小説(転載) 「風俗銀行○○支店」
官能小説
保存してあったフォルダ名で検索したところ「過去に発表した作品集 Yhoo!のブログが削除されたので、新たな形で再スタートしました!」と作品を紹介しているサイトを見つけた。しかしアップされている作品には保存してある作品がない。同一人物のものではないのか不明のままだ。
「風俗銀行○○支店」
「いらっしゃいませぇ」
自動ドアをくぐり、一歩足を踏み入れた途端、わたしは呆然としてしまった。
「いらっしゃいませ、本日はご入金ですか?」
スーツに身を包んだ初老の男が近づいてくる。
「え、ええ」
「では、こちらのカウンターへ」
わたしは案内されるまま、一人の窓口嬢の前に立つ。
「いらっしゃいませ」
窓口嬢はにこやかな笑みを浮かべる。
「本日は?」
「あ、あの、新規で通帳を…」
「まあ、ご新規ですか」
彼女は派手に喜びを示し、両手を組む。
「で、ご入金はいかほど」
「とりあえず、千円」
「え~、千円ですか?お客様、一万円以上ですと特別サービスが、五万円以上ですとスペシャルサービスがつきますけど」
「は、はあ」
「さらに、長期定期預金ですと特別オプションが、さらに、積立預金ですと毎月のお積立金に応じてスペシャルサービス、フルオプションという…」
わたしは周囲を見まわした。明るい照明に清潔な店内。並ぶ窓口嬢に机にへばりついている事務職員。高い天井、長椅子ソファーに積み重ねられた雑誌類。ど こをどう見ても普通の銀行だ。ただ違うことといえば現在の時間が午後十時。そして、行員OLの透けたブラウスの胸元には全員ピンクの豆粒模様が浮かんでい る。しかし、それは服地のアクセントでも何でもない。つまり、OLたちは誰一人として下着を着けていない。浮かんでいるのは彼女たちの乳首が透けて見えて いるのだ。
「いやあ、うちもね、例外なくバブルの乱脈融資がたたって破綻寸前なんですよ。しかも、小さな地銀でしょ、受け入れてくれるところもない」
取材に応じてくれた頭取がいった。
「そこでね、考えたんですよ。なにも利率を上げ下げするだけが銀行のサービスじゃない。大蔵省、今の財務省ですか、は金融自由化で銀行も勝手にやっておくれという。それなら、そうさせてもらおうじゃないか。というわけで、始めたんです」
風俗業の申請もし、認可される。職にあぶれた女の子をかき集め、日本初、いや多分世界初の風俗銀行がスタートしたわけだ。
「おかげさまで預金率はうなぎ上り。引き出し率はゼロに近い」
頭取は禿げ上がった頭を撫ぜ、恰幅のいい腹を震わせて大笑いするのであった。
というわけで、わたしは取材もかねてこの銀行を訪れたわけだ。
「じゃ、じゃあ、一万円」
わたしは窓口嬢に告げる。
「ありがとうございます。総合通帳でよろしいですね?」
「はい」
「ハイ、ニューお通帳のお客様ご案内でーす!」
彼女は大きな声で叫ぶ。途端にさっきの男子行員が慇懃に頭を下げて近寄ってくる。
「ありがとうございます。受けうけましたのは当行のナンバー1、サユリです」
わたしは窓口嬢、サユリを見る。彼女はにっこり微笑み、ブラウスのボタンに手をかける。
「では、こちらへ」
行員はわたしをカウンターの中へと案内した。
「はい、どうぞ」
カウンターの中は狭い区切りで覆われていて、案内の行員はカーテンを閉じる。背後にたったわたしに対し、サユリはイスを回して向き合う。そして、ブラウスのボタンを全部外し、乳房を剥き出しにしてわたしに示す。
「触っていいのよ」
小悪魔的な笑みを浮かべるサユリ。わたしは震える手を差し出し、形のいい乳房に触れる。
「いやん…」
甘酸っぱい声を上げるサユリ。わたしは手のひらに力を込め、揉み上げる。
「あん、優しくして」
その声に頷き、わたしはゆっくり、小さな乳首の感触を楽しむように指を蠢かせる。
「うん、お上手、あん、いい気持ち」
わたしは次第に興奮を覚え、顔を近づけようとした。
「はい、そこまで!」
行員のはっきりした声が響き、カーテンが開く。
「本日のご預金、ありがとうございました!」
その声に追い出されるようにわたしはカウンターから出る。
「また来てネ」という、サユリの声を背中で聞きながら。
「金額の割りにサービスが寂しいように思いますが」
わたしは頭取に訊ねてみた。
「ま、そうですな。けれどね、金はあくまでもお客様のものだ。本行のものじゃない。普通預金ならいつでも引き出しに応じなければならない」
