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小説(転載) ギュッてして 4/4

官能小説
05 /18 2018
掲載サイトは消滅。厳密には近親相姦ではないので、官能小説のカテゴリとした。話の展開が上手いのですぐ読み終えてしまう感じだ。

(……えっ?)
 不意に手が離れ、ヨシ兄が部屋から出て行く足音が聞こえた。
 そのまま耳をすませると、ヨシ兄は自分の部屋に戻っていったことにきがつく。でもヨシ兄は、すぐにまた、部屋に戻って来てくれた。今度は部屋のドアを閉めるだけじゃなく、カチャッという鍵をかける音も聞こえる。
 しばらくして、またベッドがギシッときしんだ。
 ヨシ兄は無言だった。
 私も、無言だった。
 不意にまた、太股を撫でられる感触があった。
(良かった……)
 なぜだか私は安心した。
 でも、次にヨシ兄の言葉で、私は息を飲み込んだ。
「嫌ならそのままでいい。そうでないなら……膝、たてろ」
 意味はすぐに理解できた。
 また、あれをするんだ――そう思うと心臓のドキドキがさらに強まる。
「……そうか」
 ヨシ兄のため息が聞こえる。
 思わず私は、あわてて膝をたてた。ちょうど毛布からお尻を突き出しているような姿勢になったのだ。
 ヨシ兄は無言になった。
 それでも、しばらくして私のお尻を撫ではじめた。
「……痛かったら、言えよ」
 あの時と同じ台詞だ。
 それを聞いて、不思議と私は、また、安心して体の力をぬいた。
 風邪をひいてるわけでもないのに、なんだか頭がボーッとしてくる。
 あの夜と同じだ。
 お尻を撫でられるだけだというのに、お腹の下の方がジーンッと痺れてくる感じがした。
「脱がすぞ……」
「……うん」
 私は毛布にくるまったまま応えた。
 スウェットが引き降ろされ、ヨシ兄の手で脱がされて行く。
 裾を引き抜く時、私は膝をあげて、それを助けた。
「パンツ、可愛いな」
 たまたまお気に入りのパンツを履いていたので、嬉しいやら恥ずかしいやらで、私は困ってしまった。
 そのパンツも脱がされた。
 そしてヨシ兄は、私のお尻を片手で揉み始めた。
 気持ちいい。
 マッサージされてる感じとは、少し違う気がする。
 全部見られているのはわかっていたけど、どうせ前に見られていると思うと、あんまり恥ずかしい感じがしなかった。
(……あっ)
 お尻の穴が撫でられている感触がある。
 優しく、転がすように、指の腹が押しあてられている感触だ。
 しかも、しばらくすると、その指がヌッと私の中に入り込んで来た。あの夜の後、自分でも指を入れてするようになったが……こんなに簡単に入るなんて、ありえないことだったのに……
 ヨシ兄の指は特別なのかもしれない。
 そう思うと、お腹の下が、さっき以上にジーンと痺れて来た。
 ヨシ兄の指が、ゆっくり、出たり入ったりをくり返し始める。
「んっ……んっ……んっ……」
 声が自然と漏れでた。
 それまで毛布を掴んでいた両手で、私は口を抑えこんだ。
 でも、腰も勝手に動き出してしまう。
 指の動きは、少しずつ早くなった。
 それから円を描くように、私の中をかき回してくる。
 変な感じだ。
「……んんっ!」
 急に指が、二本になった。
 それなのに私のお尻は、すんなり、ヨシ兄の指を受け入れていた。
「……こっちにも欲しいか?」
 突然、前の方にもヨシ兄の指の感触を感じる。
 掌全体でアソコを押しつけてきている感じがした。
「すごいな……こんなに濡れて……」

