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小説(転載) 蒲柳の母7-2

近親相姦小説
03 /29 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 次の日の夜、由布が幹太の部屋にやってきた。
「幹太。抱きしめて。」
由布も少し気が引けるようだった。 だからこそ我慢をしていたのか、心の状態はかなり悪いようだった。 幹太は断ることができなかった。 なにも言わずに正面から由布を強く抱きしめた。 そして落ち着いていく由布を感じていた。 由布が落ち着いていくとき、幹太には音のようなものが聞こえる。 初めは乱れた音が壊れたアンプを通したハードロックのように響いてくる。 しかし次第にその音が調律されていく。 アンプが治ったときには音楽もクラシックのような響きに変わっていた。 その音は幹太の気持ちも和らげた。 由布を抱きしめているときの幹太は自分自身も癒していた。
「お母さん。」
幹太は勇気を振り絞って由布に問いかけようとした。
「なに?」
由布は幹太がなにを言おうとしているのかわからない。
「あのさぁ。」
幹太が口ごもった。 由布はそれ以上返事をしなかった。 ただ幹太の腕の中で心を落ち着かせていた。
「お母さん。触りたいの?」
幹太は最後の勇気を振り絞った。 由布のあの最高の笑顔をとり戻させてあげるべきかどうか迷っていた。
「触りたいって、なにを?」
そう言って由布も気がついたようだった。 幹太の腕の中で由布がもぞもぞと動き出した。 由布の右腕が幹太の腹部を通過する。 幹太は由布を抱きしめたままである。 そして由布の指が幹太の股間に届いた。
「勃ってないじゃない。」
由布は少し不満そうに言った。 幹太は言うべきではなかったと後悔した。 あの朝のおぞましい記憶がよみがえってきた。
「でも、触ってると落ち着く。」
由布は意外にも幹太の状態を肯定した。 幹太が由布を抱きしめるようになってから母子という関係は崩壊しかけていた。 だからこそあの朝のような事件が起きたのだろう。 女の本能なのかもしれない。 由布は指で柔らかい幹太を触り続けていた。
「うふっ。少し硬くなってきた。」
由布の表情は見えないが楽しそうである。 幹太の気持ちも和らいでくる。 幹太から誘ったことだからか、幹太はあの朝ほど恥ずかしくなかった。 黙って由布の指の動きを感じていた。
「芯ができてきた。こんなに最初からじっくり触るの初めて。」
そういうと由布は指でつまんでいたものを握ってみた。
「不思議な感触・・・」
由布はこんなときでも口数が多い。 決して照れているわけではない。 思ったことが脳を経由しないで直接口に出る性格なのである。
「直接触ってもいい?」
幹太は由布に気持ちを伝える手段がない。 口に出すのは恥ずかしかった。 伝わるかどうかわからなかったが、ただ黙ったままうなずいてみた。 すると由布の手が幹太のパジャマの中に入ってきた。 由布が幹太の確認を待ってから行動に移すことは珍しかった。 幹太の背筋に緊張が走る。 あの朝の恐怖と同じ感覚だった。 母が触れるからなのか、女性が触れるからなのかはわからなかった。 とにかく背筋が凍る思いがした。 しかし、不思議と幹太は心のどこかで安心感を感じていた。
「そんなに怖がらなくてもいいじゃない。」
由布はすべてを見通しているようである。 幹太に抱きしめられている由布にも幹太の心がわかるのだろうか。 幹太が童貞なのは明らかである。 彼女がいないことも由布は知っている。 幹太にとって初めての経験であることを知っての行為である。
「直接触ったら、すぐにできちゃったわよ。」
由布は幹太の変化を楽しんでいた。 幹太は由布の親指が皮の中に入ってくるのがわかった。 他の指は幹太を優しく握っていた。
「幹太って包茎なの?」
幹太には包茎の意味がわからなかった。 なんせ自分自身以外のものを見たことはない。 なにが正常で、なにが異常なのかを判断する術を知らなかった。
「幹太。これからも触らせてくれる?」
由布は幹太を触って楽しみたいようだった。 幹太は由布の笑顔を取り戻すためなら犠牲になってもいいと思っていた。 それほど幹太は由布のことを心配していた。
「いいよ。いいけど・・・」
「いいけど、なに?」
「いいけど。もう暴れないでよ。」
幹太の切実な願いだった。 由布の手が一瞬止まった。 そして、ふたたび由布の指が幹太を強く握った。
「わかったけど、危ないときはちゃんと抱きしめてよ。 そうじゃないと止められないの。」
こんなに素直な由布は見たことがない。 由布にも心を落ち着かせるきっかけが見つかった気がしたのだろうか。
「わかった。いつでも抱きしめてあげるから。」
幹太も由布と同じ気持ちだった。 これで由布が落ち着くのなら許してもいいと考えていた。 幹太には性的な欲望はなかった。 実の母の指で感じることを求めるほど幹太は落ちぶれていなかった。 しかし、由布の指で硬くなることも事実だった。 硬くなった幹太は2人の共通のおもちゃだった。 由布はこのおもちゃで楽しむことができた。 幹太はこのおもちゃで楽しむ由布を見て安心することができた。 2人にとってこれ以上いい関係はないと錯覚するほど、 由布の暴力は深刻な問題を家庭に投げかけていた。 その深刻な問題を解決するきっかけを見つけたのかもしれないと幹太は錯覚していた。 それが錯覚であることに気がつくほど幹太の心には余裕がなかった。

