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小説(転載) 白の記憶6

官能小説
09 /21 2019
6

「ひろちゃ~ん、もう朝だよ~」
 由美は弘の部屋に入った。
「ねえ、起きてよ」
 弘は全然反応しない。
「ひろちゃんっ」
 由美は弘の上に乗った。

「起きないとちゅうしちゃうぞ☆」
 そう言って、ゆっくりと顔を近づけていく。
「本気だからね…」
 顔にかかる髪を片手で押さえ、由美の唇が弘の唇に触れる。

「朝からハイテンションだな」
「キャッ……」
 弘の突然の言葉に驚き、由美は後ずさった。
「顔赤いぞ」
「起きてるなら、い、言ってよ」
「上に人が乗ってるのに起きない筈がないだろ…」
「それはそうだけど………ん?」
「なんだ?」

「えっと…さっきから私のお尻に当たってるのって…」
「朝だからな」
「ひろちゃんのH!」
 由美は弘の顔にクッションを投げつける。
「ブッ!…痛ェ…」
 弘はゆっくりと上半身を起こした。

「な、なに…」
「Hっていうのはこういうのを言うんだよ!」
 弘は由美の背中に手を回して抱き寄せると
 そのまま倒れるに任せて引き倒す。
「ちょっ…」
 由美が弘に覆い被さるような格好になる。

 弘は由美の耳にキスをした。
「!」
 そのまま耳たぶを唇でくわえる。
「…ゃ」
 軽く歯を立て、舌を這わせた。
「…ひゃっ」

「変な声上げるなよ」
「だ、だってぇ~」
 弘は由美の髪の毛を撫でてやる。
 そして、由美の首にかかった髪を押さえて首に唇をあてた。
「…ぁ」
「いい匂いがする」
「さっきお風呂に入ったから…」
 唇から舌を少し出して、由美の首の上を滑らせる。
「……ハァ」
 耳まで朱に染まっている由美。
 弘は鎖骨に沿って唇を這わせていった。
「ハァ…ぁ…」

「キスしよっか?」
「あ…うん…」
 軽く唇を合わせる。
「舌出して」
「…う、うん」

 弘は由美の舌に自分の絡ませた。
「ぅん…」
 交じり合った唾液があごを伝って流れ落ちる。
「うぅん…」
 弘の舌は少しずつ由美の口内に入りこんでいった。

 唇を合わせながらも弘の手は由美の白い太腿を触っている。
 その手も少しずつ上に上がっていき、やがて弾力ある臀部に触れた。
 そのままスカートの中に手を入れて、下着の上からゆっくりと揉む。

「あむ…ぁ…」
 弾力のある膨らみを揉むと、下着が段々と谷間へくいこんでいった。
 その下着を引っ張ると由美は微かな喘ぎ声を上げる。
「…あぁ…ん…」

 弘が唇を離すと、細く光るものが名残惜しそうに糸を引いた。
「……ぁぁ」
 弘は再び首筋に口付ける。
 そして、脚の付け根から手を下着の中に入れた。
「あっ……」
 恥ずかしさで由美の顔がより一層紅くなる。

 少し汗ばんだ肌が吸いつくような感触を弘の手に与えた。
 弘は首筋に軽く歯を立てる。
 そんな行為も高まった由美に快感を与えた。
「ひろちゃんの唇…温かい…」

 弘は突然由美から離れる。
「ほら、こういうのをHって言うんだ。わかったか?」
「うん…」
「分かったら起きるか」
「え…」

「ん?」
「ちゃんと責任取ってよね…」
「ああ…そうだな」
 弘は由美に向かって微笑んだ。

END

小説(転載) 白の記憶5

官能小説
09 /21 2019
5

『ひろちゃんにとって私って何なの?』
 妹…
 妹なんだよ。
 あの時誓ったじゃないか。
 でも、同時に前より意識している自分がいる…

『ひどかったらしいわよ、事故』
『まあ』
『どうしてこんなことになったかねぇ』
『ところであの二人はどうするの?』
『え?』
『ほら、子供達だけになっちゃったでしょ』
『ああ、あの子達ね』

