灰司 成人向け漫画 05 /20 2018 灰司:はいじと読むらしい。HPでは「『<アルプスの~>が猛烈に好きだから』と言う理由ではありません。本名に近いPNにしたかったのでこういう感じになりました。」ということだ。家族団乱:息子がちんぽだして寝ていたらそれは母への気持ちだ。
しらたき春 成人向け漫画 05 /20 2018 しらたき春:くわしい情報が得られない。春は「しゅん」と読むらしい。家庭円満:渡鬼をモチーフにしていることは間違いない。母親にオナニーを見られるなんて、恥ずかしがっている場合ではない。
innocent 藤崎奈々子 裏本 05 /20 2018 2000年04月 顔だけコラージュしてる感じのカットがあるが実際どうなのだろう。それからジョッキグラスいっぱいにするカットはそんなに尿を我慢していたのかなと、なんかわざとらしさを感じてしまう作品だな。
小説(転載) Sister Panic 近親相姦小説 05 /20 2018 掲載サイトは消滅。大学生活っていろいろ大変だ。1 異常だ。おかしい。普通じゃない。満足もしていない。なのに、なんで俺は、こんなことをしているんだろう。分からない。成り行きって言う言葉が、今は一番しっくりする。けど、本当はそうじゃないことを、俺の中のなにかが知っている。ともかく、始まりはこんなはずじゃなかった。 本庄辰哉。タツヤ、と読む。俺の本名だ。東京の某大学一年生。身長172cm、体重64kg。運動神経は中の下、成績は、まぁ中の上。顔は・・・どう自惚れても上の下、中学以来の腐れ縁である浩介によれば「美容整形へ行って、思い切りおしゃれして」中の上だそうだ。経営を専攻してはいるが、特になんの望みもない。卒業したら親父の知り合いがやっている会社に入れて貰って、サラリーマンでもしようと思っている。趣味といってもこれといってなく、まぁパソコンは人並みに使えるし、英検も準二級は持っている、何とかなるだろう。その程度の、よくあるタイプの人間というわけだ。 言ったとおり、俺はいま大学生だ。地元の一流大学は無理だが三流校はイヤ、というわけで田舎から上京してきた。で、そうなると下宿先が問題になる。本当はどっかのアパートでも借りるつもりだった。友達と共同で使うのも良いだろう。寮に入ってもいい。 ところが、今俺は「女の」部屋にいる。つまり、同棲中というわけだ。いや、世間にないことはない話だろう。およそ色男の部類ではない俺だって中高時代、彼女の一人くらいはいたし(キスまでしかしてないけど)、大学に入って合コンで気の合った女の子もいる(その場限りだけど)。 そのうちの一人の家に転がり込んでいるとしも、それほど不思議な話ではないはずだが、俺の場合はその女の正体が普通じゃない。というのが、相手の女というのは、同じ大学に通っている二年先輩で、名前を本庄有紀といって・・・早い話、俺の実の姉なのだ。「なんだ、そういうオチか」「姉貴と同棲して何が変なんだ?」 そういう声が聞こえるかも知れない。けど、俺と姉貴はやっぱり変だ。というのはつまり、俺たちが、『実の姉弟』でありながらいわゆる『同棲中の男と女』の関係でもある、ということだ。世の人は俗に近親相姦とそれを呼ぶ。 はじめて俺が姉貴を抱いたのは、と言うか俺が姉貴に抱かれたのは、俺が高校三年、姉貴が大学二年生の時だった。夏休みの最後の日、地元の友達と飲み会をしてぐでんぐでんに酔っ払った姉貴は、帰ってきて俺に散々絡みまくった。そして、苦労してベッドに連れ込んだ途端、姉貴に襲われたのだ。姉貴は完全に酔った口調で、こう言った。「タツ、あんた、勃(た)ってるじゃない」 姉貴の目は、俺の下半身に向かっていた。ニヤリと悪魔的に微笑んだ姉貴は、逃げだそうとした俺を後ろから抑えつけて、ズボンを脱がし、そして。 ・・・つまり、そういうことだ。言い忘れていたが、俺の姉貴は、まず美人の部類に入る。身長165cm、体重4×kg。スタイルも結構いい。正直言えば以前から姉貴を「女」として見たことがなかったわけじゃない。けど、それは、世の「弟」くんが全て経験していることじゃないか?一つ屋根の下で思春期を迎えた男が、目の前の「若い女」に興味が向かないなんて、有り得るのか? 俺はあの日より以前は、ノーマルだった。が、あの日あの瞬間、姉貴がトチ狂った行動をしてきたことで、俺は友人に借りた某漫画・・・未成年が見てはいけない奴だ・・・と同じような気持ちになってしまい・・・要するに、できてしまったのだ。 そして俺は、「少年」を捨てた。もっとも姉貴は、その時初めて知ったんだけど高三のときの彼氏、いわゆる「憧れの先輩」に、半ば騙されて一回だけしたことがあったそうだ。あとでその話を聞いたとき、それまで平然と振る舞っていた姉貴を、ちょっと尊敬した。 だが、言い訳させてくれ。実の姉貴と恋に落ちるほど俺は堕ちてない。俺が高校生の間に女を抱いたのは、姉貴を含めてあの時一回きりだ。他の女の子とできなかったのは「can not」だが、姉貴は「do not」だ。つまり俺としては、あれは一夜限りの事故ってことで、ノーマルに戻るべく努力してきたんだ。姉貴の方だって、それで納得してるって、そう思ってた。ところが、だ。「タツ(俺のこと。タッちゃんが進化したものだ)、あんた、もう下宿先決めたの?」 あれは・・・合格が発表されて一週間くらいしてからだろうか。飯を食っているときに、母親が話しかけてきた。「ん?まだ。浩介についでに捜して貰ってるけど・・・」「ああ、そういえば直江君も東京だったわね。一緒に住むの?」「わかんね。けど、やっぱし近くの方がいいかなって言って」「そうね・・・。ね、有紀のトコじゃいやなの?」 ビクッてした。俺だってその可能性は考えた。けど、あんなことがあった姉弟だ、同棲したら何が起こるか分からない。俺としては一刻も早くノーマルに戻って、新しい大学生活を楽しみたいのだ。「べ、別に良いけど・・・。で、でもさ、やっぱし東京まで行って姉弟で暮らすのもなんかさ、どうせなら友達同士のほうが・・・」「そう?二人が一緒だったら、こっちとしても色々助かるのよ。仕送りとか、電話とか」「・・・・・・浩介に悪いし」「あの子のいるアパート、一人分空いてるらしいのよ。あの子の部屋は一応一人用だけど大きめでしょ?だからあそこにあなたが入って・・・」「姉貴はどう言ってんだよ?」「別にいいよって」「・・・・・あっそ。考えとく」 できるだけ表情を変えずに、俺は飯を食い終わった。そして、歩調を狂わせないよう注意しながら二階の自分の部屋へ行き・・・携帯で姉貴を呼びだした。 プルルルルル、プルルルルルル「はーい、もしもし」「姉貴!」「なんだ、タツ?どうしたのよ、何怒ってんの?」「なんで俺が姉貴と同棲しなきゃいけないんだよ?!」「え・・・ああ、なんだ、その話」「なんだじゃないだろ!なんでOK出したんだ?」「別に良いじゃない、姉弟なんだし。何よ、なんか悪いことでもあるの?」「分かってるだろ!」「あんなことがあったから?」「・・・・・・姉貴はっ、平気なのかよっ!?」「べつにぃ。ま、確かにね、あんたには悪いと思ってるわよ、あれでドーテー捨てさせちゃったんだし。あたしは、高三のときのがあるからいいけどね。でも、あたしのことは気にしないでいいわよ、妊娠したわけでもなし。まぁ良い思い出って訳でもないけど、後悔もしてないわ。なに、それともあんたはそんなにいやだったの?」「・・・・・・俺は、ノーマルだよ」「あ、そ。ま、別に良いわよ、あたしはただあんたの下宿代浮かせてやろうって思っただけなんだから。別に嫌なら無理するほどのことじゃないわ」「・・・・・・」「言っとくけど、誤解はしないように。あたしだって付き合ってる男の一人や二人、いるんだからね。でも困ったことがあったら電話しなさい、優しいお姉さまが色々教えてあげるから。・・・これ、携帯?もう10分経ってるし、切るわよ?」「・・・・・・ああ。ありがと」 結局、俺は姉貴の部屋に下宿させて貰っている。家事は分担、家賃と生活費は7:3で楽させて貰ってるから、まぁ一人暮らしするよりはよっぽど安くつく。中学以来の腐れ縁、直江浩介も同じアパートに住むことになった。ちなみに浩介は悔しいが俺よりレベルが上の私大に通っている。 あいつはいつも俺にこう言ってくる。「いいよな、お前は。下宿代は安いし、家事も半分、しかもキレイなお姉さまと一緒に住んでられてよ」 そう、それは確かだ。だが、困ることが一つだけある。浩介には口が裂けても言えないことだが・・・単刀直入に言って、姉貴との関係のことだ。俺も姉貴もそんなに「好き」な方じゃないから、毎日毎日抱き合ってる、なんてことはない。けど、姉貴が授業なりバイトなりで嫌なことがあったりすると・・・必ず、鬱憤晴らしの手伝いをさせられるのだ。 いや、ちょっと待ってくれ。確かにその方法は姉弟の間では普通じゃないが、異常なのは姉貴だけで、俺はその相手をさせられているだけなんだ。信じてくれ、俺があくまで「ノーマル」なんだってこと。「タツ、あんた、明日の授業、いつから?」「昼前から・・・っておい、またかよ?一昨日もしたぞ?」「今日さ、また店長に散々嫌味言われて気ィ立ってんのよ。いいでしょ、どうせあんた彼女もなくて暇持て余してんだから」「あのなぁ、姉貴。前から言おうと思ってたけど、姉弟でこんなこと・・・」「さっさと脱ぐ。ゴムちゃんと着けてよ、あんたの子供なんて産みたくないんだからね」「・・・人の話聞いてる?っつーか、そんなこと言うくらいならちゃんとした男としろよな、子供産んでやってもいいような」「やぁよ、まだ若いのに。それに、好きでもないのに体だけ貸して貰うの、悪いじゃない」「俺はいいのか?」「年功序列。女尊男卑。それがあたしのモットーです」「・・・・・・・基本的人権の危機だな」「シャーラップ!なんなら家賃、割り勘にする?」「・・・・・・・・・・・・」 俺は姉貴の奴隷か? 数え切れないくらいやってきたけど、やっぱり罪悪感を伴う興奮は、表には出さないけど最初の時と同じだ。Cカップぐらいの、大きすぎも小さすぎもしない綺麗な乳房。健康的な程度に焼けた肌と四肢。そして、布団の中の、茂み。 布団に入る前は、「またかよ、バカ姉貴」。けど、正直言って行為自体は・・・俺も嫌いじゃない。姉貴の乳首を口に含む。舌で転がしながらツンと尖ってくる感触を確かめる。姉貴ののどから微かに声が漏れた。「あん、なによぉ、嫌がってたわりには、辛抱ないじゃない」「手っ取り早く終わらせてやるよ」 なんだかんだ言っても、こうなると俺のモノはとっくに臨戦態勢に入っている。いくら姉とはいえ、彼女のいない健康男子にこの状況で我慢しろと言う方が無理だろう。「何いっちょまえの口たたいてんのよ?溜まってるくせに」 言い方が気にくわなかったらしい。姉貴の手が伸びて俺のモノを掴む。姉貴は昔、ピアノで結構いいとこまで行っただけあって、指が長い。袋から棹へ、その指で撫でられると、俺はいつもさっさとイキそうになってしまう。「うっ。姉貴、まって、それ、反則・・・」 基本的に姉貴は俺だけを歓ばすような、たとえばフェラとかパイズリとかは絶対にしてくれない。しかし、指遣いはホントに巧い。ビニールの上からだけど、柔らかい指で微妙な力のいれ具合でしごかれたりすると、ぞくぞくするほど気持ちがいい。「あたしをなぶろうなんて、百年早いのよ・・・。え、ちょっとタツ、どこ触って・・・キャッ」 俺だって、やられっぱなしじゃつまらない。乳首への攻撃は一度中断して、俺は右手を姉貴の後ろに回した。姉貴が驚いて棹を手放した。危ない、これくらいでイってしまっては面目丸つぶれだもんな。 姉貴の尻。ゆっくり撫でてみる。柔らかい。これが、男と女の違いってヤツだ。「あのさ、これ、漫画で覚えたんだけどよ」 姉貴の尻をゆっくり撫で回しながら、穴に指を入れる。指が姉貴の体に入る。「ひっ。い、いやッ・・・あんたね・・・つ、使う相手も、いないくせにッ、よ、余計なことッ、あッ、いやっ、ちょっ、タッ、タンマッ!な、中で動かさないでよッ!!」 姉貴が声をあげる。もちろん、本気で嫌がってるんじゃない。しっとりと前が濡れてきたのを感じながら、俺はなおも指を動かしてやる。「や・だ・よ。姉貴も結構喜んでんじゃん」「バ、バカッ!ちょ、あ、あんた、やっ、やりすぎッ」 ぐっ、と俺の棹が握りしめられる。そのまま上に引きずりあげられて・・・「うわッ、ちょッ、姉貴、無茶すんなッ!」「あ、あたしだけ、イかそうなんて、生意気なのよ!」 言った次の瞬間、俺のモノはすでに姉貴の体の中に入っていた。姉貴の体は既に濡れきっていて、完全に勃起したモノがすんなりと入った。姉貴の腰が上下左右前後、自在に動く。これが、最高だ。突然で驚いたけど、反対する理由はない。「ちょ、ちょっと、まてよッ、おいッ!ひっ、」「我慢は体に悪いわよ!はあっ、ああっ、ああんっ」「や、やか、やかましいッ!い、いっ、」 イく!!(フォント×1.4倍)「だいぶうまくなったじゃない?」「お陰様で」「・・・・・・・・・ねぇ、タツ」「んあ?」「あんた、初恋って、経験済み?」「・・・・・・はぁ?なにそれ?」「答えなさいよ」「そりゃぁ、小6とか中学の時にも好きなヤツはいたし。高校の時は、ほら、麻子とけっこうなとこまで行ったし。わかんねえけど、したんじゃねぇの?」「あっそ。・・・やっぱそんなもんかぁ」「何?なんかあるわけ?」「・・・別に。ちょっと聞いてみただけ。・・・明日、学校でしょ?早く寝なさいよ」「誰かの相手してなきゃ、とっとと寝てるよ・・・ぐはっ」 最後のは、俺が思いきりみぞおちにエルボを喰らわせられた音だ。