小説(転載) 蒲柳の母7-1

近親相姦小説
03 /29 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

「幹太。抱きしめて。」
その夜、由布がいつものように幹太に抱擁をねだった。 幹太はしばらく躊躇して返事をした。
「イヤだよ。今朝みたなことになるんだろ。」
由布は想定外の返事に戸惑っているようだった。 由布が抱擁を求めてきた瞬間の由布はそれほど落ち込んでいなかった。 それは幹太にもわかることである。 幹太は抱きしめなくても大丈夫なのではないかという思いもあった。 しかし、幹太が拒否した直後の由布は明らかに落ち込みが激しかった。
「わかったわよ。もう頼まないわよ。」
由布は怒って出て行った。 幹太は決して抱きしめたくなかったわけではない。 抱きしめて由布が落ち着きを取り戻してくれるのであれば幹太もそれを望んでいた。 しかし、その後の展開が恐ろしかった。 朝のように由布に襲われたら夜はエンドレスである。 そう考えながらも幹太は拒否したことを少し後悔していた。 そのときである。 激しく食卓を叩く音がしてきた。 とても人間の手で叩いているとは思えないような音だった。 幹太は急いで食卓に向かった。 幹太は食卓の前で暴れている由布を見て目を疑った。 由布は両手でフライパンを握りしめて食卓を叩き続けていた。 また振出しに戻った気がした。 幹太が多少冷静だったことだけが、昔とは違っていた。 幹太は由布がフライパンを振り上げた瞬間にフライパンを取り上げた。 そして、由布を後ろから抱きしめた。
「もう抱きしめてくれないって言ったでしょ!」
由布は悲鳴を上げた。 おそらく近所にも響き渡ったであろう。 幹太は右手で由布の口をふさぐと左手だけで由布の体を抱きしめた。 しかし、片手で暴れる由布を止めることは難しかった。 由布は体勢を入れ替えると思いっきり幹太の胸をなくり始めた。 かつて見た風景がそこでは再現されていた。
「お母さん、どうすればいいんだよ。抱きしめたら落ち着くのかよ。」
幹太は大きな声を出した。 普通の声では暴れる由布には届かない気がした。
「もう抱きしめなくていいわよ。」
由布は頑固に幹太の抱擁を否定し続けた。 それでも、時間が経つと由布の心は次第に落ち着きを取り戻していた。 幹太の抱擁にはどのような効果があるのだろうか。
「どうして、もう抱きしめないなんて言ったのよ。」
由布は静かに怒っていた。 落ち着いた精神状態の中で確実に幹太を非難していた。
「お母さんがあんなことしたからだろ!」
幹太も由布の理不尽さに怒りを感じていた。 人間のケンカはどちらかが引くから収まる。 どちらも引かなければ収まることはない。 由布は決して引くような性格ではない。 つまり、幹太が引かなければ2人のケンカが終わることはなかった。
「じゃあ、お母さんが悪いって言うの!」
由布も幹太の言葉に興奮していた。 幹太はどう考えても由布が悪いと思っていた。 しかし、フライパンを叩きつける由布を見た今となっては、 由布が悪いと言い切る自信がなかった。 おそらく由布は自分の気持ちを抑えきれなくなって、 たまたまコンロの上にあったフライパンを手に取って叩きつけたのだろう。 その強烈なインパクトが幹太にどのような恐怖心を与えるかなど計算していたわけではない。 もともと由布は思ったことが行動に出る性格である。 計算して先を考えてから慎重に行動するような女ではなかった。 幹太は不思議なほど強気な由布の表情を見つめながら言葉を詰まらせた。 由布は黙って由布を見つめるだけの幹太に不満だった。
「なんとか言いなさいよ!お母さんが悪かったの!」
由布はまだ自分に非がなかったと言い張っている。 幹太相手なら言い張ればなんとかなると思っているのか、 本当に自分には非がないと信じているのか、 そんなことは知る由もなかったが、幹太には自信満々に言い切る由布が信じられなかった。
「お母さんが悪いんだろ。」
幹太は何度そう言いそうになったかわからない。 しかし、その言葉が2人の関係を、もしくはこの家庭そのものを崩壊させてしまうかもしれないと恐れた。 恐れたからこそただ由布を見つめて黙り続けて自分自身を納得させるしかなかった。 由布の後ろには食卓の上に放り投げられたフライパンが見える。 幹太ですらそのフライパンを手に取って叩きつけたい気持ちだった。 しかし幹太には結局、由布のプライドを守るという選択肢しか残されていないのだ。 幹太は由布を抱きしめた。
「落ち着くまで抱きしめてあげるよ。」
幹太にも由布の怒りが直接伝わってきた。 幹太が由布を抱きしめるときはいつも由布の心は乱れている。 しかし、次第にその怒りも落ち着いていった。 そのために幹太は存在している。 なぜ幹太に由布の心が伝わるのかはわからない。 親子だからだろうか。 それとも幹太が由布にとっても特別な存在だからなのだろうか。 由布は幹太の腕の中で深呼吸をするように気持ちを落ち着かせている。
「でも、お母さんは悪くないわよ。」
それでも由布はそこにこだわっていた。 もう幹太にも由布の落ち着いた心が伝わってくる。 『でも』が由布のプライドを象徴していた。 由布自身にも逆説であることがわかっているのである。 幹太はなにもかも承知していた。
「わかってるよ。」
幹太はすべてを含めてそう答えた。 誰が悪いとかじゃない。 由布がご機嫌なときが地球が平和なときなのだ。 幹太は本気でそんな気がしていた。
「もうユッコに助けを求めたりしない。 自分が地球の平和を守らなければならないのだ。」
幹太が決意を新たにした日だった。

小説(転載) 蒲柳の母6-3

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 幹太はユッコに相談をしようと思った。 ユッコなら由布のことを詳しく知っているだろう。 なにか貴重な意見をもらえるかもしれない。 そんな淡い期待を胸にユッコに電話をした。
「もしもし、ユッコ?今、大丈夫?」
「なんなのよ。仕事のあとは疲れてるって言ってるでしょ。 また、お母さんがなにかやらかしたとでも言うの?」
幹太はユッコの機嫌が悪いときに電話をしてしまったと思った。 しかし、引き下がるわけにはいかなかった。
「お母さんの機嫌がいいときってどうやって見分ければいいと思う?」
幹太は早く本題に入ってしまおうと思った。
「お母さんの機嫌がいいとき?そんなこと知らないわよ。 なんでそんなこと聞くのよ。」
ユッコがまともに考えてくれる様子はない。
「夜、お母さんとユッコが話をしているときに、 お母さんがすごく楽しいそうにしているときとかあったでしょ。 そんなときになんかわかりやすい仕草とか、表情とか、そんなのなかった?」
幹太はそのことだけが知りたかった。
「お母さんの機嫌がいいとき? そんなのわかんないわよ。なにかあったの?」
ユッコは今すぐにでも電話を切りたい様子だった。
「お母さんお様子がさ、一時期みたいに悪くはないんだけどさ、よくもないんだよ。 でさ、オレってお母さんの機嫌がいいのか悪いのかわからないからユッコに教えてもらおうと思って、」
幹太の話をさえぎってユッコが話し始めた。
「幹太に言ってもわからないかもしれないけど、 お母さんってよくしゃべるときに右の唇の先が微妙に上がるのよね。こんなのでいい?」
幹太はさすが姉弟だと思った。 同じところをユッコも気がついていたのだ。 これで由布の機嫌がいいときはわかるようになった。 朝の由布は確かに機嫌がよかったのだ。
「そんな微妙なこと、オレにわかるかなぁ?」
幹太はわざと知らないふりをしてみせた。
「今でもときどきお母さん突然切れちゃうんだけど、昔もそんなことあったの?」
幹太は抱きしめる以外の対処法も知りたかった。
「お母さんっていつも愚痴ばっかり言ってたから機嫌がいいときってあんまりなかったけど、 すごく機嫌が悪いとか、切れちゃうことなんかなかったと思うのよねぇ。 突然お茶碗投げたりしちゃうんでしょ。私はそんなこと知らないわよ。」
やはりユッコは見たことがないようだった。
「それでさ、もしユッコだったらそういうときどうやって止めると思う? オレいつも強引に突撃して押さえ込んでいるんだけど、これって逆効果だと思うんだよね。 だって、お母さんって押さえ込まれたらかえって暴れる性格だろ。」
「そうねぇ。自分の思うようにならないことがあると反発はするでしょうねぇ。 でも、暴れてるんでしょ。押さえないと止まらないんじゃないの?」
この件に関してはユッコから有益な情報は得られそうにない。 しかし、機嫌が悪そうだったユッコが優しい言葉遣いで答えてくれると幹太は不思議に思った。 そのとき、電話の向こうで知らない男の声がした。
「いつまで電話してんだよ。続きしようぜ。」
「電話中は黙っててって言ってるでしょ。弟と話をしてるんだから。」
幹太は一瞬だけ話が見えなかった。 しかし、すぐに状況を把握することができた。 最近の電話は性能がすごくよいということである。
「ユッコは男と一緒にいたから言葉遣いが悪くなかったんだ。」
幹太は間違いないと思った。 しかし、ここで「誰かいるの?」などと聞くほど幹太はヤボではない。 この事実をいつどのように使うかはタイミングを待つことにした。 さすがに由布の子である。 ユッコも幹太も確実に由布の性格を継いでいることろがある。
「ユッコはお母さんのこと心配じゃないのかよ。」
幹太は話を広げてみた。
「心配だけど、離れて暮らしていたらどうしようもないでしょ。」
ユッコの答えはいつも同じだ。 積極的に由布を助ける気はないようだった。
「オレだけだと心配なんだよね。」
幹太が話をしているときにも男の声が混じって入ってくる。
「ちょっと、やめてって言ってるでしょ。」
ユッコの声も混じってくる。 ユッコも朝の由布のように男を焦らして楽しむのだろうか。 ふとそんなことが気になった。 しかし、そんなことは知る術がなかった。
「ちょっと、もう切るわよ。」
男がせかすのか、ユッコが我慢できないのか、2人の世界に戻りたいようだった。
「わかったよ。また困ったら電話するから相談に乗ってよね。」
幹太は素直にユッコの時間を邪魔しないことにした。
「また、なにかあったら電話してね。 私だってお母さんのこと心配なんだからね。」
本音か建前かわからないようなことを言ってユッコは電話を切った。 幹太も最低限知りたかったことは知ることができた。 しかし、これで問題がさらに深刻化したことは明らかである。 由布が暴れるようなことがあれば幹太は由布を抱きしめなければならない。 そのときに由布が朝のようなちょっかいを出さないとは限らない。 幹太にとって、由布を守るとはどのような行為を意味するのだろうか。