『誰かが引き取るのかしら?』
『うちはイヤよ。
 うちの子、今年受験なんだから』
『うちだってイヤよ…』
『やっかいなことになったわねぇ…』

 両親が死んで、俺達兄妹は親戚の間で厄介もの扱いされるようになった。
 しかも由美は記憶喪失だ。
 普通以上に疎まれる。
 俺はそんなこと一度も思ったことないが…

 こういう理由から俺は由美と二人で暮らすことにした。
 そしてその時誓った。
 妹を…由美を守って行こうと…
 たった一人の家族だから。

 こんなこと思うのは単なる自己満足なのかも知れない…
 そう思いもした。
 それでもやはり由美にはこれ以上悲しい思いはして欲しくない。
 俺が守ろうとする事がどれほどの力になるかはわからない。
 それでも俺は…
 やはり自己満足かも知れない…
 思考は回り始め、結論は出ない。

『ねえ、お兄ちゃん…』
『ゆうちゃん…』
『お兄ちゃんっ』
『ゆうちゃん?』
『お兄ちゃん…』
『ゆうちゃん…私ね…』
『お兄ちゃんのこと…』


 ジリリリリリ……
 ?!
 寝てたのか…
 全然寝た気がしない…
 とりあえず起きるか…

 台所に行くと由美がいた。
「あ、おはよう、お兄ちゃん」
「………」
「御飯すぐに出来るから座ってて」
「………」
「どうしたの?」
「…ああ」

 間もなく食事ができあがる。
「お兄ちゃん、おいしい?」
「あ、うん」
「なんか様子が変だよ」
「……演技するならもうちょっとうまくしろよ」
「あっ、ひどーい。
 これでも中学の時は演劇…あ」
「単なる演技でもなさそうだな」

「どうしてだ?」
「うん…」
「……」
「えっとね…」
「昨日のことで俺の態度が変わるのが怖かった」
「うん…」
「それなら記憶が戻ったふりをして、昨日のことはよく覚えてないと言うつもりだった」
「うん…」

「さっきの中学の時っていうのは?」
「思い出したわけじゃない。
 日記を読んで知っただけ」
「………」
「私は逃げたの」
「?」
「例え冗談でもあんなこと言って、ひろちゃんの態度が
 変わっちゃうんじゃないかって怖かったの。
 私にはひろちゃんしかいないから…」
「冗談じゃないだろ」
「………」
「どれだけ一緒にいると思ってんだ。
 冗談か本気かぐらい分かるよ」

 由美はそれっきり黙ってしまった。
 やがて食事は終わり、それぞれの部屋に戻る。

 俺はどうするべきなんだ…
 俺はどうしたいんだ…
 俺がしたいのは…

 コンコン
「どうぞ……ひろちゃん…」
「………」
「………」
「…由美…今でも俺のこと好きだと言ってくれるか?」
「…好きだよ…」
「………」
「でも、それでひろちゃんが困るなら私は…」

 俺は由美を引き寄せた。
 そして、そのまま抱きしめる。

「俺のことはいいんだ。
 由美の正直な気持ちを教えて欲しい」
「私は…好きだよ。
 すごくすごくひろちゃんのことが好き」
「ありがとう…」

「俺はおまえを守ることにこだわりすぎていたのかも知れない」
「………」
「これからは守る守られるじゃなくて、対等な立場で一緒に過ごしていきたい」
「…うん」

 由美がぎゅっと抱きついてきた。
「ひろちゃん、一つお願いがあるんだけど…」
「ん?なんだ?」
「あのね…」
 由美が俺を見つめてくる。
 そして、ちょっと背伸びをして、二人の唇が触れる。
「えへへ」
 自分のしたことに照れている由美の態度が印象的だった。

