2ntブログ

小説(転載) スカートの中の息子1

近親相姦小説
03 /10 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 私には息子が1人いる。 東京の大学に行って1人暮らしをしているのだが、 もう1年半以上も実家に帰ってきていない。 1年生の正月が最後だ。
「男の子なんてそんなもんだろ。」
夫からはつれない返事しか返ってこないが心配ではないのだろうか。 最近は携帯に電話をしても出ないことが多い。 履歴は残っているはずなのに電話を返してくれることもない。 そんなこんなで1年以上まともな会話をしていないと思う。 いくら男の子だとはいえ、私はどうしても心配になってしまったので、息子の顔を見に行くことを決意した。
「今日行くから部屋にいて。」
とある日曜日、私は息子の携帯に短いメールだけを送って早朝に家を出た。 契約のときに行ったことがあるので部屋の場所は知っているのだが、鍵は持っていない。 息子がいなければ部屋に入ることもできないが、 強引に行ってしまえば会えないことはないだろうと考えていた。 私は昔から無茶をする方である。 行動力だけはある。 やらないで後悔するよりも、やって後悔する方を選ぶ性格だった。 しかし、息子からの返事が来ないまま東京駅に着いてしまった。 私は不安になりながらも快速電車に乗り換えた。 どこまでも高いビルが続く風景を眺めながら「やっぱり東京は都会だなぁ」と改めて感心してしまった。 太陽はもうすでに高く昇っている。 いつまでも晴れない私の心とは裏腹に、小春日和の空はどこまでも透き通っていた。 そのとき携帯が震えた。
「無理」
それだけだった。 もうすぐ昼になるというのに今頃になってやっと起きたというのだろうか。 愛想のない息子が遠くに感じた。
「もう東京に着いた。」
私も短文を返した。 有無を言わさず会うつもりだった。 息子にも都合があるのだろうが、たまには親に顔を見せることも必要である。 そんなことを考えながらしばらく息子の返事を待っていたが、 いつまで待っても返事は来ない。
「もうすぐ着くよ。」
待ちきれずに再びメールを送った。 それでも息子から返事は返ってこない。 私は40分ほど乗ったJRの改札を出て私鉄の電車を待っていた。 ホームを駆け抜ける風が少し肌寒かった。
「無理」
息子から2通目のメールが来た。 同じ内容のメールだったので見間違えたのかと思ったが、確かに2通目のメールだった。
「お母さんだって無理。」
最後の電車に乗る前に返事を書いたのだが、返事が来たのは電車に乗ってからだった。
「絶対無理」
もはや息子が駄々をこねているようにしか見えない。 比較的聞き分けのよい息子だと思っていたので、 そこまでして拒否しようとする理由がわからない。
「絶対行く。」
私は強気だった。 息子は私が妥協しない性格だということを知っている。 強気に押せば押し切れると考えていた。
「いまどこ」
ようやく観念したのだろうか。
「私鉄に乗った。」
まるで電報のようなやりとりである。
「降りたら電話して」
面倒な息子である。 もうすぐ着くというのになにを電話で話すというのだろうか。 私は改札を出ると息子の部屋に向かいながら電話をした。
「もしもし」
息子が電話に出た。
「もしもし。お母さんだけど。」
歩きながら少し怒ったように答えた。
「もしもし」
息子は気まずそうである。
「もうすぐ着くからね。」
息子の部屋は駅から10分ほどである。
「ごめん。引っ越した。」
私はあっけにとられた。
「引っ越しったってどういうことよ。」
しばらく間があった。 考えているというよりは、答えにくいという感じだった。 私は歩きながら待った。
「引っ越したってこと。」
答えになっていない。
「保証人はどうしたの?」
私は息子が3年生になっても引っ越さないことをずっと不審に思っていた。 息子の大学は1、2年生のときと3、4年生のときではキャンパスの場所が違う。 それほど離れているわけではないので、通えない距離ではないのだが、 毎日乗り換えをして通うのは面倒であろう。 しかし、引っ越しをするときには親が保証人になることになるので、 引っ越しをしないで通っているのだと思っていた。
「知りあいになってもらった。」
いろいろと理解できない。
「なってもらったってどういうことよ。」
「そんなことより・・・今日は帰って。」
息子はまだ会いたくないようである。
「イヤよ。お母さん帰らないわよ。」
私は断固として譲るつもりはない。
「無理なものは無理。」
一向に話が前に進まない。 そうこうしているうちに息子の部屋に着いてしまった。
「お母さん、着いたんだけど・・・」
そう言ってここには住んでいないことを思い出した。
「だからそこにはいないんだって。」
「ああ、そうだっけ・・・」
これが考えるよりも先に行動する人間の特徴である。 考える前にすでに体が動いている。
「お母さん、どうしたらいいの?」
私は来た道を戻りながら息子を問い詰めた。
「とりあえず、今日は帰って。」
「とりあえずってなによ。お母さん、絶対に帰らないからね。 どこに行けばいいのか教えてちょうだい。」
母親は強いのである。


小説(転載) 彼女と母親と朧月6

近親相姦小説
03 /10 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

「お母さん。クリトリスが感じるんだっけ?」
スカートの中に手をねじ込む光太と両手でそれを阻止しようとする母親がベッドの上に倒れ込み光太が上に乗る格好になった。 さっきとは打って変わって大人な光太に喜与子は戸惑った。
「ダメ!ダメ!強引にしても感じないわよ!」
クリトリスを守る母親の激しい抵抗に、光太は乳房にターゲットを変更した。 ブラウスの胸元のボタンは勢いで一気に外れた。 露わになった母親の胸の谷間に光太はさらに興奮した。 ブラジャーをずらすと乳房を揉みながら乳首を吸った。 以前に吸ったことのある乳首であることなどまったく思い出すことはなかった。
「あん。ダメ。ダメ~。」
甘い喘ぎ声が漏れる喜与子の手が胸を守る隙に、光太はスカートの中に手を入れた。 このチャンスを逃すまいと必死でパンティの中に手を忍ばせる。 喜与子はすでに濡れていてクリトリスを滑らかに刺激することができた。
「お母さんが教えてくれた通りにやったらちゃんと濡れるんだね。」
光太は見事なまでに首筋、乳房、乳首、クリトリスという喜与子の性感帯を制覇していった。 喜与子は熟れた体が息子の手に堕ちて溶けていくのがわかった。 そして無意識のうちにズボンの上から光太のおちんちんを触っていた。 光太の興奮も最高潮に達しようとしていた。
「光太・・・指を・・・そのまま指を入れて・・・」
喜与子は自分が感じるためには、容赦なく男を使う女だった。 しかし、それはまだ光太にとって教えてもらっていないテクニックだった。
「入れるってどういうこと?」
まだ光太の知らないテクニックだった。
「もう!ここまで感じさせておいて、まだ教えなきゃいけないの。」
そう言うとストッキングとパンティを同時に脱いで光太の指を穴の中に押し込んだ。 足を開いて荒れ狂う喜与子には、もはやいつもの優しい母親の面影は残っていなかった。
「そこをグリグリしてぇ!」
光太は言われるままに指を出し入れした。 光太にとっても目の前で激しく求める女性に母親の面影を感じることはなかった。 彼女とは違う女を襲うことも、母親と交わる罪悪感も吹き飛んでしまっていた。
「1本じゃダメ!もっと入れて!」
喜与子の声が一段と大きくなる。
「お母さん、直接おちんちん触って欲しいよ。」
喜与子は片手で器用にベルトを緩めてジッパーをおろすと、そこには完全に完成したおちんちんがそそり立っていた。
「もう触らなくても十分じゃない。」
喜与子は今すぐに欲しかった。
「でも、一緒に触るって・・・」
光太が戸惑いをみせる。
「準備ができたら入れちゃえばいいのよ。男は勃ったら十分なの。もう早く入れて。」
喜与子も親子の関係より息子の若いおちんちんを選んだ。 瑞花の前で触っているときから気になっていた若くて太いおちんちんがそこにあった。
「ちょっと待ってよ、コンドームつけなきゃ。」
光太は忠実に教えを守ろうとしている。
「もう待てないわよ。お母さんはそのままでいいの。 そのままでいいから入れちゃって。」
そう叫ぶとお尻を突き出して四つん這いになった。 光太にとって後ろから入れようとすることは初めてだったが、勢いで母親の穴の中にすんなりと滑り込んでしまった。
「早く突いて。」
喜与子は光太が息子であることも忘れて求め続けた。 光太は喜与子が母親であるということも忘れて突き続けた。 お互いに顔が見えない体勢であったことも幸いした。
「ああ、硬い!太い!」
光太にとっての初めての女性は母親になってしまった。 それでも夢中で突き続けた。もう止まらなかった。
「もうダメ!ダメ!・・・んぐんぐ・・・」
叫びが声にならない喜与子が崩れ落ちて痙攣していたが、光太には痙攣しているということがわからなかった。
「お母さん、気持ちいいよ!気持ちいいよ!」
光太のピストン運動は終わることを知らなかった。 光太は自分が射精したことも知らずに突いて突いて突いた。 いつもの仕事に出かける格好で乳房とお尻を出したまま横向きに倒れている喜与子の姿は、光太にとって新鮮な発見だった。 中に出すだけでは喜与子を感じさせた実感を得られなかった光太は、喜与子に精液をかけたい衝動にかられた。 仕事をするための服を着て乳房とお尻を露わにしながら精液を浴びる喜与子の姿が、現実のものとして目の前にあるだけで、 いくらでも精液を出すことができた。 喜与子の髪も顔もスカートもブラウスのリボンさえも光太の精液を吸い込んで鈍色に輝いていた。 光太はどんなセクシータレントよりも妖艶な光を発する精液まみれの正装の母親を見つめながら達成感を感じていた。
「これが大人のセックスなんだぁ・・・」
瑞花との幼稚な関係がバカバカしく思えるほど、喜与子との大人の関係に魅かれていった。 光太のおちんちんは永遠に萎えることがないように思われた。 そして喜与子は光太の精液を浴びて未知の快感を覚えたのだった。