小説(転載) 蒲柳の母6-2

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 膝から落ちた由布がひじで感じたものは硬直した幹太だった。 由布はあきれた声を上げた。
「幹太、なにを考えてたの。」
幹太は慌てて否定した。
「朝勃だよ。朝、起きたら勃つんだよ。」
そう言いながら由布を振りほどいた。 由布は今まで弱っていたのが嘘のように立ち直っていた。
「幹太、いつもそんなこと考えて抱きしめてたのね。」
由布は幹太の下半身を見つめたままつぶやいた。 幹太から由布の表情は見えなかったが、不思議と由布の声からは怒りを感じなかった。 それどころか、格好の見下す相手を見つけたときの由布は生き生きとしていた。
「だから、そんなんじゃないって言ってるだろ。」
幹太は必死になって否定した。 由布を抱いて硬直したなど絶対に認めたくなかった。
「そんな必死になっちゃって。体はウソをつけないわよ。」
幹太を見上げた由布の瞳は生き返ったように輝いていた。 由布が幹太に迫る。 幹太は後ずさりをしてベッドに座り込んだ。 幹太の股間に由布の手が伸びる。
「これはなんなの?」
由布の指が根元から先へとくねくねと這う。 由布も幹太を襲おうなどと思っていたわけではない。 幹太が由布の体に感じたと思っていたわけでもない。 ただ、恥らう幹太をからかうのが楽しかった。 幹太は由布の手を握りしめて離そうとした。
「なにムキになってるの?怪しいわねぇ。」
由布は水を得た魚だった。 幹太のどのような行動に対しても即座に揚げ足を取ることができた。 幹太は意地でも由布を抱いて硬直したのではないことを認めさせたかった。
「お母さん、ズルいよ。朝勃って知ってるんだろ。」
幹太は泣きそうな顔をしていた。 そんな表情が由布をますます調子に乗らせた。
「知ってるわよ。朝勃ってすぐに終わっちゃうんでしょ。 どうしてこんなにずっと勃ってるのかしら。おかしいわねぇ。」
由布は満面の笑みだった。 特に、わずかに上がった口元は、かつて幹太の知っていた由布の口元だった。 ユッコと話をしているときにそんな表情をしていた。 しばらく見ていなかった由布の由布らしい表情をこんな形で見ることになるとは考えたこともなかった。
「お母さんが触ってるからだろ。だから、お母さん、ズルいって。」
幹太が拒否し続けている間も由布は優しく触り続けた。 それは決して興奮させる触り方ではななかった。 かろうじて勃起し続ける触り方だった。 この行為からも由布が若い頃遊んできたことがよくわかる。 特に男を焦らす遊び方が得意だったのだろう。 童貞の幹太がそんな由布にかなうわけがなかった。
「お母さんそんなに触ってないでしょ。勃ってるかどうかを確かめているだけよ。 」
幹太は負けを認めたのか由布から逃げる口実を考え始めた。 そして、わざと慌てて時計の方を振り返って叫んだ。
「お母さん、オレ学校に行かなくっちゃ。もうこんな時間だよ。」
しかし実際に時計に目をやると幹太が期待したほど時間は進んでいなかった。 由布が抱擁を求めてきてからかなり長い時間が経っているように感じていたが、しかしまだ1時間弱だった。 幹太が学校に行くまでにはまだしばらくの余裕があった。
「まだ大丈夫でしょ。そんなに急ぐことないわよ。」
幹太の言い訳はいとも簡単に覆された。 由布にとって久しぶりに味わう快感である。 ユッコがいなくなってから初めての快感だった。 この貴重な機会を簡単に手放すほど由布は淡白な女ではなかった。 幹太は落ち込んだ由布の心を感じることはできても、 快楽を享受する由布の気持ちまでも見透かすことはできなかった。
「お母さん、ズルいって。親子でこんなこと、おかしいよ。」
幹太はもはや由布に怯えていると言った方が正しかった。 その事実がさらに由布を興奮させた。 由布は頭のどこかで幹太を支配する計算をしていたに違いない。 幹太が由布の正体を知らなかっただけである。 ユッコもどこまで知っていたのか定かではない。 由布はただプライドの高いお嬢様ではなかった。 息子でさえも支配の対象にしてしまうほど貪欲な女だった。
「あら、だったら幹太がお母さんを抱きしめることはおかしくないって言うの? 幹太だって人のこと言えないでしょ。」
もはや由布の屁理屈に幹太は屈するしかなかった。 幹太にはそれ以上言葉が出てこなかった。 幹太の由布を助ける気持ちを踏みにじられた気がした。 由布の態度が信じられなかった。
「だったら好きなようにしたらいいだろ。 オレだって男だよ。勃起くらいするよ。なにがおかしいんだよ。 お母さん、ズルいよ。信じらんないよ。」
幹太が開き直ると由布には楽しみを続けることができなかった。 開き直った幹太をもてあそんでも快感は得られなかった。 それに由布が幹太に頼らなければならないことも事実だった。 これ以上幹太を追いこんでも由布が得られるものは少なかった。
「もう学校に行きなさい。」
それだけ言うと由布は自室に帰っていった。 幹太は朝食を食べる暇もなく学校に向かった。 学校に向かいながらその朝のできごとがまだ信じられなかった。 何十分も正気をとり戻すことができなかった由布の突如の変貌ぶりに、 なにが起こったのかさえ正しく認識できないままでいた。
「あれは一体なんだったんだ?」
幹太は学校に向かいながら魑魅魍魎の正体でも暴くかのように朝のできごとを思い返していた。