俺は腹を抱えて呻きながら、とりあえず寝る努力を始めた。ピピピピピピピ・・・・・・ 目覚まし時計の音で目を覚ます。横で眠りこけている姉貴の頭を押しのけて時計のアラームを止めに行く。・・・10時25分。「・・・・・・やべっ!」 まったく、姉貴のせいだ!あわてて俺は布団を飛び出し、パンツ一丁の状態からズボンをはきつつシャツを着て、携帯をひっつかむとカバンに放り込み、靴下もはかずに玄関に飛び出した。その時、姉貴がゆったり上体を起こして、寝ぼけたような声をかけてきた。「ん~?学校?」「授業あるから、もう出るぞ!ちゃんと鍵かけとけよ!帰りはバイト寄るから!」「はいはい、しっかり勉強しておいで、愚弟くん」「やかまし!」 姉貴に、もう一度昨日の質問の意味を聞こうかと思ったが、時計を見てやめた。10時35分。駅はここから歩いて12分、電車は44分だ、走って間に合わないことはない。ここで貴重な時間を失うわけにはいかない!「じゃあな!!」 そう叫んで家を飛び出した。しかし・・・・・・なんだったんだろ、昨日の質問。単なるいつもの嫌がらせか?それにしちゃ、様子が変だったけど。 なんとか遅刻せずに教室にもぐりこみ、さらに襲い来る睡魔との激しい攻防を繰り返したあと、俺はバイト先に向かった。ハンバーガーがメインのファースト・フード店だが、近所にコンビニもあるし、この一週間ほど客の入りは激減している。まぁ、バイトの身としては給金にさえ響かなければ暇なほうがありがたいのだが。「辰哉ァ、遅いぞぉ」 制服に着替えて店にはいると、先に来ていた浩介が声をかけてきた。身長は俺より少し高め、眼鏡をかけた秀才タイプで、実際俺より頭がいい。料理も俺よりうまくて、姉貴と同棲する前はこいつの世話になるつもりだったというのはそういう理由もある。「いいじゃん、どうせ客入ってないんだし」「今出てったとこだよ」「何人?」「ついさっき出ていった姉ちゃん二人と、しばらく前に高校生が三四人」「昼時にそれだけか?・・・・・・少ねぇ・・・」「それは言わないお約束」 テーブルを拭いたり、イスをなおしたりしながらいつも通り、バカ話で盛り上がる。お前の大学のあの娘はどうなった、いやとっくにお手つきだった、そういえばあの漫画・・・「あれ?おい、辰哉。あれ、有紀さんじゃないか?」 話題を遮って浩介が窓の外を指さした。見ると、ショートカットの女がペットボトルのお茶を飲みながら、なにやら男と親しげにしゃべっている。「あ・・・あぁ、姉貴だ」 ン?なんだ、この違和感は?まぁたしかに姉貴を街で見ることなんてあんまりなかったし、まして男連れのところを見るのははじめてだ、そのせいだろう。・・・たぶん。「相変わらずキレイだよな、有紀さんって。まったく、どうしてあの人の弟がこれなのかねぇ?全く、あの人と同棲なんて、羨ましい限りだよ」 わざとらしく浩介がこちらを見やる。浩介は昔から姉貴のファンだった。付き合いが長いから姉貴の正体も知っているはずだが、一度は冗談混じりながら告白したこともあったはずだ、むろん一蹴されたが。それでも浩介は「有紀さん」ファンを自称している。「ハッ、あんな姉貴がよけりゃぁいつでも譲ってやるよ。お前がマゾでもない限り、三日でいやんなること請け合いだぜ」「強がるなって。で、お前、有紀さんの相手知ってるのか?結構格好いい人じゃないか」「いや、誰かと付き合ってるのは知ってたけど・・・」 確かに、格好いい。身長は180cm強、やせ形のスポーツマンタイプだ。バスケットとかやっていたら似合うだろう。顔はよく分からないが、遠目には充分格好いい。ちょっと染めているらしい茶髪が軽い感じだが、全体として悪い印象は受けない。「どうしたい、タッちゃん。お姉さまが男にとられて寂しいか?」「はぁ?なにいってんだ、おまえ?」 口だけで応対しながら、俺は姉貴たちから目を離せなかった。二人は楽しそうにしゃべりながら通りを歩いている。手に袋を提げているのは、おそらく近くのデパートで買い物でもしてきたのだろう。(結構・・・おしゃれしてるよな、姉貴) つまり、本気だってことだ。何となく、変な感じ。店の中から見ている限り、姉貴は男と一緒に幸せを満喫している可愛い女の子だ。家で見慣れている横暴な姉貴とはイメージが違う。それが、なにか・・・なにか、変な感じだった。「・・・あれ?あの人って、そういや、うちの大学の人かな?」 ふいに浩介が言い出した。浩介もどうやら自分の憧れの人が男と一緒に歩いているというのは心中穏やかでないらしく、二人の様子を観察していたらしい。「知り合いか?」「会ったことはないけど・・・楠本さんじゃないかな?バスケ部の主将で、かなりの前の学内通信で、紹介されていたような・・・気がしないこともないこともないような気がする」 最後の訳の分からない否定の連続は、浩介が自信がないときによく使うセリフだ。「へぇ、バスケ部か。らしいな」「あぁ。けど・・・あの人、うちの、ミス・J大と付き合ってるって聞いたんだけどな?」「ミス・J大?」「井上瑞希っていう、超美人。写真集のモデルにもなってるらしくて、頭はともかくスタイルと顔は抜群だな。俺も見たことあるけどさ、先輩に『あいつにはミスタ・J大がくっついてるからダメだ』って言われたんだよな」「それが、あの楠本とかいう人か?」「ああ。けど・・・あの人も趣味いいよなぁ。井上さんのりかえて有紀さんかぁ、ヤッパ人間は顔か?嗚呼、人間とはかくも、外貌に弱いものなのか。ここに百世に稀なる天才児が不遇をかこっておると言うに、来たりて慰める美女の一人もおらぬとは!嗚呼・・・」 大げさに天を仰ぐ浩介。たまにこいつが陥る妄想だ、ほっといても構わない。「ほら、猿芝居やってないでさっさと仕事するぞぉ」 俺はとりあえず仕事に戻った。けど、なんか・・・・・・妙に苛立つ。 その日、俺が家に帰ると姉貴は先に家に帰っていた。俺は何となく今日のことを言いづらく、姉貴たちを見かけたことは言わずにおいた。なんでそんな気分になるのか、俺にもよく分からなかった。2 特にさしたる事件もなく、俺の日常は過ぎていった。姉貴の紹介で俺は楠本さんにも会った。思った通りの爽やかスポーツ青年だった。前に見かけたときと同じ変な不快感があったけど、それは俺がもともとスポーツ嫌いだからだろう。野球もサッカーもバスケットも人並み程度の知識は持っているが、好んで観ようとは思わないし、ひいきのチームもない。バリバリのスポーツ系とそりが合わないのは仕方がないのだ。「姉貴、明日の飯、どうすんだ?」「え、なんで?」「言ってたろ?木村たちが遊びに来るんだよ。久しぶりだし、浩介とかと一晩騒ぐから」「あ、そっか。ン~、明日は陽介と映画だから、たぶん食べて帰るわ。知ってるでしょ、『○と○尋の神隠し』」 陽介、楠本さんのことだ。「・・・・・・帰りは?」「昼間ちょっと補習あって、それからだから・・・10時にはならないと思うけど」「そ、じゃぁ俺のほうが遅いな。・・・じゃ、俺そろそろ寝るわ」 なぜか知らないが、「楠本陽介」の名を聞くたび、俺はどうも変にいらいらする。いや、そんな明確なものじゃないが、何となく気持ちが落ち着かなくなるのだ。「・・・姉貴」「ん?」「楠本さんと・・・どこまでいってんの?」「・・・何よ、いきなり」「べつに。けどさ、結婚とか、考えてるわけ?」「・・・ばぁか、まだホテルだって行ったこと無いわよ。・・・純情な乙女に何言わすのよ?まさかあんた、いっちょまえに妬いてたりする?」「冗談!!・・・けど、結構長続きしてると思ってさ、飽きっぽい姉貴にしては」「うるさいわね、さっさと寝なさいよ」「へいへい、失礼しやした」 ・・・・・・妬いてる?俺が?まさか!なんでそんな必要がある?確かに姉貴は俺の初めての女かも知れないけど、俺はあくまで被害者だぜ?ありえない・・・絶対に。 木村真一、後藤優介、池内俊。三人とも高校の時以来の友人だ。頭脳プレイヤー(?)な俺や浩介と違って木村は柔道、後藤と池内は野球と、ばりばりスポーツ系だが、そのわりには馬が合って、地元では浩介と五人でいつも行動していた。 新宿で待ち合わせて、その付近をぐるぐる回り、さて飯をどこで食おうか、と相談し始めた頃だった。確か、アルタに「いいとも」が映っていたから、十二時過ぎだろう。「辰哉、今日、有紀さんは?」 鉄橋を渡っているときだった。浩介がふいに声をかけてきた。「姉貴?午前は補習で、午後は楠本さんと『千と千○』観に行くって言ってたけど」「・・・なぁ、あれ、楠本さんじゃないか?」 浩介が指さした方向には、確かに駅に向かって横断歩道を渡る長身の青年の姿があった。遠くてよく見えないが、確かに楠本さんに似ている。浩介には、近視のくせにめざとく遠くにいる知人を見つけるという特技がある。だが、あのひとは、「なんだ、どうした?」 木村や後藤が割り込んでくる。「いや、あの人がさ、もしかしたら有紀さんと付き合ってる人じゃないかなって」「へぇ、どいつだ?」「あの、横断歩道渡ってる、背の高い、赤いシャツ着た・・・」「女連れの?」 そうなのだ。その、楠本陽介らしき人物は、女連れなのだ。となりに、小柄ながら遠目にもけっこうな美人と見える、妙齢のご婦人を連れておられるのだ。「結構美人だな、あの連れ。けど、あれ、どう見ても恋人同士だぜ?有紀さんと付き合ってるって、二股ってことか?」 後藤は言いにくいことをずけずけ言う。「・・・人違いだろ。行こうぜ」 俺は、やっとそれだけを口にした。「いいのか、辰哉?」「なにが?別にあれが楠本さんだって決まった訳じゃないし、万一そうだとしても、それは姉貴との問題であって、俺の知ったことじゃない」 できるだけ平然と、言えたつもりだ。けど、俺自身、納得していないことは知っていた。「いいのか、ほんとに?」「だから、いいって。それより、飯どうする?」 俺は、なにか知らないが胸の奥から湧いてくる不快感を無理矢理抑えつけて言った。立ち去らなくては。早くこのことを忘れなくては、俺は、何をしてしまうか分からない。「そうか、お前がそう言うなら別にいいけど・・・・」 浩介は眼鏡の奧で色んな表情を浮かべながら、俺の耳元で、囁いた。「あれ、たぶんミス・J大。井上瑞希さんだ」 飯は、結局そば屋ですませた。六時にはアパートの近くの焼き肉屋に予約を入れてあるから、それまで時間を潰さなくてはならない。木村たちは今夜は浩介の部屋に泊まって、明日の朝一番に田舎に帰る。遊ぶ時間はたっぷりあるから、東京案内をさせられた。 新宿、渋谷付近を適当に歩き回る。これが女の子ならショッピングを楽しむのだろうが、そんな殊勝なヤツは一人もいない。久々に五人でバカ話に花が咲いた。 だが、俺は何となく気分が重かった。浩介の最後のセリフが引っかかる。つまり、楠本さんは、井上という人と別れずに、姉貴と付き合っていたと言うことか?後藤が言うように、二股で。だとしたら、姉貴は半年間、騙されていたのか?それは、それはつまり、「───あ、浩介」 「ん?」 もう、五時前だった。俺たちは焼き肉屋に向かうべく、タクシーに乗り込もうとしているときだった。「悪い、先行っててくれるか?ちょっと買い物すませてから行くから」「はぁ?買い物ぉ?」「忘れてたんだ、すぐ追いつくから。何なら、先に食べ始めててくれてもいいから」「分かった、早く来いよ。すいません、運転手さん、行って下さい」 なにか文句を言いかけた後藤を抑えて、浩介が言ってくれた。サンキュ、親友。 俺が何をしたいのか、自分でもよく分からない。だが、ともかく、俺は一目散に走っていた。姉貴が今日行くと言っていた映画館は、この近くだ。そして、それは五時までだったはずだ。急げば、まだ会えるはずだ。3「あ、姉貴」 映画館を出て、駅へ向かう途中にある、小さな公園。近道しようと中に入ったら、そこに、姉貴たちがいた。姉貴たちも、近道をしようとしていたらしかった。「タツ?」 驚く姉貴。当然だろう、デートの最中に、弟が突然息を切らせて走って乱入してきたら、誰だって驚く。「どうしたの?」 楠本さんの声も多少とまどい気味だ。「い、いや、偶然、木村たち、案内してて、こっち来たから、ちょっと、こっちまで」「何で走ってんの?」 俺は、息が上がってる。予想外の所で会ってしまったせいもあって、俺の思考回路はまともに回転していない。いや、そもそも、俺は何をしたくて走ってきたんだ?「え、い、いや、」「何なのよ?」 言い訳を考えつく前に、口が動いていた。「ちょ、ちょっと、楠本さんに、聞きたいことがあって」「俺に?」 ますます楠本さんの顔が訝しげになる。俺は、チラリと姉貴の顔を見た。言っていいのか?間違いだったらどうする?いや、間違いならそれでいい・・・・・・もし、万が一、本当だったら?俺が言っていいのか?姉貴は、姉貴はそれで喜ぶのか?「陽介に用って、どういうことよ?」 その時、猛烈な不快感が胸の奥からこみ上げてきた。前から姉貴が「陽介」と楠本さんを呼び捨てにする度に感じていた、微かな不快感。それが、何十倍にもなって突然俺を襲った。畜生、あんたのせいだぞ。俺は楠本さんを睨みつけ、そして、息を整えて言った。「今日の昼間、新宿にいませんでした?」 楠本は、瞬間息を呑んだようだった。俺は躊躇した。これ以上言って言いものか?だが、胸の奥の不快感は容赦しない。楠本への疑惑は、ほとんど確信に変わった。こいつは、姉貴を騙していた。俺は、突然、ほとんど衝動的な怒りに駆られて、叫んだ。「井上さんとデートですよね!?」「・・・・・・!!」「井上?ちょっと、陽介、どういうことよ?」 