「その分サービスが…」
「ま、そういうことですな。しかしですな。オプションやなんかで、本物の銀行で本物の銀行OLとナニができるわけですから」
「好きな人にはたまらない、と」
「まあ、あれですよ。今までも、新規に通帳を作るとラップやティッシュを配っていた。あれと同じ事ですよ」
日を改め、わたしは月々五万円、十年積み立て預金を申し込んだ。
「十年積立、五万円コース、ごあんなーい!」
サユリが叫ぶ。スーツ姿の案内行員がすぐにやってきて、深々と頭を下げる。
「このたびは長期積立五万円コースの新規お申し込み、ありがとうございます。ご案内いたします。こちらへ」
行員はわたしを導く。わたしは店の奥まで案内され、とある個室に通された。
「こちらでお待ちを、ご指名はサユリで?」
「あ、はい」
「かしこまりました」
行員はパチンと指を鳴らす。すると、同じように薄手のブラウスにノーブラのOLが水割りを持って現われた。
「おタバコは?」
床に膝を付き、テーブルにグラスを置いたOLは言う。
「あ、はい」
彼女はスカートの間からタバコを取りだし、わたしに手渡すと、火をつけた。
「それでは、ごゆっくり」
OLはそのまま立ち去る。サユリとタイプは違うが、なかなかそそられる体つきをしている。
わたしは水割りを口に運び、周りを見回した。豪華な調度品にふかふかのソファー。風俗の待合室というより、企業の応接室といった感じだ。
「お待たせしました、用意が整いました」
案内役の行員が訪れわたしに言う。
「また別の部屋?」
「申し訳ございません。しかし、こちらの方が…」
行員は卑屈な笑みを浮かべる。
「そう…」
酔いが手伝っていたのだろう。わたしは少し横柄な態度で立ち上がる。男はやはり慇懃な姿勢でわたしを別の部屋へ案内するのだった。
通されたのは普通のオフィスだった。スチール製の机が並べられ、書類が乱雑に積み上げられ、コピーにパソコン、片隅にはコーヒーメーカーが所在なげに据え付けられている。
「こんなところ…」
わたしは男の姿を探した。しかし、役目を終えた男は早々に姿を消している。
「何だよ、いったい」
わたしは一人愚痴る。そんな時、扉が開き、一人のOLが入ってきた。
「お待たせしました」
わたしは彼女を見た。それは、ついさっき、カウンターの向こうで大声を張り上げていたサユリだった。
「さ、わたしはこの銀行のOL、あなたは?」
「え…、おれ?」
「そう、同僚の男子行員でもいいし、上司、出入りの業者、そうねぇ、無理難題を押し付けにきたヤッちゃんていうのもあるけど」
早い話がイメクラである。ただし、どういう形であれ、相手は本物の銀行OLだし、ここは本物のオフィスだ。シチュエーションは完璧。
「そ、そうだな、こんなのはどうだろう」
出納係のOLが残業をしている。どんなに計算をしてもその日の出金額と入金額が合わないのだ。上司のわたしは確認印を押さないと帰れない。つまり、この銀行に残っているのはわたしと彼女の二人だけと言うことになる。
「そこでさ、業を煮やした上司が自分のポケットマネーを出す替わりに、身体を求めるっていうのは」
「いい、それいいね」
サユリはそういって微笑んだ。
わたしは銀行勤めの経験も、サラリーマンの経験もない。そして、毎日毎日、ぴちぴちの制服に身を包んだOLを眺め、心の中で凌辱を犯しているであろうヤツらを羨ましく思っていた。
「じゃあ、あなたはココに座って。わたしはココに…」
サユリは部屋の中ほどにあるデスクに座って書類の束を取り出した。そして、髪を束ねるとかなりのスピードで電卓を叩き始める。わたしは少し離れた机に座り、その様子を眺めていた。
「へぇ、うまいもんだね」
「だって、銀行員なんだもん」
サユリは俯き書類に目をやったまま微笑む。わたしはそんなサユリを見つめプレイをスタートさせるのであった。
「ま、まだかね、サユリくん」
わたしは慣れぬ口調で言う。
「は、はい、まだ…」
「何だねいったい、いくら足りないんだ」
わたしは席を立ち、サユリの背後に回る。
「三万円」
「三万円とは、また…」
「わかんないんです、原因が」
「わかんないじゃないだろう、君の責任だろ」
今にも泣き出しそうな声でサユリは言う。演技は真に迫っている。泣きべそを書きながら帳簿に向かうサユリ。束ねられた髪の間から浮かぶ項が艶かしい。
「仕方ないねェ、今日のところは立て替えてあげるから」
