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小説(転載) 妻の媚態 

官能小説
05 /21 2015
こういう日記形式の叙述は珍しい。


1 建三の日記(1)
*月*日
 珍しいことに、妻がアルバイト先で同じ仕事をしている学生の話を楽しいそうにしたので、おやと思った。妻がアルバイトの仕事について話すことはほとんどなかったし、アルバイトの同僚や上司のことを話したことは、たまに帰りに車で送ってくれる、近所に住む日高専務さんのことぐらいで、それ以外にはほとんど皆無だったからだ。
 妻の仕事は小さな雑貨商社の倉庫管理の仕事で、何人かのアルバイトが一緒らしいことは知っていた。主にコンピューターの入力と、データの照合をまかされていて、何人かのアルバイトの班長のような立場らしい。
 今度配属されたアルバイトの補助の学生は、1年生のまだういういしい大学生らしい。
すなおで、仕事ののみこみもよく、最近の子にはめずらしい素直な子らしい。しかも彼女の十歳以上離れた弟の翔とよく似ているという。なんかのひょうしに翔と見間違えるほど極似していて、こころが和むらしい。翔はまだ高校生だが彼女のかわいがり様は並みではないのだから、喜ぶのも無理はない。
 その子がきょう、パソコンの操作の手ほどきをしてくれたのだという。よほど楽しかったのだろう、妻の目がめずらしく生き生きしていて、ちょっと妬けてしまったほどだった。
 これが、悲劇の始まりだとは、楽しげに話している妻にも、いささかやけ気味に相づちをうったぼくにも、知る由もなかったのだ。
 それから数週間がたって、妻のアルバイトも決算のための棚卸しで多忙な時期のことだった。
 妻がきょうは忙しくて泊まり込みになりそうだと電話してきた。こんなことは今までなかったことなので、びっくりして聞くと、この間の学生がしくじってデータを消してしまったので、どうしても今夜中に、打ち込みをしてしまわないと大変なことになるのだという。こうして学生と妻が泊まり込みで打ち込み作業をすることになった。
 妻の責任範囲の仕事と聞いてはなんとかうまくことが運ぶよう祈るしかない。
 妻が若い男と二人で泊まり込むと思うといささか不安な気持ちがわいてくるが、思ってもしかたがないことだと自分にいいきかせて電話を切った。
 私は電話を切ってから言い残したことに気がついた。妻はふだんなりふりかまわない方で、忙しかったり夢中になったりすると、平気で両肌脱いでみたり、惜しげもなく足をむきだしにして、あたりをはばからない。天衣無縫といえば聞こえがいいが、無意識の媚態なのだ。男が勘違いするたぐいのコケットリーなのだ。自分で気づいていないから始末が悪い。男の子が相手なんだから、服装や行儀にきをつけるように、一言言っておくべきだった。
2 一郎の日記(1)
*月*日
  ぼくは大学生のアルバイトの分際で、アルバイト先の業務データベースを任された。
ところが、重大なミスで先月1か月分のデータを消してしまった。頭が真っ白になった。
  ぼくがこのことを報告すると、アルバイト主任の克子さんは、ショックで涙があふれ出た目でぼくをみつめながら、しばらく何も言わなかった。そして、ぼくの手をそっとにぎりしめて、「なんとかしよ」と親が子にさとすように一言いっただけだった。彼女は、ぼくが彼女の弟によく似ているといって、他人とは思えないほど気をつかってくれる。
  一時騒然となった部長席の議論がおさまると、ぼくは克子さんと部長の前に呼ばれて、今晩中にデータを復元しておくように言い渡された。
  仕事のことで頭がいっぱいでその時は気がつかなったけれど、克子さんと今晩ふたりっきりで泊まり込むということは、いったいどういうことなのか。寝られるのだろうか、女の人と同じ部屋で寝ていいのだろうか、実際問題どこにねるのか、寝具はあるのか、克子さんは奥さんで家庭があるのにこんなこといいのだろうか・・・気になり出すと雪だるまのように大きくなる心配だった。しかし、克子さんも、部長も、だれ一人、そんなことを心配したり、言い出したりする人はいなかった。
  はじまってみると横になって寝るどころではなかった。心配はふきとんだ。
  アルバイト仲間の奥さんたちが差し入れてくれたお弁当で腹ごしらえすると、ぼくらは、大車輪でパソコンと取り組んだ。事務室の電気は消して、机の電気スタンドだけのほの暗い部屋でパソコンの画面が2つ、青白くまたたきつづけた。まだ6月だというのに夏日が続き、まだ冷房が入っていない会社は地獄のような暑さだった。おまけにつけっぱなしのパソコンが過熱状態で、ぼくらの回りは熱気でむんむんしていた。フロッピーからデータを次々呼び出しては、ハードディスクに処理をする単純な作業だが、1か月かけて打ち込んだデータを一晩で打ち込むのだから大変だった。なにしろ膨大な量を、一瞬も惜しんでこなしていかなければならない。克子さんに申し訳ない気持ちなど、いつの間にか吹き飛んでしまった。そんな感傷の入るすきなどなかった。深夜、半分ははかどったろうか。ふと気持ちに余裕が生まれてきたのがわかった。
「班長、お茶にしませんか」
「そうね」
克子はそういいながら、着ていたブラウスを脱ぎ捨て、スカートを脱ぎ捨て、とうとうシュミーズも脱いでしまった。汗びっしょりだ。
「ごめんね、汗かきなもんだから」
そういって一郎が差し出した湯飲みを受け取ると、部長席のまえのソファに深々と身をあずけ、テーブルに足を載せて、しばらく死んだように目をつぶっていた。ぼくはあわてて窓でも開けようかと言ったが、克子さんは返事をしなかった。
 ぼくの席からおそるおそるソファーの方を見ると、克子さんの、ブラジャーだけの真っ白な上半身と、ショーツだけの大きな腰とすんなりした足が、ほの白く浮かんで見えた。
男の子の目の前でこんな格好をするなんて、これまでの克子さんから想像もできないことだった。ぼくを弟と思いこんでいる油断なのだろうとは思ってみたが、ただただ驚くばかりだった。そのうちに、男のぼくが全く眼中にないのが少し気になって来た。
と、彼女がテーブルにのせた足、なまめいた白い股をさらに大きく広げて、ソファに頭まで沈めてしまった。ぼくは、広げられた足の中心に目を泳がせないではいられなかった。汗でにじんだ下着が、肌にはりついて、純白のパンティに立て皺ができていて、それはくっきり女性器の割れ目を浮き上がらせていた。ドキンとしたぼくは、彼女の陰部の丘のふくらみや、黒々とした毛を想像しながら、はりついた目を見開いて息をつめた。
  甘酸っぱい気持ちがぼくを満たしていた。ぼくは、彼女への愛欲をはっきり自覚した。克子さんの成熟した女を思わせる胸のふくらみや、はりだした腰や、きれいな長い足のすべてが好ましく思えた。とりわけ、股間のふくらみ加減や、縦の割れ目の陰影は、ふるえるような欲情に火をつけた。その時ぼくは男になった。
「あ、ごめん」
 克子さんは、がばと起きあがると、つかつかやってきて、そんなぼくの心の動揺にはきがつかないように、ぼくの席に立って背中をぼくに向けた。
「すまないけどブラジャーはずしてくれる?あ、そうか、ホックはずしたらちょっと目をつぶっててね」
ぼくのあえわてた表情に気づいて、彼女はさっとブラジャーをうけとると、目をつぶったかどうかなどお構いなしに、隣の席のイスにかけてあったブラウスをはおった。ぼくは、目をつぶったふりをして彼女のオッパイを盗み見た。またドキンとした。美しい乳房だった。乳首が上向きの、乳房の下にたるみがある、張りのある絶品のお乳だった。
「窮屈でしょうがないの。これで能率があがるは。うちではいつもノーブラなのよ。」
もうぼくは完全に心の平衡を失った。隣の席で、パソコンを操作する彼女の胸が気になってしかたがなかった。あの絹のような肌のお乳が、ブラウスのボタンがかけてないあたりから白い肌をのぞかせて、すぐ鼻先で息づいていた。ブラウスから透けて見える乳首の動きは、もう見るだけで快感がこみあげた。時折、香水をつけない彼女は、汗を気にしてタオルで胸をぬぐうしぐさを繰り返すのだ。お腹のところから、ブラウスの中に手を入れて、両の乳房のあいだのみぞおちのあたりをぬぐう仕草は刺激的だった。そのたびに、ぼくは、彼女のお乳を思い、欲情にかられた。
 しかし彼女の仕事の勢いは、ぼくの欲情を越えてすさまじかった。まったく、男であることを無視されたぼくは、唇を噛んで耐えていた。彼女は、ぼくを結果として挑発していることに、全く気がついていなかったのだろうか。あるいは、気がつかないふりをしていたのだろうか。あるいは、自分の媚態に気づかず無邪気な彼女は、本能的にぼくを挑発し、ぼくに愛を告げていたのだろうか。
 朝、出社してくる社員の好奇の目のなかで、克子さんとぼくはまだ最後のチェックをしていた。どろどろの眠気の中でのたうっている感じだった。克子さんは、いつの間にか服装を整え、薄化粧までしていた。隣の席からは、乳房が悩ましかったあの妖艶な彼女は跡形もなく消えていた。でも、ぼくの胸には、彼女の胸や股間のイメージが焼き付き、炎となって燃えつづけていた。ぼくの股間はずくずくに濡れていて、エロ映画を見たあとのように、満たされない疲労感が中心に残っていた。
 「がんばったわね」
 「できましたね」
 思わず周囲の目を忘れて、ぼくたちは手を握りあった。彼女は「弟」の手をやさしく、ぼくは熟女へのあこがれをこめて。そのとき、ぼくは彼女の体臭をむさぼるように吸い込みながら、朝立ちの股間を一層怒張させていた。
 昼間、下宿で熟睡し、夜、彼女の白い胸と、パンティのくっきりした割れ目の陰影を思い出しながら自慰にふけった。なぜかひどく疲労した直後ひと休みした後は、陰茎が実に大きく固くなるものだが、この日はとりわけ長く太かった。しかも我慢しつづけた快感で亀頭は一触即発の状態だった。切迫してそりかえっているセガレを握り何度かしごいてから、ちょっとカリに指を添えただけであっけなく絶頂に達し、はちきれそうに紅潮した先端から大量の白濁がふきだした。夕べからずっとたまっていた欲望の開放、長い時間待ちに待った感覚だった。その快感を彼女のイメージの中心に思いっきりほとばしらせた。そして精も根も尽き果てたぼくは、しばらく彼女の思い出にふけって、こころなし柔らかくなったものの、まだ勃起したままの陰茎から手を離すことができなかった。
 