姉貴の声がとんがる。「前の彼女」の話は聞いていたらしい。「・・・・・・辰哉くん、言っている意味が分かんねぇんだけど・・・」 しばらくして楠本が洩らしたのは、そんなセリフだった。ますます不快になる。「白きる気っスか?陳腐なセリフですね」「俺は午前中、大学で練習を・・・」「知るかよ!!ともかく俺は、今日の十二時過ぎに、新宿で、井上さんといちゃついてる、おたくを見たんだ!」「人違いじゃ・・・」「双子の兄弟でもいるのか?俺の記憶じゃ、今のおたくと同じ服着てたよ。それとも、偶然か?赤いシャツ着て、Gパン履いて、黒いカバン担いで、180cm以上で、茶髪で、井上さんと歩いてる男が、そんな何人もいるのか?」 黙っている。その表情は、ちょうど街灯の逆光で見えない。「ちょっと陽介、何黙ってんのよ?タツが言ってるの、ホント?」「・・・・・・・・・・るせぇ」「え?」「うるせぇよ、がたがたわめくな!!」 ビリッと、空気が揺れたみたいだった。勝ち気な姉貴が気圧されて半歩後ずさる。「・・・・・・お前、何様のつもり?」 顔を上げた楠本は、いつもの爽やかスポーツ青年じゃなかった。「俺と有紀の問題だ。お前がしゃしゃり出てくる筋じゃねぇ」 グワッと、楠本の右腕が伸びて、俺の首もとを掴んだ。身長差、約15cm、簡単に吊り上げられるような恰好になってしまう。 いつもの俺ならこんな事になる前に謝って逃げ出していたはずだ。「暴力反対」。「サルと話しても無駄だよ」。「俺は知性派なんだ」。口では色んなことを言っていたが、要するに怖かっただけだ。自分が弱いから。強い者に刃向かう力がないから。だから。いつも長いモノに巻かれていた。けど、畜生、今は。「・・・・・・するな」「はぁ?」「てめぇが姉貴を呼び捨てにするなッ!!」 気付いたとき、俺は宙を舞っていた。ケツから思いっきり地面に落ちる。立ち上がろうとして、左の頬の傷みに気付いた。殴られたらしい。「なに寝言言ってんだ、ブラコン坊や?」「ちょっと陽介、なにすんの!」 姉貴がこちらに寄ってこようとする楠本の右腕を掴んで止めた。「黙ってろ、後で相手してやる」ぐいっと姉貴が強く押し戻される。「何する気よ!?」「先輩への礼儀を教えてやるだけさ」「タツが言ってること、ホントなのね!?」「お前の知ったことじゃない。文句ならホテルで聞いてやる」 ニヤッと笑った、その時の楠本の顔が、ひどく醜く見えた。整った顔のあいつだから、余計、欲望丸出しにしたその顔は、汚らしく見えた。「姉貴に触るな」 そう言った覚えはある。けど、ちゃんと言えたかどうか。何しろケンカなんか、小学校以来だ。一発喰らっただけで頭の中は真っ白、走ったせいで息は乱れているし、足はふらつくし、折から日も暮れてきた。ただ、その時俺が立っていられたのは、それは、ただ姉貴への・・・・「失せろ!!」 記憶は殆ど無い。楠本の蹴りを、何発か喰らった覚えだけがある。反撃はほとんどできない。俺の短足ではキックも届かなかっただろう。「タツ!!」 覚えているのは、姉貴が後ろからハンドバックを楠本の頭に振り下ろしたこと。そして、それがクリーンヒットして。「つっ、このアマァッ!」 あいつが振り返ってこちらに背を向けた。俺は、後先考えず、突っ込んでいた。「ぐっ!?」 楠本が倒れた。だが、俺の方も、さっきので力を使い果たして、もう動くのもだるい。へたり込んでいた。立たれたら、やられる。「こ、この・・・!!」 立ち上がろうとする楠本。・・・腰を打ったのか?立ち上がりにくそうだが、それでも圧倒的不利は変わらない・・・一発殴られたら、もう終わり・・・・・・「ほらッ、何やってんの!?」 急に腕を引っ張られた。勢いで立ちがって、走り出す。楠本は追いかけようとしているが、さっきの衝撃でまだ少し足下がふらついている。それを、半分薄れかかったような意識で眺めながら、俺は姉貴に引きずられて公園から逃げ出した。 周りに人がいた方が見つかりにくいだろうと思って、繁華街へ出る。二人で並んで歩くのは久しぶりだった。アゴとか腹とかあちこちがズキズキと痛むが、幸い骨が折れたりはしていないようだ。体中が土まみれなことと、切れているらしい唇の端の血さえ気にしなければ、まぁ見た目は何とかなる。姉貴の方は元々デートだったからおしゃれをしてきている。はたから見たら、俺たち、どう見えるんだろ?なんて考えていると、ふいに姉貴が呟くように尋ねてきた。「どういうつもり?」「どういうって・・・・・・」「あんた、陽す・・・楠本にケンカ売って、勝てると思ってたわけ?」「あれは、成り行きで・・・・・・」 「あのままだったら、死んでたわよ、あんた!?」 姉貴の声が甲高くなる。その声に驚いてか、すぐ前を歩いていたおじさんがチラッと振り返った。「姉貴、声大きいよ」「答えなさい!」「・・・・・・姉貴さぁ、本気だった?」「話逸らす気?」「違うよ。だからさ。・・・姉貴が、もし、楠本さんのこと、本気だったらさ、俺、余計なことしちゃったかなって」「・・・・・・どういう意味」「変な話だけどさ。楠本さんが、違う女と歩いてるの見て、何か物凄く腹立って。俺、姉貴は結構本気だと思ってたから。姉貴が、あいつに騙されてるなら、そんなの、許せなくて。・・・変だよな、俺。姉貴のことなのに。俺なんか、口挟むことじゃないのに」「・・・・・・タツ」「ごめん、姉貴。お節介だったよな」「何で、そんなに腹が立ったの?」「・・・え?」 姉貴が立ち止まる。俺の顔を、姉貴の大きな目が見上げている。・・・俺が身長抜いたの、いつだったけ?「そ、それは・・・・・・や、やっぱ、姉貴が騙されてたら、弟としては、さ」「それだけ?」「い、いつも、世話なってるし」「それだけ?」 姉貴の顔が迫ってくる。それだけ?それだけか?頭の中がパニクりだす。俺は、姉貴の顔を正視できなくなって、顔を背けた。「お、俺・・・」「何?」 バカ、何を言うつもりだ?姉弟で。 いつも抱き合ってるのは? あれは姉貴に付き合ってたからだ、俺は、被害者で。 好きでもないのに抱いていたのか? そうじゃない、そうじゃないけど、 正直に言ってしまえ! 違う! 認めろ!お前は、 違う!「俺・・・・・・あ、姉貴のことが・・・・・・」「何?タツ、言って」 ダメだ、言うな!変態野郎!いいのか、後戻りできなくて!?よく考えろ、お前は!「俺、姉貴のことが、好きだ」 変な話だった。自分で言って、自分が一番驚いている。俺は被害者のはずだった。だが、確かに、いつの頃からか、姉貴という存在が、自分の中で大きくなっていた。 高二の頃か。仲の良かった女友達が、突然告白してきた。結局その子と付き合うことになったんだけど、あの時、俺は心の中でこうは思わなかったか?(姉貴よりは落ちるよな) ・・・麻子、ごめん。 姉貴との奇妙な同棲生活。四日に一度くらいの割合で行われる近親相姦。だが、その間、合コンで知り合ったどの女たちとも、俺はなぜか一線を越えるつき合いをしたことがなかった。それは、自分の理想が高いせいだと思っていた。だが、その理想は? 生まれたときから仲は良かった。同じ習慣、同じ環境で育ったんだから、気が合うのは当たり前だ。姉貴の趣味は、どの女友達より理解できた。 両親は晩婚で俺が生まれたとき、二人とも三十路を超えていた。だから、なにかあったとき、相談相手は両親より姉貴の方が多かった。姉貴の方が気楽で、信頼できた。 気が強くて、横暴で、好き者で、けど、勉強もスポーツもできる姉貴は、俺の憧れだった。気が付けば、あらゆる女を姉貴と比較している自分がいた。 楠本陽介が現れたとき、俺の胸に去来した感情は?俺の知る限り、自分のものだけだったはずの姉貴の側に、もう一人の男を認めた、その時。その時、俺は、俺は。「姉弟だけど。あんな関係になっても、まだ自分でも気付いてなかったけど。ノーマルだって言い続けて、変な話だけど。俺、楠本さん紹介されたとき、すっごくさびしくて。けど、なんでかわかんなくて。「今日、楠本さん見たとき、やっと自分が、姉貴のこと、本気で、女として好きなんだって、そう気付いて。姉貴が、大好きな姉貴が、騙されて、俺以外の男と付き合ってるって、そう思ったら、堪らなくなって。それで、それで、俺」「タツ」「姉貴、ごめん。俺、変だよ。こんな事、考えたこともなかったのに。けど、俺、」「あたしも」「・・・え?」「あたし、男運無いよね?高木先輩にも騙されたし、楠本にも騙されて。でも、気付いたのよ。さっき、あんたがぶっ飛ばされたとき。本気で好きだったのは、誰なのか」「・・・・・・」「あんたの童貞貰ったとき、変な気持ちだった。でも、後悔はなかった。「好きでもない男になんか、指一本触れさせない。東京来てから何人も付き合ったけど、みんな違った。楠本は好きだったけど、でも、何か違った。楠本があたしに求めているのは、本当のあたしじゃなかった。恋愛って、こんなんじゃないって思ってた。この人となら死ねるって、そんな人に会いたかった。でも、みんな違った。「ありのままの自分を出して話せるのは、結局タツだけだった。弟だから、当たり前なのかも知れない。でも、あたしは、あんたが来てくれたとき、ホッとした。飾らずに話せる相手がいる。家に帰れば、その人に会える。あんたはあたしにとって、救いだった。あたしの・・・・・・最愛の、弟」「あ、姉貴・・・・・・」「・・・入る?」 姉貴が、ふいに口調を変えておどけるような目で右を指した。俺たちの立ち止まっているビルの斜め向かいが、『Saffran』、ラブホだった。4 こんな所にはいるのは初めてだ。部屋を選んで、中に入るとベッドがあって、どでかいテレビが置いてある。「こんなんなんだ・・・・・・」「知らなかったの?映画でよくやってるじゃない」「・・・姉貴、何の映画見てんだ?」 アパートに帰ればすぐ下の浩介の部屋に木村たちがいる。今日は、今夜だけは、俺たちは二人きりでいたかった。「それより、あんた、埃だらけよぉ。とりあえず、お風呂入ってきたら?」「ん?ああ、そうだな」 言われたとおり、風呂場へ行く。中に入ると、やけにでかい。何をするんだ、と考えて、一人で真っ赤になってしまった。見ると、周りに色んな道具が置いてある。(考えて見りゃ、異常だよな。実の姉とラブホなんて・・・) 「すること」自体はいつもやっているから、それには抵抗がない。だが、自宅以外の場所でするのは初めてだった。そのせいか、体を洗っていると、棹が早くも勃起し始めた。(いっぺん、ぬいとこうかな?) 初めてのところだからと言ってあまり興奮するのも気恥ずかしい。とりあえず、石鹸を流した俺は、勃起し始めたモノを掴んだ。(昨日もやってないし、まぁいっぺんくらい抜いても、勃つことは勃つだろ) で、やりはじめた、そのとき。 ガラッ「なにやってんの、あんた?」 姉貴が入ってきた。 硬直する俺。姉貴はいつの間に脱いだのか、服を脱いで、バスタオルを纏っただけの姿だ。化粧も落としている。家でも見慣れたはずの姿だが・・・色っぽい。「な、なんだよ、姉貴!」 焦ってどもる俺。いくら「そう言う関係」の二人でも、さすがに実の姉にオナニーの瞬間を目撃されたらたまらない。「頑張ったご褒美にお風呂一緒に入ってあげようかと思って。しかし、あんたね、いくら何でも気が早いんじゃない?」「声ぐらいかけろよ!」「そんなに溜まってるわけ?もてない男の方が辛抱ないのかしら?あんた、ちゃんとしてる?あれ、しないと体に悪いらしいわよ」「ほっとけ!」 勃起しているモノをタオルの下にしまいながら、俺は絶叫した。「ま、いいわ、せっかくだし。出しなさいよ、手伝ってあげる」「いいよ、べつに」「遠慮しないでいいわよ。どうせ、そういうことするための場所なんだから」「・・・嫁入り前の乙女の台詞じゃないな。・・・ひっ!」 楠本に殴られた跡らしい青あざを、思いっきり姉貴がつねった。あまりの痛さに下半身への注意が薄れた、その途端、姉貴に棹を奪われていた。「完全臨戦態勢ね、上々」 言うなり、姉貴が俺の棹を口にくわえた。「あ、あねき!?」 姉貴は絶対にフェラはしてくれない。曰く「何であたしがあんたを喜ばせなきゃいけないの」。また曰く「何が悲しくて恋人でもない男のザーメン飲まなきゃいけないの」。「黙ってなさいよ、あたしだって初めてなんだから」 姉貴の顔がちょっと赤くなっているのは、気のせいだろうか。「あ、姉貴!や、止めろよ!い、いや、ともかく、ちょっと!?」「言ったでしょ、恋人でもない男のザーメンなんか、誰が飲むかって」「え?」 つまり、それは「お、俺のこと・・・っ!?」 姉貴は答えない。稚拙に舌が動く。もとから勃起していた俺のモノの、その敏感な部分に、柔らかい、暖かい姉貴の舌が触れる。そして、バスタオル越しに見える、姉貴の体。微かに動く下半身。顔を赤らめながら、必死で俺のモノを舐める姉貴の顔。・・・ダメだ!!「姉貴!!」「んぷ!?」 爆発した。姉貴の口の端から溢れて、周りに飛び散る。慌てて口を離した姉貴が苦しそうにせき込む。「・・・姉貴、大丈夫?」「ケホ、ケホ、・・・あんたね、出すなら出すって、そう言いなさいよ!ああ、ビックリした。何よ、全部飲んじゃったじゃない。ケホッ、ケホッ」「ご、ごめん・・・・」「・・・げぇ、変な味。理穂は、好きな男のならおいしいって言ったけど。あんた、ちゃんと洗ってる?変なもんまで混ざってないでしょうね?」 バスタオルの端で自分の口元を拭う姉貴。タオルが乱れて胸元が丸見えになる。「じ、自分のザーメンの味なんて知るかよ」「知ってても怖いけどね。・・・・・・ねぇ、あんた、やっぱ溜まってんじゃない?」 