「え?」
サユリは驚きと喜びの混じった複雑な表情でわたしを見上げる。
「そ、その代わり」
「その代わり?」
「いいだろ、分かってるんだろ」
わたしはいきなり、サユリのブラウスに手を伸ばす。
「い、いけません、やめてください…」
「わたしはいいんだよ、何時間残業しても。誰もいない事務所で君と二人きりなんて、滅多にないことだからな。でも、君は困るだろ」
「……」
「だからな、家に帰してあげようと言うんだ。その代わり、な、分かるだろ」
わたしはブラウスのボタンを一つ、二つ外し、元より何物にも覆われていないサユリの乳房をまさぐる。
「あん…」
サユリは、か細いが甲高く甘い声を上げる。
「なんだ、もうこんなに乳首が勃ってるじゃないか。案外こうされるのを…」
わたしは形のいい乳房を鷲掴みにする。吸いつくような肌触りが指に絡まる。
「ああん、ダメ、やめてください…」
口では拒絶を示してみても、サユリは確実に興奮を覚えている。肌がうっすらと桃色に色づき始め、体温が上がり、甘酸っぱい芳香が湧き起こる。吐息が切なく小さな鼻腔から漏れる。唇はぬらりと濡れ、ちろちろと舌先が顔を覗かせる。
「さあ、そのままわたしを舐めなさい」
わたしは去サユリを向き直らせるとズボンのファスナーを下ろした。そして、トランクスの中から半ば力のこもったペニスを取り出す。示されたサユリはわた しを見上げ艶然とした笑みを浮かべる。そして、ずり落ちるようにイスから降り、ひざまづくと指を添えて舌を這わせ始めるのだった。
「おお、いい…」
わたしは思わず呻き声をあげてしまう。サユリは舌先でわたしの先端を微妙な動きで擽ると、そのままぐるりと頭をなぞる。そして、カリ首をテロテロとなぞり、サオを丹念にしゃぶり尽くす。
「どう、気持ちいい?」
「じょ、上司に対して、その、言葉遣い…」
「あ、すいません…、どうですか、気持ちいいですか?」
小百合はクスリと笑うとおもむろにわたしを呑み込む。
「あ、いい、上手…」
わたしはだらしなく声を上げてしまう。それほどにサユリのテクは巧みで細やかで、ツボを心得ている。
「ふんふん、ふふん、ふん、あん、んん…」
鼻から零れる淫靡な息遣い。そして、チュパチュパ響くいやらしい唾液の音。サユリは激しく首を前後させ、頭を回転させ、わたしの興奮を増幅させていく。 頬の内側で圧迫を込め、時折歯茎で軽い刺激を加えてくる。舌は休むことなく渦を描き、暖かで柔らかく、それでいて強烈な快感がわたしを支配する。
「いいでしょ、サユリ、上手?」
「最高だよ」
サユリの小さな唇にくすんだわたしの肉棒が埋没していく。可憐で華麗な顔面をわたしの欲望が突き刺さる。
「ふふん、あぅん、どうです、このまま口でイッちゃいますか?それとも、入れちゃいますか?」
「入れていいの?」
「スペシャルサービスですから、何なりと」
わたしは挿入を希望する。するとサユリは二、三度わたしを弄ぶと、ぬるりと抜き出す。わたしのペニスと彼女の唇が唾液の糸で繋がっている。
「ふふふ…」
立ち上がり、上目遣いに妖艶な笑みを浮かべるサユリは、そのままブラウスのボタンを外し、タイトなスカートを脱ぐ。ストッキングをずり下ろし、ショーツ一枚だけが彼女の肢体に残されている。
「最後の一枚はあなたが、ネ」
サユリは言う。わたしはそのまま彼女を机に押し倒し、唇を重ねる。
「あうん…」
サユリは舌を絡め、唾液を注ぎ込んでくる。わたしはねっとりとした感触を楽しみつつ、乳房を執拗に探る。
「うん、優しく…」
唇を外し、首筋を舐め、浮き出た鎖骨をなぞり、乳首を含む。
「あ、そこ、イイ…」
敏感なサユリはすぐに反応を露にする。身を何度も捩り、微かな痙攣を繰り返す。わたしは乳房を口に含んだまま、下腹に手を伸ばした。ショーツの中は産毛のような薄い茂みが存在し、柔軟な肉裂は既に十分潤っている。
「こんなになって、早く欲しかったの?」
「うん」
少女のようにサユリは頷く。わたしはそのままショーツを下ろし、蛍光灯の下ではっきりと浮かび上がる陰唇を観察する。
「ヤダ、そんなにじろじろ見ないで」
サユリは脚を組み、隠そうとする。
「広げて、もっと」
「でも…」
「早く」
わたしの命令に、サユリはゆっくりと両腿を広げる。デスクに尻をつき、ゆっくりゆっくり、焦らすように開脚していく。恥ずかしそうにあごを引き、長い睫に覆われた瞳でわたしを見つめ。
「ほお」