 それ以来、瑞花は濡れるようになり少しずつ挿入に耐えられるようになってきた。 快感に溺れて光太を求めるようにもなってきた。 しかし、光太が望むような激しいセックスをするにはまだ若すぎた。 一方で、瑞花が帰った後の不完全燃焼は帰宅直後の喜与子によって満たされることが日課となっていった。 喜与子の仕事着は光太の精液を吸って2人だけにしかわからない鈍く妖しい輝きを放つようになっていった。 子どもを作るための正統派の精子は瑞花の中でコンドームに放出され、 母親を骨抜きにするための邪道な精液は喜与子の衣装に吸収された。 光太にとっても喜与子にとっても、邪道な禁断の精液は汚れた母子の心身を洗浄する神聖な輝きを放っていた。 光太はこの幸せな生活がいつまでも続くことを願っていた。
「結婚してからもこの生活を続けることができるのかな・・・?」

 

彼女と母親と朧月

~~ 完 ~~

小説(転載) 彼女と母親と朧月5

近親相姦小説
03 /09 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 瑞花が帰ったあとの光太の部屋には母子が残された。 扉の前で瑞花を見送った2人は立ったままである。
「お母さん・・・」
光太が申し訳なさそうにつぶやく。
「なによ。」
瑞花が帰ったその玄関で光太は収まらない性欲のはけ口を探していた。 いや、むしろ喜与子に挿入したいという欲求の言い訳のために、 性欲という言葉が頭の中でグルグルと目まいがするほどに回り続けていた。
「お母さんとエッチがしたいよ。」
喜与子にとっては想定外の発言だった。 光太には喜与子の気持ちまで考える余裕などまったくなかったが、 喜与子は自分の気持ちを見透かされているような気がして少し怖かった。
「なに言ってるのよ。」
喜与子の理性は光太を拒否するように命じている。
「大人のエッチを知りたいんだよ。」
光太の理性は喜与子の虜になっていまっている。
「そんなことできるわけないでしょ。」
喜与子は当然のことのように断ったが、光太が簡単に引き下がらないことを願っていた。
「だって、さっきは触ってくれただろ。」
光太は喜与子の感触を忘れられないようである。
「さっきはさっき。これからは瑞花ちゃんに触ってもらいなさい。」
あくまでも母子としての関係を維持しようとしたという形跡だけでも残しておきたかった。
「瑞花よりお母さんに触ってもらった方が気持ちよかったんだよ。」
光太の正直な感想だったが、経験豊富な喜与子のテクニックの方が感じるのは当然のことだった。
「エッチはねテクニックじゃないの。愛が大切なの。」
喜与子は必死に光太を否定しようと努力した。
「お母さんはおちんちんを触ってもなにも感じないのかよ。」
光太は喜与子が冷静でいられることが信じられないようだったが、 実際、喜与子は冷静なふりをしているだけだった。
「子どものおちんちんで感じるお母さんなんていないわよ。」
喜与子はその演技を続ける覚悟である。
「じゃあ、エッチの続きを教えてくれよ。 今度、瑞花とエッチをしたときに知らないと困るだろ。」
喜与子にとっては絶妙の言い訳だった。 2人のために教えるということは、すでにしてしまったことでもあり受け入れやすい言葉だった。
「エッチなんて感じるままにすればいいのよ。 教えてもらってするものじゃないの。」
喜与子には光太があきらめないという確信があった。
「じゃあ、もう1回耳を噛んでよ。 大人のエッチって気持ちいいって思ったんだよ。」
喜与子は今すぐにでも続きを始めたい気持ちだった。
「それで満足するの?ホントにそれだけでいいの?」
もうこれ以上引き伸ばす必要はないと感じた喜与子は光太の押し売りを買うという形で受け入れることにしたかった。
「うん。してくれるの。」
光太の瞳が輝いている。
「じゃあ、それだけよ。ほら、耳を貸しなさい。」
喜与子は光太の願いを聞き入れるという形で続きを始めようとした。
「こんなところじゃダメだよ。 さっきみたいにベッドの上じゃないと雰囲気が出ないよ。」
正直、喜与子はベッドの上でなくてもよかった。 盛りのついた雄犬のような光太の体を喜与子のために貢がせることは、 赤子の手をひねるより簡単なことだった。
「雰囲気なんてどっちでもいいでしょ。」
喜与子はできる限り自ら進んで行為をするようなことはしたくなかった。
「エッチに雰囲気が大切なことくらい子どもでもわかるよ。ベッドに行こ。」
そう言うと半ば強引に手をひいてベッドに並んで座った。 喜与子は仕事帰りのままで胸にリボンがついたブラウスにパンティのラインが浮き出るようなタイトスカートを履いていた。 接客用の化粧と衣装の喜与子に光太の興奮は収まらなかった。
「どうすればいいのよ?」
教えるという建前上、喜与子から光太をいただくわけにはいかなかった。
「まずは僕がしてあげるから感じるかどうか言ってよ。」
そう言うと母親を抱きしめて首筋を舐め始めた。
「そんなのダメよ。約束が違うでしょ。」
形だけでも抵抗しようとしたが光太は喜与子の想像以上に大人になっていた。 もはや女の力ではどうすることもできなかった。 教えるつもりが襲われる立場になってもおかしくなかった。