姉貴が呆れたように呟いて、俺の股間を指さした。・・・また勃起しはじめている。「あ、姉貴がそんな恰好してるからだろ!」「なによぉ、あたしのせいにする気?」「いや、全面的に姉貴のせいだろ!」「あんたがスケベなのよ!」「うぐ!?」 姉貴のフックが俺の腹に決まった・・・骨、折れたんじゃないか? けど、そんなどつき漫才は、こんな所に来て二人とも緊張しているせいだった。早々に風呂場を退散した俺はバスローブを着てベッドに腰を下ろしてから、突然思い出した。(ここ、ラブホテルなんだよなぁ) 改めてそう感じる。ピンク一色のけばい装飾品。一人分よりかなり大きいベッド・・・つまり、セミダブル。ベッドのはしにはテレビが置いてあるが、やはりつけたらそーゆービデオが流れているんだろう。 変な気持ちだった。いつもやっていることが、とてつもなく凄いことに思えてきた。姉貴とのSEX。最愛の相手との、同棲生活。恋人との会話。「だからかぁ」 今、初めて気付いた。そうだ、俺が、ずっと抱き続けていた違和感。それは、姉貴に対する思いだった。本気で愛していたのに、自分ではそれに気付かず。それでも抱き合い続けていた。最愛のSEX-Friend。そんな、矛盾した微妙な関係が、違和感の原因だった。「辰哉」 振り返ると、姉貴がいた。さっきと同じ、バスタオルを巻いただけの姿。しかし、今は自慢の髪を洗い、全身から湯気を立ち上らせている。顔が火照っているのは、風呂のせいだろうか?「な、何か・・・緊張するな」 俺は立ち上がって、姉貴に近寄った。こんなに緊張したのは、生まれてはじめてだ。いつも抱いている相手なのに。いつも会っている相手なのに。・・・実の、姉貴なのに。「姉貴・・・・・・愛してる」「・・・あたしも」 俺たちは抱き合い、どちらからともなく、お互いの唇を求め、貪りあった。甘い。こんな味だったんだ。「俺ら、キスしたの、はじめてだね」「でも、最後じゃないよ」 姉貴が微笑む。最高の笑顔。俺は、姉貴の笑顔のためなら死んでもいい。 バスタオルを取った、姉貴の体。見慣れたはずの風景。恥ずかしげに体を隠す、姉貴。「綺麗だよ、姉貴」 俺はそう呟いて、ゆっくりと姉貴に手を伸ばした。柔らかい乳房。ツンと尖った乳首。「ああ」 姉貴ののどから漏れる小さなあえぎ。いつもと同じ事。だけど、その全てが新しく、感動的で、俺を打った。「た、辰哉!?」 姉貴が悲鳴交じりの声を挙げた。姉貴の視線が向いていないのをいいことに、俺が、姉貴の足を思いっきり開いてやったのだ。「な、何やってんのよ、止めなさい!」 前から一度はやってみたかったが、何となく抵抗があった。だって、俺自身がぶちまけているところだ、嫌だろ、想像したら?でも、その時俺は何も考えてなかった。ただ、姉貴が愛おしかった。だから、俺は姉貴自身に、口をつけた。「お返しだよ、さっきの」 そう言い返して俺は、姉貴の柔らかな茂みの奧に舌を這わせた。ゆっくりと、だんだん姉貴の体の中に、俺の舌が吸い込まれていく。しっとりと湿ってくる泉。俺がはじめて味わった、「姉貴」。それは、とてつもなく甘美な味だった。「いやぁ、タツ、やめて・・・ダメ、そんなトコ・・・」「なんで?結構いけるぜ?」 顔を上げた俺の前に、すっかり上気した姉貴の顔があった。真っ赤になって汗をかいている姉貴の顔が、凄く色っぽい。「・・・・・・」 俺たちは再びお互いの唇を奪った。「!?・・・」 姉貴の舌がぬるっと入ってきた。一瞬ビックリしたけど、俺は姉貴を迎えた。・・・あれ?今、俺の口の中って、「姉貴」と「姉貴」が会ってるって事か?「姉貴・・・」「辰哉・・・」 ゆっくりと俺は、一物をとりだす。すでにビンビンにそそり立っているそいつを、俺は姉貴の淵に、さっき俺が散々舐め回した、その淵にあてがった。「ゴム、ねえよ?」 上気した姉貴の顔が微かに笑む。「いいよ」 ゴクリ。・・・初めて関係した夜。もう、一年以上昔のことだ。あの日、以来。もしかしたら、心の中ではずっと憧れてきたこと。「いくぜ?」 姉貴の頷きを見ながら、俺は、自分を、姉貴の中に、入れた。「・・・ああっ、・・・は、はじめてやるみたい・・・・・・」「お、俺も・・・」 ぐっと俺を引き入れる、生の、姉貴のもの。「あ、ああっ、タ、タツ!きょ、今日のあんた、かっこよかったよ!!」「姉貴・・・!」「これからも、ね、これからも、ずっと愛してるからね!」「姉貴!!」「ね、タツ!ね、もっと!もっと!!今日は、さ、先にイッたら、許さないからね!!」「あ、姉貴こそ、一人でイくなよな!」 姉貴の腰と、俺の腰が、加速度的に早くなる。「はぁあッ、ああん、い、いいッ!タツ!もっとぉ、もっとぉ!!」「最高だよ、姉貴!!」「ああッ!いいっ、辰哉ァッ、気持ちいいよぉッ!」「姉貴!姉貴!姉貴!」「いっ、ああッ!辰哉、イッ、イくッ、イッちゃう!!」「お、俺も!あ、姉貴、俺も!イく!!」「タツゥ!!」5 そんなわけで、姉貴と俺の同棲生活はどんどんエスカレートしてる。あそこまでいっちゃうと、なかなかお互い満足できなくて、最近ますますヤバくなってるのが、我ながらちょっと怖い。 あの日、俺たちは結局朝帰りだった。アパートに入るところで、ちょうど駅へ向かうところだった浩介たちと出会い、散々文句を言われた。姉貴は無情にも先に行ってしまい、俺は何をどう弁解すればいいのだか、しどろもどろになって大いに焦った。なにせ、ただでさえ事情が事情だ、しかも昨日はほとんど寝ていない。「あ、いや、つまり、その、」なんて事を言っていたら、そこへ「おい、電車間に合うのか?」 という浩介の素晴らしい一言、これが効いて木村たちは帰っていった。「サンキュ、親友」「何がだ?」「いや、別に、ま、ちょっと色々あってな」「有紀さんと楠本さん、別れたのか?」「ああ」「ふうん、じゃ、また俺にもチャンスが巡ってきたわけか」「はぁ?」 まだ諦めてなかったのか?悪いな、姉貴は俺が・・・・・どうでもいいが、眠い。姉貴に邪魔されず、ゆっくり寝たい・・・「実の弟に手を出すくらいなら、近くにいい男がいるって、伝えといてくれ」「ふぁぁ、はいはい。じゃ、また・・・・・・・・・い!?」 あくびしながら背を向けて、そして、その体勢のまま、硬直してしまった。こいつ、・・・気づいてたのか!? Sister Panic 完。[2002/02/08]
小説(転載) もう一人の…… 近親相姦小説 05 /20 2018 掲載サイトは消滅。いろいろ仕掛けがあってついつい読み進んでしまう作品だ。「・・やだ・・お兄ちゃん・・あんまり見つめないでよ」 千夏が頬を染めながらかなり大きめな乳房を両手で隠そうとした。そのシャツとブラジャーを取った恵一はやんわりと千夏の両肩を掴み、そのまま身体を引き寄せる。次の千夏の抗議の声は恵一の唇でほとんど塞がれた。少年が少女の口を貪る音だけが応接間に響く。「・・キスもだいぶ上手くなったんじゃない?千夏」 ようやく唇を離した恵一はことさらに余裕をみせるように囁いた。キスの余韻でとろんとなっている千夏が反応するまで、ややかかる。「上手くなったって・・そんな・・あ、お兄ちゃん!」 千夏が恥らっている隙に恵一は千夏の両手をそっとずらし、その下から現れたピンクの乳首を素早く唇にふくんだ。こりっ!とした感触が舌にくると同時に、千夏の口から押さえきれないあえぎが漏れる。 最近の中学二年生としては小柄な千夏だが、ここだけは――胸の二つの塊だけはたいていの大人の女以上であった。その谷間には恵一の顔も肉棒も隠れてしまうくらいだ。その上、ピンクの乳首を中心としてその全部の感度も最高に良好ときている。「ほんと大っきいね。秀美どころかお母さんより大きいんじゃないか?」「もう!」 千夏が恥ずかしそうに――しかしやや誇らしげに笑った。確かに十四才とは思えぬ巨乳である。恵一の掌だけでは揉み尽くせないほどだ。その分、やっぱりパイずり向きであって… 悪戯めいた微笑を浮かべて千夏は身体を下げる。そのまま恵一のパンツを剥ぎ取り、その中から弾け出た赤い肉棒を手馴れた仕草で胸の谷間の奥深くに挟み込んだ。恵一が止める暇もない。いや、止めるどころかお気に入りの…「う…んん――飲み込まれるみたい…いや食べられてしまうみたいな…」「いいのよ。お兄ちゃん。このまま、出して――全部飲んであげるからぁ…」 恵一の決して小さくはない肉棒は完全に千夏の二つの塊に飲みこまれている。わずかに先端だけが顔を覗かせていたが、それを千夏の赤い舌がアイスキャンディーのように嬉しそうに――そしてまったりとなめあげていた。 とても中学生とは思えない粘りつく愛撫に恵一は声もまともに出ず、ただただあえぐだけである。そして、肉棒を包み込む熱い感触にひたる恵一以上に千夏の目元もとろんとしてきた。「あ……」 恵一の細い声と同時に白く熱いミルクが飛んだ。ちょうど半分口を離していた千夏の顔と胸一杯にピチャッ!と熱いものが飛び散る。急いで少女は口を当てたが、半分も受け止めることはできなかった。「あー―ン。もったいない!」 そう言いながら千夏は指と舌を動かしてその熱い男のミルクを全部口に入れようとする。なんともエロチックな光景であった。恵一がうっとりとそれに見とれてしまう。「なに、幸せそうにしてるのよ!お兄ちゃん!出す時はちゃんと言ってくれる約束でしょう!」「ごめん。だって千夏のおっぱいと口があまりにも気持ちが良かったのだから」「ぷーー!」 可愛くふくれながらも千夏はミルクをふき取り、その全部を赤い舌で舐め取った。それも実においしそうに――恵一としては嬉しさと誇らしさを感じる反面、スイッチを入れられた様に何かが盛り上ってくる淫靡な光景で――「え?キャアッ!」 恵一は力まかせに千夏の身体を抱きしめるとそのままベットに押し倒した。キャアキャア叫ぶ――悦ぶ――千夏の声を無視して乱暴にスカートと下着を剥ぎ取る。恵一の下で中学生の薄い陰毛と白い下腹部が恵一の目の前に剥き出しになった。「え?あ、ちょっと!いきなりそれは…恥ずかしい――ヒイッ!」 千夏の抗議をものともせずに恵一はその剥き出しの中心に――股間に顔を突っ込んだ。頬に陰毛がさわりと触れ、舌が真っ赤な秘肉に突き刺さる。指だって黙ってはいない。千夏の声はすぐに悲鳴まじりのあえぎに変った。「い、いや…そんな…クリちゃんをそんなに…ヒッ!指を中でぐりぐりしないでぇぇぇぇっ…もう、すぐいっちゃうぅぅぅ…」 クリトリスを中心に舐め上げ、丁寧に人差し指を秘肉に肉襞に刺しこむ。恵一しか知らない肉壺はすでに濡れ濡れであった。初体験してから三ヶ月――千夏の弱点は十分学習済みであり、その恵一の執拗な愛撫に、千夏の秘所からは垂れ流すかのように愛液が流れ出ている。このままなら、もう少しで―――「だめっえぇぇ!お兄ちゃんも一緒じゃなきゃあぁ!」 恵一の愛撫に感じながらも思いっきり千夏は身体をよじった。指と舌だけでいかされるのが我慢できないのであろう。このまま、いやいやさせながら絶頂にいかせるのも面白いのだろうが、その千夏の痴態に、すでに恵一の下半身も限界であった。「じゃあ、ご褒美あげる」 恵一は身体を上げ、千夏の上にかぶさった。さっき存分にミルクを吐き出したのが嘘のように硬くなった肉棒が千夏の下腹部にあたる。千夏はそれを夢中で掴み、その熱さに熱狂しながらも自分の――中学生の秘所にあてがった。「よしよし、良い子良い子――そら!」 恵一が腰を突き出す。その肉棒は滑るように軽やかに千夏の肉壺に突き刺さった。同時に千夏の口から二オクターブも高い悲鳴が漏れる。それが合図のように恵一の腰が乱暴に動き始めた。「い、いやっ。お兄ちゃん…奥まであたるぅぅ…ぜ、全部入れてぇぇ――全部かきまわしてぇぇっ…」 経験もまだ浅い恵一の動きは決して上手い方ではない。だが、千夏には自分の中で暴れているのが恵一であるということだけで十分であった。目が眩むような快感に痺れながらも下から両手で恵一にしがみつく。まだ着ている恵一のTシャツが邪魔らしく、無意識のうちに引き破りそうであった。「そ、そんなにあそこに力を入れるなよ。もう出ちゃいそうじゃないか」「いいの…出して。一緒にいくからぁ」 あまりの千夏の乱れっぷりに少しインターバルをおこうとした恵一を千夏は許さなかった。「出してよぉ――千夏の中へ…。に、妊娠したって構わない。お兄ちゃんの子供なら産むからさぁ…いや、お兄ちゃんの子供が欲しい…」 快感に朦朧としながらの千夏の囁きに恵一はすぐにも限界に来た。淫らさに嬉しさ――そして肉棒から頭のてっぺんまでの快感の電撃に、ついに我慢が切れてしまう――爆発は盛大であった。「あ……お兄ちゃんのが入ってくる…」 中学生の肉壺に高校生のミルクが流しこまれる事実を、ドクドクと言う感触によって二人は身体で感じ続けた。 たっぷりと互いの身体と淫らさを堪能しての休憩の後、恵一は千夏の頭を優しく抱きながら囁いた。「まだ、伯父さんには絶対内緒だよ」「うん」 千夏は恵一にはあくまで従順なのである。それこそ実の妹以上に――「お父さん、あたしがお兄ちゃんとSEXしているなんて言ったら、ただですませてくれるわけないもんね。従兄弟でもなんでも、とにかく異性問題にはうるさいんだから」 日常、“お兄ちゃん”と呼んではいるが、実は恵一と千夏は兄妹ではない――従兄妹同士なのである。千夏の父の秀行と恵一の母の恵美子が兄妹なのだ。 恵一の実の父は家族を省みない極めつけの放蕩者だったので、母の兄である秀行伯父がこまめに恵一達一家の面倒を見てくれていた。恵一の家が破産しなかったのも、父親が残した膨大な借金や愛人達や隠し子等の後始末も、そして母子家庭になってからの家族の十分な生活も――全て伯父秀行のおかげなのである。