こんな仕事をしている割に、形も整い色もくすんでいない。サーモンピンクをした、蘭の花びらのような部分はひくひくと待ちわびて疼いている。
「ヤダヤダ、もう、変なの」
サユリは唇を舐め、自分で胸を揉み始めた。
「こんなの初めて、お願い、もういいでしょ」
「いや、まだまだ」
わたしはじっと立ち尽くし、サユリを見る。疼く肉欲に我慢できなくなったのか、サユリは自分で部分に手を伸ばした。
「あん、欲しい、欲しいの…、早く、サユリのココに入れて、お願い、いじわるしないで」
陰核を探り、肉ビラに指を這わせる。そして、自らの指を挿入させ、激しくこねくり回す。
「ああん、イイ、気持ちイイ、見られてるとイイ…」
わたしの目の前でサユリは激しく悶える。愛蜜がとろりと滴り落ち裂け目と尻穴の境を伝い落ちていく。
「アアンアアン、イイ、だめ、イッちゃいそう、ああん」
「じゃあ、もういいか、入れなくても」
「ヤダ、入れて欲しいの、太いの、大きいの、入れて欲しい」
「俺の何が欲しいんだ?」
「あなたのオチンチン」
「どこへ」
「サユリのココへ」
「どこへ」
「ココ、オマ×コ」
「どこだ?」
「オマ×コ、あん!早くぅ!」
サユリはあられもなく喘ぐ。わたしは頃合を見計らい、サユリの太腿を抱え上げると、熱く熟した肉壷に挿入を果たすのだった。
「あうん…!」
サユリは大きく仰け反った。わたしはそのまま内部を味わう。うねうねと蠢き絡まる膣壁。細かい粒が微かな蠕動を繰り返す。とば口がわたしをきっちり咥え込み、窮屈なほどの肉圧が捕らえて離そうとしない。
「早く、早く動いて、サユリを掻き混ぜて!」
「よし」
わたしは抽送を始めた。するとサユリの圧力が増しわたしのクビレとピッタリフィットする。抜き差しするたびにクリクリと部分が刺激される。
「すごい、いいよ」
「いい?サユリ、いい?すてき?」
「すてきだ、最高だ」
このままでは余りに早く達してしまう。わたしは緩急を加えつつ、体位を変える。サユリを腹這いにし、バックから貫き通す。
「アアン!すごい、サユリ、狂っちゃう!」
誰もいないオフィスにサユリの嬌声がこだまする。無機質な仕事場に似つかわしくない湿った響き、そして、行為。
(なるほど、ハマるかもしれないな)
わたしはサユリの小さな尻タボを抱え、腰を突き入れながら思った。
「イッちゃう、イッちゃう、サユリ、イッちゃう。うん、イカせて…」
「まだまだ、ダメだよ」
わたしはイスに腰掛けサユリを抱きしめた。サユリはわたしの膝の上に腰を下ろし、自ら誘う。サユリの一番深い部分までわたしは到達する。サユリの子宮口がコリコりと伝わってくる。わたしは乳房を含み、股座に手を伸ばしてクリットを探る。
「アアー!もうダメ、死んじゃう、ヤダ、こんなの、ああん、サユリ、狂っちゃうん!」
わたしのペニスが折れてしまうのではないかと思うほど、サユリは腰を上下させる。髪が乱れ、眉間に浅い皺を寄せ、大きく口を開けサユリは悶え狂う。
「イクイク、イッちゃう、もう、お願い、許して、イカせて!」
「どこに出して欲しい」
「どこでもいい、どこでも」
「中でもイイのか?」
「中でイイ、あん、熱いの一杯ちょうだい。サユリの中にぶちまけて!」
わたしは希望通りサユリの内部に迸りを放った。サユリは呼吸を止め、最後の一滴が注がれるまで受け止めている。筋肉が緊張している。やがて、うっすらと瞳を開け、サユリはわたしに跨ったまま、薄い笑みを浮かべるのだった。
「サラリーマンの経験がないわたしでもハマりそうになるんですから、常に思い描いている連中には大ウケでしょう」
わたしは頭取にいう。
「はい、何も金を全部なくしてしまうわけじゃない。あくまでも預金、資産ですからね、損はない」
「けれど、預金した後すぐに解約とか」
「それは解約のお客様に対するマニュアルが存在しまして」
「マニュアル?」
「そう、窓口が個別に説得するんですわ。何せあのカッコで色仕掛け。素直に解約するお客様は少ない」
「男子の外交員もいますよね、彼らの仕事は?」
「逆パターンもあるわけですよ。つまり、資産家の未亡人とか。女性は店に足を運んで、つまり、何をスルのを恥ずかしがるわけですな。ですんで、お宅に伺って」
「なるほど」
「何事もアイデアですな。おかげで、わたしもこうやって頭取を続けていられる。もし、不良債権を処理できず、破綻ということにでもなれば…。考えただけで身の毛がよだちますわ」