……ヌチャッ……

 アソコから掌が離れると、いやらしい音が私の耳にもはっきりと聞こえてきた。
 私はおそるおそる、首を曲げて、四つんばいになってる自分の股の方を眺めてみた。見えたのは、私のアソコから離れたヨシ兄の掌と、その間に生まれたネットリとした透明な液の糸……こんなに濡れるなんて、これまで無かったことだ……やっぱりヨシ兄の指は……
「奈美、見えるか?」
 まるで私が見ていることを知っているかのように、ヨシ兄はボソッとそう尋ねて来た。
 ボーッとしている私は、素直に「うん……」と応える。
「ひとりでする時も、こんなに濡れるのか?」
「……しないもん…………」
「嘘だ」
 急にお尻を、激しくかき回された。
「あっ! ……ち、違う…………」
「なにが違うって?」
「……ヨシ兄に……されてるから……ヨシ兄だから…………」
 ヨシ兄は黙ったまま、お尻から指を引き抜いた。
「あん……」
 もっといじってほしい――そう思っていると、カチャカチャとベルトを外す音が聞こえて来た。
(ついに……)
 口にたまった唾を、コクンと飲み込んでみる。
 ボーッと見ていると、ズボンもパンツも脱いだヨシ兄の下半身が見えた。
(うそっ!?)
 ヨシ兄のアレが見えた。ものすごく大きい。誰かが、極太のマジックぐらいあるのが普通だと言ってたけど、それ以上はあるように思える。
 ヨシ兄は、そんなものすごく大きなアレに、コンドームをつけて、何かを塗り付けていた。
(あんなのが……あの時、入ったんだ…………)
 今回で二度目だと言っても、とても入るとは思えない。
「いくぞ」
「………………うん……」
 お尻に、アレの先端が押しあてられる感触があった。
「奈美……息を吸って…………」
 言われる通り、私はスーッと息を吸った。
「吐いて…………」
 フーッと息を吐く。

……ヌルッ……

「あっ……」
 あっけなく、ヨシ兄のアレが私の中に入り込んで来た。
 あんなに大きいのに、全然、痛くない。
 でも、ギチギチだ。もう、いっぱいいっぱいって感じだ。でも――
(えっ!?)
 さらに奥へと入り込んでくる。
「あっ、あっ、あっ、あっ!」
 まるで、そのまま先端が口から出て来そうな感じがして私は恐くなった。
 でも、少ししてお尻にピタッとヨシ兄の肌が押し付けられる感触を覚える。
「全部入ったぞ……」
「うん……」
「……痛かったら、言えよ」
 また、いつもの言葉だ。なんだおかしくって、私は小さく笑ってしまった。
「あんっ……」
 ヨシ兄が動き出す。
 ぬかれる時、一緒に内臓も全部もっていかれる感じがして、全身から力が抜けてしまう。
 差し込まれる時、内臓が押し分けられている感じがして、やっぱり力が入らなくなる。
 もう、何がなんだかわからなくなった。
 いつもひとりでする時、お尻もいじっていたせいか、すごく敏感になってる気がする。

……ヌチュ……ヌチュ……ヌチュ……ヌチュ……
……んっ……んっ……んっ……んっ……

 私の声といやらしい音とが同じリズムを刻む。
 それに気付くだけで、私はものすごくHな気分になって、喉がカラカラに乾いた。
「奈美、いくぞ……」
 これまで聞いたこともない、ヨシ兄の切なそうな声が聞こえてきた。
 直後、ヨシ兄は深々とアレを私の中に差し込む。
 お尻をパンッと叩くぐらい強く突き刺された私は、「あっ……!」と声をあげながら、痺れとも痛みともいえない不思議な感覚に突き飛ばされた。
 頭が真っ白になる。
 それでも、私の中で、ヨシ兄のアレがビクッ、ビクッと震えているのがわかった。
(ヨシ兄も……)
 スーッとしたまどろみの中で、私は、ヨシ兄を気持ちよくさせられた自分の体を、少しだけ誇らしく思えた。



 終わった後、ヨシ兄は毛布ごしに私に抱きついてきた。アレは入ったままだ。
 体重をあずけられた私は、ちょっと耐えきれなくて横に倒れた。ヨシ兄の体も横に倒れる。でも、アレは入ったまま……。
「……なぁ、奈美」
 ヨシ兄が毛布をかきわけ始めた。
 まどろんでいた私は、抵抗するでもなく、十数分ぶりに頭を外に出した。
「……兄ちゃんのこと、軽蔑するか?」
「……なんで?」
「妹にこんなことして……」
「……ヨシ兄って、彼女、いないの?」
「悪かったな」
「私じゃ……ダメ……?」
「……」
「あっ、彼女って意味じゃなくて……恋人って、いつか別れちゃうもん……だから彼女の代わりにさ………………あっ」
 お尻の中で、ヨシ兄のアレがまた固く、大きくなってきたのがわかった。
「ヨシ兄のH」
「おまえの中、気持ちよすぎるんだって」
「へへぇ……」
 私は、なんだか嬉しくなった。
「ヨシ兄、ギュッってして」
「……こうか?」
 後ろからヨシ兄の腕が、私の体を強く抱きしめてくる。
「……ねぇ、ヨシ兄」
「んっ?」
「もっとしていいよ」
「……」
「いっぱい、いっぱい、Hなことしていいよ……私に……Hなこと、いっぱい教えて……それで……ずっと……ずっと私のこと…………」
 ヨシ兄はなにも答えなかった。
 でもしばらくして、ヨシ兄が動き出した。
 さっきよりも優しく、まるで私のことを壊れ物みたいにいたわるみたいに。