恵一ら家族は――双子の妹の秀美も含めて――この伯父だけには頭が上がらない。――と言うより上げてはいけない関係なのであった。 そして千夏はその伯父の一人娘である。家が近く、また伯父が甥姪達の面倒も見なくてはならないという状況から――また、千夏の母が早くに亡くなってしまい、叔母が姪の面倒も見なくてはならないと言う事情もあって――子供達は本当の三人兄妹の様に育ったものである。だから恵一の実妹の秀美は恵一を“兄貴”と呼び捨てにするのに対し、従妹の千夏は昔からごく自然に“お兄ちゃん”と呼んでいたのであった。 そんな二人がこう言う関係になってしまったのは三ヶ月前の初夏の事である。恵一も千夏も、まあそれなりに恥ずかしい――男はまだ高校生で、それ以上に女は一昨年には小学生だったのだから――ものではあったが、そこはそれとして二人は幸せであった。環境のせいかもしれないが、それこそ“家族”のように仲むつまじい二人だったからである。たとえこのまま結婚すると言ってもどこにも違和感はなかったであろう。 時計の針が二時を示していることに気がついた恵一は、慌てて服を着ると共になごりを惜しんでごねる千夏を強引に送り出した。こんなシーンを家族に見つけられたら大変なことになる。母や妹も怖いが、万が一にでも秀行伯父にでもばれでもしたら…危機感の薄い千夏はふくれたが、どうせこっちは夜の電話一本でどうとでもなるんだし。 とろけるような時間から追い出されて、ぶうたれた千夏がマンションから帰ってから正確に二十分後、予定通りというかなんというか――母の恵美子と双子の妹の秀美が池袋の買い物から帰ってきた。「ただいま!」 ショートな髪の妹の秀美は従妹の千夏とは違い、背も高く全体的にすらりとしている。亡くなった祖父母らは母親の子供の頃とそっくりと言っていたが、恵一には子供の目から見てもしっとりとして女らしい恵美子とは明らかに異質に見えた。(これがほんとにあんなに女っぽくなるのかなあ。やっぱ、千夏のほうが将来を期待できそうだけど――三才下にも関わらず、胸もすでに越えているし)「?何を見てんのよ!兄貴。また、何かの悪口でしょう!」「いやそんな・・」「いーーや!兄貴がそんな顔をしている時は何か口に出せないこと考えてんのよ!白状しなさい!」 妹の鋭い追及に、考えはともかく、確かに口に出せない事をしたばかりの恵一はほうほうのていで自室へ逃げ出した。元気でうるさい妹である秀美がその後姿に何事か怒鳴る。まあ、いつもの仲の良い光景であった。 この時、普通なら一緒になって騒ぐはずの母の恵美子が、意味ありげな無言でそんな二人を見つめていたことに子供達は気がつかなかった。 恵美子が子供達を応接間に呼んだのは夕食の後片付けとみんなの入浴が終わってからのことである。恵一と秀美は滅多に見ない母の難しい顔とその前に置かれたラジカセにさすがに違和感をおぼえたのだった。「二人ともそこに座りなさい」(わ……) 母の硬い声に子供達は首をすくめながら急いでソファに座る。いつもは明るい母だが、そのぶん怒ったらとても怖いのだ。(あたしは何もしていないからね!) 秀美がソファの隣の至近距離で睨む。大丈夫だと自分に言い聞かせながらも、一抹の「まさか」――と言う思い当たることのある(しかも、ついさっき)恵一は背筋をやや涼しくしていた。「今日はあなた達に重大なことを言わなければならないの。面倒な追求は嫌だから単刀直入に言うわ――まず、これを聞いて」 恵美子の指がカセットのボタンを押した。一拍置いて“声”が流れる。数秒後、秀美が“?”となり、恵一の血の気が引いた。「何よ、この甘ったるしい悲鳴は?ひょっとして――従妹の千夏?」「これを聞いてわからないなんて…秀美はまともなのね。お母さんはうれしいわ」 わざとらしく恵美子がまなじりを押さえる。二人の子供達は同時に“やばい!”と感じた。こう言う変にふざけている時こそが母の本気の時なのだ。「秀美にだけ教えてあげるわ。これはあなた達の従妹の千夏ちゃんがSEXしている時の声よ。今日、隠しマイクで録音していたの」 秀美はすぐには母の言っている意味がわからなかった。その隣の恵一はもちろん母が言う前から意味を理解し、蒼白になっている。それには気がつかなかった秀美が数秒後に悲鳴を上げた。「えーーーー!千夏が!だって、あの子、まだ中学生になったばかりじゃん!そ、それがせ、SEXなんて…どう言うことよ!」 わめき続ける秀美をひとまず置いといて、恵美子は息子に――今や石と化している――向き直った。その視線が恵一にはとてつもなく痛い。全ては、ばれていたのだ。「恵一。わかっているでしょうね」 母の声は息子には絶対零度に聞こえた。顔が引きつるのと秀美が驚愕の目をむけるのがほぼ同時である。舌が咄嗟には動かない恵一のかわりにまず秀美が絶叫した。「ま、まさか、兄貴なの!この千夏とセ・・しているのは!」 声と同時に兄の頬が妹に殴られ、にぶい音をたてた。かなり痛かったが、ここで文句を言えた義理ではなかろう。何より嘘の言い訳も出来ないほどにずばりと真実を指摘された恵一は石になったままである。秀美の目はそんなことでは許さないまでに燃え上がっていた。「なに考えてんのよ!千夏を――従妹で、まだ子供の千夏になんてことをするのよ!この馬鹿兄貴!」 恵美子が向き直った。手だけが動いてラジカセのスイッチを切る。今回の事をうすうす感づいていた母は盗聴機を息子の部屋にセットし録音するようにしてから、わざと娘と家を留守にしたのである。「恵一。あなたも健康な男の子なのだからこう言うことに興味を持つなとは言いません」 恵美子の声は息子の表情よりもさらに硬かった。「でも世の中にはやって良いことと悪いことがあるのよ。 秀美の言うとおりにあなたがその獣欲の対象にした千夏ちゃんはまだ中学生で、私達にとっては家族同然だったはず。しかもそのお父さんはあなたが――いや私達一家がずっとお世話になっている秀行伯父さんじゃないの」 事実である。恵一の父はどうしようもないろくでなしで、受け継いだ膨大な遺産を食いつぶす事と家の外で女性問題を起こす事しかできない男だった。その後始末を全て黙って行い、父が何十何人目かの愛人に自業自得で刺殺された後に恵一達一家の面倒を見たのも秀行伯父である。今、住んでいる板橋のマンションを世話したのも、恵美子を自分の建設会社の役員にするという方法で一家の生活費を出しているのも全て秀行伯父なのだ。 確かに普通ならば世の中で一番遠慮しなければならない人であった。その一人娘を――しかも中学生の千夏を欲望の対象にするなどは絶対にあってはならない事であろう。しかし――「ちょっと待ってよ。母さん!」 急に恵一の舌と表情が石になるのをやめた。母の言うことはよくわかる。しかし、それは違うのだ。「俺は千夏で遊んだわけじゃないんだ!本気で好きだから愛し合っただけなんだ!確かに中学生には早過ぎることをしたのも、早まったのも認めるけど――ふざけたつもりじゃない。本気で俺と千夏は愛し合っているんだよ!」 恵一は自分でもびっくりするような大声を出した――しかし出しすぎとは思わない。ここでちゃんと言わなければ千夏が可哀想だし、言えなければ恵一に千夏を好きだと言う資格は永遠にないであろう。「はやまったのは認める。謝る。ごめん! でも千夏とのことはいい加減じゃないんだ。中学生相手に高校生が何をと思うかもしれないけど、俺達は真面目に付き合っているんだ」「あ、兄貴・・」 恵一の突然の絶叫に、唖然としたのは秀美だけで、恵美子は微動だにせず、氷のような目で息子を睨みつけた。これが嘘も冗談もない状態であることは恵一にはわかる。全身に力を込めて、次の母の叱責を待った。「では恵一は千夏ちゃんと本気で愛し合っていると言うのね」 意外にも母の声は柔らかで――しかし、目はまだ本気のままだった。「――うん」「ちなみにそれは将来の結婚をふまえてってことなの?」「え・・けっこん?」「結婚をして生涯の伴侶として千夏ちゃんを考えているかってことよ。いい?最近のあなた達のお友達は“愛しあっているからSEX”みたいに、自分達の欲望を満たす事だけしか考えないみたいだけど、そんなのはその時にその相手に欲情したという意味しかないのよ。 私達の世代が古いのかもしれないけれど、本来、愛と言うのは一生相手を慈しむことなの。そしてその具体的表現が結婚なの――本気で愛していると言う恵一に千夏ちゃんをそこまで大事にする覚悟はあるの?」「………」 ここで『はい』と答えられれば格好良いのであろう――男としては。 しかし、恵一の口はすぐには動かなかった。無理はない。だって――「そ、そんな・・お母さん。兄貴はまだ高校生よ。千夏なんて中学生…」 さすがに心配げに援護に回った秀美の言うとおりであろう。高校生と中学生(!)に結婚を前提に話をしろと言うほうが無茶である。いくら、もう最後まで“やっちゃった”とは言え・・「年齢なんて関係ないわ。私達は身内です。身内である以上、こう言うことはただの遊びじゃすまないの。縁でも切らない限り、身内中の記憶にずっと残ることなのだから!」 恵美子の言う事にも一理ありそうで、秀美は黙ってしまう。だが恵一は違った。「じゃあ――いや、け、結婚する!僕は千夏と遊びで付き合っていたじゃない。真面目だったんだ!」 ここまで言われれば男の恵一にも意地があろう。売り言葉に買い言葉だったかもしれない。言ったと同時に自分で呆然ともしたのである。何か空気の色が変ったような衝撃が室内に走った。「あ、あにき…」 秀美のつぶやきがどこかで聞こえる。冷静に聞けば恵一以上に恐慌状態にあるのがわかったであろうが、そんな余裕は兄にも妹にもない。 「判ったわ。恵一の気持ちは。あなたは本気なのね。女に対しては・・では千夏ちゃんとSEXしたことは責めないわ」 恵美子は静かに言った。意外な反応に恵一はやや驚く。では、納得してもらえたのであろうか?秀美のほうは事態がそのまま決着しそうな気配に本気で目をむいた。でも動転のあまり抗議も疑問もにわかには出ない。「でも駄目よ。恵一」 それぞれ別方向の高揚状態にある兄妹に――しかし、母は断ち切るように宣言した。「あなたと千夏ちゃんは絶対に結婚できません」「?え・・何故!?」 恵一としてはそう叫ばざるをえない。ここまで男が――半人前とは言え――決意して、勇気を出して、それで拒否されては立つ瀬がないであろう。親戚とは言え、法律的には従兄妹同士ならば結婚はできるはずだ。それくらいは恵一にも判る。 自分が秀行伯父に認められないほどにつまらない人間だとも思わない。いや、千夏のためにもそれであってはならないわけで―― 恵美子は二人の子供を交互に眺め、やや間を置く。目が本気だ。子供達にもそれはわかり、こちらも口を止めてしまう。それを確認してから恵美子は静かになった部屋の空気をさらに一変させることを、ゆっくりと――しかし、はっきりと言った。「あなたと千夏ちゃんは従兄妹じゃないの。実は血のつながった異母兄妹なのよ」 空気が凍結した。兄妹が台詞の意味を理解できなかったからではない。母が冗談を言ったからでも断じてない。ただ、その意味があまりにも予想外で――しかし信じられないとは言えないものだったからであった。「もちろん、世間が知っている事ではないわ。子供達の世代のためにも公表できる話ではないからね。今ではこの事を知っているのは私と兄さんだけよ」 恵一と秀美は思わず互いを見つめた。二人とも死んだ父親がどれほどのろくでなしだったかについては嫌と言うほど知っている。恵美子の言うとおりだとすると、父親はさんざん無恥な面倒を義兄に助けてもらいながら、その妻と不倫したとなるが――ありえないことなどとは断言できなかった。あの父親ならそう言う非道の可能性は十二分にあるのである。「まあ、亡くなった義姉さんには悪い話だけどそういう事なの。嘘じゃないわ。 判った?だから恵一は千夏ちゃんとは結婚してはいけないのよ。異母とは言え、近親相姦になるのだもの」 母の宣告を確かに聞きながら、二人の兄妹は呆然とするしかなかった。恵一の上半身が倒れるかのようによろけ、慌てて秀美が支える。その背を押さえた妹の両手も笑いたくなるほどに大きく揺れていた。「じゃ…じゃあ…僕は…千夏と…」「そ。近親相姦してしまったと言うわけ」 声と身体で震える息子に恵美子はしごくあっさりと宣言した。傍らの秀美が今の兄の気持ちを考えて思わず抗議したくなったくらいに――しかもそれだけでは終わらなかったのである。「異母とは言え、実の兄と妹でよ。まあ好きでやったのかもしれないけど大変なことよね。いったいどうこの始末をつけるつもりなの?恵一。 あなたがどうこうじゃないわ。千夏ちゃんになんと説明するかよ。まさか『妹だったからもう駄目だ』なんては言えないよね。何も知らない千夏ちゃんに『近親相姦』と言う一生ものの重荷を背負わせるわけにもいかず――かと言って普通に別れるには、このテープの声からも千夏ちゃんが納得しないでしょう。どうやら恵一が最初の男で、しかもぞっこんらしいし」 母の口調は淡々ではあったが、恵一にはこれ以上もなく辛い、意地悪なものであった。「どうするの?普通、男が責任とるって言ったら“結婚”だけど、あなた達は兄妹だからねえ――本物の近親相姦だもの。まあ、知っているのが身内だけだから、世間には誤魔化せるかもしれないけど。問題は当人同士よ。 恵一。あなた、妹と知った上で、今日みたいなことが出来る?このテープだと、子供と思えないくらい熱烈だったけど、今後もこれが出来るかしら?