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小説(転載) 『ソープ嬢・倉田杏子』 3/4

官能小説
07 /18 2018
こんな内容を、良い・やや良い・普通・やや悪い・悪いの5段階で評価するの
である。個室で行われていることに対し店はノータッチのはずなのに、性行為
セックスの回数まで問いかけている。杏子たちは最後の2項目がやはり一番気
になる。悪く書く客は少ないが、あまりにもアンケートの内容が悪ければ、そ
れがたとえ1回目での杏子たちソープ嬢は、オーナーやマネージャーから厳し
い忠告があるそうだ。幸い、杏子はまだそれを受けたことは無かった。

そんなことを考えていた杏子の携帯が鳴った。冴子である。
「杏子、一緒にご飯どう?」
「うん。いいよ」
「じゃぁ、そっちでいい?」杏子は了解した。間もなく、冴子が杏子の部屋に
やってきた。フロントに出前を頼んだ、冴子は杏子に
「何やってるの?」と、問いかけた。杏子は先程の客のメモをあの手帳に書い
ていた。
「まじめだねぇ。杏子は」
「冴子も書いてるでしょ」
「うんでもこんなに詳しく書いてない」を、その手帳を取り上げた。
「ヤダッちょっと」慌てて、杏子は取り返す。
「ごめんね。杏子」冴子は謝った。
「ううん」
「でもさぁ、何で杏子みたいなまじめな子がソープしてるの?」冴子は、以前
からしきりにその事を聞く。
杏子と冴子歳はひとつ杏子が上で、入店も杏子が2週間早い。そんなふたり
は、自然と仲良くなり何でも好きなことが言い合える仲だ。それでも、入店の
経緯は話したことが無かった。ただ、冴子は自分の浪費による借金からソープ
を始めた事を自分から杏子に話した事があった。杏子は、何故かもういいかな
と思い、
「実はね」と、口を開いた。
以前は、大阪の大きな病院で看護士をしていた事。男に騙され多額の借金が出
来たこと。全てを話した杏子は何だか気が楽になった。
「そっか。苦労してるんだね。杏子」
「まぁね」
「だから、まんまし派手にしないんだ」
「えっ?」
「通勤も車じゃなく電車だし、私服だってほら、みんなケバイのに、いっも爽
やか系じゃない。杏子は」
「まぁ、そうかなぁ」
「で、いつ返せるの?」
「う~ん後1年は掛かるかな」
「まだ、そんなに? いくらあったの?」
「ぶっちゃけ2500」
「うっそー。マジ?? じゃぁ月100も?」
「うん。冴子は?」
「私は500 先月済んだ。でも、止めれなくてこの仕事」
「いいわねぇ」
「私なんか」言いかけて杏子は止めた。
杏子は、騙され借金負わされ、それを接客と言う名目の元、自分の身体売って
返してる。早い話売春婦である事。冴子にグチりたかったし、聞いて欲しかっ
た。
「嫌なこと聞いてごめんね」
「いいよ隠しててもしょうがないし」
「話、替えよ」冴子は、杏子にすまなく思い話題を替えた。
出前が届き、話し込んでしまった。また、冴子がある話題を振り出した。
「杏子さぁ、最近、愛のあるセックスしてる?」
「そうねぇ。ないなぁ。そういうのって」
「杏子もそうかぁ」
「冴子もないの?」
「うんお客だ相手だと、早く逝かないかなぁってばっかでさぁ。好きな
人とだったら、まだ、逝かないでって、思うのにね」
「そうよねふふふっ」
「杏子も、そう思ってるの?」
「思ってるわよ。みんなそうじゃない?」
「だよねアハハ」
「杏子は優等生だから、そうじゃないんじゃないかって」
「何よ。その優等生って??」
「そう見えたから」
「冴子好きな人居ないの?」
「う~ん特にはいないな。ちょっと気になるお客さんなら3人ほど」
「えっ?そんな人が居るんだ?」
「杏子は?」
「いな~い」
「お客さんでも?」
「えっ? うん」杏子は、ドキッとした。
その時、部屋の電話が鳴った。
「ご指名じゃない?杏子」
杏子は電話に出てた。そして、
「冴子よ」と、冴子に渡した。電話を置いた冴子は、
「よっしゃ~」と、おどけた。
「どうしたの?」
「さっき話した、お客さんのひとりが今から来るの」
「へ~っ、良かったじゃない」
「杏子のお陰だよ」
「私は、関係ないよ」
「でも、ラッキー」
「本指だね」
「杏子今日何本?」
「2本」
「本指?」
「1本ずつ」
「これで、私も杏子に追いついたよ」
「早く準備しないと来ちゃうよ」
時計は8時半。30分後である。
「うん上がりは11時かぁ。私も一緒に上がって、その後、ふふふっ」
「何言ってるの」ふたりは笑った。冴子は
「これ、飲み物代」と、杏子に千円渡したが、
「いいよ。そんなの」
「ダメダメ。冷蔵庫の中、超高いから」と、杏子に握らせ、冴子は
「ありがとじゃぁ、お仕事と愛のあるセックスして来るね」
「頑張ってね」と、杏子は冴子を送り出した。
冴子にも居たんだ。また、杏子は冴子に本当のことが言えなかったことを悔や
んだ。杏子には密かに思いを寄せる客がひとりいる。38歳の妻子持ち。初対
面で好きに成ってしまった。いわゆる一目惚れ。店で2回、外で5回程出逢い、
その度に逢瀬を重ねた。杏子が好意を持っている分、それがたとえ店の中であ
っても、燃えるものがある。相手は杏子のことをどう思っているか判らない。
そういえば、最近逢ってないなぁ。杏子は、ふとその彼に逢いたくなった。