 こうして私とヨシ兄は特別な関係になった。
 ただ、ヨシ兄はいつまでたっても私の処女を、奪ってくれようとはしない。
 ちょっと残念だけど、それはそれでいいことなんだと思う。
 だって……私にもわかっているのだ。
 この関係は、いつか終わる関係。
 ヨシ兄に好きな人ができるか、それとも私が『好き』って思える人とめぐり合うか……
「よいしょっと」
 私はヨシ兄の背中から降りて、台所に向かった。
「ヨシ兄、ジュース飲む?」
「コーヒー」
「お砂糖、ひとつだよね?」
 私はインスタントコーヒーの用意をしながら、少しだけ考えた。
 いつか終わる関係でも、今はまだ、続いている。
 だから――
「ヨシ兄」
「んっ?」
 ジュースとコーヒーを手にリビングに戻った私は、ヨシ兄の横に体育座りになりながら、ちょっと照れ臭そうに笑った。
「母さん、まだ帰らないし……ギュッてしくれる?」
おわり

小説(転載) ギュッてして 3/4

官能小説
05 /18 2018
掲載サイトは消滅。厳密には近親相姦ではないので、官能小説のカテゴリとした。話の展開が上手いのですぐ読み終えてしまう感じだ。

「奈美……」
 トイレから部屋に戻ると、怒っているように泣いているようにも見える複雑な表情を浮かべたヨシ兄が待っていた。不意に私は、昨晩の出来事に関係があるんだって悟った。
「あっ……ごめんね、ヨシ兄。昨日はメチャクチャで……ほら、病院に連れていってくれたでしょ? あの後のこと、私、ぜんぜん覚えてないんだ。でも、着替えさせてくれたみたいだし、なんか一晩中、看病しててくれたみたいだし……あ、ありがとうね、ヨシ兄」
 私はシドロモドロになりながら、必死に言葉を探し、言うだけ言って、ヨシ兄に抱きついた。こんなヨシ兄の顔、見たくなかったのだ。
「……奈美」
 私はギュッと、ヨシ兄の胸に頬を押し付ける。
「……元気になって、良かったな」
 ハッとなって顔をあげると、そこにはいつもの不機嫌そうな――つまり普通の――ヨシ兄がいた。
(絶対、秘密にするんだ)
 なぜか私は、そう決心した。
(昨日のことは、絶対、秘密にするんだ……)



 母さんと父さんが再婚して、私たちの本格的な同居生活が始まった。私とヨシ兄との関係は「仲の良い兄妹」というもの。あの夜のことは、ふたりとも決して語ろうとしないけど、共犯意識というか……そんなのがあって、なぜか不思議と仲良くできた。
 もっとも、お互いに共犯意識があるんだって知ったのは、私がいろんな知識を仕入れた後、私が小学六年生、ヨシ兄が高校二年生になった頃のこと……