そうでなきゃ、結婚は出来ないわ。つまり責任は取りようがないのよね―― ま、しかたないか。実の兄妹なんだし、たまたまSEXしたかっただけの仲だったんだし――」 あまりの母のいいざまであろう。そこまで言われては恵一はともかく千夏が可愛そうである。恵一の脳裏に千夏に真面目だった分だけの爆発が起こった。「そ、そんなんじゃない!じゃ、するよ、結婚を!近親相姦なんて知った事か!僕は千夏と結婚する!絶対にしてやる!」 恵一の絶叫は必死の覚悟――というよりどちらかと言えば、またも売り言葉に買い言葉であった。その証拠にあまりの異常発言に何度めかの目をむいた秀美を見て、一瞬だが後悔のような――或いは羞恥心のようなものが胸を刺した。わざわざ秀美に指摘されなくても、これはとんでもないことなのだ。何せ異母とは言え、兄妹相姦での結婚をすると言っているのだから…千夏への愛は確かに本物なのだが、そうであってもこれはあんまり… しかし、母の応えは子供達の常識と想像力を超えきっていた。「あ、そう。そう言う覚悟なら判ったわ――本気なのね。 じゃ、もう責めない。初志貫徹して千夏ちゃんと堂々と結婚しなさい」 子供達は一瞬何を言われたか判らず、次の瞬間には自分の耳を疑った――疑わざるを得なかった!「反対しないって言っているの。賛成よって認めているの。何よ。二人とも馬鹿みたいに口を開けて」 自信――と言うより日常的過ぎる母親の声に子供達は唖然とする。どちらかは自分の耳をもう一度疑い、もう一方は母親の頭を深刻に心配した。「な…何言ってんのよ、お母さん!」 唖然としたままの恵一の隣で、聞き間違いでも冗談でもないと確認した秀美は絶叫した。そうであろう。それが常識というものである。「兄貴は実の妹の千夏と結婚するって言ってのよ!従妹じゃないのよ。実の兄妹なんでしょ!近親相姦じゃない!」「あら、判っているわよ。でも、近親相姦のどこがいけないの?」 あまりにもあっさりとした母の反論に秀美はのけぞった。まさかそう切り返してくるとは――近親相姦が悪いなど天下の常識ではないか。秀美は急いで母の顔を見る。微笑すら浮かべている表情は狂ったわけでも、錯乱しているようでもなかった。「ど、ど、どこがいけないって――法律で家族同士じゃ結婚できないってなっているじゃない!」「だーーいじょーーぶ!戸籍上では恵一と千夏ちゃんはただの従兄妹同士よ。結婚は出来るわ。役所も世間も文句は言わないって」 顔色も表情もパニック状態の娘に比べて母はむしろ楽しそうですらある。後で子供達が思い返してみると、この時の母は絶対に確信犯であった。「戸籍が何とかなれば言ってもんじゃないでしょう!こんなことがよそに知れたらどうすんのよ!」「それもだいじょーぶ。このことを知っているのは私と秀行兄さんと、たった今から恵一と秀美だけよ。千夏ちゃんですら知らないわ。この四人が黙っていれば永久に他の邪魔な奴に騒がれる事はないの。秀美だってお兄ちゃんの幸せを壊したくはないでしょうから、この重大秘密は守るわよね?」 母の笑顔の脅迫である。そして、そう迫られると“守る”と素直に言えないくせに、その兄の前で“ばらす”とも怒鳴れない秀美であった。しかし、交互に青と赤に顔色を変化させながら何とか攻撃を続行する。「で、でも、近親相姦って産まれる子供に問題が出る可能性が高いんでしょ。やっぱり、やっちゃ駄目よ」 これには恵一も、“どきっ!”とし、思わず息を呑んだ。そうなのだ。確かに近親相姦はそう言われている。それが怖くないとは興奮した恵一でも言うわけにはいかない。自分だけのことではないのだ。今後の千夏とその子供の人生にかかわってくることなのだから… しかし、これに対する母の反論は今夜最大に想像を絶するものであった。「あ、それもだいじょぶ。可能性なんて大して悪くもないわよ。実際、それで産まれたあんた達がこんなに健康じゃない」 最初、子供達は母が何を言っているか判らなかった。恵一が健康だから近親相姦で産まれる子供も大丈夫――そう誤解しているのかと二人とも思ってしまう。しかし、母の主張はそんな甘いものではなかった。「いや、だから、お母さん。誤解してるよ。あのね。兄貴の健康問題じゃないの。兄貴が本当は実の妹の千夏と結婚した結果、産まれる子供のことを問題としているの」「だから、これは恵一とあんたの健康問題が参考となるのよ――だって、あなた達も近親相姦で産まれた子供なんだもの」 心臓が止まる音というものが外に聞こえたとしたら、部屋中にその音が二回ほど鳴り響いただろう。兄妹は母の説明を理解するのに一分以上かかり――気絶せんばかりに絶句してしまった。「だから言ったでしょう。千夏ちゃんとは異母兄妹だって。どうやら、あんた達は死んだ義姉さんがあのクズと不倫したと誤解したようだけど違うの。 あなた達の本当のお父さんが、“あたし”の秀行兄さんなのよ」 母の説明が硬直した兄妹の鼓膜に鳴り響く。言っていることは単純なのでよく判る。しかし、それでも二人は身動きも出来ない。何せ、自分たちが兄妹相姦によって産まれた命だと宣言されているのだから――「あ、でも誤解しないでね。兄さんが無理矢理どうこうしたからと言うわけじゃないのよ。私のほうが強引だったの。 ほら、お母さん、露骨な政略結婚であんなクズの妻になって、いろいろと不幸だったでしょう。だからその腹いせに――ひょっとしたらきっかけに――ほんとは世界で一番好きだった秀行兄さんに無茶苦茶せまったのよ。もちろん子供を産むつもりでね。 ま、あの堅物の兄さんだからかなりいろいろあったけど、そこは努力と作戦(笑)で何とかうまくいき、あなた達を産む事が出来たのよ。そのことについてはこれっぽちも後悔していないわ――兄さんはそうじゃないみたいだけど」 そう胸を張って宣言する母であったが、“はいそうですか”と納得できる内容では絶対にない。自らの出生のとんでもない秘密を今日初めて知った兄妹はもう声も出せず、身動きすら出来ずに、ただソファに座っているだけだった。「だから恵一が千夏ちゃんと結婚することについては、母さん、大賛成よ。『愛しあう兄妹の結婚』と言う私の代で出来なかった夢を、兄さんと私の子供である恵一が達成してくれるなんて…近親相姦冥利につきるってもんだわ。ほんと涙が出そう―― 私達の代が我慢したかいがあったのね。恵一と千夏ちゃんなら戸籍上は従兄妹同士だし、兄妹なんて秘密を知っている他人もいなく、文句も抗議もないしね。うれしい…ほんと、うれしいわ。恵一がどんな相手をつれてくるよりも、母さんうれしい」 何も言えない子供達の前で――そんな事は一切気にもせず――恵美子は一人だけで感極まっていた。「ああ、それから兄さんには私から話しておくから心配しないで。ほんとの事を言えばあの堅物も私には絶対に逆らえないのよ。あなた達の件もそうだけど他にも“掛け軸”事件とかいろいろあってね。 そうだ!兄さんも義姉さんを亡くしての千夏ちゃんとの二人暮しでしょう。これを機会にまた私達と同居するようにしようかしら。お父さん達はもういないから、私と兄さん、恵一と千夏ちゃんで暮らすのも良いかもしれない。どうせ兄さん、昔と同じく悪い所で“処理”しているでしょうから、そこは邪魔者もない状態でこの私が――」 自室に戻った恵一は呆然としたまま座った。ちなみに座ったまま従妹の――いや異母妹の千夏に口での奉仕をさせていたベットにである。しかし、この時はそんな日常的なことや楽しいことを思い出すような心境ではなかった。「妹だったんだよなあ・・」 一人だけの呟きが意識せずに唇からもれる。時計を見ればほんの三十分程度の家族会議であったが、なんと重く、驚き、信じられない時間であったろうか――内容も事実も、そして自分さえも。 恵一の脳裏にはほんの数時間前に抱いた千夏の身体全ての感触と最初から最後までの声が全て浮かんでいた。まだ高校生が言うには大げさすぎるかもしれないが、その全てが“最高”であったと思ったことは事実である。そしてそれが純粋な男から女への愛ゆえのものだと恵一は信じたかった――いや信じなければならなかった。たとえ異母兄妹とは言え、妻とする事を宣言したのだから―― 部屋の扉がノックされたのはその新しい感慨に兄が浸りきっていた時である。おかげで三度叩くまで妹は部屋へ入れなかった。「あ…秀美…」“どうぞ”と自分が言ったのだから入ってきた妹なのだが、兄はそう応えたことも無意識の上だったらしい。呆然とした恵一の顔を見てそうと悟った秀美は聞こえない歯軋りをした。「…座って良い?」「う…ん…」 それでも一応はしおらしく秀美はベットに腰掛ける。それから静かな時間がやや経過した。兄妹がお互いの気持ちと自分の表情に悩んでいる時間である。無理もない。恵一としてはこのまま無音ですんでしまいたい時間であり、今更、妹に――というより事情を知っている誰であれ、今日の話題だけは持ち出してもらいたくなかったのである。例え、覚悟の上のことだといっても… しかし、妹は違った。「びっくりしたよね」 主語抜きの――しかも、おずおずとした口調ではあったが、恵一にとってそれが何を意味するかは誤解がしようがない。具体的には、千夏の事、母の事、恵一の決断の事、そして自分達の出生の事――と複数あるのだが、その全てがたった一つの問題に収束されている――そう、兄妹相姦と言う…「ま、まあね…」 兄のおざなりの相槌に秀美はややきつい目で見返した。恵一は笑っている。照れ笑いのようにも見える―― 妹の奥歯が鳴った。「兄貴は、あたし達の本当の父親が秀行伯父さん――つまり、この二人が兄妹相姦による子供だと言うことをどう思う?」 質問内容の非常識さのせいで恵一は妹の表情の怖さには気がつかなかった。「うーーーーん。まあ、事実ならしょうがないんじゃない。今更ここで騒いだからといって事実が改善するわけはないんだし」 恵一の意見はもっともである。近親相姦がどうこうだとしても、母と伯父が過去にやってしまった事実を今更どう修正しようがあるというのか。まして、その結果で産まれたこの二人にとって、世間が何と言おうと近親相姦を否定する事は自分たちの否定につながりかねないのではないだろうか。「じゃ、お母さんが近親相姦してあたし達を産んだことを認めるわけ?」「………うん。だって、そうならばしかたがないじゃないか。確かにあんな迷惑であってもお父さんには悪いような気もするけど……でもお父さんのせいでお母さんがどれだけ苦しんだか。その始末の為に伯父さん――秀行さんがどれだけ苦労したかも知っているから――一概にどうこうは言えない」「そう言ってお母さん達の近親相姦を認め、ついでに異母兄妹の千夏との近親結婚も認めさせるつもりなんだ」 自分中心に考えていた恵一もさすがにこの妹の悪意には感づいた。「なんだ。その言い方は」「事実を言っているのよ。どうやら兄貴は近親相姦には抵抗がないわけね」 少しむっとしたがそう言われれば、その通りなのかもしれなかった。抵抗がない――とまでは言いきれないにしても、千夏とこれからもつき合う事も、そしていずれは結婚も――母の言うように全てを知っている伯父が許してくれるとも思えなかったが――何とか受けいられそうなのである。異常かもしれないが、そうでない未来よりはずっと望ましく感じられるのであった。「……………」 絶句してしまった兄を秀美は怖い目で睨んだ。論戦に勝ったと言って喜んでいるわけではない。むしろ妹の指摘を受け入れた兄に怒っているらしい。恵一の表情にほっとしたような柔らかい笑みが浮かんだ二瞬後に秀美は白い歯を牙のようにきらめかせた。「でもあたしは反対よ。兄貴が近親婚なんて出来るわけがないわ」 妹の強い口調にきょとんとする兄に秀美は続けた。「千夏が従妹だと思っていたから、せ――SEXできたんでしょ?でも実妹だと知っても本当にできるの?今日みたいなことが出来る?子供を作れるって言える?自信を持って? お母さんも言ってたけどそれができなきゃ結婚そのものが無理よ。ママゴトじゃないんだから」 突きつけられた妹の指摘にさすがに恵一は身構えた。言われてみれば一々もっともである。結婚すると言う事は具体的にはそう言うことなのだ。SEXをして、妊娠させて、子供を産ませて――それがどう言うことなのかを高校生の恵一には全て理解は出来ないが、大変である事だけは十二分に想像できた―――しかし。「出来る――いや、やる! 千夏が妹だと知らなかったとかじゃない。たまたま好きになったのが千夏だったので、妹かどうかは関係ないんだ。だから、ちゃんと好きになった――いや千夏が応えてくれた分の責任は取る。たとえそれが実の妹であったとしても」 答えはすでに決まっているのだ。そのことには後悔も何も絶対にない――はずだ。 兄の決意の声と表情を秀美は何とも言えない顔で見て、聞いた。その後、何かを考え、肩が震えるほどの深刻な表情になるが、自分に興奮している恵一は気がつかない。 ややしてから秀美は静かな声で問うた。「つまり、兄貴は異母兄妹の千夏とちゃんとSEXできるっていうのね」「も、もちろん」 そう言う話題だから仕方がないのだが、やはり妹から“SEX”などといわれると今の恵一でも気恥ずかしい。思わず頬の辺りが熱くなってしまう。 秀美がもう一度静かに言った。「じゃあ……“もう一人の”妹とは?」「え………?」 最初、恵一には何の事か判らなかった。口を開け、芸も無く聞き返す。その声と表情を確認してから秀美は急に怒った顔になった。「だから、“もう一人の”妹とはどうだって聞いているのよ!」 それでもまだ恵一には――秀美が怒っている意味も含めて――判らない。