小説(転載) 母の闇3-2
近親相姦小説掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。
母は相変わらず絨毯の上で指を滑らせている。
「それで相手はどんな男なんだよ。」
俺は落ちつた口調で語り始めた。 しかし選んだ言葉は冷たい。 母を守るというよりも問い詰める感じだった。
「20歳の大学生?・・・って言ってた・・・」
母が妙な間で首をかしげながら答える。 顔を上げることはなかった。 確信はないようである。
「そんな男とどこで知りあったんだよ。」
俺はさらに続けた。
「どこって・・・出会い系サイト・・・」
「はぁ?」
俺はあきれて開いた口がふさがらなかった。
「出会い系サイトって・・・そんなの自業自得だよ。」
俺は冷たく言い放った。 実際にそう思った。 出会い系サイトに手を出す人間がこんなに身近にいるとは思ってもいなかった。 俺は母の行動が恥ずかしかった。 まるで自分のことのように恥ずかしかった。 つまり不倫は母の意思でしたということを認めたことになる。
「・・・ゆうくんの嘘つき・・・」
母が不満げに口をとがらす。
「守ってくれるって言ったのに・・・」
絨毯の毛を触る指にも力がこもる。 こんなに甘えてくる母は初めてである。 俺は母の彼氏なのだろうか? いや、元カレか・・・。
「守るよ、守るけどさぁ・・・ 出会い系サイトはダメだろ・・・だって、お母さんから飛び込んでるじゃん・・・」
俺にはもう守り切れなかった。
「それはそうなんだけど・・・ ゆうくん・・・女心がわかってない!」
母は握りこぶしを作って何度か俺を殴った。 こんな母のしぐさが可愛く見えてしまう俺も重症である。 まだどこかで母のことをエッチの相手だとみなしているのだろうか?
「女心ってなんだよ。不倫するのが女心なのかよ。」
俺は母のこぶしを受け止めながら反撃した。
「もうっ!ゆうくん嫌い!」
母の瞳が本当に怒っている。 しかし母の怒りは俺には届かなかった。 俺は可愛い母とのやりとりを楽しんでいた。
「お母さんは俺にどうして欲しいんだよ。」
俺は母に主導権をゆだねた。 母からどんな要求が出てくるのかをワクワクしながら待った。
「どうして欲しいって・・・優しくして欲しいのよっ。」
母はもう引っ込みがつかないようである。 抽象的な言葉を並べて、俺に「女心」の理解を求める。 俺が「女心」を理解できないことはすでに確認済みである。
「優しくして欲しいってどういうことだよ。 またエッチがしたいのかよ。」
母の正直な気持ちを知りたかった。 俺の体だけが目的なのであれば、もうそんな母を尊敬することはできないだろう。
「誰もそんなこと言ってないでしょ!」
母が瞬間的にムキになって声を荒げる。
「・・・でも・・・したいって言ったらしてくれるの?」
母が上目づかいで俺の表情を確かめている。 今になって初めて気がついたのだが、母はエッチが好きなのだろうか? 中2の俺から童貞を奪ったり、寂しさを紛らわせるために不倫をしたり、 俺の知る限り母はこの4年間父以外の男とエッチを続けている。 それに加えて今の発言である。 母との快感に溺れて脱することができなかった俺の弱い意思は、母からの遺伝だったのだろうか?
「彼女がいるって言っただろ。」
俺は強い意志で断った。 母は一瞬でも期待をしたのか、残念そうな表情を見せてうつむいた。 母に同情する気持ちはまったくなかった。
「それなら思わせぶりなこと言わないでよ。」
母は明らかにふてくされている。 まだ俺の体に未練があるということなのだろう。 母が俺の女ではなくなった今でも同じ屋根の下で暮らしている。 エッチをしようと思えばいつでもできる関係である。 母の言葉からもその期待を感じることができる。 俺はそんな母を見て情けなくなった。 もうエッチの話は終わりにしたかった。
「不倫したことは後悔してるんだろ。」
俺はなんとか話題を変えようとした。 そうでなければ俺が母とエッチをすると言うまで無理問答が続く気がした。
「後悔してるからゆうくんに相談してるんでしょ。」
俺は母が不倫をネタに俺との関係を元に戻そうとしているのかと疑った。 そしてすぐに母はそこまで卑怯な人間ではないと考え直した。
「それならもう2度としないよな。」
俺は念を押しておきたかった。 これ以上母が知らない男の雌犬になることは想像したくなかった。
「それはそうよ。・・・もうしないわよ・・・」
歯切れの悪さが気になる言い方だった。 母はうつむいて絨毯とじゃれ続けている。 少なくとも俺に誓うという態度ではない。
「信じていいんだよな。」
俺は母に言い切って欲しかった。 中2の俺から童貞を奪った母を信じるというのも虫のいい話だったかもしれない。 それでもどこかで毅然とした俺の母だった頃の母を信じようと思った。
「うん。」
母は俺の瞳を見ることもなく軽くうなずいただけだった。 それよりも絨毯のほつれの方が気になるようだった。 母は自分の体の欲求に克つ自信がないのだろうか? しかし、俺はこれ以上母に強制しなかった。 無理矢理言わせてもなんの効果もない気がした。
「じゃあ信じるからな。もうするなよ。」
俺は母を許した。 少なくともこれ以上複雑な事態に陥ることはないと考えていた。 しかし、この考えが甘かった。 やはり母は体の疼きに耐えられなかった。 俺の中で「やはり」という言葉がむなしく響く。 もしかしたら子どもにでもわかる結果だったのかもしれないが、 実の息子として母を疑い続けることは苦痛だった。 苦痛から目をそらしてしまった俺の責任である。 このとき俺がもっとしっかりと母を管理できていれば・・・という後悔が俺に残った。