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小説(転載) 筒抜け

近親相姦小説
06 /20 2018
掲載サイトは消滅。
 「ママ、気持ちいい。」
 突然頭の上から若い男の声が聞こえてきた。それは蚊の鳴くような微かな響きだっ
たが、静かに湯船に浸かっていた弘信は十分聞き取ることが出来た。慌てて見上げる
と、その声は換気ダクトからのようだった。
 「駄目、出ちゃう。」
 もう一度、弘信が耳を澄ませていたので、今度は更にハッキリと聞こえて来た。切
羽詰まった声だった。
 弘信がこのアパートの造りを頭の中に思い描いた。メゾネットタイプの二階建て3
DKが左右二世帯振り分けに幾つか繋がった構造である。見てくれはそれなりだが、
地主が相続税対策に急遽建てたものだから実態はプレハブアパートと大差無い。恐ら
く風呂場の換気ダクトが隣とつながっており、そのダクトを伝って秘めやかな会話が
漏れて来たことに間違い無さそうだった。
 隣には三十代半ば位の女が中学生の息子と一緒に住んでいる。表札には田中とだけ
書かれていた。入り口が道路に面しているので女所帯と知られたくないからだろう。
玄関先でこの女と顔を合わせれば会釈くらいはするが、言葉を交わしたことは一度も
無かった。この近所では一番と言える位の美人で、毎日夕方になると出掛けて行く。
帰りは深夜だった。多分水商売だろう。
 暫く静かだったダクトから今度は揉み合うような気配が聞こえてきた。続いて肉と
肉のぶつかり合うリズミカルな音が響いてくる。二人が裸で抱き合っている姿が弘信
の目に浮かんだ。音の激しさから想像すると、後ろから激しく突き立てているような
気がした。
 (ママって言ってたよな)
 どう考えても二人がただならぬ仲に陥っていることは間違い無さそうである。中学
生の息子ともなれば、恐らく毎日のように母親の身体を求めているに違いない。
 (まさか、美佳は聞いてないだろうな)
 弘信が不安を覚えた。弘信自身が夕食前のこの時間に入浴することは滅多に無いが、
娘の美佳は早めに風呂を済ませていることが多かったのである。
 (注意せんとまずいなあ)
 隣から女の絞り出すような呻きが聞こえてきた。
 「い、いい・・・もっと、もっと強く・・・」
 弘信はいつになく前が固くなっている自分に苦笑した。一定だったリズムが加速し
始めた。女の喘ぎがそのリズムに合わせて一段と強くなって来た。
 「あー、い、い、いー。」
 一際大きな声が響き、ピタッと気配が止んだ。二人同時に目的を遂げたようだった。
 「もういいでしょ。続きは帰ってからね。」
 「うん。寝ないで待ってるから、早くね。」
 弘信はなるべく音を立てないように気を遣いながら風呂場から出た。あれだけ声が
筒抜けと言うことは、当然こちらの物音も隣に聞こえてしまうはずである。
 (何と言って注意すればいいかな)
 弘信も隣と同じように高校生になった娘の美佳と二人暮らしである。妻の芙美子は
五年前に子宮ガンでこの世を去っていた。
 (あっちは母親と息子、うちは娘との二人暮らしだからなあ)
 チラッと美佳の姿を思い浮かべた弘信が慌てて首を横に振った。ここ一、二年でや
けに女っぽくなって来た娘との二人暮らしが急に息苦しいものに感じられたのである。
 「ただいま。パパ、今日は随分早かったのね。」
 玄関のドアが勢い良く開いて娘が帰ってきた。白いカーディガンに赤いチェックの
ミニスカート。足下はルーズソックスである。絵に描いたような女子高生ルックだが、
スカート丈が極端に短い。最近は膝上何センチ等という規定は無くなったのだろうか。
弘信がソファーに座った視線だと下着がほんの僅か見えていた。これでは町を歩いて
いても動いた拍子にパンチラになってしまうはずである。
 「スカートが短すぎるぞ。」
 弘信が笑いながら言った。
 「いいじゃん、これ位。この方が脚長く見えるのよ。それに、下だって見せパンな
んだから。」
 美佳がそう言ってスカートを捲って見せた。リボンがあしらわれたデザインだった。
それでもピンク色のレース地から下の翳りがうっすらと透けていた。
 「分かった、もういい。」
 弘信が顔をしかめて横を向いたので美佳が可笑しそうに笑った。
 「独身のパパには目の毒だった。」
 「馬鹿言え、小便臭い小娘なんかに興味ないよ。」
 途端に美佳が目尻を吊り上げた。
 「悪かったわね、小便臭くて。」
 美佳が鞄をテーブルに置き、服を脱ぎ始めた。狭い3DKのアパートに脱衣所は無
いのである。
 「おい、風呂場に入って脱げよ。」
 慌てて背中を向けた弘信が声を荒げた。
 「小便臭い小娘に興味なんて無いんでしょ。」
 美佳が脱いだものを床に投げ散らかして風呂場に消えた。
 翌日、弘信が夜中に入浴すると、また隣から二人のじゃれ合う気配が聞こえてきた。
何となくこちらの入浴に合わせているようで、それも気になる弘信だった。この調子
だと娘の入浴中にも同じ事が起きている可能性が高い。
 隣の女は大抵夜中の一時過ぎに帰宅する。恐らく毎晩終電で戻るのだろう。次の日、
弘信は終電近くなってから駅に向かった。暫く待つと電車がホームに入ってくる。こ
の駅が終着なのでタクシーが何台も客待ちしていた。すぐに女が姿を現した。
 「あの、」
 弘信が女に声を掛けた。
 「はい、何でしょう。」
 女が一瞬身構えた。
 「お隣の安藤です。」
 「ああ。」
 女が弘信の顔を思い出したようで、幾分表情を和らげた。
 「ちょっとお話したいことがあるんですが。」
 「こんな時間にですか。」
 女がもう一度きつい目で弘信を睨んだ。
 「いえ、今でなくても構いません。よろしければ明日の午前中に半日休みを取りま
すので、いかがですか。」
 休みまで取ると言う弘信の言葉に女がちょっと考えてから頷いた。
 「結構です。明日、お宅に伺いましょうか。」
 「ええ。息子さんが学校に行かれたらいらして下さい。」
 息子さんと言われて女が表情を硬くした。
 「お嬢さんもいらっしゃらない方がいいかも知れませんわね。」
 女にそう言い返されて今度は弘信が表情を曇らせた。女は弘信が何を言いたいのか
察しているように思われたのである。
 翌日、約束通り弘信は午後からの出社を会社に連絡して女が来るのを待った。美佳
が学校に出て暫くすると玄関のチャイムが鳴った。
 「失礼します。」
 「どうぞ、お入り下さい。」
 女が改めて田中晴美だと名乗った。弘信がお茶を出し、用件を切り出そうとすると
晴美が機先を制した。
 「お風呂場の、ダクトのことですわね。」
 「知ってたんですか。」
 弘信が驚いて晴美の顔を見詰めた。
 「ええ、気になったので調べたんです。管理人さんに頼んでここの設計図見せて貰
ったら、お風呂場のダクトは二軒ずつ一組になってましたわ。お風呂場の声が筒抜け
になるのはうちとお宅の間だけだったので、ちょっと安心しましたけど。他にも聞こ
えてたら大変だわ。」
 「え、うちなら構わないんですか。」
 「だって、お互い様でしょ。」
 「はあ、」
 弘信が当惑した顔で晴美を見た。
 「もう、とぼけるのはお止めになったら。」
 晴美の意図を察しかねた弘信は二の句が継げなかった。
 「元々うちがあんなことになったのはお宅のせいよ。」
 「どう言う意味ですか。」
 その言葉に晴美は気を悪くしたらしい。
 「何だか話しても無駄のようね。」
 晴美が席を立とうとした。
 「待って下さい。貴女の仰ることが分からないんです、本当に。」
 「もう、おとぼけもいい加減にして頂戴。貴方がお嬢さんとイチャイチャしてる声
聞いて、息子があんなことしたのよ。」
 「私と娘が。言い掛かりは止めて下さい。」
 「私が嘘言ってると仰るの。お話になりませんわ。パパ、パパって、それはそれは
凄かったのよ。」
 「娘が、ですか。」
 「貴方のことをパパって呼ぶ人、他にいるのかしら。」
 「うちの風呂場でパパって呼ぶのは美佳以外にいないでしょうね。」
 「ほら、そうでしょ。そこ、そことか、もっと奥までとか、聞いてる私たちが赤面
するようなことなさってたくせに。」
 「本当ですが、美佳がそう言ってたんですね。」
 突然、晴美がハッとした顔になった。
 「まさか、お嬢さん、美佳ちゃんの一人芝居、と言うか、貴方のこと思い浮かべて
オナニーしてただけ、なんてことがあるかしら。」
 「どうもそのようですね。少なくとも私には全く心当たりがありません。」
 「やだ、どうしよう。そんなことって。」
 晴美の狼狽え振りは哀れな程だった。
 「その時のことを聞かせて下さい。まず、最初に聞いたのはいつですか。」
 「先月ですわ。日曜で私が休みの日だから、二十五日の晩だったと思います。」
 「時間は何時頃。」
 「夜の八時過ぎだったと思うわ。」
 「先月の二十五日ですね。私が家に戻って来たのは夜中の一時過ぎでした。正確に
言えば翌日二十六日の午前一時です。土日で実家に戻ってたから、間違いありません。」
 「嘘、だって美佳ちゃんがパパ、パパって言ってたわ。」
 「それで、困ったことになったんですね。」
 「最初に気が付いたのは俊樹だったんです。あ、息子です。ママ、ちょっと来てっ