小説(転載) 彼女と母親と朧月4

近親相姦小説
03 /09 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

「そんなに言うんなら瑞花ちゃんに触ってもらいなさい。」
喜与子が手を離すと急に感じ方が変わって光太は物足りなくなったが、瑞花の前でそれを言うわけにはいかなかった。
「どう。瑞花ちゃん濡れてきた?」
最終的には入れることが目的なので、濡れなければ話しが始まらない。
「え?わかんない。濡れるってどういうこと?」
喜与子には瑞花が乙女を装っているようにしか見えなかったが光太を責めた。 瑞花はすでに濡れているはずだった。
「光太、瑞花ちゃんが濡れてるかどうかくらいわかるでしょ。」
直接触っている光太にならわかるのではないかと考えた。
「ちょっと濡れてるかもしれないけど、汗みたいな感じだよ。」
的を射ない答えが返ってきた。
「ずっとクリトリスだけを触っていてもわからないわよ。 濡れるのはクリトリスじゃないんだから。」
教えている喜与子の方がうずうずしている。
「どこが濡れるの?」
光太はどこまでも頼りない。
「バカねぇ。おちんちんが入る穴に決まってるでしょ。 もっと下の方に穴があるから触ってみなさい。」
喜与子は光太のおちんちんが瑞花の穴に吸いこまれる絵を想像すると落ちつかなかった。 瑞花と同様に喜与子も濡れていた。
「ホントだ。濡れてるよ。クチュクチュしてるよ。」
ようやく光太にもわかったようである。
「瑞花ちゃんもわかる?」
喜与子にとっては無駄な確認作業に過ぎなかった。
「うん、触られたらわかる。なんかヌルヌルしたのが出てきてる。」
思いのほか瑞花もうれしそうである。
「じゃあ、もう入れても大丈夫かな。あんた達コンドームは持ってるの?」
さすがに高校生に生で挿入を勧めるわけにはいかない。
「あるよ。ちょっと待ってよ。」
光太は机の引き出しを漁った。
「あなた達、つけないで入れようとしていたの?信じらんない。」
避妊の大切さは理解できていないのだろうか。
「これどうやってつけたらいいの?」
光太はあっけらかんとしている。
「つけ方を知らなかったら意味がないじゃない。 もう。つけてあげるわよ。せっかく濡れたのにノロノロしてたら嫌われるのよ。」
喜与子は言い訳がましく光太のおちんちんに触れたい気持ちを抑えることができなかった。 瑞花にコンドームのつけ方を教えるくらいなら、自分で光太のおちんちんを触って感覚を覚えておきたかった。
「ほら、おちんちん出して。瑞花ちゃん、ちょっと待っててね。」
喜与子はうれしさをかみ殺しながらコンドームをつけてあげた。
「これで入れてもいいの?」
光太はようやく前戯が終わったのかという表情である。
「ちゃんと濡れてたら入るはずよ。瑞花ちゃん上向いて寝てみて。」
喜与子は手を添えると瑞花をベッドに寝かした。
「光太はここに先をあわせてちょっとずつ入れてみて。」
光太は瑞花の穴におちんちんをそわせると恐る恐る腰を強く押し当ててみた。
「痛い!」
瑞花の反応は早かった。
「ダメ!光太抜いて!女の子が痛いって言ったら抜いてあげて。」
喜与子は瑞花のためを思う振りをして光太に奥まで入れさせなかった。 太くて硬いおちんちんがほかの女の穴に吸い込まれるところを見せられても許せる女など、 この世にいるわけないと喜与子には思われた。
「瑞花ちゃん。痛くてもちょっと気持ちいかもって思わなかった?」
喜与子の記憶では、最初は確かに痛かったが同時に快感も覚えたはずだった。
「思わなかった。痛いだけだった。」
瑞花は泣きそうな顔をしている。責任を感じたのだろうか。
「じゃあ、瑞花ちゃん。もうちょっと足を開いてみて。」
「光太はもう1度入れてみて。」
光太は恐る恐る先だけを入れてみた。
「ダメ、やっぱり痛い。」
瑞花が体をくねらせ両手で光太を拒否する。
「まだ瑞花ちゃんが怖がって緊張しているのかしらね。 エッチはリラックスしないとダメなのよ。 お互いを信頼して気持ちも体もすべてを任せるの。緊張して構えちゃうと逆効果なのよ。」
喜与子は自分に入れて欲しい気持ちを必死で耐えた。
「でも、まだ怖いし。こんな大きいのが入るなんて不思議な感じ。」
瑞花の本心は、おちんちんの太さが穴よりも大きい気がして怖いということだった。 これは喜与子にとって好都合だった。 もうこれ以上光太のおちんちんが瑞花の穴に入るところを見続けたくなかった。
「じゃあ、少しずつ慣れないとね。 光太もあせらないで瑞花ちゃんが痛いって言ったらやめるのよ。」
喜与子は息子の彼女に嫉妬をすることになるとは思ってもいなかった。
「いつまで痛いの?」
光太は残念そうにうなだれている。
「それは人によるわね。でもまだ若いんだから少しずつ楽しめばいいのよ。 今日はここまででいいでしょ。瑞花ちゃんももう帰らなくちゃね。」
喜与子は内心ほっとしていた。
「あっ、もうこんな時間だ!帰らなくっちゃ!」
瑞花は急いで制服を着た。
「おばちゃん。ありがとうございます。私も頑張ります。」
そして、階段を駆け下りていった。
「気をつけて帰るのよ。また困ったら相談してくれたらいいからね。」
喜与子は明るく声をかけた。
「はい。ありがとうございます。光太くんも、じゃあね。」
玄関から瑞花の声が響く。
「じゃあね。」
光太が大きな声で返事をする。 喜与子にとって挿入が失敗に終わったことは幸運だったのかもしれない。 それは、光太と瑞花が無事に結ばれて、無邪気な喘ぎ声をあげる瑞花の姿を見せられたら、 そして光太が瑞花の中で射精をしたとしたら、喜与子は瑞花を憎んでしまったかもしれないのだから。

