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小説(転載) 蒲柳の母5-1

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 それ以来、由布の暴力は影をひそめた。 しかし、そのためには大きな問題をともなった。 幹太の抱擁が欠かせなかったことである。 この抱擁に愛はなかった。 あるのは由布の衝動と幹太の奉仕だけだった。 由布の心が乱れ始めると暴れ出す代わりに幹太に抱擁をねだった。 暴力を抑えようとする気持ちが衝動的に幹太を求めた。 そして心の安静をとり戻すと避けるように幹太から由布は離れた。 幹太はそんな由布の行為に不満を感じたことはなかった。 むしろ由布の役に立つことができている気がして嬉しかった。 そんなある日、ユッコから幹太に電話があった。 ユッコが由布の電話を拒否してから1ヶ月ほど経っていた。
「幹太?あれから全然連絡がないけどお母さんはどうなの?」
幹太はユッコがどこまで知っているのか不安だった。
「お母さんからはなにも聞いてないの?」
とりあえず当たり障りのない会話をして様子をみる。
「お母さんも意地になってないで電話くらいしてくればいいのに、 あれから全然連絡がないのよ。まあ、私もきつく言っちゃったからしにくいのはわかるんだけどさ。」
ユッコはなにも知らないようだった。
「とりあえず暴れることはなくなったよ。」
「暴れるってお母さんなにしたのよ!」
ユッコの驚愕の反応を聞いて幹太はユッコが由布が暴れたことを知らなかったのだと気がついた。 その瞬間、余計なことを言ってしまったと後悔した。 しかし、しゃべってしまったことはもうどうしようもない。 素直に状況を説明することから始めた。
「原因はわからないんだけどさ、お父さんとなにかあったみたいで、 突然お茶碗とか投げ始めちゃって、止めるのが大変だったんだから。」
幹太は初めて由布が暴れた日のことを話した。
「そんなことがあったなんて全然知らなかった。 どうしてなにも教えてくれなかったのよ。」
ユッコは幹太にすべてを任せて由布のご機嫌とりを放棄したことを覚えていなかった。
「どうしてって、ユッコがもう電話するなって言ったんだろ。」
幹太は無責任なユッコの発言に怒りをあらわにした。
「でも、そんなことになってるのなら報告くらいしなさいよ。」
幹太にはユッコの判断基準がわからなかった。 今まで1人で頑張って由布を守ってきたことがバカらしくなってきた。
「報告したらユッコがなにかしてくれたって言うのかよ!」
幹太はこれまでの努力が虚しくなって涙声で叫んでいた。
「なに?幹太泣いてるの?わけわかんない。」
ユッコはまだ幹太の大変さを理解してあげることができなかった。
「どうせ苦しい思いをしてるのはオレだけだよ。 ユッコなんか東京で仕事だけしてればいいんだよ。」
幹太は自分でもこんなにストレスが溜まっていたとは思っていなかった。 1度出始めた不満は次々と幹太の口から飛び出した。
「どうせお母さんが暴れてるときのオレの気持ちなんかわかんないんだろ。 もう手当たり次第に物を投げちゃってさ。いろんなものが割れたり壊れたりするし、 押さえつけようとしても殴られるし、もうめちゃくちゃなんだぞ。」
幹太は一気にまくしたてた。
「今でもそんな感じなの?毎日なの?」
ユッコはようやく事態の深刻さを理解し始めたようだった。
「やっと落ち着いてきたところだよ。」
そう言って幹太は初めて由布との抱擁が異常であることに気がついた。 とてもユッコに報告できるようなことではなかった。 異常な由布を落ち着かせるために異常なことをしていたのだ。 幹太はしばらく混乱して放心状態だった。
「それで最近はどうなのよ。」
ユッコの言葉で幹太は我に返った。
「もうだいぶ大丈夫みたいだよ。」
しかし、なぜ大丈夫になったのかを言うことはできなかった。
「お母さんも落ち着いてきた感じなの?」
「そ、そう・・・そんな感じかな?」
幹太は慌ててユッコの言葉を肯定した。
「私がいなくなっちゃったからなのかなぁ。」
ユッコも多少は責任を感じているようだった。
「ユッコのせいじゃないよ。 急に環境が変わったから体が拒絶反応を示したんだよ。 もう、だいぶ慣れてきたんじゃないのかな。」
幹太は思いつきで環境に責任を押しつけた。
「それならいいんだけど。」
ユッコはいまいち腑に落ちない様子だった。
「でも、最近はもう暴れることもなくなったし、 ユッコがいなくなったからじゃないと思うよ。」
幹太の心はユッコとの会話にはなかった。 とにかく早く電話を切って自分の気持ちを整理したかった。
「ホントに?なにかあったら絶対に連絡してよ。」
「わかったよ。また暴れたら電話するよ。」
他人に説明するとは恐ろしいことである。 自分の行為を客観的に見つめ直す機会になってしまうこともある。 幹太は由布を抱きしめるという行為そのものがもつ異常性を認識してしまった。 理由はどんなことであれ、実の母を抱きしめるという行為が正常なわけがない。 事実、幹太はユッコにそのことを言うことができなかった。 もちろんユッコ以外の誰にも言うことができない。 そんな行為を幹太は毎日のように繰り返していたのである。

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。