て風呂場に呼ばれたら美佳ちゃんの声が聞こえて。二人で息を殺して聞いてたら、俊
樹が私の身体を触り始めて、抵抗したんだけど、お宅に筒抜けだと思うと声出せなく
て、パジャマ姿で下には何も着てなかったし、脱がされて、とうとう入れられちゃっ
たの。ハッキリ言ってお宅を恨んだわ。俊樹だってあんな声聞かなかったら、私とし
ようなんて思わなかったと思うし。」
 一部始終を聞いた弘信が溜息を突いた。
 「いけないのはうちの美佳ですね。申し訳けないです。」
 「いいえ、俊樹にされちゃったのは私の責任です。兎に角、一度美佳ちゃんの声を
確かめて下さい。それで全てがハッキリします。来週、俊樹が修学旅行で一週間留守
にしますから、その時うちに来て下さい。美佳ちゃんには内緒でね。こっちで私たち
がじゃれ合ってるように聞かせたら、きっと美佳ちゃんの方も何かすると思います。」
 「じゃあ、いつもお互いに聞きながらだったんですか。」
 「恥ずかしい話、そうなの。だから、昨日話があるって言われて、そろそろお互い
にハッキリさせた方がいいかなって思いましたの。」
 「何だかとんでも無い話になって来ましたね。」
 「困ったのはうちの方よ。俊樹はもう夢中で、後戻りは出来そうもないし。」
 「私は誰にも言わないから安心して下さい。」
 「ありがとう。残るは美佳ちゃんね。」
 「来週、美佳の様子を見てから今後のことを考えましょう。」
 晴美を部屋から送り出した弘信がその後ろ姿をジッと見詰めた。三十代半ばだろう
か。顔立ちは元より体の線も全く崩れていない。ツンと盛り上がった尻のラインが肉
感的だった。これなら実の息子がその気になっても不思議は無いな、と弘信が思った。
 俊樹が修学旅行に出た翌日、弘信は定時に退社して娘と顔を合わせないようにそっ
と隣の部屋に入った。既に美佳が帰宅しているのを晴美が確認していた。弘信が部屋
に入ると晴美が浴室のドアを開けて暫く待ったが、何も聞こえて来なかった。
 「こっちから誘わないと駄目かも。」
 晴美がそう言いながら風呂に湯を入れ始めた。湯の栓を止めると隣からも水音が聞
こえていた。美佳も風呂の準備をしているらしい。
 「じゃ、お風呂に入りましょうか。」
 弘信の耳元でそう囁いた晴美が服を脱ぎ始めた。
 「え、入ってる振りするだけじゃ駄目ですか。」
 驚いた弘信が目を丸くして晴美を見た。
 「無理よ。私、そんな演技できないし。貴方は俊樹になりきって。」
 確かにお湯の中での戯れを演出するには実際に入るしか無さそうだった。二人で湯
船に浸かると晴美が戯れて来た。前を握られ当惑する弘信だったが、声を出したり抵
抗すれば隣の美佳に気付かれてしまう。晴美が無言でウィンクした。ね、今みたいな
状況だったのよ、と言ってるようだった。
 湯船の外で晴美が弘信に尻を向けた。晴美の気持ちに確信が持てぬまま弘信が宛っ
た。入れた瞬間、ダクトから美佳の声が響いてきた。パパ、と呼ばれて弘信の動きが
止まった。
 「凄い、パパ、凄い。」
 確かに美佳のあられもない声だった。そのパパ、弘信は壁一つ隔てたすぐ隣で晴美
の中に押し入っている。弘信が微かな音に気が付いた。バイブの音らしかった。
 弘信はかなり慌てていた。誘われるまま一つになってしまったのだが、このまま続
けていいものか迷っていたのである。久しぶりに絡み付くの女の感触が頭の芯にズン
ズン響いてくる。すぐ隣に娘がいると言う意識も弘信の興奮に拍車を掛けていた。
 動かない弘信に、晴美が焦れたように尻を何度も突き出した。本気になっていいも
のか、弘信はまだ半信半疑だったが、段々晴美のペースに引き込まれて腰の動きを強
めて行った。
 「パパ、イク・・・」
 ダクトから美佳の切なそうな声が聞こえてきた。その瞬間、弘信の自制が外れた。
堰を切った熱い流れが晴美を満たす。晴美が満足そうに呻き声を上げた。
 「ね、聞いたでしょ。」
 リビングに戻った晴美が弘信の目をジッと見詰めながら言った。
 「聞いたよ。まさか美佳があんなこと。」
 「悪い気はしないでしょ、あんな可愛い娘に、パパ、イクなんて言われたら。」
 「しかし、美佳の奴、本気で言ってるのかなあ。」
 「バイブの音、聞いたでしょ。父親を思い浮かべてオナニーしてるんだから、結構
本気だと思うわ。でも、バイブ使ったの、今日が初めてなのよ。もっと前に聞いてれ
ばオナニーだって気が付いてたのになあ。」
 「信じられないよ。美佳のような若い娘がこんなむさ苦しいオヤジに抱かれたがっ
てるなんて。」
 「あら、弘信さんってむさ苦しくなんかないわよ。魅力的だと思うわ。」
 「一つ聞いていい。」
 「何。」
 「さっき、本気で感じてた。」
 「その位、言われなくても分かるでしょ。私ね、本気で感じると中が動くらしいの。」
 「うん、動いてた。凄く良かった。」
 「今晩、どうする。」
 「さあ、まだ決めてない。」
 「私はまだ帰したくない。あれじゃ中途半端で切ないの。」
 「俊樹くんの留守に、いいの。」
 「私も少しは考えてるのよ。このまま息子とずるずるしてちゃまずいし。あなた方
のことが勘違いだって分かった今は尚更だわ。」
 「今度は俺が美佳のことで悩む番だな。」
 「そうね。うまくやらないと。」
 「俺たちのことか。」
 「うん。下手なばれ方したら、私が恨まれちゃう。」
 「それは俊樹くんも同じだろう。いや、寝ちゃってる分、そっちの方がよっぽど深
刻だよ。」
 「言えてるわ。スケベオヤジあしらう方がよっぽど簡単。若い子、それも息子じゃ
後が怖いなあ。」
 「事の起こりは美佳の奴だよ。あいつに責任取らせるか。」
 「え、どうやって責任取らせるの。」
 「俊樹くんを晴美さんから引き離させるのさ。」
 「うーん、美佳ちゃんなら俊樹も満更じゃないみたいだけど。でも、その前に貴方
の方も何とかしないとまずいんじゃない。」
 「何を。」
 「美佳ちゃんはあなたに抱かれることを想像してあんなことしてるのよ。それに、
美佳ちゃんには私たち親子のこと筒抜けだし。」
 「何が言いたいんだ。」
 「分かってるくせに。」
 「俺が美佳と、ってこと。」
 「うん。そうなればお互い五分五分になれる。」
 「美佳となあ。」
 「嫌じゃないでしょ。さっき美佳ちゃんが、パパ、イクって言った途端にイッちゃ
ったじゃない。」
 「分かった。」
 「当たり前よ。男って内も外も単純だから。俊樹が修学旅行から戻ったら実行しま
しょう。私たちがこっちで始めるから、頃合いを見てあなたが美佳ちゃんのところに
行けばいいのよ。声出せないから、きっと上手く行くわよ。」
 「無理矢理する気は無いよ。」
 「大丈夫。私たちのこと盗み聞きしながらオナニーしてる現場に踏み込めば言い訳
なんか出来ないし、さっきみたいに、パパ、パパって言ってれば余計よ。あなたもこ
っちにいて、美佳ちゃんが始めたの確認してから行けば間違いないでしょ。」
 「それだと俊樹くんが問題だよ。」
 「あ、それもそうね。うーん。じゃ、携帯繋ぎっぱなしにして、こっちの様子があ
なたに聞こえるようにしておけば。」
 「それならいいかも。」
 「ところで、あなた、さっき平気で中に出しちゃったけど、もしかして。」
 「うん。カットしてある。カットしたら随分強くなったよ。」
 「あら、じゃあまだまだ出来るわね。」
 「あと三回はね。」
 「ひゃあ、壊れそう。」
 そう言いながらも晴美が弘信の手を取って嬉しそうに立ち上がった。
 「ベッドで、ね。」
 改めて正面から向き合ってみると晴美の身体は信じられない位抱き心地が良かった。
贅肉は無いが、間に挟まった胸の膨らみや擦り合う腿の滑らかさが女を抱いている実
感を全身で味合わせてくれるのである。弘信が顔を上げると枕元にピルケースが置か
れていた。今回は入れるとすぐに晴美の内部が蠢き始めた。この感触を息子にも直に
味合わせている。そのためのピルである。昨日まで同じところに晴美の息子が収まっ
ていたと思うと弘信は何ともくすぐったい気分を禁じ得なかった。
 俊樹が修学旅行から戻るまでの毎晩、弘信は娘の切ない声を聞きながら晴美と抱き
合う毎日を過ごした。二晩目からはすぐに果てず、出来るだけ長く晴美の感触を味わ
う余裕さえ生まれていた。美佳の方もそれに合わせているようだった。頭の中では既
に晴美と美佳が入れ替わっていた。毎回、娘の「イクー」に合わせて果てる弘信に晴
美が苦笑した。
 ようやく俊樹が修学旅行から戻って来た。一週間ご無沙汰だったので当然激しく晴
美を求めることが予想された。弘信はここ数日美佳の機嫌が悪いのが気になっていた。
 会社を定時に切り上げた弘信が近所の公園で携帯を耳に当てて待機した。既に電話
はつながっている。美佳が戻ったのを確かめた晴美がはやる俊樹を風呂場に誘った。
 「ママ、旅行の間、僕がいなくて寂しくなかった。」
 携帯から聞こえてきた俊樹の言葉に思わず弘信が目をつぶった。その一言で留守中
の芝居が美佳にばれてしまったのである。慌てて家に帰り、弘信がこっそり玄関を開
けた。目の前に裸の美佳が待ち構えていた。
 「やっぱり。」
 美佳がきつい目で弘信を見た。
 「ねえ、どうして分かったの。」
 「何が。」