小説(転載) 彼女と母親と朧月3

近親相姦小説
03 /09 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

「まずは瑞花ちゃんの性感帯を探さなくっちゃね。」
喜与子は光太を瑞花の隣に座らせるとすぐに本題に入った。 しかし、喜与子もセックスを教えるのは初めてである。
「性感帯ってなんだよ。」
光太はまだエッチをする気持ちになっていない。
「女の子には感じるところがあるのよ。そこを見つけてあげるの。 男ならそれくらいできないと情けないわよ。」
いきなり大人のセックスで光太にはハードルが高い。
「どうやってみつければいいんだよ。」
喜与子は過去の経験を思い出しながら自分の性感帯を思い出していた。
「そうねぇ・・・例えば耳とか首筋を舐めてみて。」
喜与子はあえて明るく振舞った。 瑞花はただ黙って母子の会話を聞いている。
「どうやって舐めるんだよ。」
光太はいちいち喜与子の指示に反抗する。
「もう!この子ったら男として最低ね!」
喜与子も光太の反応にイライラしていた。
「瑞花ちゃんホントにこんな男とつきあってていいの? この子瑞花ちゃんを幸せになんてできないわよ。」
瑞花はなにも言わずにうつむき気味に微笑んでいる。 喜与子のこんなところも嫌いではなかった。
「そんなことはいいから教えるんなら教えてくれよ。」
もう光太も開き直っていた。
「どうしたらわかるのかしら? ・・・私が光太を舐めるのと、瑞花ちゃんを舐めるのとどっちがいい?」
喜与子も初めてエッチをする2人に教えたことなどないので戸惑っていた。
「お母さんが瑞花を感じさせてどうするんだよ。オレが感じさせるんだろ。」
瑞花は光太のこの言葉が嬉しかった。 しかし、喜与子の理性はこの言葉を拒否した。
「じゃあ、お母さんが光太を舐めるの?」
この歳で息子を舐めることになるとは思ってもいなかった。
「そんなイヤな顔すんなよ。」
光太はまんざらでもない様子だった。
「あんたはイヤじゃないの?」
喜与子はあからさまにイヤそうな顔をする。
「この3人しか知らないことだろ。それで瑞花が感じるのなら我慢するよ。」
光太も瑞花とエッチをしたいと切望していた。 喜与子はこの2人の関係に嫉妬している自分に気付きながらも無視しようと努めた。
「じゃあ、わかったわ。 お母さんが光太を舐めてあげるから、マネして瑞花ちゃんを感じさせてあげるのよ。」
そう言うと喜与子は光太の耳たぶを優しく噛み、首筋に唾液で潤った舌を這わせた。 喜与子は光太を感じさせる気などなかった。しかし、喜与子の体は光太の汗の香りで興奮し始めていた。 光太は快感を覚えたが、母親で感じたとは言えずに黙って喜与子の舌の感触を楽しんだ。 そして、しばらく母親の舌を堪能した光太が瑞花の首筋に舌を這わせた。
「どう瑞花ちゃん、感じる?」
喜与子は理性を取り戻すためにも声を出した。
「よくわからない・・・気持ちいいような気もするけど・・・」
光太が下手なのか、瑞花が恥じらっているのか、いずれにしろ効果的な方法ではなかったようである。
「いきなり大人のエッチは無理なのかしらねぇ。 ちょっと刺激が強いかもしれないけど直接触ってみましょうか。」
どうすればよいのかわからない喜与子は確実な方法を選んだ。
「光太は瑞花ちゃんの後ろから両手で乳房を包み込んで、 指先で乳首をコリコリしてみて。」
喜与子は自分が感じる状況を想像して指示を出した。
「同時にやらなきゃダメなのかよ。」
光太には喜与子の指示を実現できる気がしなかった。
「女の子はね、同時にいろんなところを攻められるとすぐに感じちゃうのよ。 すごく気持ちいいの。」
光太はたどたどしい手つきで瑞花の乳首に触れた。
「どう、瑞花ちゃん。気持ちいい?」
喜与子には光太の未熟な手つきでは感じさせることができないことがわかっている。
「ううん・・・くすぐったい・・・」
体をよじらせながら瑞花が光太の手を拒否する。 明らかに瑞花はイヤがっていた。
「もう、光太がヘタなのよ。」
そう言うと喜与子は直接瑞花の乳房と乳首を優しく撫でた。
「あん、違う・・・」
光太とは違う指使いに瑞花の体が反応した。 瑞花の甘い吐息に光太の心にも火がついた。
「お母さんなにをやったんだよ。教えてくれよ。」
喜与子の体も瑞花の想定外の声に反応してしまっていた。
「瑞花ちゃんが教えてあげて。どういうのが気持ちよかったの?」
喜与子は間をおくためにも瑞花にリードさせることにした。
「乳首の先を優しく触られるのがよかったのかな?」
瑞花は恥じらいながらも光太を求めた。
「ほら、光太もやってみなさい。」
喜与子はここぞとばかりに2人の体を近づけさせた。
「瑞花ちゃんもどうして欲しいかちゃんと言うのよ。」
喜与子は光太がどうやって成長していくのかということに興味があった。
「ずっと同じじゃなくって、ときどき乳首をつまんでみて。」
瑞花の要求が少女から女に変わっていく。 その変化に光太も応える。
「そう、その調子よ。」
喜与子の体も理性に逆らって濡れ始めていた。
「両方が同じ動きじゃない方がいいかも・・・」
光太は瑞花の声に大人の色気を感じて興奮した。 喜与子も瑞花の変化を確信した。
「もう濡れてるかもしれないわね。じゃあ、瑞花ちゃん足を開いてみて。」
そう言うと優しく瑞花の腿に触れると、少しずつ開いていった。 しかし、瑞花の後ろにいる光太には瑞花の股が見えなかった。
「光太はクリトリスを触ってあげるのよ。」
喜与子は瑞花の足に触れながら、瑞花が濡れていることを確認していたが、 瑞花はそのことに気がついていなかった。
「なんだよクリトリスって。」
瑞花ほど感じていない光太は教えてもらうことに必死である。
「もう、なにも知らないんだから。 そんなことでエッチをしようなんて考えるのが間違えているのよ。」
そう言うと光太の手を取って瑞花の股間に導いた。
「ほら、指先でここを下から撫でてみて。」
光太の指先をクリトリスに導いた。
「下から撫でる?」
意味がわからないまま瑞花の横に座ると言われたとおりにしてみた。
「ああん。」
光太の聞いたことのない声が瑞花から漏れた。
「瑞花ちゃん、感じた?」
喜与子が落ちついた声で尋ねる。
「感じたかも!今、気持ちいいって思った!」
瑞花はますます興奮しているようだった。
「じゃあ、光太は続けて。一緒に瑞花ちゃんは光太のおちんちんを触ってあげるの。」
入れるための最後の準備にとりかかるところである。
「おちんちんってどうやって触るの?」
瑞花も光太に負けず教えてもらうことに甘えていた。
「もう、あなた達には本能ってものがないの?」
そう言うと瑞花の手を光太の下半身に導いた。 瑞花の手を添えた状態で喜与子が主導でおちんちんをしごき始めた。 光太は初めて他人の手で感じて、上半身から力が抜けた。 喜与子は光太のおちんちんに興奮がとまらなかった。 瑞花よりも喜与子の方が濡れていた。
「ほら、2人とも気持ちよくなってきたでしょ。瑞花ちゃんはしごき続けて。 男なんてしごいてあげればいいのよ。光太はクリトリスだけじゃなくて、同時に首筋や乳首も舐めてあげて。 空いている手は乳房を優しく揉んであげるのよ。」
喜与子にとって、男は女性を感じさせてイかせるために生きている生き物だった。 女性が男を感じさせることなど夢にも思ったことがなかった。
「そんなに同時にできないよ。」
光太は喜与子の出す無理難題に体がついていかなかった。
「できないじゃないの。やるの! 男は女の子を感じさせるために生きているのよ。それができなかったら生きてる価値なんてないんだからね。 ほら、瑞花ちゃんから声が漏れてないわよ。」
喜与子にとって女性を感じさせることのできない男に価値などなかった。 しかし、光太が喜与子を感じさせる存在ではないことはわかっていた。
「もう、いちいちうるさいなぁ。」
喜与子の厳しい言い方に光太も愚痴が漏れた。
「教えてもらってうるさいなんて言わないでよ。 そんなこと言うとお母さんがイかせちゃうわよ。」
そう言うと喜与子は光太のおちんちんを激しく刺激し始めた。 喜与子は光太の若くて生きのいいおちんちんの感触を覚えておきたかった。
「ダメダメ!瑞花がいい!」
光太が慌てて喜与子の手を拒否して瑞花の手を導く。 瑞花もためらわずに光太を激しく触る。 恥じらいながらも徐々に積極的になる瑞花と、喜与子と瑞花の狭間で興奮し始めた光太と、 光太のおちんちんに体が反応して戸惑う喜与子の、 3人の思惑が複雑に絡みあって挿入のときが近づくのだった。