「ヨシ兄? いるぅ?」
 冬の土曜日、母さんも父さんも仕事で出かけた後、暇だった私は、ヨシ兄から漫画本でも借りて暇を潰そうと、部屋を訪れてみた。
「なんだ?」
 ヨシ兄は勉強机の上にノートパソコンを開いて、何かをカタカタカタッと打ち込みながら返事をしてくる。
「なにしてるの?」
「ちょっとな」
 ヨシ兄の後ろに回ると、ノートパソコンの画面にはなんだか良く割らない英語がいっぱい表示されていた。
「なにこれ?」
「CGIって言って……インターネットって、知ってるか?」
「むぅ。すぐ人のこと、馬鹿にするぅ」
 私は「えいっ」とばかりに、ヨシ兄の首にチョークスリーパーをかけた。
「ギブ。降参。奈美の勝ち」
「アイムウィン!――で、それがどうしたの?」
「ちょっと興味があってな、いろいろ勉強してるってわけ」
「あっ、もしかしてヨシ兄って、ホームページ、持ってるの?」
「話したこと、無かったか?」
「見せて見せて! どんなやつ!?」
「そんな、面白くないぞ」
 開いていたウィンドウを閉じてから、ヨシ兄はブラウザを立ちあげた。
 表示されたのは文字だけが並んでる無味乾燥なページだ。
「なにこれ?」
「オレのサイト」
「うそだぁ。だって、絵とか一枚もないじゃん」
「そういうサイトもあるの」
 内容は自作したプログラムを公開するというもので、ヨシ兄は『YOSHI』のハンドル名で、時計とか何だとか、幾つかのフリーソフトを公開していると説明してくれた。
「ヨシ兄って、プログラマーになるの?」
「まぁな」
 確かに本棚には、いろんなパソコンの本が並んでいるし、パソコン関係の資格の本も幾つか目についた。
「それで、何の用だ?」
「別にぃ。暇だから漫画でも借りようかなぁって思って」
「小説にしろ、小説に」
「それよりさ、他のホームページも見せてよ。どんなのあるの?」
「どんなのって……」
「あ~、もしかしてヨシ兄、夜とかに一人でHなホームページとか見てたりするんだぁ」
「あのなぁ……」
「すっけべぇ~♪ 母さんに言いつけちゃおうっかなぁ♪」
「別にいいぞ」
「えっ? いいの?」
「言ったところで、ちょっと注意されるぐらいだって」
「じゃあ、あの夜のことも?」
 言った瞬間、私は「あっ……」と心の中で声をあげてしまった。
 ヨシ兄が黙り込んでいる。
 触れてはいけないもの――私は、タブーに触れてしまったのだ。
「……奈美」
 ヨシ兄は、首に抱きつく私の腕をぽんと軽く叩いた。
「オレ……奈美のこと、好きだぞ」
 ドキッとした。
「でも、その好きも兄妹の『好き』なんだ。それなのに、あんなことを……」
「良かった……」
 思わず私は、思った通りの言葉をつぶやいてしまった。
「えっ……?」
「あっ……う、うん……あのね……その……私も好きだよ、ヨシ兄のこと。でも、その好きって、ヨシ兄と一緒で、兄妹の『好き』なんだって思うんだ……」
 本当にそうなんだろか?――と尋ねる別の私が、頭の片隅にいた。でも、長い時間をかけてたどり着いた結論がこれだった。少なくとも、クラスメートなんかが、よく騒いだりしている誰のことが好きだとかいうやつとは違うように思える。
「だから……私たち、ずっと一緒だよね?」
 ヨシ兄は無言だった。
 それが恐くて――
「で、でも……兄妹だけど……ほら、血はつながってないんだし……だ、だから……だから私に……私に……」
 その時だ。
――トゥルルルル! トゥルルルル!
「ふみゃっ!」
 電話のコール音で驚いた私はヨシ兄から飛び離れた。ヨシ兄は無言で机の横に置いてある子機に手を伸ばし、電話を受ける。
「はい、もしもし……母さん?」
 急に私はここにいちゃいけないって思った。
 あわてて部屋を飛び出して、自分の部屋に駆け込み、ベッドの中にもぐりこむ。
 本当は……ずっと今みたいな機会を望んでいた。
 私だって、性に興味がある。
 あれから二年も経つ間に、いろんなことを知ったし、初潮だって迎えたし、ひとりですることも覚えたし……だからもう一度、今度は意識がハッキリしてる時に、同じことをされたらどうなるか……ああ、もう! 私、なに考えてるんだろ!
「奈美?」
 ヨシ兄の声だ。ドアが開いたままだったらしい。私は毛布をくるまったまま、黙ってヨシ兄の次の言葉を待った。
「……奈美?」
 足音が聞こえる。
 なんだか恥ずかしくなった私は、もそもそと毛布をかき集めて顔を隠した。そのせいで下半身が毛布から外に出てしまう。でも、ついさっきのことを思い出していた私は、まるで私がヨシ兄を誘っていたみたいだったことに気付いて……
「奈美……」
 ギシッとベッドが鳴る。
 ヨシ兄が座ったんだと思う。
 それからしばらく、ヨシ兄は黙っていた。私は胸のドキドキがヨシ兄に聞こえてるんじゃないかって思って、気が気でなかった。
 不意に太股に何かが押しあてられた。
 手だと思う。
 でも私は驚き、ビクッと震えた。
 手はすぐに離れた。でも、また触れてくる。今度は予想ができたので、驚くこともなかった。
 横向きに寝ている私の太股からお尻のあたりを、ヨシ兄の大きな手が撫ではじめる。
 他人に触れるだけでこんなに感触が違うだなんて……どうしてだろう?
 ただ撫でられているだけなのに、だんだん私は、切なくなってきて、息も少しずつ荒くなって来て、もっともっと撫でて欲しくて……
つづく