 必死でとぼける弘信だが、気が動転して娘が裸でいることを叱るのも忘れていた。
 「私が今、お隣のこと聞いてたことよ。こうなったら何もかも話してくれないと許
さないからね。」
 美佳の目が吊り上がっていた。
 ダクトからの気配が途絶えたので隣では晴美が気を揉んでいた。
 「お隣なんかどうでもいいじゃない。」
 上の空の晴美に俊樹が抱きつき、股間に顔を埋めた。まだ濡れてもいないのに赤く
腫れぼったい晴美の襞に俊樹が首を傾げたが、すぐに母親の身体に没頭して行った。
 「昨日まで毎晩お隣にいたの、パパでしょ。」
 美佳の鋭い質問が飛んだ。弘信が曖昧に言葉を濁す。ハッと気が付いたら目の前で
脚を投げ出している娘の茂みを凝視していた。
 「パパ、鈍感過ぎるよ。この一週間、最初の日以外はいつもお風呂が終わるとすぐ
帰って来たじゃない。やけにサッパリした顔してさ。おまけに石鹸の匂いまでさせて。
パパ、この一週間、うちでお風呂に入ってないのよ。」
 「そうか、そこまで気が回らなかった。いつ俺だって気が付いたんだ。」
 「三日くらい前。一昨日はそうっと窓から見てたの。そしたら、パパがお隣から出
てきた。」
 そこまでまくし立てた美佳がハッとしたような顔になった。
 「そっか、私が、パパ、パパって言いながら一人エッチしてたのも全部聞かれちゃ
ったんだ。」
 弘信は頭の中で今後のことを素早く計算していた。ここで中途半端にお茶を濁した
ら計画は全てご破算になる。お隣との関係もまずくなることは間違いない。そうは言
っても、ここで娘とどうにかなれるような気分ではなかった。裸の娘と服を着たまま
の父親。妙な格好の二人が押し黙っていると玄関のチャイムが鳴った。弾かれたよう
に美佳が風呂場に消えた。
 「はい。」
 弘信が怖ず怖ずドアを開けた。晴美がガウン姿で立っていた。後ろからパジャマを
着た俊樹が弘信を睨んでいた。
 「いいかしら。」
 「え、ええ、どうぞ。」
 部屋に通された晴美が風呂場の方に呼び掛けた。
 「美佳ちゃんも出てきたら。」
 「え、私、裸だから。」
 美佳が戸惑った声で答えた。
 「大丈夫よ。何なら私たちも裸になりましょうか。」
 そう言って晴美がガウンを脱ぎ捨てた。下は素肌だった。俊樹も晴美に促されてパ
ジャマを脱いだ。ソーッとドアを開けて様子を見た美佳が裸の二人を見て怖ず怖ずと
出てきた。弘信一人が服を着たままで、何とも滑稽な四人だった。
 「パパも脱いだら。」
 開き直った美佳が笑いながら言った。
 「これで大体分かったわ。」
 「とは思うけど、一応説明させてね。」
 晴美がこれまでの出来事を掻い摘んで説明した。ちょっと躊躇った弘信が自分も服
を脱いで裸になる。一部始終を聞き終えた美佳が照れ臭そうに弘信を見た。
 「私の一人エッチが発端だったのね。」
 「美佳、お前、本気でパパって言ってたのか。」
 弘信が確かめるように聞いた。
 「半分はね。本当にそうなるとは思ってなかったけどさ。でも、最近はかなり本気
かな。」
 「何で。」
 美佳が晴美と俊樹を見た。
 「そちらは二人の声がするから、あ、ほんとにやってるって分かったの。ちょっぴ
り惨めだった。私は一人エッチなのに。それに、パパと晴美さん、お芝居じゃなかっ
たわね。」
 俊樹が晴美の前を覗き込んで頷いた。
 「旅行に行く前と全然違う。僕の留守中、毎晩してたんだ。」
 「今更隠しても無駄ね。その通りよ。」
 晴美が悪びれた様子も見せずにサラッと答えた。
 「分かってはいたけど、晴美さんにハッキリそう言われると何かやだな。」
 美佳がすねてみせた。
 「ごめんなさい、私が誘ったの。弘信さんのこと嫌いじゃなかったから。」
 晴美が俊樹の方を見た。俊樹も面白くなさそうな顔をしている。
 「今すぐどうこうって話じゃないけど、俊樹とはいずれけじめを付ける日が来るで
しょ。」
 「無理に付ける必要あるの。」
 美佳が口を挟んだ。
 「いずれの話だけどね。」
 「嘘。晴美さんとパパ、違うシナリオを考えてたんじゃないの。」
 「え、どう言うこと。」
 「俊樹くんが久しぶりなんて言わなければ、パパが私のところに来る手筈だったん
じゃないかしら。でも、昨日まで俊樹くんが留守だったことがバレちゃった。だから
パパが慌てて帰って来たんでしょ。それに、パパが帰ってきた時、私素っ裸だったけ
ど、パパ、不思議そうな顔一つしなかったじゃない。」
 「白旗上げましょ。」
 晴美がそう言って両手を上げた。
 「降参だわ。美佳ちゃんがパパと思い通りになれば万事上手く行くと思ってたのよ。」
 「それって、もしかして、私と俊樹くんをくっつけようって魂胆。」
 「弘信さん、何か言ってよ。私じゃ美佳ちゃんには太刀打ちできないわ。」
 晴美が立ち上がってガウンを羽織った。
 「俊樹もパジャマ着なさい。私たちは帰りましょ。後はこちら次第。」
 俊樹も立ち上がってパジャマのズボンを履いた。玄関を出るときに俊樹が美佳に振
り返った。
 「僕、美佳さんのこと嫌いじゃないよ。」
 残された弘信と美佳が裸のまま向き合っていた。二人ともなかなか言葉が出て来な
い。たまりかねて口を開いたのは美佳の方だった。
 「パパはどうしたいの。」
 「俺の口からそんなこと言えるか。」
 「ってことは、私を抱きたいの。抱いてもいいって思ってるの。」
 「美佳はどうなんだ。」
 「パパから先に言って。」
 「だから、俺の口からはそんなこと言えないって言っただろ。」
 「駄目、ちゃんと言ってくれなくちゃ。」
 「その前に美佳の気持ちを聞いておきたい。」
 「そんなの狡い。」
 仕方ないと言った顔で弘信が美佳の目を真っ直ぐに見詰めた。
 「分かった。物凄く後ろめたいけど、娘を欲しがるなんてとんでも無い父親だけど、
美佳が欲しい。」
 「本当に、嘘言ったら許さないわよ。」
 「本当だ。ついこの間まではそんなこと夢にも思わなかったけどな。」
 「小便臭い小娘には興味無かった。」
 「許せ。まさか娘の下着見て喜ぶ訳にも行かんだろう。」
 「照れ隠しにあんなこと言ったの。」
 「うん。」
 「もう。あれで私、物凄く傷付いてたのよ。」
 「何で。」
 「パパが正直に言ったから私も言うわ。晴美さんと俊樹くんのこと聞きながら、私
も本気でパパを誘惑しようと思ってたの。だからスカートも捲って見せたのに、小便
臭いなんて言うんだもん。」
 「最後に一つだけ聞いておきたいな。」
 「何。」
 「何で俺なんだ。他にもっと若い、格好いい相手が幾らでもいるだろう。」
 「ふふ、それ言う前にパパに謝らなくっちゃ。」
 「何を謝るんだ。」
 「私、バージンじゃないよ。」
 「そんなこと分かってる。一昨年くらいだろ。」
 「うん。分かった。」
 「急に女っぽくなったからな。」
 「謝るのはそのことじゃないの。私、これまでに二十人くらい寝てるんだ。」
 「はあ、二十人か。半端な数じゃないな。」
 弘信が溜息をついた。
 「そんだけ寝ても、この人ならって男は一人もいなかったの。パパと同じくらいの
人とも寝たけど、最悪だった。」
 「おいおい、まさか援交じゃないだろうな。」 
 「そこまで墜ちてないよ。凄いレストランでご馳走して貰ったり、シャネルのバッ
グとかは買って貰ったけどね。」
 弘信が美佳のお気に入りらしいショルダーバッグを思い出した。どんなに安く買っ
ても十万以下と言うことはないだろう。現金貰わなかっただけマシだと弘信が自分に
言い聞かせた。
 「やれやれ、そんな話聞くと、ますます元気が無くなって来ちゃうな。」
 「だから、ごめんなさいって最初に謝ってるの。」
 「それで、何でパパなんだ。」
 「パパの、が気持ちよさそうだから。」
 「パパの何が。」
 「お・ち・ん・ち・ん。」
 美佳が弘信の前を指差しながら言った。
 「馬鹿言うな。」
 「ううん、これまで見た中では中くらいだけど、形がいいから。」
 「変なとこ比べるな。」
 「へへ、ごめん。それと、パパなら自分勝手じゃなく、優しくしてくれるでしょ。
晴美さんとの聞いてたら、絶対そうだと思った。正直、物凄く妬けちゃった。」
 「しかし、恐ろしい娘を持ってしまったもんだ。」
 「そうよ。こうなったらもう逃げられないから覚悟してね。」
 「美佳はそれでいいのか。」
 「うん。俊樹くんも私のこと嫌いじゃないって言ってるし、私も一人は年下の男が
いいし。」
 「で、年上がパパか。」
 「うん。パパだって晴美さん、満更じゃないでしょ。美人だし。」
 「まあな。それに、もう抱いちゃってる。」
 「後は私とパパね。その後に俊樹くんも控えてるけど。」
 「改まってそう言われてもなあ。」
 弘信が眩しそうな目で娘の身体を見た。
 「大丈夫。私がリードして上げるから。ところでパパ、何人知ってるの。」
 「美佳より大分少ないよ。」
 「でしょ、私の方がきっと上手だよ。」
 美佳が立ち上がって弘信の手を取った。その手を自分の胸に導いた。風呂場に入る
と美佳が弘信の身体を洗い始めた。石鹸を塗りたくった手で握られた弘信がようやく
頭を持ち上げた。
 「お待たせ。パパったら往生際が悪いのよ。」
 美佳がダクトに向かってそう言うと晴美と俊樹の笑い声が返ってきた。