頭取はそのまま大声で笑った。途中秘書らしき女性がお茶を運んでくる。もちろん彼女のブラウスの下はノーブラだった。
「風俗銀行○○支店」
「いらっしゃいませぇ」
自動ドアをくぐり、一歩足を踏み入れた途端、わたしは呆然としてしまった。
「いらっしゃいませ、本日はご入金ですか?」
スーツに身を包んだ初老の男が近づいてくる。
「え、ええ」
「では、こちらのカウンターへ」
わたしは案内されるまま、一人の窓口嬢の前に立つ。
「いらっしゃいませ」
窓口嬢はにこやかな笑みを浮かべる。
「本日は?」
「あ、あの、新規で通帳を…」
「まあ、ご新規ですか」
彼女は派手に喜びを示し、両手を組む。
「で、ご入金はいかほど」
「とりあえず、千円」
「え~、千円ですか?お客様、一万円以上ですと特別サービスが、五万円以上ですとスペシャルサービスがつきますけど」
「は、はあ」
「さらに、長期定期預金ですと特別オプションが、さらに、積立預金ですと毎月のお積立金に応じてスペシャルサービス、フルオプションという…」
わたしは周囲を見まわした。明るい照明に清潔な店内。並ぶ窓口嬢に机にへばりついている事務職員。高い天井、長椅子ソファーに積み重ねられた雑誌類。ど こをどう見ても普通の銀行だ。ただ違うことといえば現在の時間が午後十時。そして、行員OLの透けたブラウスの胸元には全員ピンクの豆粒模様が浮かんでい る。しかし、それは服地のアクセントでも何でもない。つまり、OLたちは誰一人として下着を着けていない。浮かんでいるのは彼女たちの乳首が透けて見えて いるのだ。
「いやあ、うちもね、例外なくバブルの乱脈融資がたたって破綻寸前なんですよ。しかも、小さな地銀でしょ、受け入れてくれるところもない」
取材に応じてくれた頭取がいった。
「そこでね、考えたんですよ。なにも利率を上げ下げするだけが銀行のサービスじゃない。大蔵省、今の財務省ですか、は金融自由化で銀行も勝手にやっておくれという。それなら、そうさせてもらおうじゃないか。というわけで、始めたんです」
風俗業の申請もし、認可される。職にあぶれた女の子をかき集め、日本初、いや多分世界初の風俗銀行がスタートしたわけだ。
「おかげさまで預金率はうなぎ上り。引き出し率はゼロに近い」
頭取は禿げ上がった頭を撫ぜ、恰幅のいい腹を震わせて大笑いするのであった。
というわけで、わたしは取材もかねてこの銀行を訪れたわけだ。
「じゃ、じゃあ、一万円」
わたしは窓口嬢に告げる。
「ありがとうございます。総合通帳でよろしいですね?」
「はい」
「ハイ、ニューお通帳のお客様ご案内でーす!」
彼女は大きな声で叫ぶ。途端にさっきの男子行員が慇懃に頭を下げて近寄ってくる。
「ありがとうございます。受けうけましたのは当行のナンバー1、サユリです」
わたしは窓口嬢、サユリを見る。彼女はにっこり微笑み、ブラウスのボタンに手をかける。
「では、こちらへ」
行員はわたしをカウンターの中へと案内した。
「はい、どうぞ」
カウンターの中は狭い区切りで覆われていて、案内の行員はカーテンを閉じる。背後にたったわたしに対し、サユリはイスを回して向き合う。そして、ブラウスのボタンを全部外し、乳房を剥き出しにしてわたしに示す。
「触っていいのよ」
小悪魔的な笑みを浮かべるサユリ。わたしは震える手を差し出し、形のいい乳房に触れる。
「いやん…」
甘酸っぱい声を上げるサユリ。わたしは手のひらに力を込め、揉み上げる。
「あん、優しくして」
その声に頷き、わたしはゆっくり、小さな乳首の感触を楽しむように指を蠢かせる。
「うん、お上手、あん、いい気持ち」
わたしは次第に興奮を覚え、顔を近づけようとした。
「はい、そこまで!」
行員のはっきりした声が響き、カーテンが開く。
「本日のご預金、ありがとうございました!」
その声に追い出されるようにわたしはカウンターから出る。
「また来てネ」という、サユリの声を背中で聞きながら。
「金額の割りにサービスが寂しいように思いますが」
わたしは頭取に訊ねてみた。
「ま、そうですな。けれどね、金はあくまでもお客様のものだ。本行のものじゃない。普通預金ならいつでも引き出しに応じなければならない」
「その分サービスが…」
「ま、そういうことですな。しかしですな。オプションやなんかで、本物の銀行で本物の銀行OLとナニができるわけですから」
「好きな人にはたまらない、と」