小説(転載) ギュッてして 2/4

官能小説
05 /18 2018
掲載サイトは消滅。厳密には近親相姦ではないので、官能小説のカテゴリとした。話の展開が上手いのですぐ読み終えてしまう感じだ。

 バツイチ同士の再婚家族――なーんて、今時、珍しいものでもない。
 うちの両親が離婚したのは私が小学二年生の頃で、母さんとヨシ兄の父親、つまり今の父さんとが再婚したのは小学四年生の頃の話だ。確かに離婚された頃にはショックを受けて、悲劇のヒロインを演じたものだが、六年も経つと私だってふてぶてしくなるというもの。それに、ちょっとしたことがキッカケで、ヨシ兄と変な関係になっちゃったし……。
「……どうした、奈美?」
「ちょっとね……」
 お風呂からあがった私とヨシ兄は、とりあえずすることもないのでリビングでボンヤリとTVを見ることにしていた。ちなみにヨシ兄は絨毯の上にうつぶせに寝そべり、その上にわたしがベターッと乗っかるという姿勢で、TVを見ている。
 服はヨシ兄も私もスウェットの下にTシャツだけというもの。もちろん、私はブラジャーなんて無駄なもの、外したままにしている。だから時々――
「うりうりぃ、バストアターック」
「……肋骨が痛い」
 なんて馬鹿なことをCMの間にしていたりする。
 まぁ、それはそれとして。
「ねぇ、ヨシ兄」
「んっ?」
「なんで最後までしてくれないの?」
「そこまで鬼畜になれるかって」
「むぅ。もう充分、鬼畜じゃん」
「はいはい。わかったら肋骨、押し付けるな」
「はぐはぐ」
「耳も噛むな」
「ねぇねぇ、ヨシ兄」
「ん?」
「私、風邪気味なんだ」
「……アホ」
 ヨシ兄はコツンと、腕を回して私の頭を軽く叩いた。



 ヨシ兄と始めてあったのは、小学四年生になったばかりの頃だ。母さんが「外に食事にいきましょ」と言って、私に綺麗なワンピースを着せて連れていった先に、今の父さんと、学生服姿の不機嫌そうなヨシ兄とがいたのである。
「野口義久(のぐち・よしひさ)だ。よろしくな」
 私の前にしゃがみこんで手を差し出して来たヨシ兄を見て、なんとなく私は、
(この人、敵じゃない……)
 なんて妙なことを思ってしまった。
 だから母さんと父さんが一泊二日の温泉旅行――式をあげず、籍だけいれることになってたけど、せめて新婚旅行ぐらいしただろうかってヨシ兄がいいだしたことで実現することになった旅行――に出かける時、私は風邪気味だったけど、父さんの家でヨシ兄と一緒にいられるんだから、きっと大丈夫だろうって、そう思って、笑顔で二人を見送った。
 イタズラされたのは、その夜のことだ。
 あっ……イタズラなんていうと、ヨシ兄がホントに鬼畜になっちゃうな……
 でも、確かにそれはイタズラだった。
 すべては私が、その日の夜に高熱を出したことが原因なんだけど。



