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小説(転載) 2人だけの奇跡(改訂版)1

近親相姦小説
03 /09 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

「ピンポ~ン・・・ピンポ~ン・・・」
「は~い。」
「聖まりあさんにお届けものです。」
扉をあけると近未来的な見慣れない運送会社の制服の男が段ボール箱を持って立っていた。
「聖まりあさんですね。システムワールドネット社からです。サインをお願いします。」
注文した心当たりのない商品だったが、 気がついたときには手際のよい男の作業の勢いに流されて受け取ってしまっていた。 一人暮らしをしているまりあの部屋に他人が注文した商品が届くはずはない。 しかも、システムワールドネット社という会社の名前も聞いたことがなかった。
「なにかしら?開けても爆発したりしないわよね。」
不審に思いながらも箱を開けてみることにした。 箱の中には手のひら程度の大きさの黒い楕円形に近い形状をした商品が入っていた。 ふくよかなカーブからなる曲線は明らかに女性向けのデザインで、 ツヤのない黒地に S、W、Nの3つのアルファベットでできた会社のロゴと思われるピンク色のマークが描かれていた。 裏側にはちょうど耳が入る程度のくぼみがあって、その内部には音が出るような小さな穴がいくつかあいていた。 さらに、マイクのようなゴム製の棒が収納されていた。
「耳に当てるみたいだけれど、どうやって耳につけるのかしら?」
まりあはその仕組みを不思議に思いながらも試しに耳をくぼみに当ててみた。 すると機械の内部が自動的に変形して耳から外れなくなってしまった。 痛くはなかったが、耳たぶを全体的に両側から優しく包み込んで完全に取り外すことができなかった。 そして機械の内側から音が聞こえてきた。
「GPS衛星の電波を認識できません。電波の圏外にいます。初期設定が実施できません。」
なんのための機械なのかはわからなかったが衛星からの電波を受信して、 音声でなにかを伝える機械であることだけはわかった。
「どうやったら外せるのかしら?」
まりあはこの機械の使い方に興味があったが、友達と待ちあわせの約束もあり外出しなければならなかった。
「こんなものをつけたまま出かけるわけにはいかないわ。」
しばらく外そうとして努力してみたが、どの方向に引っ張っても外れる気配がない。 時間もないので仕方なく付けたまま着替えることにした。 しかし、実際に着替え始めてみると、その機械は想像以上に耳にフィットしてまったく邪魔にはならず 次第に違和感がなくなっていった。 耳を完全に覆っている割には周囲の音はしっかりと聞こえていたし、 日常生活の邪魔にはまったくならないように感じられた。 髪で完全に隠してしまえば外見もそれほど気になるような大きさではなかったので、 そのまま出かけることにした。

 家を出て最初におかしいと感じたことは、電線や電柱がまったくなくなっていたことだった。 まりあのアパートは都心にほど近い場所であるにもかかわらず、 まだ開発されていない少しのどかな環境にあった。 しかし、電線の張り巡らされた見慣れた風景は一変していて、 建物と道だけの風景がかえって殺風景に感じられた。 確かに昨日までは未開発の地を象徴する蜘蛛の巣のように張り巡らされていた電線が まったくなくなってしまっていた。 そのとき突然耳元でまた機械の声が聞こえてきた。
「GPS衛星確認。現在位置確認。電波正常、本部との接続完了。血圧値正常。精神状態異常なし。」
前半はカーナビのような印象だったが、後半は健康器具のような内容だった。
「健康器具かなにかの試供品かしら?」
そう思いながら階段を降りて行った。 建物から出ると見慣れた景色が少しずつ違っていて、間違い探しをしているようだった。 綺麗に立て直している家もあれば、知らないビルが建っている場所もあった。 通勤で通い慣れた最寄り駅までの道のりなのに、まるで異世界に迷い込んだような感覚におちいっていた。 いつもの道をいつものように歩いているはずなのに、 初めて訪れた土地を手探りで歩いているような心地だった。
「この機械といい、景色といい、なにかがおかしいのよね。」
まりあはふわふわとした不思議な感覚のまま地下鉄の入り口を降りて行った。

 そして都心の駅を出たとき、その圧倒的な変貌ぶりにまりあはただただ呆然とするしかなかった。 見たことのないような材質でできた高層ビルが立ち並び、 眩しいほどに太陽の陽を反射してまりあを照らしていた。 まりあはその輝きに圧倒された。
「血圧が低下しています。休憩が必要です。直ちに休憩してください。 血圧が低下しています。休憩してください。」
貧血気味でめまいを感じていたまりあの耳元で機械がわかりきったことを繰り返し指示する。 まりあはたまらず出口の片隅にしゃがみ込んで懸命に事態を把握しようと努力しようとしていた。 しかし、耳元で響く機械音ががめまいを悪化させて落ちつくことすらできなかった。
「どうしたんですか?大丈夫ですか?」
しばらくして頭上で若い男性の声がした。 おそらくまりあに対して声をかけているのだろうが、 まりあにはその声に対してまともに答える余裕がなかった。
「ええ、大丈夫です。大丈夫ですから。」
まりあは顔をあげることもなく必死で断った。 この得体のしれない世界の人と関係をもつことにも無意識に恐怖を感じていた。
「こんなところにいたら危ないですよ。もっと人が少ないところに行きましょう。」
まりあはとにかく断ることしか頭になかった。
「大丈夫ですから・・・大丈夫ですから、放っておいてください。」
そう言って男の顔を見上げた瞬間に、男の背後で輝く陽の輝きに目がくらみ意識が遠のいた。 そして大地が大きく回転した。

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。