「まあ、あれですよ。今までも、新規に通帳を作るとラップやティッシュを配っていた。あれと同じ事ですよ」
日を改め、わたしは月々五万円、十年積み立て預金を申し込んだ。
「十年積立、五万円コース、ごあんなーい!」
サユリが叫ぶ。スーツ姿の案内行員がすぐにやってきて、深々と頭を下げる。
「このたびは長期積立五万円コースの新規お申し込み、ありがとうございます。ご案内いたします。こちらへ」
行員はわたしを導く。わたしは店の奥まで案内され、とある個室に通された。
「こちらでお待ちを、ご指名はサユリで?」
「あ、はい」
「かしこまりました」
行員はパチンと指を鳴らす。すると、同じように薄手のブラウスにノーブラのOLが水割りを持って現われた。
「おタバコは?」
床に膝を付き、テーブルにグラスを置いたOLは言う。
「あ、はい」
彼女はスカートの間からタバコを取りだし、わたしに手渡すと、火をつけた。
「それでは、ごゆっくり」
OLはそのまま立ち去る。サユリとタイプは違うが、なかなかそそられる体つきをしている。
わたしは水割りを口に運び、周りを見回した。豪華な調度品にふかふかのソファー。風俗の待合室というより、企業の応接室といった感じだ。
「お待たせしました、用意が整いました」
案内役の行員が訪れわたしに言う。
「また別の部屋?」
「申し訳ございません。しかし、こちらの方が…」
行員は卑屈な笑みを浮かべる。
「そう…」
酔いが手伝っていたのだろう。わたしは少し横柄な態度で立ち上がる。男はやはり慇懃な姿勢でわたしを別の部屋へ案内するのだった。
通されたのは普通のオフィスだった。スチール製の机が並べられ、書類が乱雑に積み上げられ、コピーにパソコン、片隅にはコーヒーメーカーが所在なげに据え付けられている。
「こんなところ…」
わたしは男の姿を探した。しかし、役目を終えた男は早々に姿を消している。
「何だよ、いったい」
わたしは一人愚痴る。そんな時、扉が開き、一人のOLが入ってきた。
「お待たせしました」
わたしは彼女を見た。それは、ついさっき、カウンターの向こうで大声を張り上げていたサユリだった。
「さ、わたしはこの銀行のOL、あなたは?」
「え…、おれ?」
「そう、同僚の男子行員でもいいし、上司、出入りの業者、そうねぇ、無理難題を押し付けにきたヤッちゃんていうのもあるけど」
早い話がイメクラである。ただし、どういう形であれ、相手は本物の銀行OLだし、ここは本物のオフィスだ。シチュエーションは完璧。
「そ、そうだな、こんなのはどうだろう」
出納係のOLが残業をしている。どんなに計算をしてもその日の出金額と入金額が合わないのだ。上司のわたしは確認印を押さないと帰れない。つまり、この銀行に残っているのはわたしと彼女の二人だけと言うことになる。
「そこでさ、業を煮やした上司が自分のポケットマネーを出す替わりに、身体を求めるっていうのは」
「いい、それいいね」
サユリはそういって微笑んだ。
わたしは銀行勤めの経験も、サラリーマンの経験もない。そして、毎日毎日、ぴちぴちの制服に身を包んだOLを眺め、心の中で凌辱を犯しているであろうヤツらを羨ましく思っていた。
「じゃあ、あなたはココに座って。わたしはココに…」
サユリは部屋の中ほどにあるデスクに座って書類の束を取り出した。そして、髪を束ねるとかなりのスピードで電卓を叩き始める。わたしは少し離れた机に座り、その様子を眺めていた。
「へぇ、うまいもんだね」
「だって、銀行員なんだもん」
サユリは俯き書類に目をやったまま微笑む。わたしはそんなサユリを見つめプレイをスタートさせるのであった。
「ま、まだかね、サユリくん」
わたしは慣れぬ口調で言う。
「は、はい、まだ…」
「何だねいったい、いくら足りないんだ」
わたしは席を立ち、サユリの背後に回る。
「三万円」
「三万円とは、また…」
「わかんないんです、原因が」
「わかんないじゃないだろう、君の責任だろ」
今にも泣き出しそうな声でサユリは言う。演技は真に迫っている。泣きべそを書きながら帳簿に向かうサユリ。束ねられた髪の間から浮かぶ項が艶かしい。
「仕方ないねェ、今日のところは立て替えてあげるから」
「え?」
サユリは驚きと喜びの混じった複雑な表情でわたしを見上げる。
「そ、その代わり」
「その代わり?」
「いいだろ、分かってるんだろ」
わたしはいきなり、サユリのブラウスに手を伸ばす。