「まだ苦しいか?」
 額の濡れタオルを替えてくれながら、ベッドの枕許で、ヨシ兄が不機嫌そうにそう尋ねて来た。不機嫌そうなのはいつものことだ。だから私は、気にもしなかった。
「ヨシ兄……ごめんね……」
「なんで謝る」
「だって……」
 ヨシ兄は私が高熱でふらついていることに気付くと、すぐにタクシーを呼んで、病院まで連れていってくれたのだ。それに病院から戻ると、氷嚢を用意してくれたし、その後も突きっきりで濡れタオルを替えてくれている。
「謝るぐらいなら、やせ我慢するな。わかったな」
「ごめんね……」
「だから……」
「ごめんね…………」
 その時の私は、半分、意識が朦朧(もうろう)としていて、自分でも何を言っているのかよくわかっていなかった。
 だからしばらくして、自分が上半身裸になっていても、
(あれ……?)
 としか思わなかった。
「寒くないか?」
 耳元からヨシ兄の声が聞こえた。
 なんだか熱い何かが身体中を撫でている感じがして、私は「んっ……」と声を漏らした。
「熱いか?」
 そうでもない――と思ったけど、なんだか答えるのも億劫(おっくう)だった。
 でも、その頃にはようやく、ヨシ兄が私の体を拭いていてくれているんだって理解できるぐらいにはなった。どうやら私の上半身を起して、背中の方に回って抱き支えながら体を拭いていてくれているらしい。少しだけ恥ずかしかったけど、ヨシ兄にならいいかなって考えて、私はされるがまま、ヨシ兄に全部任せることにした。
 そうしていると、上半身はすぐに拭き終わり、乾いたシャツとダブダブのトレーナーを着せられる。
「さて……」
 それからしばらく、ヨシ兄の動きがとまった。
 次は下半身なんだって、なんとなく理解できたけど、どうして戸惑っているのかまでは……まだ性知識も大してなかったその当時の私には、まったく理解できなかった。
「んっ……」
 私はパジャマの下とパンツが脱がせづらいんだと勝手に解釈して、どうにか両手をふんばって腰をあげようとした。それに気付いたヨシ兄が、
「……いいのか?」
 と聞いてくる。
 良いも悪いも、このままじゃ着替えられないし――と思った私は、どうにかコクンと、小さく肯きかえした。
 なぜか生唾をゴクッと飲み込む音が聞こえてくる。
 当たり前だ。私は小学四年生だったけど、ヨシ兄だって中学三年生だったんだ。多分、女の子の裸を生で見たことなんてなかったかもしれない。だからヨシ兄にとって、そこから先は未知の世界だったんだと思う。
 しばらくして、ヨシ兄は私を後ろから抱き支えたまま、パジャマの下と、パンツを脱がしてくれた。私も膝を折り曲げたりして協力したんで、案外、すんなりとぬがすことができたらしい。
 あと、そのせいで私は、膝を抱えるような姿勢になっていた。
 ヨシ兄は足先から体を拭き始め、左右のふくらはぎを拭き、膝の頭を拭き、足を伸ばさせ、それから太股の外を拭いて……
 また唾を飲み込む音が聞こえた。
「……足、開いて」
 言われるまま、私は足を開いた。
 熱い濡れタオルが、私の太股の内側を刺激してくる。
 それから、おそるおそるといった感じで、アソコの上にも、熱い濡れタオルが押しあてられた。不思議と熱く感じられたせいで、私は「んっ……」と声をあげた。
「……裏返すぞ」
 急に恐い声でヨシ兄はそう告げた。
「うん……」
 そう答えると、ヨシ兄は私を寝かせ、うつぶせにさせた。
 しばらくポーッと枕に顔を埋める。
 ようやくお尻に熱い感触があった。
「……そうだ……薬を入れないとな……薬だからな……薬だから…………」
 なんだかヨシ兄は、うわごとのように何かを言いはじめた。
 その直後、私はお尻が両手でめいっぱい、左右に開かれたことに気付き、狼狽した。
「ヨシ……兄…………?」
「ざ、座薬を……わかるか? お尻にいれる薬だ。それ、いれるからな」
 そういう薬があるということは、クラスメートから聞いて知っていた。それに、座薬をいれたら高熱が一晩で治ったという話も聞いたことがあった。
 なんだ、お薬か――と思いながら、私は全身の緊張を解いた。
 でも、お尻にいれるだなんて、ちょっと変な薬だなって、思わなくもなかった。
「……痛かったら、いえよ」
 なんだかお尻に、異物が入り込む感覚があった。
 変な感じだが、別に痛くもない。
 私が黙っていると、異物はさらに深く入ってきた。
 それからどういうわけか、異物は急に動かなくなった。
「……痛かったら、いえよ」
 さっきと同じ言葉を、ヨシ兄がつぶやいた。
 途端、私は股に鋭い痛みを感じた。なんか針が刺さったような痛みだ。
「んっ!」
「悪い……」
 痛みはすぐになくなった。でも、お尻の異物感はなくならない。
「……これは……大丈夫……か?」
 なんかお尻のあたりで何かが動いていた。異物が出たり入ったりしている感じだ。
「……痛くないか?」
「うん……」
 変な感じだが、痛くない。
 しばらくして、異物が増えた感じがした。ちょっときつかったが、そのきつさも、次第にやわらいでいった。
「……奈美。痛かったら、いえよ」
 三度目の言葉だ。
 でも、どういうわけか、今度の言葉は私の耳元で聞こえた。うつぶせになった私の背中に、ヨシ兄が覆い被さっているような感じがする。でも、痛いといえば、すぐやめてくれるとわかっていたので、私は素直に「うん……」と答えた。
 一瞬、お尻の異物感がなくなった。
 でもすぐに、もっと大きな異物が入り込んでくる感じがした。
 痛くない。
 それ以上に、ものすごく熱い。
 耳元で、ヨシ兄が「ふぅ……」と息をついたのがわかった。
 なぜだからわからず、ボーッとしてると、ヨシ兄は私の腰に腕を回し、膝をたたせてきた。それから、お尻に入った大きな異物が、なんだか出たり入ったりしてくる。
 変な感じがした。
 オシッコが出そうな感じだ。
 でも、トイレに行きたいなんて言ったら、これが終わってしまうような気がして、言えなかった。なぜかこのまま、こうされていたいような気がしたのだ。
 だんだん、動きが早くなって、リズムを刻み始める。
「んっ……んっ……んんっ……んっ……」
「奈美……」
 急にヨシ兄は私の腰を両手で強く掴んで、グッと深いところまでアレを突きいれて来た。
 なんだかビクッ、ビクッと私の中で、アレが震えているのが分かった。
(終わったのかな……)
 そう思ったその頃には、もう熱のせいで何も考えられなくなってしまっていた。
 それからのことは、よく覚えていない。
 ハッキリしているのは、翌朝、目が覚めると熱が退いていたこと、枕許で寝ていたヨシ兄は頬を涙で濡らしていたこと、それから起さないよう気を付けながらトイレにいったら、ウンチと一緒に変なネバついたものが出て来たことぐらいだった。
つづく

