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小説(転載) 蒲柳の母4-3

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 由布が1人で家にいるときは心が乱れることはほとんどなかったようだ。 やはり、対人関係に問題があるのだろうか。 太一はあの日以来、夕食を外で食べてから帰ってくる。 帰宅してからも自室を出ることはほとんどない。 明らかに由布を避けて生活していた。 由布もそんな太一を責めることはしない。 やはりさすがの由布でも後ろめたい気持ちがあるのだろうか。 なにも言わずに幹太と2人分の食事しか用意をしなくなっていた。
「お母さん。」
幹太は夕食中の沈黙を破って由布に話しかけた。
「なに?」
由布は極力何事もなかったかのように返事をしたが、 幹太には由布がなにかに恐れているような感じがした。
「ユッコがいなくなってから、お母さんはなにを考えているの?」
ユッコの話題に触れることは非常に危険なことであるとわかっている。 しかし、このユッコの壁を乗り越えなければ、いつまでも暴力的な由布を恐れて生活することになってしまう。 幹太はこれ以上病んだ由布を見たくなかった。
「ユッコは関係ないでしょ。」
由布には幹太が質問したいことがわかっていた。 しかし、ユッコが由布の心の支えになっていたことを認める気はなかった。
「お母さんを病気みたいに言わないで。」
幹太は決して由布が病んでいると言葉にしたわけではない。 ただ、考えを聞いただけである。 それにもかかわらず由布は幹太の心配を感じとって質問に答えていた。 しかも、由布が気にしていることを明言してしまっていた。
「そんなんじゃないよ。ただ、寂しそうだなぁって思っただけだよ。」
幹太は由布の心を気遣って言葉を選んだ。 そしてできるだけゆっくりと丁寧に、しかし由布を見ることなく話を続けた。 由布はうつむいたまま少しずつご飯を口に運んでいる。 育ちざかりの幹太は速いペースで箸を動かしている。
「寂しくなんかないわよ。友達だってたくさんいるもの。」
由布は幹太に答えながら自分にも言い聞かせていた。 由布も由布なりに事態の改善を図ろうとしていた。 もうユッコがいないという事実を受け入れることはできていた。
「ユッコがいればこんなことには・・・」
そんなことを思う日はとうの昔に終わっていた。 ユッコに助けを求める気もなかった。 この新しい環境でなんとかしなければならないと考えていた。
「お母さん、家で話し相手だったユッコがいなくなったからそう見えるだけよ。」
相変わらず由布はうつむいたままである。 幹太は黙って立ち上がるとお茶碗にご飯を山盛りよそいだ。
「それならいいんだけど、 おしゃべりじゃないお母さんなんてなんかおかしいよ。」
幹太は座りながら由布の表情を横目で確かめた。 心なしか由布の瞳がうるんでいる気がした。
「だから話し相手がいなくなっただけだって言ってるでしょ。」
由布の語気が強くなった。 しかし、幹太の優しさがわかるだけに不満をぶつける場所がなかった。 由布のプライドは絶対に心の病を認めない。 幹太がなにを問おうと由布の返事は決まっていた。
「オレ、ユッコの代わりにはならないかもしれないけど、 なんでもしゃべってくれたらいいし、オレ、なんでも聞くし、なんでもするし・・・」
幹太はそう言いながら由布の箸をもつ右手が震えているのに気がついた。
「そんな必要ないって言ってるでしょ!」
由布の立ち上がるのが早いか、その瞬間には幹太が由布の体を抱きしめて押さえつけていた。 由布の右手からお茶碗が落ちて床にご飯が散らばった。
「どうして・・・どうして・・・」
由布は涙を流して悔しがった。 幹太の前で耐えられなかったことが悔しかったのではない。 自分自身を制御できなかったことが悔しかった。 由布の高いプライドは弱い由布を決して認めようとはしなかった。
「病院に行ってみようよ。」
幹太はこのタイミングなら由布も聞いてくれるかもしれないと思った。 しかし、由布はそんなに簡単に意思を変える女ではなかった。
「病気じゃないって言ってるでしょ!」
由布は幹太の腕の中で泣きながら叫んだ。 幹太にはこれ以上どうすればよいのかわからなかった。 しかし、由布には新たな希望が見えかけていた。 幹太に強く抱きしめられていると、自然と由布の気持ちが落ち着いていくのがわかった。 これまでに経験したことがないほど急激に安心感を取り戻すことができていた。 次第に不安が募る幹太に対して、由布は落ち着きを取り戻そうとしていた。
「幹太。」
由布は非常に落ち着いた声で幹太を呼んだ。
「なに?」
幹太は不安と驚きが入り混じる中でなんとか声を出した。
「もっと強く抱きしめて。」
幹太には信じられない言葉だった。 さっきまで暴れようとしていた由布が、突然幹太を受け入れるとは思えなかった。
「どうして?」
幹太はとっさに由布の発言を否定してしまった気がして後悔した。 しかし、由布は予想外に素直だった。
「なんだかわからないけど・・・こうしていると・・・落ち着くの。」
幹太はしばらく黙って由布を抱きしめ続けた。 由布もうつむいて幹太に抱きしめられ続けた。 その沈黙を破ったのは由布のプライドだった。
「もういいわよ。」
そう言うと由布は幹太の腕からするりと抜けだして、足元に散乱したご飯を集め始めた。 幹太も黙って夕食の続きを食べ直した。 これが幹太の抱擁を許した初めての夜だった。 由布の体に変化が生じ始めていた。

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。