「い、いけません、やめてください…」
「わたしはいいんだよ、何時間残業しても。誰もいない事務所で君と二人きりなんて、滅多にないことだからな。でも、君は困るだろ」
「……」
「だからな、家に帰してあげようと言うんだ。その代わり、な、分かるだろ」
わたしはブラウスのボタンを一つ、二つ外し、元より何物にも覆われていないサユリの乳房をまさぐる。
「あん…」
サユリは、か細いが甲高く甘い声を上げる。
「なんだ、もうこんなに乳首が勃ってるじゃないか。案外こうされるのを…」
わたしは形のいい乳房を鷲掴みにする。吸いつくような肌触りが指に絡まる。
「ああん、ダメ、やめてください…」
口では拒絶を示してみても、サユリは確実に興奮を覚えている。肌がうっすらと桃色に色づき始め、体温が上がり、甘酸っぱい芳香が湧き起こる。吐息が切なく小さな鼻腔から漏れる。唇はぬらりと濡れ、ちろちろと舌先が顔を覗かせる。
「さあ、そのままわたしを舐めなさい」
わたしは去サユリを向き直らせるとズボンのファスナーを下ろした。そして、トランクスの中から半ば力のこもったペニスを取り出す。示されたサユリはわた しを見上げ艶然とした笑みを浮かべる。そして、ずり落ちるようにイスから降り、ひざまづくと指を添えて舌を這わせ始めるのだった。
「おお、いい…」
わたしは思わず呻き声をあげてしまう。サユリは舌先でわたしの先端を微妙な動きで擽ると、そのままぐるりと頭をなぞる。そして、カリ首をテロテロとなぞり、サオを丹念にしゃぶり尽くす。
「どう、気持ちいい?」
「じょ、上司に対して、その、言葉遣い…」
「あ、すいません…、どうですか、気持ちいいですか?」
小百合はクスリと笑うとおもむろにわたしを呑み込む。
「あ、いい、上手…」
わたしはだらしなく声を上げてしまう。それほどにサユリのテクは巧みで細やかで、ツボを心得ている。
「ふんふん、ふふん、ふん、あん、んん…」
鼻から零れる淫靡な息遣い。そして、チュパチュパ響くいやらしい唾液の音。サユリは激しく首を前後させ、頭を回転させ、わたしの興奮を増幅させていく。 頬の内側で圧迫を込め、時折歯茎で軽い刺激を加えてくる。舌は休むことなく渦を描き、暖かで柔らかく、それでいて強烈な快感がわたしを支配する。
「いいでしょ、サユリ、上手?」
「最高だよ」
サユリの小さな唇にくすんだわたしの肉棒が埋没していく。可憐で華麗な顔面をわたしの欲望が突き刺さる。
「ふふん、あぅん、どうです、このまま口でイッちゃいますか?それとも、入れちゃいますか?」
「入れていいの?」
「スペシャルサービスですから、何なりと」
わたしは挿入を希望する。するとサユリは二、三度わたしを弄ぶと、ぬるりと抜き出す。わたしのペニスと彼女の唇が唾液の糸で繋がっている。
「ふふふ…」
立ち上がり、上目遣いに妖艶な笑みを浮かべるサユリは、そのままブラウスのボタンを外し、タイトなスカートを脱ぐ。ストッキングをずり下ろし、ショーツ一枚だけが彼女の肢体に残されている。
「最後の一枚はあなたが、ネ」
サユリは言う。わたしはそのまま彼女を机に押し倒し、唇を重ねる。
「あうん…」
サユリは舌を絡め、唾液を注ぎ込んでくる。わたしはねっとりとした感触を楽しみつつ、乳房を執拗に探る。
「うん、優しく…」
唇を外し、首筋を舐め、浮き出た鎖骨をなぞり、乳首を含む。
「あ、そこ、イイ…」
敏感なサユリはすぐに反応を露にする。身を何度も捩り、微かな痙攣を繰り返す。わたしは乳房を口に含んだまま、下腹に手を伸ばした。ショーツの中は産毛のような薄い茂みが存在し、柔軟な肉裂は既に十分潤っている。
「こんなになって、早く欲しかったの?」
「うん」
少女のようにサユリは頷く。わたしはそのままショーツを下ろし、蛍光灯の下ではっきりと浮かび上がる陰唇を観察する。
「ヤダ、そんなにじろじろ見ないで」
サユリは脚を組み、隠そうとする。
「広げて、もっと」
「でも…」
「早く」
わたしの命令に、サユリはゆっくりと両腿を広げる。デスクに尻をつき、ゆっくりゆっくり、焦らすように開脚していく。恥ずかしそうにあごを引き、長い睫に覆われた瞳でわたしを見つめ。
「ほお」
こんな仕事をしている割に、形も整い色もくすんでいない。サーモンピンクをした、蘭の花びらのような部分はひくひくと待ちわびて疼いている。
「ヤダヤダ、もう、変なの」
サユリは唇を舐め、自分で胸を揉み始めた。