小説(転載) 蒲柳の母6-1

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 ある朝、まだ幹太が起きる前、由布は朝食の準備をしていた。 朝の由布は機嫌がいいことが多い。 やはりユッコと楽しく会話をしていた夕食後が1番落ち込むことが多いだろうか。 しかし、その朝は違った。 幹太が寝ている部屋に音も立てずに由布が忍び込んできた。 ユッコがいなくなってから幹太は1階の部屋で生活をしている。 以前はユッコの部屋だった場所である。 理由はいたって簡単である。 由布の寝室も1階にあるからである。 太一とともに2階で生活していた幹太は、由布のために1階に下りてきた。 その部屋に由布が飛び込んできたのである。 幹太はまだ寝ている。 由布は乱れる息を抑えながら幹太を起こした。
「幹太、起きて。早く起きて。」
由布は幹太にすがりついた。
「えっ!今何時?」
幹太は寝坊したのかと勘違いして飛び起きた。 幹太の声に由布が慌てる。
「大きな声出さないで。お父さんに気づかれるでしょ。」
由布の腕はなにかに怯えて震えている。 幹太は半分寝ぼけたまま条件反射で由布を抱きしめた。 しかし、由布の震えが止まらない。
「どうしたんだよ。しかも、こんな朝早くに。」
幹太は由布を抱きしめる腕に力を込めた。
「朝ご飯を作っていたら、2階でお父さんお足音がして、そしたら・・・」
由布はまるで幽霊でも見たかのように怯えている。 由布が恐れているのは太一の存在ではない。 由布自身が暴れ出すことである。 それは幹太も十分にわかっている。 それほどの回数だけ由布を抱きしめてきた。 由布の心の乱れに関しては、まるで恋人のように幹太は理解していた。
「もう大丈夫だって。」
幹太はとりあえず由布を安心させようとした。 太一が階段を下りてくる音がする。 幹太にはただの足音に聞こえていても、由布には家全体がきしんで由布を押し潰すような音に聞こえていた。
「大丈夫じゃない。」
由布が小声でつぶやく。 幹太はいつもよりも敏感な由布に不安を感じ始めていた。 いつものように幹太の抱擁で簡単に平常心を取り戻すことができないようだった。 幹太はベッドに座ったまま不安定な体勢で由布を抱きしめている。 由布もベッドに片膝をのせて幹太に体を半分だけあずけている。
「いつもみたいに抱きしめてあげるよ。」
幹太は由布を立ち上がらせるといつものように立って抱きしめた。 由布もいつものように両腕を胸の前に組んで幹太の腕の中にすっぽりと納まる。 由布の体の震えは収まっていたが、由布の心はまだ落ち着いていない。 なぜか幹太にはそれがわかる。 それがわかるから抱きしめる腕から力を抜くことができない。
「まだダメ。」
由布は小声で幹太を求め続ける。 幹太の胸に由布の声が響く。
「わかってる。」
太一に聞こえないように幹太も小声で答える。 お互いに耳元でささやきあっているような状態である。 幹太の背中には緊張感が走る。 こんなに壊れてしまいそうな由布を見るのは初めてかもしれない。 いつもの由布からは想像もつかないほどに、か弱い乙女を演じているようだった。 しかし、幹太には演技ではないことがわかる。 いつまで抱きしめればいいのかも想像がつかなかった。 永遠にいつもの由布が帰ってこないようにも思われた。 そして太一が朝食を終えて2階に上がっていった。 20分は抱きしめていただろうか。
「お父さん、行っちゃったよ。」
幹太は由布の頭上でささやく。
「知ってる。」
由布の返事に幹太は困った。 もう抱きしめなくてもよいかと思っていたのに、由布はそれを許してくれないようだった。 由布は幹太に体をあずけている。 幹太は由布の体を支えている。 幹太が由布を抱きしめ続けるのも限界があった。 こんなに長く抱きしめ続けたことはかつてなかったことである。 しかも寝起きの完全に目覚めていない体である。 足元にも力が入らない。 「『人』という字は人と人が支えあってできている。」 そんなつまらないことまでが幹太の脳裏をよぎるほど由布は幹太の腕の中にいた。 確かに2人は現在『人』という漢字を作っていると幹太は思った。 『人』は支えあわなくては生きていけない。 まさにそれを実感しているのが幹太だった。 1人では生きることができないガラスの心をもった由布を、 1人では生きることができない未成年の幹太が抱きしめている。 2人とも不完全な生き物だった。 そしてとうとう太一が出勤した。
「お父さん、行っちゃったよ。」
幹太はそろそろ許してほしかった。
「もう大丈夫かな。」
由布が不安げに答える。 幹太は恐る恐る由布を抱く力を弱めてみた。 由布も恐る恐る幹太を両腕で押して間を広げていった。 由布が顔を上げることはない。 これまでも立ち去るときに由布が顔を見せたことはなかった。 幹太は由布がどんな表情で去っていくのか知らなかった。 いつもうつむいたまま逃げるように由布は帰っていった。 この日も由布はうつむいたまま心の中を探っていた。
「うん。もう大丈夫。」
由布は力強く声を振り絞った。
「よかった。」
幹太は思わず自分自身が解放される喜びを口にしてしまった。 しかし、この言葉は由布の回復を喜ぶ言葉とも聞き取ることができた。 その瞬間、由布を開放しようとした幹太の足元がふらついた。 幹太に全身をあずけていた由布の体も一緒にふらついて膝から落ちそうになった。 幹太は慌てて由布の体を支えようとする。 しかし、幹太は由布を支えきることができなかった。 由布は膝から落ちて幹太の腰にすがりついた。