小説(転載) 彼女と母親と朧月2

近親相姦小説
03 /09 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

「瑞花ちゃん。おばちゃんと話をして。」
布団の中の瑞花から返事はなかった。
「瑞花ちゃん。おばちゃんは瑞花ちゃんが悪いことをしたなんて思っていないわよ。 だから話をして欲しいの。」
「光太が無理矢理したの?」
「いつからそういう関係なの?」
喜与子も瑞花が素直に出てくるとは思っていない。 かたくなに沈黙を続け、恐怖心と羞恥心の狭間で瑞花の心が揺れる様子が容易に想像できた。
「おばちゃんはね、瑞花ちゃんのことを娘だと思っているのよ。」
喜与子は言葉を続けた。
「ねぇ、瑞花ちゃん出てきて。」
喜与子はきっかけを待って話しかけ続けたが、瑞花はまったく反応を示さなかった。 まるで誰もいない布団のかたまりに話しかけているようだった。
「瑞花ちゃん。布団をとるわよ。」
「いいでしょ。」
喜与子は反応のない布団のかたまりに勝手に確認をとると、そっと布団をめくって中を覗いてみた。 暗闇の中には瑞花の足とお尻があった。 若くて張りのある瑞々しいおしりだった。
「ごめん。おばちゃん間違えちゃった。」
喜与子はあえて子どものような言い方で謝った。 その様子につられて瑞花が布団の中で吹き出して笑った。 喜与子も一緒になって大きな声を出して笑った。 一気に空気がなごんで瑞花が布団から顔を出した。
「おばちゃん、お尻見たでしょ。」
瑞花の表情には余裕が感じられた。
「ごめ~ん。だって枕がある方が頭だと思ったのよ。」
親密に振舞う喜与子に対して、瑞花は急に現実を思い出したように目を伏せた。
「おばちゃん。ごめんなさい。」
とにかく謝らなければならないと思った。
「なんで瑞花ちゃんが謝るの?瑞花ちゃんが悪いことしたの?」
喜与子は瑞花を責めるつもりなど毛頭ない。 むしろ責任を感じている瑞花を守ろうとしていた。
「ううん。違うけど、なんとなく・・・ でも、悪いことしようとしてたかも・・・」
瑞花は思い出したように顔をあげると喜与子の瞳を凝視した。 そこには謝罪の気持ちが込められていた。
「どうして?エッチをすることが悪いことなの?男と女はみんなするものなのよ。 悪いことでも謝ることでもないのよ。」
喜与子の笑顔とは対照的に瑞花の顔からふたたび涙が溢れ出した。
「どうしたのよ、瑞花ちゃん。どうして泣くの?」
喜与子は瑞花に体を寄せると母親のように抱きしめた。
「おばちゃん、私ね・・・私ね・・・エッチできないんだ・・・」
瑞花は涙を流しながら告白を始めた。 いつもと変わらない態度で接してくれる喜与子の気持ちがうれしかった。
「どういうこと?」
喜与子は瑞花を刺激しすぎないように言葉を選んでいる。
「エッチしようとしてもできないの。」
瑞花の涙は止まらない。
「できないってどういうことなの?」
喜与子は優しく言葉を重ねる。
「おちんちんが入らないの・・・」
瑞花の声が消え入りそうである。
「そう、入らないのね。どうして入らないのかしらね?」
喜与子は瑞花がふたたび心を閉ざさないように、瑞花の不安を同じ目線で受け入れた。 瑞花は悩みを共有してくれる人がいるという安心感に包みこまれていた。
「どうしてかわからないの・・・ ねぇ、おばちゃん・・・エッチのやり方教えて。」
瑞花は悲痛な叫びで喜与子に助けを求めた。 瑞花の瞳からは切迫感が感じられた。
「え~?私が教えるの~?」
重たくなりそうな会話をおどけた感じで軽く流す。
「だって誰にも聞けないんだもん。」
少女同士の会話でもこのような悩みを打ち明けあうことがあるのだろうか。 しかし、子どもを産んだ経験のある喜与子が瑞花と同じ立場で会話を続けることはできなかった。
「でも、瑞花ちゃんだけに教えてもダメよ。 光太が瑞花ちゃんを感じさせてあげなくっちゃダメだもの。」
喜与子の発言が大人のものに変わっていく。
「感じるってどういうことなの?」
瑞花はおちんちんを入れることばかり考えていて、瑞花が感じることなど考えたこともなかった。
「どういうことって・・・気持ちよくなって・・・あそこが濡れるのよ。」
喜与子はできる限りわかりやすい言葉を選んだつもりだった。
「じゃあ、私感じてないんだ。濡れるってわからないもん。」
喜与子の言うことが瑞花には伝わらなかった。 未経験者に経験の内容を伝えることは難しいことである。 しかも、体でしか感じることができないことを伝えようとしている。
「困ったわねぇ・・・ おばちゃんが見ている前で光太とエッチをしても恥ずかしくないの?」
喜与子は瑞花にエッチを教えることを想像しながら尋ねた。
「恥ずかしいけど・・・それよりもエッチをしてみたいの。」
瑞花の瞳には覚悟が感じられた。 流されやすい光太にはもったいない女の子だと思って、喜与子は嬉しくもあり恥ずかしくもあった。
「光太を呼んでもいい?」
喜与子は瑞花だけに教えることはできないと考えていた。 瑞花は黙ってうなずいた。喜与子も覚悟を決めた。
「光太~!光太~!ちょっといらっしゃい!」
母親の大きな声で呼ばれた光太が恐る恐る階段を昇ってくる音がする。 足音の間隔がゆっくりで不規則である。 おどおどしながら光太が部屋に入る。 光太は制服を着直していたが、瑞花はまだ裸のままだ。
「光太。どうしてあんたは瑞花ちゃんを感じさせてあげられないのよ。」
喜与子は母親という立場を利用して、瑞花の覚悟を守るために強い口調で光太を責めた。
「急にそんなこと言われても・・・」
いきなり厳しいことを言われた光太がさらに縮こまる。
「お母さんが教えてあげるから早く来て脱ぎなさい。」
喜与子はあえて色気のない言い方で光太を脱がせた。 喜与子自身の羞恥心を押隠して振舞うようにも努めた。
「電気は消して欲しいかな・・・」
瑞花が小さな声で申し訳なさそうにささやいた。
「ほら、光太。電気消して、脱いで、瑞花ちゃんの横に座って。」
もはや光太は言われる通りにするしかなかった。 これからなにが始まるのかもわからないままに・・・。

小説(転載) 彼女と母親と朧月1

近親相姦小説
03 /09 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 高校生の光太と瑞花はお互いの両親が公認するほどの仲だったが、2人はまだ結ばれたことがなかった。 過去に何度か挑戦しようとしたこともあったが、知識が不足していたこともあり挿入までは至らないことが続いていた。 そして、その日も2人は光太の部屋で初体験に挑戦しようとしていた。
「瑞花、どう?入りそう?」
光太は半勃ちのおちんちんをぐいぐいと押しつける。
「ダメ・・・当たってるのはわかるけど・・・」
瑞花は光太を膣で受け止めようとする。
「どうしたら入るんだよ。硬くなる前に入れなきゃダメなのかな。」
高校生の2人はセックスの仕方を知らない。 セックスをしてみたいという欲望だけに任せて、試行錯誤を繰り返していた。
「私が悪いのかな・・・」
瑞花は不安を隠せない。
「瑞花は悪くないよ。オレがヘタなんだよ。」
光太は懸命に瑞花を励ます。
「いつもごめんね。」
瑞花は自分に責任を押しつけて勝手に落ち込むタイプである。
「なんで謝るんだよ。瑞花のせいじゃないって。」
瑞花は光太と結ばれない責任を感じて涙を流した。 光太はそんな瑞花を見てさらに焦った。
「瑞花、愛してるよ。」
光太はせめてもの償いのように瑞花の裸体を強く抱きしめた。 瑞花も光太の肌の温もりを感じて気持ちが落ち着くのがわかった。 直接触れる肌の感触に愛を感じる。
「愛してる・・・」
そのとき突然玄関のドアが開く音がして2人は驚いた。

 光太の母親喜与子はまだ子どもが自立していないこともあり、定時に帰ることのできる仕事に就いていて 毎日ほぼ同じ時刻に帰宅するようにしていた。 しかし、今日はなにかの事情で早く帰ってきたようである。 40代の喜与子は年齢に相応のふっくらとした体形で優しさを感じさせる容貌をしていた。 華やかなブラウスでもかわいく着こなすこともできて、 決して大人の女性を感じさせるような社会人ではなかった。 もし娘がいれば、姉妹のような関係の親子になっていたであろう。 光太にとっても優しい母親であり、母子の会話はほかの家庭よりも多かったし、 喜与子が光太の部屋に入ることも多々あった。

