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小説(転載) 良妻賢母

近親相姦小説
06 /21 2018
掲載サイトは消滅。

 プラチナの腕時計の長針と短針を、何十回目かに確認してから彩花は自動車のドア
を開けた。息子の趣味で買った4WDは座高が高い。運転席から出るというより、降
りるという感じで車外に出る。よく晴れた早春の、とても心地よい空気の一日であっ
た。
「もうそろそろ、試験も終わるわよね」
 もう一度だけ腕時計を見る。何度確認しても現実以上に針は動かないものなのに、
これで何度目だろうか。そうさせているのはある種の焦燥感とある意味の飢餓感であ
る。それが自分でわかっているだけに、彩花は頬が微妙に染まるほどに恥かしい。
「あ……」
 その時、息子の志望高校近くの駐車場に、すらりとした――見なれた少年の姿が彩
花の視界に現れた。少年はだいぶ大人に近づいた身体つきと生まれた時から変わらな
い笑顔を母に向けた。
「裕紀!」
 彩花の一人息子裕紀は大きく手を振りながら、最愛の母の元へゆっくりと歩んでき
た。機嫌はよさそうである。であるからにはきっと今日の試験も上手くいったに違い
ない。しかし――
「母さん!」
 次に裕紀の声がそう言ったのは彩花には意外であり――不審であった。二人きりの
時に言う単語ではなかったからである。そこでようやく裕紀の周囲が見える。二人き
りではなかったのだ。息子と同世代の女がそこに複数いることに彩花は気がついた。
「あら、あれが裕紀のママ?」
 風に乗った少女達の声が彩花の耳に入った。妙になれなれしいそれは彩花の目元を
一瞬きつくさせる。でもそれは本当に一瞬だけだった。
「こんにちは」
 彩花はにっこり微笑んで近づいてきた息子の取り巻きに優雅に一礼した。十人近く
いる娘達からはろくな返事も無い。礼儀知らずということもあるが、たいていは彩花
の若さと美貌にびっくりしているらしい。それはそうだろう。毎晩のように息子に磨
きをかけてもらっている容貌と身体なのだから。
「裕紀。こちらの皆さんは?」
「一緒に受験に来たの。中学の友達」
 母によく似た笑顔で裕紀が説明する。すぐわかる嘘であった。この場の過半数を占
める水商売めいた厚化粧の女生徒も含め裕紀の好みは一人もいない――いないはず
だ。
そうに決まっている。
 恐らく美形の息子のファンであろう。昔からこの手は多いのだ。母の事を気遣って
息子は絶対に家に呼んだりはしないから、対面するのも久しぶりであった。
「本当に裕紀のママ?わかっーーい」
「びっじ――ん。お姉さんみたい」
 娘達は口々に彩花の美貌を誉めそやした。その程度はわかる審美眼はあるらしい。
彩花はちょっと勝った気になる。日々の努力と愛情を認められるのは決して悪い気は
しない。息子のそばにこんな娘達が存在することへの不快感までは消えないにせよ。
「じゃあね。僕は母さんと用があるから」
 裕紀は母の傍らで身を翻し、娘達にバイバイした。一斉にブーイングがあがる。
「エー――っ!」
「一緒にお疲れさま会しようよぉ!」
「カラオケ予約しているのにぃっ!」
 裕紀はにこにこ笑っているだけで聞く気もなさそうである。彩花は少しほっとし―
―ちょっとだけずるい反応をした。
「裕紀。いいの? 皆さん、ああ言っているけど……都合があるのなら何とか……」
 わざと聞こえる音量の声に娘達は喜んだが、息子は揺るがなかった。それこそまる
で二人で示し合わせたかのように――
「駄目。これから僕の受験祝いを名義にした親族会合だろう。遅刻したりしたら伯母
さん達に何て言われるか」
「でも……お友達が…」
「最初から今日のことは言っているよ。悪いけど、こっちを優先させてもらう」
 離婚した彩花とその息子裕紀が、親族の援助に多大に頼っていることは裕紀の周辺
には周知であった。が、周知内容自体は事実ではない。ややこしい真実を説明するの
が面倒なので、わかりやすい説明をしているだけである。
「じゃっ!」
 裕紀は娘達に手を振りながらさっさと車に乗った。不満のため息と不服の視線の娘
達に彩花は精一杯申し訳なさそうな表情で頭を下げる。本音では絶対にないにして
も、ここは皆に納得してもらわねばならない。裕紀があえて冷たい役をしているのだ。
せめて自分は理解ある、そして世間のしがらみの為にみんなに不義理をせねばならない
――立派な母親の役をつとめあげねば。
 ハンドルを握った彩花は、全力で作った笑みを何とか崩さず、車外への温厚な礼儀
を出きるだけ乱さず――それでいて力一杯に早くこの場を去る為にアクセルを踏みこ
んだ。要するにさっさとこの場さえ去れば良いことであるが、本人にとっては難しい
ものである。基本的に敵である“あの娘達”に不審感を一切いだかせずに――しかも
良い母親、優しいお母さん、リベラルなママとして認識されるようにとの行動なのだ
から――
 一人息子・裕紀と肉欲関係にあるたった一人の女だとは、万が一にも――世界中の
誰にも――悟られてはならないのだ。
「試験、どうだった?」
 ちょっと以上に乱暴な運転を経て、大急ぎで首都高にのってからようやく彩花は息
子に口を開いた。今まで黙っていたのはあの娘達から一瞬でも早く離れる事に集中し
ていたのと、その事件そのものへの不快感からである。それは助手席の息子にはよく
わかっていることで――でも、裕紀はあえてその事には触れなかった。
「う――ん。まあ、大丈夫じゃないかな。わかりきれない問題はなかったし、やばく
ても全部書けないこともなかったし」
「大きく出たわね」
「正直、やまがあたった。これで合格したらちょっとラッキー」
「ま、ここから先は神様に祈りましょう」
 二人を乗せた車はそのまま横浜方面に向かった。今日は、裕紀の受験祝い――とい
うよりは受験あけ祝いに横浜一泊旅行で遊ぶ予定なのである。そのことはこの母子に
とって――二人にとって以前からかなり楽しみにしてきた事であった。
「あーーあ。あの旅館の予約さえとれればなあ。どうせ、今日は部屋の中だけなんで
しょ」
「当たり前じゃない。普通のホテルなんだから――馬鹿……」
 急に艶かしい話題を振ってきた息子に彩花はやや頬を染めた。思わず助手席を見そ
うになった首を慌てて前に戻す。首都高をスピード違反確定速度でぶっ飛ばしている
のだ。半瞬のミスで母子心中ものなのである。
「年末に電話したのに何でこのちょうど良い時に一杯なんだ」
「受験明け以外にもニーズはあるってことよ」
「何事も我慢摂生してきた受験生のことを同好の士なら配慮すべきだよなあ」
「摂生?」
 思わず非難の声が出た彩花である。我慢したといってもほんのこの二週間前くらい
であって、それまでは恥かしくも獣の様に―――
「夏休みの南の島は大丈夫なんだろうね!」
「それは大丈夫。今度は取れたわ」
「そっかあ。よかった。最初に行ったのが二年の冬休みだから、一年半ぶりかな。あ
そこも良かったよねえ」
 しみじみと楽しい思い出にひたる裕紀である。実に幸せそうな声だ。南の島の極上
のホテルとビーチで実の母親を思う存分に犯しまくったことを思い出しているのに違
いない。
 まったく、母として――恥かしい……
「でも、今度はどっかの旅行サイトに投稿したりしないでよね。あの時はあたしが気
がついてすぐ消させたけど――変に世間に知れたらあの女将さんや支配人さんに迷惑
がかかるのよ」
 同じ事を思い出していた彩花が精一杯の母親らしい声で注意した。裕紀はへへへ―
―と笑う。余裕である。母の母らしい態度が面白いらしい。そのことは彩花にもよく
わかった。
(まったくこの子は母を母とは思っていないのよね!)
 内心だけで怒鳴る彩花である。言葉にしないのは恥かしい連想を伴う事とその憤慨
ネタ自体を好意的に見る自分が心のどこかにいるせいである。
 そう、裕紀の最良の母でありたいと思う一念と同じ以上に“最愛の――”
 車は無事に高速を終え、横浜で一般道路に下りた。ここまでくれば今日の駐車場と
今夕の目的地と今晩の宿泊先までは指呼の間だ。彩花の右足に必要以上の力がかか
る。あせっているわけではないが、急いでいるのが正直なところで――
 その時、裕紀の右手が実母のスカートの下に注しこまれた。するりとした――実に
自然な動きで。
「な、な、なにするのよ!」
「ウォーミングアップ」
 裕紀の指は容赦無く母の下着――黒いパンティへ触れ、そのまま中に侵入した。思
わず、(ひいっ!)と彩花の声が漏れそうになったのは、ここ二週間の禁欲のせいで
あり――その声を必死の努力で止めたのは、そうと息子に知られたくない実母の矜持
のせいであった。
「ちょ、ちょっと!止めなさい!運転中よ!」
 母の――精一杯の――怖い声も息子には通じなかったその指先が触れている母の―
―女の蜜の口にはすでにじっとりと――不自然なほどの、そして、その意味が、母の
肉体を知り尽くした息子には判るほどの量で湿り気が現れているのだ。
「や、やめ…ひうっ…」
「大丈夫。邪魔にならないようにするから」
 そんなこと言われても彩花にすれば“ならない”どころではない。母の女体を知り
尽くしている息子の指は巧妙で執拗だった。たった指一本に彩花は喘ぎ声すら押さえ
ることが出来ない。
 一応、停車中と運転中は強弱をつけており、それが裕紀の計算なのだろう。しか
し、二週間の禁欲で“息子に”飢えた母の女体の状態はわかっていないらしく、裕紀
の“手加減”は何度も限界を超えた。
「い、いやん――やめ、やめなさい――ママ、いっちゃ……う――」
 危険な愛撫は車がホテルに着くまで続いたのである。ようやく裕紀が母の秘肉から
抜き取った中指を美味しそうに舐めるのを、彩花は息も絶え絶えで見ていた。
 