小説(転載) 蒲柳の母5-3

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 幹太に助けられているからではないのだろうが、 由布と太一との関係は日に日に悪化していった。 もちろん最初は由布が太一にお茶碗を投げつけたことが原因である。 しかし、その行為に対して太一は夕食を外で食べてから帰るという返事で答えた。 今では朝食も由布が朝早く作って、誰もいない食卓で太一が1人で食べている。 この一家は朝食を外で食べることができるほど都会には住んでいなかった。 由布を立ち直らせるのは、本来夫である太一の役割である。 少なくとも普通の家庭ならそうだと幹太は信じていた。 しかしその役割を今は子どもの幹太が担っている。 夫の太一は見て見ぬふりをしている。
「なぜお母さんはお父さんを選んだのか。」
小さい頃から太一との接点が少ない幹太は常に由布の側からこの夫婦を見つめていた。 それは今でも変わらない。 しかし、幹太はただ由布を抱きしめ続けただけだったが、 由布が太一を選んだ理由がわかり始めた気がしていた。 由布は常に他人を見下す。 少なくともユッコと幹太の姉弟はずっとそう思ってきた。 その見方を少しだけ変えればよい。 つまり、見下すことができる人間しか近づかせなかったのではないだろうか。 由布は見下すことができるが、最低限の生活は保障してくれるパートナーとして太一を選んだのではないだろうか。 そう考えるとリビングで聞き続けた由布の愚痴も説明できる気がした。 由布は近所の友達ですら見下す対象として扱っていたのではないだろうか。 そして、他人を見下すことによって由布のプライドを守る。 そこに由布よりも優れている人間が現れるとすべてが破綻する。 それを由布は1番恐れていたはずである。 親しい家庭の不倫問題ですら由布にとっては格好の見下す材料だったのだろう。 由布が小さな声でユッコに話をするとき、 由布の心のどこかで他人を見下しているという、やましい気持ちがあったに違いない。 由布が太一の話をしているときに太一の悪口を言ったことはない。 むしろ、太一を擁護するような発言が多い。 しかし、これは裏を返せば、 由布が太一を褒めてもプライドが傷つかないほどに見下しているということにはならないだろうか。
「お父さんって実は頭がいいのよ。」
この言葉の裏には、太一を夫としている由布のプライドを守ると同時に、 太一を褒めても由布にはそれ以上に余裕があったと考えることもできる。 由布がほめることがあるのは太一だけである。 しかし、太一を尊敬している様子は全く感じられない。 事実、高専を卒業した太一よりも、有名女子短大を卒業した由布の方が学歴でも上だと考えていた。 おそらく結婚を決意した理由も、 堅実な仕事をしていて、安定した収入があって、遊ぶことを知らない太一が理想であったことは 十分に考えられることである。
 幹太には太一に関して、誰にも相談できないまま常に疑問に思っていることがあった。 幹太は太一を父親だと感じたことがほとんどない。 接点が少ないということもあるが、性格も似ているところがないに等しい。 体型も似ていない。 由布と幹太は物をきれいに片づけることが好きだったり、性格が似ているところがある。 例えば、本は本棚にきっちりと小さいものから順に並んでいないと気になる性格である。 太一の部屋は男の部屋とは思えないほどきれいに片付いている。 物が決まったところにないということが幹太にとっては不満なことだった。
「幹太の部屋て女の子の部屋みたい。」
かつて幹太はユッコにそんなことを言われたことがる。 幹太も別に悪い気はしない。 由布はそんな部屋が当たり前だと思っていた。 その一方で、太一の部屋は物が乱雑に散らかっていた。 由布も太一の部屋の掃除をすることを放棄していた。 それに、幹太は太一の1つのものごとに熱中する性格や、いつまでも集中できる性格を一切引き継いでいない。 太一は模型作りなどの趣味を持っていたが、1度作り始めたものは必ず完成させる。 しかも細部にまでこだわっている。 幹太は小さな頃そんな太一を尊敬していたことがある。 マネをしてプラモデルを作ってみたりもした。 しかし幹太には完成させることすら無理だった。 完成する前にきれいにできてないことが不満でやめてしまう。 そして、しばらくするともう作ることもないだろうと考えて捨ててしまう。 太一の部屋には美しい完成品が並んでいるのに対して、 幹太の部屋には1つでも完成品が置かれることはなかった。
「幹太はどうせ捨てちゃうのだから、もう買わなければいいのに。」
ユッコにそんなことを言われてからプラモデルを買ったことはない。 それに、太一のようにちゃんと完成させる自信もない。 また、太一は1人では炊事も洗濯もまったくできないが、幹太は食器洗いなどものがきれいになることは好きである。 小さい頃は食事のあとの後片付けのお手伝いも自ら進んでしていた。 このお手伝いは幹太にとっても楽しいことだった。 きれい好きな性格はユッコにも受け継がれている。 ユッコはなにかというと掃除をしていた。 少しでも汚れているところを見つけるとすぐに掃除をした。 太一は部屋が汚れていても気にならない性格である。
「お父さん汚さないでよ。」
ユッコはよく太一に文句を言っていた。 この性格は由布の性格でもある。 由布の潔癖症は高いプライドとも関係しているのかもしれない。 身の回りが汚れていることを由布自身が許せなかったのだろう。 幹太はそんな由布の気持ちを理解することができた。 しかし、太一とは性格が似ていると思ったことはなかった。 なぜ、親子でこんなに性格が違うものなのか、幹太には納得ができなかった。 由布とは似ていると思うことがあるのに、太一とは似ていると思うことがないのである。 太一は同じ屋根の下で別の生活をしているに等しかった。 由布とケンカをした今となっては、その生活がさらに激しくなっていた。 しかもユッコはもういない。 由布と太一だけが密かに結びついている。 そんな生活が日常となっていた。 太一と性格がまったく似ていない。 もはや太一と会話をする機会も皆無と言っていいほどだった。 この疑問は誰にどう聞けばよいのだろうか。 幹太の悩みの1つであった。