ようやく理解したのは真っ赤になった秀美の頬に気がついてからの事であった。「…“もう一人”って………お前のこと?」 しぼりだすような――自分でも他人のようなうつろな声が恵一の口かもれる。心底驚いているらしく口を馬鹿のように開けたままだ。「そうよ。あたしともセ…SEXが出来る?――って聞いているのよ!」 恵一は思わず妹の――同母同父妹の顔を見た。怒ったような表情であるが、はっきりと紅潮はしている。それが言ってしまった事に対して恥ずかしさをこらえている為の反応だとまでは、経験不足の恵一には判らない。判らないままに馬鹿な事を言ってしまった。「おまえと――てったって…兄妹じゃないか。そ、そんな…妹と…SEXなんて…」「妹?じゃ、千夏はどうなのよ!」 確かにそうであった。異母とは言え、実の兄妹でもかまわないと宣言したばかりではないか。千夏で良いのなら、秀美でも良いはずである――理屈では。「いや。そんな…千夏とは知らなかったからああなったんであって…」 しどろもどろもの弁明に秀美の視線が突き刺さる。冷や汗に近いものをかきながらも恵一は、仲の良かった妹から何故こんな追及にあうのかが理解できないでいた。やっぱり秀美は兄の近親結婚に反対なのであろうか。まあ、無理はないがーーーいや、それでは困るのであって・・「兄貴は妹相手でもSEX出来るって宣言したんだよ。お母さんは・・そのああいう事情から喜んでいるけど、あたしは納得できない。いくら愛してたって近親相姦なんてずっと出来るわけがない!」 秀美は叫んだ。視線を落としながら――その意味がわかるほどに恵一はまだ大人ではない。「だから!もし、兄貴が千夏と一生近親相姦できると言うのならば、あたしでそれを証明してよ!」 無茶苦茶である。言っている意味は恵一にも判るが――納得などできる意味ではない。思わず浮かんだ愛想笑いは事態を誤魔化そうとしたためである。しかし、秀美は――“もう一人の”妹は明らかに本気であった。「同じ妹のあたしと――妹とわかった上でSEXできるのなら納得もするし、今後の協力もするわ。もし出来ないって言うのなら、今晩のことを千夏に全部話す。その上で、千夏が兄妹婚でも良いって言ったら―今度は世間にもばらすわ」 (何故こんなことになったんだろう・・) どこかで呆然としながら恵一はベットの縁で腿が触れ合うほどの距離に座っている妹を見た。目を硬く閉じ、歯を食いしばりながらも顔は兄のほうに上げている。キスを待っているつもりらしい。兄の――実の兄の――妹である自分へのキスを。(近くで見ると意外に美人なんだな・・) 流れと勢いと必然とで妹とのSEXをやらざるを得なくなった恵一は、今は必要ない感想を浮かべる。他にする事がないからであろう――正確にはこれから先をしたくはないのだ。妹への近親相姦など――このまま・・ずっとこのままで朝がきたらどんなに平和であろうか・・「あ・に・き!」 兄の悪い考えを見透かしたような秀美の一言に恵一は半分飛びあがった。十七才がキスを待つ姿勢のまま三分も待たされていたのだから怒られて当然である。所詮、恵一にはじらすどころか、またせる権利も拒絶する自由もないのだ。なにせ、“もう一人の”妹を『人質』にとられているのだから・・「・・よし」 と言いながら恵一は妹の頬に両掌をゆっくりと伸ばした。信じがたい事だがその指先がわずかに震えているような気がする。 その指が妹の顎に触れた――そこも同じくらいに微妙に震えているのがわかる。しかし、緊張のあまりそれに対してどうこう考える事も出来ずに恵一は妹の唇を奪った。「……ん…」 唇が触れた瞬間、電気が走ったような感触が恵一の背中を走る。同じくぶるっと震えた秀美もそうなのかもしれない。(たかが触れただけのキスなのに―――) そう思いながらも恵一は自分の心臓の高まりをまざまざと感じる。それほどまでに妹の唇の柔らかさは吸い込まれるように魅力的であった。(え……っと……) キスはした。これからさらに舌をいれ、互いに口で口を愛撫しなければならない。 しかし、秀美はそうとは判らないらしく、キスをしながらも歯は硬くかみ合わせている。(こいつ、やっぱり……) やや強引に恵一は舌を押しこんだ。少しの抵抗の後、恐る恐る秀美の口は兄の舌を受け入れる。恵一の舌に暖かい感触がまとわりつくように広がった。 そのまま恵一は妹の口を舌で愛撫しつづけた。最初は技巧的であったはずなのだが、すぐに――本当にすぐに夢中になって舌を動かし口を吸う。それほどまでに妹の口は甘く美味しかったのだ。キスがこんなに官能的だとは初めて知ったくらいである。「…………」 兄に抱かれている秀美の身体もよじる様にしてうごめく。兄の執拗なキスに感じているらしい。そしてさらに兄の愛撫に応えようと拙いまでも舌をうごめかしたりしている。そのどれもが恵一には男としてたまらないほどに可愛く――淫らであった。(ち、千夏と初めてした時より……) 夢中になりながらも恵一は何とか次の動作を始めた。くっついたように動かない――と言うより二人とも動かせない――唇はそのままに右手をそっと動かし、妹のパジャマの下に入れる。その感触に秀美は一度だけびくり!と大きく震えたが、その後は覚悟を決めた様に兄の手を受け入れた。 恵一の右手はそのまま腰からそっと中へ入った。少し驚いたくらいに熱くなった――そして柔らかい肌が吸いつくようにして触れる。触っているだけで快感であった。(え……っと) まるで壊れものに触る様に恵一は大事に手を動かし、やがてその指先に妹の胸のふくらみを捕らえた。とても熱い。千夏とは違って、Aカップ強しかない秀美のそれではすぐに先端の――ピンクの乳首に触れる。そこは――そこだけは指に反撥を感じるほどに固くなっていた。(――感じているんだ……秀美も) 恵一はそのまま妹の乳首に優しく力を入れた。秀美の身体がまたびくん!と大きく動く。下から持ち上げるようにそっと揉むと動きはさらに大きくなった。「う………」 キスをしたまま秀美はいやいやをする。恥ずかしそうに声を出すのだけは我慢しているが、頬が紅潮し、目元がとろけそうになってくるのは止められない。恵一はさらに手を動かし、丁寧に妹の二つの乳房を愛撫した。(よ……し。それなら――上手くいけば誤魔化せるかも――) ふいに恵一の唇が妹の唇から離れた。「え?」と少し驚く秀美であったが、そのまま兄の手がパジャマを脱がせ始めると覚悟を決めるためか歯をかみ締める。「綺麗だね。秀美」 剥き出しになったほっそりとした上半身を見て、恵一は思わず呟いてしまった。秀美が恥ずかしそうに目を伏せる。傷一つついていない肌は白く、陶器のようにすべらかで、細い骨組みと薄い肉付き、そして小ぶりだが形の良い二つの乳房が――中性的な美しさの絶妙のバランスであった。たった今呟いたように“綺麗”としか表現しょうがなかったのである。 初めて妹を女として見たからその魅力に気がついたのであろう。いけないことかもしれないが、思わず“もう一人の”妹である千夏と比べてしまう。あちらは食べてしまいそうな巨乳を中心として豊満そのものであったが――(いけないいけない。これはいけない!) 脳裏に浮かんだ二つの妹の裸身を頭を振って振りきって恵一は身体をあずけ、そのままベットにゆっくりと押し倒した。秀美は抵抗しない。そして、口を妹の――今の――乳首に寄せる。こりっ!とした歯応えと共に空いてしまった妹の口から押さえきれないあえぎが漏れた。大きさは大分違うが、感度は“もう一人の”妹に負けず劣らずのようであった。「あ……あ、あにきぃ…そんな――」 無心に乳首を舌と歯で愛撫する兄の頭に妹のか細いあえぎが囁かれる。あえぎ声の可愛らしさといやらしさでも“もう一人の”妹に匹敵するようであった。真剣にやっている恵一の腰の辺りが無性に熱く、固くなって――困るほどであって――。「そ、そんな………歯をたてちゃっ――あああー―ん…」 兄の執拗な愛撫に秀美がたまらず、あえぎ声を大きくし、兄の頭を両手で抱きしめる。恵一はそろそろ良しと判断して、右手をさらに下げ、まだ着ているパジャマに指をかけた。さすがに秀美も次に何が来るかを理解して身を固くする。恵一は構わず、下のパジャマも脱がせた。「……………」 真っ白なパンティだけの下半身が二人の視界にさらけ出される。思わず恵一がため息をついたように足のラインの美しさも見事なものであった。かすかに染みが見える股間がなんとも言えずにいやらしい。ついつい、“もう一人の”妹と比べてしまった――タイプはまったく違うとは言え、優劣が本当につけがたく、いったい自分はどっちが好きなのだろうかと言う“いけない”考えが恵一の脳裏によぎる。「あ、いや!……」 思い切ったように兄の指がパンティの中に刺しこまれると、さすがに妹は抗おうとした。しかし、それで兄の動きが止まってしまうと――覚悟を決めたように静かになる。ほんの少しだけ足を開き、兄の動きを助けようとしているのが、恵一にはたまらないくらいに可愛く――それ以上にいやらしく思えた。(………濡れている――) 兄の指が妹の秘所に触れた。まだ薄い恥毛とその下の赤い肉襞はすでにしっとりと湿っていた。そして肌の部分はかなり熱い――兄の指はそのまま肉襞をゆっくりとなぞりはじめる。「ひ…ひぃぃ……そんな―――」 秀美の口からまたあえぎが漏れる。それが大きくなるのを待ってから恵一は人差し指を中に入れようとした。妹のあえぎがさらに一段と大きくなる。しかし、恵一の指先は十分な固さと抵抗を感じ、ゆっくりとしか動けない。(やっぱり…処女なんだ) 恵一は確認するように口の中だけでつぶやいた。処女を抱くのはこれで二度目だが――二度とも妹なのだが――落ち着いてなどはいられない。大きく唾を飲む音が自分でもびっくりするくらいに喉に響いた。しかし、今日は最後までするわけには――(秀美…悪いようにはしないからな―――) 兄はそのまま頭を下げた。かなり乱れてはいたが妹もさすがにぎょっ!とする。兄は妹のパンティを剥ぎ取り、秘肉を剥き出しにするとそのまま口をつけ、舌で肉襞を舐め上げ、指でクリトリスを愛撫し始めたのである。「いやっ!そんな――それだけは恥ずかしい……」 実の兄に女の一番大事で恥ずかしい部分をさらけ出し、さらに舐められていると言う事態に秀美も身体に力をこめた。しかし、恵一は逃がさない。そのまま執拗に愛撫を続ける。たまらず秀美のあえぎは悲鳴のように大きく――いやらしくなって部屋中に響き渡った。(…ほんと、姉妹一緒なんだな。「恥ずかしい」って言うことが一番感じるんだから) 二度目のせいか――あるいはもう一人の処女を開発した経験のおかげか。恵一の舌も指も、秀美が絶叫せんばかり巧妙にかつ途絶えなく動いた。産まれて初めての快感のすごさに秀美は腰を引いて逃れようとすらするが、兄の両手がしっかりと腰と尻をつかんでそうはさせない。 やがて――秀美には一時間も続いたような快感の嵐の果てに、秀美の華奢な身体は爆発し、脳裏が真っ白になった。 気がついたのは数分後であったろう。痺れあがる感覚がまだ続く中、秀美はようやく上半身を起こした。視界に兄の心配そうな表情が写る。「あ……そ、その――いっちゃったの?あたし」 思わず、自分で言った“絶頂った”という恥ずかしい台詞が秀美の意識をややさます。恵一が重々しくうなずいた。秀美はそのまま――全裸のまま兄の身体にしがみつく。「あにき――ありがとう。なんか――すごかったよ」 真っ赤になりながらもそれだけは囁く妹だった。もちろん産まれて初めてのエクスタシーであるが、それ以上にそれが兄によってもたらせられたことがより嬉しかった。「これで良いな?」 しかし、更なる妹の期待にかけられた兄の声は苦しそうであった。「え?いいって……」「今晩はこれで終わり。もう部屋に帰りなさい」「な、なに言ってんのよ!あたしは…」「おまえ――処女だろ」 妹の胸に楔を打ち込むように兄は断言し、妹の顔色が変った。「だから、実の兄の俺が軽々しくもらって良いもんじゃない。それは将来、好きな奴にあるためにとっておけ」 恵一は真剣であった。千夏とのことは仕方がない。知らなかったことであり、もう本気で愛してしまったからであり、何とか近親婚もできる状況だからだ。 しかし、秀美は違う。妹と言うことは産まれた時からわかっている。たとえ、本気で愛したとしても結婚や将来は持てないのだ。そう、たとえ、千夏以上に愛したとしても―――「もうこれで終わりにしよう。おまえも気がすんだだろう。お前はいい女だった。本音で言えば妹だったのが惜しいくらいに――だからこそ、ここでその大事なものを俺が奪うわけにはいかないんだ。お前が幸せになる為に使ってくれ」 秀美はうなだれている。説得をきいてもらえたのであろうか――違った。 突如、秀美は――その右手が兄の――恵一の股間をむんずと掴んだのである。恵一は悲鳴をあげる暇もなかった。「駄目よ!そんなこと言っても誤魔化されないわ!千夏の――千夏にはしたじゃない!同じ妹なのにあたしだけ放っとくのは差別よ!」 無茶苦茶なことを言いながら、遮二無二恵一のパジャマを脱がそうとする。恵一がその手を押さえようとすると秀美は右手に力を込めた――兄の肉棒を掴んだその右手に。「いたっ!ちょ、ちょっと!」 秀美は兄に悲鳴に構わず、切り裂くように叫んだ。「兄貴が好きだったのよ!あたしは――妹だからって我慢してたのに!」 思わず、恵一は痛さも忘れて口を開けてしまった。意外――とも違うが(こんなになっているのだから)、驚けないことでもない。愛の告白を受けたのは二人目だが、今は兄妹と知った上での告白である。