「こんなの初めて、お願い、もういいでしょ」
「いや、まだまだ」
わたしはじっと立ち尽くし、サユリを見る。疼く肉欲に我慢できなくなったのか、サユリは自分で部分に手を伸ばした。
「あん、欲しい、欲しいの…、早く、サユリのココに入れて、お願い、いじわるしないで」
陰核を探り、肉ビラに指を這わせる。そして、自らの指を挿入させ、激しくこねくり回す。
「ああん、イイ、気持ちイイ、見られてるとイイ…」
わたしの目の前でサユリは激しく悶える。愛蜜がとろりと滴り落ち裂け目と尻穴の境を伝い落ちていく。
「アアンアアン、イイ、だめ、イッちゃいそう、ああん」
「じゃあ、もういいか、入れなくても」
「ヤダ、入れて欲しいの、太いの、大きいの、入れて欲しい」
「俺の何が欲しいんだ?」
「あなたのオチンチン」
「どこへ」
「サユリのココへ」
「どこへ」
「ココ、オマ×コ」
「どこだ?」
「オマ×コ、あん!早くぅ!」
サユリはあられもなく喘ぐ。わたしは頃合を見計らい、サユリの太腿を抱え上げると、熱く熟した肉壷に挿入を果たすのだった。
「あうん…!」
サユリは大きく仰け反った。わたしはそのまま内部を味わう。うねうねと蠢き絡まる膣壁。細かい粒が微かな蠕動を繰り返す。とば口がわたしをきっちり咥え込み、窮屈なほどの肉圧が捕らえて離そうとしない。
「早く、早く動いて、サユリを掻き混ぜて!」
「よし」
わたしは抽送を始めた。するとサユリの圧力が増しわたしのクビレとピッタリフィットする。抜き差しするたびにクリクリと部分が刺激される。
「すごい、いいよ」
「いい?サユリ、いい?すてき?」
「すてきだ、最高だ」
このままでは余りに早く達してしまう。わたしは緩急を加えつつ、体位を変える。サユリを腹這いにし、バックから貫き通す。
「アアン!すごい、サユリ、狂っちゃう!」
誰もいないオフィスにサユリの嬌声がこだまする。無機質な仕事場に似つかわしくない湿った響き、そして、行為。
(なるほど、ハマるかもしれないな)
わたしはサユリの小さな尻タボを抱え、腰を突き入れながら思った。
「イッちゃう、イッちゃう、サユリ、イッちゃう。うん、イカせて…」
「まだまだ、ダメだよ」
わたしはイスに腰掛けサユリを抱きしめた。サユリはわたしの膝の上に腰を下ろし、自ら誘う。サユリの一番深い部分までわたしは到達する。サユリの子宮口がコリコりと伝わってくる。わたしは乳房を含み、股座に手を伸ばしてクリットを探る。
「アアー!もうダメ、死んじゃう、ヤダ、こんなの、ああん、サユリ、狂っちゃうん!」
わたしのペニスが折れてしまうのではないかと思うほど、サユリは腰を上下させる。髪が乱れ、眉間に浅い皺を寄せ、大きく口を開けサユリは悶え狂う。
「イクイク、イッちゃう、もう、お願い、許して、イカせて!」
「どこに出して欲しい」
「どこでもいい、どこでも」
「中でもイイのか?」
「中でイイ、あん、熱いの一杯ちょうだい。サユリの中にぶちまけて!」
わたしは希望通りサユリの内部に迸りを放った。サユリは呼吸を止め、最後の一滴が注がれるまで受け止めている。筋肉が緊張している。やがて、うっすらと瞳を開け、サユリはわたしに跨ったまま、薄い笑みを浮かべるのだった。
「サラリーマンの経験がないわたしでもハマりそうになるんですから、常に思い描いている連中には大ウケでしょう」
わたしは頭取にいう。
「はい、何も金を全部なくしてしまうわけじゃない。あくまでも預金、資産ですからね、損はない」
「けれど、預金した後すぐに解約とか」
「それは解約のお客様に対するマニュアルが存在しまして」
「マニュアル?」
「そう、窓口が個別に説得するんですわ。何せあのカッコで色仕掛け。素直に解約するお客様は少ない」
「男子の外交員もいますよね、彼らの仕事は?」
「逆パターンもあるわけですよ。つまり、資産家の未亡人とか。女性は店に足を運んで、つまり、何をスルのを恥ずかしがるわけですな。ですんで、お宅に伺って」
「なるほど」
「何事もアイデアですな。おかげで、わたしもこうやって頭取を続けていられる。もし、不良債権を処理できず、破綻ということにでもなれば…。考えただけで身の毛がよだちますわ」
頭取はそのまま大声で笑った。途中秘書らしき女性がお茶を運んでくる。もちろん彼女のブラウスの下はノーブラだった。
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