3 建三の日記(2)
*月*日
 妻に何かが起こったにちがいない。泊まった日から、彼女は学生の話をしなくなった。
学生のミスで大変な思いをさせられて気分を害したのだろうか。それとも、仕事とはいえ、彼と一夜を共にして夫には言えない何かがあったのだろうか。妻はぼくの気持ちに気がついているはずだが、特に説明もいいわけもする気配がない。となると沈黙には何か意味がありそうだ。そんな思いも日常にまぎれて忘れかけたころ、妻はアルバイト先の倉庫の梯子から落ちて骨折してしまった。
 妻がギブスから開放され、病院のリハビリも順調に進んでいたある日、いつものように病院に見舞いにいくと、妻はいつになくおちつきがない表情でぼくを迎えた。
 「どうしたの、気分でも悪いの」
 「いーえ、そんなこともないんだけど・・・」
 説明にならない言葉に、妻はますますあわてていた。
 そのとき、ぼくは病室の窓の花瓶に派手なバラの花束がふつりあいに立てられているのに気がついた。それを見てぼくは胸騒ぎを覚え、直感した。学生だ。花束はまだセロハンが巻き付けられていて、花瓶も小さすぎる。彼はさっきまでいたんだ。いや、まだどこかそのへんで、ぼくが立ち去るのを待っているのかもしれない。妻の固い表情が、そういう事情をものがったっているのではないか。
 ぼくは話題を変え妻から顔をそむけて言った。
「翔が夕べ遊びにきてね。君のこと心配してた。はずかしくて見舞いにこれないけど、よろしくってさ。」
「あら、そんなこといって。きてくれればいいのに。」
 妻の表情を見ると、遠くを見る目になって、なごんできたのが分かった。
「あいつももう年頃だからな、おまえも一応女だから、人目が気になるんだろう」
「まあ失礼ねえ、そんな言い方するなんて、姉と弟じゃありませんか」
 年齢が離れていると、やはり微妙なものがあるにちがいない。しかしめんどくさいのでこれ以上は、やめておいた。
「翔は恋人ができたらしいぞ。メールの交換で大変らしい」
 妻は、一瞬真顔になって、
「そうお?」
と言って、また遠い目になった。
 可愛い弟が自分から離れていくことを、自分に言い聞かせているのだろうか。それから、しばらく妻はだまりこくっていた。ぼくは、バラの花束に揺さぶられ、妻が実弟の代わりにみつけた、新しい「弟」のことで頭がいっぱいだった。もう彼と妻の関係は、姉と弟の関係とはいえないのではないか。気のいい妻の、単純な「弟」(に似たかわいい子)への思いやりが、とっくに学生の誤解を生み、学生を有頂天にさせ、ぬきさしならないところへ来ているにちがいない。おおいにありうることだ。妻の沈黙のなかで、ぼくは自分の推理を確信していった。
 妻が回復してきた。が、しばらくは松葉杖のリハビリ生活だった。
 しかし多忙な会社の事情もあって、病院から会社に通勤することになった。会社は有能なアルバイトの職場復帰を歓迎して、ミニバンで送迎してくれるという、破格の待遇をしてくれた。
 ミニバンの運転手は錠さん、宍戸錠のジョー。いなせな中年のベテランで販売の出張では業務もこなすやりてだった。みんなの信頼もあつく、妻も、日帰りの出張で世話になる関係で、気の置けない仲のようだった。
 ところが送迎がはじまると、従業員と運転手の普通の関係とは思えないことが時々起こるのだった。帰りに下着の買い物に連れていってもらったり、途中で喫茶店に寄ってきたり、関係がなんとなくはみだしているのだ。
 天真爛漫な妻はなんでも報告するが、ぼくは疑惑がふくらむばかりだった。
 ついには、錠さんにつきあわせて帰途立ち寄ったスーパーで、転んで傷口が開いてしまい、あまりのショックに失神している間に失禁してしまい、大騒ぎだったらしい。着替えに帰りたいという妻の望みで、錠さんは病院に帰らず妻を我が家にかつぎこんでくれて、バスルームで大便で汚れた妻のお尻を洗い流し、下着を取り替えていってくれたのだった。
 妻はひたすら恐縮し、感謝するが、ことの経過を聞きぼくは切れてしまった。
 その夜、思わぬ中途退院した久しぶりの妻のからだをむさぼり、不自由なからだに無理なポーズを強要し、彼女がいつもは激しく拒むクリニングスを、今晩挑んだらようやく受け入れたものの、はじめてむしゃぶりついた彼女の割れ目のひだに、他の男性の精液の匂いをかぎあて、ぼくは激しく欲情し、狂ったように嫉妬の炎をもえあがらせたのだった。なぜだ。いつ犯されたのか。
 買い物中に転んで傷口を広げた妻は痛みに耐えかね、頓服の痛み止めや睡眠薬で運転手に見守られながら不用意に自宅のベッドで熟睡してしまった。その悪夢のような結果として、膣内に他の男の陰茎を暴力的に挿入され、知らぬ内に他人の精液を大量に注入されたのだった。妊娠したらと思うとおぞましさに耐えられない日々が続いた。しかし、一番おそれていたことがやがて起こり、ぼくは悪夢のすべてを知ることとなった。
 しかし、そのときはぼくの心配をよそに、妻は自分のからだに起こったことに気がついていなかった。その後も、まったくくったくない毎日だった。
 病院の見舞いはあいかわらず続いた。
 