小説(転載) ギュッてして 1/4

官能小説
05 /18 2018
掲載サイトは消滅。厳密には近親相姦ではないので、官能小説のカテゴリとした。話の展開が上手いのですぐ読み終えてしまう感じだ。

「ただいまぁ」と言ったところで誰かいるわけでもない。
 私はポテポテと靴を脱ぐと、部屋に戻って、とりあえずシャワーをあびることにした。
 熱いシャワーをあびながら、フゥとため息をついてみる。
(生徒会なんて断ればよかったなぁ……)
 頼まれると断れない――我ながら損な性格だと思う。でも、一度は引き受けた生徒会書記の仕事を、面倒だからって投げ出すわけにもいかない。
「奈美か?」
 不意に洗面所の方からヨシ兄の声が聞こえてきた。
「あっ、お帰りぃ。お母さんなら、帰り、九時頃になるってぇ」
 昼頃、携帯にそういうメールが届いていた。
 義父さんは証券会社に勤めていて、今は香港に単身赴任中。母さんも同じ証券会社に勤めていて、この街の支社で、あーだこーだと経済に関っている。だから我が家の夜は、私とヨシ兄だけという場合が多い。九時に母さんが戻ってくるのも、ある意味、早いくらいだ。
「そっか……わかった。奈美、飯はどうする?」
「それよりさ」
 と、私は外のヨシ兄に語りかけた。
「一緒に入らない?