小説(転載) 蒲柳の母5-2

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 幹太の苦悩をよそに由布は幹太に抱擁を求め続けた。 由布は抱擁依存症だった。 いや、幹太依存症だったのかもしれない。 由布が暴れることがなくなったのは、由布が暴れる前に幹太の抱擁を求めるからである。 おそらく幹太が抱きしめなければ、由布は自分を止めることができない。 由布もそのことを知ってか、頻繁に幹太の抱擁を求めた。 由布は幹太の抱擁よりも暴れることの方を恐れていた。
「幹太。抱きしめて。」
あのプライドの高い由布が当然のように自ら幹太に声をかける。 幹太も断る理由がない。
「いつもみたいにもっと強く。」
由布は恋人のようにすがりつく。 幹太が意識するからそう感じるのかもしれない。 ただ、これまでのように無条件で由布を強く抱きしめることはできなくなっていた。 実の母を抱きしめるという覚悟を決めなければならなかった。
「お母さん。オレが抱きしめなきゃダメなの?」
由布はそんなことを考えたことはなかった。 自分を抑えきれなくなるとき、抱きしめて落ち着かせてくれたのは幹太だけだった。
「他に誰がいるのよ。」
由布にとっては抱きしめてもらうことは前提条件だった。 幹太の質問には「誰がするのか?」という点だけに疑問を感じた。 しかも、由布は息子に抱きしめてもらうことに違和感を感じていない。 幹太は黙って由布を強く抱きしめた。 幹太にも由布の気持ちが落ち着いていくのがわかった。 錯角だったのかもしれないが、確かに幹太は感じていた。
「もういいわよ。」
由布は決して礼を言わない。 幹太には抱擁を熱望してくる由布が軽く簡単に去っていくときには気が抜ける思いだった。 初めの頃は由布が限界に達する瞬間に幹太の抱擁を必要とした。 その頃は由布の気持ちの落差も激しかった。 もうどうしようもないほど落ち込んでいるときに幹太に助けを求めてきた。 そのときは幹太にも抱擁のしがいがあった。 由布も明らかに見た目が変わるほどに安心して離れていった。 しかし、最近は由布が気軽に抱擁を求める。 少し落ち込むと幹太に抱きしめてもらう。 そしていつもの由布に戻って帰っていく。 この軽さに幹太の悩みが絡まりあって、幹太は抱擁の必要性を疑い始めていた。
「もう抱きしめなくてもお母さんは大丈夫なんじゃないのか?」
そんなことも考え始めていた。 これは実の母を抱きしめるという行為に疑問を感じている幹太の考えである。 実際に大丈夫なのかどうかは確かめてみればわかることである。 しかし、常軌を逸して暴れる由布を思い出すと幹太にはそれを確かめることができなかった。 実の母であっても助けることを優先するべきであると考える幹太もいた。 2人の幹太のせめぎあいは由布の前では常に抱きしめる幹太の勝ちだった。
「幹太。抱きしめて。」
そう言われると抱きしめないわけにはいかなかった。 由布はおとなしく幹太の腕の中に納まる。 ちょうど由布の髪の香りが幹太の鼻孔を刺激する身長差である。 由布の体は肉に包まれていて柔らかい。 優しく抱きしめるとまるで泡を抱きしめているようである。 幹太が知っていた由布はプライドだけで生きているような強気の由布である。 幹太が由布を抱きしめることがなければ、こんな由布の弱さを感じることなどなかったであろう。 幹太の体も由布より大きくなって由布を見下ろすようになった。 抱きしめれば抱きしめるほど由布の弱さに気がつくように感じる。 強く抱けば抱くほど、簡単に水に溶けて流れてしまいそうな弱さを感じる。
「お母さんを守ることができるのはオレしかいない。」
由布にはそう思わせるなにかがあった。 高いプライドのもとで自由気ままに生きている由布だったが、 だからこそその弱さを垣間見せたときにはより一層魅力的に見えるのだった。 そんな由布が毎日のように幹太に抱擁を求める。 幹太にだけ見せる由布の弱さである。 太一もユッコも知らない由布がそこにはいた。 幹太は由布を正面から抱きしめる。 幹太の手は由布の背中に回る。 肩甲骨がある辺りに指が届く。 肉に包まれて骨の感触はない。 強く抱きしめると肉がきしむ。 由布は胸の前で腕を組んでいる。 由布の腕が由布を守っている。 幹太はそんな由布を壊してしまうかと思えるほどの力で抱きしめる。 由布もその力強さを求めている。 しかし、由布は幹太にユッコの役割を求めたことはない。
「お母さん、なんでも話してよ。」
幹太はそんな声をかけたことがある。 そんなとき由布はただ微笑んで去っていく。 必要があるともないとも言ったことはない。 幹太にはそれが不満でもあった。 由布の役に立っていることだけは確かにわかる。 しかし、ただ抱きしめるだけの役割には物足りなさを感じていた。 由布を完全に立ち直らせるためにはただ抱きしめるだけでは不十分なはずだった。 昔の由布を取り戻すためには抱きしめる以外の行為が必要なはずである。 それがなにかわからなかった。 毎日のように、ただ由布に求められて抱擁する。 ただそれだけしかできない自分の頼りなさが情けなかった。 幹太は由布を守り続けて、昔の笑顔を取り戻すことができる男になりたかった。