4 一郎の日記(2)
*月*日
 心臓が止まるかとおもった。病室でご主人と出会うなんて。ぼくは、隣の空きベッドの下で、息をつめていた。四人部屋に患者は二人だけ、ベッドごとカーテンで仕切られた区画なので、覗かれないかぎり安全なことは分かっていたが、息苦しい時間だった。なにより、奥さんがかわいそうになった。心配で緊張しているだろうと思うと、いてもたってもいられなかった。こんな目にあわせてしまい、とりかえしがつかないことをしてしまったとを後悔し、歯をくいしばっていた。
 ドアがしまってご主人が去ってからも、万一を考えてじっとしていた。
「一郎さん、もういいわよ」
 克子さんがつとめて平静にいった。
 おずおずぼくはカーテンから出た。克子さんの目が見られなかった。なぜか、言葉もみつからなかった。ただ、さっきと違って、胸に熱いものがこみあげていた。からだがふるえるのをどうしようもなかった。ぼくは、気がついた。ぼくらはきょう、ここで、共通の秘密を作ったのだ。偶然だけれど、結果は、克子さんにとって、かわいいただの男の子が、秘密の対象になったのだ。そのことに、彼女はあわてているに違いない。
 克子さんも、窓の外に目をやって、なにか決意するように言葉をさがしていた。
 ぼくは、そっとベッドに座っている克子さんのそばに立って、ごく自然に両肩に手をあてて一押しして克子さんをベッドに押しつけると、覆い被さるようにぎこちなく抱きついて、黙って唇にキスをした。軽く。ごく軽く。
 克子さんは、あらがおうとはしなかたっが、こどもをあやすような表情で、ぼくの背中に手を回し、やさしく手で背中をなでながら、ぽつりと言った。
「ごめんね」
 うかつにも、あなたをこんな気持ちにさせてしまった。ごめんなさい。私は、そんなつもりではなかったけれど、結果として、あなにそう思わせてしまってごめんなさい。
彼女はそういっていたのだ。 ぼくは、ごめんね、の意味を正確に理解したとおもう。でも、もうぼくらは、出来ていたのだ。彼女は、天性の媚態で、自分ではきがつかずに、ぼくを求めた。ぼくは、彼女に、そのことを教えてあげなければならない。ぼくは決意した。
 ぼくは、童貞だった。彼女ははじめての女性だった。ぼくは、彼女がぼくを男と認めたことを確かめるように、あらためてキスをした。おずおずと唇全体をくわえ、上唇をくわえ、下唇を吸い、舌をさし入れ、口中深く舌を遊ばせ、わずかな知識の限りをつくして、ディープなキスをつづけた。彼女の唾液を味わい、飲んだ。快感でくいしばった彼女の唇をこじあけ、舌を出し入れして、舌をペニスみたいにして、セックスを意識した刺激もためしてみた。そう、ぼくらはまるでセックスみたいに、夢中で口と口を愛撫しあった。病室でそれ以上に進めることにためらいがあったからだ。
 たっぷり30分はつづけていたろうか、ぼくが固く抱きしめたぎこちないポーズで口を吸いつづけていたとき、突然彼女が体を硬直させ、ぼくの舌をはきだして口をくいしばった。ぼくはなにがなんだかわからず、ネグリジェからのぞいていた彼女の乳房を取り出し、口で乳首を探り、強く吸いつけた。彼女は、ますます快感に耐えられないように、声を押し殺してうめいた。ぼくはお乳が気持ちいいのだと思いこんで、有頂天だった。彼女は、快感にこたえるようにぼくにキスをくりかえし、なおもはーはー息をはずませつづけた。ぼくはやさしく彼女のからだを抱きつづけた。
 でも、それはぼくの大変な誤解だった。取り返しのつかないしくじりだった。
 あとで知ることになるが、その時病室にはもう一人男がいた。運転手の錠だ。他にだれもいないはずの4人部屋の他のコーナーに潜んでいたのだ。ぼくと彼女が、うぶなゲームに夢中になっている隙に、隣のベッドのカーテンの陰に忍び込み、カーテンの裾を使って、克子さんの腰までカーテンをかけ、克子さんのお尻や股間を隣のカーテンの内側でむき出しにしてしまったらしい。彼女は、体が不自由なのでトイレの便利のために、ネグリジェの下は下着をつけていなかった。錠は、そのおかげで気づかれないように、かれの細身の逸物をするりと挿入することができたのだ。彼は陰茎の先だけをスリットにくぐらせ、一切彼女のからだにふれないよう、お腹や腰に触らないよう、最新の注意でことに臨んだらしい。ぼくと彼女の呼吸にあわせて、出し入れをするうちに、克子さんがついに絶頂を迎え、熱い彼女の膣に締め付けられて、たまらなくなった錠は精液を盛大に克子さんの中に放出、克子さんがぼくにきつく抱きついて歓喜のうめきをあげるのだった。彼女も、体が不自由で確かめられないまま、投げ出した股の間にぼくがいるものと、思いこんでいたのではないか。なんの疑問無しに、ぼくを抱きしめて絶頂を迎えていたのだった。
 錠は自分の精液でよごれた彼女の股間をきれいにタオルで拭うと、ぼくの動きにあわせてさっさと体を離し、退散したのだった。
 克子さんは、ぼくの不注意で、とんでもないやりかたで犯されたたのだ。しかも一番忌むべき男に。
 この結末が、とんでもない方向にぼくらを巻き込むことにあるとは、誰もしるよしもなかった。