 何とか息子の指から開放された彩花は、顔中を紅潮させながらやっとの思いで車を
ホテルの地下駐車場に入れた。恥ずかしながらも、いく寸前だったので腰に力は入ら
ない。それでいてぎりぎりで止められた飢餓感が女体の奥底で剣呑にうごめく。総合
的に見て、今この実母の女体は、ちょっと以上に危ない状態であった。
 しかし――
「じゃ、中華街に行こう。お腹減った」
 この場合の中華街とは横浜屈指の観光スポット“横浜中華街”のことである。前々
世紀の幕末にこの地がグローバルに開港して以来、流入してきた外国人――特に中華
系の方々が作った街で、美味しい中華料理と面白い中華グッズ(一部他文化圏含む)
が売りのエリアであった。
(え? すぐチェックインするんじゃないの?!)
 明るく食欲を訴える息子に、深く――“いけない欲”を求める母は絶句した。
 ――するであろう。第一、しかもついさっきに、その“いけなさ”に火をつけたの
は、当の実の息子なのである。驚きはしたが、同時に二週間の禁欲という点でこの母
子は同次元であり、それだけに『同じ“したいこと”への我慢と欲求を共有してい
る』という連帯感――あるいは実母にあるまじきいかがわしい読みも、彩花にあった。
確かにこの実母にはあったのだ。
 それなのに――ああ、それなのに!
「予約してんでしょ? ま、ちょっと早いけど」
 外からはわからないだろうが、母の胸には微妙な刺激が走っている。大きな乳房を
覆う大きなブラジャーに突き刺す様に固くなった乳首のせいだ。実は今日の為に準備
していた黒のシルクパンティには実母本人にもはっきりわかるほどの湿り――いや、
“ぬめり”がべっとりと浮き出ている。これをみんな――
(どうしてくれるのよ!)
 彩花の心が悲鳴を上げた。そして恐らく実母の訴えは正しい。ここまで火をつけて
ほっとく息子は許されるわけはない。そう、絶対に!
「あら、お腹すいているの?じゃ、タクシー拾ってすぐいこう」
 それでも“母”は偉かった。或いはつらかった。裕紀が息子の顔をしている時はい
つもこうだ。こうしようと自制しているのだ。
 何と言っても彩花は母なのだから。


 久しぶりの中華街に裕紀ははしゃいでいた。入試終了の開放感のせいであろう。
元々こういう人の多いごちゃごちゃした所が好きなのだ。ハイソやセレブよりジャン
クなのである。まあ、男らしいと言えば男らしいのかもしれない。
「さ、ママ。行こう」
 中華街入り口の雑踏で裕紀が大きく微笑んで母の手を掴んだ。他人の雑踏と昼間の
光が痛いほど明らかなこの場と時間に――彩花は本気で心臓が止まったと思ったほど
に驚いた。
「ちょ、ちょっと、裕紀!」
「久しぶりだからぐるっと一回りするよ」
 そうあどけなく宣言して裕紀は足を速める。もちろん母の手は固く握ったままだ。
それこそ本物の恋人のように――
 邪気の全く無い息子と対照的に母のほうは一瞬で真っ赤になったがもはや嫌も応も
ない。
 息子は母の手を固く握ってあちこちへ引っ張りまわす。ついて行くだけで大変な母
に“他人の目が……”――などと言い出す間もタイミングも与えられなかった。
 横浜中華街はけっこう広い。何せ日本最大の中華街である。二人にとっては裕紀が
子供の頃からのなじみの遊び場であるが、そこを息子は母の手を握って本当に一周し
たのである。三十代後半の彩花の体力にとってはたまったものではなかった。
 ようやく、とある肉まん屋の前で裕紀は足を止めた。引き手から介抱された彩花は
息も絶え絶えで腰が立たず、はからずも息子にしなだれかかるようにして体を支え
た。
それが手を握りあうよりよほど淫靡な状態である事に羞恥心は気づいていない。何せ
呼吸がまだほとんど整ってないのでそれどころではないのだ。息子はその背に優しく
手など回したりするし。
「大丈夫? ママ」
 加害者がまるで心配するように囁いた。母子は接近どころか、まだほとんど抱き合
うように重なり合っているのでこれでも十分伝わるのである。
「ハアハアハア……」
「これくらいで息が上がるなんて運動不足だねえ。いつまでも若くないんだから、夜
の室内競技だけじゃ足りないんだよ。もっとお日様の下で健康的にのびのびと動くよ
うにしなきゃ。今度、二人で“青い三人女”でもしてみる? 協力するよ、僕」
 囁き声だから彩花以外には聞こえないのはともかく、言っていることはとんでもな
い。こいつは絶対に母を母と思っていないと喘ぎ続けながらも彩花は確信した。二十
秒後にようやく彩花の声が出る。
「あ、あなたが……」
「僕が?」
「て、手を握って引っ張りまわすからでしょう! ママ、心臓が止まるかと思った
わ。こんな事でふざけないでよね!」
 薔薇の短い刺のような母の叱責に息子は可愛らしく応えた。
「でも、ずっと手を握っていれたじゃん」
 あ――と彩花の口が開いた。ああ――と思う。まさか、その為に……
「一度してみたかったんだよ。人前で、母子で――恋人みたいに手をつなぐの」
“うわ…”と思わず涙がこぼれそうになる。言われてみれば彩花だってしたかった事
だった。裕紀にはわかっていたのか。
「わかったわよ。裕紀。でもね――」
  本当は嬉しいくせに彩花は母親のように息子をさとした。
「いくらどたばたしていても人目があるのは事実よ。知らない人ばかりとしても何か
の拍子に疑われたりしたら嫌でしょう? 今後は少し慎みなさい」
 周囲の雑踏に聞こえぬよう囁き声である。それに息子は大真面目な顔で囁き返し
た。
「わかったよ。もう人前ではこんな事はしない。でもママ。実は――」
「何よ」
「さっきから僕達は雑踏の中でずっと抱き合っているんだけれど」
 え?――と彩花は声を上げ、ようやく状況に気がついた。そうだった。息の上がっ
た母を介抱するために息子は背中に手を回し、心配をするために頬をくっつかんばか
りに寄せ合っているのだ。
 経緯を知らない第三者から見れば親子ほど年齢の離れた、しかしよく顔かたちの似
た、まるで実の母子のようなカップルがいちゃついているようにしか見えなかった。
「キャーーッ!」
 相手に失礼なくらいの悲鳴を上げて彩花は飛び退いた。けらけらと裕紀が笑う――
まるで聖母を騙した小悪魔のように。
「裕紀!」
 周囲の人込みも忘れて柳眉を逆立てる母であったが、その唇に息子の指が重なっ
た。
「お静かに」
「何を――」
「僕もママも嬉しかったんだから、怒らない」
 余裕しゃくしゃくの息子を十秒間だけ睨んでから――彩花はため息をついた。
 まあいいわ。口惜しいけど許す。この白昼の雑踏でずっと手をつないでいたのも、
しばし抱き合っていたのも、思い出してみればぞくぞくする体験だったのだから。も
う一度面と向かってやろうと言われれば、絶対逃げるに決まっているにしても。
「ママってほんと話がわかるね」
 裕紀が猫のように言いながらごろごろと甘えにかかった。彩花はそれを邪険に突き
放す。
「なごまないでよ。ママは怒っているんですからね」
「嬉しかったくせに」
「なぁんですってぇ!」
 本当は嬉しかった分、虚偽拒絶に力をこめなければならない。母はつらいものであ
る。嘘つきでなくてはやってられない。
「あたしは別に――」
「お腹空いた。肉まん買って」
 息子の切り返しはとんでもなく日常的であった。彩花は思わずこけそうになる。
「何言ってのよ。もうすぐ晩御飯よ! 予約してんだからね!」
「受験で頭を使ってお腹空いた」
 そう言われると断れない甘い母であった。バックから財布を出しながらいつも肉ま
ん屋を探してしまう彩花である。
「でも小さいのにしなさいよ。飯店のほうを残すのは失礼なんだから」
「大丈夫。全部食べるよ。僕だって大変なんだ。夜の運動に備えなきゃならないんだ
から」
「裕紀!」
 真っ赤になって金切り声をあげる母の前で息子は楽しそうに笑う。その笑顔に彩花
はついさっきまで握っていた掌の熱さを妙になまめかしく感じた。