 光太は玄関の音から帰ってきたのが喜与子であることがわかった。 光太は急いで制服のシャツを拾い上げると袖に手を通した。 瑞花はとっさに布団の中に隠れた。
「あら、瑞花ちゃん来てるの?」
玄関で喜与子の声がした。
「そ、そうなんだよ。」
慌ててシャツのボタンを留めながら光太が答える。 階段を上る足音がカウントダウンを始める。 光太がシャツを着終わったとき、ドアが開いた。
「・・・電気もつけないでなにやってるのよ。」
素朴な疑問を抱く喜与子の声とともに部屋の明かりがついた。
「あら?瑞花ちゃんは?」
ベッドのかげで上半身だけを見せて言葉の出ない光太と喜与子の目があう。 この世の終焉を告げるような光太の目が喜与子に違和感を感じさせた。
「どうしたの?光太。」
母親と息子の気まずい空気の流れの中で、布団の中の瑞花が体を震わせて泣きだした。 その震えは光太の心をも震わせて、光太は思わず布団を抱きしめてしまった。
「瑞花ちゃん、そこにいるの?どうして隠れているの?」
光太はこのまま時間が止まって欲しいと願った。 瑞花はこの一瞬に永遠が凝縮しているように感じていた。 喜与子には沈黙の理由がわからなかった。
「どうしたのって聞いているのよ。」
喜与子は落ちついた声で尋ねると、部屋に足を踏み入れてハッとした。 光太の下半身が裸であることに気がついて、状況を把握することができた気がした。 光太も喜与子が確信をもっていることを悟った。
「光太。瑞花ちゃんと2人にして。」
光太には喜与子が怒っているように感じられたが、従うことも逆らうこともできなかった。 完全に思考も体も固まってしまっていた。
「光太。出ていってって言っているの。」
喜与子は優しい口調だったが、目つきは厳しかった。 光太はようやく制服のズボンとパンツをもって部屋から出て行った。 行くあてなどまったくない。 ただ、部屋の近くにいることがいけないことのように感じて、階段を下って行った。

小説(転載) 2人だけの奇跡(改訂版)4

近親相姦小説
03 /09 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 翌朝、男はまりあに街を案内してまわった。 まりあにとってはすべてが新鮮だったし、男はそんなまりあを疑うことなく振舞った。 まりあは男の腕に抱きついて離さなかった。 一晩の契ですべてを許す気持ちになっていた。 これが男の言う奇跡だと思った。 本当に運命というものが存在していたのだと思った。
「メシアって救世主って意味なんでしょ。」
まりあはメシアとの運命的な出会いを証明してみせたかった。
「意味なんて関係ないよ。そんなに大したことのできる人間じゃないしさ。」
「そんなことないわ。私を救ってくれたじゃない。あんたは私の救世主よ。」
そう言った瞬間にまりあは昨夜の話を思い出して後悔していた。
「こんなんじゃ救世主なんて言えないよ。真理ちゃんを助けたのも好きになったからだけだし。」
男は照れながらまりあの言葉を謙遜して受けとめていたが、 まりあは自分よりも男が救っている人間がいることに気がついていた。
「でも、あなたが1番救っているのはお母さんだものね。私の救世主だなんて言ったら失礼よね。」
「母と恋人を比べるやつがどこにいるんだよ。どちらかを選ぶ必要なんかないだろ。」
男はうつむいたままのまりあを抱きしめてささやいた。
「えっ?恋人?」
振り返ったまりあの笑顔が急にはじけた。
「違うのかよ。まだ、友達なのかよ。」
男は笑顔のまりあを見つめながら照れていた。
「ううん。恋人・・・恋人だよ。恋人に決まっているじゃない。」
まりあの声が強気の表情とは裏腹に上ずっていた。
「真理ちゃんの笑顔、かわいいのに・・・もっとちゃんと笑えばいいのに・・・」
男はまりあに見せる笑顔とは裏腹に影のある言い方をした。 まりあは普通に笑っているつもりだったので男の言葉がなにを意味しているのか理解できなかった。 そのときメシアのマルチパットに呼びかけがあった。
「こちらSWN管理センターです。 聖メシア様ご購入のマルチパットの誤配による時間のゆがみが発覚いたしました。 大変申し訳ございません。 修正手続きが完了し次第時間を修正いたします。 なお、人体に異変が生じる心配はありませんが、 時間の修正がおこなわれる際に該当する人物の記憶は消去されます。 ご了承ください。」
「ちょっ・・・ちょっと待って下さい。」
メシアは慌てて質問しようとしたが、すでに通話は切れてしまっていた。 メシアは即座に内容を理解することができたが、まりあにどのように説明すればよいのかわからなかった。 ただ、急がなければならないことは確かだった。かけ直して要求している余裕などないと思われた。
「真理ちゃん、冷静に聞いてくれ。」
「なによ。なに急に深刻な顔してんのよ。」
まりあはまだ浮かれた気持ちのままだった。
「今、マルチパットの管理センターから僕に連絡があって、 誤配による時間のゆがみがあったから修正するって言うんだ。 僕の考えが正しければなにか心当たりがあるだろ。」
「なに?なんのこと?全然意味が分かんないよ。」
「真理ちゃんが住んでた時代とは違う時間にいるんだろってことだよ。」
メシアが真剣な眼差しでまりあを見つめている。
「どうして・・・知ってるの?」
まりあはただうろたえるだけだった。
「今の連絡はその時間のズレを修正するっていうことだったんだ。 つまり、真理ちゃんをもとの時間に戻すってことだよ。」
「そんのイヤ・・・私、戻りたくない。イヤッ!イヤ~!!」
まりあは人目も気にしないでメシアにすがりつき泣き叫んだ。
「真理ちゃん、時間がないんだ。聞いてくれ!僕の話を聞いてくれ!」
「イヤ~!イヤ~!戻るなんてイヤ~!!」
メシアの声はまったくまりあに届かなかった。 メシアは泣き叫ぶまりあにキスをするとまりあを黙らせた。
「いいか、まりあ。よく聞いてくれ。もう時間がないんだ。」
そのときメシアは確かにまりあと呼んでいた。 しかし、まりあにはそのことに気がつく余裕などまったくなかった。 まりあは瞳よりも大粒の涙を流しながら黙って泣き続けた。
「まりあ。時間が戻ったら記憶が消えてしまうんだ。僕のことも忘れてしまうんだ。 全部忘れてしまってもいい。僕のことを忘れてしまってもいい。 でも、必ず僕を産んでくれ!どんなことがあっても生まれてこないことよりも不幸なんてことなんてないんだ。 僕は奇跡で生まれてきたんだ!2人なら奇跡を起こすことができるんだ。2人で作った奇跡なんだ!」
「どういうこと?私が産むってどういうことなの!ちゃんと説明して!」
「いいか、まりあ。絶対に僕を産んでくれ。それだけは、それだけは絶対に忘れないでくれ! たったひとつのお願いだ。神様、たったひとつのお願いだ!ひとつくらい聞いてくれたっていいだろぉ!」
メシアはまりあに説明するよりも、 まりあとの運命的な出会いが奇跡に生まれ変われと祈ることに全力を費やした。
「まりあ!まりあ!」
メシアはまりあに永久の愛情を注ぎ込むように抱きしめた。 まりあは男の渾身の愛情に包まれながら、まりあと呼ばれていることに気がついてハッとした。
「え?・・・どうして私がまりあって・・・」
まりあがすべてを言い終わる前に、もうすでにメシアの腕の中にまりあの姿はなかった。
「まりあぁぁぁ!まりあぁぁぁ!」
メシアは時間を超えるほどの力で人目を気にせずに叫び続けた。 メシアの前に残ったまりあのマルチパットからはメシアからの着信音が鳴っていた。

