小説(転載) 綾香とぼく 6/10
官能小説
第6章 運動会
半年の月日が流れた。しかし、まだぼくの心は彼女に奪われたままだった。何度
も彼女に会いたいと思った。だが、拒絶されるのが恐くてどうしても会いに行けな
かった。また、彼女に苦痛を与えるので、彼女に近づくのはやめようと思った。彼
女の通学路や家には近づかないというルールを作った。何度かはガラスの靴を探し
に公園にも行ってみた。しかし一度も彼女とは会えなかった。
乾いた味のないような日々だった。毎日同じことの繰り返しで、楽しいと感じる
ものはなかった。いつも彼女のことが忘れられなかった。記憶の中で彼女の笑顔を
繰り返し再生していた。
ある日、TVの天気予報で「明日はほとんどの小中学校で運動会ですね。」と言
っているのを聞いた。ふと彼女のことを思い出した。会いに行きたい。彼女に近づ
くのを自分で禁じていたぼくは、見るだけなら、見るだけならいいだろうと自分を
言い聞かせた。
日曜日の朝、ぼくは最近買ったデジタルカメラを持って、彼女の通う白鳩小学校
へ行ってみた。運動会、やっていなかったらどうしよう、教師に注意されたらどう
しよう、と不安になりながらも、彼女を一目見るんだという考えで自分を引っ張っ
て行った。
白鳩小学校につく。人混みとざわめきから、すぐに運動会が開かれているのが分
かった。全くの部外者が校内に入るわけだから少し気が引けた。しかし、いったん
校内に入ってしまうと他の父兄と同化してしまい、違和感はなくなった。
彼女を探して歩き回る。ブルマー姿の少女たちに目を奪われながらも、彼女を探
すことは忘れなかった。半年間もブランクがあったので、完全に彼女の顔を思い出
せなかったが、彼女の雰囲気は忘れていなかった。
午前中をかけて彼女を探したが、見つけられなかった。昼食の休憩をはさんで、
午後も探す。おかしい。いるはずだ。まさか休んでいるのだろうか。半ばあきらめ
ながらも、小学3年生が座っている席を何度も探した。
日が傾き始めた中、数時間立ちっぱなしの足に痛みを覚え、あきらめようとした
とき、彼女の姿が目に入った。見つけた。嬉しかった。彼女は元気そうだった。い
つもの笑顔を浮かべ、友達と楽しく話していた。声を掛けたかったが、どう声を掛
けていいか分からず、彼女のそばで、その姿を眺めていることしかできなかった。
だが、それだけでもぼくは満足した。
運動会のプログラムも終わり、校長が終わりの挨拶を始めた。もう、彼女には会
うチャンスがないと悟り、ぼくは白鳩小学校をあとにした。
半年ぶりに満たされた感じがした。彼女が元気にしていただけでもよかった。
半年の月日が流れた。しかし、まだぼくの心は彼女に奪われたままだった。何度
も彼女に会いたいと思った。だが、拒絶されるのが恐くてどうしても会いに行けな
かった。また、彼女に苦痛を与えるので、彼女に近づくのはやめようと思った。彼
女の通学路や家には近づかないというルールを作った。何度かはガラスの靴を探し
に公園にも行ってみた。しかし一度も彼女とは会えなかった。
乾いた味のないような日々だった。毎日同じことの繰り返しで、楽しいと感じる
ものはなかった。いつも彼女のことが忘れられなかった。記憶の中で彼女の笑顔を
繰り返し再生していた。
ある日、TVの天気予報で「明日はほとんどの小中学校で運動会ですね。」と言
っているのを聞いた。ふと彼女のことを思い出した。会いに行きたい。彼女に近づ
くのを自分で禁じていたぼくは、見るだけなら、見るだけならいいだろうと自分を
言い聞かせた。
日曜日の朝、ぼくは最近買ったデジタルカメラを持って、彼女の通う白鳩小学校
へ行ってみた。運動会、やっていなかったらどうしよう、教師に注意されたらどう
しよう、と不安になりながらも、彼女を一目見るんだという考えで自分を引っ張っ
て行った。
白鳩小学校につく。人混みとざわめきから、すぐに運動会が開かれているのが分
かった。全くの部外者が校内に入るわけだから少し気が引けた。しかし、いったん
校内に入ってしまうと他の父兄と同化してしまい、違和感はなくなった。
彼女を探して歩き回る。ブルマー姿の少女たちに目を奪われながらも、彼女を探
すことは忘れなかった。半年間もブランクがあったので、完全に彼女の顔を思い出
せなかったが、彼女の雰囲気は忘れていなかった。
午前中をかけて彼女を探したが、見つけられなかった。昼食の休憩をはさんで、
午後も探す。おかしい。いるはずだ。まさか休んでいるのだろうか。半ばあきらめ
ながらも、小学3年生が座っている席を何度も探した。
日が傾き始めた中、数時間立ちっぱなしの足に痛みを覚え、あきらめようとした
とき、彼女の姿が目に入った。見つけた。嬉しかった。彼女は元気そうだった。い
つもの笑顔を浮かべ、友達と楽しく話していた。声を掛けたかったが、どう声を掛
けていいか分からず、彼女のそばで、その姿を眺めていることしかできなかった。
だが、それだけでもぼくは満足した。
運動会のプログラムも終わり、校長が終わりの挨拶を始めた。もう、彼女には会
うチャンスがないと悟り、ぼくは白鳩小学校をあとにした。
半年ぶりに満たされた感じがした。彼女が元気にしていただけでもよかった。
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