 高菜肉まんにマーラーカオ(中華風カステラ=馬さんの蒸し菓子)を食べたのはま
あ許せるにしても、さらに胡麻団子に月餅まで欲しがる息子に彩花は早めの決断を下
した。
「せめて月餅だけでも――」
「駄目! あれが一番カロリーが高いのよ! あの小さい一個でランチ一食分くらい
はあるんだから!」
 強引に引きずって店の前から離れる。まったく恥かしいったらありゃしない。もう
すぐ高校生が店の前でごねるなんて!
「痛い、痛い、ママ!」
「十五才にまでなって何よ! 子供じゃないんだから!」
 彩花は息子の手を引くのにことさら力をこめて進む。裕紀はそれ以上抵抗はせず―
―ただ、感心したように呟いた。
「お母さんみたいに子供の手を引っ張るのは平気なんだね。僕と手をつなぐのにはあ
れほど恥かしがったくせに」
 彩花は音がするくらいに“どきり!”とした。
 予定より早く予約した店に入った。まだ夕食時ではないので店はすき気味である。
そのおかげでなじみの客である二人は特別に個室に通してもらうことになった。
「らっきー」
「いや、そんな。悪いわ」
 素直に喜ぶ息子と恐縮する母を店の女主人は笑顔のままで個室に通した。個室は
四、五人用のシンプルかつ上品な造りで窓は無いが、何かのお香の心地よい香りが
一杯に満ちている。良い部屋だ。
「どうしましょう。こんな気を使っていただいて。コースを上の方に変更しましょう
かしら」
 まだうろたえている人の良い母親を息子が諭す。
「だいぶ前から予約入れているんだから、今更のコース変更は料理する方には迷惑か
もしれないよ」
「でも……」
「せめて別に一皿でも追加注文するとかしたら?」
 それならまあ誰にも迷惑はかからないだろう。彩花はお茶を持ってきたウエイトレ
スにその旨をお願いした。ウエイトレスはすぐにメニューを持ってくる。
「でもどうしよう? ここって結構量はあるのよね。食べれるかしら?」
「デザートにしなよ。別腹っていつもいっているじゃない。満腹でも一皿どころか二
皿でも三……痛ッ!」
 ウエイトレスが聞いているのにそのような事をべらべら喋るからテーブルの下で足
を踏まれるのだ。だいたい彩花は身体のラインや体重については毎朝計測してからメ
ニューや一日の予定を決定しているくらい真剣に取り組んでいるのである。それはと
にかく少しでも若く美しくあらねばならないせいであって、全てこの息子の――
(あ、あなたに気に入ってもらえるためにここまで努力しているのに、人前で茶化す
なんて!)
 母のかなり怖い眼に息子は足の痛みの抗議はしなかった。察しはいいほうなのであ
る。逆に言えば母を慌てさせる一連の行動は全て故意なのだ。決して事故や誤解や鈍
感によるものではない。
 結局、追加注文は二人共デザートにした。コースのデザートが杏仁豆腐だったの
で、彩花はタピオカ、裕紀はマンゴープリンである。
 やや早めの夕食になったが、コース料理はとても美味しかった。わざわざ横浜まで
来た甲斐があったというものである。裕紀は美味い美味いともりもり食べ、彩花もお
腹が苦しくなるくらいに堪能した(実は息子の受験が心配でここ数日食事が喉を通ら
なかったのである)。いささか、自分でも食べ過ぎかな~とも思ったが、幸い二人き
りの個室である。まあ、恥かしい人目があるわけでもない。
 そして最後のデザートで裕紀が呟いた。
「このマンゴープリン美味しい」
「あら、こっちのタピオカも――」
「ママの味がする」
 思わず彩花はスプーンを止めた。意味がわからなかったのである。
「――なんですって?」
「ママの味」
「へえ」
 店の質から推測して美味いに違いないマンゴープリンである。どっちを誉めてんの
かなあ――とちょっと頬を緩めた母に息子はとんでもない事を言った。
「さっき指先を舐めたのと同じ香りと味」
 十秒だけ考えて彩花は真っ赤になった。
「へ、変な事言わないでよ!」
 それなりに声を潜める彩花であった。
「本当だよ。味も色もそっくり」
「何て――」
「ママが食べてるのだって僕のに似てるじゃないか」
 思わず自分のタピオカの皿を見る。白いココナッツミルクが息子の“あれ”を連想
させてしまい、次の瞬間、そんな母としてあるまじき妄想をした自分に心の底から赤
面した。
「へ、へ、へ、変な事を――」
「その証拠に、ほら」
 裕紀がひょいと身体を向けてぱかんと腰を開いた。当然、母の視線がそっちを見
る。女として見慣れたものが大きく胸を張っていた。
「キャ……」
 アーーッ!と続いたはずの悲鳴の語尾は無理矢理押さえた。こんなところのこんな
もので騒いではならないという母としての必死の理性である。でも真剣にびっくりし
たのは違いない。
(こんな至近距離で生で見たのは二週間ぶりだったし、その間ずっと想像だけはして
いたのだし……)
 赤と青に変わる母の顔に、それは――ぎんぎんに起立した息子の肉棒は笑うように
揺れた。
「ちょっと! なによ、こんなところで! しまいなさい!」
 急いで目をそらしながら厳しく命じる母に息子は天使のようにあどけなく笑う。そ
して言った。
「じゃあ、ママがしまってよ」
「へ?」
「こんなになっちゃったらパンツにも入らないよ」
「ま、まさか……」
 息子の笑顔で何を考えているのかがわかった母は舌を引きつらせた。
「して」
「だ、だ、だ、駄目よ! こんな所で!」
 “いくら個室だからって無理よ! 声が漏れるじゃないの! どうせ思いっきり突
き上げるんでしょう! 抑えられるわけ無いじゃない! ――いや、ママが上とは決
まってないんだけど……いやいや、そんな事じゃない。とにかく駄目よ。見つかった
らどうすんのよ! あたし達の仲は決して世間へは――”
 等々の妄想が彩花の脳裏を駆け巡る。悲鳴にでも出さないのは他人に聞こえる事へ
の理性と妄想内容への羞恥心がぎりぎりでストップをかけていたからだ。同時に頬ど
ころか全身が火のつきそうなくらいに真っ赤になっているのが自分でもわかった。
「どうして駄目なのよ?」
 なのにこのお気楽息子ときたら!
「まさかこの場で“する”と勘違いしてんじゃないの?」
 へ?
「ち、違うの?」
 自分でも恥かしくなるくらいに間抜けな声であった。裕紀がけらけらと笑う。
「馬鹿だなあ。こんなとこでするわけないじゃん。恥かしい。何考えてんだよ。誰か
に知られたらどうするの?」
 息子の笑顔に彩花は真っ赤になる。母のくせに恥かしい想像をしてしまった自分が
とてつもなく恥かしい。そうよね。いくらなんでも、二週間ぶりでもこんなところで
ママとセックスなんかは――
「お口でしてって言っているんだよ」
「おい!」
 思わず彩花は怒鳴ってしまった。
「な、何ですってぇ!」
「お口、フェラチオ。二週間ぶりの濃いいのをママに飲んでもらいたいんだよ。受験
で頑張って我慢していたんだから――ご褒美」
 にこにこと裕紀が甘えた声を出す。その可愛い顔の下では凶器にすら見える大きな
肉棒がこちらを向いて威嚇している。先端の涎のような液体までもが母の紅い唇を待
ち構えているようにすら彩花には見えた。
「は、恥かしいのは一緒じゃないのよ!」
「大丈夫。ママが跪けばテーブルの下に隠れるから誰か来ても見えない。フェラチオ
ならママだっていつもみたいに大声はあげられないから部屋の外にも聞こえない」
 だ、誰がいつも大声を――と怒鳴りそうになるのを彩花は何とか堪えた。嘘だとは
言えないからでもある――いや、そんな事を考えている場合じゃない。
「ねえ、早くしてよ。ママは車の中で楽しんだけど僕はまだ一回もいってないんだ
よ。このままじゃパンツの中でもれちゃう」
(誰が楽しんだのよ!)
 本気で怖い目になった彩花は無言のまま右手を息子の股間にのばした。裕紀がにっ
こり笑う。しかし、その笑顔は二秒も続かなかった。
「あ! い、いたた――痛い!」
 息子の悲鳴は本物であった。その肉棒の横の薄い皮を母の爪先がひねり上げている
のだ。そりゃあ痛い。しかもその悲鳴にも母は一切手加減などしなかった。
「お母さんに何てこと頼むのよ! いやらしいビデオの見すぎ! あたしはAV女優
やソープ嬢じゃないんだからね!」
「いたたたたた――」
「そもそもあたしの事、お母さんて思ってないでしょう?! そりゃあたし達はそう
いう仲なんだけど……いや! それだからこそ互いの礼節ってもんが必要なんじゃな
いの?」
「こういうプレイはちょっと……」
「プレイじゃない!」
 まったくこりていない息子である。思わず左手で肉棒をはたいてしまった。これも
かなり痛いはずで、更なる悲鳴が上がる。母として手加減くらい必要なのかもしれな
いが、彩花は容赦しない。
(どうせ、これはあたしのものなんだもの!)
「わかった?! ママを怒らせたら怖いのよ!」
「わかりました――」
 さすがにちょっとひるむ息子である。それだけ痛かったのだ。逆にそれでも怒らな
いのはそこまで母の威厳に完全に屈したからではない。口には出さないから彩花はま
だ気がついていないが。
「もうしません……」
「わかればよろしい」
 へこんだ息子に母はえへん! と威張る――はずだったのだが、声は何故か上ずっ
ていた。いや、何故かではない。彩花本人にはその理由がすでにわかっている。両手
だ。正確には右の指先と左の手のひら――
(あ、熱い。それにとっても固い……)
 折檻のつもりだったのだが、それがまずかった。それは嫌でも何でも両手で息子の
剛直化した肉棒を触っていることになるのだ。両手から二週間ぶりになる熱さと硬度
が伝わると同時に、恥かしいくも彩花の肉襞が“じゅ…”と鳴った。蜜が染み出た音
なのははっきりわかった。
(あ、やだ、いけない。何反応してんのよ。あたしって……母親の威厳を見せている
時じゃないのよぉ――)
 二週間ぶりに触れ、直視しているそれは二週間前よりちょっと大きく逞しく雄雄し
かった。しかも硬度も角度もいささかもゆるがない。
(つねって叩いたのに……)
 そんなに“たまっていた”のだろうか。いやそんなに彩花にしてもらいたかったの
であろうか。
(あ――)
 そう思った瞬間、彩花の身体の奥がさらに潤った。そのぬめりはすぐに全身につた
わる。頬が熱くなっていくのが自分でも感じられた――もう我慢はできない。
「は、反省しているのならいいのよ」
母親らしく言いながら――彩花は腰を浮かせ、息子の股間に膝まづいた。“え?”
という顔になる裕紀にことさら真面目な顔を見せながら、両手でその息子の肉棒を
再度掴む。真っ赤な唇が大きめに開いた。
「え?  どうして? 怒ってんじゃあ……」
「こんなになってしまったんだから仕方ないでしょう!」
 息子の問いに――目を合わさず、まるで言い訳を押し付けるように短く言ってから
大きく息を呑み――緊張しながらも出来るだけ柔らかく息子の肉棒をその唇でおおっ
た。
(か、固い――)
 思った以上に熱くたぎる息子の肉棒を口中で感じながら、彩花は恥かしくもそう思
った。我慢していたのは母だけではなかったのだ。それに何故かとても大きく感じら
れる。たった二週間でそこまで成長するわけも無いから気のせいだろうが――そう考
えただけで彩花のパンティの中の湿り気がさらに増えた。
「あ…ママ…いい…」
 彩花はゆっくり口を動かし始めた。恥かしいけれどフェラチオは得意だ。息子の
“女”になったあの晩から、ほぼ毎日“練習”させられたからである。今はこの愛し
い“もの”のツボは全て熟知している。
「うは……」
 すぐにも息子の嬉しそうな声が漏れた。本当の機嫌の良い時の声だという事は母の
彩花には判る。正直に少し嬉しい。裕紀を独占している証だからだ。
 世界中のどんな女や娘達でもできない事をあたしが、実の母のあたしがやっている
――そう思えばこんな場所で実の息子に膝まずいて口淫愛撫をさせられる屈辱感など
むしろ陶酔に昇華してしまう。
(――勝手な女ね。あたしって)
 恥かしいくらいにうっとりしながら彩花は舌と口腔を動かした。息子の固く手厚い
肉棒を、舐めて、ねぶって、吸い尽くす。びちゃびちゃといやらしい音が母と息子が
接した淫猥な空間にうめくように鳴る。何の愛撫もないのに彩花の秘肉からパンティ
を濡らすくらいの愛液が染み出ているのが自分でもわかった。
「……ごめん。ママ。もう出る――」
(え? もう?)
 裕紀はいつもより早かった。長い時なら一時間近くしゃぶらせるのに――二週間の
禁欲のせいだろう。そしてすぐにも――
「あ……」
 可愛らしい喘ぎと共に息子が爆発する。その濃くて熱くて淫らで愛しいミルクが音
を立てて彩花の口中に噴き出した。
(いいわよ。出して。全部飲んであげる……)
 じんじんとうずく女の秘肉と酔ったような陶酔を感じながら彩花は息子の全てを飲
みこみ、啜った。