「あら、この空き箱はなにかしら?」
まりあは自分の部屋で見覚えのない空き箱を見つけて伝票を確認していた。
「なんで?変なの。 送ったのが20年後で着いたのが今日だなんておかしな伝票ねぇ。 しかも内容物のマルチパットってなにかしら。 気味が悪いわね。」
窓から差し込む黄昏の日差しに包まれて、まりあは不思議な優しさと一抹の不安を感じていた。

 

2人だけの奇跡(改訂版)

~~ 完 ~~

小説(転載) 2人だけの奇跡(改訂版)3

近親相姦小説
03 /09 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 まりあはドキッとした。 自分の名前は姓が聖だからまりあになったと両親から聞かされたことはあったが、 それはたまたまのゴロあわせのようなものにすぎなかった。
「まあ、母は男がいないのに僕を生んでしまったからかなり苦労をしているみたいだけどね。 だって、普通ならそんなわけないじゃん。 だから、誰にも信じてもらえなくって、 頑固に1人で殻に閉じこもって社会と接点をもとうとしないんだよ。」
まりあには不思議と男の話がウソだとは思えなくなっていた。
「ねえ、お母さんってどんな人なの?」
「どんな人って・・・もう誰も信じないって感じかな。 マルチパットだって僕からの着信しか登録してないしね。 昔はなんか宗教にはまった時期もあったみたいなんだけど、もう神様も信じてないんじゃないかな。 なにも言わないけど僕にはわかるよ。だって、神様なんかいたっていなくたって一緒じゃん。 もしも神様が本当にいるのだとしたら母みたいな人を作ったりしないと思うな。残酷だよ。」
男は悟ったようにささやいた。
「神様かぁ。そんなこと考えたこともなかったなぁ。 そんなになってまでもお母さんはどうして生き続けているのかしらね。」
まりあは息子に残酷とまで言われる女が生き続けていることが不思議だった。
「さあ、聞いたことないからなぁ。なにか生き続ける理由があるんだろうなぁ。 ずっとここに住んでなきゃいけないんだって古いアパートに住み続けているしね。」
「そこになにか秘密があるの?」
「さあな。かなり不便だと思うんだけど、それ以上のものがあるんだろうなぁ。 でも、オレにはそんなこと聞けないよ。そっとしておいてあげたいんだ。 もうこれ以上、母の生活を狂わせたくないんだよ。」
まりあは男が母親のことを労わる気持ちに感心した。 しかし、この母子の不幸な過去を垣間見たような気がして同情した。
「でも、神様だってずっと不幸な人にはものすごい幸福をくれるかもしれないじゃない。 私みたいにずっと平凡な人生だとすごい不幸もすごい幸福もないのかもしれないのだけれど、 すごい不幸を経験したらすごい幸福があるかもしれないとは考えられないのかしらね。」
まりあはそう言ってから気休めに過ぎなかったような気がして後悔した。 それほど男の言葉が重たくのしかかっていた。
「そうだといいんだけどな。でも、僕は生まれてきただけでも幸福だよ。真理ちゃんに会えたしね。」
「そんなことついでに言わなくてもいいのよ。」
まりあの笑顔で少しだけ雰囲気がなごんだが、 まりあは男の過去の話を聞かなくても十分に試練に耐えてきたことがわかった。
「あんたも結構苦労してきたのね。いじめられたりもしたんでしょ。」
「そりゃね。父が存在しないわけだからね。悩んだこともあったかな。」
「他人事みたいに言うのね。」
まりあは男の地獄のような過去を想像しながらも、それとは対照的な明るい性格に安心もしていた。
「だって、しょうがないだろ。母がそう言うんだし、実際そんなつまらないウソをつくような母じゃないしね。 僕が信じてあげなかったら誰が信じてあげるんだよ。 僕は母が生きている限りは生き続けなくっちゃいけない運命なんだよ。 不幸を覚悟で産んでくれたんだからね。 産む前からわかっていたはずなんだよ。こんなことになるんだって。」
まりあは男の母親が生き続けている理由がわかったような気がしたと同時に、 男の強い覚悟も感じることができた。

「あんた見かけより強いのね。少しだけ見直したわ。」
「そう?僕は最初から真理ちゃんのこと好きだよ。」
ふたたび男は含み笑いをした。
「そういうことはね初対面で言うもんじゃないわよ。」
まりあも無意識に含み笑いをしていた。
「真理ちゃんは一目惚れを信じないのかよ。」
「信じるとか信じないじゃないのよ。 もっと時間をかけてよく知ってから好きとか嫌いとかわかるものじゃないの?」
「それは信じていないからだよ。世の中には奇跡ってものがあるんだよ。 奇跡っていうのは宝くじに当たるとかそんなしょぼい話じゃないんだよ。 もっと宇宙全体がひっくりかえるような、 それこそ男と寝ていないのに子どもが生まれちゃうようなことを奇跡って言うんだよ。 僕は奇跡を信じてるよ。 それに比べたら一目惚れなんてよくあることだよ。一瞬だけでも見たらわかるんだよ。この人だって。」
「ちょっと見ただけで私のなにがわかるって言うのよ。」
まりあは男が自分になにを見出したのか見当もつかなかった。
「例えばさぁ、なんて言うのかなぁ・・・この人のことを昔から知っている確信があるとか、 ちょっと違うなぁ・・・今言わないと一生告白するチャンスがないかもしれないって言うか・・・ うまく説明できないよ。 とにかくさぁ・・・この人のためなら他人の目なんか気にならないって言うのかな。 実際、真理ちゃんをうちまで連れてくるのも大変だったんだからね。 真理ちゃん倒れちゃうから、『大丈夫です、大丈夫です。僕、この人の知り合いです。』って言って タクシーでここまで来たんだから。こういうことができるっていうことが一目惚れってことなんじゃないかな。 真理ちゃんじゃなかったらこんなことしてないと思うよ。 駅員さんとかを呼んで、『はい、さようなら』ってできたんだからね。 そしたらそれっきり会えないわけでしょ。 初めて会ったのに、それじゃダメだってその瞬間に思っちゃうのが一目惚れだったんじゃないのかな。」
まりあは男の熱弁に聞き入っていた。
「あんたよくそんなに熱く語れるわね。」
「僕はね、このときのために生きてきた気がしているんだ。 真理ちゃんを見た瞬間に奇跡だって思ったんだよ。」
まりあは男の口説き文句に心を動かされてしまっている自分がいるのがわかった。 まりあが男に魅力を感じたわけではなかったが、男の気持ちに応えてあげなければならない気持ちになっていた。 そして、男の言う奇跡というものがどういうものなのかも知りたいと思った。
「・・・私もその奇跡を信じてみようかな・・・。」
そう言うとまりあは男により添って座って、男の肩に頬を寄せた。
「奇跡を信じるってどういうことだよ。」
「あんた鈍いのねぇ。そんなこと女の口から言わせるんじゃないの。」
駄々をこねる子どもを諭すようにまりあが優しく甘えてみる。
「ホントにいいのかよ。」
男が緊張気味に正面を見つめたまま尋ねる。
その緊張が伝染したかのようにまりあがぎこちなくうなずく。
「あんたが好きなわけじゃないのよ、同情してあげているだけなのよ。」
男性経験のないまりあが照れ隠しを言う。
「やっぱり真理ちゃん運命の人だっただろ。」
男の手がまりあの背後から肩に伸びるとまりあの体を引き寄せた。
「初めてなんだからね。優しくしてよね。」
「オレだって初めてだよ。」
男の手が震えていた。
「なに急に緊張してんのよ。さっきまでの強気のあんたはどこに行っちゃったのよ。」
「人生で1番大切なときなんだぞ。緊張くらいするだろ。」
「なに大げさなこと言ってるのよ。運命の人なんでしょ。・・・大丈夫よ、うまくいくって。」
まりあは男の言う運命という言葉になぜか説得力を感じていた。 男が本当に初めからまりあのことを知っていたかのような錯覚に陥っていた。 もはや男のことを他人のようには感じていなかった。 男は優しくまりあの唇を奪うとそのまま倒れ込み2人の体が絡みあった。