ドアが、”コン”と鳴った。冴子がお迎えに行く、合図の様であった。

やがて杏子の今日3人目の指名が掛かったのは、10時前だった。
3人目の客は、初めての客で佐藤とだけフロントから聞かされた。佐藤。在り
来りな名前。本名か偽名か判らない。エレベータ前で待つと、いつものように
威勢良くボーイに佐藤が送り出され、お辞儀する杏子の前を通りエレベータに
乗り込んだ。杏子も後に続く。エレベータ内で初めて佐藤と顔を合わせた。未
だに初めての客とはこの瞬間が緊張する。佐藤は中肉中背の穏やかな顔立ちで
あった。年の頃なら30前半。3回に着きトイレを薦めたが佐藤は断ったので、
そのまま部屋へと案内した。部屋に入り、突っ立っている佐藤に
「ソファーにどうぞ」と、薦める。佐藤は、
「あぁありがとう」と、腰を下ろした。
(あまり、慣れてないのかしら?)杏子は佐藤の前に正座し、
「本日は、ご指名ありがとうございます。お時間まで尽くしますので、ごゆっ
くりどうぞ」言い、名刺を渡した。
何か飲み物を勧めると、佐藤はビールを要求した。タバコは吸わないのか要ら
ないと、断った。浴槽に湯を溜めに浴室へ向かった杏子は、何から切り出そう
か考えた。そして佐藤の元に戻り
「こういう所へは、よくいらっしゃいます?」と、尋ねてみた。
「そうでもないですよ。それにこういう高級店は今日が初めてです」
「そうですか。じゃぁ、楽しんで帰ってくださいね」
「ありがとう優しいんですね。杏子さんは」
「まぁ、そんなそれに杏子って、呼んで下さって結構ですから」
「いきなりは、言いにくいですよ」
「じゃぁ、佐藤さんのお好きなようになさって」
「うんそうします」佐藤の緊張もややほぐれたようだ。話すと案外話しやす
そうである。
「では、そろそろ」と、杏子はサービスに取り掛かるため、自分の服を脱いだ。
そして佐藤の服を脱がせながら
「今日は、おひとりで?」
「いえ、同僚と三ノ宮で軽く飲んで、行こう! と、いう事になりまして」
「そうですか」
「それで、待合室で、写真見せられて、杏子さんを取り合ったんです」
「まぁそれはありがとうございます」
「じゃんけんで俺が勝って、杏子さんを頂きました」
「お友達は、誰を?」
「確かめぐみさん」
「じゃぁ、負けないように楽しみましょ」
「はい。お願いします」
そこまで話すうちに、杏子は佐藤の着衣を全て脱がせ、腰にタオルを掛けてい
た。杏子は佐藤の横に寄り添い座って、佐藤に唇を重ねた。佐藤は戸惑ってい
るようだったが、杏子のリードに杏子の唇を貪った。杏子の手は既に佐藤の一
物にあった。キスをしながら一物を扱き始めた。飲んだという割に反応はよか
った。


(4)へつづく・・・

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。