5 建造の日記(3)
*月*日
  妻が浮かぬ顔をしている。何かあったのか。そういえば元気がない。体が不調なのか、気分がすぐれないようだ。やはり怪我の後がしっかり直っていないのだろうか。
  昨日、入浴の後彼女が気分が悪いと先に寝てしまった。こんばんは、そうはさせない。先にベッドに入って彼女を待った。寝室に入って彼女は一瞬何かを考える表情だったが、あっさりショーツをぬいでベッドに入ってきた。ぼくの手が彼女のすべすべした尻をなでる。いつものあいさつだ。続いて柔らかい毛が豊かなマウンドを揉む。揉みながら中指を立てて、スリットをくじる。「アン!」押し殺した声だ。思わず彼女が腰をひく。これがゲーム開始の合図だ。
  膝を割って割れ目にむしゃぶりつき、乱暴に陰唇を吸う。鼻で膣の入り口をくじると、気のせいか一瞬日向のにおいがした。日向の匂い、はて?それ以上は考えが進まないまま、切迫した陰茎をくりだす。克子が口には出さないが好んでやまない、カリが張ったぼくの亀頭が、きつい彼女の入り口をきしませながら進む。「3浅1深」、3回浅いジャブを繰り返して、4回めはググっと深く。また3回浅く刻み、4回目はズズズっと深く。りちぎに教科書的な送抽を繰り返し、少しづつ根本まで差し込んでいく。彼女は声を出すのは損とばかり、横を向いて無関心を装うが、谷間は正直に滝のように陰水があふれている。 
  もしや、日向のにおいは学生の臭いでは。ふと胸が騒いだ。そうか、日向じゃない、
粟のにおいだ。若い男特有の精液のにおいだ。目の前であえぐ妻の白い下腹部のなまなましい動きをみながら、狂おしい嫉妬の感情がこみあげてきた。
  「あ、あなた、なにするの!ちゃんとスキンをつけてください!」妻のきまり文句だ。ぼくは無視してスキンを取った生身を猛烈な勢いでスラストし続け、一気に上り詰めてしまった。すごい、いままで経験したことがないほど、太く長く固くなったイチモツが、いっこうに衰えず、射精の後も彼女の中でギンギンの状態だった。オスの業か、嫉妬のなせるわざか、彼女が当惑して股を開いてしまっても、根本まで深く突き刺してゆずらない意地を張り通したのだった。入れたまま、彼女の胸に顔をのせ、乳首をもみながら放出感に満たされながら思った、ナマで出したのは本当に久しぶりだったが、なかなかいいもんだ。なぜ、いつからスキンをつけることになったのか。
 それにしても、克子がナマ出しを拒絶し、あらがったのは最初だけだった。いつもの彼女とは違う。あきらめがよすぎるのだ。なんか変だ。妊娠を心配していないようだ。ひょっとして、もう既に妊娠しているのか。そんなはずはない。おれは・・・


6 一郎の日記(3)
*月*日 
 きょうついに克子さんに約束をしてしまった。
 トイレに立った克子さんの後を追い、トイレの前で待っていた。蒼白の克子さんがトイレから出てきた時、異様な彼女の雰囲気に声が出なかった。
 目顔で倉庫の裏へ案内しながら、人の目のない場所で抱きしめた。つわりの症状に違いない。彼女の髪の毛の中に顔を埋めながら、どう切り出すかまだ迷っていた。
 「克子さん、間違ってたらごめんさい。もしかして妊娠されたのですか。」
 克子さんは僕の胸で顔を起こすとじっとぼくの目を見つめた。
 否定も肯定もしないで。
 「やっぱり。その子の父親はぼくです。」
 克子さんをはじめて病院のベッドで抱いた時にできたらしい、と説明した。
 彼女は半信半疑だった。信じられないという風にぼくをまた見た。月数を数えて、てっきりご主人とのセックスで避妊のミスをしたと思っていたというのだという。
 彼女は運転手の錠のことには気づいていないようだ。ぼくは、彼女をこれ以上苦しめないために、克子さんのお腹の子の父親で通す覚悟だ。ぼくは、ご主人に知られないように、早めに下ろすことをすすめた。そして費用はぼくが届けることを念をおした。
ぼくは告白すると、急に彼女が愛おしくなって抱きしめた。
 彼女を大きな段ボールを積み上げた場所へ押し込め、箱の上に腹這いにさせ、後ろ向きに垂れ下がった両足からショーツをはぎとると、バックからはげしく舌を突き入れた。
彼女は激しく抵抗した。ぼくは足で蹴られながら、負けずに口を割れ目にくっつけて吸いつづけた。彼女の陰部をしゃぶりながら、ぼくは泣いていた。泣きながら彼女の股間をなめつづけた。感情が高ぶった彼女を抱き上げると、もう抵抗しなかった。股間はおびただしい下りモノでよごれていた。彼女はそれを見せたくなっかったにちがいない。でも、ぼくはその汚れをきれいになめてあげた。彼女を床におろして股を開かせると、猛りたつ陰茎を生のまま一気に挿入した。そして、狂ったように送抽を繰り返した。彼女はちょっと顔を上げて、股間のぼくの生身に気づいて、緊張の表情になった。多分スキンのことより、夜のご主人のことが気になったのだろう。彼女のダンナは長い時間アソコを嘗め続けるからだ。ひょっとすると今夜あたり、そう思ったかもしれない。ぼくは構わず若いぼくの強烈な精液のにおいを彼女のヴァギナに擦りこみ続けた。
 彼女が「中出しはやめて!」とうめいたようなきがした。
 「どうしたのですか」
 ぼくは、彼女があまりに不機嫌な顔なので途中でやめた。しかし、手遅れだった。彼女のスリットからは、白濁した液が流れ出していた。
 彼女は、そっとぼくのをくわえ、何も言わずに口で始末をしてくれた。彼女の口からあふれるくらい大量の、行き場を失った精液を彼女は必死にのみこんだ。飲み干してからも、余韻を楽しむようにぼくの細長くてまだ堅い陰茎を口でしぼるようにしっかりしごいてくれた。(さっきは中途半端だったからもう一度やり直そ!)彼女の優しい目がそういっていた。そして彼女の暖かい唇に挟まれた先端が快感で一気にふくらんだ。またたくまに再び勃起し、あっという間にまた彼女の口の中に果てた。
 