[2003/12/05]

小説(転載) 監視

近親相姦小説
06 /20 2018
掲載サイトは消滅。女は残酷なほど変化する。

見られている・・・
誰かが息を殺して静かにじっと私のことを見ている。
見えない目が、今日も私の胸を射抜いている・・・

美沙が見えない視線を感じてから、早一ヶ月になろうとしていた。
ストーカー?・・・
押し潰されそうになる不安から1つの答えを何とか導き出そうとした。
(私みたいなおばさん相手に、自分では決して解決できない欲望など抱くものだろうか?)
美沙は、あっさり否定した。
ストーカーなら、何らかの示威行為があってもいい筈だが、感じるのは視線だけであって特に目立った行動を
見ることは無かったからだ。
それにその視線は美沙自身が感じているだけであって、特に証拠立てるものは何1つ無かった。

(単なる私の被害妄想かもしれない・・しかし確かに、あの眼が私の周りを取り囲んでいるのを感じる。)
何か1点に集中した劣情が私を見ている。
美沙は言いようの無い不安と恐怖をじんわりと感じていた。

しかしそれが2ヶ月も同じように続くとなると、さすがに美沙も答えを導き出しつつあった。
彼女が外に出て仕事をしている間は、その視線はまったく感じなかった。
むしろ家に居る時に、それは常に感じていたのだった。

彼女が感じた恐怖は次第に薄れていったが、反して不安感は日に日に増していった。
それはそうだろう・・その汗ばんだ視線は家族の誰かのものであろう事は、もはや確定的だったからだ。
では一体誰なのであろうか?


美沙の家庭は5人家族であった。
母・美沙45才 長男・和雄23才 次男・慎二21才 三男・幹夫19才 末っ子長女・由美子17才
父親は3年前に病気で他界していた。
経済的には、父親の保険金と、美沙の保険外交員としての収入と、和雄のサラリーで不自由はしていなかった。
学生の3人も、それぞれバイトをして得た収入で自分自身の身の回りの事に充てた。
大黒柱だった父親が居なくなってからは、一家は力を合わせて、色々な難事に取り組んだ。
何事にも相談し合いコトに当たった・・強い団結力と信頼感が、そこに生まれた。
大声で怒鳴りあい、大喧嘩もあったし、大声で笑い合い、泣き合った事もあった。
ゆえに家族の間に隠し事など微塵も無かった・・・・

しかしながら、そこには、もう1つの顔があったのだ・・いや隠していたと言っていいだろう。
あの笑い顔や泣き顔の裏に、荒い息と共に、どす黒い劣情を隠し持った人が居るのだ。

しかしなぜそれを美沙は、今になって感じ取るようになったのであろうか?
見えざる眼は、美沙に対して、何時からシグナルを発していたのだろうか?・・(早く私に気付け)・・と。

自らをおばさんと称していた美沙だったが、彼女を見る限り、その言葉が如何に偽りの表現であったかが分かる。
さすがに子供を4人産んでいた為に身体の線の崩れは仕方が無かったが、それを補って余りあるのが、肌の艶やかさ
であり、胸の豊かさであった。
目元は、ほんの少し上にキュッと上がっていて自信に満ちているのを知らしめる力強さを秘めていた。
唇は大きく、腫れぼったさを感じる様な厚さが、男から見ると更に欲情的に見えた。
熟女好みの男なら、間違いなく溺れてしまう・・いや、男なら誰でも、1度なら溺れてみたいと思わせるほどの
色気を持っていた。
若い頃から、その美貌は飛びぬけていた・・という話も、まず間違いないだろうと確信できた。
しかし亡くなった旦那というのは、逆に平々凡々を絵に描いたような真面目で凡庸な風貌の持ち主だった。
美女と野獣とまでは言わなくても、絵図的に釣合いがまったく取れない組み合わせに、当時から周囲には不思議がられた。
しかも熱烈なまでの恋愛の末の結婚だったのだから、周囲の男どもの悔しがりようは殊更に大きかった。


(さて・・・どうしたものか?)
美沙は、現状を打破する最良の方法は何か?を模索した。
相手がはっきりとした行動を起こさない限り、こちらから何かをするわけにはいかないのは当然である。
と・・すると、このまま様子を見て、その存在が本当かどうか、またそれは誰なのかをゆっくりと確かめるか、
それとも子供達1人ずつに直接問い糾して、一気にカタをつけるか、のどちらかを選択することになるが・・・・

まず相手の行動が見えないのが薄気味悪かった。
美沙に女を感じて、どうしようもない感情に身を焦がしているような、熱い感情の揺れは耳元まで感じられた。
熱い吐息が面前まで迫ってきているような感覚があった・・明らかに男の視線だ・・でもそれでも動きは無かった。
一体誰が何を思って監視しているのだろうか?
視線は日に日に鋭く尖っていくような感じだった。

(私の、どの行動が原因で、こうなったのか?・・・どの子も、中学校に入る頃には、もう1人でお風呂に入らせてたし、
それ以降、肌をさらけ出すことも極力無かった・・もし覗かれていたのなら、どうしようもないけど・・・
でも誰なのかしら和雄か?慎二か?幹夫か?・・ああ、はっきりさせたい。)

しかし、はっきりとした証拠が無い以上、問い糾しても意味がないだろうと思えた。
それは所詮、美沙の持つ感覚で感じた現象に過ぎず、想像の域を越えるモノではなかったからだ。
「被害妄想」・・この言葉1つで片付けられるのがオチだ。
息子が母親に女を感じているなんて、誰が正直に告白するものか・・
ならば、証拠を掴むしかない・・・しかし黙って様子を伺うのもまどろっこしい。
だが、焦って急ぐと、大きなしっぺ返しを喰うかもしれない・・・相手は1人ではないかもしれないからだ。
もし息子全員なら、それは大変な恐怖だ・・・そうなれば、もはや女1人での抵抗は不可能だ。