前のとは重みも意味も違い――「それを千夏に――千夏なんかに横取りされて…兄貴は同じ妹だと判っても千夏を捨てないって言うし、しかも世間には知られていないから結婚も出来るなんて……ずるい!」 押さえていたものを爆発するように秀美は叫ぶ。その主張に恵一は身動きも出来ない。されるがままに服を脱がされ、妹と同じ全裸になってしまう。さらに女の秀美の力でベットにあっさりと押し倒されてしまった。「このままじゃすまさないわ。絶対、あたしも兄貴に愛してもらうんだから!妹の処女をもらって一生、あたしの事を忘れなくしてやる!だって、あたしは絶対に兄貴を忘れられないんだから……」 秀美によって恵一のパジャマとパンツが剥ぎ取られ、その下から現れたのは、硬直した――「あ―――ふん…さっきから身体にあたる感触で判ってたけど――兄貴も感じているじゃん」 誇らしげに――嬉しそうに秀美に言われ、恵一は返す言葉もない。さっきから――それこそ最初にキスしたと同時に下半身の肉棒が硬直していたことは事実である。自分でもその理由は――妹の身体に反応した理由は判らない――いや、認めたくなかった。そう“実の妹”とわかって欲情したなどとは――「――ねえ、これ――千夏にしゃぶってもらっているの?」 兄の硬直した肉棒を握りながら秀美はそっと囁いた。実際、その通りなのだが――そうは恥ずかしくて言えたものではない。しかし、その兄の躊躇だけで妹には全て理解できた。「じゃ、あたしも………いや、あたしだって!」 秀美は兄の返事もまたず、そのまま口を兄の下半身によせ――一気にその肉棒を咥えた。恵一の妙な悲鳴が口からもれる。それが妹に咥えられた羞恥心か、――それとも悦びによるものなのかは――今のここにいる誰にも断言できないことであった。「………!」 何事か呟きながら、秀美は兄の肉棒を舐めて――しゃぶりあげた。もう一人の妹より上手いとは言えないが――初めてなのだからしかたがないであろう。そもそもフェラチオの意味がまだ判っていないらしく、乱暴としか言えない舌さばきである。時折あたる歯が痛いくらいだ。 しかし、それでも恵一がすぐに反応し――いつもの半分の時間で爆発したのは何故であろうか?「う……ウー――!」 突然、兄の肉棒が破裂し、熱いミルクを口と喉一杯に叩きつけられた秀美は、瞬きできないくらいに驚いた。しかし、口は離さない。そのまま、どくどくと音を立てて兄の肉棒の先端から吐き出される男のミルクを全部吸い上げーー飲み込んだのであった。「秀美………」 妹は兄を口で愛撫し、その全てを飲みこんだ――その事実を目の当たりにして恵一の声がわずかに湿る。いけないことだとは思いつつも――うれしい。千夏の時と同じ位に――いや――。「あ、また固くなっている――熱い…」 兄の肉棒からようやく外した口で妹は笑った――まるで、勝ち誇ったかのように。恵一にはたまらない――淫らな笑顔で。 それから秀美は目の前の兄の硬直をやや見つめた。それから自分の胸を見る。Aカップ強の胸は乳首の先まで紅くはりつめてはいたが――「ひょっとして、千夏におっぱいでさせてた?」 優しい声ではあった――が、優しい気持ちで言っているわけではないことは恵一にも判る。思わず恵一の喉がごくりと鳴った。秀美にはそれだけで十分であった。「ふーーん。おっぱいでもしてたんだ――妹相手に。兄貴って意外といやらしいのね。それとも実はマザコンなのかな?巨乳好きって、みんなそうなんでしょ?」 恵一は応えない――いや何を言えと言うのだ。 正直言って妹の笑顔が初めて怖かった。しかし、股間の硬直は――妹の掌に握りしめられている肉棒は、恥ずかしいくらいにぎんぎんになっている。今から起きるいけないこと――兄妹での…――を非難する資格は恵一には絶対にないことを証明しているのだ。「いいもん!あたしのしたいようにするんだから!」 秀美はかなり怖い声で言いながら身動きの出来ない兄の上にまたがった。“確かに、秀美のAカップではパイずりは出来ない”などとくだらないことを考えた恵一の股間に妹の愛液の滴が幾つか落ちる。その熱さと淫香に兄の理性は思わず飛びそうになった。「ちょっと待て……やめろ!秀美」「駄目!するの!」 叫びざま秀美は大きく腰を沈めた。乱暴過ぎる動きである。いくらすでに濡れきっているとは言え、初めてなのだから―――「痛い!」 案の定、秀美の口から悲鳴が漏れた。最初でなくてもそう「するり!」と入るものではない。それでなくても、兄の肉棒は鉄のように固く熱く――大きくなっていたのだから。先っちょが入っただけであまりの痛さに決意も止まってしまったのも無理はなかった。ちなみにごつん!と肉棒をやられた恵一は最悪の意味での“突き指”に声も出ずに悶絶してしまう。「お、おかしいなあ。場所は間違っていないよね。あたし濡れているし、いくら初めてでも、そんなまさか、入らないなんて―――」 そう呟きながら秀美が腰を上下左右に動かす。本人は真剣なのだが、滑稽でしかない。もっとも洒落にならない恵一としては――このまま力任せにやられたらそれこそ折れてしまうかも―――絶対に笑い事ではなかった。「ちょ、ちょっと待て、秀美。無理するな。力を抜けよ。もっとそうっと――」「そんなこと言って、また誤魔化そうとしているんでしょ!」 目の怖い妹に恵一は力一杯首を振った。「違う!そうじゃない!SEXってのはそんな体力勝負じゃないんだ。もっと繊細なものであって――特にお前は初めてなんだからもっと優しくしないと――」「ふーーん。さすがに中学生の妹の処女を奪って、弄んで、結婚する人の言う事は違うわね」 悪意の塊のような秀美の主張である。恵一としては怒って良かったのだろうが――怒れはしない。先ほどの妹の告白と、今の事態と――何よりも下半身にさっきから音を立てて垂れている妹の愛液の熱さと意味が、男としての何かに強烈に訴えかけていた。「え……あぁっ!」 やにわに恵一は妹の腰を両手で抱えた。そのままゆっくりとコントロールして下へ――自分の、鉄のようになった肉棒へ誘導する。最初は驚いた秀美ではあったが、兄の真剣な顔を見て急に素直にならざるをえなかった。「あ………」 兄の固い肉棒の先端が妹の濡れた秘肉に触れた。そのまま恵一は秀美の腰をやや落とす。少しだけ肉棒が妹の中に入った。秀美の口から小さい悲鳴が漏れる。「だいじょうぶ。ゆっくり――優しくするから」 “もう一人の妹”――千夏で一度経験済みの恵一は妹よりは、まだ余裕があった。そのまま腰をゆっくりと上下させる。妹が痛がらない程度に、最後の瞬間まで――ここでかける時間と労力は大変だが、それは相手への愛情に正比例するのである。 そして今夜の恵一のそれは、処女の秀美であっても十分すぎるくらいにあったのであった。「あ………」 どれくらい時間をかけたのであろう。ゆっくりとした単調な上下運動によって、秀美の体は徐々に沈んでいった。やがて、肉棒が――兄の欲望が――全て妹の中に入る。秀美には痛みはあったが、我慢できないものではなかった。「…は、入っちゃった?あ、兄貴が――あたしの中に…全部――」「―――うん…」 不思議な感動が二人を包んだようであった。囁くように呼びかけながらも、そのままぴくりともしない。ただ、二人で――少しでも密着できるように、妹が兄に――入ったままに強く抱きしめあう。「ありがとう。兄貴。あたしの夢をかなえてくれて……」 妹に押さえつけられた恵一の首のあたりに泪のようなしずくが一滴落ちた。「千夏の事は許せないけど――ずっと昔から、いや子供の頃から兄貴が一番好きだったの。 でも妹だから結婚も愛も出来ないって知って…諦めていたのに」 妹の声が兄の脳裏にこだまする。きっと一生忘れない声だと、意味もなく恵一は確信した。「だけど、それなのに、処女を――あたしの“女”を兄貴にあげられるなんて――これも千夏のおかげかしら。それなら少しは――兄貴をあたしから横取りしたあの泥棒女に感謝しても良いのかも…」 千夏の腰が動き始めた。“自分の快感を追って”ではない。ただただ“兄の肉棒を満足させる”ためだけに!「最高の初体験だわ。あたし、これだけで人生終わってもいい!」 秀美は力一杯腰を動かした。秘肉がいやらしい音を立てる。それは下手だったかもしれないが、真剣であったのは――自分にも、そして実の兄に対しても――間違いなかった。「あ、で、出る―――」 そして恵一の身体と感情は――世間体とかよりは遥かに正直であった。自分でも驚くくらいに速く――さっき出したばかりだというのに!――脳裏と下半身が爆発する。その感触を兄と妹は自分の肉体の感触を通じてはっきりと――実の妹にだと言うのに!――そしてたっぷりと感じたのであった。「あ、あにき…いったのね。あたしの中で――あたしに感じて…うれしい。妹のあたしが兄貴の女になれたのよね………」 翌日、母の恵美子は恵一と千夏のことを秀行伯父に公表した。 子供達の予想通りに最初は唖然として声も出なかった秀行伯父であったが、何故か恵美子の静かな笑顔を見ると何も言えなくなった。ついでに従兄妹同士の婚約を宣言され、今度は卒倒しそうなくらいに動揺したが、恵美子の「掛け軸、大事にしてる?」の一言でそのまま舌を凍らせたのである。何故だかは二人以外の誰にも判らなかったが、このようにして恵一と千夏の結婚はとりあえず了承されたようであった。 それどころか、恵美子は子供達の婚約を機に、また実家に戻って両家族みんなで同居するよう言いだし、伯父はその対応にたいそう苦慮している。この場合の恵一達としてはどちらを応援すべきであろうか。ちなみに、何も知らない千夏はこの事態を素直に喜んでいるのだから、もう一方の当事者である恵一も喜ばなければならないのだろう――きっと「よかったね。兄貴」 複雑な心境の恵一により複雑な声でそう言った秀美のほうは表立っての変化はない。違いに気がついているのは、毎晩、娘が息子の部屋にいくようになったことを知っている母親くらいなものであろう。(もちろん、そこで野暮なつっこみをするような“恵美子お母さん”ではない) ちなみに婚約を許された恵一と千夏であるが、それからは逆に二人が会う時間は制限される事となってしまった。この婚約によって恵一が伯父の会社を継ぐことがほぼ確定となったので、恵一がしかるべき大学に行ってちゃんとした成績をおさめ、さらに責任ある一人前の社会人にならざるをえなくなったのである。具体的には勉強の邪魔にならぬよう、デートは週一回、電話は一日一時間以内と双方の親の同意のもとに強制的に決定されたのであった。 ちなみにこの処置については、恵一はともかく開発されたばかりの(?)千夏が悲鳴を上げた。怖い父親の命令と愛しい“お兄ちゃん”との結婚のために我慢はしたものの、身体まではごまかせない。いきおい、毎晩のラブコールは生々しいものになってしまうのである。「お兄ちゃん。いま、千夏の中に・・人差し指が入っているの・・動かしていい?お兄ちゃんのみたいに・・」 毎晩、そう言う電話をかけられる恵一であったが、こちらはもっとたいへんであった。千夏の電話を受ける時には必ず傍らに秀美がいるのである。しかも無言で――そして獣のように。「き、気持ち良い・・お兄ちゃんの指と思ったら千夏の指も良いの・・次はどうする?中指もいれるの?それとも・・」 そう千夏が囁く受話器の下で秀美は実の兄の肉棒を舐め、時には上に跨って肉壺で吸い尽くしていた。恵一は声をおさえるだけで精一杯である。今をばれるわけにもいかず、かといって何ともしようもない。こんな秀美でも責めるわけにもいかず、また、それ以上に拒絶などは――できはしなかった。 しかし、秀美の責めはどんどん過激になっていったのである。千夏との映画館デートの際にあとをつけてきた秀美に携帯で呼び出され、化粧室で襲われたこともある。ほんの数分のことだったが、その時の恵一は自分でも恥ずかしくなるほど燃え、立ったままの姿勢で秀美が失神するまでに責め上げたのであった。 ある時、恵一はいつまでこんなことを続けるのか――SEXを終えた後、丹念に兄の肉棒を舐める秀美に聞いたことがある。返事はさわやかすぎるくらいにあっさりであった。「いつまで?何を言っているのよ。千夏とは違って、戸籍上、同じ家の兄妹なんだから法的に結婚できるわけがないじゃない」「…………」「だから、あたしと兄貴との…愛情の…その――証ができるまでよ」「…え?」 疑問形の恵一であったが、実は秀美の言っている意味の推測は出来る。その途端に巻き起こった驚愕とも感動とも言えない衝動に、常識みたいなものが必死で耐えていたのである。一生、誰にも言えない事だが、この瞬間だけは理不尽であっても――罪の辛さよりも歓喜の方がはるかに強く、自制心がはじけそうであった。「だから!」 恥ずかしさのあまりか、兄の感動には気がつかなかった妹は真っ赤な顔で叫んだ。「――兄貴の子供ができたら勘弁してあげるわ。そうしたら千夏にも何も言わない。約束するわ。兄貴は好きにしていいのよ。あたしは兄貴からもらったものを大事にして生きていくから――それであたしはいいの」「秀美…」「兄貴を不幸にはできないからね。ま、千夏に言いたいことはあるんだけれども…」 妹は笑って言った。恵一はその意味を悟り、何とも言えない気持ちになる。不覚にも涙が出そうになったのは何故であろうか。 秀美は決意したのだ。兄との――誰にも言えない子供――と家族を作り、慈しむ事を。 それがどんなに困難であっても、何があろうとも――その母・恵美子と同じように・・ そう、同じ“もう一人の”妹として・・――終――[2001/11/14]