7 運転手錠の独白

 二度もヤッタんだ。中だしで盛大に。彼女の最近のやつれ方は妊娠に違いない。彼女の腹にはオレの子がいるんだ。
 そう最初は病院から一時退院した日。
 感激したなあ。あのむちむちした太股を思いっきり広げてよ。
 買い物中にお漏らししちゃってよ、あわててあのおばさんのアパートへかつぎ込んでさ、おケツとオマンコを風呂場できれいにしてやった時には、もうがまんきないくらいビンビンになってよ、そりゃー、世話になったんだからお礼くらいしてもらわなきゃな。
 からだを拭くのもそこそこにベッドに運んだ時は痛み止めと睡眠薬が効いてきてよ、もうわけわかんない状態だったから、下着もはかない大股開きじゃな、いただかないわけにいかねえよな、極上の据え膳をさっさといただいたまでよ。白いすべすべのアンヨを肩に担いだときは、もう天にものぼる気分だったね。ぬるぬるの倅をつっこんだら、締まりが良すぎて最初はなかなかはいらねえでよ、ちょっとあせったけどな、ぬるぬるこすっているうちにな、入りやすくなったんで思い切って根本までぐぐーっと、いい気持ちだったねえ!
 それから、おばちゃんの大きなオッパイをくわえてなめながら、激しく腰をつかってんだけどよ、なんせおばちゃんに意識がなかったから、いまいち反応がものたりなかったけれどよ、本能は恐ろしいモンだあ。ちゃんと、あそこは濡れてよ、入れて出してを始めたら、中がしまってきてヨ、おいらの立派なのをニギニギしちゃてよ、思わずはやとちりしてドバットと中に出しちゃったんだ。もっとゆっくり楽しみゃいいもんをヨ、何をあわてて出したのか、もたいないったらありゃしない。でも最高にイイ感じだったよな。あんなに派手に出したことはないねえ、すげー分量だったな。あれで妊娠しないわけねえよな。うーん、思い出しただけで興奮してくら。
 二度目は、病院の入院病棟に忍び込んだ時。びっくりしたねえ。あの学生坊主が入ってきて、あわててカーテンに隠れた時はヨ、心臓が止まるかとおもったよ、本当に。
 でも、悪運が強いたあこのことだね。学生坊主がベッドで奥さんにナニしようとして、彼女と30分もの間口を吸い合って離れねえのよ!おまけにキスに夢中でお留守のオケツが目に前にあってよ、そう、オレが隠れたカーテンのまん前に彼女のおケツがきちゃってよ、坊主がウブで何がなだか分からなかったスキに、カーテンを奥さんのオケツにかぶせて、こちら側からゆっくり挿入させていただいたってわけ。奥さんは気がついていたとしても、てっきり学生坊主のが入ってきたと・・・へ、へ、へ、いやー、いいお味でしたねえ。あんなにスリルのある快感ははじえてだねえ。くせになりそうだったねえ。そんでよ、またいつかみたいに、奥さんのアソコがオレのをニギニギしちゃってよ、なかなか離してくれねえんだよ、まいったねえ。思わずイッテしまったねえ、ギュッときたときによ、出しも出したり大放出だったねえ。なんだか変な気分だぜ。濡れてきたぜ。
 しかし、あの一郎が様子がおかしい。なんで奴が、産婦人科にいたんだ。奴は、もしかすると、自分がひっかぶるつもりじゃねーか。そうだ、奴がおろさせたんだ。この頃のあのなれなれしさは目にあまるとおもったら、やっぱりそうか。おい待て。その子はオレの子だ。お前の勝手にはさせねえ。
 そおうだ、一郎と彼女がおかしいことを、ばらせばいいんだ。そうすりゃあいつは会社にいられなくなる。あとは、彼女に恩を売って、オレのオンナにしてしまえばいいんだ。
 
8 一郎の日記(4)
*月*日
 ぼくの仮性包茎を彼女はおししそうに吸ってくれた。ほんとうに、心からいとおしむように。あのねっとりした舌と、きつくくわえこむ唇の柔らかな感触は忘れられない。
 ああ、思い出しただけで快感がサキッポにこみあげる。
 でももうダメだ。二度と彼女に吸ってもらうわけにはいかないだろう。変なビラがぼくの席においてあったんだ。一目見て気が遠くなっていく感じで、急に耳鳴りがして、いつまでも鳴りやまなかった。
 ビラには、ぼくが班長の入院中にセックスしたため、彼女はおろしたと書いてある。
 もうここにはいられない。
 錠の奴にやられた。彼女の立場を考えるとぼくがしたことにするしかない。もうとっくにそういう覚悟はしてあった。それがぼくの彼女への一番の恩返しなのだから。
 彼女は黙って頭を下げて、部屋を出ていった。出なければいけないのは、ぼくの方だ。
 彼女がうまく職場にもどれるといいのだが。
 
9 建造の日記(4)
*月*日
 妻の克子がすっかり落ち込んでしまった。かわいがっていたアルバイト学生が、彼女とのスキャンダルを書いたビラをばらまかれて辞めてしまったからだ。
 克子はふさぎこんでいたら運転手の錠さんがなぐさめてくれたと喜んでいた。会社のミニバンで営業に回った時に、いろいろ気をつかってくれたというのだ。そういえば、いつか病院から一時退院した帰り道に買い物に立ち寄った店で失禁したときにも、錠さんが親身になって介抱してくれたことがあったっけ。そういう話をする時の彼女の表情には、夫のぼくをおいてきぼりにして自分の世界に入り込んでしまう、ふてぶてしさがある。あの時も、足が立たない不自由なからだで、女性トイレから錠さんに担ぎだされて、我が家の風呂場であられもない姿で洗ってもらい、なにもかも他人の男性にさらしてしまったのに、楽しそうに思いだしては話題にする彼女も彼女だ。直後に痛み止めの薬が効いて記憶がないので、錠さんと二人っきりのベッドルームで何があったかわかったものでないのに、そのことには何の心配もしようとしないのだ。女のこわもての面というか、あれで結構男好きがするのだろう。錠さんが妻に夢中になっていなければいいのだが。
 事実、このところ妻の口からひんぱんに錠さんと一緒だった話がでる。
 と、妻の腰が最近つやつやと妙に張りがいい、なまなましい妄想が、突然頭をよぎった。ぼくは胸苦しい気分をどうしようもなく、嫌な妄想を払うようにテレビをつけた。