しかも誰にも相談できない・・・美沙の困惑は更に広がっていった。
「息子が私に女を感じてしまい、夜な夜な異様な視線にさらされています。如何したら良いでしょう?」
こんな相談誰に出来よう・・・内容は極めて異常だし、事の是非も含めて息子たちの尊厳にも関わる内容だ。
結局美沙は、暫く様子を見るという選択を余儀なくされた。

それからも、その見えざる視線が絶えず美沙の身体を射抜いていった。
1人部屋にいても、お風呂の中でも、それは続いていた。
家族全員での夕食の場でも、楽しく談笑しながら食事していても、何かの拍子に、ちょっとした隙を突いて
あの視線を投げかけてきた・・・しかし美沙には、それが誰のものなのかは判別できなかったのだ。
こうなったら・・・美沙は1つの行動に出る決心をした。
(もう耐えられない、こうなったら、1つモーションを掛けてみよう。果たして私の妄想だったのか、
そうでなく誰かがいやらしい思惑に囚われていたのかが、はっきりするわ。)

美沙は、肌を露骨にも露わにしたのである。
ピッチリミニのスカートに、胸が大きく開いた上着を身に着けて、家の中を派手に動いていった。
手足を大きく振って、お尻を大きく振って、とにかくダイナミックな動きに終始した。
息子達の反応は一応に「母さん、変だよ、何かあったの?」とか、「みっともないから止めなよ」とかいった
呆れた口調での意見が続出しただけだった。
末娘の由美子も、母親の異様な変身に戸惑いを隠せない様子だった。
「お母さん、何か悩みがあるなら、私に言ってよね、兄さん達と違って私、女の子だから多少だけど判るとは思うの」
「何にもないわよ、ちょっとした気分転換よ、心配しないで由美子。」
さすがに娘には、言えない事情だった為、美沙はそう取り繕うだけだった。
美沙は息子達の呆れ顔を見て、やはり自身の妄想だったのかもと思い始めた。
(ばかばかしい・・結局私は息子達をヘンな目で見てしまっただけだったんだ。ああ・・恥ずかしい。自意識過剰にも
程があるなぁ・・・私に女を感じたなんて・・安っぽいドラマの見すぎだ。)
美沙は自己嫌悪に陥ってしまった・・そして、ぴっちりとした服を着た己の姿を改めて見て、その不恰好さに呆れた。
その夜美沙は、なかなか寝付けなかった。

翌日の朝、美沙は洗濯をしようと、風呂場の横に設置していた洗濯機にやって来た。
しかし昨日の分は、既に洗いが終わっていて、洗濯機の中から出すだけだった。
ふと、洗濯籠に目をやると、1枚の下着が放置されていたままだった。
しまった・・・洗い忘れたか? 美沙は自分の不始末にちょっと苛立ってしまった。
よく見ると、自分のパンティーだった。
(あれおかしいな? 籠の中には私の下着は1枚ある。昨日の今日だから、この1枚だけのはずだから、2枚ってのは変だわ
・・一昨日の分かな?)
美沙は籠の中から、それを取り出した・・・その瞬間、異様な感触が手に伝わってきた。
(湿っているわ・・・何かしら?)
パンティーの裏側の生地にシミが出来ていた・・・ツンとした臭いが鼻を突いた。
美沙の顔から血の気が引いた・・・
(な、何、これザーメンだわ、私の下着にザーメンが付いている。)
男の吐息で、美沙の下着が汚されていたのだった。

とうとう実体を現したようだ。
美沙が感じていた視線は、本物だった・・・やはり間違いでは無かったんだ、美沙は意を大きくした。
同時に、生に恐怖をも感じたのであった。
(やはり、息子たちの中の誰かだったんだ・・どうしよう怖いわ。)
美沙は改めて自分が行った行為に愕然としたのだった。

はっきりさせたい、が正直言って怖い・・美沙は次第に追い詰められていく感じがしてならなかった。
その日の行為以降、見えざる者は、関を切った様にエスカレートさせていった。
美沙の下着はもちろん、歯ブラシ、ドライヤー、鏡台、机の上・・等々、次々と男の印を付けていった。
そこまではっきりと感情を露わにしているのに、美沙に近づこうとはしなかった。
まるで猫がネズミを甚振るかのように・・・追い詰めていった。
でも一体誰が・・・あの3人の中の誰なんだろう?・・いや3人全員かもしれない。
美沙は3人に大声で突っかかっていきたい衝動に何度も駆られた・・でも怖い。
そして日々悶々とする美沙に、ある日、由美子が相談があると言ってやって来た。

「お母さん、どうしよう・・これ見て。」
切羽詰った声で由美子は美沙に、あるものを見せた。
由美子のパンティーだった・・・いかにも高校生の女の子らしく可愛らしい無地でシンプルな柄だった。
しかし、中を開けると、残酷なまでに白く濁った獣がべったりと塗りつけられていた。
「私の机の上に置いてあったの、生臭い臭いがきつくて・・見たらコレが・・」
由美子は今にも泣きそうだった。
「由美子、あなた、こんな目に遭うのはこれが初めて?どうなの?」
美沙の恐怖は最高潮に達しようとしていた。
「ウン・・初めて・・・怖いよお母さん。」・・・由美子は泣き出していた。

美沙だけに限らず、由美子にも牙を向けてきたようだ。
2人の女が生贄にされるのか・・・・美沙は憤りを覚えた。
「あの子達もう許さない・・私だけならいざ知らず、妹の由美子まで手を出すとは・・・」
美沙は3人全員が犯人だと確信していた。
1人だけなら、こんなに大胆に行動はできないからだ。
何かに安心しきった心理状態が、あの大胆なマーキング行為に繋がっていたと見るのが自然だ。
男達が皆つるんでいたとしたら、そりゃ気分的に楽だし、自由気ままな行動も執れる。
美沙の推理が結論を導き出した。
しかし、それからどうするのか・・・息子とはいえ、ガタイの大きい男が3人、かなう訳がない。
だけど、このまま指を咥えている訳にもいかなかった。
(ええい・・ままよ)
美沙はいざとなれば、警察の力を頼ればと開き直った。
家の恥を晒す事になるけど、仕方ない・・このままでは娘が心配だからだ。

美沙は、この時重大な見落としをしていたのだった。
息子達が、なぜ,それまでの間に、一気に美沙、由美子らを襲わなかったのかを・・
なぜ、まどろこっしい監視を続けていたのか?
なぜ、ここに来て、一気にザーメンのマーキングをし始めたのか?
そして何よりも、あの射抜くような視線は、いつも同じ奴のモノではなかったのか?

その夜、息子3人全員帰って来るのを待って、美沙は話を切りだした。
「貴方たち、これを見なさい。」
そう言って、美沙は例の汚された下着を2枚テーブルの上に置いた。
3人の視線が一斉に、それに注がれた・・・そしてうなだれた。
次第に重苦しい空気が部屋全体を覆い尽くし始めた。
「こ、これは・・そ、そのう・・・・」
暫くして、重苦しい空気を掻き分けるように和雄が苦しそうに声を絞り出した。
「なあに?はっきりとおっしゃいなさい」
美沙は慎重に、そして毅然と対処しようと、大きな声だが、優しげな語りかけを行った。
逃げ道を無くすような問い詰めは逆ギレの恐れもあったから、高圧的な振る舞いをしないようにも心掛けた。

「あ、あのう母さん、これにはちょっとした訳があって・・さ。なあ?慎二、幹夫。」
「そ、そうだよな・・・うん訳があるんだよね、これには。」
なぜが妙にモジモジし出す3兄弟たち・・・
「ちょっとした訳って、なあに? こんな派手で陰湿な行為をして、何よ、ちょっとした訳って?どうしたのよ?」
美沙は苛立ちを露わにした・・・ 
パンティーだけなら、見つからないように始末しようとして、思わず見つけられてしまった・・というシチュエーション
なら、彼らの弱弱しい態度にも、うなずけれる余地はあるのだけど、その他のドライヤーやら、鏡やら、机やらに撒き散らす
のは、明らかに示威行為なのだから、もっと開き直るのが本当ではないのだろうか?・・・

「ちょっとした訳で、私の部屋の鏡や、ドライヤーやらに、あんな跡を残すものなの? あんたたちは確信犯でやった
のでしょ? それが何よ、そんな態度になるのなら、初めからやらなきゃいいのに。 一体何考えているの?」
相手の意外な弱弱しさに、美沙は勢いを得て彼らを追い詰めていった。

「貴方たちの年頃なら、当然女の子に夢中になるのは判るわ。女の子の裸に興味が湧くも当然でしょう。
オナニーで、願望を凌ぐのは若い男の子では当然の行為よ・・でもはけ口なら、ティッシュなり、トイレなりで出すのが
マナーでしょ。違う? 恥ずかしいという気持ちがあったのなら、隠れてしちゃうはずよ。
でも貴方たちの執った今回の行動は、明らかに私達に判るように行ったのよ・・・貴方たちには羞恥心ってものが無いの?
私や由美子を汚そうとしたのよ・・いや・・もう心が汚されてしまったわ。実の母親や妹を卑しめたのよ・・・
ホント汚らわしい人たち・・」