小説(転載) 蒲柳の母5-1

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 それ以来、由布の暴力は影をひそめた。 しかし、そのためには大きな問題をともなった。 幹太の抱擁が欠かせなかったことである。 この抱擁に愛はなかった。 あるのは由布の衝動と幹太の奉仕だけだった。 由布の心が乱れ始めると暴れ出す代わりに幹太に抱擁をねだった。 暴力を抑えようとする気持ちが衝動的に幹太を求めた。 そして心の安静をとり戻すと避けるように幹太から由布は離れた。 幹太はそんな由布の行為に不満を感じたことはなかった。 むしろ由布の役に立つことができている気がして嬉しかった。 そんなある日、ユッコから幹太に電話があった。 ユッコが由布の電話を拒否してから1ヶ月ほど経っていた。
「幹太?あれから全然連絡がないけどお母さんはどうなの?」
幹太はユッコがどこまで知っているのか不安だった。
「お母さんからはなにも聞いてないの?」
とりあえず当たり障りのない会話をして様子をみる。
「お母さんも意地になってないで電話くらいしてくればいいのに、 あれから全然連絡がないのよ。まあ、私もきつく言っちゃったからしにくいのはわかるんだけどさ。」
ユッコはなにも知らないようだった。
「とりあえず暴れることはなくなったよ。」
「暴れるってお母さんなにしたのよ!」
ユッコの驚愕の反応を聞いて幹太はユッコが由布が暴れたことを知らなかったのだと気がついた。 その瞬間、余計なことを言ってしまったと後悔した。 しかし、しゃべってしまったことはもうどうしようもない。 素直に状況を説明することから始めた。
「原因はわからないんだけどさ、お父さんとなにかあったみたいで、 突然お茶碗とか投げ始めちゃって、止めるのが大変だったんだから。」
幹太は初めて由布が暴れた日のことを話した。
「そんなことがあったなんて全然知らなかった。 どうしてなにも教えてくれなかったのよ。」
ユッコは幹太にすべてを任せて由布のご機嫌とりを放棄したことを覚えていなかった。
「どうしてって、ユッコがもう電話するなって言ったんだろ。」
幹太は無責任なユッコの発言に怒りをあらわにした。
「でも、そんなことになってるのなら報告くらいしなさいよ。」
幹太にはユッコの判断基準がわからなかった。 今まで1人で頑張って由布を守ってきたことがバカらしくなってきた。
「報告したらユッコがなにかしてくれたって言うのかよ!」
幹太はこれまでの努力が虚しくなって涙声で叫んでいた。
「なに?幹太泣いてるの?わけわかんない。」
ユッコはまだ幹太の大変さを理解してあげることができなかった。
「どうせ苦しい思いをしてるのはオレだけだよ。 ユッコなんか東京で仕事だけしてればいいんだよ。」
幹太は自分でもこんなにストレスが溜まっていたとは思っていなかった。 1度出始めた不満は次々と幹太の口から飛び出した。
「どうせお母さんが暴れてるときのオレの気持ちなんかわかんないんだろ。 もう手当たり次第に物を投げちゃってさ。いろんなものが割れたり壊れたりするし、 押さえつけようとしても殴られるし、もうめちゃくちゃなんだぞ。」
幹太は一気にまくしたてた。
「今でもそんな感じなの?毎日なの?」
ユッコはようやく事態の深刻さを理解し始めたようだった。
「やっと落ち着いてきたところだよ。」
そう言って幹太は初めて由布との抱擁が異常であることに気がついた。 とてもユッコに報告できるようなことではなかった。 異常な由布を落ち着かせるために異常なことをしていたのだ。 幹太はしばらく混乱して放心状態だった。
「それで最近はどうなのよ。」
ユッコの言葉で幹太は我に返った。
「もうだいぶ大丈夫みたいだよ。」
しかし、なぜ大丈夫になったのかを言うことはできなかった。
「お母さんも落ち着いてきた感じなの?」
「そ、そう・・・そんな感じかな?」
幹太は慌ててユッコの言葉を肯定した。
「私がいなくなっちゃったからなのかなぁ。」
ユッコも多少は責任を感じているようだった。
「ユッコのせいじゃないよ。 急に環境が変わったから体が拒絶反応を示したんだよ。 もう、だいぶ慣れてきたんじゃないのかな。」
幹太は思いつきで環境に責任を押しつけた。
「それならいいんだけど。」
ユッコはいまいち腑に落ちない様子だった。
「でも、最近はもう暴れることもなくなったし、 ユッコがいなくなったからじゃないと思うよ。」
幹太の心はユッコとの会話にはなかった。 とにかく早く電話を切って自分の気持ちを整理したかった。
「ホントに?なにかあったら絶対に連絡してよ。」
「わかったよ。また暴れたら電話するよ。」
他人に説明するとは恐ろしいことである。 自分の行為を客観的に見つめ直す機会になってしまうこともある。 幹太は由布を抱きしめるという行為そのものがもつ異常性を認識してしまった。 理由はどんなことであれ、実の母を抱きしめるという行為が正常なわけがない。 事実、幹太はユッコにそのことを言うことができなかった。 もちろんユッコ以外の誰にも言うことができない。 そんな行為を幹太は毎日のように繰り返していたのである。

小説(転載) 蒲柳の母4-3

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 由布が1人で家にいるときは心が乱れることはほとんどなかったようだ。 やはり、対人関係に問題があるのだろうか。 太一はあの日以来、夕食を外で食べてから帰ってくる。 帰宅してからも自室を出ることはほとんどない。 明らかに由布を避けて生活していた。 由布もそんな太一を責めることはしない。 やはりさすがの由布でも後ろめたい気持ちがあるのだろうか。 なにも言わずに幹太と2人分の食事しか用意をしなくなっていた。
「お母さん。」
幹太は夕食中の沈黙を破って由布に話しかけた。
「なに?」
由布は極力何事もなかったかのように返事をしたが、 幹太には由布がなにかに恐れているような感じがした。
「ユッコがいなくなってから、お母さんはなにを考えているの?」
ユッコの話題に触れることは非常に危険なことであるとわかっている。 しかし、このユッコの壁を乗り越えなければ、いつまでも暴力的な由布を恐れて生活することになってしまう。 幹太はこれ以上病んだ由布を見たくなかった。
「ユッコは関係ないでしょ。」
由布には幹太が質問したいことがわかっていた。 しかし、ユッコが由布の心の支えになっていたことを認める気はなかった。
「お母さんを病気みたいに言わないで。」
幹太は決して由布が病んでいると言葉にしたわけではない。 ただ、考えを聞いただけである。 それにもかかわらず由布は幹太の心配を感じとって質問に答えていた。 しかも、由布が気にしていることを明言してしまっていた。
「そんなんじゃないよ。ただ、寂しそうだなぁって思っただけだよ。」
幹太は由布の心を気遣って言葉を選んだ。 そしてできるだけゆっくりと丁寧に、しかし由布を見ることなく話を続けた。 由布はうつむいたまま少しずつご飯を口に運んでいる。 育ちざかりの幹太は速いペースで箸を動かしている。
「寂しくなんかないわよ。友達だってたくさんいるもの。」
由布は幹太に答えながら自分にも言い聞かせていた。 由布も由布なりに事態の改善を図ろうとしていた。 もうユッコがいないという事実を受け入れることはできていた。
「ユッコがいればこんなことには・・・」
そんなことを思う日はとうの昔に終わっていた。 ユッコに助けを求める気もなかった。 この新しい環境でなんとかしなければならないと考えていた。
「お母さん、家で話し相手だったユッコがいなくなったからそう見えるだけよ。」
相変わらず由布はうつむいたままである。 幹太は黙って立ち上がるとお茶碗にご飯を山盛りよそいだ。
「それならいいんだけど、 おしゃべりじゃないお母さんなんてなんかおかしいよ。」
幹太は座りながら由布の表情を横目で確かめた。 心なしか由布の瞳がうるんでいる気がした。
「だから話し相手がいなくなっただけだって言ってるでしょ。」
由布の語気が強くなった。 しかし、幹太の優しさがわかるだけに不満をぶつける場所がなかった。 由布のプライドは絶対に心の病を認めない。 幹太がなにを問おうと由布の返事は決まっていた。
「オレ、ユッコの代わりにはならないかもしれないけど、 なんでもしゃべってくれたらいいし、オレ、なんでも聞くし、なんでもするし・・・」
幹太はそう言いながら由布の箸をもつ右手が震えているのに気がついた。
「そんな必要ないって言ってるでしょ!」
由布の立ち上がるのが早いか、その瞬間には幹太が由布の体を抱きしめて押さえつけていた。 由布の右手からお茶碗が落ちて床にご飯が散らばった。
「どうして・・・どうして・・・」
由布は涙を流して悔しがった。 幹太の前で耐えられなかったことが悔しかったのではない。 自分自身を制御できなかったことが悔しかった。 由布の高いプライドは弱い由布を決して認めようとはしなかった。
「病院に行ってみようよ。」
幹太はこのタイミングなら由布も聞いてくれるかもしれないと思った。 しかし、由布はそんなに簡単に意思を変える女ではなかった。
「病気じゃないって言ってるでしょ!」
由布は幹太の腕の中で泣きながら叫んだ。 幹太にはこれ以上どうすればよいのかわからなかった。 しかし、由布には新たな希望が見えかけていた。 幹太に強く抱きしめられていると、自然と由布の気持ちが落ち着いていくのがわかった。 これまでに経験したことがないほど急激に安心感を取り戻すことができていた。 次第に不安が募る幹太に対して、由布は落ち着きを取り戻そうとしていた。
「幹太。」
由布は非常に落ち着いた声で幹太を呼んだ。
「なに?」
幹太は不安と驚きが入り混じる中でなんとか声を出した。
「もっと強く抱きしめて。」
幹太には信じられない言葉だった。 さっきまで暴れようとしていた由布が、突然幹太を受け入れるとは思えなかった。
「どうして?」
幹太はとっさに由布の発言を否定してしまった気がして後悔した。 しかし、由布は予想外に素直だった。
「なんだかわからないけど・・・こうしていると・・・落ち着くの。」
幹太はしばらく黙って由布を抱きしめ続けた。 由布もうつむいて幹太に抱きしめられ続けた。 その沈黙を破ったのは由布のプライドだった。
「もういいわよ。」
そう言うと由布は幹太の腕からするりと抜けだして、足元に散乱したご飯を集め始めた。 幹太も黙って夕食の続きを食べ直した。 これが幹太の抱擁を許した初めての夜だった。 由布の体に変化が生じ始めていた。