10 一郎の日記(5)
*月*日
 畜生!ゆるすもんか。ロッカーを片づけにいったら、倉庫の前で運転手の錠にあった。 にやにやして倉庫の裏の空き地に連れ出して、なんという言いぐさか。「克子はちょうだいした」だと!「おろした赤ん坊はオレの子だ」だと!
 克子さんをさも以前から自分の女にしていたようなことを、くだくだとぬかした。
 絶対ゆるすもんか。必ずあいつの化けの皮をはいでやる。
 彼はぼくが手も足もでないと読んで、言いたい放題だった。
 克子さんが彼のセックスの奴隷になったことだけは間違いないだろう。親切ごかしに
彼女の体をものしたに違いない。克子さんと運転手の錠は営業回りで2人きりのことが多かったし、例の退院騒ぎの時の、彼女の体を洗ったり、寝かせたりの話は、社内で知らないものはいないくらいだ。何があったかしれたものではない。そういえば、あのあとしばらくして克子さんのつわりがはじまったんだ。
 別れ際に錠が言った。「彼女のは狭すぎて入れるのが大変でね、ギシギシ音がするくれえよ。でもな、それがいいと見えて、大きな声でよがるよがる!お前の可愛いペニスじゃもう満足しねえだろうな。」
 ぼくは何も言わずに駆け出した。涙があふれて止まらなかった。

11 建造の日記(5)
*月*日
 妄想はどうやら事実になったようだ。妻が寝室で泣き崩れながらの問わず語りで、おおよそのことが見えてきた。
 つやつやして見えた妻の股は、錠の目にさらされ、錠の舌がはいまわっていたのだ。しかも、妻は、股の間にうずくまって舌で妻の恥部をいたぶりながらの、勝ち誇った錠から、衝撃的な事実を聞かされていた。
 一時退院途上のアクシデントの時、自宅のベッドで妻を介抱した錠は、意識がなくなった妻を犯したと、入院中の病院のベッドで妻が受け入れたペニスは少年のものではなく、錠のものだったと。
 二度ともスキンはしていないばかりか、自分でも経験したことがないくらい大量のスペルマを妻の膣内に射精したこと。
 だから、妻が下ろした子は、錠の子に違いないこと。
 アルバイトの一郎が、克子にまともに挿入したことはないと言っていたので、ますます父親は自分である可能性が高いこと。
 妻は、言い終えると突っ伏して両腕を投げ出して号泣した。
 翌日、克子は身の回りのものを荷造りして我が家を出ていった。
 ほとぼりがさめるまで仕方がないか、とぼくも何も言わずに送り出した。

12 日高専務の日記
*月*日
  克子班長が、ぼくに相談の電話をしてきたときから、こうなるだろうと思っていた。
  彼女の思い詰めた声は多くを語っていたからだ。
  面接で彼女を採用したのもぼくだし、アルバイトの学生と過熱して風評がたったときに、彼女に忠告したのもぼくだ。一人居残っている彼女を、ぼくの車で自宅まで送る習慣も、もう何年続いているだろう。お互いに、内心好意を抱いていたことは事実だ。
  自宅で終端場を演じた彼女は、夜遅く電話をしてきた。会社にすぐ来てくれという。結局その晩は、都心のホテルをとって、彼女の肌をあたためてあげることになった。
  彼女は、肌をぼくに許す代わりに、錠の首を暗に要求した。ぼくは彼女からこれまでの経緯を聞き終わると一も二もなく決断していた。
  目的を達した克子は、じつに晴れ晴れとぼくとのセックスにはげんだ。
  仕事もできるが、女の魅力もなかなかのもだ。決して美人ではないが、はれぼったい唇や、上向きの乳房や、大きなお尻は、男の心をそそる。自分ではきづかないらしい天性の媚態も周囲の男を煽る。
  彼女が、醜聞を乗り越えて、これからも会社のためにがんばってくれるよう、期待しているのはぼくだけではないだろう。
  ぼくも、彼女を独占しようとは思わない。みんなで彼女の生まれながらコケットリーの魅力を分け合っていきたいと心からおもう。もちろんご主人の建造さんとも。
(終)  

小説(転載) 過ち…それから 3/3(未完)

官能小説
05 /21 2015
【3】

「うんっ! ああぁ・・っ」

充分に潤んだ麻耶の線に沿って、ゆっくりと指を上下させる。
その都度声を挙げる麻耶の乳首を口に含み、親先の先でクリトリスを揉んだ。

出そうになる大きな声を我慢するように、麻耶は自分の指を噛んだ。
反対の手は、より激しく僕の股間の塊をこすった。

親指でクリトリスを摩りながら、中指を麻耶の入口からゆっくりと中へ入れた。
中はドロドロになっており、熱く、小さく痙攣している。
僕は指を小刻みに出し入れした。

麻耶は眉間に皺を寄せ、声を我慢しながら顔を左右に振って悶えた。
更に激しく動かす僕の指が、麻耶に挿入を催促させた。

「もう・・・だめ! 挿れて・・・」

麻耶の指で最長まで達していた僕の股間は、先端から透明な雫を多量に出し、
麻耶の指を濡らしていた。

「分かった、僕も我慢できない・・・」

ふやける程に濡れた指を麻耶の中から抜き出し、口元に寄せて舌で舐めた。

「いやだ・・・っ・・」

それを見た麻耶は、恥ずかしそうに言って横を向いた。

「美味しいよ、麻耶の蜜は・・・。ゆっくり舌で味わいたい」
「あんっ・・、それは後で・・・、我慢できないっ!」

麻耶は僕の首の後ろに両手を回すと、強く自分に引き寄せた。

僕は麻耶の膝を左右に割ると、そっと間に身体を滑り込ませた。

「いくよ・・」
「うんっ・・・」

雫のほとばしる先端を麻耶の割れ目にあてがい、穴の位置を確認すると、割り
裂くように一気に押し進めた。

「あああっっ!」

抑えていた大きな声を一瞬発した麻耶は、慌てて指を噛んで声を抑えた!
僕も瞬間動きを止めて、2階の様子に耳を立てた。
2階からは何の音も聞こえてこなかった。

ホッとした僕は、奥近くまで進めた先端をゆっくりと入口付近くまで引き出し
ていった。
エラに絡み付く、麻耶のぬるりとした蜜と締め付けが心地良い・・。

「ゆっくりいくからね・・・」

僕は麻耶の唇を自分の唇で塞ぎ、腰を前へと突き出した。

麻耶の挙げる声が僕の口内に響いた。
舌を激しく絡ませ、自分の内側がもたらす快感に必死に声を我慢している。
僕は少しずつ動きを速め、麻耶の内部の心地良さを味わった。

「あっ・・ ああ・・ うんっ!」

麻耶は懸命に声を抑えようとするが、快感で自然と開いてしまう口からは声が
漏れてしまう。
僕は麻耶の舌を強く吸い、その声を抑えようとした。
僕の動きを止めれば麻耶の声も止まると分かっていても、塊に感じる甘美な酔
いが一層動きを速めてしまう・・・。
腰の動きは次第に強さを増し、クチャクチャと鳴る麻耶の愛液の混じる音と二
人の鼻息が、静かなリビングに流れ続けた。
2階で妻が寝てるという、異常な状況下での麻耶との交わりは、僕の興奮を早
急に高めた。
麻耶も同じらしく、僕の繰り出すペニスに肉ヒダを絡ませ、熱い愛液を止めど
無く噴出して絶頂が近いことを体内で語っていた。

「麻耶さん、イクよ・・・」

僕は麻耶に言った。

「ああ・・ うん、 私も・・イクっ!」

麻耶は長い両足を僕の腰に強く巻き付け、自分も絶頂に近いことを告げた。

僕は麻耶にキスをすると、完全にその口を塞ぐように強く吸い付いた。
そして腰の繰り出しを最大にして、麻耶の奥から入口までを長いストロークで
強く摩擦した。

「ううんぐっ!・・  うあんんぁぁぁっ!」

麻耶の叫びが僕の唇と舌を震わせる!