美沙は自分の言葉によって涙腺が刺激された・・感情が言葉を震わせた。
3人の息子は、ただただうなだれるばかりだった。
しかしながら美沙の頭の中では、もう1人の自分が冷静に問い掛けていた。
〈おかしいわ?・・あの、あの射抜くような視線が、この子らからは感じない。何て悲しい、情け無い顔してるのかしら?
あんな恥ずかしい事をあからさまにやったにしては、この態度は変、変だわ・・・)
美沙は、あのマーキングに暴力的な匂いを感じていた・・そしてあの視線には、凶悪的なまでの憎しみがあると感じていた。
それが、躊躇した一因だったのに・・・この従順な態度は、拍子抜けよりか、ますます不安が大きくなっていった。
(そう・・確かに変だわ。あの眼がここには無い。 あの視線は唯一人のモノだったんだ・・うん、そうだわ。)

美沙は、困惑した。
(あのザーメンは彼らのものであるのは間違いない・・・私や由美子に欲情した意志表明であったのも間違いない。
しかし、彼らの意思が、その時そこには存在していなかったのは、今ここでの彼らを見て確信したわ。
じゃあ・・誰か別の人の意思なのだろうか?・・彼らは単にそそのかされただけなのだろうか?)
美沙は1つの道筋を組み立てていった。
(・・・とすると彼らを簡単に動かす事ができる人物は誰か?という事になるわね。いずれにしても、ここではラチが開かない
わね・・)

そうこう考えていると、横に居た由美子が、いきなり美沙に詰め寄った。
「お母さん・・私もう堪えられないよ。怖いよ・・・お兄ちゃん達、変態だもん。」
「わかったわ、これはお母さんが何とか始末するわ・・貴方たち今から1人ずつ私の部屋に来てくれる? 聞きたいことが
あるの。3人一緒じゃ、言いたい事も言い難くくなっちゃうからね。だから落ち着いて1人ずつ話を聞くわ・・いいでしょ?」
美沙は不安がる由美子の肩をそっと抱いて、落ち着いた口調で息子達に告げた。
「ああ、それが良いかもね・・・1人ずつなら言いたい事も存分に言えるし・・・」
幹夫が、ぼっそりと言ったそのセリフに、兄2人はびっくりして、素早く幹夫の肩を掴んで、彼の言葉を遮らせた。
(やはり、何か裏がありそうね。)
美沙は、彼らの表情に確信を得た。
「判ったわ・・・それじゃ幹夫、貴方から話を聞きましょうか・・。」
美沙は幹夫を連れて2階の自分の部屋に行こうと階段を上がっていった。
「ああ、由美子は、自分の部屋に入ってらっしゃい、怖かったら鍵でもかけてじっとしてなさい・・・いい?」
階段の上がり口から、由美子に声をかけた。
「うん・・判ったわお母さん、そうするわ。」
そう言って、由美子も2階の自分の部屋に行く為に、階段を上がってきた。
美沙は、由美子が部屋に入るのを見送ってから、自分の部屋に向かった。
(さあて・・1人ずつなら、幹夫でも皆をかばう様なことをせずに、本音を言ってくれるはずだわ。)
美沙はドアのノブに手をかけた時、突然あの視線が美沙の背中を刺した。
あの眼だ・・・あの眼が今後ろに居る?
荒い息が凄いスピードで美沙の背後に迫った・・・美沙は対応しようと、振り向こうとした。
瞬間、いきなり背後から2本の腕が伸びて、美沙の口元と、喉元をがっちりと押さえ込んだ。
それから素早くガムテープを引き割く音がした・・・そして美沙の手首を後ろに回し、ぐるぐると巻き込んで
それからもう1回引き割いて、今度は美沙の口元の自由を奪った。
そしてドアを開け、ドンと美沙の背中を突いてベットに倒した。

(しまった・・・やっぱりあの眼は、あの子だったのか・・)
美沙の顔が歪んだ。

「きゃははは・・・」
甲高い笑い声が部屋中に響いた。
「ここまで来たら、もう止まれないよねぇ・・・幹兄ちゃん。」
おろおろする幹夫の横で、仁王立ちの由美子が、目を大きく見開いて美沙を睨みつけていた。
口元は笑っていたが、目は怒りに満ちていて目じりが極端に上に向いていた。
「ああ・・・すっきりしたわぁ・・もう限界だったから余計にそう思うわ。」
美沙はベットの上で、ばたばたと足をばたつかせた・・・勢いスカートが上に捲れ上がってしまい、太ももに食い込む
ストッキングが、艶かしくクネクネと揺らいでいた。
「いい格好よ、お母さん。とってもセクシーよ。きゃははは・・・」
由美子は狂ったように笑い続けた。

「幹兄ちゃん、あんた本当にバカねぇ・・・ 根性がないっつうかぁ、意気地がないっつうかぁ・・・がっついていると
思ったら、直ぐびびっちゃって、みっともないったらありゃしないわ・・・」
そう言いながら由美子は、幹夫の尻に思いっきり蹴りを入れた。
「だって、母さん可哀想になってきちゃってさ、俺、もういいと思ったんだぜ。なあ、もう止めようよ由美子。」
半ベソをかく幹夫は、ただただ泣き出しそうな目で美沙を見ていた。
これでは、どちらが兄か妹か判らない・・・これが由美子の本性か。

「ねえ、お母さん、この男はねぇ、あんたにずぅーと付きまとっていたんだよね、あんたが寝ている時とか、お風呂に
入っている時とか、じーっと見ているのよ。 母親ってより、女としてみてんのよ・・どう可笑しいでしょ?
この間なんか、風呂場の中を見ているだけかと思ったら、そそくさとパンツを下ろして、しこしこ、しごいてんのよ・・
ホントよくやるわ、こんなおばさんのどこが良いのかしら・・」
美沙は愕然とした面持ちだった・・・
こんなズベ公みたいなモノの言い方で悪態をつく由美子が信じられなかった。
「でも、お陰で良い案が浮かんだんだよねぇ・・・ふふふ、おばさんを地獄の底まで陥れる絶好の作戦が・・ずぅーと
ずぅーと、押し込められて鬱積したものを吐き出すチャンスが来たのよ。きゃはは・・」
更に饒舌になっていく・・・目は爛々と輝いていた。

「お母さんは私の自慢よ、本当にキレイだし、優雅だし、私の周りの人達は、みんなお母さんの事大好きだって言ってるし
あんな女性になりたいって言う、女の子もいるからね・・・でも、憎い、憎いわ・・私にはどうしてもなれない。
どうしてもお母さんみたいにはなれないのよ・・・悔しい・・こんな私を産んだお母さんが憎い・・憎いのよ。
ブスな私を殺したい・・・だからお母さん、落としてあげるわ・・死にたくなるぐらいに・・あっははは。」

怒ったり、笑ったり・・感情の起伏が激しくなって、次第に支離滅裂な言葉が並べられていった。
眼は、完全に宙を舞っていた。
もはや病的なまでに偏った性格が、そこにあった。
母親を愛し・・憧れて、でも、母親の様には到底なれない・・絶望。
ブサイクに産んだことへの憎しみ・・2つの反する事象に心のバランスを取れなくなってしまった娘が存在したのだ。
母親を・・美沙を陥れることで自己を保とうとしていたのだ。

「むう・ん、ぐうぐう・・」
美沙は、もどかしくて動かせない口で必死にもがいた。
「あらあら、何か言いたそうね・・こう一方的に喋っても、面白くないしね・・イイワ外してあげる。」
由美子は、そう言って勢い良く美沙の口に貼り付けたガムテープを剥がした。
「ぷはぁ・・」
美沙はいきなり、大きな声を張り上げた。
「お母さん大丈夫?ごめんね、俺、おれ・・」
震える声で、近くに寄っていた幹夫が、美沙を抱きかかえた。
「あんたのお陰で私の計画もおじゃんね。こうなったら前倒しして、やるしかないわね。」
冷徹で甲高い声が、美沙の耳に響いた。
「由美子、やっぱりあんただったんだね、あの視線は・・・最初男かなと思ったけど、あのマーキングが続いた時に、変だと
思ったのよ、蛇のように影から、じっと監視するには、相当の精神力を要するし、維持するにも相当の集中力が要るわ。
そんなの自分の感情をがっちり押さえ込むタイプでないと無理よ・・なのにあのマーキングでしょ。
まったく別人のようだわ、と思うのは当然よ・・・他の2人かとも思ったけど、洗濯物を調べたら、一様にアレがこびりついて
いたわ。」
美沙は一気に捲くし立てた。
「パンティーにつける様に言ったのは私の考えなの、あんたが服を大胆にした時には、やったねと思っちゃったわ。
だって可笑しいじゃない?息子を警戒する母親ってさぁ・・・何、張り切って女見せつけているのかと思ったら、ホント
可笑しくてさ・・・きゃははは。バッカみたい。」

