真弓ちゃん2
妄想
真弓ちゃんが僕の家に遊びに来たのは学校が始まってすぐだった。つまらなそうな顔をしていた。引っ越してきたばかりでまだ友達ができないのだろうか、心配になって話を聞いてみた。どうやらクラスの子は転校生に優しくしてくれているようだ。「なんか話が合わない感じなの。」なんてことを言ってきた。「え?」と聞き返す。「内容がテレビのことだったりマンガのことだったりでこどもなの。」おいおい君も子供なんだけど。やはり女の子は体の成長と心が比例するのだろう。「ねえ、おにいちゃんは彼女いるの?」そうか、そういう話がしたいのか。「今はいないよ。」「え?前はいたの?」「うん、中学卒業のときに別れちゃたんだ。」「どんな人?」「気になるの?」「うん。」なんか正直なところがいいな。「スポーツ万能で、僕と同じくらい背が高かったよ。」「どうして別れちゃったの。違う高校なの?」「それもある。」「他には?」「まあ相性が合わなかったからかな。」「相性?」不思議そうな顔をして僕を見る真弓ちゃん。本当のことを言おうと思ったけど飲み込んだ。
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