「くうっ・・ 出る!」
「っぐうううっ! あああぁぁぁっっ!」

お互いの舌を激しく吸い合い、同時にクライマックスへ駆け登っていく!

(抜かなきゃ!)

中で出すわけには行かないと考え、ギリギリのタイミングでペニスを麻耶の中
から抜こうとした。
しかし麻耶は僕に絡めた両足をギュッと引き寄せ、繋がった部分を深く密着さ
せた。

(ダメだっ!・・・)

ギリギリまで麻耶の感触を味わっていた僕は、麻耶のその行為でペニスを抜く
ことが出来ずに、麻耶の中へ果ててしまった。
ドクっ! ドクリっ!と僕の先端から麻耶の奥へと注ぎ込まれる精子・・・。
その何とも言えぬ痺れに、僕は背中を反らせて唸った・・・。

ハア・・、ハア・・・、ハア・・・・。

僕と麻耶は荒れた呼吸を繰り返しながら、暫くその状態で重なっていた。

「こんな事になっちゃって、良かったの麻耶さん・・・」

息が整った僕は、麻耶に言った。

「嬉しかった、雅貴さんの方こそ・・・良かったのかな・・」

麻耶は大きな二重瞼の瞳をそっと開いて、僕の顔を見た。

「うん・・・」

僕はゆっくりと麻耶の中から少し萎えたペニスを抜くと、小さく答えた。

「瑞希の事、裏切っちゃったわ・・・」

麻耶は上半身を起こし、俯き呟いた・・・。
割れ目からは、僕の白い精子が少し流れ出していた。

「それは僕も同じだよ。妻を裏切り、麻耶さんと浮気した・・」

右手で麻耶の黒いセミロングの髪を優しく撫ぜた。

「でも僕は後悔してないよ。麻耶さんのこと、前からイイと思ってたから」
「ほんとに?・・・」
「本当さ、最初に麻耶さんを見たときから、いつも気になっていた」
「嬉しい・・・」

麻耶は僕の胸に顔を埋め、本当に嬉しそうな声で言った。


(4)へつづく・・・

小説(転載) 過ち…それから 2/3(未完)

官能小説
05 /21 2015
【2】

「うっ、う~ん・・・」

妻の瑞希が目を擦りながら身体を起こした。

「瑞希、私そろそろ帰るわ」

麻耶はまだ半分眠りの中の瑞希に言った。

「え~・・泊まって行きなさいよ! もう遅いし」

時刻は深夜1時を少し回っていた。

「そんな、悪いわ」
「いいのよ! 明日は休みでしょ? 明日一緒に買い物に行こうよ」
「でも・・・・」
「そうですよ麻耶さん、遠慮しないで泊まっていってください」

僕は麻耶を帰したくなかった。麻耶は僕の顔をチラリと見ると、

「じゃあそうさせて貰おうかしら・・・いいの? 瑞希」
「いいに決まってるでしょ。さあ寝ましょう」

そう言うと妻は、麻耶の手を引いた。

「麻耶は私と一緒に寝室で寝ましょっ! アナタは適当に寝てね」

酔ってロレツの回らない口で瑞希は言った。

「それじゃあ悪いわ! 私がソファーででも寝るから」
「いいのいいの! 女二人で昔話の続きでもしましょっ」
「いいですよ麻耶さん、瑞希に付合ってやってください」

麻耶が返事をする間も無く、瑞希は手を引いたまま階段を上がっていった。

「ふう~・・・!」

僕はタバコに火を付け、グラスに残ったワインを飲んだ。
さっきまでの麻耶との少し危ないやり取りが頭から離れなかった・・。

30分程一人で飲んだ僕は、尿意をもよおしトイレへ入った。
右手でナニを支えながら、勢い良く出る尿で便器を汚さないように気を付けた。
チョロリチョロリと残尿が出切ってしまうと、暫くその状態で麻耶の事を考え
ていた。

「麻耶さんか・・・さっきはビックリしたな・・・。でも、あんな綺麗な女性
に想われてたなんて、ちょっと感激だな!」

僕の頭の中には、麻耶の綺麗な首筋や、服越しの胸の膨らみが思い浮かんだ。
右手で支えたナニが堅さをおびて、僕は焦った。
半分まで膨れてしまったナニを強引に中へしまい、僕はトイレから出た。

「あっ!・・」

トイレのドアの先に、麻耶が立っていた。

「ま、麻耶さん・・、どうしたんですか?!」
「瑞希が寝ちゃって、私はなんだか寝つけなくて・・・」
「瑞希、寝たんですか・・・」
「はい・・・」

僕は無意識に半歩麻耶に近付いていた。

「完全に寝てますか・・・?」
「たぶん・・・・」

麻耶の脚が少し僕の方へ進んだ・・。

「起きそうにないですかね?・・・」

僕は今度は意識して、麻耶に少し近付いた。

「あの様子なら、起きないと思います・・・」

麻耶が更に脚を進めた為、僕と麻耶の距離は50センチほどになった。

「そうですか・・起きませんか」

僕の息が麻耶に掛かる程の距離・・・。
身長175の僕のアゴの辺りに、麻耶のオデコが有る。

「起きない・・・・」

そう麻耶が呟いたとき、二人の唇が合わさった。

僕は麻耶を強く抱き締めながら、舌を口の中へ進ませた。
麻耶の舌が僕の舌にからみ、二人の唾液が混ざった。

立ったままお互い身体に腕を絡ませ、口付けが一層強まる。
ぎこちなく歩き出した二人は、舌を激しく絡ませながら、リビングの中へ入っ
た。
僕は左手でドアを閉めた。

身体を弄るお互いの手の動きが速くなり、僕はきつく合わさった身体の間に右
手を差し入れ、麻耶の胸を柔らかく揉んだ。

「ああ・・・」

麻耶が小さく声を挙げたとき、僕は麻耶をカーペットの上に横たえた。

二人に言葉は必要なかった。
上着を捲くった下から現れた麻耶の胸に、僕は顔を埋めた。
刺繍を施したブラのザラザラとした感触を頬に感じ、額では麻耶の素の胸の柔
らかさを感じた。