 彩花は息子と一緒に不思議な満足感に満たされて中華料理屋を出、陶酔したままホ
テルに戻る。そしてフロントに立ったところでようやく我に返った。
(あ、しまった。忘れてた――)
 チェックインである。別に驚く事はない。今夜このホテルで裕紀と過ごす以上、当
たり前の事だ。予約はしているのだからあとは宿泊カードに名前と住所と電話番号と
――宿泊者が複数ならその分の名前と続柄を書けば良いだけの事だ。
(それが大変なのよ……)
「いらっしゃいませ」
 ちゃんとしたホテルの礼儀正しいフロント係が丁寧に頭を下げた。その寸前にその
職業的な目が彩花と裕紀を鋭くチェックしている――と思ったのは裕紀に言わせれば
母の被害妄想だそうだ。
『ママの方にこそ、やましい気分があるから何か疑われているんじゃにないかと疑心
暗鬼になるんだよ。別に悪い事をしているわけじゃないのだからもっと堂々としてい
ればいいのに』
(…そりゃそうかもしれないけど)
 彩花だってそれはわかっている。わかってはいるのだけれどついつい想像してしま
うのだ。
『この年かさの女とこの少年は一体どう言う関係だ? 親子になっているが、母子
が、母子だけでこんなホテルに泊まるか? 普通、二人で泊まるなら夫婦かアベック
だぞ。おばさんが若い子を連れこんでいるんじゃないのか? それとも母子と言うの
は本当でも――』
 などと思われているんじゃないか――とかである。そして事実にそれらの予想が近
い分、とても苦しい。苦しい分、顔が強張る。足が震える。呼吸が早くなる。
(ああ、フロントの人がカードの名前と住所を見ている! やっぱり東京の板橋区住
まいが横浜に宿泊するのは不自然だったかしら? そうよね。日帰りコースだもん
ね。
でも、お泊まりしたいって裕紀が言ったし、普通のファッションホテルじゃ味気ない
し……でもそっちなら従業員と顔を合わさなくて良かったんだけど……やっぱり例の
温泉旅館か、いっそ無理をしてもあのリゾートホテルへ……)
「ママ、明日の三回忌は朝からなんだろ? 朝食はここで取るの?」
「へ?」
 彩花には咄嗟に意味がわからなかった。裕紀が助け舟を出してくれたのだと気づく
まで数秒を要する。何とかこくこくとうなずいた母を前に、裕紀はフロントにさわや
かに笑って見せた。
「朝食券もお願いします。二枚」
「かしこまりました。当ホテルの朝食は一階レストランの和食か最上階での中華と洋
食のバイキングとなっております。時間は――」
 てきぱきとフロント係が処理する。それでもそれを彩花は緊張した面持ちで見つめ
ていた。
 裕紀に言わせればその態度にこの母子をあやしんでる風は全く無く、例えあやしん
でいたとしてもプロのホテルマンが彩花にわかるまでに顔に出すはずが無い。いつも
いつもそう説得されてもこの母の疑心暗鬼は消えずに、うろたえ動揺するのである。
(だって、だって! 裕紀とのことがばれたら――)
 フロントの手続きはすぐにも終わり、カードキーをもらった。すぐ女性スタッフが
来る。一泊だから荷物など一泊分の着替えしかなく、本音ではいらないのだが、部屋
への案内をすると言うのだから仕方が無い。ここはそのレベルの格式のホテルなのだ
から。
 丁寧なスタッフの先導を受けて、息子はうきうきと、母は固く口を閉じたままでエ
レベーターへ向かった。