小説(転載) 2人だけの奇跡(改訂版)2

近親相姦小説
03 /09 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 目をあけるとカーテンから漏れる黄昏の陽とともに布団に包まれていた。 心地よいまどろみの中でまったく見覚えのない天井が見え、そこが自分の部屋ではないことだけは確かだった。 おぼろげな記憶をたどると駅で貧血を起こしたところで終わっていた。 そして、ここがいてはいけない場所だと思い急いで起き上がった。
「あ、気がつきましたか?」
男の優しい声が聞こえたが、まりあは聞く耳をもたずに帰ろうとした。
「ご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ありませんでした。」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ。どこに行くんですか。」
男が戸惑って引きとめる。
「私帰ります。」
「ダメですよ。また倒れたらどうするんですか。」
「もう大丈夫ですから。」
「まだ気がついたばかりじゃないですか。もう少し休まないと・・・」
「私、知らない男の人の部屋にいるなんてできません。」
まりあは毅然とした態度で断った。
「僕はよく知っています。」
男は落ちついた態度でまりあを見つめている。
「私のなにを知っていると言うんですか?」
男は言葉を詰まらせた。
「・・・もう3時間以上もあなたの寝顔を見ていました。」
「人を馬鹿にしないでください。」
まりあは男の軽さに耐えられなかった。
「ごめんなさい。ごめんなさい。正直に言います。正直に言いますから。」
「なにを正直に言うんですか?」
「一目惚れしました。」
「なにを言っているんですか。」
「好きです。もう少し僕と話をしてください。」
「私、あなたみたいな人のこと好きじゃありません。」
まりあは誠実で一途な男性が好きだったが、今までにそんな男性と出会ったことはなかった。 この男からも誠実さを感じることはなかった。
「今は好きじゃなくてもいいんです。でも、あなたと話がしたいんです。 マルチパットも返さないといけなし。」
まりあにはマルチパットの意味がわからなかった。
「マルチパットって・・・なに?」
男は驚く様子もなく例の黒い楕円形のものを見せた。
「ああ、これね。マルチパットって言うの。じゃあ、 これの使い方教えてくれる?私わからなくて困ってたのよね。」
「いいですよ。でも、その前に名前くらい教えて下さいよ。僕はメシア。」
「あなたメシアって名前なの?ハーフ?」
まりあはあえて失礼な言い方をした。それくらいこの男に興味がなかった。
「いや。列記とした日本人ですよ。親の顔が見たいでしょ。そのうち見せてあげますよ。」
男は妖しい笑みを浮かべながら瞳でまりあの返事を求めた。
「私、そういう冗談は嫌いなの。私の名前は・・・まり。真理って書いて、まり。」
まりあは正直に本名を教えることに気が引けた。
「あ、そう・・・。じゃあ、真理ちゃんって呼んでもいい。」
男は一瞬ためらった様子を見せたが、すぐに明るく振舞った。
「好きにすれば。でも、私、あなたの笑い方嫌いよ。」
まりあはつれなく答えた。この男と長くつきあうつもりはなかった。
「僕の笑い方は母に似てるんですよ。」
「あらそうなの。残念だったわね。」
「もう、真理ちゃんはそっけないなぁ。」
男は照れながらも嬉しそうにマルチパットの説明を始めた。

「僕のはモニター付きのモデルだから見た目はちょっと違うけど、 それはモニターがついてない最新型なんだよ。」
男は自分のマルチパットと比べながら説明を始めた。 確かに男のマルチパットにはサングラスのようなモニターがついていた。
「なるほどね。耳と鼻で支えるわけね。うまくできているのね。」
まりあは男のマルチパットを手にとって観察していた。 男性用はまりあのものとは違い角ばった形をしていた。
「どう、気にいった?」
「こんな暗いモニターがついていてちゃんと前は見えるの?」
「装着すると自動で明るさが調節されるんだよ。しかも、最近はソーラーシートのせいで眩しいだろ。 だから、外にいるときはこれくらいでちょうどいいんだよ。」
「ソーラーシートってなによ?」
「ビルの壁とかに貼るだけで使える太陽光発電のシートだよ。 駅前のビルもほとんどソーラーシートが貼ってあっただろ。 それぞれのビルで発電できるのはいいけど、眩しいんだよね。」
「ああ・・・だから。」
まりあが駅を出たときに感じた異常な眩しさの原因はそれだったのだ。 確かに、今思えばサングラスをしている人が多かったような気もする。 もしかしたらサングラスではなくマルチパットだったのかもしれない。 まりあの頭の中は急速にこの世界の状況を把握し始めていた。
「真理ちゃんのはモニターがついてないから音声だけしか使えないけどね。」
「それで、なにができるのよ?」
まりあには声だけで操作できる機械というものが想像できなかった。
「基本的にはインターネットだよ。」
「音だけのインターネットに意味なんかあるの?」
「意味って・・・電話もできるし、検索もできるし、健康管理もできるし、音楽も聞けるし。」
男はとりあえずマルチパトでできることを思いつく限り並べてみた。
「電話ってどうやってかけるの?」
まりあは声だけで電話をかけるということに素朴な疑問を感じた。
「登録した名前を言えばいいんだよ。」
「でも、例えば私とあんたみたいに近くにいたら話をしているだけで電話がつながっちゃうの?」
「一応、距離が近かったり日常会話のトーンのときは 機械が判断してつながらないようになっているらしいんだけど、 ときどきおかしいときがあるかな。 でも、『真理ちゃんどこにいるの?』って言ったら近くにいてもつながるよ。」
「なるほどね。あんた詳しいのね。」
「母が旧型を使い続けていてね。 僕が不便だからこの前新しいのを買って送ってあげたんだけど、 真理ちゃんのはそれと同じ型なんだよね。」
「ああ、だから詳しいのね。」
マルチパットの説明を聞いてまりあも少しずつ気を許し始めていた。 少なくとも、今すぐにでも帰ろうとする気はなくなっていた。
「どう?これってかわいいと思わない?」
「そうね。ちょっと慣れないからわからないけど、デザインは悪くないわよね。」
「そう言ってくれると嬉しいね。まだ、母の感想を聞いてないんだよ。」
「あんたってマザコンなの?私よりも母親の話ばかりじゃないの。」
まりあは容赦なく男の発言の上げ足をとった。
「違うよ。うちはね・・・特殊なんだよ。」
そう言うと、男はまた例の含み笑いをした。
「その笑い方嫌いって言ったでしょ。 それに、なにもったいぶった言い方してんのよ。人間には誰にでも母親がいるものよ。」
「僕にはもう1人の方がいないんだよ。父が・い・な・い・の。」
「母子家庭なの。じゃあ、お母さん苦労したんでしょうね。ごめんなさいね。」
まりあは申し訳ないことを言ってしまった気がしたが、謝罪の言葉は型どおりのものに過ぎなかった。
「それも不正解です。最初っからいないんだよ。母はね男と寝てないのに僕が生まれたんだって。 だから僕はキリストと同じなんだよ。」
「そんなわけないでしょ。なに言ってんのよ。」
まりあはそんなことを真面目に言う男が信じられなかった。
「ウソじゃないよ。だから僕の名前はメシアなんだもん。イエスでもキリストでもよかったんだよ。 だから、僕の母はマリア様なんだよ。」
初めて男は笑わずに言い切った。

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。