背中に回した腕でブラのホックを外し、露わになった綺麗で形良い胸に舌を這
わせた。
25歳の独身の麻耶の乳首は薄いピンク色をし、すでに堅くなって僕の舌を弾
いた。

小さく声を挙げ続ける麻耶は、腕を下へと伸ばし、ズボンのベルトを緩める。
僕も負けじと麻耶の膝丈のスカートの中に手を差し込み、下着の上から秘部に
指をあてた。

「麻耶さん、ガーターなんだね・・」

ストッキングの感触を感じない指先に、僕は感動した。

返事をする変わりに麻耶は、僕のズボンを少し降ろすと、トランクスを大きく
持ち上げる股間を強く摩った。

「ああっ・・、堅い・・」

麻耶の5本の指が、僕の股間を下から上へ何度も往復する。時折強く握り、そ
して先端を優しくさっすった・・・。
僕は足先からズボンを脱ぎ捨て、上着を頭から抜いてトランクス一枚になった。
そして麻耶の上半身を優しく起こすと、麻耶の上着を脱がせ、綺麗な胸を直視
した。

「恥ずかしい・・・」

息を少し荒げ呟く麻耶の唇を塞いだ。
そして両手で左右の胸を揉み、親指で乳首を転がした。

「あぁっ あっ!・・」

2本の指で乳首を摘むと、麻耶は途切れた甘い声で応えた。
トランクスの上で動いていた麻耶の指は、僕のトランクスのウエストから中へ
進入し、直の掌で強く握り締めていた。

麻耶をそっと床に寝かせ、僕は全裸になった。
そっと両手をスカートの裾から潜らせ、麻耶の下着を細い足首から抜き取り、
ゆっくりとスカートの裾を両手で太腿を摩りながら巻き上げていく。
綺麗に生え揃った麻耶の黒毛に指を絡ませ、左の人差し指をそっと割れ目に這
わせた・・・。


(3)へつづく・・・

小説(転載) 過ち…それから 1/3(未完)

官能小説
05 /21 2015
【1】

「こんばんわ~」
「いらっしゃい! 待ってたわよ!!」

土曜の19時。妻の学生時代の友人の麻耶が新築した我家を訪れた。
妻の瑞希と麻耶は女子大時代から今日までの5年、お互いを親友と認め、マメ
に交流を計っている。
僕も今迄何度か妻を介して麻耶と会い、大きな二重の瞳に魅了されていた。

妻の手料理を肴に、新築祝として麻耶が持参したワインで乾杯した。喉越しの
良い、とても美味しいワインだった。

「麻耶、まだ結婚しないの?」

瑞希は少し酔ったのか、薄っすらと顔を赤らめ麻耶に聞いた。

「そろそろしたいって考えてるけど、こればかりは相手が居ないとね」

麻耶は軽く微笑みながら答えた。

「麻耶くらいイイ女だったら、相手なんていくらでもいるでしょっ!」
「そんな事ないわよ。誰も私をもらってなんかくれないわ」

そんな会話に華を咲かせ、3人は飲み続けた。

「ああ~飲み過ぎたわ・・麻耶のせいよ!」

目をトロンとさせた瑞希が言った。
確かに瑞希はかなり酔っており、今にも瞼が目を塞ぎそうだった。

「もうだめ・・おやすみ!」

そう言うと瑞希は、カーペットに寝転がり目を閉じた。

「ちょっと瑞希! 寝たら困るわ」

麻耶は瑞希の肩を数回揺すったが、瑞希はすでに寝息をたてて眠りに落ちてい
た。

「ごめんね、麻耶さん。コイツ、酔って寝たらまず起きないから」

僕は眉を顰めて麻耶に詫びた。

「知ってるわ。長い付き合いですから・・」

二人は顔を見合わせて軽く笑った。

寝息をたてる妻を気遣い、僕と麻耶は少し声をひそめて話した。

「でも麻耶さん、本当に結婚を考えてる相手はいないの?」

麻耶の顔をもってして、言い寄ってくる男が居ないとは考えられない。
スタイルにしたって、もちろんいつも服の上からであるが、均整のとれたプロ
ポーションを容易に確認できる。
そんな麻耶に夢中になる男の存在が無いなんて、本心から信じる事ができずに
僕は聞いた。

「全くいないって訳じゃないけど・・・」
「やっぱり!」
「でも、魅力を感じる人が現れなくて」

麻耶はグラスの中のワインを俯いた目で見つめながら言った。
その表情に僕は思わず身震いした。
俯いた麻耶の顔は、アルコールを帯びてほんのり赤く染まり、白い肌に赤ワイ
ンで色付いた唇がとても生めかしかった・・・。

「そ、そうなんだ・・」

僕は浮んだ邪念を振り払うように言葉を発してから、グラスのワインを一気に
飲み干した。

「どんな男に魅力を感じるのかな?」

平静を取り戻しつつ、麻耶に尋ねた。

「どんなっていうものは無いけど、直感みたいなものかな・・」
「直感?」
「そうなの、会った瞬間に胸が熱くなるような感覚ってあるでしょ? そんな
感じがする人がいないの」
「今迄一人も居なかったの? 胸が熱くなった男は?」
「いたわ、一人だけ・・」

麻耶は少し横を向いて、寝ている妻に目をやった。

「その男とは上手く行かなかったの?」
「うん、ダメだった・・ダメだったというより、アプローチしなかったから」
「どうして?」
「その人、結婚してたから・・会った時すでに」

麻耶は妻の立てる寝息を聞きながら、静かに答えた。

「そう・・残念だったね」

僕は麻耶の横顔を見詰め、綺麗な首筋に焦点を合わせていた。

「今でもその男は結婚してるの? もしかしたらバツ1になってるかもよ!」

僕は麻耶を励ますつもりで言ってみた。

「とっても仲の良い夫婦なの・・とても私の入り込む余地なんて無いわ」
「えっ? 奥さんの事も知ってるの? 一緒にいるところを見たとか?」
「夫婦一緒のところを何回も見てるわ」

麻耶は視線をこちらに戻し、潤んだ瞳で僕を見た。

(えっ! まさかね・・・)

その眼差しが何かを訴え掛けるように思え、僕は自分の都合の良い考えを否定
しようとした。

「好きになったらダメなのよね?」

麻耶は俯き小声で呟いた・・・。

「本当に?・・・・」

僕はたった今自分で振り払った甘い考えを言葉に出してみた。
顔を上げた麻耶は、うっすらと涙で瞳を濡らしながら頷いた。

吸い込まれそうな麻耶の瞳に見詰められ、僕は唾を飲み込んだ。
喉を通る唾の音が麻耶の耳に届いた。

「ごめんなさい! 変なこと言って! 私酔ってるみたい」

麻耶は僕に向けていた瞳を逸らすように横を向いた。

「いや・・こっちこそ! 焦ったよ」

僕は空のグラスへワインを注ぎ入れ、急いで口へ運んだ。
麻耶も同じようにワインを口に含み、乾いた口内を潤しているようだ。

その後、二人の会話は続かず、ただ時間だけが流れた・・。


(2)へつづく・・・

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。