰よ、こんな物を間違って置いていくなんて…」
迷惑そうな顔で、手紙を開く七瀬。何処となく頬が染まっていた。
「えぇと…俺俺…って、あんた誰よ? まったくとんでもない間違いだわ…」
七瀬は口を膨らませて、山田が作成した手紙を読み始めた。
その手紙の内容とは。
『俺俺、元気している? 久し振りに、お前の家を訪ねてみたけど留守だった
ので、記念品を置いていきます。 実は今から、突然ヨーロッパに旅立つ事に
なって片づけをしてたらこのCDの処分に困ってしまってさ。処分を頼みます。
ヨーロッパだから連絡もとれないし、しません。帰ってくるのは10年後だか
らその時まで会えません。多分、一生会えないでしょう。だから、このCD見
て下さい。お願いします。絶対見て下さい。 太郎』
「……下手くそな文章…」
確かに…だが、CDの処分を七瀬に託す内容になるようにと、必死に考えた
山田の浅はかな知恵であった。
「困るわ。こんな間違いをされては…」
陰謀計画は一瞬で消え去った。七瀬はCDと手紙を袋に詰め直すと、それを
手にして部屋から出て行ったのである。
「あぁ…くそっ、失敗か…喜んでくれると思ったのにな」
肩を落す山田。暫くすると七瀬が部屋へ帰って来た。 なんと、手には袋を
しっかり持っていたのである。
「や、や、やったー!!袋を持ち帰ってきてるぞ。よしよし、オナニーをする
確率は充分にあるぞ。課長の、乱れる姿が見れるかもしれない」
山田は、準備している愛用のテッシュを取り出した。彼の下半身は既に、覆
う物は剥ぎ取られ、剥き出しの状態である。
「よく考えたら…これをポストに入れなおしておいても、誰も取りにこないの
よね。太郎くんも外国に行っちゃったし…私が、処分…したら、いいって事?」
「うんうん、課長、やっと気付きましたね。貴女が処分する事になっているの
ですよ。その前に、映像を見て下さいね、そして…くっ、早く見てくれないか
な。楽しみだ」
慣れ親しんだ暗闇の一室。息を殺して潜む気弱な獣は、念願である、その時が
訪れるのをただ、待ち望んでいた。
七瀬はノートパソコンを開き、準備をしている。自分の意志ではなく、弱者山
田の企みによって、動かされているとも知らないで…
三
七瀬が、CDをセットしている様子を覗き込む山田。
アダルトCDを見ようとしている、彼女の行動だけでも、興奮を隠せない。
だが、意外だったのは、最初にSMの映像を見始めたことであった。
「あ、あれ? 課長って、そんな趣味があったのかな」
SMの趣向がある者には、肉付きのよい七瀬を縛るのに魅力を感じるであろ
う。だが、縛る事に興味のない山田は、到底理解しがたい行為なのである。
今は、まだ…
机の上のPCに流れる映像を、椅子に腰掛けて眺める七瀬。その画面には綺
麗な顔をした30歳前後の女性が、ロープで縛られた身体を吊られ、鞭で胸や
腹部を叩かれたり、ベッドに固定され、蝋燭を垂らされて身体を真っ赤に染め
ているのである。
食い入るように目を輝かせて、時々生唾を飲み込んでいる七瀬の異様で色っ
ぽい横顔に、引き込まれそうな感触を何処となく感じる山田であった。そして
職場での力強い七瀬と違い、今にも崩れそうで気弱い目の前の熟女を、映像と
同じ赤い紐で拘束するのも良いのでは、と、興奮するのであった。
──数十分が過ぎた。
念願である、七瀬が乱れるその時が、近づきつつあることを背筋に走る震え
で感じる山田である。
「ん? 課長の様子がおかしいぞ…始まるのか?」
七瀬の口から漏れる熱い吐息、揺れる身体、足を組む回数が増え、太腿を擦
りつけ何かを我慢している姿が愛しく感じるのである。
「さあ、課長。遠慮しないで、全てを曝け出すんだ、そして俺の前で喘いでい
る姿を見せるんだ…さあ、さあ…」
まるで山田の催眠術に掛かったように、七瀬の手が胸へ動いた。そして両手
で、己の突き出した胸を鷲掴みにして揉み始めたのである。
ゆっくりと、服の上から両手の指が、圧縮運動を繰り返しているのだ。
それは、山田の野望が叶った瞬間であり、そして、七瀬が山田の企みにおち
た瞬間であった。
「や、や、やったぞ!! ついにあの課長がオナニーを始めたぞ! 信じられ
ない、俺の目の前でやり始めるなんて…ああ、俺のペニスも爆発寸前だ、やば
い…ここで出しては勿体無い。課長と、課長と一緒に感じるんだ」
右手に握られた男の勲章。例え、気は弱くとも、その勲章は別格である。い
や、彼は今までそれを利用してこなかったのでまだ知らないだけで、そのいち
もつは、後に課長七瀬でさえも、求めてしまう程の魅力あるペニスを装置して
いるのである。
七瀬は、感じる身体を包むように、自分の世界へと没頭している。
だから、山田がいちもつを擦ると同時に、床がぎしぎしと鳴り響く音に、全く
気が付かないのであった。
(4)へつづく・・・
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