小説(転載) 白の記憶4

官能小説
09 /21 2019
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4

 二人だけの新しい日常は大きな問題もなく、過ぎていった。
 由美の態度がときどき妙によそよそしくなったりしたが…

 由美の記憶は相変わらず戻っていないように見える。
 少なくとも俺にはそう見える。

 コンコン
「由美、入っていいか?」
「どうぞ~
 なに?ひろちゃん」
 前はお兄ちゃんって呼んでくれたのにな…

「ん?どうしたの?」
「イヤ、別に…
 ところで、どこか遊びに行かないか?」
「どこかに連れてってくれるの?」
「うん、たまにはね」
「うれしいな~」

「で、何で買い物なんだ?」
「ひろちゃんはこういうの嫌い?」
「そんなことないけど…」
「私は好きだよ、こういうの。
 二人で買い物って楽しいじゃない」
 そう言って俺に微笑みかける。
「あ、うん、まあな…」
 なんか久しぶりにまともに顔見たような気がするぞ。
 不覚にもドキッとしてしまうし…
 どうなってんだ、俺?

 そう言えばこの頃あんまり目を合わせてくなかったような…
 俺何かしたかな?

「どうかしたの?」
「ん?秘密」
 どうも物思いにふけてしまうな…
「なにそれ~」
「秘密は秘密だ」
「もう」
 由美はすねたような表情を見せる。
「そんなところで立ち止まってると置いてくぞ」
「わっ、待ってよ~」

「ねえ、なに買うの?」
「さあ?由美が来たいって言ったんだろ」
「あれ?弘じゃない?」
「あ?」
「ひろちゃんガラ悪い…」

「ん?なんだ美紀か」
「なんだはないんじゃない?
 あれ?えーと、こちらは?」
「柄にもない言葉使うなよ」
「うるさいわねっ」
「妹だ」
「ふ~ん、あんたに似てなくてかわいいわね」
「やかましい」

「あの…」
「ああ、ごめんごめん。
 これはバイト先で一緒の美紀」
「これってなによ…
 え~と…」
「由美です」
「由美ちゃん、はじめまして」
「初めまして」

「で、何してたの?」
「何って買い物だよ」
「ああ、由美ちゃんとデートね」
「バッ、由美は妹だぞっ」
「なに動揺してんのよ。
 もしかして図星~
 じゃあ、邪魔者は去るわ~」
「いったい何なんだよ…」
「………」

 その後の由美はなぜかあまりしゃべらなくなってしまった。
 いったいどうなってるんだ…

 結局夕食のあと由美は部屋にこもっている。

 コンコン
「ゆうちゃん…いい?」
「ああ」
「………」
「………」
「………」
「どうしたんだ?」
「うん…」
 話しにくい事なのか?

「私って何なのかな…」
「え…」
「ひろちゃんにとって私って何なの?」
「何って…妹だろ…」
「……じゃあ、あの美紀って人は?」
「あいつは…一緒のバイトしてるだけだよ」
「…仲良さそうだね」
「そうか?」
「そうだよ!」

「どうしたんだ…由美…」
「私胸が苦しいよ…」
「………」
「ひろちゃんのこと考えると胸が苦しいんだよ…」
「………」
「妹だっていわれてもわからないよ。
 私には記憶がないし、未だにひろちゃんをお兄ちゃんだとは思えない。
 強くなっていくのはこの想いだけ…
 ねえ、ひろちゃんにとって私って何なの?」
「………」
「………」

「俺は…」
「あはは…冗談よ、冗談。
 真面目に考えないでよっ」
 そう言って由美は部屋を出ていこうとした。
「由美」
 由美はビクッと過剰な反応を示す。
「…な、何?」
 そのまま背を向けて聞いている。
「……イヤ、いい」
 それを聞くと由美は部屋を出て行った。

 なあ、由美…
 冗談ならどうして泣いてるんだ…

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。