「――以上でございます。何かご質問はございませんか?」
「ありません」
「ではごゆっくりおくつろぎくださいませ」
 親切な女性スタッフがようやく退出してから、ようやく彩花はため息をついた。
「あーー緊張した」
「相変わらずだね。少しは堂々としなよ」
「出来るわけないでしょう!」
 思わず声が大きくなって息子を見る。
「あら?どこに――きゃあっ!」
 息子がいたはずの窓際にいない――気づいて声を上げて二秒後に彩花は背後から抱
き締められた。
「裕紀! 驚かさないでよ!」
「すごくしたかったんでしょ」
 母の抗議を息子は抱擁と愛撫で無視した。すぐにもその左手が母のスーツの襟元に
さし込まれて大きな乳房を握り、右手がスカートのスリットから侵入して下着に触れ
る。
「ちょ、ちょっと……そんなすぐに――」
「待っていたくせに。わかっていたよ。学校からずっと――」
 押しつけられた唇からの裕紀の囁き声が粘ばるように彩花の耳元に入りこむ。
「せめてシャワーをしてから……その、汗とか……」
「濡れているのは汗のせいじゃないんだろ?」
 ぐさり!と裕紀の指が彩花の秘肉に入った。ねとつくような音が二人の耳に聞こえ
る。母の欲情を息子が証明したのだった。
「ほーーら。もう濡れ濡れじゃない」
「お願い……せめてカーテンを閉めて……」
 容赦無く秘肉に侵入した息子の指の動きによる痺れるような快感に下半身から脳髄
までがわななく。息子を拒絶するどころか母のほうから押し倒して噛みつきかねない
ほどだ。それでも何とか搾り出した最後の母の理性の言葉を息子は鼻で笑った。
「何だ、知らなかったの? このホテルの窓は全部外からは見えないガラスだよ。半
透過型って言うのかな? マジックミラーみたいな。だからカーテンしなくても誰か
らも見られたりはしないさ」
(え……そうなの?)
「着いた時に見なかったんだね。まあ、これだけHな気分なら見る余裕はなかったか
も」
(そ、そんな……)
 裕紀は優しく母をベットまで押し、柔らかく倒した。手は止まらない。邪魔なスー
ツを巧妙に脱がせにかかる。それこそほとんど一方的に――
「あ…いやあ…」
 羞恥で思わず抵抗しようとした彩花の口を息子の熱い唇と荒荒しい舌が封じた。口
中を息子に犯される母は喘ぎ声すら出せない。
「ママ。綺麗だよ」
  ようやく唇を離した息子が囁いた時には彩花の女体はほとんど剥き出しになって
いた。残っているのは靴下のみでスカートもジャケットもシャツもブラジャーもショ
ーツもベットの上に散乱している。
 だからあきらかに勃っている母の乳首も、音がするほどに滴っている母の秘肉も―
―全てが息子の前にさらけだされていた。
「い、いやあ――」
 さすがに羞恥で彩花はうめいた。こういう関係の母子である以上、初めての事のは
ずもないが、しかし、いつも顔から火が出るほど恥かしくなるのだ――
 息子に“女”にされる母と言うこの状況に。
「あ…あ、あ、あん…」
 裕紀の口が母の乳房へ移った。固いまでに張っている形の良い彩花の乳を大きく咥
え、その先端の乳首を舌先でなぞり、口中で吸う。慣れた分、的確で、欲情した分、
執拗な愛撫だった。痺れるような快感がそこから彩花の全身に広がる。
「あ、アーーッ、あ、ああーーッ!」
 同時に息子の指は今日何度かめに母の剥き出しの秘肉に突き刺さった。中指が丁寧
に、そして執拗に母の肉襞をえぐる。ことさらにゆっくりとしたその動きにすぐにも
喘ぎ声以上に愛液が反応し、彩花の股間どころか裕紀の手までびちょびちょになっ
た。
「すごいよ。ママ。どこもぐちゃぐちゃだ。たった二週間でここまで“さかり”がつ
くんだね」
 息子の言う通りであった。彩花はこんなに自分が恥かしい身体になっている事を、
息子にいじられ愛されるうつつの中でまざまざと知った。
「でも、そんなママも可愛い」
 裕紀は囁きながら身体を入れ替えた。口を胸から離して、母の股間に埋める。温か
い舌の強い感触に彩花の喘ぎ声がさらに大きくする。
「い、いやっ……シャ、シャワーもしてないのに……そんな――あ、あーーっ!」
 母の秘肉と愛液を舐め尽くすようかのような息子の愛撫だった。まるで子供がクリ
ームを舐め取ろうとするかのように濃厚で執拗な動きである。
(マ、マンゴープリンと一緒だとか言ってたけど……)
 無邪気なまでに一心に愛液を吸われた彩花はほとんど悲鳴になった喘ぎ声を上げな
がら、必死で息子の頭に両手を強くあてる。快感に耐えきれずに離そうとしているの
か、逆に更なる欲情に押しつけようとしているのか――自分でもわからない。
 ただ、このまま息子の舌を母の秘肉に受ける事は、耐えられないほどにいやらしい
反応を見せていることだけはわかった。
「ゆ、裕紀――お願い……」
「わかった」
 あさっり言って息子が舌を止め、彩花の上にかぶさる。両手はしっかりと母の腰を
つかんで――いつもなら母の恥かしい申し出に意地悪にじらすところだが、今夜は息
子もそこまで余裕はなかったのだ。
「――いくよ」
(あ……)
 宣言と同時に固すぎるほどの“もの”が――息子の肉棒が彩花の秘肉に“ぐい!”
とあてられ、そのまま飲み込まれるように奥まで入った。ほとんど一息である。いつ
もならもうちょっと苦労するところだが――
「あ、あああああ-――っ!」
 女の肉壺を息子に一杯にさせられた衝撃に彩花の悲鳴が上がり、身体が快楽にのた
うつ。
「久しぶりだね。ママの中」
 暴れそうな母の裸体をしっかりと抱き締めた裕紀が彩花の耳元に唇をよせて優しく
ささやいた。
「あ、あ、あ、ああああーーっ!」
 でも腰は手加減していない。十二分に若い彩花の身体が壊れんばかりに激しく動
く。
「ゆ、ゆう…ゆうきぃ…あーーっ!」
 無茶苦茶なまでの突き入れに彩花の肉壺がえぐられ、残酷なまでの腰の揺れに愛液
が垂れ流れるようにあふれ出る。頭の芯まで真っ白になる快楽に、もう抗議も何もな
い。彩花は夢中で息子にしがみついているだけである。
 しかも彩花が“いって”も息子は容赦しなかった。さっき中華料理屋でしてもらっ
た母の口淫のおかげで余裕があるのだ。息子に全部を貫かれ蹂躙される母の、喘ぎの
たうつ淫靡な女体を見下ろすその笑顔からして計算づくだったのであろう――もちろ
ん、彩花にそんな事に気がつく余裕など無いが。
「い、い、いやーーっ!」
 三度目に彩花がいったのを確認してから裕紀はようやく爆発する。息子の白いミル
クが母の肉壺を犯し満たす感触が、痺れるほどの満足感になって二人の背筋にゆっく
りと上下していった。