小説(転載) 蒲柳の母4-2

近親相姦小説
03 /27 2022
掲載サイト「母親の香り 息子の匂い」は消滅。

 由布の異変が家庭内暴力として露見したのはそれから間もなくのことだった。 リビングにいた幹太は食卓で由布の悲鳴とともに物を投げつける大きな音を聞いた。 慌てて幹太が食卓に向かうと、太一が逃げ出してきた。
「幹太なんとかしろ。オレは知らんぞ。」
太一は詳細を告げずに自分の部屋へと駆け込んだ。 幹太は恐る恐る食卓をのぞいた。
「もう!誰も入ってこないで!」
由布の叫び声とともにお椀が飛んできた。 それでも幹太はひるむことなく部屋に飛び込むと、暴れる由布を両腕で後ろから抱きしめて身動きをとれなくした。
「幹太、なにするのよ!離してよ。離しなさいよ!」
由布は明らかに平常心を失っていた。 太一とどんな会話があったのかなどもうどうでもよかった。 とにかく、この由布をおとなしくさせることが先決だった。 こんな常軌を逸した由布を見るのは幹太も初めてだった。 いつもの愚痴ばかり言っている由布とは明らかに異なる精神状態だった。
「落ち着いてよ。まず、落ち着こうよ。それからだよ。 ね、落ち着いてから話をしようよ。」
「もう誰とも話なんかしないわよ!だから離しなさいよ!」
散々叫んでから幹太の力には勝てないと観念したのか由布が黙った。 黙ってもしばらく息遣いが激しかった。 その間は幹太は由布を強く抱きしめ続けた。
「いつまで押さえつけてるのよ。早く離しなさいって。」
暴れることはなくなった由布だったが、まだ精神的に落ち着いてはないようだった。 言葉の端々に殺気が感じられた。
「まだダメだよ。絶対に暴れないって約束したら離してあげるよ。」
幹太は由布を離すタイミングを失っていた。 少なくとも由布をイスに座らせたいと感じていた。
「わかったわよ。わかったから離しなさい。もう暴れないから。」
由布の声が小さくなり、激しい息遣いもなくなっていた。 幹太の手が緩むとその途端由布は振り返ると幹太の胸を両腕で思い切り殴り始めた。 再び幹太は由布を前から抱きしめた。
「もう暴れないって言っただろ。」
幹太は目の前にある由布の顔に向かって恐ろしい目つきでにらみつけた。 由布と幹太の身長差は20センチ弱である。
「幹太、お母さんのことをなんだと思っているのよ。 そんなことをして許してもらえると思ってるの?」
由布は幹太を見上げて強がった。 由布にとって幹太が由布に逆らうことは許されることではなかった。
「僕だってもう高校生だよ。なにが正しいのかくらいわかる年齢だよ。」
多少冷静さを取り戻した由布は幹太の力強い抱擁に不思議な安心感を覚えていた。
「幹太も大人になったのね。」
ようやく由布が観念したような言葉を吐いた。
「高校生になったら大人が考えることもわかるようになるんだよ。」
幹太は由布に認められたような気がして調子に乗った。
「幹太に大人のなにがわかるって言うのよ。 仕事をして、子育てをして、炊事洗濯をして、大人は高校生いみたいに暇じゃないのよ。」
そう言いながらも由布は幹太の力強い抱擁を忘れることができなかった。 明らかに幹太に抱きしめられて心の乱れが落ち着いた。 なにか想像を超える力で包み込まれているような安心感を感じることができた。 男の力に魅力を感じるのは女の性なのだろうか。 しかし、その事実を正直に認めることができるような由布ではない。
「今度私のことを押さえつけたら絶対に許さないわよ。 高校生になったからって力で事態を収拾しようなんて間違ってるわよ。」
いつもなら素直に従う幹太が珍しく反論した。
「お母さんが暴れなければなにもしないよ。 でも、またお母さんが暴れたら落ち着くまで押さえつけるからね。 そんな家庭内暴力を放っておくことなんてできないよ。 落ち着いたらそれから話しあいをしようよ。 今日のことだってなにも解決してないんだからね。」
由布は今日のことを掘り返されることを嫌った。
「もう今日のことはいいじゃない。これでいいってことにしましょ。 もう普通に話ができてるでしょ。もうお父さんにも話はしないし。」
どうやら太一に由布のプライドを傷つけるようなことを言われたらしい。 それなのに無責任に逃げてしまうあたりが太一らしかった。 家庭に問題が起きても太一が積極的にかかわろうとすることは1度だってなかった。 すべて由布の即断と偏見で決まってきたと言っても過言ではない。 そんな女王様のような、家庭の支配者に逆らうことは誰にも許されなかった。 それをユッコはうまく対応してきたものだと幹太は改めて感心していた。
「今度暴れたら、また押さえつけて止めるからね。 もう暴れないでよ。」
幹太は決意を由布に伝えた。
「わかったわよ。私だって暴れたくて暴れたわけじゃないのよ。 なにか我慢できないことがあると爆発しちゃいそうなのよ。」
由布はこれからも不安があることを告げて場を収めたかった。 しかし、これはまだ始まりにすぎなかった。 由布の心の乱れは日に日に暴力的になってゆき、それを幹太が抱きしめて抑え込むという、 非建設的な家族の関係が続くことになる。 ただ1つ建設的なことがあるとしたら、由布が幹太の抱擁に安心感を思え始めたことだろう。 由布が幹太に抱きしめられるという行為を、 暴力行為に移る前に認めることができれば表面上は問題がなくなることになる。 しかし、由布のプライドがそんなことを簡単に許すとは思えなかった。 こうやって残された家族の修羅場は一段落つくこととなった。

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。