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小説(転載)  Coffee Shop 5/7

官能小説
12 /08 2018

 竹内のあたたかい唇の感触と、熱い息が美知の耳元に伝わり、美知の目がさらに潤む。竹内は、つかんだ手を自分の胸元にねじり込み、美知を強く抱きしめた。美知は竹内の力に全く動けなくなり、躰をほんの少し震わせている。  
 竹内は美知の耳にかかった後れ毛をそっと耳にかけながら、美知の耳たぶを唇でなぞった。美知の躰に電流のようなものが走ったことを、胸元にあてられた美知の指先から感じ取った。指先がぴくんぴくんと痙攣している。

「だ…、だめっ…。」
美知の甘い声に、竹内の中に熱いものが込み上げてきた。
 

「俺は、ずっと前から…、きみのことが好きだったのかもしれない。」
竹内が、耳元でささやくと、美知の体から力が抜け、ふらっと倒れそうになった。
 竹内は美知を支えながら、資料室のドアを開け、美知を机の上にゆっくりと押していく。

ズ、ズズ…ズズズ……
机が美知の腰に押されて動き、棚にあたって止まった。竹内は、仰け反るような体勢の美知の耳元から唇を離し、美知を見つめた。潤んだ瞳と、何かを言いたげに少し開いた唇が、なまめかしい。
 

 竹内は美知の唇に、自分の唇を重ねると、軽く下唇を吸いながら離す。美知の唇はやわらかく竹内の唇を追いながら離れていく。竹内は口づけを何度も繰り返しながら、やがて美知の唇の中へ舌を入れていった。
くちゅっ……ちゅぷっ…

 深く絡み合う舌が、小さな音を立て始めると、竹内は抱きしめた力を少し緩め、セーターの上から、美知の胸に手をあてた。美知の体にフィットしたセーターの手触りが、美知の胸のやわらかさを強調し、思いのほか、美知の胸が大きいことに気づかせる。
「んっ…。」
自分を抱きしめる竹内の力が緩められたすきに、美知が竹内から少し離れた。
「こん…、こんなところで…。」
頬を染めて美知が慌てるのを見て、竹内はにっこりと微笑み、美知の耳元で
「どこならいい?」
とささやく。
「ど、どこって………。」

 
 戸惑う美知をまた抱きしめ、竹内は黙った。さきほどから、美知の腰に押された机は、ギイギイと音を立てて、静まりかえったビル内に響いている。こんな音がしていては、竹内も落ち着かないし、何よりも、もっとゆっくりと美知を愛したいと思った。
「ちょっと待ってて。」
竹内は美知を資料室に残し、出ていった。カツカツという竹内の足音が小さくなる。一人暗い部屋に残された美知は、高鳴る鼓動を押さえるように、両腕を交差し、自分の肩を抱いた。
「どうしよう…。」
躰全身がドクッ、ドクッと脈打つ。
「俺は、ずっと前から…、きみのことが好きだったのかもしれない。」
竹内がささやいた言葉が頭の中でよみがえる。
「ずっと好きだったのは…、私のほう……。」
美知は思った。喫茶店のバイトを始めてから、ほぼ毎日顔を見せる竹内に、美知は密かに思いを寄せていた。竹内と会いたいがために、他のバイトはやめ、喫茶店だけにした。授業の都合でバイトに行けない日は、落ち着かず、竹内への思いが募った。
 痴漢から助けてもらったときは、竹内に抱きつきたい感情をこらえ、あのまま部屋に帰って声を出して泣いた。喫茶店の奥さんにお膳立てしてもらってデートしたとき、竹内自身にデートを誘われたとき、そして、さっきの言葉、どんなにうれしかったことか…。
 美知の目から涙があふれ出した。めまぐるしい想いが美知の感情を高ぶらせる。
 

 一方、竹内は資料室を出ると、オフィスに向かった。
「確か、毛布があったはずだ。」
オフィスの奥には、徹夜で仕事をしなければならないときの仮眠のために、毛布が何枚か置いてあった。
「高校生でもあるまいし…。」
竹内は、何枚かの毛布をかかえて歩きながら思った。女性経験は少なくはない。こんな場所ではなく、自分のマンションでも、ホテルでも、場所を変えればいい。今の自分の行動が、竹内自身、信じられない。なぜだろう。今すぐに美知を感じたいという気持ちが込み上げてくる。竹内は普段冷静なだけに、自分でも驚いているのだ。

 
 竹内がドアを開けると、美知が泣いている。
最悪だ。自分のデリカシーのなさが、美知を傷つけてしまったのだと、竹内は思った。毛布を床に投げ出し、美知に近づく。
「ごめん…。俺が悪かった。…本当に…。」

「ちがうんです……。」
美知は謝る竹内に、首を強く振りながら、その場に座り込んだ。慌てて竹内が毛布を広げて美知を座らせ、自分は床の上にあぐらをかいた。

 
 美知は、自分の気持ちを竹内に打ち明けた。
「気持ちが…、自分でもコントロールできなくて…。ずっと好きだったから……。」
美知が自分の行動に失望して泣いたのではないと知り、竹内はほっとした。そして、今、目の前で、自分のことを好きだと泣く美知を見て、どうしようもなくかわいいと思った。
 竹内は閉め忘れた入り口のドアを閉め、中から鍵をかけた。そして、美知をゆっくりと毛布の上へ押し倒した。

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。