甲高い笑い声は、ますます大きくなっていった。
「そしたら、あのバカ兄貴たち、暴走しちゃってさ、あっちこっちに振り撒いてるじゃないの・・・あれじゃあ、幹兄に代わって
監視し続けていた私の苦労が台無しじゃないのよ・・・これからゆっくりときりきりと追い詰めていこうと思っていたのに・・」
由美子はふくれ面をして、幹夫に軽蔑の眼差しを向けた。

「由美子、あんた今バカ兄貴達って言ったけど、あの2人も含めて貴方、どう言い含めたの?まさか・・?」
美沙は、おそらくそうだろうと考えていたが、やはり問質したかった。
「そうね・・御想像の通りよ。幹兄ちゃんなんて、私が見たって言ってさ、ちょっと股間さわってやったら、いきなりよ・・
がっつくな、ってね・・・・後の2人も一緒ね。みんな溜まってたみたい・・・面白いように吐出したって感じね。」
自慢げに語る由美子に美沙は唖然とした。
「私の何が気に入らないの? 4人兄弟の末っ子で甘やかしたのはあるけど、存外に扱う事って無かったのに?何が不満なの?」
由美子の偏った性格は私の責任なのか?美沙の嘆きが、その過去を一気に脳裏を遡らせた。

「私が好きになった先輩がね、こう言ったの『お前の母さん、綺麗だな、最高だよ、色っぽいよ、うらやましいなぁ・・』って
私の目の前で延々とお母さんへの想いの言葉を並べているの・・17の女の子が、45のおばさんに負けてるのよ信じらんない。
でもさ、くやしいけど、鏡の前に出ると思い知らされるの、私の顔がお父さん似だってことが・・・こんな特徴の無いのっぺら
ぼうの顔、逆立ちしたって色気なんかで勝てやしないじゃない。
もう昔からずーっとそう・・・お母さん綺麗ね、可愛いわね、由美子あなた似てないのね、でも大きくなったら、少しずつ
似てくるわ、めげちゃダメよ、由美ちゃんも可愛いわよ・・・もう、たくさんだわ・・・同情の視線がもう堪えられないの。
あの先輩だって、私と付き合ったのも、みんなお母さんに逢いたいと思ってたのに違いないわ・・・」
由美子が激しく言葉を吐き出した・・感情が再び昂ぶったようだ。
針が右や左へと大きくぶれるように、由美子の感情も大きく揺れていた。

そして、一気に捲くし立てた時、由美子は、やおら笑みを浮かべた。
「でもね、それでもお母さんの血を引いているのも事実よね、私容姿に恵まれなかったけど、1つお母さんから受け継いだものが
あるのよね、ふふふ・・」

由美子は、ゆっくりと幹夫に歩み寄って、彼の胸板をやさしく撫でた・・・そしてベルトに手を掛け、ズボンを脱がした。
白いブリーフが山を立てていた・・・彼女の左手が優しく山を愛撫した。
「さあ・・幹兄ちゃん、大好きな大好きなお母さんの目の前で見てもらいましょ・・おにいちゃんの想いをさ・・・」
幹夫は、ただただ突っ立っていた。
「でも・・もう止めようよ・・俺怖い・・お前が怖くなってきた。」
「それじゃ・・直ぐに逃げなよ、ほら・・早く」
いたずらっぽく笑いながら幹夫を急き立てていった・・・幹夫は、おろおろするばかり・・・ホントに意気地が無い。
「ほぉおら・・ますますおっきくなってきた・・・なんだかんだといって、してもらいたいんでしょ。」
由美子はブリーフの上から、舌を絡ませていった。
「やめて・・はずかしいよ・・・」
幹夫はうめき出していた。
「いっつも、がつがつして私の口に押し込んでるくせに、今日は何よ、カマトトぶるんじゃないの。」
由美子は一気にブリーフをずり落とした。
プルン・・威きりだったペニスが勢い宙を向いた。
フンフン・・ムグムグ・・・ 由美子は激しくそれをほうばった。
ピチャピチャ・・・ズリュズリュ・・唾液が肉棒を洗っていった。
「ああ・・気持ちイイ・・ああ・・お母さんが見てるよぅ・・・ううん。」
幹夫は、由美子の頭を抱えて、腰を動かし始めた。
「さぁ・・もっとおっきくしよっか・・・」
由美子の顎が大きく揺れた。

「もう、もうやめなさい2人共、貴方達わかっているの、2人とも血を分けた兄弟なのよ、やめなさい。そんな事していたら
地獄に落ちるだけよ。」
ムダな説教だと思っていても、おもわず絶叫してしまった。
由美子は止まらなかった・・・幹夫も聞こえていなかった。
「ああ。もうダメだ・・出る・・出ちゃうぞ。」・・・堪らず幹夫が泣き出した。
「うふふ・・それじゃ出して幹にいちゃん。」
由美子はおしゃぶりを止めて、肉棒を扱き出していた。
「嗚呼・・出る出る出る・・・」
幹夫の絶叫が響いた・・・由美子は扱いていた左手を美沙の方へ向けた。
「さあ、出して・・・お母さんの顔に出して・・顔を汚して」
うめき声と共に白い噴射が始まった。
「い、いやぁ・・・」
美沙の絶叫が響いた・・・噴水が美沙の顔を覆った。
目に、鼻に、口の周りに、幹夫の憤りが降り掛けられた。
「お母さん・・イイ顔よ。きゃはは、サイコーよ」
由美子の笑い声が美沙の心を逆立てた。
「由美子、幹夫、早く張り付いているガムテープを剥がして頂戴、もう追求しないから、もう堪忍して。」
「まだまだよ、お母さん、ショーはこれからよ・・さあ和兄ちゃん、慎二兄ちゃんも入っておいでよ。」
するとドアが開いて、兄2人がふらふらした足取りで入ってきた。
「さあ、そのままズボンを脱いで、お母さんにオチンチン見てもらいな。」
由美子は女王の貫禄で兄2人に命令した。
2人は、言われるままズボンを脱いで、大きくなったペニスを曝け出した。
「貴方達、何で由美子の言いなりなの? 止めなさい、早くズボンを履きなさい。」
美沙の言葉は何1つ叶えられなかった。

「ムダよ、この人たちはねぇ・・私の奴隷なの。私のカラダから離れられないの。お母さんからの贈り物はこれなのよ。」
由美子はニヤニヤしながら美沙を見つめた。
「キレて、片っ端から男どもにカラダを売ったら、みんなよがってしょうがないの・・・すっごく名器なんだって由美子の
オマンコ・・ふふふ男ってホント、バカねぇ・・・それに、今回だってお母さんをモノにするって相談をもちかけたら、一も二も
無く賛成したのよね。みーんなお母さんを抱きたくったしょうがないみたい、だって由美子のお母さんでしょ、もっと気持ち
良くなれるかもしれないと思ったんでしょうね。」

美沙はただただ聞くしかなかった。
(何てことだろう、狂っているわ・・でも、それも私が悪いのか、ちゃんと気持ちを判っていなかったのが悪かったのか。)
震えが止まらない・・・美沙は瞬きをするのも忘れ、この髪を振り乱した悪魔から視線を外さなかった・・いや外せなかった。

由美子は美沙に見せ付けるように、和雄と慎二のペニスをしゃぶり始めた。
幹夫は由美子のスカートを外し、パンティーに顔を押し付けていた。
「みんなイイ子ね・・・そうよ私を気持ち良くさせてね。」
由美子は2本同時に口に入れた・・・和雄と慎二は目を瞑って快感に酔いしれていた。
「ほら、幹兄ちゃん、お母さんの足を広げてごらんよ・・きっとさ、良い物が見れるよ。」
由美子の指示に幹夫は直ぐに行動を起こした。
広げられた脚にストッキングが艶かしく食い込んでいた・・・大人の匂いがムゥーっとたち込めた。
「やっぱり敵わないわね、ムッチリした太ももって良いわね・・・でもお母さん、まんざらでも無さそうね。」
美沙のパンティーが、特に花びら付近の部分が、おおきくシミを作っているのを見つけたようだ。
兄3人は一気に興奮のるつぼと化した。