「どうしてこうなったのかな……?」
 ぬるま湯の湯船につかりながら、私はボンヤリとそんなことをつぶやいてみた。
「なにが?」
 ヨシ兄は、シャンプーを泡立ててながらチラリと私の方を一瞥した。
「肉体関係」と私が答える。
「オレのせいだろ」とヨシ兄が苦笑した。
「でも、受け入れたの、私だよ?」
「断れなかっただけだろ」
「そうかな……?」
「そういうことにしとけ」
 ヨシ兄はシャワーで泡を洗い流すと、「ほら、どけよ」といいながら湯船に足をいれてきた。うちの湯船はけっこう広くて、ついでにジャグジーなんてものもついてるから、けっこう快適だったりする。
 一端、私は立ち上がって、湯船に足を伸ばしたヨシ兄の上に背中を預けて浸かりなおした。
「あっ、もう大きいじゃん」
 お尻に感じるヨシ兄のアレは、もうギチギチってぐらいに固くなっていた。
 途端、ヨシ兄の両手が、私のまな板のような胸を後ろからワシ掴みにしてくる。
「そういうおまえは、いつまでたっても大きくならないな」
「ひっどーい。気にしてるのに……んっ…………」
 ヨシ兄は、私の耳を軽く噛んできた。一緒に私の小さな胸を、優しく揉みほぐし始める。
「気にしてたのか?」
「するよ……」
「十四なんだから、別にこれくらいでいいんじゃないか?」
 ヨシ兄が指の第二間接の間で、私の乳首を少しだけ強く挟んだ。
 ツキューンという刺激で、私は少しだけ、背中をのけぞらせる。その動きで、ヨシ兄のアレが、ちょうど私のお尻の谷間にぴったりと挟みこまれた。
 私は下唇を噛み締め、声を押し殺しながら自然と腰を動かし始める。
 ヨシ兄のアレが、お尻の谷間と、ヨシ兄自身のお腹との間でこすりつけられながらビクビクと脈打っている感じがなんだか嬉しく思えた。
「Hなヤツだな」
「違うもん…………」
「じゃあ、この腰はなんだ?」
 告げるなり、ヨシ兄は右手をスッと下へとおろし、私のお腹を押しあてるように撫で始める。それだけで切なくなった私は、反射的に、両手で自分の口を塞いだ。
 別に誰かに聞こえるはずもない。
 でも、いつもの癖で、なんとなくそうしてしまったのだ。
「馬鹿だな……」
 ヨシ兄は、胸においていた左手で私の両手を口から引きはがした。そして人差し指で私の唇を軽く撫で上げると、プチュッと口の中に、指を突きいれてくる。
 私はヨシ兄のその手に両手を添え、口の中に指に舌を絡み付かせた。
 アレのつもりで、頭も前後に動かす。
 頭の中が、ホワーンとなってきた。
 気が付くとお腹の方からジンワリとした暖かさと、ザワザワと波立つ気持ちよさがあがり始めてい。お腹を撫でていたヨシ兄の右手が、私のスリットを撫で始めたのだ。
 ヨシ兄は上手だ。
 スリットの両脇、太股との付け根を撫で上げたり、不意に内股を撫でて、また恥丘を押してスリットの周囲を……といったように、簡単に肝心なところに触れてこない。
「んんっ…………」
 私は口にあるヨシ兄の指に、軽く歯をたてた。
 応えるよりも先に、ヨシ兄は指をスリットの中にうめこんで来た。
 ひだを撫でられると、本当に頭がホワーンとしてきて、何も考えられなくなりはじめる。それにお腹の下がどんどん熱くなって、体が勝手にピクッ、ピクッと動くようになった。
「イッていいからな」
 耳元でヨシ兄が囁いてくる。
 私はうなずきながら、ヨシ兄の指を無我夢中でしゃぶり続けた。
 ヨシ兄の右の人差し指と中指の先端が、クリトリスを軽く挟みこんでくる感触がどういうわけか、ハッキリと感じ取れた。いや、多分、イメージしていたんだと思う。
 こうすると気持ちよくなる――そう教えてくれたのは、ヨシ兄なのだから。
「……んんんっ!!」
 ヨシ兄の指は、皮の上から小さなクリトリスに微妙な振動を加えた。それだけで、私は昇りつめ、頭をのけぞらせながらポンッとどこかに飛んでいった。
「奈美……」
 ボンヤリとした私に、ヨシ兄が囁きかけてくる。
「……うん」
 本当はこのまま気だるさに身をゆだねていたかったが、私はふらふらと湯船の中で立ち上がると、縁に両腕をつき、ヨシ兄に向かってお尻を突き出す姿勢になった。
 背後でヨシ兄が動く。
「ほら……」
 ヨシ兄の固いアレが、私のスリットに押しあてられた。
「うん……」
 私はわずかに開いていた股を閉じ、太股とあそこで、ヨシ兄のアレを挟みこんだ。
 素股とよばれるものだ。
 すぐにヨシ兄が動きだした。チャピチャプと湯船のお湯が音をたてる。
 クリトリスが直接こすりつけられる感覚は、痺れにも似て、頭を真っ白にさせる。
 パンパンパンッという、私のお尻にヨシ兄のお腹が打ち付けられる音も響いた。でも私は、それ以上にお湯で流されていたにも関らず、ほんの少しのうちにヌチュヌチュと鳴り始めた股の音が恥ずかしくって、クッと下唇を噛んでしまった。

……パンッ……パンッ……パンッ……パンッ……
……チャプッ……チャプッ……チャプッ……チャプッ……
……んっ……んっ……んっ……んっ……
……ヌチュ……ヌチュ……クチュ……ヌチュ……

 四つの違う音が、風呂場の中で反響する。
 それでもヨシ兄の息は聞こえない。
 ヨシ兄は、している最中もいつも冷静だ。そうでなくなるのは――
「奈美、いくぞ……」
 その時、一瞬だけ切ない声をあげる。私が一番好きな声だ。
「うっ……」
 ヨシ兄のアレが、ビクビクと震える感触があった。
 その感触と、その声と、ヨシ兄が私の体で気持ちよくなってくれたんだという実感とで、私はまた、スーッと深い海の底に沈みこんでいく。
 このまま死ねたら気持ちいいだろうなぁ……と思うようなイキ方だ。
「……ヨシ兄」
「んっ?」
「ギュッてして……」
「はいはい」
 それからヨシ兄は、胎児みたいに丸まった私をギュッと抱きしめながら湯船に浸かり続けてくれた。甘えん坊だなぁと自分でも呆れるが、今はどうでもいいやって思ってしまうのだから不思議である。
「ヨシ兄……」
「んっ?」
「なんでもない……」
「はいはい」
 きっと本当にしたら、もっとどうでもいいって思えるんだろうなぁ……なんてことを考えながら、私は、まどろみに浸りこむことにした。
つづく

eroerojiji

小さい頃からエロいことが好き。そのまま大人になってしまったエロジジイです。