「もう、乱暴なんだからあ」
 ようやく息をつけるようになった彩花が拗ねた声で囁いた。上になっている息子に
下から抱きつく。その秘肉ではまだ完全に小さくはなっていない息子の肉棒が“ぐり
ゅん!”とうごめき、母の裸体にちょっとだけ痺れが走った。
「部屋に入るなり押し倒して、脱がせて、ちょっと触っただけでこれなんだから。慌
て過ぎじゃない?」
「ごめん」
 にっこり笑って裕紀は母にキスをした。丁寧な、そして愛情が母の口を犯すような
ねっとりとしたキスである。彩花は恍惚としながら息子の舌の愛撫を受け入れた。
「やっぱり二週間は長かったよ。勉強に集中するどころか、その間、ずっとママの事
ばっかり考えてさ。試験中もママの身体が、匂いや感触付きで浮かんできて――」
「おいおい。入試大丈夫だったんでしょうね?」
 ちょっと偉そうな母に息子はえへへと笑う。『ママだって――』という突っ込みは
しない事にした。彩花だってそこまで裕紀が母の事を恋しがっていたと言う告白に悪
い気はしてないのだから。
「それよりシャワーしない?」
 彩花に異存はなかった。
 バスルームは広くて綺麗で二人には大満足ものであった。特に二人一緒に身体が洗
え、バスに入れるスペースが嬉しい。
「綺麗にしてあげるからね」
 小さい息子に言う母親のように――確かに母親だ――彩花が言ってまず裕紀の身体
を洗う。足の先から頭のてっぺんまで、実に丁寧に。“母”にとっては息子が産まれ
た時からのなじみに作業だ。大事な裕紀を綺麗に綺麗に――結構、これが熱中するの
である。
 唯一、股間を洗う部分だけが、その動きだけが、昔にはなかったものであろう。も
ちろん、そこのところも真心を込めている。母のその愛のこもった手さばきに、健康
な息子のあそこに“ぴょこん!”などと男らしい反応をされてしまって、ちょっと困
ったのが、まあ愛嬌であった。
 それが終わると今度は裕紀の番だ。こちらも母への愛情と――不届きな熱意を込め
てたっぷりと……
 “挿れる”、“舐める”以外の全てを使ったような息子の母体洗いを彩花は全身が
紅くなるほどに堪能した。泡まみれの母の裸体を息子の手が執拗に動くたびに喘ぎ声
を押さえるのが大変なほどで、正直、ここで一度いっちゃうんじゃないかと何度も思
ったくらいだ。さすがにそれだけははしたないので歯を食いしばって堪えたのだが……
 かなりの時間をかけて互いの裸を洗い終えてから、ようやくこの母子はバスに入っ
た。彩花を裕紀が後から抱きかかる姿勢で。このポーズが最近の二人のお気に入りな
のだ。もちろん、彩花の白い肌には息子の少年と青年の狭間の青い肉体がぴとっと密
着している。それがまた嬉しい。
(あ、まだ大きい……)
 彩花の腰に固柔らかいものがあたる。もうすぐにもできそうな感触だ。そんな物を
そんな状態でつきつけられた事実に恥かしさと、恥かしい嬉しさが両頬に浮かんでし
まう。
(もう……いけないお母さんね。あたしって)
「やっぱりお風呂は気持ち良いね。ママ」
「――うん」
「家のじゃちょっと狭いし」
「仕方ないじゃない。普通の3LDKマンションなんだから」
 ちなみに彩花は自分の住んでいるマンションが“普通”ではない事を、他の住人同
様知らない。
「それとさ。ママ」
「なあに?」
 裕紀が背中から唇を耳に寄せる。ソープとシャンプーの甘い香りと息子の青い匂い
が母の鼻腔をくすぐる。甘えた声以上に母の身体の方がとろけそうだ。何時の間にか
母の裸体を抱き締める息子の両腕に力が入って――
「試験の後、怒ってたでしょ」
 陶酔してたのにちょっとだけ我に返ってしまった。言われている意味はすぐわか
る。あの“小娘”達のことであろう。
「別に。怒ってなんか無いわよ」
「うそ。目が怖かった」
 そう言いながら裕紀は母の耳たぶを優しく噛んだ。くすくすと小さな笑い声が喉の
奥から聞こえる。嘘は通じないようだ――この息子には。
「そりゃ……予定があったんだし。その、ちょっと予定外だなあと思って――」
 渋々認めた母に息子が誘惑するように続けた。
「僕があんなのと一緒に行くと思ったの?」
 う、と彩花はなる。それはそうだ。裕紀が母の約束を反故にするわけはない。それ
はわかる。今まで一度だってそんな事はなかったからだ。
「思ったの?」
「思っては無いけど……」
「信じられなかった?」
「いや、それは――」
 “違う”と断言できる。彩花は知っていた。裕紀は彩花のものである事を。実の母
と子でありながら、いやらしいまでの男と女の間柄になって以来、何十回も裕紀が証
明してくれたではないか。他の女には目もくれず、彩花が失神しても朝まで責め上げ
ると言うあのSEXで。
 でも実際は困ったものである。あれをされると本気で腰が立たなくなるのだ。自分
の家とか某温泉旅館やホテルならともかく、こんな普通のホテルでそうなっては――
(チェックアウトも出来なくなっちゃう)
「じゃあ、何なの? あの不機嫌な理由は? 僕はママの物なんだから、もっと偉そ
うに構えていればいいいじゃん」
「……」
「してくれなきゃ困るよ。睡蓮亭で僕達は確かに母子だけどそれ以上の――夫婦にな
るって約束したでしょう」
 彩花には甘くて――その分は辛い台詞だった。裕紀の言っている事はわかる。彩花
はわかっているはずだ。この母と子が親と子であると同じ位に男と女であり、その事
実を二人共誇りに思っている事を。それはもう疑ってはいない。
 でも――
「ひょっとして、世間にそう言えないから?」
 やや時間を置き、しばし考えてから彩花は小さくうなずいた。
「やっぱり」
 わがままだと言う事は承知している。二人の関係は確かに今の常識には反するの
だ。公表も何も無い。さっきのように最愛の仲でありながら手をつなぐ事すら気を使
わねばならないのだ。
 いや、彩花はまだいい。息子の為ならどんな非難でも耐えよう。しかし裕紀の将来
を考えれば、隠す以外に何があるというのであろう。
 納得は出来ないが、胸も痛むが――そういうことであった。
「裕紀の為にもねえ……」
 息子は鼻で笑った。
「知ってる? ママ。そう言うのを“水臭い”って言うんだよ」
「でも……」
 母の弁明を息子は聞かなかった。急に彩花の背中を抱えて立ちあがる。
「ちょっと来て」
「え? なんなの?」
「いいから、こっちに」
 そのまま裕紀は全裸でバスルームを出た。慌てて彩花が続く。下着などベットから
バスルームに来た時から無い。せめてバスタオルを胸から巻く応急処置だけだ。
「見てよ」
 裕紀は部屋の照明を落してから窓の前に立ち、誇らしげにその外の夜景を指差し
た。
「綺麗でしょ。昼間も良いけど夜はもっといいと思うよ」
「そ、そうね」
 彩花の声が震える。息子に同意していないわけではない。まだ離れてから見えるそ
の夜景は十分素晴らしい物だと思う。
(でも、窓が――カーテンすらしてないし……)
「大丈夫だよ。この窓ガラスなら外からは見えないって。それにここ二十階だし」
 そう言えば裕紀はタオルすらつけていない。母が死ぬほど抱きついた青い裸身が剥
き出しである――彩花がおずおずとは言え、息子の言われるままに窓際に寄ったのは
その若若しい光景と香りに母の女のずっと奥の部分をくすぐられたからに違いない。
「素敵ね」
 それでもそれなりの勇気を持って窓際に立った彩花は息子の指し示す光景に素直な
声をあげた。
「でしょ。やっぱり港町だよね。ぎらぎらは東京と同じでも何となく上品に見える
よ」
 すっかり夜のとばりが降りた港町には色鮮やかな光が、天上の星々より多く灯って
いた。都会暮らしが長い彩花には普通のはずの夜景だが、息子に言われてあらためて
見ると何か安らぐような感動を感じてしまう。
「あの灯りの下には何十万、何百万の人がいるんだよ」
「うん……」
 裸体に巻いたバスタオルを気にしながらも夜景に魅入る母を息子が背中から優しく
抱き締めた。
「すごいでしょ」
「そうね。それだけの人の生活のすごさよね」
「その人達にママが僕の妻だと見せつけてあげる」
 え?――と言う暇すらなかった。
「???」
 彩花の豊かで形の良い腰が掴まれ、前に押される。バランスを崩してそのまま窓ガ
ラスに手をついた彩花だが、腰は押さえられている為に、逆に尻を息子に突き出した
ようないやらしい姿勢になってしまう。慌てて顔だけで振り向いた彩花の口に息子の
唇が重なった。
「――う、う、う……」
 驚きながらも息子の唇と舌と、その愛撫を受け入れてしまう彩花である。そんな甘
い母の口の全てを息子は存分にねぶって責めあげた。
「う―――」
 彩花は声も出ない。喘ぎすらうめきにしかならず、その分の陶酔が、裸体を余計に
とろめかせる。恥かしい話だが、これだけで股間からわかるほどの滴りが染み出てい
た。
(そ、そんな。もう一回しているのに――)
 そして、息子の手が母のまとったバスタオルの裾をめくり――腰が動いた。
「あ……」
 彩花には突然であった。剥き出しになったすでにとろとろの女の肉襞に、背後から
息子の肉棒があてられ――一気に貫いたのである。
「あーー!」
 衝撃と快感に彩花の全身が跳ね上がり、離れた口から悲鳴がもれる。それに構わず
息子の腰が乱暴に動かされ、彩花の秘肉から“ぐちゃっ!”とねとつく淫音がはっき
りと聞こえた。
「あ、あ、あ……!」
 裕紀の手が母の尻を掴み、支えを失った彩花の上半身が前に倒れる。衝撃でバスタ
オルが下に落ち、ガラスに両手をついて腰を剥き出した姿勢で母の裸体が剥き出しに
なった。
「綺麗だよ。ママ」
 裕紀の腰が猛然と動き出す。それに身体を、また秘肉からの嵐のような快感に脳髄
をも突き上げられた彩花は叫ぶように顔を上げる。その目には窓ガラス一枚向こうの
横浜の夜景と、そのガラスに映っている“息子に後から犯されて悶える母”が見え
た。
「い…いやああ……恥かしい」
 全身から汗が出るほどに彩花は真っ赤になって悲鳴を上げた。同時に秘肉からも内
股までびしょびしょになるほどに愛液があふれ出る。それが母の女体が悦んでいる証
拠だとわかっている息子は腰の動きを止めない。
 この場への羞恥が秘肉をえぐられる快感を倍化させ、彩花はもう立ってはいられな
いほどに秘肉からしびれあがる。尻を掴む息子の手とガラスについた自分の両腕がな
ければ床に崩れ落ちたであろう。だからどんなに恥かしくても――横浜の夜景全部が
母子の痴態を見ているように思えても――顔を覆おうことすらできない。
「あ、あ、あ、あ、ゆ、ゆううきぃぃ――」
「ママ。大好きだよ。愛している。ママは僕にとって最高の母親で、女で、妻なんだ
よ」
「ゆ。ゆうき――」
 母が爆発するような絶頂を何度か迎えても息子は責め続けた。この母子が男と女と
してすごしたここ数年間は、裕紀の若さに強さを加えたのである。その精力はほとん
ど無尽蔵だ。さらに今夜三度目だから余裕しゃくしゃくでもある。。
「ゆ、ゆうきぃ……お願い。い、一緒…に、いって――ママ……死んじゃう……」
 裕紀が強くなった分、彩花は弱くなった――いや柔らかくなった。その女体と心は
息子の愛撫に全てを揉み解され、今や息子の欲望のままに快感の渦にとろけるだけの
存在であった。
「嬉しいよ。ママは僕の為にあるんだ。産んでくれて、育ててくれて、愛してくれて
――そして僕の為だけのSEXを与えてくれた」
「――い、いってよぉ……ママ、また……」
「一生大事にするからね」
「あ、あ、ああああーーっ!」
 ぐい! と一段と大きく息子の腰が動き、その肉棒が母の秘肉の一番奥まで突き刺
さる。同時にシャワーのような息子のミルクの爆発が始まった。


