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小説(転載) 蒲柳の母5-2

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 幹太の苦悩をよそに由布は幹太に抱擁を求め続けた。 由布は抱擁依存症だった。 いや、幹太依存症だったのかもしれない。 由布が暴れることがなくなったのは、由布が暴れる前に幹太の抱擁を求めるからである。 おそらく幹太が抱きしめなければ、由布は自分を止めることができない。 由布もそのことを知ってか、頻繁に幹太の抱擁を求めた。 由布は幹太の抱擁よりも暴れることの方を恐れていた。
「幹太。抱きしめて。」
あのプライドの高い由布が当然のように自ら幹太に声をかける。 幹太も断る理由がない。
「いつもみたいにもっと強く。」
由布は恋人のようにすがりつく。 幹太が意識するからそう感じるのかもしれない。 ただ、これまでのように無条件で由布を強く抱きしめることはできなくなっていた。 実の母を抱きしめるという覚悟を決めなければならなかった。
「お母さん。オレが抱きしめなきゃダメなの?」
由布はそんなことを考えたことはなかった。 自分を抑えきれなくなるとき、抱きしめて落ち着かせてくれたのは幹太だけだった。
「他に誰がいるのよ。」
由布にとっては抱きしめてもらうことは前提条件だった。 幹太の質問には「誰がするのか?」という点だけに疑問を感じた。 しかも、由布は息子に抱きしめてもらうことに違和感を感じていない。 幹太は黙って由布を強く抱きしめた。 幹太にも由布の気持ちが落ち着いていくのがわかった。 錯角だったのかもしれないが、確かに幹太は感じていた。
「もういいわよ。」
由布は決して礼を言わない。 幹太には抱擁を熱望してくる由布が軽く簡単に去っていくときには気が抜ける思いだった。 初めの頃は由布が限界に達する瞬間に幹太の抱擁を必要とした。 その頃は由布の気持ちの落差も激しかった。 もうどうしようもないほど落ち込んでいるときに幹太に助けを求めてきた。 そのときは幹太にも抱擁のしがいがあった。 由布も明らかに見た目が変わるほどに安心して離れていった。 しかし、最近は由布が気軽に抱擁を求める。 少し落ち込むと幹太に抱きしめてもらう。 そしていつもの由布に戻って帰っていく。 この軽さに幹太の悩みが絡まりあって、幹太は抱擁の必要性を疑い始めていた。
「もう抱きしめなくてもお母さんは大丈夫なんじゃないのか?」
そんなことも考え始めていた。 これは実の母を抱きしめるという行為に疑問を感じている幹太の考えである。 実際に大丈夫なのかどうかは確かめてみればわかることである。 しかし、常軌を逸して暴れる由布を思い出すと幹太にはそれを確かめることができなかった。 実の母であっても助けることを優先するべきであると考える幹太もいた。 2人の幹太のせめぎあいは由布の前では常に抱きしめる幹太の勝ちだった。
「幹太。抱きしめて。」
そう言われると抱きしめないわけにはいかなかった。 由布はおとなしく幹太の腕の中に納まる。 ちょうど由布の髪の香りが幹太の鼻孔を刺激する身長差である。 由布の体は肉に包まれていて柔らかい。 優しく抱きしめるとまるで泡を抱きしめているようである。 幹太が知っていた由布はプライドだけで生きているような強気の由布である。 幹太が由布を抱きしめることがなければ、こんな由布の弱さを感じることなどなかったであろう。 幹太の体も由布より大きくなって由布を見下ろすようになった。 抱きしめれば抱きしめるほど由布の弱さに気がつくように感じる。 強く抱けば抱くほど、簡単に水に溶けて流れてしまいそうな弱さを感じる。
「お母さんを守ることができるのはオレしかいない。」
由布にはそう思わせるなにかがあった。 高いプライドのもとで自由気ままに生きている由布だったが、 だからこそその弱さを垣間見せたときにはより一層魅力的に見えるのだった。 そんな由布が毎日のように幹太に抱擁を求める。 幹太にだけ見せる由布の弱さである。 太一もユッコも知らない由布がそこにはいた。 幹太は由布を正面から抱きしめる。 幹太の手は由布の背中に回る。 肩甲骨がある辺りに指が届く。 肉に包まれて骨の感触はない。 強く抱きしめると肉がきしむ。 由布は胸の前で腕を組んでいる。 由布の腕が由布を守っている。 幹太はそんな由布を壊してしまうかと思えるほどの力で抱きしめる。 由布もその力強さを求めている。 しかし、由布は幹太にユッコの役割を求めたことはない。
「お母さん、なんでも話してよ。」
幹太はそんな声をかけたことがある。 そんなとき由布はただ微笑んで去っていく。 必要があるともないとも言ったことはない。 幹太にはそれが不満でもあった。 由布の役に立っていることだけは確かにわかる。 しかし、ただ抱きしめるだけの役割には物足りなさを感じていた。 由布を完全に立ち直らせるためにはただ抱きしめるだけでは不十分なはずだった。 昔の由布を取り戻すためには抱きしめる以外の行為が必要なはずである。 それがなにかわからなかった。 毎日のように、ただ由布に求められて抱擁する。 ただそれだけしかできない自分の頼りなさが情けなかった。 幹太は由布を守り続けて、昔の笑顔を取り戻すことができる男になりたかった。

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eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。