幹夫が勢い美沙の股間に頭を張り付けて、中を舌で弄り始めた。
和雄と慎二の2人は、もうガマンできなかったようで、いきなり由美子に襲い掛かった。
前から和雄が後ろから慎二が飛び込んできた。
「さぁ・・・きもひいいわよぉ。」
しゃぶりながら由美子は喋った。
慎二は高速のメトロノームのようにリズムを由美子の腰に打ち続けた。
幹夫は、ひたすら美沙の花びらを弄っていた。
和雄は由美子の顔にペニスを打ち据えていた。
美沙は狂気の空気に毒されてきたようだ・・・次第に打ち寄せる波に抗うのを止めていった。
もう言葉は出なかった。
「じゃぁ、和兄ちゃんそろそろお願い・・」
由美子は辛抱堪らず和雄似お願いをした。
慎二がその言葉を聞いて、由美子から離れた・・・そして和雄がゆっくり後ろから由美子のアナルを弄繰り回した。
舌でこねて、唾液でたっぷりとそこを潤わせた。
そしてズップリとペニスを差し込んでいった。
「ぬぅうん・・・入っている。和にいちゃんおっきいわ・・・ああ突いて。」
由美子の声も震えてきた・・・
和雄は、アナルに入れたまま、後背位の状態になった・・・そして由美子の胸をもって自分の所に引き寄せた。
由美子は自然とM字開脚状態となった。
花びらは妖しく濡れて全開となっていた。
慎二がゆっくり前に来て、由美子の花びらに差し込んだ。
「由美子、最高だよ、サンドイッチ気持ちいいよ・・・和兄のチンポと擦れているよ・・・ああ」
慎二は思わず大声を出して、快感を捉えた。
「由美子のケツ締まってサイコーだぁ・・・」
和雄も絶叫した。
「2人とも、上手いわ・・・もうどうでもいい・・・もっと突いてェ・・」

美沙も、どうしようもない気持ちになっていた。
由美子のサンドイッチを目の当たりにして、その興奮が最高潮に達していた。
幹夫の舌責めも、感度のスイッチをオンにした。
「ああ・・ああ・・・ああん」
堪らず、美沙は吐息を漏らした。
「お母さんも、もうソノ気よ、幹兄ちゃん、やっちゃいな。」
由美子の命令に敏感に反応した幹夫は、再び勢いを取り戻した。
いきり立ったペニスを、美沙の口元に近づけた。
「お母さん、ごめん。もう・・もう俺ガマンできねぇ・・しゃ・・しゃぶって・・ね?」
幹夫は、その口ぶりとは逆に、問答無用に美沙の口の中に押し込んだ。
「す、すげえ・・・暖かいよお母さん。うう・・・」
無茶苦茶に腰を振り回して美沙の口の中を荒らした。

美沙は、耐え切れず嗚咽した。
「幹兄ちゃん、だからがっつき過ぎだっていうの、もっと優しくやらなきゃダメでしょ・・ただでさえ、おっきいのに、
それじゃ、喉につっかえちゃうだけでしょ。」
由美子は、2人から突かれていたが、余裕の呈で幹夫の行為を眺めていた。

だが、直ぐに幹夫が歓喜の雄たけびを上げた。
とうとう美沙の舌が幹夫のペニスに絡みついてきたのである。
「おお、お母さんサイコーだよ、まるで吸盤が吸い付いてきたようだ・・・ああ吸って・・」
美沙は、ひたすら舌を幹夫のペニスに這わせた。
蒸せた精子の臭いが理性を狂わせる・・・縛られた両腕が硬直していった。
頭を縦に横に振って、刺激を与え続けた・・・ジュボジュボ・・淫音が大きくなっていった。
もう何も考えられなかった・・悪魔のささやきが、美沙の頭を狂わせた。
甘美な背徳意識が、全てを肯定していった。
「ああ・・美味しい・・美味しいわぁ・・もうダメ・・私も地獄に落ちちゃうわぁ・・・」
美沙の搾り出す声に、由美子の目じりが大きく上がった。

由美子は突き刺さっていた肉棒を抜いて、2人の兄に美沙を弄るよう命じた。
4本の腕が美沙の花びらをジュウリンした。
そして和雄が美沙をまんぐり返しした。
2つの秘密の穴が天井に向かって全開となった・・・直ぐに3兄弟の顔がそこに密集した。
「イイ匂いだなぁ・・・慎二、幹夫、お前達もそう思うだろう・・なあ?」
和雄の意見に反対などは無かった、2人も同じ意見だった。
3人は舌で、密林や、洞窟などを探検していった。
ピチャ、ピチャ・・・舌は各々自由に走り回って行った・・・・美沙の身体がよじれた。
3つの舌に這われては、ひとたまりも無かった。
「ああん・・あんあん」
3兄弟が生まれてから、一度も聞いた事が無かった声が流れた・・そしてその快感ボイスは徐々に大きくなっていった。

「母さん・・もうびちゃびちゃだよ・・もうしたいんだよね?」
和雄が美沙に問い掛けた。
美沙は、うつろな瞳で、ただ首を縦に振った。
まんぐり返しした美沙の脚を押さえ付けていた慎二は、そのままペニスを美沙の口に押し入れた。
あぐぅあぐぅ・・・美沙のあえぎ声が、くるしそうに漏れた。
和雄が、振り下ろす様に、真直ぐ上から腰を沈めた。
両腕が利かないまま、身体をくねらす美沙・・・幹夫は、美沙の太ももに舌を這わせていた。
3人のうめき声が部屋中に響いた。
「ねえ・・・お母さん。3人の息子から愛されてイイねぇ・・・最高でしょ?」
魔女が再び歓喜の声を上げた。
慎二が堪らず、美沙のお尻を弄くった。
兄弟は、由美子の時と同様にサンドイッチに美沙を誘った。

激痛が体内に走った・・・
「イ、イターイ・・・イターイ・・・あああ、止めて母さん壊れちゃう・・壊れちゃう。うう・・ん」
上から和雄が、下から慎二が、2つの腰が美沙の腰に擦れ合わさった。
美沙が、身体を仰け反らした。
その時に幹夫が唇から侵入してきた。
兄弟は止まらなかった・・・「だんだん気持ち良くなるから・・・ね、母さん。」
3人は母の身体から離れようとはしなかった。
美沙も迫り来る快感の波を外さないように何時の間にか、その波を受け入れる準備を開始していた。
「母さん・・締まる・・凄いしまりだぁ・・・」
「母さん・・腰つかい上手いよぉ・・・」
「母さん・・舌がねっとりして気持ちイイ・・」
3人が、絶賛した。
美沙は、押し殺していた本能が全開していくのを感じた。
「ああ・・イイワ・・3人とも上手よ・・・和雄、慎二もっと突いて・・突いて・・」
2人は、もう高速ギヤにチェンジしていた。
「幹夫、おっきいわ・・・・もう顎が外れそうよ・・あぅんむん・・・固くて美味しいわ・・ホントよぉ・・」
美沙は、もう吹っ飛んでいた。
「ああ。もうダメだ・・母さん出るよ、出る出る出る・・・」
「アア、ダメェ・・中はダメェ・・外に出してぇ・・・あああん。」
美沙は、堪らず懇願した。
「2人とも、ダメヨ、ちゃんと中に出すのよ・・・さあさあ・・」
由美子が激しい口調で命令した。
「うおおお・・・か、かあさん・・・イクぞぉ・・」
「ダメェ・・・あああん・・・」・・・2つの声が交差した。

2人は尻の中に、花びらの中にと、大量のミルクをぶちまけた。
そして幹夫も、素早く美沙の口から抜いて、勢い美沙の花びらに侵入した。
「サイコーだぁ・・お母さん、おれ・・夢のようだぁ・・」
幹夫は泣きながらも、高速エンジンを吹かした・・・そして美沙の中に帰っていった。

激風は去って、静寂な空気があたりに漂っていた。
美沙は目を見開いたまま・・空を漂っていた。
3人は、うなだれたままで、じっと下を見ていた。
「お母さん、さすがね、3人をあっと言う間に天国に行かせたもんね。」
由美子の言葉に美沙は泣き出してしまった。
「ああ...何てことを・・ああ、どうしよう。」

由美子は、すっきりとした顔で美沙に話し始めた。
「私の計画はね、お母さんに子供を産んでもらいたいの。知っているのよ私。まだ生理があるのを。」
美沙は、狂った様な眼で、由美子を睨み付けた。
「あんた、正気なの?そんな事しておかしいと思わないの? 父親が息子って・・」
狂気の沙汰である・・もはや由美子には鬼が宿っていた。
「どんどん堕て行って貰うわ。お母さんには人並みな事はさせないわ・・私の気持ちが晴れないもの・・
生まれた子供には、わたしが教え込むわ・・いろんなことを・・きゃははは。 」
美沙には、もうどうすることもできなかった。
「人をペットにするなんて・・あんた狂っているわ・・・」
「ええ、狂ってて結構よ。あなたが無茶苦茶になればなるほど、私の気持ちが晴れるの・・・どうせ地獄ならトコトン行くわ」
由美子は、そう言いながら、美沙の胸をやさしく揉み解した。
「ねえ・・お兄さん、まだ1回だけでしょ、もう1回やってあげて・・そしてザーメンを沢山流し込んでいってね。
みんなの子供を産んでもらいましょうよ。 みんなそれ望んでいるんでしょ?」

由美子のささやきに、3人の息子たちは、再び息を吹き返していった。
縛られていた美沙の腕には、もはや力が入らなくなっていた。
                                            (完)

[2003/12/26]

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。