「もう――こんな恥かしいことして」
 ベットの上で彩花が隣の裕紀を睨む。裕紀はふふんと笑った。
「外でしてるみたいだったわ。こんなの初めて」
 さっきのSEXが終わった後、そのままへたり込んでしまった母を、意外と力強く
ベットに運んであげた息子は“みたい――だといいね”と心の中だけで呟いた。
「ちょっと、聞いてる?!」
 急に彩花が上半身を起こした。さっき腰が立たなかったくせにまだまだ元気だ。
「ママは怒っているんですからね」
 彩花は裕紀の首を掴む
「え? そう?」
「“そう?”じゃない!」
 とぼける息子に彩花の声が怖くなる。もっともあれだけ悦んだ母の身体を憶えてい
る息子が恐縮などするはずもないのだが。
「許さない。ママをなんて思っているのよ」
 ちょっと怖い顔で押しつづけ、何故か抵抗も出来ない裕紀をベットに押し倒した。
「ママ――」
「お仕置きよ」
 仰向けになった息子に怖い声でそう宣言すると、その下半身に乗り――その大きな
二つの乳房で息子の肉棒を挟んだのである。
「あ? ママ!」
「調子に乗らないでね。お仕置きだって言ったでしょ」
 息子の笑顔が実に悔しそうに彩花は乳房と舌で息子の肉棒の愛撫を始めた。もちろ
ん勃たす為である。そして母の愛液が染み込んだその肉棒は予想以上に元気に復活し
た。
「本当にもう――恥かしいくらいに元気ね」
 ぶつぶつ言いながら――本当は嬉しさ半分、それに反応してまたも濡れ出した自分
の秘肉が恥かしいのが半分―――で彩花は裕紀に跨る。息子が嬉しそうに言った。
「いいの? ママ。さっき死にそうだったんでしょ?」
「お仕置きって言ってるでしょう!」
 彩花は手を伸ばし、腹につくほど勃起している息子の肉棒をつかんだ。
「そりゃ僕は嬉しいけど……」
「あらそう? でも嬉しいだけじゃすませないわよ」
 そのまま腰をゆっくり落し、自分の秘肉に息子の肉棒の先端をあてた。
「すませない――って?」
「お仕置きは『今夜、ママを寝かせない事』。どう? 出来る?」
 言った彩花のほうが赤面した。息子の“女”になっても、ここまであからさまに息
子の身体を要求した事はない。
(でも――今夜からは……いや、さっきからは――)
 初めての台詞だと言う事は息子にもわかった。ぱっと顔が明るくなる。
「いいけどさあ。また腰が立たなくなるよ。チェックアウト大丈夫?」
 余裕で憎まれ口を叩いたのは甘えている証拠であろう。
「いいわよ。その時は裕紀がママをお姫様抱っこしていってよ」
 言うなり腰をぐっ! と落した。言った恥かしさを誤魔化すためだと自分ではわか
っている。息子の肉棒が母の秘肉の奥まで貫き、あの鋭い快感も彩花の脳髄の芯にま
で電気のように流れる。
「ママ……」
 言われた意味がわかった息子の顔に天使のような満面の笑みが浮かんだ。同時に腰
が悪魔のように突き上がり、母をさらに深く貫く。
 母の嬌声は永遠に続くかのようであった。

                                  終了

[2004/06/06]

小説(転載) 嵐の中の筆下ろし

近親相姦小説
06 /21 2018
掲載サイトは消滅。

大自然の猛威は時として思いも掛けぬ結果をもたらすことがある。中学三年生になった良
和が台風の晩に初体験を迎えたのもそんな異常な状態の中でのことだった。

その日は夕方になってから雨足が激しくなって来た。予報では雨風ともに大したことには
ならない筈だったが、風はともかく、雨の方は一向に収まる気配がない。良和が表に出て
懐中電灯で地面を照らすと、辺り一面が水に覆われており、その水が勢いよく流れて行く。
良和が一度も見たことのないような激しい雨だった。

電気はもう二時間以上前から止まっていた。電話も通じない。頼りになるのは小さなラジ
オ一つ。最新の情報では台風が進路を東寄りに変え、どうやら中心がこの辺りを通るらし
い。それにしてもまだ台風が上陸した訳でもないのに、こんな内陸部でも激しい雨が降っ
ている。高速道路も電車も、そして国道から県道、殆ど全ての交通がマヒ状態だった。

良和の家は集落から少し離れた高台にある。地形からすれば水の被害は考えられないとこ
ろだし、土砂崩れの心配もなかった。背後にうっそうとした森が控えているので風の心配
も殆ど無い。森の木もその殆どがクヌギや栗などの雑木だから風で倒れる心配も無かった。

良和がぼんやりと窓の外を眺めていると、下の方に灯りが見えた。どうやら車が上がって
きたらしい。父親が雨合羽を着て迎えに出た。登ってきたのは消防団の赤いトラックだっ
た。

「下の橋が水被って通れなくなってる。黒川地区の二十人くらいが公民館まで行けないん
だが、お宅で引き受けてくれんだろうか。」

この近所では良和の家が一番安全だと言うことを考えての要請だった。

「勿論。うちでよかったらどうぞ使って下さい。何なら迎えの車出そうか。」
「お宅の車、四駆だったな。」
「ああ、ランクルが一台ある。」
「じゃ、頼むわ。水が出てるんで乗用車じゃ厳しいとこがあるから。」

良和の父が奥からランクルを乗り出した。話を聞いていた母親が慌てて家の中に駆け戻る。
大人数が来るのでその準備に走ったのだ。

「良和も部屋片付けておきなさい。あんたの部屋も使わないと間に合わないわ。」

良和は部屋に戻るとなるべく床を広く開けるように細かいものを全て押入に放り込んだ。
母親が入ってきてベッドを片付ける。何もなくなった床に有りっ丈の布団を敷き詰めた。
これなら十人くらい寝られそうだ。

間もなく車が上がってきた。最初に着いたのはワンボックスの車で十人以上降りてきた。
母親が次々と案内する。リュックサックを背負ってきた人も何人かいたが、殆どが着の身
着のままだった。母親は居間と自分たちの寝室から順番に人を入れて行く。来るのは大半
が年寄りで、それも女が殆どだった。若い男は消防団で見回りに出ているのだろう。子供
は全然いなかった。早いうちから警報が出ていたので、危なそうな地区の子供達は明るい
うちに公民館へ避難していたのだ。良和の家は安全だったので声が掛からなかった。最終
的には三十人くらい来たらしく、どの部屋もすし詰めの状態で廊下から脱衣所まで使う有
様だった。良和の部屋には女ばかり八人が詰め込まれた。

これだけの人数になると布団が全然足りない。来る途中で服が濡れてしまった人も結構多
く、部屋に入った女達は次々と服を脱いで下着姿で横になった。ろうそく一本の灯りの中
で人影があちこちで動いていた。

始め良和は部屋の隅にいたのだが、トイレに立って戻ってみると自分のいた場所が塞がっ
ていた。どうしようか迷っていると誰かが手招きした。人を踏まないように跨いで行くと
毛布をめくってここに入れと誰かが手招きする。狭い隙間に潜り込むと同級生の姉、美登
里だった。確か今年高校を卒業して農協に勤めているはずだ。

「凄い雨ね。うちの裏山が崩れなければいいんだけど。」
「風が出てきたみたいだよ。向こうでは直撃になりそうだから大変だって言ってる。」

美登里は服を脱いで下着姿だった。無理に潜り込んだので体と体がピッタリとくっついて
しまった。お互いに向き合い、美登里が良和を抱えるような姿勢なので顔と顔がくっつき
そうだった。良和は訳もなく体が震えて来た。別に寒かった訳ではない。美登里の柔らか
い肌に接して気持ちが高ぶってしまったのだろう。

「寒いの。」

美登里が良和を強く抱きしめた。柔らかい胸の膨らみ、滑らかな腿、全てが良和の体に密
着した。

「ふふ。」

美登里が耳元で小さな笑い声を立てた。良和の前が強張ってきたのを感じたらしい。誰か
がロウソクを吹き消した。辺りが真っ暗になった途端、良和は美登里の唇が自分に押し付
けられたのを感じて体を固くした。

「しっ。」

美登里が小さく良和を制した。再び唇が重なり、生暖かいものが唇の間に入ってきた。良
和の前が大きく跳ね上がった。美登里が毛布の下でモゾモゾと動いている。暫くすると良
和のパジャマが下の方に引き下ろされた。膝の辺りまで降りたところで美登里の足がそれ
を更に下ろして行く。腰から下が裸になって再び抱き合うと内腿がすべすべした肌に触れ
て、良和は頭がクラクラする思いだった。美登里も下着を脱ぎ捨ててしまったらしい。

お腹とお腹が密着していた。さっきまで邪魔だった良和の強張りが美登里の股の間に挟ま
れた。良和は何となくそこが濡れて滑っているような気がした。美登里が微妙に腰を前後
に動かしている。その度に先端が擦り付けられ、良和は思わず美登里にしがみついた。誰
かが後から良和の尻を撫でた。同時に反対側からも押し殺したような含み笑いが聞こえた。

「動かないで。」

美登里が耳元で囁くと、くるっと体の向きを変えた。丸い尻が良和に押し付けられる。そ
こに美登里の手が伸びてきた。

何がどうなったのか、気が付くと良和は自分がどこかに入り込んでいるような気がした。
美登里の尻が良和の方に押し付けられ、良和は今まで感じたことのない滑らかさに包まれ
ていた。

「あーあ、今夜は寝られそうもないわね。」

誰かが呟いた。良和は夢中で腰を振っている。後に寝ている人には当然それが分かってい
るはずだが、そんなことを考える余裕すら無かった。表は大分風が出てきたらしい。時々
家全体がギシギシと鳴った。

「季節外れの栗の花。」

誰かがポツリと言った。途端に部屋中のあちこちでどっと笑い声が起こった。良和が我慢
の限界に来て放った匂いのことだったが、当の良和にはその意味が分からない。

「懐かしい匂いだこと。」
「そう言えばご無沙汰続きだわ。」

誰も寝てなかったらしい。あちこちで話し声が聞こえ始めた。良和がヌルリと外に押し出
された。放心したように上を向いていると反対側から手が伸びてきた。

「若いだけあって元気がいいこと。」

その声はたばこ屋の繁子さん、同級生の克の母親だった。再びあちこちで含み笑いがまき
起こる。みんな何が起きているのか分かっているらしい。繁子の手がゆっくりと良和をし
ごいている。固さが戻ってくると毛布が足元からめくられた。途端に強烈な匂いが辺りに
漂う。またクスクス笑う声が聞こえた。

繁子が良和の上に跨ってきた。再び良和はどこかに吸い込まれるのを感じて思わず腰を突
き上げた。そこは美登里よりも遥かにきつく、キリキリと良和を締め付けてきた。

「ああ、」

繁子が深くため息をついた。

夜が白々と明けてきた。表は相変わらずの凄い雨で、時折り横殴りの風が雨戸を叩く。良
和の上にはまだ誰かが乗っていた。あれから一晩中、入れ替わり立ち替わり、次々と女達
が良和にのし掛かって来たのだ。良和が薄目を開けて驚いた。盛んに腰を振っているのは
坂下のお松婆さんだった。確か今年七十になった筈だ。年を取ってもあそこの感じは変わ
らない。腰の振り方など誰よりも上手な位だった。

「お松さん。あんまり張り切ると、そのままあの世行きだよ。」
「あの腰の振り方。昔取った杵柄ってもんだな。」

周りが勝手なことを言っていた。やがて部屋の外で人が動く気配がし始めた。夜が明けて
皆起き出したらしい。良和の部屋からも何人か起き上がって服を着始めた。

良和は一番端っこの布団が盛り上がっているのを見付けた。誰かが頭から布団を被って寝
ているらしい。もう誰もいなくなっていたので、気になった良和が声を掛けた。

「おばさん、みんな起きちゃったよ。」

布団の山が少し動いた。

「お前だけか。」

その声に良和は心臓が止まる思いがした。

「母ちゃ・・・」
「し。大きな声出すな。」

布団から顔を出したのは紛れもなく良和の母親、登美子だった。いつの間にこの部屋に入
ってきたのだろう。良和は昨日の晩のことを全て聞かれていたと思うと冷や汗が背中を伝
った。

「みんな起きたんじゃ、行かねば。」

登美子が布団をガバと剥いで起き上がった。寝間着の前がはだけて下半身が剥き出しだっ
た。良和が目を丸くして覗き込むと登美子が照れたように前を合わせた。その瞬間、良和
は強烈な自分の匂いをそこに感じて、思わず登美子の顔をマジマジと見つめた。

「父ちゃんには内緒だぞ。」

登美子が顔を真っ赤にして部屋から出て行った。


[2002/10/17]

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。